JP3037474U - 靴の中敷 - Google Patents

靴の中敷

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JP3037474U
JP3037474U JP1996011261U JP1126196U JP3037474U JP 3037474 U JP3037474 U JP 3037474U JP 1996011261 U JP1996011261 U JP 1996011261U JP 1126196 U JP1126196 U JP 1126196U JP 3037474 U JP3037474 U JP 3037474U
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辰彦 末永
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辰彦 末永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緩衝作用に優れ、発汗などによる靴内部の湿
気を極めて有効に軽減することができる靴の中敷を提供
する。 【解決手段】 靴の中敷5は、弾性を有する合成樹脂か
らなる成形体6の上面に表皮7を貼着したものである。
中敷1は、土踏まず相当部から踵部の後端に向かって厚
みが次第に増すように形成され、土踏まず相当部から踵
部にわたる裏面に凹部9が形成されている。凹部9と上
面とは通気部10により連通されている。中敷5のつま
先部には通気孔が設けられており、凹部9とつま先部の
通気孔との間には溝が設けられて通気可能に連通されて
いる。凹部9の側壁9aは、幅方向の間隔が中敷裏面開
口部を上部底面よりも広くなるように,鉛直線に対して
傾斜するように形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、靴の中敷に関し、さらに詳しくは、歩行や走行の際に生じる衝撃を 緩衝し、かつ、靴内部の湿気を効率よく減少させるための構造を有する靴の中敷 に関するものである。 ここで、靴の中敷とは、製造が完成した靴の中底上に敷くものをいい、靴の中 底とは、靴の製造工程において靴底の上面に接着等により設けられるものをいう こととする。
【0002】
【従来の技術】
健常者の通常の歩行、および健康増進を目的とする所謂ウォーキング或いはジ ョギング等の歩行や走行、さらに、傷害者の歩行訓練等のリハビリテーションや 身体障害者の歩行(以下、これらをまとめて歩行と云う)の際に、踵、膝、腰等 に障害が生じないように、使用者が受ける衝撃を緩衝することが望まれている。
【0003】 歩行による衝撃を緩衝するために、従来から、弾性を有する合成樹脂等によっ て、靴底や中底、あるいは中敷をほぼ均等厚さに形成したものが用いられている 。また、接地の際の踵部の衝撃を緩衝するために、空気等の気体を封入したチュ ーブを、靴底の踵部の周囲を取り囲むように設けたものも知られている。
【0004】 一方、足蒸れ等を抑止するため、実開昭58−8310号公報に開示されてい るように、靴用中敷本体の踵部およびこれに連なる土踏まず部に亘って複数の凹 みを断続的に設け、胛被内に空気の流出入させる靴用中敷も知られている。この 靴用中敷は、凹みが常に胛被との間に隙間を形成しており、着用者の足踵により 圧迫された際に、凹みが開くように収縮変形することにより隙間内の空気を胛被 内の足に流出させ、着用者の足踵による圧迫がないときには、胛被内の空気を隙 間内に還流させる、というものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来の技術のうち、靴底や中底、あるいは中敷をほぼ均等厚さに形成した ものにあっては、着用者の受ける衝撃が大きいのは着用者が足を踏み出して最初 に踵が接地したときであるが、靴底や中底、あるいは中敷の踵部がつま先部とほ ぼ均等厚さに形成されているために、充分な緩衝能力を備えていないという問題 があった。
【0006】 また、上記従来の技術のうち、靴底の踵部の周囲に空気等の気体を封入したチ ューブを設けたものにあっては、構造が複雑となり、しかもチューブに穴が開い た場合には、緩衝作用を全く期待することができなくなるという問題があった。
