JP5486746B2 - レーザ光線を使用してワークピースを加工する装置 - Google Patents

レーザ光線を使用してワークピースを加工する装置 Download PDF

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Description

この発明は、ワークピースホルダとレーザ加工ユニットと前記レーザ加工ユニットおよびワークピースホルダを互いに相対的に移動させる駆動ユニットと装置制御装置とガス供給装置とからなり、さらに前記ガス供給装置が少なくとも1個のガス源と前記レーザ加工ユニットに割り当てられたガスノズルと前記ガスノズルと前記少なくとも1個のガス源を結合する配管構成と前記配管構成内に配置されガス制御ユニットと結合された少なくとも1個の比例圧力制御弁を備えてなる、レーザ光線を使用してワークピースを加工するための装置、特に金属をレーザ切断する装置に関する。
レーザ光線によって多様な加工材料の多様な処理を実施することができる。周知のものは例えば特に金属のレーザ溶接法、レーザ切断法、レーザ印字法等である。集束するレーザ光線のエネルギー密度は材料を溶融するか、それどころか気化させるために充分な程である。
レーザ光学系の損傷または光学特性への影響を回避するために、レーザ光線による材料加工の際に発生する物質の確実な除去が必要である。そのためレーザ加工の領域に高速ガス噴流が向けられ、その目的のために前述の種類のレーザ加工機械はガスノズルを有するガス供給装置を備える。レーザ加工方式によってはガス噴流の速度を特定の加工作業に対して適合させ得ることが重要であり;このことはレーザ切断に該当し、その場合最初、すなわちレーザ光線が材料を完全に透過する前はその後に続く切断線に沿った材料の切断の際に比べて速度が低くされる。その際前述の種類の機械に装備されるガス供給装置の比例式圧力制御弁がガスノズルから放出されるガス噴流の速度を調節するように機能する。ガスの種類もレーザ光線を使用して実施された材料加工の結果に影響を与えるため、上述した種類の機械のガス供給ユニットは場合によって複数の異なったガスを供給するガス源を備える。
前述した従来技術は、例えば特開平08−174261号公報、韓国特許出願公開第1020060059652号(A)明細書、独国特許出願公開第102005028243号(A1)明細書、独国特許第69317313号(T3)明細書、独国実用新案出願公開第202007015908号(U1)明細書、独国特許出願公開第102005049010号(A1)明細書、独国特許出願公開第10154352号(A1)明細書、独国特許第60216996号(T2)明細書、ならびに国際公開第2004/087362号(A2)パンフレットに開示されている。
最後に挙げた文献には、レーザ加工ユニットに取り付けられたガスノズルのガス流を制御するために比例式流量制御弁あるいはサーボ制御弁を設けることができるレーザ光線を使用してワークピースを加工する装置が開示されている。これは特に気圧式流量制御弁によって構成することができ、気圧に相関して流量制御弁を制御することができる。
米国特許第6715731号(B1)明細書には直接的に付勢される電動弁が開示されており、その電動弁が一端側で締付け固定された少なくとも1個の圧電式曲げ変換器を含んだ圧電式の駆動ユニットを備えてなり、その駆動ユニットを使用して弁体が直接的に駆動される。その際前記の圧電式の駆動ユニットが、特に互いに逆向きに指向する2個の圧電式曲げ変換器を含むことができる。
独国特許出願公開第102007008567号(A1)明細書には圧電アクチュエータと液圧式に動作するストローク増幅機構を備えた調節装置が開示されている。弁の制御ピストンの適宜な変位を実施するために、(比較的小さな)圧電アクチュエータのストロークが液圧式(あるいは流体静力学式)のストローク増幅機構によって増幅される。前記ストローク増幅のための調節装置の機能に対して、非圧縮性の圧力液が不可欠な前提条件となる。
冒頭に述べた従来の技術の観点から本発明の目的は、極めて高い性能を有する冒頭に述べた種類の装置を提供することである。すなわち、可能な限り短い加工時間を達成するために従来実現されなかったあるいは実現不可能であった動性を伴ったレーザ光線による材料加工を可能にするか、および/またはより改善された製品品質を達成するためにより高められたレーザ光線による材料加工の精度を可能にする。
前記の課題は本発明に従って、冒頭に述べた種類のレーザ光線を使用してワークピースを加工する装置において比例式圧力制御弁が圧電気圧式のパイロットステージとそれによって付勢される気圧式の出力ステージを備えることによって解決される。この種の比例式圧力制御弁の構成によって、以下に個別に記述するような装置の種々の重要な性能特性の実質的な改善をもたらす一連の可能性への手がかりが達成される。
