JP3038068B2 - 血管吻合用コネクターおよびその製造方法 - Google Patents

血管吻合用コネクターおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管吻合の際に使用す
るコネクターおよびその製造方法に関する。詳細には、
血管吻合手術を極めて容易にし、且つ吻合後に血管の良
好な開存性、癒合および回復をもたらす血管吻合用コネ
クターに関する。
【0002】
【従来の技術】血管移植手術等において行われる血管縫
合に当たっては、針のついた縫合糸を使用して血管同士
を縫い合わせる方法が従来から広く採用されている。そ
の場合の縫合手技としては、単純結節縫合、連続縫合、
および顕微鏡下でそれらの縫合を行うマイクロサージェ
リーの技術等が実際に採用されている。
【0003】いずれの場合も、血栓の形成を抑制して縫
合後の血管に開存性を維持し且つ良好な縫合結果を得る
ためには、血管同士の端面をできる限り段差が生じな
いようにして縫い合わせることによって血流面をできる
だけ平滑にする、血液が血管外膜組織に触れることの
ないように血管の内膜同士が合わさるように縫合して血
管外膜組織が血流面にこないようにする、血管に引裂
けや伸び等の損傷が生じないように縫合時に過剰の張力
が加わらないようにする、等の点が手術時に求められ、
それらの要件を満たすには適度のスピードと適切で均一
な縫合力を伴った高度な縫合技術が要求される。
【0004】しかしながら、上記要件を満たすような縫
合手術は誰もが容易に行えるものではなく、個々の外科
医の技量に大きく依存しており、特に口径が2mm以下
の微小血管では、縫合の良否は外科医の技量に著しく左
右されざるを得ない。そして、そのような欠点を改良す
るために、血管吻合用のホッチキス等の器具の開発が行
われてきたが、いずれも実際的ではなく、特に微小血管
の吻合に有効に使用し得る器具や装置類はこれまで知ら
れていなかった。
【0005】
【発明の内容】上記の点から、本発明者らは、個々の外
科医の技量に左右されることなく、簡単な手技によって
上記した〜の要件を満たしながら血管の吻合を行う
ことができ、その結果、血管吻合後に高い開存性を維持
し且つ均一で良好な吻合状態を得ることができる血管吻
合技術およびそのための用具を開発することを目的とし
て研究を続けてきた。その結果、管状のコネクターを用
い、このコネクターを吻合すべき両方の血管の端部内に
挿入した状態で両方の血管の端面を突き合わせて吻合す
ると、上記した〜の要件を満たしながら、極めて簡
単に且つ良好に血管吻合手術を行うことができることを
見出した。
【0006】そして、本発明者らが開発した管状コネク
ターの挿入下における血管吻合手術では、コネクターは
血管吻合後に血管中にそのまま留置されるが、そのよう
な場合には、上記した〜の要件の他に、更に留置
したコネクターが血管の癒合および回復に悪影響を及ぼ
さず、より好ましくは血管の癒合や回復を促進する、こ
とが必要であることがわかった。
【0007】そこで本発明者らは、上記した〜の要
件と共に更にの要件をも同時に満たす血管吻合用のコ
ネクターを得ることを目的として更に研究を進めてき
た。その結果、管状コネクターの基本骨格を生分解性材
料製の多孔質管状体から形成し、その少なくとも内面を
抗血栓性の生分解性物質で処理して最終的な血管吻合用
コネクターとすると、上記した〜の要件を満たしな
がら、極めて簡単に且つ円滑に血管の吻合を行うことが
でき、しかも吻合後の血管に開存性が維持されること、
更に該血管吻合用コネクターは吻合後初期には血管の癒
合および結合を促進すると共にそのまま剥離することな
く最終的には生分解されて生体組織と置き換わることが
できることを見出して本発明を完成した。
【0008】したがって、本発明は、抗血栓性の生分解
性物質で少なくとも内面が処理されている生分解性材料
製の多孔質管状体からなる血管吻合用コネクター、およ
び該血管吻合用コネクターを抗血栓性の生分解性物質で
生分解性材料製の多孔質管状体の少なくとも内面を処理