【0007】 さらに、上記従来の技術のうち、実開昭58−8310号公報に開示された靴 用中敷にあっては、着用者の足踵による圧迫の有無により踵部周辺の凹みを弾性 変形させて空気を隙間と胛被との間で通気させるため、胛被内への充分な通気量 を期待することができないものであった。そして、胛被内への充分な通気量を確 保する目的で踵部周辺の凹みの弾性変形を大きくするためには、中敷の弾性自体 を低いものにしなければならず、さらには、踵部がつま先部とほぼ均等厚さに形 成されているために、接地の際に着用者の足踵が受ける衝撃を充分に緩衝するこ とができないという問題があった。
【0008】 また、上記従来の技術には、使用者に正しい姿勢をとらせることができ、特に 脚部に障害を有する歩行の困難な身体障害者が歩行を行う場合に補助となる構造 を有し、かつ、緩衝作用を有する手段を備えた靴の中敷は存在しなかった。 さらにまた、従来の靴の中敷にあっては、中敷の土踏まず相当部が挿入される 靴の土踏まず相当部の内壁に重合して内部形状に不要な膨らみを形成し、使用者 の足裏の土踏まずを圧迫する場合があるという問題があった。
【0009】 本考案は、緩衝作用に優れ、足の発汗などによる靴内部の湿気を極めて有効に 軽減することができる靴の中敷を提供することを目的とする。 また、本考案は、靴の使用者に正しい姿勢をとらせることができ、特に傷害者 や身体障害者が歩行を行う場合に、歩行の補助となる構造を有し、かつ、緩衝作 用を有する手段を備えた靴の中敷を提供することを目的とする。 さらに本考案は、靴の内部構造に適合させることが容易な靴の中敷を提供する ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本考案の請求項1に係る靴の中敷は、弾性を有 する合成樹脂からなり、土踏まず相当部から踵部の後端に向かって厚みを次第に 増して形成され、土踏まず相当部から踵部にわたる裏面に凹部が形成され、凹部 と足裏が接する上面とを連通する通気部が設けられ、つま先部に通気部が設けら れ、前記凹部内の空気を前記通気部が設けられたつま先部の上面へと通気可能と する手段が設けられ、前記凹部の側壁が鉛直線に対して傾斜するように形成され ていることを特徴とするものである。
【0011】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項2に係る靴の中敷は、請求項1 に記載の靴の中敷において、前記凹部の側壁の傾斜は、裏面開口部の幅方向の間 隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなるように形成されていることを特徴と するものである。
【0012】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項3に係る靴の中敷は、請求項1 または2のいずれかに記載の靴の中敷において、前記凹部と踵部後端縁との間に 緩衝部が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項4に係る靴の中敷は、請求項1 乃至3のいずれかに記載の靴の中敷において、前記凹部内の空気を前記通気部が 設けられたつま先部の上面へと通気可能とする手段は、前記凹部と前記つま先部 の通気部とにわたって裏面に形成された溝であることを特徴とするものである。
【0014】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項5に係る靴の中敷は、請求項1 乃至4のいずれかに記載の靴の中敷において、少なくとも踵部の裏面周縁に、靴 の内周壁との間に空隙を構成する切欠きが形成されていることを特徴とするもの である。
【0015】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項6に係る靴の中敷は、請求項1 乃至5のいずれかに記載の靴の中敷において、土踏まず相当部の裏面にエグリ部 が形成されていることを特徴とするものである。
【0016】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項7に係る靴の中敷は、請求項1 乃至6のいずれかに記載の靴の中敷において、合成樹脂がエチレン酢酸ビニルコ ポリマ−であることを特徴とするものである。