本発明の適用によって実現する第1の可能性は比例式の圧力制御弁がレーザ加工ユニット上に配置されすなわちレーザ加工ユニットが移動する際に連動することである。すなわち、圧電気圧式パイロットステージとそれによって付勢される気圧式出力ステージを備えた構成の結果比例式圧力制御弁をレーザ加工ユニット上へ直接的に配置あるいは取り付けても装置の動性に対して不良な影響がもたらされない程度まで従来の技術に比べて比例式圧力制御弁の重量を低減することができる。従って、本発明に係る装置によれば著しく重いマグネット制御された比例式圧力制御弁をレーザ加工ユニット上に配置した構成に比べてレーザ加工ユニットが実質的により高い動性をもって動作することができる。また、比例式圧力制御弁の固定的な配置、すなわち比例式圧力制御弁がレーザ加工ユニットと共に連動せずにホースあるいはその他の柔軟性のガス管を介してレーザ加工ユニット上に配置されたガスノズルと結合された構成と比べて実質的に改善された加工精度が達成され;すなわち変形可能なガス管を必要としないとともに比例式圧力制御弁とガスノズルの間の空所が縮小されるためガスノズルから放出されるガス噴流を大幅に高精度にレーザ光線およびそれによって実際に実施される材料加工に対して適合させることができるためである。このことは随時調節可能なガス噴流の噴射速度の観点、ならびにガス種に関してすなわち加工作業中のガスの変更の観点の両方において好適である。また、極めて迅速なガス変更、ならびにガスノズルから噴射されるガス噴流の速度の極めて正確であるばかりでなく同時に極めて迅速な変更も、本発明の適用によって達成される極めて高い処理動性の特徴である。前述した特徴に関して本発明の好適な追加構成は、レーザ加工ユニット上に取り付けられたガスノズルに対して比例式圧力制御弁が極接近して、特に直接的に接して配置されることを特徴とする。
さらに、ワークピースのレーザ加工に対しての本発明に係る装置の実用的な適用における典型的な利点は、本発明に従った圧電気圧式のパイロットステージを有する圧力制御弁の構成の結果24Vの動作電圧による圧力制御弁の稼働が可能であることであり、その際出力側における遮断容量が高い場合でさえも圧電気圧パイロットステージの入力が50mW未満、特に最大30mWとなる。
本発明の好適な追加構成において圧電気圧式のパイロットステージの制御圧出力が直接気圧式の出力ステージを付勢すれば、本発明に従って提供される可能性が極めて有効に利用される。特に、それによって移動式のレーザ加工ユニット内への設置に理想的に適合する極めて小型の比例式圧力制御弁が実現可能になる。同じ観点において、圧電気圧式のパイロットステージが気圧式の出力ステージのケース部材上に直接的に設置された圧電気圧式のパイロット比例弁を備えれば極めて好適である。さらにこれが、好適な追加構成においてケース部材とその中に配置され吸気ノズルと排気ノズルの間で変位可能な圧電式曲げ変換器を備えることができる。その際、圧電気圧式のパイロット比例弁のケース部材の内部空間が気圧式の出力ステージを前述したように直接的に付勢するためにこれと連通することが好適である。
圧電気圧式のパイロット比例弁のケース部材はカプセル内に収容することができ、その内部空間に圧電気圧式のパイロット比例弁の排気口が接続し、前記カプセルが排気ノズルに比べて大きな断面を有する排出口を備える。この種のカプセルはパイロット比例弁の排気口を比例式の圧力制御弁の制御特性曲線の再現性に影響を及ぼし得る通流障害から保護し、その結果極めて高い精密性に寄与する。同時に、排気口に比較して大きなカプセルの排出口の寸法によって、同様に比例式の圧力制御弁の制御特性曲線の再現性に影響を及ぼし得るカプセル内の不要な圧力形成が防止される。カプセルはガス制御ユニットの電子構成要素の少なくとも一部を収容することができ、その結果比例式の圧力制御弁の直近であるにも関わらず保護して収容することができる。
前述した本発明の追加構成に係る圧電気圧式のパイロットステージが気圧式の出力ステージのケース部材上に直接的に形成された圧電気圧式のパイロット比例弁を備える場合、本発明のさらに別の追加構成によれば圧電気圧式のパイロット比例弁の吸気ノズルがそれのケース部材内の開口部を介して前記気圧式の出力ステージのケース部材内に配置された制御ガス孔に接続される。それによって気圧式の出力ステージのケース部材の静力学特性を圧電気圧式のパイロット比例弁に対する制御ガスの接続に適用することが可能になる。この点に関して明確にするために、圧電気圧式パイロット比例弁の制御ガスとしては任意のガスならびにガス混合物(例えば空気)が考えられることが理解される。特に、圧電気圧式パイロット比例弁はガス供給装置において容易に入手可能なガスによって稼働し得ることが理解され、これは特に例えばパイロット比例弁上の圧力を例えば1.2バールに調節することができる予圧調整器を介して前述した制御ガス孔をガス供給装置の高圧ガス源に接続することによって可能になる。別の選択肢は、制御ガス孔をガス供給装置とは別の独立した圧力媒体源に接続することからなる。
