JP3037427B2 - カルシトリオールならびにその誘導体を製造するための原料化合物、これらの原料化合物の製造方法ならびにこの方法のための中間体 - Google Patents

カルシトリオールならびにその誘導体を製造するための原料化合物、これらの原料化合物の製造方法ならびにこの方法のための中間体

Info

Publication number
JP3037427B2
JP3037427B2 JP04504851A JP50485192A JP3037427B2 JP 3037427 B2 JP3037427 B2 JP 3037427B2 JP 04504851 A JP04504851 A JP 04504851A JP 50485192 A JP50485192 A JP 50485192A JP 3037427 B2 JP3037427 B2 JP 3037427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
general formula
converted
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04504851A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06508347A (ja
Inventor
シェネッカー,ブルーノ
ドレッシャー,ペーター
アダム,ギュンター
マルカルト,フォルカー
ワルター,ディルク
フィッシャー,ライナルト
プロウサ,リヒャルト
Original Assignee
イエナファルム、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イエナファルム、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング filed Critical イエナファルム、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
Publication of JPH06508347A publication Critical patent/JPH06508347A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3037427B2 publication Critical patent/JP3037427B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07JSTEROIDS
    • C07J71/00Steroids in which the cyclopenta(a)hydrophenanthrene skeleton is condensed with a heterocyclic ring
    • C07J71/0005Oxygen-containing hetero ring
    • C07J71/001Oxiranes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07JSTEROIDS
    • C07J51/00Normal steroids with unmodified cyclopenta(a)hydrophenanthrene skeleton not provided for in groups C07J1/00 - C07J43/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07JSTEROIDS
    • C07J9/00Normal steroids containing carbon, hydrogen, halogen or oxygen substituted in position 17 beta by a chain of more than two carbon atoms, e.g. cholane, cholestane, coprostane
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)
  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、カルシトリオール(1α,25−ジヒドロキ
シコレカルシフェロール)、 ならびにその誘導体を製造するための新規な原料化合
物、とりわけカルシトリオールと比較してC−17側鎖に
変形部分を有する化合物に関する。
カルシトリオールはカルシウムおよびリン酸塩代謝に
著しい効果を有し、それと並んで増殖抑制および細胞分
化効果を有する(H.F.デ ルカ、ステロイドホルモンの
生物化学におけるビタミンDの代謝および機能、HRSG.
H.L.J.メイキン、第2版、ブラックウェル サイエンテ
