JP3037531B2 - 位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置

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JP3037531B2
JP3037531B2 JP5161281A JP16128193A JP3037531B2 JP 3037531 B2 JP3037531 B2 JP 3037531B2 JP 5161281 A JP5161281 A JP 5161281A JP 16128193 A JP16128193 A JP 16128193A JP 3037531 B2 JP3037531 B2 JP 3037531B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定用や加工装置用な
どに用いられる位置決め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種工作機械や測定装置で用
いる比較的大きいストロークの位置決め装置としては、
図4に示すシリンダサーボ型や図5に示すネジ送りサー
ボ型、図6に示すリニアモータサーボ型の位置決め装置
を用いている。
【0003】図4に示すものは、支持台51上に直線方
向に移動可能に支持されたテーブル52と、このテーブ
ル52を駆動するためのエアーシリンダー58からなっ
ている。そして、このエアーシリンダー58は、シリン
ダー59内に配置されたピストン55によって隔壁され
る二つの加圧室の圧力差でピストン55を駆動させ、こ
のピストン55に連接棒56で連接したテーブル52を
駆動させるようになっていた。また、テーブル52には
リニアスケール53を備え、検出ヘッド54でテーブル
52の位置を検出してエアーシリンダー58にフィード
バックすることで、所定の位置決めを可能としたもので
あった。
【0004】また、図5に示すネジ送りサーボ型は、支
持台51上に支持したテーブル52にボールねじのナッ
ト60を取り付け、このナット60と係合するネジ軸6
1をモータ62で回転させることによってテーブル52
を直線方向に駆動させるようにしたものであった。
【0005】さらに、図6に示すリニアモータサーボ型
のものは、支持体51とテーブル52間でリニアモータ
を形成し、直接テーブル52を駆動するようにしたもの
であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来の位置決め装置では次の課題があった。
【0007】まず図4のシリンダサーボ型では、ピスト
ン55がシリンダ54の内部とシール部材57を介して
摺動するため、動作抵抗または動作反力が加わり、この
抵抗や反力のバラツキにて位置決めの精度が悪かった。
例えば、樹脂製のシール部材57を用いた直径40mm
の直動シリンダの場合では、摺動抵抗は平均1.52N
で2σ=0.35Nのバラツキを生じ、2MPaの油圧
を用いたサーボ機構に於いては、繰り返し位置決め精度
(2σ)を1.2μm程度にしかすることができなかっ
た。
【0008】またこの動作抵抗または動作反力のバラツ
キは、動作スピードにも影響を与え、例えばレーザ加工
器のような滑らかな加工を必要とする場合の動的な位置
決め精度も大幅に劣化するという問題点もあった。例え
ば、上記の油圧サーボに於いて、速度3m/分にて加工
したときの寸法のバラツキ(2σ)は4.5μmと大き
かった。
【0009】さらに、動作抵抗や動作反力のバラツキは
動作軸方向剛性の変動をまねき、例えば旋盤やフライス
盤等の加工送りに用いた場合では、加工上がり面に波状
の模様が生じ加工精度が劣化するという問題点もあっ
た。
【0010】次に、図5のネジ送りサーボ型では、位置
決め精度は向上するものの、これに代わってナット60
とネジ軸61の接合が点または線となり振動や剛性低下
が発生し、またボールネジを用いた場合ではボール径の
バラツキによる軸方向剛性の変動等が発生することか
ら、加工精度が悪い等の問題点があった。
【0011】最後に、図6に示すリニアサーボモータ型
で静圧スライドを用いる装置は、安定度が良好で位置決
め精度も良いが、テーブル52を動作軸方向に保持する
要素はリニアモータの保持力のみとなり、動作軸方向の