【0017】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項8に係る靴の中敷は、請求項7 に記載の靴の中敷において、合成樹脂の硬度がゴム硬度45〜85度であること を特徴とするものである。
【0018】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項9に係る靴の中敷は、請求項1 乃至8のいずれかに記載の靴の中敷において、つま先部と踵部との上面の実施的 な高さの差が10〜35mmであることを特徴とするものである。
【0019】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項10に係る靴の中敷は、請求項 1乃至9のいずれかに記載の靴の中敷において、滑り止め機構を上面に設けたこ とを特徴とするものである。
【0020】 本考案の請求項1に係る靴の中敷では、土踏まず相当部から踵部が後端に向か って踵高となるように厚みを次第に増して形成したことにより、完成品の靴に挿 入して中底上に敷いて使用した際に、つま先よりも踵の位置が高くなるように前 傾斜面が形成されるため、使用者は背筋を伸ばすような姿勢をとらされる。また 、体全体が前傾することになり、その重心が前方に移動することとなり、特に身 体障害者の歩行の際に前進方向に足の運びを促すこととなり、歩行を補助する。 使用者が歩行する際には、踏み出した足の踵が最初に接地することにより荷重が 最大となって衝撃を発生するが、厚く形成された弾性を有する合成樹脂からなる 中敷の踵部が厚さ方向に弾性変形することにより、この衝撃は緩衝される。この とき、足裏により凹部の通気部が塞がれた状態で荷重を受けるため、凹部の容積 が収縮してその内部の空気がつま先部の通気部を介して上面に送られる。凹部の 側壁を鉛直線に対して傾斜するように形成したことにより、凹部が形成された踵 部が容易に変形することとなり、したがって、中敷の硬度を軟化させることなく 、靴使用者の体重を支持し得る適度な固さを維持し、しかも凹部の容積が収縮す ることによる空気のつま先部の上面への送り効率が向上する。
【0021】 本考案の請求項2に係る靴の中敷では、凹部の側壁の鉛直線に対する傾斜を、 裏面開口部の幅方向の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなるように形成 したことにより、荷重を受けた際に裏面開口部が拡がるように変形するため、凹 部の容積が収縮しやすくなる。
【0022】 本考案の請求項3に係る靴の中敷では、凹部と踵部後端縁との間に形成された 緩衝部により、使用者が歩行する際に足を踏み出して踵が接地したときに発生す る踵部の衝撃が緩衝される。
【0023】 本考案の請求項4に係る靴の中敷では、靴の中底上に敷かれることにより、裏 面に形成された溝が靴の中底との間で空気の通路を構成し、凹部内の空気が通気 部を介してつま先部の上面に通気される。
【0024】 本考案の請求項5に係る靴の中敷では、靴の中底上に敷かれることにより、靴 の内周壁および靴の中底との間に空隙が形成される。この空隙は、足からの荷重 を受けた際に、中敷の踵部の厚さ方向の弾性変形を阻害することがなく、空隙内 の空気が圧縮されることによって衝撃を緩衝することになり、踵、膝、腰等を保 護することができ、しかも、足裏の接する面積よりも靴の中底に接する面積が小 さくなるため、使用者の体重を分散させることなく集中させることができ、歩行 を楽に行うことができて疲れにくい。
【0025】 本考案の請求項6に係る靴の中敷では、土踏まず相当部にエグリ部を形成した ことにより、市販されている完成品の靴に挿入して使用した際に、中敷の土踏ま ず相当部がその靴の内壁に重合することなく適合して内部構造に不要な膨らみを 形成することがなく、したがって、使用者の足裏の土踏まずを圧迫することがな い。
【0026】 本考案の請求項7に係る靴の中敷では、材料となる合成樹脂をエチレン酢酸ビ ニルコポリマ−とすることにより、適度な硬度の中敷が所望する形状に容易に成 形される。
