JP3038672U - パンツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】パンツの前立打合わせ部Ａとなるべき部分
において身頃布１の表側に見返し布２を重ね合わせ、前
開き部３となるべき近辺の左右を上下方向に縫着する。
左右の縫着部４、４間において前記身頃布１と見返し布
２とを上下方向に切断したその切断部５から、前記見返
し布２の上前見返し布2aと下前見返し布2bとをいずれも
奥に差し込む。前記切断部５から差し込まれた上前見返
し布2aを前記身頃布１の上前側1aに、下前見返し布2bを
前記身頃布１の下前側1bに別個に縫着する。 【効果】従来のように裁断された身頃布の左右の生地の
両側端部を重ね合わせて縫製するような厄介な作業を経
ること無く、筒状の身頃布からパンツを容易に作製する
ことが出来る。特に、ゴム伏せ部は身頃布の上端部分を
単に裏側に折り返しただけの厚みで済み、従来の場合に
比べて生地の重なりは少なく、ウエスト部分の縫製作業
を簡単に行うことが出来る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は男子用のパンツ、さらに詳しくは、ミシン糸による前立打合せ部の縫 合線が従来のようにゴム伏せ位置まで達することのないように改良されたパンツ に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、男子用パンツの前立打合わせ部Ｂは図３(b) に示すように、裁断された 一枚の見頃布11の左右の生地11a 、11a の両側端部をそれぞれ裏側に折り返した 後両折返部11b 、11b を前後に重ね合わせるとともに、図３(c) に示すように、 ウエスト部分にゴム伏せ部12を形成すべく上端部分を裏側に折り返し、しかる後 、図３(a) 及び図３(d) に示すように、重なり合っている前記両折返部11b ,11b 部分をゴム伏せ部12に達するまで上下方向にミシン糸により本縫い13 ,13するこ とによって縫製される。 このように縫製することにより、図３(e) に示すように前立打合せ部Ｂに前開 き部14が形成される。なお、前記ゴム伏せ部12には図３(c) に示すようにゴム紐 15が挿入されており、また、前記前開き部14の上下両端部分は図３(a) に示すよ うに横方向に縫着16されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような縫製手法を採った場合には、前立打合わせ部Ｂにおけるウエスト部 分、すなわち、重なり合っている前記両折返部11b ,11bの上端部分を裏側に折り 返した部分では、図３(c) 及び図３(d) に示すように、生地が八重になり地厚に なるから、その部分での本縫い13が厄介であるという欠点がある。 一方、着用時においては、この部分はゴム紐15が挿入されていることもあって 非常にゴロゴロし、身体にフィットしにくいという欠点がある。

【０００４】 また、従来のように、裁断された身頃布11の左右の生地11a 、11a の両側端部 を前側で重ね合わせる手法を採る場合には、生地柄を左右で合わせないとみっと もないから、横柄合わせを必要とし、縫製にそれだけ手間が掛かるという欠点も ある。 本考案は、従来の縫製手法を採った場合における上記各欠点を解消するととも に、ミシン糸による本縫い工程を少なくすることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案では、パンツの前立打合わせ部Ａとなるべき 部分において身頃布１の表側に見返し布２を重ね合わせ、前開き部３となるべき 近辺の左右を上下方向に縫着し、左右の縫着部４、４間において前記身頃布１と 見返し布２とを上下方向に切断したその切断部５から、前記見返し布２の上前見 返し布2aと下前見返し布2bとをいずれも奥に差し込み、前記切断部５から差し込 まれた上前見返し布2aを前記身頃布１の上前側1aに、下前見返し布2bを前記身頃 布１の下前側1bに別個に縫着した構成とする。

【０００６】 このような構成とすることにより、従来のように裁断された身頃布11の左右の 生地11a 、11a の両側端部を重ね合わせて縫製するような厄介な作業を経ること 無く、筒状の身頃布からパンツを容易に作製することが出来る。特に、ゴム伏せ 部は身頃布１の上端部分を単に裏側に折り返しただけの厚みで済み、従来の場合 に比べて生地の重なりは少なく（二枚重ねで、実質上、従来の場合の１／４で済 む）、ウエスト部分の縫製作業を簡単に行うことが出来る。そして、着用時にお いてもウエスト部分がゴロ付かず、身体にフィットしやすい。 また、筒状の見頃布からパンツを作製することが出来るから、従来の場合のよ うに生地柄を左右で合わせる作業、いわゆる横柄合わせを必要とせず、縫製に手 間が掛からない。 さらに、前立打合わせ部Ａ、ウエスト部分がいずれもデザイン的にすっきりし た感じとなり、意匠的にも優れたものとなる。

【０００７】

【考案の実施の形態】 本考案の好ましい実施の形態を、添付図面の図１、図２に基いて詳細に説明す る。 本考案におけるパンツは、筒状の身頃布１から容易に作製することが出来るも のである。すなわち、図２(a) 〜図２(e) に示すような筒状の身頃布１から容易 に作製することが出来る。 まず、図１(b) 、図２(a) に示すように、パンツの前立打合わせ部Ａとなるべ き部分において、この身頃布１の表側に一枚の見返し布２を重ね合わせる。そし て、前開き部３となるべき近辺の左右と上端とを上下方向及び横方向の略倒Ｕ字 状に縫着する（縫着部を図面符号４で示す）。

【０００８】 次に、図１(b) において実線で、また、図２(a) 、図２(b) において点線で示 す略倒Ｕ字状の縫着部４、４間において、前記身頃布１と見返し布２の二枚を図 １(b) において鎖線で、また、図２(b) において実線で示すように上下方向に切 断し、ここに縦方向の切断部５を形成する。 この切断部５を形成することにより、一枚の見返し布２はこの切断部５を境に して図１(b) 、図２(b) の右側に現れる上前見返し布2aと図１(b) 、図２(b) の 左側に現れる下前見返し布2bとに分けられる。

