JP3038963B2 - 部品実装装置および部品実装方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子部品の実装所要時
間の短縮化を図った部品実装装置および部品実装方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、プリント基板への電子部品の実装
は、電子部品実装装置による自動実装が一般的になって
いる。

【０００３】以下、従来の電子部品実装装置の構成につ
いて図４を参照しながら説明する。図において、部品供
給手段１はテーピング部品連が軸着されたリール２ａと
リール２ａが装着され、Ｘ軸方向に移動自在な部品供給
テーブル３と、テーピング部品連の電子部品をノズル５
ｂに順送りするカセット２ｂとにより形成されている。

【０００４】縦型の実装手段４は、Ｏ点を中心に回転す
る回転体５ａと、回転体５ａに等間隔で複数個設けられ
たノズル５ｂと、電子部品の位置ずれを認識する部品認
識手段５ｃとで形成され、ノズル５ｂはＰ点で電子部品
を吸着して受取り、回転体５ａの等ピッチの間欠回転で
Ｑ点に至り、Ｑ点でプリント基板６に実装を行う。そし
て、プリント基板６はＸ−Ｙ方向に移動自在なプリント
基板保持手段７上に縦に、すなわち、プリント基板面が
ノズル５ｂに対向するように所定の位置に保持されてい
る。

【０００５】プリント基板保持手段７は、図４（ａ）に
点線で示す位置７ａ、すなわち、プリント基板送入手段
８、プリント基板送出手段９のプリント基板送入出線上
に降下してプリント基板送入手段８からプリント基板６
ａを受取り、Ｙ方向に上昇移動して実線に示す位置７で
プリント基板６に電子部品が実装される。実装が終わる
と点線で示す位置７ａに下降し、プリント基板送出手段
９へ実装済みのプリント基板６ａを送出させる。そし
て、プリント基板送入手段８から次のプリント基板６ｂ
を受取る。

【０００６】このプリント基板送入手段８およびプリン
ト基板送出手段９とプリント基板保持手段７との間での
プリント基板６ａの受渡しにおいて、プリント基板送入
手段８およびプリント基板送出手段９はプリント基板６
ａの送入出方向へ左右に移動し、図４（ａ）に点線で示
す位置８ａ、９ａ、すなわち、プリント基板保持手段７
の両端部に隣接する位置に移動する。この移動と同時
に、プリント基板送入手段８およびプリント基板送出手
段９は、図４（ｂ）に矢印および点線で示す位置８ｂ、
９ｂ、すなわち、プリント基板保持手段７と同一面とな
る位置に後方移動（図４（ａ）において表面から裏面方
向へ）する。このような、プリント基板送入手段８およ
びプリント基板送出手段９の移動により両端は同一面と
なり、プリント基板６ａはプリント基板保持手段７に円
滑に受渡しされる。

【０００７】１０はプリント基板６ａ，６ｂ，６ｃ…を
プリント基板送入手段８に搬入するプリント基板搬入手
段、１１は同様のプリント基板搬出手段で、それぞれの
端部にプリント基板送入手段８およびプリント基板送出
手段９の端部が移動により隣接したときに、プリント基
板６ｃがプリント基板送入手段８に搬入され、プリント
基板６ａがプリント基板送出手段９から搬出される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
の電子部品実装装置では、プリント基板６ａへの電子部
品の実装を終了してから次のプリント基板６ｂへの電子
部品の実装を開始するまでに、プリント基板６ｂの入れ
替え待ち時間が生じ、無駄な時間を費やすという問題が
あった。

【０００９】すなわち、プリント基板６ａへの電子部品
の実装終了−プリント基板保持手段７の位置７ａへの下
降移動−プリント基板送入手段８およびプリント基板送
出手段９の左右移動と前後移動−プリント基板６ａの送
出およびプリント基板６ｂの送入−プリント基板送入手
段８およびプリント基板送出手段９の前後移動と左右移
動−プリント基板保持手段７の上昇移動という行程を要
し、特に、プリント基板保持手段７の下降，上昇移動が
プリント基板の入れ替え待ち時間となり、時間を空費し
ていた。