【0027】 本考案の請求項8に係る靴の中敷では、材料としての合成樹脂の硬度をゴム硬 度45〜85度の範囲とすることにより、靴使用者の体重を支持し得る適度な固 さを維持しつつ弾性変形するため、緩衝能力に優れると共に、つま先部の上面に 通気させるための凹部の容積の適切な収縮を得ることができる。
【0028】 本考案の請求項9に係る靴の中敷では、つま先部と踵部との上面の実施的な高 さの差を10〜35mmとすることにより、使用者に適度に背筋を伸ばすような 姿勢をとらせると共に体全体を前傾させて歩行の補助となるために適した踵の高 さとなる。
【0029】 本考案の請求項10に係る靴の中敷では、前傾斜面となるように形成された上 面に滑り止め機構を設けることにより、靴内で使用者の足が前方に滑るのを防止 する。
【0030】
【考案の実施の形態】 本考案に係る靴の中敷の一実施の形態を図1乃至図7に基づいて説明する。な お、図において同一符号は同一部分または相当部分を表す。
【0031】 本考案に係る靴の中敷5は、概略、弾性を有する合成樹脂からなり、土踏まず 相当部5bから踵部5cの後端に向かって厚みを次第に増して形成され、土踏ま ず相当部5bから踵部5cにわたる裏面に凹部9が形成され、凹部9と足裏が接 する上面とを連通する通気部10が設けられ、つま先部5aに通気部11が設け られ、前記凹部9内の空気を前記通気部11が設けられたつま先部5aの上面へ と通気可能とする手段が設けられ、前記凹部9の側壁9aが鉛直線に対して傾斜 するように形成されたものである。
【0032】 図1は本考案に係る中敷を靴に挿入した状態の長手方向の断面を示した図であ って、靴1は、胛被2と靴底3とを備え、靴底3の上面に扁平な板状の中底4を 接着剤等によって固定して構成された一般に市販されているもので、本考案に係 る中敷5は、靴1の中に挿入して中底4の上に敷いた状態で用いられるものであ る。中敷5は、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー(以下、EVAという) 等の弾性を有する合成樹脂の内部に微細径気泡を有する成形体6と、この成形体 6の上面の全面に亘って貼着された通気性を有する布等からなる表皮7とから構 成されてなるものある。成形体6の上面の幅方向略中央には、図1に示すように 、表皮7の上に現れて足裏の土踏まずの前方に整合するように、凸部6aが形成 されている。この凸部6aは、使用者が靴内に足を入れて使用する際に、足裏の 土踏まずの前方に係合し、その結果、中敷5の上面に設けられる滑り止め機構1 9として機能する。滑り止め機構19は、図示したこの実施の形態に限定される ことなく、中敷5の上面全体に凹凸を設けたり、表皮7の上面に粘着材を貼着す る等、足裏の土踏まずに整合する凸部6a以外の手法を用いることもできる。
【0033】 図2は本考案に係る中敷5の裏面を示した図であって、中敷5を前方から後方 に向かってつま先部5aと、中間に位置する土踏まず相当部5bと、後方に位置 する踵部5cとに区分すると、つま先部5aは薄い板状に形成され、土踏まず相 当部5bから踵部5cにわたる部分は、この実施の形態においてはつま先部5a と土踏まず相当部5bとの境界から踵部5cの後端に向かって、図1に示すよう に徐々に厚みを増し、踵高となるように傾斜面8が形成されている。つま先部と 踵部との上面の実質的な高さh(図1参照)は、10mm〜35mm程度の範囲に、 好ましくは10〜25mm程度に設定されている。成形体6の硬度は、ゴム硬度で 45〜85度の範囲に、好ましくは60〜70度程度に設定されている。ここで 、ゴム硬度の測定は、先端が直径5.08mmの球形状に形成された押針をスプ リングの力で試料の表面に押しつけて変形を与え、試料の抵抗力とスプリングの 力がバランスした状態での押針の押し込み深さをもとに硬度を測定するゴム硬度 計により測定される。押針最大高さ=2.54mmのときを0度、押し込み深さ =0mmのとき硬度100として、この間を等間隔で目盛り、押し込み深さを測 定するものである。そして、このゴム硬度計は、スプリング荷重が55gのとき にゴム硬度0度、855gのときにゴム硬度100度となる。なお、厚みを増し 始める部分は、つま先部5aと土踏まず相当部5bとの境界に限らず、土踏まず 相当部5bの中央や、土踏まず相当部5bと踵部5cとの境界とすることもでき る。そして、厚みを増し始める部分およびつま先部からの踵部の実質的な高さh は、靴の使用目的や大きさ、あるいは必要な緩衝性能や成形体6の硬度等に応じ て任意に選択される。また、傾斜面8の形状は、図3に示すように、足裏の形状 に合うように曲面状に形成されている。