気圧式の出力ステージの実施に関して、本発明の好適な追加構成によれば、前記気圧式の出力ステージが入口と出口と制御ピストン孔内で軸方向に摺動可能に誘導される制御ピストンとを備えるとともに、前記制御ピストンがケース部材上に固定された少なくとも1本の対応する第2の制御エッジと協働作用する第1の制御エッジを有してなり、前記第1および第2の制御エッジが前記入口と出口の間の流路内に配置された可変の制御スロットを定義する。以下に詳しく後述するように、その種の構成によって極めて好適な利点が達成可能になる。従って例えば第2の制御エッジを制御ピストン孔への出口の開口部の領域内に配置することによって制御スロット内に膨張するガスによる種々の影響から制御ピストンを解放することができ;何故なら前記膨張は著しい通流の不安定化を伴って気圧式の出力ステージの出口内、すなわちケース部材に固定された領域内で生じるため制御ピストンへの逆動が妨害されるためである。他方、制御ピストンの領域内には常に供給されたガスの一定圧力が存在する。このことは制御特性線の高精度の再現性においてもたらされる。そのため別の好適な実施形態によれば、制御ピストン孔の入口に対する開口部の断面積が制御ピストン孔の出口に対する開口部の断面積よりも大きいことが有効である。
この点に関して気圧式の出力ステージが制御ピストンを備えるとともに圧電気圧式のパイロットステージが圧電式の曲げ変換器を備えていれば、前記圧電式の曲げ変換器の動作と制御ピストンの変位ストロークとの間の伝達比を主要な設計パラメータの適宜な選択によって少なくとも局部的に最低1:50、特に約1:100あるいはそれ以上とすることができる。これは制御特性の観点において極めて好適な関係である。
比例式圧力制御弁とガスノズルの間のガス管の迅速な換気、すなわち極めて迅速なガス交換の可能性の観点から、気圧式の出力ステージが通気機構を有するとともに、ケース部材に固定された対応する第4の制御エッジと協働作用する第3の制御エッジを制御ピストンが備えることが好適であり、前記第3および第4の制御エッジが出口と通気機構の間の流路内に配置された可変の第2の制御スロットを定義する。その点においても、前記第4の制御エッジが制御ピストン孔への出口の開口部の領域内に配置されることが好適である。それによって達成可能な入口と出口の接続に関連して前述した利点の観点から、制御ピストン孔に対する通気機構の開口部の断面積が制御ピストン孔に対する出口の開口部の断面積より大きいことが再び好適である。
前述した本発明の好適な追加構成に関して、前記気圧式出力ステージが入口と出口と通気機構と制御ピストン孔内で軸方向に摺動可能に誘導される制御ピストンとを備えるとともに、前記制御ピストンがケース部材上に固定された対応する第2の制御エッジと協働作用する第1の制御エッジとケース部材上に固定された第4の制御エッジと協働作用する第3の制御エッジを有する場合、本発明のさらに別の極めて好適な追加構成によれば、第1および/または第2の制御エッジを適宜に塑形することによって出口を通気する際の通流制御特性が出口と入口の接続によって比例弁を開放する際の通流制御特性と異なったものとなる。そのため、特に第1および/または第2の制御エッジをベベリングすることによって、第3および第4の制御エッジを第1および/または第2の制御エッジよりも鋭角にすることができる。そのような本発明に係る装置の構成によって比例式の圧力制御弁の出口上ならびにガスノズル上に存在する圧力の極めて精密かつ正確な調節が可能になる。反対に、(第1および第2の制御エッジと比較して)比較的鋭角な第3および第4の制御エッジの構成によって出口の通気に際してガス管内の圧力制御弁の下流における急激な圧力低下が実現可能となり、それが極めて迅速なガス交換の可能性の観点から大きな利点となる。