【００１０】本発明は上記課題を解決するもので、プリ
ント基板の入れ替えの待ち時間を短くし、時間の空費を
なくすることのできる部品実装装置および部品実装方法
を提供することを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の部品実装装置は、部品供給手段から供給さ
れる部品を保持しプリント基板に実装する部品実装手段
と、プリント基板を保持し所定の実装位置に部品を実装
するために移動するプリント基板保持手段と、前記プリ
ント基板保持手段にプリント基板を送入するプリント基
板送入手段と、前記プリント基板保持手段からプリント
基板を送出するプリント基板送出手段とを備えた部品実
装装置であって、プリント基板への部品の実装が終了し
た位置にある前記プリント基板保持手段に対してプリン
ト基板の送入および送出を行うために、前記プリント基
板送入手段およびプリント基板送出手段は、プリント基
板への部品の実装が終了した位置にある前記プリント基
板保持手段をはさんで両端に隣接した位置まで各々移動
する移動手段を備えたことを特徴とする。

【００１２】また、上記目的を達成するために、本発明
の部品実装方法は、部品供給手段から供給される部品を
保持しプリント基板に実装する部品実装手段と、プリン
ト基板を保持し所定の実装位置に部品を実装するために
移動するプリント基板保持手段と、前記プリント基板保
持手段にプリント基板を送入するプリント基板送入手段
と、前記プリント基板保持手段からプリント基板を送出
するプリント基板送出手段とを備えた部品実装装置にお
ける部品実装方法であって、プリント基板への部品の実
装が終了した位置にある前記プリント基板保持手段に対
してプリント基板の送入および送出を行うために、前記
プリント基板送入手段およびプリント基板送出手段は、
プリント基板への部品の実装が終了した位置にある前記
プリント基板保持手段をはさんで両端に隣接した位置ま
で各々移動することを特徴とする。

【００１３】

【作用】本発明によると、上記した構成により、プリン
ト基板保持手段は、プリント基板への実装終了後にプリ
ント基板送入手段およびプリント基板送出手段がある場
所まで移動する必要がなく、最終実装位置にあるままの
状態であれば良く、逆に、実装終了した位置にあるプリ
ント基板保持手段に対してプリント基板の送入、送出が
できる位置までプリント基板送入手段、プリント基板送
出手段の方が移動する。しかも、プリント基板への実装
中には、プリント基板送入手段はプリント基板を受取っ
た位置よりもプリント基板保持手段に近寄った位置で、
プリント基板送出手段はプリント基板を渡した位置より
もプリント基板保持手段に近寄った位置で待機すること
ができるので、プリント基板への実装が終了し次第、即
時に、プリント基板保持手段に対してプリント基板の送
入、送出ができる位置まで移動することができる。ま
た、プリント基板の送入、送出が済み次第、プリント基
板送入手段、プリント基板送出手段はプリント基板保持
手段から離れ、次のプリント基板への実装を開始するこ
とができる。

【００１４】従来は、プリント基板保持手段自身が、実
装位置より前方に離れた位置にあるプリント基板搬送コ
ンベアの延長線上のプリント基板送入、送出手段の所ま
で移動するため、次のプリント基板への実装開始までの
ロス時間が掛かるものであったが、本発明では、従来の
プリント基板保持手段の移動時間に替わるプリント基板
送入手段、プリント基板送出手段の移動時間はわずかで
済むため、次のプリント基板への実装開始までのロス時
間を大幅に短縮することができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図１から図
３を参照しながら説明する。

【００１６】なお、従来例に示したものと同一部品には
同じ符号を付して説明を省略する。プリント基板保持手
段７は、縦立して保持したプリント基板６ａの所定の位
置に電子部品を実装するためにＸ−Ｙ方向に移動自在に
設けられている。

【００１７】プリント基板送入手段８およびプリント基
板送出手段９は、プリント基板保持手段７のプリント基
板送入方向、すなわち左右方向と、プリント基板保持手
段７とプリント基板搬入手段１０およびプリント基板搬
出手段１１との間の前後方向とに移動し、図１（ｂ）に
矢印および点線で示すように、プリント基板保持手段７
と同一面となる位置８ｃ，９ｃに移動するようにもなっ
ている。

【００１８】このようにプリント基板送入手段８および
プリント基板９がプリント基板保持手段７に接近するよ
うに移動すると、それぞれの一端部はプリント基板保持
手段７の両端部に隣接し、これにより、プリント基板６
ａの送入，送出が円滑に行われるようになる。また、プ
リント基板保持手段７から離れるように移動すると、そ
れぞれの他端部はプリント基板搬入手段１０およびプリ
ント基板搬出手段１１の端部に隣接し、これにより、プ
リント基板６ａの搬出、プリント基板６ｃの搬入が円滑
に行われるようになる。

