JP3037541U - 生態系保全用の自然石とコンクリート底枠体を一体化した土木構造物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然の景観を損なうことがなく、自然環境を
保全することができ、構造的に法面保護工、護岸として
の機能を発揮しうる生態系保全用の自然石とコンクリー
ト底枠体を一体化した土木構造物を提供する。 【解決手段】 格子状に多数の空隙１を有するコンクリ
ート製底枠体Ａの上部内面内に、多数の自然石４を集合
配列するとともに、自然石相互間を接着剤５で接着して
塊体とした自然石の集合体の周辺部をコンクリート製底
枠体の縁枠突起部６とを一体化した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は生態系保全用の自然石とコンクリート製底枠体とを一体化して構成さ れ、河川護岸や河床部又は道路法面などに使用される土木構造物に係るものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の河川、護岸等に使用される法覆部は、版状のコンクリートブロックより 構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記法覆コンクリートブロックは、ブロック接地面とブロック表面とを遮断し て自然生態系を乱し、自然の景観を損なう。 本考案は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案されたもので、その目的と するところは自然の景観を損なうことがなく、自然環境を保全することができ、 構造的に法面保護上、護岸としての機能を発揮しうる、生態系保全用の自然石群 とコンクリート底枠体を一体化した土木構造物を提供する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、本考案に係る生態系保全用の自然石とコンクリー ト底枠体を一体化した土木構造物は、格子状に多数の空隙を有するＩ型状のコン クリート製底枠体の上部内面内に、多数の自然石を集合配列するとともに、自然 石相互間を接着剤で接着して塊体とした自然石の集合体の周辺部と、前記コンク リート製底枠体の縁枠とを接着剤で接着して、同底枠体と前記自然石の集合体と を一体化してなることを特徴とする生態系保全用の自然石とコンクリート底枠体 を一体化して構成されている。

【０００５】

【考案の実施の形態】 以下、本考案を本考案の最も好適な実施の形態を示した図面について説明する 。 ＡはＩ型のコンクリート製底枠体で、格子状に多数の空隙１が設けられ、下部 外周面に不等沈下防止板２が取り付けられ、敷設時に同不等沈下防止板２上に隣 接するコンクリート製底枠体が係止して、前記底枠体Ａの不等沈下による屈撓性 を向上して不陸の発生を防止している。図中３は格子枠片に配筋された補強筋で ある。

【０００６】 前記底枠体Ａの上部内面内には多数の自然石４が集合配列され、同自然石４同 志が接着剤５を介して一体に接着され、塊状の自然石の集合体が構成されている 。 ６は前記底枠体Ａの周面に囲繞された突起部で、前記自然石４の集合体を接着 剤７で接着して、同自然石の集合体の移動、ずれを防止して剛固な一体構造物が 構成される。

【０００７】 更に前記底枠体ＡはＩ型に構成されているので、法面等の被覆時、相互に噛合 せしめて一体構造とすることができる。（図４参照） 図５は前記のように構成された土木構造物を法面に被覆した状態を示し、図中 Ｂは覆土部、Ｃは植生である。

【０００８】

【考案の効果】

本考案に係る生態系保全用の自然石とコンクリート底枠体を一体化した土木構 造物は、その基体が格子状に多数の空隙を有するＩ型状のコンクリート製底枠体 より構成され、その上部内面内に多数の自然石を集合配列するとともに、自然石 相互間を接着剤で接着して塊体としたので、コンクリート製底枠体は強度剛性が 大であり、背面土壌との循環も維持でき、生態系の保全のためによい環境を構成 しうるものであり、小動物、植物を育成し、食物連鎖効果により、自然環境を復 元させるものである。更にまた河川の周辺や公園等、及び道路周辺にコンクリー トや鉄等の二次製品が表面に露出することがなく、自然の景観を損なわない。

【０００９】 また前記自然石集合体はその周辺部が前記コンクリート製底枠体の縁枠とが接 着剤で接着されていることによって、移動、ずれが防止され、自然石集合体と前 記底枠体とが一体化された強固な一体構造物が構築されている。 更に前記底枠体はＩ型状に構成されているので、相隣る底枠体を互いに噛合す ることによって安定性が増大し、人工的な目地が解消される。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンクリート製底枠体の平面図である。

【図２】前記底型枠体の断面図である。

【図３】前記底型枠体の正面図である。

【図４】前記底型枠体を組み合わせた状態の一部を欠截
して示した平面図である。

【図５】本考案に係る土木構造物の施工状況を示す縦断
側面図である。

【符号の説明】

Ａ コンクリート製底枠体 Ｂ 覆土部 Ｃ 植生 １ 空隙 ２ 不等沈下防止板 ３ 補強鉄筋 ４ 自然石 ５ 接着剤 ６ 突起部 ７ 接着剤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 格子状に多数の空隙を有するＩ型状のコ
   ンクリート製底枠体の上部内面内に、多数の自然石を集
   合配列するとともに、自然石相互間を接着剤で接着して
   塊体とした自然石の集合体の周辺部と、前記コンクリー
   ト製底枠体の縁枠とを接着剤で接着して、同底枠体と前
   記自然石の集合体とを一体化してなることを特徴とする
   生態系保全用の自然石とコンクリート底枠体を一体化し
   た土木構造物。