ィフィック パブリケーション 1984、71〜116頁)。
様々な側鎖変形を有するカルシトリオール誘導体におい
て、これらの誘導体が驚くべきことにカルシトリオール
より都合の良い一連の効果を有し、それらのカルシウム
およびリン酸塩代謝に対する作用はカルシトリオールよ
り明らかに弱くなっているのに対し、増殖抑制および細
胞分化効果はだいたい維持していることが観察されてい
る。
例えば、EP−A−0387077に記載されている19−Nor−
ビタミンD化合物および国際特許出願WO−87/00834に開
示されている24−ヒドロキシ−ビタミンD類似体を挙げ
ることができる。
独国特許出願第P3933034.6およびP4034730.3の両方と
も、効果の多様性を抑えた、側鎖変形したビタミンD誘
導体を記載しているが、これらの誘導体は式 (式中、 R1は水素または1〜9個の炭素原子を有するアシル基を
表わし、 R2またはR3は水酸基または1〜9個の炭素原子を有する
アシルオキシ基を表わし、その都度他方の置換基が水素
原子を表わすか、あるいはR2およびR3が共通して酸素原
子を表わし、R4およびR5は、互いに独立して、直鎖また
は分枝鎖の4個までの炭素原子を有するアルキル基、ト
リフルオロメチル基を、または共通して第三炭素原子に
より構築された、飽和、不飽和または芳香族炭素環式ま
たは1または2個のN、OまたはS原子を含む複素環式
3、4、5または6員環を表わし、 R6は水素原子を表わし、 BおよびDは、それぞれ水素原子を、または共通して第
二の結合(E−配置二重結合)を表わし、 Aは炭素原子20および22間の直接結合または炭素原子20
および22間のメチレンブリッジ(−CH2−)を表わし、 Xは、n=1〜3であるアルキレン基−(CH2−ま
たはアルキレンオキシ基−(CH2nO−を意味する。) により表される。
特性の選択により、過剰投与による過カルシウム症な
いし必要な高投与量における副作用が低減される。
P3933034.6およびP4034730.3に記載されているビタミ
ンD誘導体は、BおよびDがそれぞれ水素原子を表す様
に、C−22ないしC−23アルデヒドを対応するWittig−
Horner試薬で変換し、続いて所望により二重結合に水素
添加することにより得られる。
本発明の課題は、カルシトリオールならびに側鎖変性
したカルシトリオール誘導体を製造するための新規な原
料化合物を、ならびにこれらの原料化合物の製造方法を
提供することである。その際、これらの新規な原料化合
物は簡単に、経済的に、且つ高収率で得られる必要があ
る。
これらの課題は、一般式I [式中、 1,2−エポキシ基はα−またはβ−位置にあり、 R1は、水素原子、それぞれアルキル、アシル、ないしア
ルコキシ基中に1〜6個の炭素原子を有する、直鎖また
は分枝鎖のアルキル基、アルキル置換したシリル基、ア
シル基、アロイル基、アルコキシカルボニル基またはア
ルコキシアルキル基を、 Aはメチレン基を、 Rは基−(CH2−CH2−CR2R3OH(式中、nは1〜7
の整数を、R2およびR3は、互いに独立して、それぞれ水
素原子、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖
のアルキル基を、あるいはR2およびR3は共通して、側鎖
の末端位置にある炭素原子と共にシクロプロピル−、−
ブチル−、−ペンチル−または−ヘキシル環を表す)
を、あるいは Aは直接結合を、 Rはカルバルデヒド基−CHOを意味する。] の新規な原料化合物により解決される。
この新規な原料化合物は、公知のビタミンD合成方法
により、冒頭に述べた効果の多様性を抑えた貴重な最終
生成物に変換することができる。Rがカルバルデヒド基
を表す場合、対応するWitting試薬で変換することによ
り、(なお)二重結合を含む所望の側鎖が導入される
(カルバーレイら)。二重結合は触媒作用により水素添
加することができる。エポキシドを例えば水素化アルミ
ニウムリチウムで開環し、続いて照射ならびに存在する
保護基の開裂および遊離の水酸基をエーテル化またはエ
ステル化することにより、所望の最終的なビタミンD構
造を得ることができる。
本発明の一般式Iの原料化合物を製造するための原料
は、公知の(20S)−20−ヒドロキシメチル−1,4−プレ
グナジンエン−3−オン(II) であり、これを本発明により、脂肪族C1〜C5アルコール
のアルカリ塩のエーテル性溶液で、(20S)−20−ヒド
ロキシメチル−1,5−プレグナジエン−3−オン(式II
I) に異性体化し、次いで、 a)製造すべき一般式Iの化合物中で、Aがメチル基
を、Rが−(CH2−CH2−CR2R3OH基を意味する場
合、この式IIIの化合物を、塩基を加え、一般式R4−SO2
−Cl(R4=フェニル基またはC1〜C4アルキル基)の脂肪
族または芳香族スルホン酸塩化物で、室温以下で対応す