【００１９】プリント基板搬入手段１０およびプリント
基板搬出手段１１は、実装部の障害にならないように、
プリント基板保持手段７の前方で左右方向に離れて配設
されている。

【００２０】なお、プリント基板送入手段８およびプリ
ント基板送出手段９は、図２に示すように、Ｙ方向に敷
設されたレール２１上を、モータ２２で回動されるねじ
２３によってＹ方向に移動される移動手段２４によって
移動される。なお、図示していないが、Ｘ方向への移動
も同様の移動手段２４によって行われる。

【００２１】上記構成において、図３を参照しながら動
作について説明する。なお、図は、説明の都合上、プリ
ント基板保持手段７より前方にあるプリント基板搬入手
段１０およびプリント基板搬出手段１１を、プリント基
板保持手段７の下方に示している。

【００２２】（ａ）は、プリント基板６ａへの電子部品
の実装が終了した状態を示し、プリント基板送入手段８
およびプリント基板送出手段９は左右に移動してプリン
ト基板保持手段７から離れて位置している。そして、プ
リント基板送入手段８には次のプリント基板６ｂが、プ
リント基板搬入手段１０には更に次のプリント基板６ｃ
が、それぞれ待機状態で準備されている。

【００２３】（ｂ）では、実装が終了したプリント基板
６ａをプリント基板保持手段７から送出し、プリント基
板６ｂを送入するために、プリント基板送入手段８およ
びプリント基板送出手段９が左右方向に移動してプリン
ト基板保持手段７に隣接して位置している。

【００２４】（ｃ）では、プリント基板６ａがプリント
基板送出手段９に送出され、次のプリント基板６ｂがプ
リント基板保持手段７に送入されている。

【００２５】（ｄ）では、プリント基板６ｂに実装を開
始するために、プリント基板送入手段８およびプリント
基板送出手段９は左右方向と前方に移動退避し、プリン
ト基板搬入手段１０およびプリント基板搬出手段１１に
隣接して位置している。この退避中あるいは退避が終了
すると同時にプリント基板６ｂへの電子部品の実装が開
始される。そして、プリント基板送入手段８にはプリン
ト基板６ｃが送入され、プリント基板搬入手段１０には
プリント基板６ｄが準備される。

【００２６】（ｅ）では、プリント基板６ｂへの電子部
品の実装中に、プリント基板送入手段８およびプリント
基板送出手段９は後方に移動し、プリント基板保持手段
７とは離れた位置に位置して実装の終了を待機してい
る。この状態は（ａ）に示す状態と同じである。

【００２７】このように本発明の実施例の電子部品実装
装置によれば、プリント基板送入手段８およびプリント
基板送出手段９の左右方向と前後方向の移動によりプリ
ント基板６の入れ替えを行うので、プリント基板保持手
段７の移動を不要とすることができ、プリント基板６の
入れ替えのための実装待ち時間を短くすることができ
る。

【００２８】

【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明によれば、プリント基板保持手段は、プリン
ト基板への実装終了後にプリント基板送入手段およびプ
リント基板送出手段がある場所まで移動する必要がな
く、最終実装位置にあるままの状態であれば良く、逆
に、実装終了した位置にあるプリント基板保持手段に対
してプリント基板の送入、送出ができる位置までプリン
ト基板送入手段、プリント基板送出手段の方が移動す
る。しかも、プリント基板への実装中には、プリント基
板送入手段はプリント基板を受取った位置よりもプリン
ト基板保持手段に近寄った位置で、プリント基板送出手
段はプリント基板を渡した位置よりもプリント基板保持
手段に近寄った位置で待機することができるので、プリ
ント基板への実装が終了し次第、即時に、プリント基板
保持手段に対してプリント基板の送入、送出ができる位
置まで移動することができる。また、プリント基板の送
入、送出が済み次第、プリント基板送入手段、プリント
基板送出手段はプリント基板保持手段から離れ、次のプ
リント基板への実装を開始することができる。

【００２９】従来は、プリント基板保持手段自身が、実
装位置より前方に離れた位置にあるプリント基板搬送コ
ンベアの延長線上のプリント基板送入、送出手段の所ま
で移動するため、次のプリント基板への実装開始までの
ロス時間が掛かるものであったが、本発明では、従来の
プリント基板保持手段の移動時間に替わるプリント基板
送入手段、プリント基板送出手段の移動時間はわずかで
済むため、次のプリント基板への実装開始までのロス時
間を大幅に短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の一実施例の電子部品実装装置
の構成を示す正面図 （ｂ）は図１（ａ）のＡ矢視による要部の構成を示す平
面図