圧電気圧式のパイロットステージの制御圧出力が気圧式の出力ステージを直接的に付勢すれば極めて好適であることを前述した。その種の圧電気圧式のパイロットステージによる気圧式の出力ステージの直接的な付勢の構造設計の観点において、それぞれ異なった利点を有する多様な可能性が存在し、それぞれ特定の周辺条件に応じて好適に適用することができる。前述した実施形態における気圧式の出力ステージが制御ピストン孔内で軸方向に摺動可能な制御ピストンを備える場合、圧電気圧式のパイロットステージの制御圧出力に直接的に接続する制御空間を特に制御ピストンの端面が仕切ることができる。それによって極めて小型の圧力制御弁の構造が実現するが;制御ピストン孔内における可能な限り気密かつ低摩擦な制御ピストンの誘導に対する高い要求が生じる。可能な代替方式として、例えば圧電気圧式のパイロットステージの制御圧出力に接続された圧力/ストローク変換器と結合された付勢プランジャを制御ピストン上に作用させることが考えられる。一般的に薄膜を備えることができる圧力/ストローク変換器によって、圧電気圧式のパイロットステージと気圧式の出力ステージの間のガス分離が実施される。
同様な特徴が制御ピストンの動作、すなわちその回帰動作についても有効である。ここでもそれぞれ固有の利点を有する多様な可能性が実現可能である。すなわち、特に制御ピストンを制御空間あるいは付勢プランジャと逆の側で戻しバネによって付勢することができる。または制御空間あるいは付勢プランジャと逆の側の制御ピストン端面が、圧電気圧式の戻しパイロット弁の制御圧出力に接続した戻し制御空間を仕切る。さらに別の追加構成によれば、制御ピストンの制御空間あるいは付勢プランジャと逆の側に、圧電気圧式の戻しパイロット弁の制御圧出力に接続した圧力/ストローク変換器と結合された戻しプランジャが作用する。
本発明の一追加構成によれば、気圧式の出力ステージの制御ピストンが設けられる場合その制御ピストンが乾式動作可能なものとされる。この場合各種潤滑剤を排除することができる。その結果潤滑油が圧力制御弁からガスと共に排出されないため、レーザ光学系の汚染防止の側面において重要な利点を成す。その際制御ピストンを軽金属、特にアルミニウムから形成することが好適であり;好適な実施形態によればその表面がテフロン(登録商標)誘導体によって被覆される。その種の実施形態は、高い制御動性ならびに制御特性の極めて良好な再現性の観点から有利である。従って、制御ピストンを弁ケース部材内に挿入された制御ブシュ内で誘導し、前記制御ブシュ内に制御ピストン孔を形成するとともに前記制御ブシュを好適には制御ピストンと同一あるいは類似の材料から形成し、とりわけ同様にテフロン(登録商標)誘導体によって表面を被覆し得るものとすることによって、広範な温度スペクトル内において制御特性の極めて良好な再現性を確立することができる。上述の観点で制御ブシュが設けられる場合、その制御ブシュが制御ピストン孔に向かって入口間隙と出口間隙と通気間隙を備え、それらが圧力制御弁の入口、出口および通気機構と接続することが好適である。
さらに、本発明の枠内においてガス制御ユニットの一部を形成する圧力制御弁の制御を実施するために多数の構成可能性が存在する。その点に関して特にガス制御ユニットが純粋なデジタル制御ステージを備えることが有効である。このことによって特に最小の応答時間および制御時間と同時に非線形の制御相関性および/または個別の制御特性を提供する可能性が得られる。その際ガス制御ユニットの制御ステージが(アナログインタフェースを省略することによって)特に一方向あるいは双方向デジタル通信インタフェースを介して装置制御機構と交信することができる。極めて好適な別の選択肢が得られ、例えば特に比例式の圧力制御弁のパラメータセットを装置制御機構によって必要に応じて変更し実際のプロセスに適合させる可能性が得られる。さらに、比例式の圧力制御弁が自己診断機能を備え制御行程の変化を自動的に検知すれば極めて好適である。
むしろ、本発明の典型的な適用形態に対して、ガス制御ユニットが1個の純粋な圧力制御機構を備えれば充分であり、すなわち制御ピストンの位置制御機構あるいはそれと同様な制御要素が省略され圧力制御弁の出口上に存在する圧力が直接的に制御される。勿論、その他の方式の制御ステージの構成も考えられ、例えば特にガス制御ユニットに接続されていて制御ピストンの位置を検出するピストン位置センサを備える複合的な圧力/位置制御機構をガス制御ユニットが含むことによって成される。
ガス制御ユニットとレーザ加工ユニットの駆動機構の制御装置との直接的な制御工学的結合の観点から、比例式の圧力制御弁の出力上に存在する圧力によって付勢されるとともにレーザ加工ユニットの調節駆動機構に作用する圧力スイッチを装置制御機構が備えることが好適である。従って、高いプロセス動性を達成する目的のためレーザ加工ユニットの動作をガスノズルから放出されるガス流と直接的に連動させることができる。
