JP3037624U - 小形ランプ用ソケツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］ 小形ランプの封止部の損傷を防止すると共
に、接続片を使用しない小形ランプ用ソケットを提供す
ることを目的とする。 ［解決手段］ ランプ装着孔６の底部内壁にチップ部２
１が接触しないように形成されていると共に、リード線
挿通孔９、９と連通するリード線誘導溝１１、１１が、
フィラメント２２の正面方向より見て前後相反対する方
向に延設され、耐振動性向上のため突片１３を設けて構
成されていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えば自動車用計器等の表示用光源として用いる小形ランプ装置に 使用する小形ランプ用ソケットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の小形ランプ用ソケットについて、図１５を参照にして説明する と、略円筒状に形成された有底筒状基体２の外周壁にフランジ部（鍔）３を張設 し、このフランジ部３の下方には突部４を合成樹脂による一体成形加工により形 成していた。有底筒状基体２の下部は縮径し、チップ部２１を具備する小形ラン プ５のチップ装着孔８を形成していた。有底筒状基体２の底部には上下方向に貫 通するリード線挿通孔９、９を設け、フランジ部３の下面には、このリード線挿 通孔９、９と連通して１対のリード線誘導溝１１、１１を一直線上に位置するよ う形成している。

【０００３】 そして、有底筒状基体２の内部に装着された小形ランプ５のリード線１０、１ ０はリード線挿入孔９、９に夫々挿通し、フランジ部３の下面側に引き出した後 、左右両側に凹設されたリード線誘導溝１１、１１を夫々通過して、フランジ部 ３の上面側に引き出し、フランジ部３の上面を這わせた後、フランジ部３の下面 側に設けたリード線係止溝（図示せず）にリード線１０、１０の端部を圧潰等に より固定していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

計器盤等の表示パネルに使用されるランプには一層の小形化が要請されている ため、前記従来の技術で述べた小形ランプ用ソケットが表示装置の小形化に対応 するには有底筒状基体２底面からバルブ頂部までの長さを極力短くする必要性が ある。そのため、第１にガラスバルブ１９をソケット１内に深く挿入するとガラ スバルブ１９の下端に設けられたチップ部２１が、有底筒状基体２の底面に接触 し、チップ部２１が破損すること、第２にリード線１０、１０をバルブ１９の封 止部２０より左右両側方へ引っ張るため、封止部２０に力が作用し、封止部２０ が破損すること、第３にフランジ部３と突起部１７により、プリント基板を挟み 付けて給電するので、振動等を伴う使用状態によっては基板と小形電球装置と離 脱方向で回転する緩みが生じ、点灯不良を生じる場合があるという問題点があっ た。

【０００５】 また、圧潰封止部の外側面に受電端子を添わせて構成された図１６〜図１９に 示されるウエッジベース形の小形ランプ（例えば、特開平３−２７４６５７号公 報参照）を使用した場合、図１８に示すようにソケット装着すると受電端子が水 平方向に移動して接触不良を起こしたり、ソケットにランプを装着する際にラン プが脱落する場合があるという問題点があった。

【０００６】 本考案は、上記従来技術の有する問題点を除去するために創案されたものであ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案は、チップを具備する小形ランプを装着した場合に、チッ プ部が有底筒状基体の底面に接触しないように、有底筒状基体の内部に設けられ たランプ装着孔とチップ装着孔間に支承部を設け、この支承部によりバルブを支 持してチップ部を有底筒状基体底面より上方に位置するように形成されていると 共に、リード線とフランジ部の接続に金属性部材等より成る接続片を使用しない ように構成されている。

【０００８】 請求項２記載の考案は、フランジ部下面側に引き出されたリード線が前後相反 する方向に配設されるように、フランジ部下面側に、リード線挿通孔と連通して リード線誘導溝を前後相反する方向に凹設されて形成されており、リード線がリ ード線誘導溝を通過し、フランジ部の端縁に設けた切込溝に折り曲げて固定する ように構成されている。

【０００９】 請求項３記載の考案は、小形ランプ装置をプリント基板に小形ランプ装置を一 定方向に回転して取り付けた場合、小形ランプ装置のフランジ部に設けられた突 片が押し曲げられた後、元に戻り、ロック状態となりプリント基板に対して緩み を生じないようにフランジ部に弾性部材より成る突片を取り付けている。

【００１０】 請求項４記載の考案は、フランジ部の下面に設けられたリード線係止溝がフラ ンジ部外周縁側より徐々に深くなるように溝底が傾斜して形成されている。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、図を参照にして本考案を詳細に説明する。