剛性が極端に低いという問題点があった。そのため、計
測用やレーザ加工装置には使用できるが、旋盤やフライ
ス盤での加工送りには不適合であるという不都合があっ
た。
【0012】したがって、従来の位置決め装置におい
て、シリンダサーボ型の如き高い剛性を持ち、且つリニ
アサーボモータ型のような滑らかな位置決め特性が得ら
れるものは、全く無いのが現状であった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、テーブルを一体的に形成したピストンをシリ
ンダ内で保持し、該シリンダの開口部に前記テーブルを
露出させるとともに、上記ピストンで隔壁されるシリン
ダ内の2つの加圧室にそれぞれ圧力調整弁を備え、上記
ピストンとシリンダの隙間に気体を噴出してピストンを
静圧支持して該ピストンをシリンダに対して非接触状態
に保ちつつ、前記噴出気体を上記2つの加圧室に導入
し、両加圧室の圧力差を前記圧力調整弁にて調整するこ
とで上記ピストン及びテーブルを前記シリンダ内で駆動
するようにして位置決め装置を構成したものである。
【0014】
【作用】本発明の位置決め装置は、シリンダサーボ型の
機構を持つため軸方向剛性を高くできる。また、ピスト
ンをシリンダー内で静圧支持するため動作抵抗や動作反
力が極めて小さく、しかも摺動や屈曲部分が無いため計
時変化が無く、長寿命で安定な繰返し位置決めが可能と
なる。また、ピストンとテーブルを一体的に形成したた
め小型で簡単な構造とできる。
【0015】
【実施例】以下、本発明実施例を図によって説明する。
【0016】図1に概略斜視図を、図2に断面図をそれ
ぞれ示すように、本発明の位置決め装置は、テーブル1
aを一体的に形成したピストン1をシリンダ2内に配置
して、上記テーブル1aがシリンダ2の開口部2aから
外部に露出した状態とし、このピストン1によって隔壁
されるシリンダ2内の2つの加圧室3、4にそれぞれ連
通する圧力調整弁6、7を備えている。また、シリンダ
2のピストン1側面に対抗する部分に気体噴出孔10を
設け、さらにピストン1の他の側面にはリニアスケール
8を備え、これと対抗するシリンダ2の内壁には検出ヘ
ッド9を備えて位置エンコーダを構成し、ピストン1の
位置を検出できるようになっている。
【0017】なお、上記圧力調整弁6、7には、内部の
ダイアフラムにある基準圧を加える圧力設定部6a、7
aと、高圧ポート6b、7bおよび排出ポート6c、7
cがそれぞれ備えられている。そして、各加圧室3、4
の圧力が圧力設定部6a、7aの設定圧よりも高い場合
は、加圧室3、4と排出ポート6c、7cが連通するよ
うに作動して加圧室3、4の圧力を低下させ、逆に各加
圧室3、4の圧力が圧力設定部6a、7aの設定圧より
も低い場合は、加圧室3、4と高圧ポート6b、7bが
連通するように作動して加圧室3、4の圧力を上昇させ
るように作用する。
【0018】つまり、上記圧力調整弁6、7は、各加圧
室3、4内の圧力が、常に圧力設定部6a、7aの設定
圧となるように調整するためのものである。そして、一
方の圧力調整弁6の圧力設定部6aは一定に固定してお
き、他方の圧力調整弁7の圧力設定部7aは可変として
ある。
【0019】なお、上記高圧ポート6b、7bと気体噴
出孔10は、同じ加圧源から加圧気体を供給するように
しておけば良い。
【0020】次に本発明の位置決め装置の作動を説明す
る。
【0021】まず、気体噴出孔10よりピストン1とシ
リンダ2との隙間5に気体を噴出させ、ピストン1およ
びテーブル1aをシリンダ2内で静圧支持する。この噴
出気体は、2つの加圧室3、4内に流れ込み両加圧室
3、4の圧力を高めるように作用するが、それぞれ圧力
調整弁6、7によって一定圧となるように調整される。
そして、可変側の圧力調整弁7の圧力設定部7aを調整
して両加圧室3、4に圧力差をつければ、この圧力差に
応じてピストン1およびテーブル1aが移動することに
なるのである。
【0022】このとき、ピストン1の位置決めは、位置
エンコーダを成す検出ヘッド9より発生する信号を位置
カウンタ11により絶対位置情報とし、予め定めた位置
決め情報13と比較して、サーボ増幅器12により圧力
調整弁7の圧力設定部7aの調整を行うようになってい
る。そして、位置カウンタ11と位置決め情報13が同
一または両者の差がある範囲の中に入れば、圧力調整弁