【0034】 図2に示すように、中敷5の中間に位置する土踏まず相当部5bと後方に位置 する踵部5cとにわたる傾斜面8の裏面には、靴の長手方向に延びる凹部9が設 けられ、この実施の形態においては、図1および図3に示すように、凹部9と傾 斜面8とにわたって貫通する通気孔10が通気部として形成されている。凹部9 の側壁9aは、図3に示すように、中敷裏面開口部の幅方向の間隔が上部底面( 天井面)の幅方向の間隔よりも広くなるように形成されている。なお、図1に示 したこの実施の形態においては、均一の深さを有する1つの凹部9に4か所の通 気孔10を形成した場合によって説明したが、本考案はこれに限定されることな く、凹部の深さや、凹部9および通気孔10を形成する数は必要に応じて設定す ることができ、また、凹部の深さを次第に変化させる等とすることもできる。さ らに、通気部として、通気孔10の代わりに切れ目を設ける等、凹部9と足裏が 接する上面とを連通して通気の目的を達することができるものとすることもでき る。
【0035】 図1および図2に示すように、中敷5のつま先部5aには、通気部として、そ の上面と裏面とを貫通する通気孔11が設けられている。凹部9とつま先部5a の通気孔11とを通気可能に連通する手段として、この実施の形態の場合、線条 状の溝12が、中敷5の裏面における凹部9と通気孔11との間に形成されてい る。中敷5を靴1に挿入しての中底4の上面に敷くと、靴1の中底4の上面によ って凹部9が空間部13を形成し、また、溝12が空気の通路14(図1を参照 )を構成することとなる。空間部13は、通気孔10、および空気の通路14を 介して連通された通気孔11によって、靴1の内部と通気可能となる。
【0036】 図2および図3に示されるように、土踏まず相当部5bから踵部5cにかけて の中敷5の底面周縁(断面下方の角部)は、上面から裏面に向かって徐々に幅が 狭くなるように、側壁から裏面にかけて切り欠き15が形成されている。その結 果、靴1の胛被2の内壁と中底4と中敷5との間に空隙16が踵部の周囲に略U 字状に形成されることになる(図1および図3参照)。切り欠き15の形状は、 踵部の周囲に空隙16を形成することができるものであれば、直線状、円弧等任 意の形状で良い。空隙16が形成されることによって、使用者の歩行による荷重 を受けた際に、中敷5の弾性変形を妨げられることがなく、かつ空隙16内の空 気が圧縮されるため、衝撃の緩衝作用が優れている。また、切り欠き15を形成 することによって、足裏が接する傾斜面8の幅よりも靴1の中底4に接する幅が 狭くなるため、使用者の体重が分散されることなく靴に集中し、歩行を楽に行う ことがでる。なお、切り欠き15は、成形体6を成形した後にその底面周縁を切 除することができ、あるいは、予めその底面周縁を切り欠いた状態となるように 成形体6を成形することもできる。
【0037】 さらにまた、本考案に係る靴の中敷5は、図2に示すように、土踏まず相当部 5bの裏面に切欠き15よりもさらに大きく切欠いたエグリ部17が切欠き15 から連続するように形成されている。一般に市販されている靴1は、使用者の足 裏に密着するように、土踏まず相当部における靴底の幅を狭く形成し、胛被2が 足裏の土踏まずを包むように構成されている。本考案に係る靴の中敷5は、靴1 に挿入した際に、図に示すように、足裏の土踏まずを包むように構成された胛被 2に中敷5の土踏まず相当部5bが重合することとなるが、エグリ部17が形成 されていることによって、中敷5が不要に膨出して使用者の足裏の土踏まずを圧 迫することがなく、市販されている大抵の靴1に適合させることができる。