【００１２】 図１〜図１３に示されるランプ用ソケット１は、熱可塑性、絶縁性を有する合 成樹脂により、略円筒状の有底筒状基体２の底部外周縁にフランジ部３を張設し 、底部下側には突部４を一体成形加工により形成されている。

【００１３】 上記有底筒状基体２の内部には小形ランプ５を装着するための上面を開口した ランプ装着孔６を形成している。ランプ装着孔６の上端内径は、他の部分よりも 大径に形成されている。ランプ装着孔６の下部孔壁には凹部が互いに対向し、側 面から見て内壁面が段部を形成するように円弧状支承部７、７を孔壁に沿って設 けている。支承部７、７の下部は縮径し、平視円形の有底チップ装着孔８を設け ている。

【００１４】 有底筒状基体２の底部には、リード線挿通孔９、９を上下方向に貫通して設け ている。突部４には、フランジ部３の外周縁に向ってリード線１０、１０を案内 するためのリード線誘導溝１１、１１を前記リード線挿通孔９、９と連通して凹 設している。リード線誘導溝１１、１１は、リード線挿通孔９、９の下端開口部 より前後相反する方向に向って互いに平行な位置関係となるように設けられてい る。

【００１５】 有底筒状基体２の底部外周壁には、この外周壁に直交するようにフランジ部３ が連設されている。切込溝１２、１２は、フランジ部３の周縁より、リード線誘 導溝１１、１１の外端方に向って窪ませて、互いに点対称な位置関係となるよう に設けられている。切込溝１２、１２の溝壁には、図１１に示すように例えばナ イロン等の弾性部材より成る突片１３、１３を僅かばかり上向きになり、且つ同 一周方向に向くように取り付けている。

【００１６】 切込溝１２、１２の近傍には、フランジ部３の内側方に僅かばかり窪ませたリ ード線挿通溝１４、１４を形成している。フランジ部３の下面には、リード線誘 導溝１１、１１と平行なリード線係止溝１５、１５をリード線挿通溝１６、１６ と夫々連通して形成している。リード線係止溝１５、１５は、図１０に示すよう に、リード線挿通溝１６、１６側方より徐々に深くなるように、溝底を傾斜させ ている。

【００１７】 有底筒状基体２の上部外周壁には、リード線誘導溝１１、１１と同一方向に突 起部１７、１７を対設し、フランジ部３と突起部１７、１７とでプリント基板１ ８を挟持し得るように構成されている。

【００１８】 次に、上述の小形ランプ用ソケットに小形ランプを装着する方法を説明する。 有底筒状基体２の内部に設けたランプ装着孔８にバルブ１９の下端封止部２０に チップ部２１を連設した小形ランプ５を装着し、リード線１０、１０をリード線 挿通孔９、９の上方開口部、即ち底部内側開口部より挿通して底部外側のリード 線挿通孔９、９の開口部よりフランジ部３の下側方へ引き出す。引き出されたリ ード線１０、１０は、フィラメント２２の正面方向から見て前後方向に折り曲げ 、リード線誘導溝１１、１１に夫々通過させる。リード線１０、１０は、突部４ を凹設して形成されたリード線挿通溝１４、１４の夫々前後端縁より左右両側方 へ折り曲げられ、突部４の外側壁を、リード線挿通溝１４、１４方向に這わせた 後、リード線挿通溝１４、１４を夫々通過し、フランジ部３の上面側に引き出す 。更に、リード線１０、１０をフランジ部３の上面において、リード線挿通溝１ ６、１６の方向に這わせた後、リード線挿通溝１６、１６に挿通して、フランジ 部３の下面側に引き出して折り曲げ、リード線係止溝１５、１５の溝底に接触す るように係止固定する。

【００１９】 そして、ランプ用ソケットに装着された小形ランプ装置は、プリント基板１８ のソケット取付穴に挿入して取付方向に回転すると、フランジ部３と突起部１７ 、１７とでプリント基板１８を挟む。プリント基板１８への小形ランプ装置の取 り付けは、突片１３の基部から上端方向で回転させることにより行う。取付後、 突片１３が反離脱方向に向いているのでランプ用ソケット１が逆方向に回転せず 、プリント基板１８から脱落することなく嵌合される。フランジ部３に跨がって 取り付けられたリード線１０、１０が、プリント基板１８に設けた導電層に接触 して給電され、小形ランプ５が点灯する。