る一般式IV a の20−スルホニルオキシメチル化合物に変換し、この化
合物を複合金属水素化物のアルコール性および/または
エーテル性溶液で対応する式V a の3β−ヒドロキシ化合物に還元し、次いでこの化合物
において、場合によりトシレートを対応する臭化物また
はヨウ化物に変換した後、側鎖を、公知の方法により、
あるいは有機溶剤または溶剤混合物中、室温〜55℃の反
応温度で、無水マンガン(II)塩を加えて、一般式VI (式中、 Lは2,2′−ジピリジル基(dipy)またはそのアルキル
置換生成物またはエチレンジアミンないしそのN−アル
キル化誘導体を意味する) のニッケルキレート錯体で置き換えるが、その際反応
を、L=dipyの場合は不均質条件下で、L=エチレンジ
アミンないしそのN−アルキル化誘導体の場合は均質相
中で、同時に超音波を作用させて行い、反応生成物を酸
性で加水分解し、一般式VII a (式中、R2およびR3は上記の意味を有する。)の化合物
を得るか、あるいはVIで置き換えた場合は、一般式VII
a′ (酸基が場合により誘導体化されてもよい) の化合物を得ることにより、構築し、続いて一般式VII
aまたはVII a′の化合物を[一般式VII a′の化合物の
場合は、それを化合物R23MgHal(R23=R2=R3、Hal=C
l、Br、I)で二重にグリニヤール化した後]、第二OH
基を保護した後、一般式VIII a の化合物に酸化し、これを場合により、R1がアルキル置
換したシリル基を意味しない場合、遊離の3−ヒドロキ
シ化合物を経由して対応する3−シリルエーテルに変換
し、これを一般式IX a [式中、R1′はアルキル置換したシリル基を意味する
(1,2α−エポキシド)。]の化合物に、またはR1がす
でにアシル基またはアロイル基を意味しない場合、遊離
の3−ヒドロキシ化合物を経由して対応する3−アシル
オキシ化合物に変換し、これを一般式IX a[式中、R
1′はアシル基またはアロイル基を意味する(1,2β−
エポキシド)。]の化合物にエポキシド化する、あるい
は一般式VIII a(式中、R1はアシル基またはアロイル基
を意味する。)の化合物を陽性ハロゲン、特に陽性臭素
を含む化合物により一般式XI の化合物に変換し、これを弱塩基により式IX aβ の1,2β−エポキシドに変換し、場合によりIX aで3−
シリルエーテルを開裂させ、遊離3−ヒドロキシ化合物
を経由し、場合により対応する3−アシルオキシ化合物
(R1′=アシルであるIX a)に変換し、トシルヒドラ
ジンCH3−C6H4−SO2−NH−NH2により一般式X a のトシルヒドラジドに変換し、これを水素化リチウムで
一般式I a の化合物に変換するか、あるいは b)製造すべき一般式Iの化合物の中でAが直接結合
を、Rがカルバルデヒド基−CHOを意味する場合、式III
の化合物に、容易に開裂し得る保護基Rxを導入し、対応
する(20S)−20−置換−メチル−1,5−プレグナジエン
−3−オンIV b に変換し、 これを複合金属水素化物により、反応工程IV a→V aと
同様にして、対応する一般式V b の3−ヒドロキシ化合物に還元し、そこで3−水酸基
を、塩基の存在下で、一般式R″OC(O)Cl(R″は1
〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル
基である)の塩化アルコキシカルボニルでエステル化
し、続いて得られたエステルを、反応工程VII aないしV
II a′→VIII aと同様に、アリル位置で対応する一般式
VIII b の化合物に酸化し、 この化合物を、反応工程VIII a→IX aと同様に、対応す
る一般式IX b の化合物にエポキシド化し、 この化合物を、反応工程IX a→X aと同様に、トシルヒ
ドラゾンにより対応する一般式X b のトシルヒドラジドに変換し、これを続いて反応工程X
a→I aと同様にリチウムヒドラジドにより、一般式I
b′ の化合物に変換し、保護基Rxを穏やかな条件下で開裂さ
せ、形成された一般式I b′の20−ヒドロキシメチル化
合物を最終的に対応する一般式I b の20−アルデヒドに酸化し、続いて所望により3−アル
コキシカルボニルエステルを通常の方法により他の、上
記のR1に記載する置換基に変換する。
本発明の方法を以下の図式にまとめて示す。
ロールの微生物分解(DD−WP 139859、DD−WP 1404
78)により容易に得られる、一般式IIの化合物、(20
S)−20−ヒドロキシメチル−1,4−プレグナジエン−3
−オンの、一般式IIIの化合物への異性体化はすでに公
知である(DE−OS 2746107)。この異性体化には、比
較的高価な双極性非プロトン性溶剤(ジメチルスルホキ
シド、ヘキサメチルリン酸トリアミド)およびカリウム
−tert.−ブタノラートないし水素化ナトリウム(Helv.