【0038】 このように構成された中敷5が挿入された靴を使用して歩行する際には、靴使 用者が足を踏み出して最初に踵が接地したときに、靴使用者の荷重とその反力に よる衝撃で、中敷5の実質的につま先部5aよりも厚く形成された成形体6の踵 部5cが厚さ方向に弾性変形する。そして、凹部9の側壁9aを、中敷裏面開口 部の幅方向の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなるように鉛直線に対し て傾斜させて形成したことにより、踵部5cが衝撃を受けると、図5に矢印Xで 示すように、凹部9の開口部が拡がるように変形するため、たとえばEVAによ り成形された成形体9自体の硬度を軟化させることなく、靴使用者の体重を支持 し得る適度な固さを維持しつつ、空間部13の容積を容易に収縮させることがで きる。このとき、凹部9の通気孔10が靴使用者の足裏の踵により塞がれた状態 となっている。この状態で凹部9および靴1の中底4の上面によって形成された 空間部13の容積が収縮すると、空間部13内の空気は、溝12および靴1の中 底4の上面によって形成された空気の通路14、つま先部5aの通気孔11を介 してつま先部5aの上面へと通気される。
【0039】 また、空隙16が形成されることによって、使用者の歩行による荷重を受けた 際に、図5に矢印Yで示すように、中敷5の踵部5cが弾性変形するときに空隙 16に膨出するため、弾性変形を妨げられることなく、かつ空隙16内の空気が 圧縮されるため、衝撃の緩衝作用が優れている。また、切り欠き15を形成する ことによって、足裏が接する傾斜面8の幅よりも靴1の中底4に接する幅が狭く なるため、使用者の体重が分散されることなく靴に集中し、歩行を楽に行うこと がでる。
【0040】 一方、靴使用者の足裏全体が接地し、次いで踵が浮くと共に接地しているつま 先で後方に蹴る際には、靴使用者の足裏のつま先が通気孔11を閉塞し、靴使用 者の足裏の踵が凹部9の通気孔10から離れて開放し、図3に示すように、凹部 9の開口部が元に戻って踵部5cが元の状態まで厚さ方向に弾性膨張し、空間部 13の容積が復帰する。そのため、通気孔10を介して空間部13に次の足運の 際につま先部5aの上面に通気させるための空気が流入することとなる。以上の 呼吸作用のような通気により、使用者の発汗等による靴1内の湿気が軽減され、 蒸れることがなくなる。
【0041】 さらに、本考案に係る靴の中敷5が挿入された靴を使用した場合には、土踏ま ず相当部から踵部が後端に向かって踵高となるように厚みを次第に増して形成し たことにより、完成品の靴に挿入して中底上に敷いて使用した際に、つま先より も踵の位置が高くなるように前傾斜面が形成されるため、使用者は背筋を伸ばす ような姿勢をとらされる。また、体全体が前傾することになり、その重心が前方 に移動することとなり、特に身体障害者の歩行の際に前進方向に足の運びを促す こととなり、歩行の補助となる。そして、前傾斜面となるように形成された中敷 では、使用者の足が靴内で前方に滑ってつま先詰りとなるといった問題が発生す ることも考えられるが、中敷の上面に滑り止め機構19を設けることにより、こ れらの問題の発生を防止して足を中敷上の適切な位置に保持し、歩行を適切に行 うことができる。
【0042】 なお、溝12は、この実施の形態においては凹部9と別に線条状に形成した例 によって説明したが、これに限定されることなく、図6に示すように、溝12を 中敷5のつま先部5aの形状と相似形形状に形成し、凹部9から連続するように 形成することもできる。この場合においては、使用者の荷重によって空気の通路 14が閉塞しないように、溝12内にリブ等の支持部12aを成形体6の裏面と 面一になるように、且つ、歩行の際の中敷5の屈曲を妨げないように形成するこ とが好ましい。
【0043】 さらに、中敷5裏面の凹部9と踵部後端の切り欠き15の縁との間には、図6 および図7に示すように、緩衝部として、凹部9よりも浅い溝状の凹み18を形 成してもよい。凹み18の側壁は、凹部9の側壁9aと同様に裏面に向かって暫 時幅が拡がるように、鉛直線に対して傾斜させて形成することが望ましい。 この場合にあっては、靴使用者が足を踏み出して踵が接地して踵部5cが弾性 変形するときに、凹み18が中底4に完全に密着することなく拡がるように変形 するため、衝撃をより緩衝することができる。そして、空間部13の容積の収縮 による通気に加えて、切り欠き15により靴1の胛被2の内壁と中底4と中敷5 との間に形成された空隙16内の空気が凹み18を介してつま先部5cに通気さ れるため、通気の効率がより向上することとなる。