【図２】（ａ）は同プリント基板送入手段およびプリン
ト基板送出手段を移動させる移動手段の平面図 （ｂ）は同側面図

【図３】本発明の一実施例の電子部品実装装置の動作を
説明する動作説明図。

【図４】（ａ）は従来例の電子部品実装装置の構成を示
す正面図 （ｂ）は図４（ａ）のＡ矢視による要部の構成を示す平
面図

【符号の説明】

１ 部品供給手段 ４ 実装手段 ６，６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ プリント基板 ７ プリント基板保持手段 ８ プリント基板送入手段 ９ プリント基板送出手段 １０ プリント基板搬入手段 １１ プリント基板搬出手段

フロントページの続き (72)発明者 平井 弥 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−109300（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−207600（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−104700（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H05K 13/02

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 部品供給手段から供給される部品を保持
   しプリント基板に実装する部品実装手段と、プリント基
   板を保持し所定の実装位置に部品を実装するために移動
   するプリント基板保持手段と、前記プリント基板保持手
   段にプリント基板を送入するプリント基板送入手段と、
   前記プリント基板保持手段からプリント基板を送出する
   プリント基板送出手段とを備えた部品実装装置であっ
   て、プリント基板への部品の実装が終了した位置にある
   前記プリント基板保持手段に対してプリント基板の送入
   および送出を行うために、前記プリント基板送入手段お
   よびプリント基板送出手段は、プリント基板への部品の
   実装が終了した位置にある前記プリント基板保持手段を
   はさんで両端に隣接した位置まで各々移動する移動手段
   を備えたことを特徴とする部品実装装置。
2. 【請求項２】 プリント基板保持手段の前方に配設され
   プリント基板送入手段にプリント基板を搬入するプリン
   ト基板搬入手段と、プリント基板保持手段の前方に配設
   されプリント基板送出手段からプリント基板を搬出する
   プリント基板搬出手段とを備え、前記プリント基板送入
   手段は前記プリント基板保持手段と前記プリント基板搬
   入手段との間を移動自在で、前記プリント基板送出手段
   は前記プリント基板保持手段と前記プリント基板搬出手
   段との間を移動自在である請求項１記載の部品実装装
   置。
3. 【請求項３】 プリント基板への部品実装中には、プリ
   ント基板送入手段は、プリント基板搬入手段と隣接した
   位置にてプリント基板を受取った後、プリント基板搬入
   手段よりプリント基板保持手段に近い位置にて待機し、
   プリント基板送出手段はプリント基板搬出手段と隣接し
   た位置にてプリント基板を渡した後、プリント基板搬出
   手段よりプリント基板保持手段に近い位置にて待機する
   請求項２記載の部品実装装置。
4. 【請求項４】 プリント基板送入手段およびプリント基
   板送出手段は、各々駆動手段で回動するねじにより直交
   する２方向に移動される請求項１ないし請求項３のいず
   れか１項記載の部品実装装置。
5. 【請求項５】 部品供給手段から供給される部品を保持
   しプリント基板に実装する部品実装手段と、プリント基
   板を保持し所定の実装位置に部品を実装するために移動
   するプリント基板保持手段と、前記プリント基板保持手
   段にプリント基板を送入するプリント基板送入手段と、
   前記プリント基板保持手段からプリント基板を送出する
   プリント基板送出手段とを備えた部品実装装置における
   部品実装方法であって、プリント基板への部品の実装が
   終了した位置にある前記プリント基板保持手段に対して
   プリント基板の送入および送出を行うために、前記プリ
   ント基板送入手段およびプリント基板送出手段は、プリ
   ント基板への部品の実装が終了した位置にある前記プリ
   ント基板保持手段をはさんで両端に隣接した位置まで各
   々移動することを特徴とする部品実装方法。
6. 【請求項６】 プリント基板への部品実装中には、プリ
   ント基板送入手段は、プリント基板保持手段から離れた
   位置に移動しプリント基板を受取った後、前記プリント
   基板を受取った位置よりプリント基板保持手段に近い位
   置にて待機し、プリント基板送出手段は、プリント基板
   保持手段から離れた位置に移動しプリント基板を渡した
   後、前記プリント基板を渡した位置よりプリント基板保
   持手段に近い位置にて待機する請求項５記載の部品実装
   方法。