することにより製造する方法である。
【0009】本発明において「生分解性材料製の多孔質
管状体」とは、血管吻合後に該多孔質管状体が血管内に
留置された時に、生体内の酵素やその他の成分によって
徐々に分解されて、生体内に吸収および/または生体か
ら排泄され得る材料から形成された多孔質の管状体をい
う。多孔質管状体を形成する生分解性材料の例として
は、乳酸またはグリコール酸の単独重合体、それらの酸
の共重合体、通常発酵合成により製造されるポリ酪酸、
ポリ吉草酸および酪酸/吉草酸共重合体等の生分解性の
ポリカルボン酸類;ポリリジン等のポリアミノ酸類;お
よびキチン類等を挙げることができる。生分解性材料は
1種類でまたは2種類以上を組み合わせて管状体の製造
に使用することができる。また、上記した材料以外にも
同様の特性を有する生分解性材料は、いずれも本発明で
使用することができる。
【0010】更に、本発明における「多孔質管状体」と
は、管壁が多孔質構造になっている管状体をいい、管壁
の多孔質構造は、管の内面から外壁へと連通しているの
がよい。本発明では、コネクターの基本骨格となる管状
体を多孔質構造とすることによって、その表面に設けた
抗血栓性の生分解性物質が該多孔質構造中にも侵入して
管状体と強固に結合して、生分解性物質の早期剥離や早
期分離を防止することができ、吻合された血管内面にお
ける新生内膜の誘導を促進することができる。しかも、
新生内膜が形成された後は、管状体が表面積の大きい多
孔質になっていることにより、酵素等により生分解作用
を受け易く、速やかに生分解されて生体に吸収および/
または生体からは排泄されることができる。
【0011】多孔質管状体は、生分解性材料から形成さ
れた織布、編布、不織布、網、スポンジ、発泡体、可溶
性成分の溶出による多孔質体、微粒子や繊維状物の焼結
による多孔質体、延伸による多孔質体等の多孔質体から
形成することができる。多孔質管状体の作成に当たって
は、管形成と多孔質構造の形成を同時に行う(例えば生
分解性材料からなる繊維や糸の編上げによる管の形成、
押出成形による網状管体の製造、押出発泡による発泡管
状体の製造、管状押出・同時延伸による多孔質管状体の
製造、管状焼結成形等);管を形成した後に多孔質構造
にする(例えば管状体製造後の可溶性成分の溶出、管状
体製造後の延伸多孔化等);多孔質構造を有する材料を
形成した後に管状にする(例えば織布、編布、不織布、
網、スポンジ、発泡体、他の多孔質体を形成した後管状
に形成する)等の方法を採用することができる。いずれ
の場合も、管状体に継ぎ目等があると、血栓が形成され
易くなるので、管状体の内外面、特に内面に継ぎ目等の
生じない管形成方法を採用するのが望ましい。
【0012】多孔質管状体の管径(内径、外径)、壁
厚、多孔度、多孔構造の種類等は、吻合される血管の口
径、種類、吻合手術の内容、管状体の少なくとも内面に
被覆する抗血栓性の生分解性物質の種類等の種々の要件
に応じて、各々の状況に適したものを適宜選択するのが
よい。管壁が厚すぎると血流抵抗が大きくなるので、多
孔質管状体の壁厚は、通常約0.5mm以下にしておく
のがよい。しかしながら、多孔質管状体が血管吻合時に
つぶれたり変形したりすることなく、一定の管状形状を
保ち得る形状保持力を有するようにして、多孔質管状体
の素材、管径、壁厚、多孔度、多孔構造等を選択するこ
とが必要である。
【0013】また、多孔質管状体はその壁厚が全体に亙
って均一であっても、または部分的に異なっていてもよ
い。例えば、多孔質管状体の管状形状が保持される限
り、管状体の中央部分から一方の端部または両端部に向
かって壁厚を徐々に薄くしてゆくと、血管吻合手術に用
いた場合に、管状体の端部と血管内壁との間のギャップ
が小さくなって、その部分における血流に対する抵抗を
より減少させることができ、血栓の発生を一層抑制する
ことができる。
【0014】そして、本発明では、多孔質管状体の血流
と接触する内面を抗血栓性で且つ生分解性の物質により
処理しておく。多孔質管状体では、その内壁面に向けて