Chim.Acta64(1981)1870)を使用する。
ここで、IIにおける3−ケト−1,4−ジエン系は、エ
ーテル中の脂肪族C1〜C5アルコールのアルカリ塩によ
り、好ましくはテトラヒドロフラン中のカリウムブタン
−2−オラート(DD−WP 114807)を使用して、化合物
IIIの3−ケト−1,5−ジエン系に異性体化できることが
分かった。所望の式Iの最終生成物に応じて、化合物II
Iをさらに処理する。
一般式I aの生成物を得るためには、塩基を加え、室
温以下の温度で、IIIを脂肪族または芳香族スルホン酸
塩化物により対応する一般式IV aの20−スルホニルオキ
シメチル化合物に変換し、これを、アルコール性または
エーテル性溶剤中の複合金属水素化物またはそれらの混
合物により、対応する3β−ヒドロキシ化合物V aに還
元する。
化合物IIIの水酸基は、化合物IIIを−20℃〜室温の温
度で、前もって製造しておいた対応するスルホン酸塩化
物および液体有機塩基からなる混合物中に入れ、完全に
変換されるまで反応させ、次いで水を加えて処理するこ
とにより、非常に効果的に脂肪族または芳香族スルホン
酸エステル基に変換することができる。スルホン酸塩化
物として、好ましくは芳香族スルホン酸塩化物、例えば
p−トルエンスルホクロリド、および塩基として、好ま
しくはピリジンを使用する。3−ケト−1,5−ジエン系
は、酸性または塩基性で容易に3−ケト−1,4−ジエン
系に移行することが分かっているので、この反応が順調
に推移することは驚くべきことである。その様な置き換
えは、スルホン酸エステル形成では観察されていない。
一般式IV aの化合物の3−ケト基は、水素化ホウ素ナ
トリウム、カルシウムおよびリチウム、または水素化リ
チウムアルミニウムの様な複合金属水素化物により3β
−水酸基に還元される。その際、室温以下の温度で作業
を行うと、還元剤に対して敏感な第一スルホン酸エステ
ル基の攻撃が起こらない。
3−ケトンの還元は、好ましくはエタノール中の水素
化ホウ素カルシウムにより行うが、その際、純粋な3β
−ヒドロキシ−1,5−ジエン化合物が得られ、3α−ヒ
ドロキシ化合物または1,2−飽和化合物は実際上形成さ
れない。5−二重結合の4位置への逆異性体化は観察さ
れない。
一般式V aの化合物は、カルシトリオールないしその
誘導体に関して典型的な17−炭素側鎖の構築にのみ使わ
れる。この工程は、公知の方法によるか、あるいは式VI のニッケルオキサシクロヘキサノンで変換することによ
り行う。
公知の方法には、DD−WP 268956に記載されている方
法があるが、そこでは、一般式V aの化合物を、場合に
よりスルホン酸エステル基を対応する臭化物またはヨウ
化物に変換した後、式 (式中、R8=H、ヒドロキシ保護基またはMgX、X=B
r、Cl) のグリニャール化合物と反応させる。使用するグリニャ
ール化合物の鎖長ならびにR2およびR3を変えることによ
り、多くの異なった式VII aの化合物を得ることができ
る。
もう一つの公知の方法(DD−A−273065)では、化合
物V a(スルホンエステル基を臭素またはヨウ素に対し
て変換した後)を式 (式中、Lは式VIにおけるのと同じ意味を有する) のニッケルオキサシクロペンタノンで変換する。この変