6、7の設定圧を全く同じとしピストン1を固定するこ
とができる。
【0023】この状態で、何らかの要因でピストン1が
加圧室3側に動き出すと、検出ヘッド9より信号が送り
出されて位置カウンタ11の差分が負になり、圧力調整
弁7が減圧されてピストン1を加圧室4側に戻す方向に
作動することなる。逆にピストン1が加圧室4側に動き
出すと圧力調整弁7は加圧され、ピストン1が常に設定
する位置になるように自動追従(サーボ)することとな
る。なお、サーボ増幅器12は追従応答要素(比例P、
積分I、微分D)を内抱する増幅器で、位置カウンタ1
1の差分を電圧作動型の圧力調整弁用に電圧を高めるた
めのものである。
【0024】このように、本発明の位置決め装置は、シ
リンダサーボ型の機構を持つため軸方向剛性を高くでき
る。また、ピストン1をシリンダ2内で静圧支持するた
め動作抵抗や動作反力が極めて小さく、しかも摺動や屈
曲部分が無いため計時変化が無く、長寿命で安定な繰返
し位置決めが可能となる。さらに、テーブル1aをピス
トン1と一体に形成してあることから、小型とすること
ができる。
【0025】また、本発明の位置決め装置を構成するピ
ストン1やシリンダ2の材質は、高剛性、軽量、低熱膨
張率等の点から、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒
化珪素等のセラミックスで形成することが好ましく、よ
り軽量とするためにピストン1を中空形状としても良
い。さらに、ピストン1の隙間5に対向する側面には静
圧効果を高めるための絞り溝を形成することが好まし
い。
【0026】さらに、本発明の他の実施例として、図3
に示すように、圧力調整弁6、7をシリンダ2から分離
してチューブ6d、7dで接続した構造としてもよい。
【0027】実験例1 ここで、図1、2に示す本発明の位置決め装置を試作し
た。ピストン1やシリンダ2は軽量で温度が上昇しても
形状が変化しにくいアルミナセラミックス(Al2 3
99重量%以上)にて作成し、ピストン1は更に内部を
中空にして慣性モーメントを小さく押さえた。大きさ
は、ピストン1を25×70mmの角型として受圧面積
を約17.5cm2 とした。
【0028】圧力調整弁6、7はジルコニアセラミック
スの薄板を用いたダイヤフラム方式とし、加圧室3、4
が所定の圧力になるようにバルブを高圧ポート6b、7
b側または排出ポート6c、7c側に切り替えるものを
用いた。
【0029】いま、高圧ポート6b、7bの圧力を4k
gf/cm2 、排出ポート6c、7cの圧力を0kgf
/cm2 とし、圧力調整弁6側の設定圧を1kgf/c
2、圧力設定弁7側の設定圧を0kgf/cm2 とす
ると、加圧室3の圧力は1kgf/cm2 、加圧室4の
圧力は0kgf/cm2 にそれぞれ調圧され、ピストン
1は加圧室4の圧力より加圧室3の圧力が高いため、加
圧室4の方向に駆動させることができた。
【0030】一方、上記高圧ポート6b、7bと同じ加
圧源により、気体噴出孔10から4kgf/cm2 の圧
力で空気を噴出させれば、この噴出空気は隙間5を通っ
て各加圧室3、4に流出される。これにより、隙間5の
内部圧力とシリンダ2の外部保持圧力(大気圧)との圧
力差でピストン1はシリンダ2より浮上することとな
る。
【0031】このとき、ピストン1の摺動抵抗は平均で
0.0022N、バラツキ0.0002N以下と非常に
小さい値とすることができた。
【0032】実験例2 また、同じ位置決め装置に、位置エンコーダを成すリニ
アスケール8として0.005μmの分解能を有する硝
子スケールを採用し、ピストン1の移動ストロークを1
0mmに設定し、高圧ポート6b、7bおよび気体噴出
孔10に供給する空気の圧力を0.2MPa、各圧力調
整弁6、7の設定圧を0.1MPaとした。この時の位
置決め装置の特性は表1に示す通りであった。
【0033】また、この例ではサイズを小形に設定して
いるが、外形の増減により必要剛性の増減を図ることが
可能である。
【0034】
【表1】
【0035】実験例3 次に本発明の位置決め装置を旋盤のバイト駆動台として
用い、テーブル1aに載置したバイトを被加工物の回転
軸に直角に切り込んだ後、被加工物の加工表面の状態を
調べ、油圧サーボを利用した場合と比較した。ただし、
被加工物は外径φ40mm、内径φ20mmのアルミニ