【０００９】 これら二枚の上前見返し布2aと下前見返し布2bを図１(c) 及び図２(c) に示す ように、縫着部４、４からいずれも折り返して前記切断部５から奥に差し込む。 そして、切断部５から奥に差し込まれた上前見返し布2aと前記身頃布１の上前 側1aとを図１(d) において実線で、また、図２(d) において点線で示すように、 上下方向に縫着する（縫着部を図面符号６で示す）。 一方、切断部５から奥に差し込まれた下前見返し布2bは、図１(d) に示すよう に、これをさらに裏側に折り返す。そして、折り返されたこの折返部2b' を前記 身頃布１の下前側1bに重ね合わせ（裏側において重なり合う）、しかる後、この 折返部2b' と身頃布１の下前側1bとを図１(d) において実線で示すように、上下 方向に縫着する（縫着部を図面符号７で示す）。

【００１０】 前立打合わせ部Ａをこのように縫製することにより、図１(d) に示すように前 立打合せ部Ａに前開き部３を形成することが出来るが、この場合の縫製は、従来 のように裁断された身頃布11の左右の生地11a 、11a の両側端部を重ね合わせて 縫製するような厄介な作業を経るものでは無く、図２(a) 〜(e) に示すような筒 状の身頃布１からパンツを容易に作製することが出来る。

【００１１】 その後、ウエスト部分を図１(a) に示すように縫製するが、この場合のゴム伏 せ部は一枚の身頃布１の上端部分を単に裏側に折り返しただけの厚みで済み、従 来の場合に比べて生地の重なりは少なく（二枚重ねで、実質上、従来の場合の１ ／４で済む）、ウエスト部分の縫製作業を簡単に行うことが出来る。そして、着 用時においてもウエスト部分がゴロ付かず、身体にフィットしやすい。 なお、ゴム伏せ部には従来の場合と同じようにゴム紐が挿入されているが、こ こではその図示を省略してある。

【００１２】 また、図２(a) 〜図２(e) に示すような筒状の身頃布１からパンツを作製する ことが出来るから、従来の場合のように生地柄を左右で合わせる作業、いわゆる 横柄合わせを必要とせず、縫製に手間が掛からない。 さらに、前立打合わせ部Ａ、ウエスト部分がいずれもデザイン的にすっきりし た感じとなり、意匠的にも優れたものとなる。 なお、前記前開き部３の上下両端部分は従来の場合と同様に横方向に縫着８さ れている（図１(a) 、図２(d) 、図２(e) 参照）。

【００１３】 筒状の身頃布１のうちパンツの股部に相当する部分は、図２(a) 〜(e) に示す ようにあらかじめ半円形に裁断されており、この部分には図１(a) に示すように マチ布９が縫い付けられる。従来のパンツでもこの部分にはマチ布が縫い付けら れるが、従来の場合には、裁断された身頃布11を用いる点で本考案の場合と異な るが、その部分の裁断形状やその部分にマチ布を縫い付ける方法は両者ともほぼ 同じである。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によるパンツは、従来のように裁断された身頃布の左右の生地の両側端 部を重ね合わせて縫製するような厄介な作業を経ること無く、筒状の身頃布から パンツを容易に作製することが出来るという特長を有する。特に、ゴム伏せ部は 身頃布の上端部分を単に裏側に折り返しただけの厚みで済み、従来の場合に比べ て生地の重なりは少なく、ウエスト部分の縫製作業を簡単に行うことが出来ると いう特長を有する。そして、着用時においてもウエスト部分がゴロ付かず、身体 にフィットしやすいという特長を有する。 また、筒状の見頃布からパンツを作製することが出来るから、従来の場合のよ うに生地柄を左右で合わせる作業、いわゆる横柄合わせを必要とせず、縫製に手 間が掛からないという特長を有する。 さらに、前立打合わせ部Ａ、ウエスト部分がいずれもデザイン的にすっきりし た感じとなり、意匠的にも優れたものとなるという特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のパンツの一例を示すもので、(a) はそ
の正面図、(b) 〜(d) は前立打合わせ部の縫製工程を説
明するための略示拡大断面図である。

【図２】筒状の身頃布から本考案によって前立打合わせ
部を縫製する一例を示す正面図で、各工程順に分けて示
す。

【図３】裁断された身頃布の左右の生地の両側端部を重
ね合わせて縫製する従来のパンツの一例を示すもので、
(a) はその正面図、(b) 〜(e) は前立打合わせ部の縫製
工程を説明するための略示拡大断面図である。

【符号の説明】

Ａ─前立打合わせ部、１─身頃布、1a─上前側、1b─下
前側、２─見返し布、2a─上前見返し布、2b─下前見返
し布、３─前開き部、４─縫着部、５─切断部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パンツの前立打合わせ部Ａとなるべき部分
   において身頃布１の表側に見返し布２を重ね合わせ、前
   開き部３となるべき近辺の左右を上下方向に縫着し、左
   右の縫着部４、４間において前記身頃布１と見返し布２
   とを上下方向に切断したその切断部５から、前記見返し
   布２の上前見返し布2aと下前見返し布2bとをいずれも奥
   に差し込み、前記切断部５から差し込まれた上前見返し
   布2aを前記身頃布１の上前側1aに、下前見返し布2bを前
   記身頃布１の下前側1bに別個に縫着したことを特徴とす
   るパンツ。