換は、無水マンガン−II−塩の存在下で有機溶剤中で行
う。その際、C25ステロイドカルボン酸 が生じる。
ここで、一般式VII a′の同族体C26ステロイドカルボ
ン酸は、対応する、式VIの同族体ニッケルオキサシクロ
ヘキサノンで変換することにより得られることが分かっ
た。
C24−およびC25−ステロイドカルボン酸の製造が下記
の特許および文献に記載されている。
−US−PS 3786062、C.A.80(1974)96229 −Z.obsz.Chim.45819759925 −Chem.Pharm.Bull.33(1985)878 −DE−OS 2950986、C.A.94(1981)4170 −Steroids 13(1969)567 −DD−PS 273065 −Tetrahedron Lett.31(1990)1257 一部他の配位子を含む一般式VIのニッケルキレート錯
体は、ニッケル(O)錯体および無水グルタル酸から初
めて製造された(ヤマモトら、Chem.Lett.1983、11
5)。しかし、生じたニッケル環式化合物は構造的に単
一ではなく、異性体化反応を起こし、環の収縮により、
一般式VI′ に相当する枝分かれしたキレート環を生じる(ヤマモト
ら、Bull.Chem.Soc.Jpn.、57(1984)、2741)。その
際、平衡は、例えば上記の配位子を含むニッケルキレー
ト錯体の場合は、枝分れしたキレート環を有する異性体
の側に80%寄っている。このニッケル環式化合物をC26
ステロイドカルボン酸の合成に、しかもDD−PS 273065
に記載されているのと同様の方法で適用すると、構造的
な単一性がないために、枝分れしていないステロイドカ
ルボン酸60%および枝分れしたステロイドカルボン酸40
%からなる混合物が得られる。
このことは、化学的に非常に良く似た異性体を後で分
離することは非常に経費がかかり、その方法全体の収率
が大きく低下するので、著しい欠点である。
C26ステロイドカルボン酸VII a′は、一般式V aのC22
ステロイドを、スルホンエステル基を対応する臭化物ま
たはヨウ化物に変換した後、一般式VI(式中、L=2,2
−ジピリジル(dipy)またはそのアルキル置換生成物ま
たはエチレンジアミンないしそのN−アルキル化誘導体
を意味する)のニッケルキレート錯体により、有機溶剤
または溶剤混合物中で変換するが、その際、L=dipyま
たはそのアルキル置換生成物の場合は反応を不均質条件
下で、L=エチレンジアミンないしそのN−アルキル化
誘導体の場合は均質相中で、同時に超音波を作用させて
行い、反応生成物を酸性で加水分解することにより、製
造する。
驚くべきことに、本発明により、上記のニッケルキレ
ート錯体でC22ステロイドを、ジメチルホルムアミド(D
MF)またはDMFと芳香族炭化水素からなる混合物中で変
換することにより、異性体的に100%純粋な、一般式VII
a′の枝分れしていないC26ステロイドカルボン酸が得
られる。反応を有利に進めるには、配位子としてdipyな
いしそのアルキル置換誘導体を含む、難溶性のニッケル
キレート錯体の場合は不均質反応を行うこと、あるいは
配位子としてエチレンジアミンないしそのアルキル置換
生成物を含む錯体の場合は超音波を同時に作用させるこ