本発明に係るワークピースをレーザ加工するための装置の管構成において、比例式の圧力制御弁の上流に少なくとも1個の切換弁を配置し、それによってガス源をその他の管構成から隔離し得るようにすることができる。このことは複数のガス源が設けられる場合に有用であり、その際各ガス源に対してそれぞれ独自の切換弁を割り当てることが好適である。その種の切換弁も、特に圧電式あるいは電磁式の駆動機構によって電動気圧式に構成することが極めて好適である。従って、本発明の適用においてガス圧力制御の側面で達成可能な効果が切換弁の不完全な構成によって影響を受けることはない。むしろその場合に、装置の効能に対して好適な方式で切換弁を比例式の圧力制御弁に適応させることができる。その際切換弁を逆流に対して耐性を有するよう構成することが極めて好適であり;それによって従来の技術において比例式の圧力制御弁上に存在するガスが別のガスが収容されたガス源に対して逆流することを防止するために必要であった逆止弁の使用が省略される。
本発明の構造技術的な改善によって実現可能なワークピースをレーザ加工するための装置は、従来達成可能であった動作パラメータとは異なった動作パラメータを許容可能にする。すなわち特に気圧式の出力ステージが(部分的に著しく)20バールを超える、例えば30バールあるいはさらにそれ以上の動作範囲を有することができる。それによって従来は実現不可能であった適用形態が可能になる。また、本発明の技術的な改善によって実現可能な装置においても比例式の圧力制御弁の応答時間を200ms未満、特に最大でも150msにし、および/または比例式の圧力制御弁の出力側の90%の圧力変化を最大で100ms以内に設定することができ、それに伴って従来達成不可能であった動性のため新たな適用形態および作業効果が可能になる。さらに、比例式の圧力制御弁とガスノズルの間のデッドスペースの最大で1200mm、特に最大で600mmへの削減も本発明の適用において、上述したように、従来の技術に対して実質的に向上したプロセス動性ならびに精度によって実現される。その観点において、レーザ加工ユニット上に配置されたガス供給装置の構成要素の重量を最大で1500g、特に1000g未満とし得ることが好適である。個別に説明したように、本発明に係る圧力制御弁、特にワークピースをレーザ加工するための装置が高いガス性能の正確かつ高い動性の制御をもって提供することが達成されるため、極めて大きなガス流を必要とする本発明の適用分野が実現する。この観点において、20バール、特に30バールまでのガス圧力においてガスノズルの流路断面積が5.7mm、特に7mmまでとされれば本発明の利点が極めて顕著になり、それが好適には2.7mm、さらに好適には3mmまでの直径を有する丸型の流路断面を備えたガスノズルの構成に相当する。ガスノズルの下限断面積は存在しないが;勿論本発明に関する極めて良好な利点は、約0.8mmないし1mmのガスノズルの最小直径によって初めて有効になる。
次に、本発明の特徴的な側面について添付図面によって示された好適な実施例を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係るワークピースをレーザ加工するための装置のガス供給装置を示したブロック線図である。 図1のガス供給装置において適用可能な比例式の圧力制御弁を示した詳細図である。 図2の圧力制御弁の細部を示した概略図である。 図2の圧力制御弁の別の細部を示した概略図である。 図4に示された図2の圧力制御弁の細部の変更例を示した概略図である。 図2の圧力制御弁の変更例を示した概略図である。 図2の圧力制御弁の別の変更例を示した概略図である。 図2の圧力制御弁の第1の構成可能性を示した概略図である。 図2の圧力制御弁の別の構成可能性を示した概略図である。
本発明に係るワークピースをレーザ加工するための装置はガス供給装置内における特徴事項によって従来の技術と異なっているため、以下の本発明の説明は専らガス供給装置に関して記述する。レーザ加工装置のその他の構造ならびに構成要素、すなわちワークピース固定具、レーザ加工ユニット、レーザ加工ユニットとワークピース固定具を相互に駆動するための駆動ユニット、ならびに装置制御機構に関しては従来の技術、特に前述した先行技術の文献ならびに市販の装置を参照することができ、前記文献の開示を本出願の対象に関して引用する。
図1に示されたレーザ光線を使用してワークピースをレーザ加工するための装置のガス供給装置1は、それぞれ別のガス(プロセスガス)を高圧で収容した2個のガス源2と、それぞれ1個のガス源2に割り当てられた2個の切換弁3と、前記切換弁3を介して両方のガス源2の夫々と結合可能な1個の比例式圧力制御弁4と、レーザ加工ユニット5上に配置されたガスノズル6を含む。前記のガスユニットの各構成要素は管構成7を介して相互に結合される。両方の切換弁3は逆流防止式の気圧式弁として構成され、すなわちそれらは気圧式に付勢することができる。そのためそれぞれパイロット弁9を介して切換弁3に接続可能な制御ガス源8が設けられ、その際前記のパイロット弁9は特にマグネット弁あるいは圧電弁とすることができる。比例式の圧力制御弁4も気圧式に付勢可能であり、従ってこれも制御ガス源8に接続される。システム10はさらに電気端子11を介して電源に接続され、またインタフェース12を介して装置の制御機構に接続される。