【0044】
【考案の効果】
本考案の請求項1に係る靴の中敷によれば、土踏まず相当部から踵部が後端に 向かって踵高となるように厚みを次第に増して形成したことにより、完成品の靴 に挿入して中底上に敷いて使用した際に、つま先よりも踵の位置が高くなるよう に前傾斜面が形成されるため、使用者に背筋を伸ばすような姿勢を取らせること ができる。また、体全体が前傾するので、重心が前方に移動し、特に身体障害者 の歩行の際に前進方向に足の運びを促すこととなり、歩行を補助することができ 、疲労を少なくすることができる。使用者が歩行する際に、踏み出した足の踵が 接地するときには、踏み出した足の踵が最初に接地することにより荷重が最大と なって衝撃が発生するが、厚く形成された弾性を有する合成樹脂からなる中敷の 踵部が厚さ方向に弾性変形することにより、この衝撃を緩衝することができる。 このとき、足裏により凹部の通気部が塞がれた状態で荷重を受けるため、凹部の 容積が収縮してその内部の空気をつま先部の通気部を介して上面に送ることがで きる。凹部の側壁を鉛直線に対して傾斜するように形成したことにより、凹部が 形成された踵部が容易に変形することとなり、したがって、中敷の硬度を軟化さ せることなく、靴使用者の体重を支持し得る適度な固さを維持し、しかも凹部の 容積が収縮することによる空気のつま先部の上面への送り効率を向上させること ができる。
【0045】 本考案の請求項2に係る靴の中敷によれば、凹部の側壁の鉛直線に対する傾斜 を、裏面開口部の幅方向の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなるように 形成したことにより、荷重を受けた際に凹部の容積が収縮しやすくなるため、空 気のつま先部の上面への送り効率をより向上させることができる。
【0046】 本考案の請求項3に係る靴の中敷によれば、凹部と踵部後端縁との間に緩衝部 を形成することにより、使用者が歩行する際に足を踏み出して踵が接地したとき に、踵部の弾性変形に加えて衝撃をさらに効率的に緩衝することができる。
【0047】 本考案の請求項4に係る靴の中敷によれば、靴の中底上に敷かれることにより 、裏面に形成された溝が靴の中底との間で空気の通路を構成するため、簡単な構 造で凹部内の空気をつま先部の上面に通気させることができる。
【0048】 本考案の請求項5に係る靴の中敷によれば、靴の中底上に敷かれることにより 、靴の内周壁および靴底との間に空隙が形成されるため、足からの荷重を受けた 際に、中敷の踵部の厚さ方向の弾性変形を阻害することがなく、空隙内の空気が 圧縮されることによって衝撃を緩衝することになり、踵、膝、腰等を保護するこ とができ、しかも、足裏の接する面積よりも靴の中底、或は靴底に接する面積が 小さくなるため、使用者の体重を分散させることなく集中させることができ、歩 行を楽に行うことができて疲れにくい。
【0049】 本考案の請求項6に係る靴の中敷によれば、土踏まず相当部にエグリ部を形成 したことにより、市販されている完成品の靴に挿入して使用した際に、中敷の土 踏まず相当部がその靴の内壁に重合することなく適合して内部構造に不要な膨ら みを形成することがなく、したがって、使用者の足裏の土踏まずを圧迫すること がない。
【0050】 本考案の請求項7に係る靴の中敷によれば、材料となる合成樹脂をエチレン酢 酸ビニルコポリマ−とすることにより、適度な硬度の中敷が所望する形状に容易 に成形することができる。
【0051】 本考案の請求項8に係る靴の中敷によれば、材料としての合成樹脂の硬度をゴ ム硬度45〜85度の範囲とすることにより、靴使用者の体重を支持し得る適度 な固さを維持しつつ弾性変形するため、緩衝能力に優れると共に、つま先部の上 面に通気させるための凹部の容積の適切な収縮を得ることができる。
【0052】 本考案の請求項9に係る靴の中敷によれば、つま先部と踵部との上面の実施的 な高さの差を15〜35mmとすることにより、使用者が背筋を伸ばすような姿 勢をとると共に体全体を前傾させて歩行の補助に適した踵の高さとすることがで きる。
