JP3037916B2 - ウラン水素化物の微粉化防止方法 - Google Patents

ウラン水素化物の微粉化防止方法

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JP3037916B2 JP9245072A JP24507297A JP3037916B2 JP 3037916 B2 JP3037916 B2 JP 3037916B2 JP 9245072 A JP9245072 A JP 9245072A JP 24507297 A JP24507297 A JP 24507297A JP 3037916 B2 JP3037916 B2 JP 3037916B2
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毅 尾上
功 金谷
宏之 八木
学 衣笠
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガンマ線および中
性子線の遮蔽材となるウラン水素化物を製造する際に問
題となる、水素化物の微粉化を防止し、ウラン水素化物
のハンドリング性および安全性を高める方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ウランの水素化物は、水素化の際の体積
変化によって、非常に細かい粉末となる。このため、極
めて反応活性な状態となり、大気中に取り出すと急速に
酸化反応が進行し、温度の上昇と同時に水素ガスを放出
するため、ハンドリング性、安全性の観点から大きな問
題がある。
【0003】ウランの水素化に伴う微粉化の防止方法と
しては、従来から様々な合金化が試みられているが、大
別して二通りに限られる。一つはTi、Zrのように高
温においてウランと完全固溶する元素との合金化であり
(例えば、山脇道夫、山本琢也他、G0213B UTNL-R、No.
268 、34−35頁(1991) )、もう一つは、金属間化合物
を作る元素との合金化である(例えば、T.Yamamoto, M.
Yamawaki et al., Fusion Technology, Vol. 14, Sep.
(1988))。
【0004】しかしながら、前者の方法では、例えばU
−Ti合金の場合、UTi2(U−66at%Ti)お
よびUTi4(U−80at%Ti)まで合金元素であ
るTiを添加することで微粉化が防止されるが、少量添
加した場合には十分な効果は認められていない。一方後
者の方法においては、例えばU−Al合金の場合、UA
2金属間化合物が得られるが、U−5.7at%Al
の水素化に際しては、純ウランの水素化と同様に微粉化
が起こり、微粉化防止効果という観点からは十分とは言
えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ガンマ線および中性子
線の遮蔽材として有用なウラン水素化物を製造しようと
する場合、得られたウラン水素化物の微粉化を防止して
ハンドリング性および安全性を高めると同時に、ウラン
への添加物をできるだけ少量に抑えてウラン密度を高く
保ち、水素化物中の水素吸蔵量も高く保つ(水素濃度を
高く保つ)必要がある。
【0006】そこで本発明は、ウランの水素化物を製造
するに際して、ウランを予め合金化したのち水素化する
ことにより水素化物の微粉化を効果的に防止するととも
に、合金化の際の合金元素の添加量を少量に抑えて水素
化物中のウラン濃度を高く保つことができる、ウラン水
素化物の微粉化防止方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明のウラン
水素化物の微粉化防止方法は、ウランを水素化してウラ
ン水素化物を製造するに際して、U6M型金属間化合物
を作る合金元素であるFeをウランに添加して予めウラ
ンを合金化してから水素化することを特徴とするもので
ある。
【0008】ウランは、FeとU6M型の金属間化合物
を作る。ウランに対して少量のFeを添加して合金化す
ることにより、純ウラン相と金属間化合物相とが共存し
た状態の合金が得られる。水素化に際して発生するクラ
ックは主として純ウラン相で生ずるが、純ウラン相と金
属間化合物相との界面でクラックの進行が阻止される結
果、水素化物の微粉化を防止できるものと考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】合金元素であるFeの添加量は、
6M型金属間化合物であるU6FeにおけるFeの組成
である14.3at%(3.8wt%)未満とすること
によって、得られる合金の金属相を純ウラン相とU6
型金属間化合物相とが好ましい状態で共存する組織にす
ることができる。合金元素の添加量をかように低く保つ
ことができるため、ウラン合金中のウラン密度、および
水素化に際する水素吸蔵量をともに高く保つことができ
る。
【0010】これらのウラン合金を溶製する一般的な方
法としては、真空誘導加熱炉において、真空または不活
性ガス雰囲気中で、所定量の原料ウランおよび合金元素
を黒鉛製るつぼ中で溶融し、溶融物をるつぼ下方の黒鉛
製鋳型に鋳込むことにより、ウラン合金インゴットを得
る方法が採用できる。ただし、通常は目的の形状とする
必要があるので、各種機械加工によって成型が行われ、
さらに所望とする機械的強度や耐食性といった特性に応
じた熱処理(焼入れ、焼鈍など)が施される。
【0011】溶融物を冷却するに際しては、緩やかな冷
却を行うと得られた合金の組織が粗大化して微粉化の防
止効果は小さくなる傾向がある。これに対して、合金を
水焼入れして急冷することによって、組織は微細にな
り、水素化物の微粉化を効果的に抑制することができ
る。
【0012】ウラン合金を水素化してウラン水素化物を
製造する一般的な方法としては、MoヒーターまたはW
ヒーターを用いた真空加熱炉内に合金を入れて真空に引
いた後、炉を水素化温度に上げ、この状態で真空引きを
止めて所定圧力の水素ガスを炉内に導入して合金の水素