比例式の圧力制御弁4(図2参照)は高い動作圧力ならびに高いガス流量に対応して設計された気圧式の出力ステージ13とそれを付勢する圧電気圧式のパイロットステージ14を含む。前記の気圧式の出力ステージ13は、実質的にシリンダ形状のケース部材断片15とその中に挿入され制御ピストン孔16を定義する制御ブシュ17と前記の制御ピストン孔内で軸方向に摺動可能な制御ピストン18を備える。ケース部材断片15は、末端側において第1のケース蓋部材19と第2のケース蓋部材20によって遮蔽されている。さらにケース部材断片15上に接続ブロック21がフランジ固定される。前記接続ブロック21上には、入口接続部22と出口接続部23と通気接続部24が設けられる。制御ブシュ17内に設けられた入口間隙26が入口孔25を介して入口接続部22と交流する。制御ブシュ17内に設けられた出口間隙28は、出口孔27を介して出口接続部23と交流する。さらに制御ブシュ17内に設けられた通気間隙30は、通気孔29を介して通気接続部24と交流する。特に図2から明らかなように、入口間隙26と通気間隙30の断面積は出口間隙28の断面積よりも大きくなる。
制御ピストンの周囲上に2本のオーバフロー溝、すなわち第1のオーバフロー溝31と第2のオーバフロー溝32が設けられる。第1のオーバフロー溝31によって、図2に示された位置に対して右方向に摺動された制御ピストン18の位置において圧力制御弁の入口Eと出口A、すなわち入口間隙26と出口間隙28が相互に結合される。また、第2のオーバフロー溝32によって、図2に示された位置に対して左方向に摺動された制御ピストン18の位置において圧力制御弁の出口Aと通気機構B、すなわち出口間隙28と通気間隙30が相互に結合される。制御ピストン18は、制御ピストン孔16上に実質的に気密に接合するリング形状のブリッジ33を両方のオーバフロー溝31と32の間に備える。第1のオーバフロー溝31に向かってブリッジ33上に第1の制御エッジ34が設けられ(図3参照)、それが出口間隙28の領域内に配置されたケース部材に対して固定式の第2の制御エッジ35と協働作用する。さらに、第2のオーバフロー溝32に向かってブリッジ33上に第3の制御エッジ36が設けられ、それが同様に出口間隙28の領域内に配置されたケース部材に対して固定式の第4の制御エッジ37と協働作用する。制御ブシュ17内における制御ピストン18の位置変化によって、第1の制御エッジ34と第2の制御エッジ35の間、あるいは第3の制御エッジ36と第4の制御エッジ37の間にいずれも可変の制御間隙によって形成された入口と出口の間あるいは出口と換気機構の間の流路が定義される。
図3には、制御ピストン18の適宜な位置において第1の制御エッジ34と第2の制御エッジ35の間に形成された制御間隙が比較的小さな開口を有する場合の通流関係が示されている。それに従った入口Eと出口Aの間の大きな圧力低下のために必要な制御間隙の領域内の絞り効果とそれによって形成される出口に到達するプロセスガスの大きな渦流は、選択された第1および第2の制御エッジの構成の結果制御ピストンの位置ならびに達成可能な設定位置の精度に影響を及ぼさない。何故なら、渦流はケース部材断片15の領域内に存在するとともに、(制御ピストンに影響を及ぼさずに)ブリッジ33の周囲面に接触するためである。他方、常に入口Eと結合されている第1のオーバフロー溝31の領域内にはプロセスガスが当該ガス源2の圧力をもって一定に存在する。
図4および図5には、通気された出口Aの、すなわち第2のオーバフロー溝32を介して出口Aを通気機構Bと結合した場合の通流制御特性を、第1のオーバフロー溝31を介した出口Aと入口Eの結合による比例弁の開放のために有効な通流制御特性と相違させることを可能にする手法が示されている。そのため、第3の制御エッジ36と第4の制御エッジ37が第1の制御エッジ34および/または第2の制御エッジ35よりも鋭角になるような第1および/または第2の制御エッジの塑形が重要である。そのため図4によればケース部材に固定された第2の制御エッジ35がベベリングされており、すなわちベベル38が設けられている。一方、図5によれば同様な目的で第1の制御エッジ34がベベリングされており、すなわちベベル39が設けられている。