ウム材(A2024)とし、高速度工具鋼鋼材(SKH
3)のバイトにて、送りスピード0.12m/分にて加
工した。
【0036】結果は表2に示すように、本発明の位置決
め装置を用いると、作動方向の剛性が高いため、被加工
物の加工面のうねり等を小さくできることがわかった。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、テーブ
ルを一体的に形成したピストンをシリンダ内で保持し、
該シリンダの開口部に前記テーブルを露出させるととも
に、上記ピストンで隔壁されるシリンダ内の2つの加圧
室にそれぞれ圧力調整弁を備え、上記ピストンとシリン
ダの隙間に気体を噴出してピストンを静圧支持して該ピ
ストンをシリンダに対して非接触状態に保ちつつ、前記
噴出気体を上記2つの加圧室に導入し、両加圧室の圧力
差を前記圧力調整弁にて調整することで上記ピストン及
びテーブルを前記シリンダ内で駆動するようにして位置
決め装置を構成したことによって、基本的にシリンダサ
ーボ型の機構を持つため、軸方向剛性を高くでき、かつ
ピストンをシリンダ内で静圧支持するため、動作抵抗や
動作反力が極めて小さく、しかも摺動や屈曲部分が無い
ため、経時変化が無く、長寿命で安定な繰返し位置決め
が可能となる。また、ピストンとテーブルを一体的に形
成したため、小型で簡単な構造とできるなど、多くの特
徴を持った位置決め装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置決め装置を示す概略斜視図であ
る。
【図2】図1中のX−X線断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す概略斜視図である。
【図4】従来の位置決め装置を示す平面図である。
【図5】従来の位置決め装置を示す平面図である。
【図6】従来の位置決め装置を示す平面図である。
【符号の説明】
1:ピストン 2:シリンダ 3,4:加圧室 5:隙間 6,7:圧力調整弁 6a,7a:圧力設定部 6b,7b:高圧ポート 6c,7c:排出ポート 8:リニアスケール 9:検出ヘッド 10:気体噴出孔 11:位置カウンタ 12:サーボ増幅器 13:位置決め情報
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 5/26 G05D 3/00 F15B 15/14 330 F15B 15/14 345

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テーブルを一体的に形成したピストンをシ
    リンダ内で保持し、該シリンダの開口部に前記テーブル
    を露出させるとともに、上記ピストンで隔壁されるシリ
    ンダ内の2つの加圧室にそれぞれ圧力調整弁を備え、上
    記ピストンとシリンダの隙間に気体を噴出してピストン
    を静圧支持して該ピストンをシリンダに対して非接触状
    態に保ちつつ、前記噴出気体を上記2つの加圧室に導入
    し、両加圧室の圧力差を前記圧力調整弁にて調整するこ
    とで上記ピストン及びテーブルを前記シリンダ内で駆動
    するように構成したことを特徴とする位置決め装置。
JP5161281A 1993-06-30 1993-06-30 位置決め装置 Expired - Lifetime JP3037531B2 (ja)

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JPH079295A JPH079295A (ja) 1995-01-13
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JPH08267329A (ja) * 1995-01-31 1996-10-15 Kyocera Corp 位置決め装置
JP3825737B2 (ja) 2002-10-24 2006-09-27 住友重機械工業株式会社 精密位置決め装置及びこれを用いた加工機
JP4794900B2 (ja) * 2005-05-02 2011-10-19 ピー・エス・シー株式会社 気体制御回転移動装置及び気体制御アクチュエータ

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