化を行う方法が採用できる。合金の水素吸蔵量を測定し
たい場合には、従来から慣用されているシーベルツ装置
を用いて水素化を行うこともできる。
【0013】なお本発明においては、合金元素としてF
eを使用しているが、ウランとU6M型金属間化合物を
作る合金元素であるCo、MnおよびNiについても、
Feと同様に使用することができ、これらのウラン合金
についてもウラン水素化物を製造する際に微粉化抑制効
果を奏するものである。
【0014】
【実施例】
[実施例1]純ウランの他に、U−4at%Fe、U−
8at%Fe、U−12at%Fe、U−14.3at
%Feのウラン合金試料を溶製した。溶製に際しては、
計算量の原料ウランと鉄とを合計量で10gまたは1g
となるようにイットリア製るつぼ中に装荷し、高周波誘
導加熱炉を用い、アルゴン雰囲気中、1200℃で加熱
溶融した。
【0015】溶融物の冷却に際しては、次のような異な
る冷却方法を施した。 溶融物をるつぼに入れたまま加熱をやめるつぼと共に
冷却した。 1200℃の溶融物をるつぼごと水槽に落とし水焼入
れして急冷した。
【0016】かくして得られた試料について、それらの
組織をX線マイクロアナライザー(EPMA)により観
察した結果、純ウランではウラン単相が認められ、U−
14.3at%(3.8wt%)FeではU6Fe金属
間化合物単相が認められた。これに対して、U−4at
%(1.0wt%)Fe、U−8at%(2.0wt
%)Fe、U−12at%(3.0wt%)Feにおい
ては、ウラン相とU6Fe金属間化合物相とが共存する
組織を示した。
【0017】また、U−4at%Fe、U−8at%F
e、U−12at%Feでは、合金を急冷したものほ
ど、組織が微細化しているのが認められた。参考までに
U−8at%Feのウラン合金について、冷却方法の相
違による組織の変化を図1、図2および図3に示す。図
1は、10gの溶融物をるつぼに入れたまま徐冷した合
金の組織を示し、U6Fe金属間化合物相からなるマト
リックスの中にウラン相が点在している。図2は、10
gの溶融物を水焼入れにより急冷した合金組織を示して
おり、図1のものより組織が微細化しているのがわか
る。さらに図3は、1gの溶融物を水焼入れして急冷し
た合金組織を示しており、冷却速度が図2の合金よりも
一層高まるため、組織がさらに微細化している。
【0018】上記で得られた合金試料から約1gを切り
出して水素化試料とし、0.5気圧の水素雰囲気中、3
00℃にて合金を水素化した。純ウランでは微粉化し、
U−14.3at%Feでは粉末化したものの粒子は大
きくなっていた。これに対して、U−4at%Fe、U
−8at%Fe、U−12at%Feの合金では、明ら
かに微粉化抑制効果が認められ、その程度は冷却速度が
高くなるほど大きくなっているのが確認された。特に、
1gの合金溶融物を水焼入れして急冷したものでは、微
細なクラックが導入されていたものの、ほとんど粉末化
は認められなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明により、合金元素の添加量を少量
に抑えても、水素化物の微粉化を防止することができ
る。特に、合金溶製の際の冷却速度を大きくすること
で、ほとんど粉末化しない水素化物を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】U−8at%Feの合金溶融物10gをるつぼ
内で徐冷した試料の組織を示す電顕写真である。
【図2】U−8at%Feの合金溶融物10gを水焼入
れにより急冷した試料の組織を示す電顕写真である。
【図3】U−8at%Feの合金溶融物1gを水焼入れ
により急冷した試料の組織を示す電顕写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾上 毅 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱 マテリアル株式会社 那珂エネルギー研 究所内 (72)発明者 金谷 功 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱 マテリアル株式会社 那珂エネルギー研 究所内 (72)発明者 八木 宏之 茨城県那珂郡那珂町向山1002−14 三菱 マテリアル株式会社 那珂エネルギー研 究所内 (72)発明者 衣笠 学 東京都港区赤坂1丁目9番13号 動力 炉・核燃料開発事業団 本社内 (72)発明者 川戸 善実 東京都港区赤坂1丁目9番13号 動力 炉・核燃料開発事業団 本社内 (56)参考文献 日本原子力学会1997年(第35回)春の 年会 要旨集第▲III▼分冊 第477 頁(J51の項) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 1/08 G21F 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウランを水素化してウラン水素化物を製
    造するに際して、U6M型金属間化合物を作る合金元素
    であるFeをウランに添加して予めウランを合金化して
    から水素化することを特徴とする、ウラン水素化物の微
    粉化防止方法。
  2. 【請求項2】 前記合金元素の添加量を、U6M型金属
    間化合物の組成である14.3at%未満とすることを
    特徴とする請求項1記載のウラン水素化物の微粉化防止
    方法。
  3. 【請求項3】 前記合金化に際して、合金溶融物を水焼
    入れにより急冷することを特徴とする請求項1または2
    記載のウラン水素化物の微粉化防止方法。
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日本原子力学会1997年(第35回)春の年会 要旨集第▲III▼分冊 第477頁(J51の項)

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