通常多数の孔が開いており、特に連通した多孔質構造を
有する多孔質管状体ではその孔は管状体の外壁まで連通
していて、それらの孔はいずれも血液と接触し得るか
ら、そのような場合は、血液と接触するそれらの孔の内
壁面(すなわち内面)も抗血栓性の生分解性物質によっ
て処理しておくのがよい。したがって、本発明でいう
「多孔質管状体の内面」とは、管状体のいわゆる内壁面
だけではなく、孔内壁等の血液と接触する内面をも包含
する。また、本発明では、多孔質管状体の内面だけでな
く、血液と直接接触しない部分も抗血栓性の生分解性物
質で処理しておいても勿論よい。
【0015】そして、本発明で使用し得る抗血栓性の生
分解性物質の代表例としては、(1)血管吻合後の早い時
期に内皮細胞による新生内膜の形成を促進して吻合部を
抗血栓性にする新生内膜形成促進物質(例えばフィブリ
ンゲル、その部分加水分解物、フィブリン・エラスチン
複合体、コラーゲン、コラーゲン・ヘパリン複合体
等);(2)多孔質管状体の表面に血栓溶解機能を付与す
る血栓溶解性物質(例えばウロキナーゼ、ストレプトキ
ナーゼ等の線溶系賦活化酵素);(3)多孔質管状体の表
面を血栓形成抑制性にする物質(例えばヘパリン、デキ
ストラン等の抗血栓性の多糖類、プロスタグランジン
等)等を挙げることができる。しかしながら、抗血栓性
の生分解性物質は上記のものに限定されず、抗血栓性で
且つ生分解性の物質はいずれも使用できる。
【0016】上記した抗血栓性の生分解性物質のうち、
フィブリンゲルおよびその部分加水分解物については、
本出願人自身がそれらの物質を施した人工血管等の人工
器官や医療器具等が極めて良好な抗血栓性を有すること
を見出して先に出願したが(特開平3−73160号公
報)、本発明の血管吻合用コネクターにおいても、フィ
ブリンゲルやその部分加水分解物は、抗血栓性の生分解
性物質として使用した場合に、極めて良好な結果を示
し、血管吻合部の癒合や回復を促進し、血管内面に新生
内膜を早期に形成させることができ、極めて望ましい。
【0017】多孔質管状体の内面または全面を抗血栓性
の生分解性物質で処理するに当たっては、抗血栓性の生
分解性物質またはその前駆体で被覆処理する方法、共有
結合やイオン結合等により抗血栓性の生分解性物質を多
孔質管状体表面に結合させる方法等を採用することがで
き、実際の処理に当たって、従来から知られている抗血
栓性物質による処理技術を適宜選択して使用するとよ
い。
【0018】本発明の血管吻合用コネクターの使用方法
の例を図1および図2により説明する。図1および図2
は本発明のコネクターを使用して吻合した血管の断面図
を各々示したものである。
【0019】まず、図1の場合には、吻合する2つの血
管1と血管2の解放した端部の各々に本発明のコネクタ
ー3を挿入する。次いで、血管1および血管2の端面4
と端面5を段差が生じないように且つ血管の内膜同士が
合わさるように図1のように外方に突出させて突き合わ
せ、その突き合わされた端面4と端面5の部分を例えば
縫合糸6によって血管の周囲に沿って複数箇所で縫合す
ることによって、吻合手術が完了する。図1において、
2つの血管の端面を突き合わせた後に別に用意した縫合
糸等を用いて血管の吻合を行ってもよいが、例えばコネ
クターの中央部分等に予め縫合糸等の吻合手段を取り付
けておくと、吻合手段を別途用意することなく、コネク
ターを使用してそのまま縫合を直ちに行うことができ、
便利である。
【0020】図1から明らかなように、本発明の血管吻
合用コネクターを図1のようにして使用した場合には、
吻合される2つの血管が形状保持性のコネクターの外周
に沿って一時的に伸ばされてコネクターの外径とほぼ同
じになるために、2つの血管はその接合面で段差を生ず
ることなく平滑な内面状態で突き合わせが可能である。
しかも、被吻合血管がコネクターにかぶせられて移動す
ることなく保持されているために、吻合部の血管の径が
一定に保たれて手術中に血管の変形が生じず、高度の技
量がなくても、吻合時に過剰の張力が加わらずに血管の