気圧式の出力ステージ13を付勢するように機能する圧電気圧式のパイロットステージ14は、圧電気圧式のパイロット比例弁40を備えてなる。これは、同種のものとして周知のように、内空間41を被包するケース部材42を備え、その中に圧電セラミック曲げ変換器43が配置される。その曲げ変換器43は一端側で固定的に留め付けられる。それの自由端は2本のノズルの間、すなわち吸気ノズル44と排気ノズル45の間に配置される。圧電気圧式のパイロット比例弁40のケース部材42は保護ジャケット47の形式のケーシング46内に収容され、その内空間48に排気ノズル45と結合された圧電気圧式のパイロット比例弁の排気開口部が接続する。さらにガス制御ユニットの電子構成要素の一部49をも収容する保護ジャケット47は、排気ノズル45に比べて大きな断面を有する排出開口部50を備える。圧電気圧式のパイロット比例弁40のケース部材42は、それに対応する保護ジャケット47の窪み部51内に位置固定式に収容される。保護ジャケット47を第2のケース蓋部材20上に取り付けることによって、圧電気圧式のパイロット比例弁40のケース部材42が前記ケース蓋部材20上に固定的に設置される。
圧電気圧式のパイロット比例弁40の吸気ノズル44は、そのケース部材42内の開口部52を介して、気圧式の出力ステージ13のケース部材内に配置されていて第2のケース蓋部材20とケース部材断片15を介して接続ブロック21まで延在する制御ガス孔53に接続されている。接続ブロック21上には制御ガス接続部54が設けられ、それに前記制御ガス孔53を制御ガス源8と結合するガス管が接続可能になっている。
圧電気圧式のパイロットステージ14は、制御圧出力55を介して気圧式の出力ステージ13を直接付勢する。そのため、圧電気圧式のパイロット比例弁40のケース部材42の内空間41が前記制御圧出力55を介して気圧式の出力ステージ13と交流する。個別には、制御圧出力55が第2のケース蓋部材20を貫通する制御圧力孔56を介して制御空間57に接続され、前記制御空間は第2のケース蓋部材20とそれと向かい合った制御ピストン18の端面58と制御ブシュ17によって仕切られている。逆側の端部上で制御ピストン18は戻しバネ59を介して第1のケース蓋部材19上に対して支承される。この方式のため制御ブシュ17内における制御ピストン18の位置は制御空間57内に存在する圧力のみに依存し、それはパイロット比例弁40を使用することにより、すなわち曲げ変換器43の適宜な電気付加によって極めて精密かつ迅速に調節することができる。
圧力制御弁は複合的な圧力/位置制御機構として構成されたデジタル制御ステージに接続される。そのため、出口A上に存在する圧力ならびに制御ピストン18の実際の位置の両方が前記制御ステージに伝達される。そのため、計測プランジャ60が制御ピストン18と結合され、前記プランジャは第1のケース蓋部材19を貫通するとともに、第1のケース蓋部材19上に配置されたその種のものとして周知の位置センサ61と協働作用する。
図6には、制御ピストン18上に付勢プランジャ62が作用し、前記付勢プランジャが圧電気圧式のパイロットステージ14の制御圧出力55に接続された、その種のものとして周知の圧力/ストローク変換器63と結合される点において図2の実施形態と相違する圧力制御弁4′の構成が概略的に示されている。その方式によって気体技術上圧電気圧式のパイロットステージ14が圧力/ストローク変換器63の薄膜64によって気圧式の出力ステージ14から分離される。図6において参照符号65は制御電子機構を含み装置インタフェース12を備えたガス制御ユニットを示す。出口A上の圧力を検出する圧力センサ66が位置センサ61に加えてガス制御ユニット65の制御電子機構と結合される。さらに、制御ガス源8と圧電気圧式のパイロットステージ14の間に接続された予圧制御装置67が図示されている。その他の点については図1ないし図5に関して記述した説明を参照することができるため、その繰り返しは省略する。さらに補足のため、圧電気圧式のパイロットステージ14と戻しバネ59による制御ピストン18の付勢の構成が図2の実施形態と比べて逆になっている点に留意する必要がある。
図7に示されている比例式の圧力制御弁4″の別の変更例において、制御ピストン18の位置は、バネによる逆動を削除して、互いに対向して作用する2個の圧電気圧式のパイロットステージ14′および14″によって調節される。圧電気圧式のパイロットステージ14′の制御圧出力55は、上述したように圧力/ストローク変換器63と付勢プランジャ62を介して制御ピストン18に作用する。圧電気圧式のパイロットステージ14″の制御圧出力68が言わば圧電気圧式の戻しパイロット弁69を形成し、これも前述と同様な方式で圧力/ストローク変換器70と戻しプランジャ71を介して制御ピストン18に作用する。