とが不可欠である。
反応温度は室温〜55℃の間で選ぶことができ、反応時
間は5時間〜48時間である。好ましくは、ステロイドハ
ロゲン化物は30℃で変換する。ステロイドハロゲン化物
1モルの変換には、ニッケルキレート錯体1.5モル〜2.5
モルを使用する。反応速度および収率を増加させるに
は、ヨウ化マンガン、臭化マンガンまたは酢酸マンガン
の様な無水マンガン(II)塩を加えるのが有利である。
好ましくは、ステロイドハロゲン化物1モルあたりヨウ
化マンガン1モルを使用する。酸性加水分解の後、C26
カルボン酸が高収率で、異性体的に純粋な形で得られ
る。得られたC26カルボン酸は、それ自体公知の有機化
学的方法により誘導体化することができる(エステル、
アミド、酸塩化物、等)。
本方法の長所は第一に、容易に入手できるC22ステロ
イドおよび一般式VIのニッケルキレート錯体から一工程
で、高収率および100%の異性体純度で、枝分れしてい
ないC26ステロイドカルボン酸を製造できることであ
る。
一般式VII a′のステロイドカルボン酸ないしニッケ
ルオキサシクロペンタノンにより得られるC25ステロイ
ドカルボン酸を酸化する前に、これらの化合物の中に、
化合物R23MgHal(R23=R2=R3、Hal=Cl、Br、I)で二
重グリニャール化することにより、R2およびR3基を導入
する。
次の反応工程で、一般式VII aないしVII a′の化合物
を(二重グリニャール化の後)選択的に7位置で酸化
し、続いて1,2−二重結合をエポキシド化する。その
際、エポキシド化の立体化学的経過は、3−炭素原子の
酸素原子の所にある置換基R1により非常に大きく左右さ
れる。
クロム(VI)化合物を使用してΔステロイドに7−
ケト基を導入する方法はすでに公知であるが、3β−置
換したΔ1,5ステロイドの酸化はこれまで開示されてい
ない。容易に入手できる、一般式VII aないしVII a′の
3β−置換された1,5−ジエン−ステロイド(シャピ
ロ、E.ら、Steroids (1966)461)は、驚くべきこ
とに、有機溶剤中でクロム(VI)化合物により、対応す
る一般式VIII aの7−ケトンに酸化されることが分かっ
た。この酸化は、アリル酸化に関して文献に記載されて
いる系、つまり氷酢酸/無水酢酸中のクロム酸ナトリウ
ム(US 2505656)、ピリジン中の三酸化クロム(ダウ
ベン、W.G.、M.ローバーおよびD.S.フラートン、J.Org.
Chem.34(1969)3587;コリンズ、J.C.、W.W.ヘスおよび
F.J.フランク、Tetr.Lett.1968、3363)、ジクロロメタ
ン中の三酸化クロムおよびジメチルピラゾールまたはピ
ラゾール(サルモンド、W.G.、M.A.バルタおよびJ.L.ハ
ーベンス、J.Org.Chem.43(1978)2057、US4006172)、
テトラクロロメタン中のクロム酸tert.−ブチル(ホイ
スラー、K.およびA.ウェットシュタイン、Helv.Chim.Ac
ta35(1952)284)、相転位条件下の三酸化クロム(Sin
gh.C.、Indian J.Chem.Sect.B 24B(1985)300)また
は触媒量の塩化クロム酸ピリジニウムの存在下のtert.