【００２０】 図１４は、リード線引っ張り方向別バルブ封止部の破壊強度を示す図である。 図中、実線はリード線をフィラメント正面方向より見て前後相反する方向に引っ 張った小形電球の引っ張り強度の分布を示し、点線はリード線をフィラメント正 面方向より見て左右両側方向に引っ張った小形電球引っ張り強度の分布を示す。 この図より、リード線がフィラメント正面方向より見て前後相反する方向に引っ 張られている小形ランプの方が封止部にかかる負担が少なく、破壊強度が低いこ とが判かる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は、ランプ装着孔とチップ装着孔間の内壁に支承部を設け、この支承部 でバルブを支持するように構成されているので、チップ部が有底筒状基体の底面 に接触する事なく、上方に位置しているのでチップ部が破損することがなく、基 板上でのフィラメント位置のばらつきの少ない小形ランプ装置を提供し得るとい う効果がある。

【００２２】 又、リード線を封止部より所定距離をおいて前後相反する方向に折り曲げると 共に、リード線端部を折り曲げることのみによって係止固定できるので、封止部 が破損することがなく、ソケットから小形ランプが脱落しないという効果がある 。又、小形ランプの位置を低くし、容易にリード線を係止固定し得る金属接片不 使用の小形ランプを提供し得るという効果がある。

【００２３】 又、突片をフランジ部に設けたので基板から離脱方向の回転による基板からの 導電不具合の問題がなく耐振動性が向上するという効果がある。

【００２４】 更に、既存の表示装置に使用できるので部品点数が少なくなり、生産効率が良 好で、経済的な小形電球装置が得られるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】小形ランプ用ソケットの平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】小形ランプ用ソケットに小形ランプを装着した
状態を示す正面図である。

【図５】図４の平面図である。

【図６】図４の底面図である。

【図７】図４の右側面図である。

【図８】図５のＣ−Ｃ線断面図である。

【図９】図５のＤ−Ｄ線断面図である。

【図１０】リード線係止溝の要部を示す縦断面図であ
る。

【図１１】突片を示す説明図である。

【図１２】小形ランプ装置をプリント基板に取り付けた
状態を示す正面図である。

【図１３】図１２の右側面図である。

【図１４】リード線引っ張り方向別の封止部破損度の分
布図である。

【図１５】従来例を示す縦断面図である。

【図１６】従来例のウッジベース形ランプを示す説明図
である。

【図１７】図１５の側面図である。

【図１８】図１５に示されるウェッジベース形ランプを
ソケットに装着した状態を示す説明図である。

【図１９】従来の小形ランプ用ソケットのランプ装着孔
の要部を示す平面図である。

【符号の説明】

２ 有底筒状基体 ３ フランジ部 ５ 小形ランプ ６ ランプ装着孔 ７ 支承部 ８ チップ装着孔 ９ リード線挿通孔 １０ リード線 １１ リード線誘導溝 １２ 切込溝 １３ 突片 １５ リード線係止溝 １９ バルブ ２０ 封止部 ２１ チップ部

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【手続補正書】

【提出日】平成８年１１月３０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１０

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１０】

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面を開口して内部に小形ランプ５を装
   着するためのランプ装着孔６と、該ランプ装着孔６の下
   側方にチップ装着孔８を連通して設けた有底筒状基体２
   の底部外周壁にフランジ部３を張設し、前記ランプ装着
   孔６より連通した１対のリード線挿通孔９、９と前記フ
   ランジ部３の下面に前記リード線挿通孔９、９と連通し
   てリード線誘導溝１１、１１及びリード線係止溝１５、
   １５を形成した小形ランプ用ソケットにおいて、前記ラ
   ンプ装着孔６の底部内壁に小形ランプ５のバルブ１９を
   支持するための支承部７、７を設け、小形ランプ５をラ
   ンプ装着孔６に装着するとチップ部２１がチップ装着孔
   ８の底面より上方に位置するように形成されていると共
   に、リード線とフランジ部３の接続に金属性部材等によ
   り成る接続片を使用しないように構成されていることを
   特徴とする小形ランプ用ソケット。
2. 【請求項２】 リード線誘導溝１１、１１が正面から見
   て夫々前後相反する方向に延設して形成されており、リ
   ード線１０、１０がリード線誘導溝１１、１１を通過
   し、フランジ部３の端縁に設けた切込溝１５、１５に折
   り曲げて固定するように構成されていることを特徴とす
   る請求項１記載の小形ランプ用ソケット。
3. 【請求項３】 フランジ部３の外周縁の対向的な位置に
   切欠溝１２、１２を設け、該切欠溝１２、１２の溝壁に
   弾性部材より成る突片１３を、その先端が僅かばかり上
   方を向くように設けられていることを特徴とする請求項
   １又は２記載の小形ランプ用ソケット。
4. 【請求項４】 リード線係止溝１５、１５の深さが、フ
   ランジ部３の外周縁側より徐々に深くなるように形成さ
   れていることを特徴とする請求項１、２又は３記載の小
   形ランプ用ソケット。