吻合を均一に安定した状態で行うことができ、吻合手術
時の血管の引裂けや伸び等を防止することができる。
【0021】また、図2の場合には、吻合する血管7の
外側に本発明のコネクター8をかぶせた後、血管7の先
端を折り返してコネクター8にかぶせる。次いで、吻合
するもう一方の血管9を先にコネクター8にかぶせた血
管7の外側に挿入する。その後、コネクター8を固定す
るために例えば縫合糸10によって結節する方法がとら
れる。また、より強固な結節とするために、コネクター
8に血管7を折り返してかぶせた段階でコネクター8の
周囲を結節してもよい。また、コネクター8にすべり止
めを設けてもよい。この時に用いる縫合糸10は生分解
性材料を基本に作成されたものが望ましい。
【0022】上記図2の方法によれば、血液が直接コネ
クターに接することがないので、抗血栓性は天然の血管
により良好に保たれ、しかもコネクター自身の多孔性お
よびコネクターに処理してある組織治癒促進物質の働き
により、より早期の組織治癒が期待でき、早期に接合部
での強度を確保できる。
【0023】
【実施例】
《実施例 1》ポリグラクチン(polyglactin)モノフ
ィラメント(商品名VICRYL;Ethicon社製)(繊
度0.7mm)を編上げて、内径2mm、外径2.8m
mおよび長さ10mmの編上管を作成した。別に、3%
ヒトフィブリノーゲン溶液(ミドリ十字製薬株式会社
製)(A液)、2mgのCaCl2(局方;武田薬品株式会社
製)を含む25単位/ml局方トロンビン溶液(持田製
薬株式会社製)(B液)、0.05unit/mlプラ
スミン溶液(ベーリンガー・マンハイム山之内株式会社
製)(C液)および10単位/mlのトラジノール溶液
(D液)を準備した。
【0024】上記で作成した編上管を最初に上記ノヒト
フィブリノーゲン溶液(A液)に分間浸漬した後、次に
上記のトロンビン溶液(B液)に2〜3分間浸漬して、
編上管の内外面および孔表面にフィブリンゲルを形成さ
せた。次いで、上記のプラスミン溶液(C液)中に37
℃で5〜15分間浸漬して、フィブリンゲルを部分加水
分解した後、上記のトラジノール溶液(D液)に入れて
プラスミンを中和して、フィブリンゲルの部分加水分解
物で被覆された多孔質の編上管からなる本発明の血管吻
合用コネクターを作成した。このコネクターの中央部に
は7−0ナイロン縫合糸を予め刺入しておいた。
【0025】《参考例》クロロホルムに溶解したポリグ
ラチン溶液(濃度5%)に、外径2mmのテフロン処理
したステンレス棒を浸漬した後取り出し、これを風乾し
た。次いで、ステンレス棒を抜き取って、内径2mm、
外径2.5mm、長さ10mmの孔のないポリグラチン
管を作成した。
【0026】《実施例 2》体重2.8kgの家兎の両
方の頸動脈を露出させた。一方の頸動脈に対しては実施
例1の血管吻合用コネクターを使用して縫合手術を行
い、他方の頸動脈に対しては参考例で作成したポリグラ
チン管を使用して吻合手術を行った。
【0027】吻合手術は、露出した一方の頸動脈にクラ
ンプをかけ、その中央で血管を切断し、断端の外膜を一
部除去した後に、実施例1の血管吻合用コネクターの一
端を切断された一方の血管内にコネクターのほぼ中央部
まで挿入してからコネクターに刺入してあった縫合糸で
血管を保定し、次いで切断された血管の他方をコネクタ
ーにかぶせて、よじれのないことを確認してから、縫合
糸を刺入して一針縫合固定した後、更に2針の追加を行
って両方の断端を合わせる方法により行った。
【0028】参考例のポリグラチン管による場合は、露
出した他方の頸動脈にやはりクランプをかけてその中央
で血管を切断し、断端の外膜を一部除去した後に、ポリ
グラチン管の一端を切断された一方の血管内にほぼ中央
部まで挿入し、次いで切断された血管の他方をポリグラ
チン管の残りの部分にかぶせて、よじれのないことを確
認してから、縫合糸により3針により断端を合わせて縫
合固定した。各々の吻合手術は、極めて短時間で終了
し、頸動脈露出後約10分間で手術を終了することがで
きた。