−ブチルヒドロペルオキシド(N.Chidambaranら、J.Or
g.Chem.52(1987)5048)により行うことができる。
驚くべきことに、3β置換されたΔ−アリル系では
反応はまったく、あるいはほんの僅かしか起きなかっ
た。反応温度は、採用する方法により−50℃〜+40℃で
ある。処理は通常水を加え、ステロイドからクロム塩を
分離して行う。後に続く反応で、一般式VIII aの化合物
に1,2−エポキシ基を導入する。エポキシド化は有機溶
剤中で有機過酸により行う。続いて存在する保護基を場
合により通常の方法により開裂させる。R1としてのシリ
ル基が、導入されるエポキシ基を特に1,2α位置に導
き、対応する3−アシルオキシ化合物のエポキシド化は
本質的に1,2βエポキシドに導く。どちらの場合も、エ
ポキシド化は、ステロイド1モルあたり有機過酸1.5〜
4モルで行われる。過酸としては、例えばm−クロロ過
安息香酸、過安息香酸、モノ過フタル酸またはm−ジニ
トロ過安息香酸をエーテル、トルエン、ベンゼン、クロ
ロホルムまたはジクロロメタン中で、室温または+50℃
までの温度で使用する。これらの条件下で、5−二重結
合に対する攻撃はまったく、あるいはほとんど観察され
なかった。十分に変換した後、塩基性で処理する。主生
成物として生じた1α、2αないし1β、2βエポキシ
ドはクロマトグラフィーまたは再結晶化により、その都
度共に形成された他のエポキシドから分離する。3βシ
リルエーテル基の、対応する3βヒドロキシ化合物への
開裂は、酸性で、またはフッ化物イオンにより行われ、
排除またはエポキシド開環は起きない。一般式VIII a
(式中、R1はアシルまたはアロイル基を意味する)の化
合物を直接エポキシド化する代わりに、一般式XI の2β−O−置換した1α−ハロゲン−3β−ヒドロキ
シ−Δ−7−ケト−ステロイドを経由して一般式IX a
β の1,2βエポキシドを得ることができる。
一般式XIの化合物は、一般式VIII aの化合物を、有機
溶剤中で、水を加えて、陽性ハロゲン、特に陽性臭素を
含む化合物で置き換えることにより得られる。
水性有機溶剤中で、触媒量の酸を加えて、あるいは加
えずに、N−ブロモアセトアミドまたはN−ブロモスク
シンイミドまたは他の陽性臭素を含む化合物により、オ
レフィンからブロモヒドリンを製造できることが公知で
ある(ホウベン−ワイル、V/4巻、139頁、ゲオルグ テ
ィーメ出版、シュツットガルト1960、H.B.ヘンベスト、
R.A.L.ウィルソン、J.Chem.Soc.1959、4136、E.グロッ
ター、P.クリンスキー、J.Chem.Soc.Perkin I1978、40
8、フィーザー、フィーザー、有機合成用の試薬、Bde1
〜11、J.ウイリー出版、ニューヨーク)。
一般式XIの化合物は、弱塩基で処理することにより、
対応する1β、2β−エポキシ−ステロイドに変換され
る。その際、R1基はステロイド骨格の2位置から3位置
に戻る。
一般式VIII aの化合物の、一般式XIへの変換は、N−
ブロモアセトアミドまたはN−ブロモスクシンイミドに
より、ジオキサン/水、アセトン/水、tert.−ブタノ
ール/水、ピリジン/ベンゼン/水中で、p−トルエン
スルホン、硫酸、氷酢酸または過塩素酸の様な触媒量の
酸を加えて、または加えずに達成することができる。さ
らに、溶剤としてジメトキシエタン/水、テトラヒドロ
フラン/水およびジメチルスルホキシド/水を使用する
ことができる。
陽性臭素源としては、ジブロモヒダントインの様な化
合物を使用することができる。好ましくは反応をテトラ
ヒドロフラン/水中、室温で、N−ブロモアセトアミド
により行う。4〜15倍過剰の臭素化剤を使用する。反応
温度は−5℃〜+30℃でよい。変換が十分であるから、
薄層クロマトグラフィーにより確認する。仕上げは通常
水を加えて行う。その際、所望の反応生成物が良好な収
率で、高純度で沈殿する。
公知の求電子性過酸の攻撃が優先的にβ側から行われ
ることを考えると、求電子性臭素の攻撃がα側から実際