図8および図9には、ワークピースをレーザ加工するための装置内のガス供給装置の構成要素の異なった構成例が概略的に示されている。図8によれば、ガスノズル6のみが(移動式の)レーザ加工ユニット6上に配置され、他方比例式の圧力制御弁4は位置固定式となっている。比例式の圧力制御弁4は柔軟な接続管72を介してガスノズル6と結合される。一方図9によれば、本発明に従って使用される比例式の圧力制御弁4の比較的小さな重量による前述した好適な作用によって可能であるように、前記比例式の圧力制御弁4が直接レーザ加工ユニット5上に配置される。

Claims (11)

  1. ワークピースホルダとレーザ加工ユニット(5)と前記レーザ加工ユニットおよびワークピースホルダを互いに相対的に移動させる駆動ユニットと装置制御装置とガス供給装置とからなる、レーザ光線を使用して金属のワークピースを切断するための装置であって、
    前記ガス供給装置は、少なくとも1個のガス源(2)と前記レーザ加工ユニットに割り当てられたガスノズル(6)と前記ガスノズル前記少なくとも1個のガス源結合する配管構成(7)と前記配管構成(7)内に配置されガス制御ユニット(65)結合された少なくとも1個の比例圧力制御弁(4,4′,4″)とを備え、
    前記比例式圧力制御弁(4,4′,4″)と前記ガスノズル(6)とは前記レーザ加工ユニット(5)上に配置され、
    前記比例式圧力制御弁(4,4′,4″)は、圧電気圧式のパイロットステージ(14,14′)とそれによって付勢される気圧式の出力ステージ(13)を含み、
    前記圧電気圧パイロットステージ(14)は、前記気圧式の出力ステージ(13)のケース部材(15,19,20)上に直接的に設置された圧電気圧式のパイロット比例弁(40)と、吸気ノズル(44)と、排気ノズル(45)と、制御圧出力(55)と、前記吸気ノズル(44)と前記排気ノズル(45)との間で変位可能な圧電式曲げ変換器(43)とを備え、
    前記圧電気圧式のパイロットステージ(14)の前記制御圧出力(55)は、前記出力ステージ(13)から構成される制御ピストン(18)の変位を制御する制御空間(57)に接続されることによって直接前記気圧式の出力ステージ(13)を付勢してなる装置。
  2. 圧電気圧式のパイロット比例弁(40)のケース部材(42)の内部空間(41)が気圧式の出力ステージ(13)と連通することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 圧電気圧式のパイロット比例弁(40)の吸気ノズル(44)がそれのケース部材(42)内の開口部(52)を介して気圧式の出力ステージ(13)のケース部材(15,19,20)内に配置された制御ガス孔(53)に接続されることを特徴とする請求項または2に記載の装置。
  4. 制御ガス孔(53)が予圧調整器を介してガス供給装置のガス源(2)に接続されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
  5. 制御ガス孔(53)をガス供給装置とは別の制御ガス源(8)に接続することを特徴とする請求項3に記載の装置。
  6. 制御ガス孔が予圧調整器(67)を介して制御ガス源(8)に接続されることを特徴とする請求項5に記載の装置。
  7. 気圧式の出力ステージ(13)が入口(E)と出口(A)と制御ピストン孔(16)内で軸方向に摺動可能に誘導される制御ピストン(18)とを備えるとともに、前記制御ピストンがケース部材上に固定された少なくとも1本の対応する第2の制御エッジ(35)と協働作用する第1の制御エッジ(34)を有してなり、前記第1および第2の制御エッジが前記入口と出口の間の流路内に配置された可変の制御スロットを定義することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の装置。
  8. 第2の制御エッジ(35)を制御ピストン孔(16)に対する出口(A)の開口部の領域内に配置することを特徴とする請求項7に記載の装置。
  9. 気圧式の出力ステージ(13)が通気機構(B)を有するとともに、ケース部材に固定された対応する第4の制御エッジ(37)と協働作用する第3の制御エッジ(36)を制御ピストン(18)が備え、前記第3および第4の制御エッジが出口(A)と通気機構(B)の間の流路内に配置された可変の第2の制御スロットを定義することを特徴とする請求項または8に記載の装置。
  10. 第4の制御エッジ(37)が制御ピストン孔(16)に対する出口(A)の開口部の領域内に配置されることを特徴とする請求項9に記載の装置。
  11. 第1および/または第2の制御エッジ(34;35)の塑形によって出口(A)を通気する際の通流制御特性を出口と入口(E)の接続によって比例弁を開放する際の通流制御特性と異なったものとすることを特徴とする請求項または10に記載の装置。
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