【0029】術後4週間後に家兎を犠死せしめ、吻合部
分を取り出して肉眼による観察を行った。その結果、実
施例1の血管吻合用コネクターを使用した部分は、断端
は癒合し、縫合部分は内膜で覆われており、ポリグラチ
ンフィラメント製の編上管は既に消失していた。一方、
参考例のポリグラチン管を使用した部分は、縫合部分に
ポリグラチン管がまだ残存しており、しかも縫合部分の
近傍に損傷を受けた内膜が観察され、更に血栓の付着が
あった。したがって、上記の結果から、本発明の血管吻
合用コネクターを使用した場合には、血管の吻合手術が
極めて短時間にスムーズに行えると共に、血栓の形成も
なく、術後の回復が極めて良好であることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明の血管吻合用コネクターを使用し
て血管吻合手術を行うと、個々の外科医の技量に左右さ
れることなく、適度のスピードと適切で均一な縫合力に
よって血管同士の端面を段差がなく簡単に縫い合わせる
ことができるため、吻合後に血管の良好な開存性を保つ
ことができ、しかも血管に引裂けや伸び等の損傷が生じ
ず、血栓の形成が抑制できる。特に口径が2mm以下の
微小血管では、吻合後の血管の開存性を維持するため
に、従来は極めて高度な縫合技術が必要とされていた
が、本発明の血管吻合用コネクターを使用した場合に
は、血管の開存性を維持しながら、そのような微小血管
の吻合手術をも簡単に且つ良好に行うことができる。
【0031】本発明の血管吻合用コネクターは、術後に
生分解されて生体に吸収および/または生体から排泄さ
れつつ生体組織と置き換わることができるため、血管の
癒合や回復を促進し、吻合手術後の早期に血管内に新生
内膜を形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコネクターを使用して吻合した血管の
断面図を示したものである。
【図2】本発明のコネクターを使用して図1とは別の方
法で吻合した血管の断面図を示したものである。
【符号の説明】
1 血管 2 血管 3 血管吻合用コネクター 4 血管1の端面 5 血管2の端面 6 縫合糸 7 血管 8 血管吻合用コネクター 9 血管 10 縫合糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−291849(JP,A) 特開 平3−73160(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 27/00 A61L 33/00 A61B 17/11

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗血栓性の生分解性物質で少なくとも内
    面が処理されている生分解性材料製の多孔質管状体から
    なる血管吻合用コネクター。
  2. 【請求項2】 多孔質管状体を形成する生分解性材料
    が、生分解性のポリカルボン酸、ポリアミノ酸および/
    またはキチン類からなる請求項1記載の血管吻合用コネ
    クター。
  3. 【請求項3】 ポリカルボン酸が、乳酸またはグリコー
    ル酸の単独重合体、それらの酸の共重合体、ポリ酪酸、
    ポリ吉草酸、酪酸と吉草酸の共重合体の少なくとも1種
    である請求項2記載の血管吻合用コネクター。
  4. 【請求項4】 抗血栓性の生分解性物質が、フィブリ
    ン、その誘導体および/またはその変性物である請求項
    1〜3のいずれか1項記載の血管吻合用コネクター。
  5. 【請求項5】 縫合糸および/または他の吻合用手段を
    有する請求項1〜4のいずれか1項記載の血管吻合用コ
    ネクター。
  6. 【請求項6】 生分解性材料製の多孔質管状体の少なく
    とも内面を抗血栓性の生分解性物質で処理することから
    なる血管吻合用コネクターの製造方法。
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