【0053】 本考案の請求項10に係る靴の中敷によれば、前傾斜面となるように形成され た上面に滑り止め機構を設けることにより、靴内で使用者の足が前方に滑るのを 防止することができ、歩行を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る靴の中敷の長手方向縦断側面図で
ある。
【図2】本考案に係る靴の中敷の裏面図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】図2のB−B線拡大断面図である。
【図5】図3の状態から荷重を受けて弾性変形した状態
を示す断面図である。
【図6】本考案に係る靴の中敷の別の実施の形態を示す
裏面図である。
【図7】図6に示した靴の中敷の長手方向縦断側面図で
ある。
【符号の説明】
1 靴 3 靴底 4 中底 5 中敷 5a つま先部 5b 土踏まず相当部 5c 踵部 8 傾斜面 9 凹部 9a 側壁 10、11 通気孔 12 溝 13 空間部 14 空気の通路 15 切り欠き 16 空隙 17 エグリ部 18 凹み(緩衝部) 19 滑り止め機構

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性を有する合成樹脂からなり、土踏ま
    ず相当部から踵部の後端に向かって厚みを次第に増して
    形成され、土踏まず相当部から踵部にわたる裏面に凹部
    が形成され、凹部と足裏が接する上面とを連通する通気
    部が設けられ、つま先部に通気部が設けられ、前記凹部
    内の空気を前記通気部が設けられたつま先部の上面へと
    通気可能とする手段が設けられ、前記凹部の側壁が鉛直
    線に対して傾斜するように形成されていることを特徴と
    する靴の中敷。
  2. 【請求項2】 前記凹部の側壁の傾斜は、裏面開口部の
    幅方向の間隔が上部底面の幅方向の間隔よりも広くなる
    ように形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の靴の中敷。
  3. 【請求項3】 前記凹部と踵部後端縁との間に緩衝部が
    形成されていることを特徴とする請求項1または2のい
    ずれかに記載の靴の中敷。
  4. 【請求項4】 前記凹部内の空気を前記通気部が設けら
    れたつま先部の上面へと通気可能とする手段は、前記凹
    部と前記つま先部の通気部とにわたって裏面に形成され
    た溝であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の靴の中敷。
  5. 【請求項5】 少なくとも踵部の裏面周縁に、靴の内周
    壁との間に空隙を構成する切欠きが形成されていること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の靴の中
    敷。
  6. 【請求項6】 土踏まず相当部の裏面にエグリ部が形成
    されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の靴の中敷。
  7. 【請求項7】 合成樹脂がエチレン酢酸ビニルコポリマ
    −であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載の靴の中敷。
  8. 【請求項8】 合成樹脂の硬度がゴム硬度45〜85度
    であることを特徴とする請求項7に記載の靴の中敷。
  9. 【請求項9】 つま先部と踵部との上面の実施的な高さ
    の差が10〜35mmであることを特徴とする請求項1
    乃至8のいずれかに記載の靴の中敷。
  10. 【請求項10】 滑り止め機構を上面に設けたことを特
    徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の靴の中敷。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114698901A (zh) * 2020-12-16 2022-07-05 株式会社岩水 一种带支撑的鞋垫

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