上完全に行われることは驚くべきことである。5位置の
二重結合における反応は、上記の条件下では起きない。
次いで、一般式IX aの1,2α−および1,2β−エポキシ
−7−ケト−ステロイドは、有機プロトン性溶剤(例え
ば低級アルコール)、双極性非プロトン性溶剤(例えば
テトラヒドロフランの様なエーテル)または非極性溶剤
(例えばトルエン)中で加熱しながら、(4−メチルフ
ェニルスルホニル)ヒドラジドにより、対応する7−
(4−メチルフェニルスルホニル)ヒドラゾンXaに変換
し、これを嫌気性条件下で、好適なエーテル(例えばテ
トラヒドロフラン)または非極性溶剤(例えばトルエ
ン)中で加熱しながら、最終的に望ましい、共役5
(6)、7(8)−ジエン系を有する一般式I aの生成
物に変換する。
本発明により、カルシトリオール−誘導体を製造する
ために、一般式I bの原料を得る必要がある場合、上記
の反応系列を、最後の反応工程で初めて、側鎖構築に好
適な一般式I bのC22アルデヒド(ないしそのC23同族
体)を構築する様に変形しなければならない。しかし、
この変形は、C17側鎖に必要な反応にのみ関連する。1,2
α−エポキシ基の存在下で5(6)、7(8)−ジエン
系を導入するためにステロイドの基本骨格で行う反応
は、上記のIII→IV a→V a→VII a/VII a′→VIII a→I
X a→X a→I aの反応工程と同じである。反応順序III→
IV b→V b→VIII b→IX b→X b→I bでは、C17側鎖はア
ルデヒドI bから初めて構築されるので、上記の合成経
路に含まれる、側鎖を構築するための工程V a→VII aな
いしVII a′は飛び越えている。
同様に、式IIIの化合物から出発して、水酸基を容易
に開裂し得る保護基Rxに変換(一般式IV bの化合物)に
変換するが、その例としては、低級アルキルエーテル、
ギ酸エステル、ならびにテトラヒドロピラニルエーテル
を挙げることができる。一般式V bの3−ヒドロキシ化
合物への還元は、IV a→V aの還元と同様、例えば還元
剤として水素化ホウ素カルシウムにより行う。VII a/VI
I a′→VIII aと同様に7位置におけるアリル酸化の前
に、塩基の存在下で、3−水酸基を一般式R″OC(O)
Cl(R″=直鎖または分枝鎖の、1〜6個の炭素原子を
有するアルキル基)の塩化アルコキシカルボニルにより
エステル化する。一般式IX bの1,2α−エポキシドへの
エポキシド化および7−フェニルヒドラゾンX bの形成
も、VIII a→IX a→X aの変換と同様に行う。
容易に開裂し得る保護基Rxを穏やかな条件下で選択的
に開裂させ、遊離した一般式I b″の20−ヒドロキシメ
チル化合物を酸化することにより、最終的に所望の一般
式I bのアルデヒドが得られる。
酸化剤としては、例えばクロロクロム酸ピリジニウ
ム、重クロム酸ピリジニウムまたはジメチルスルホキシ
ドを使用することができる。
所望により、ヒドロキシメチル化合物I b″またはア
ルデヒドI bのC17側鎖は、通常の方法により同族体化す
ることができる。
下記の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例 (20S)−20−ヒドロキシメチル−1,5−プレグナジエン
−3−オン 水酸化カリウム17.5gおよびブタン−2−オール250ml
から製造したカリウムブタン−2−オラートに、保護気
体中で、(20S)−20ヒドロキシメチル−1,4−プレグナ
ジエン−3−オン10gを無水テトラヒドロラン150mlに溶
解させた溶液を加える。この懸濁液を室温で3時間攪拌
する。その後、この混合物を、−10℃で、塩化アンモニ
ウムおよび二酸化炭素で飽和した水溶液200mlおよび半
濃塩酸8mlからなる溶液に攪拌しながら加えるが、その
際、温度が上昇することがある。pH値を4に調節し、60
分後に吸引分離し、水で中性になるまで洗浄し、乾燥さ
せる。
収量9.9g、融点158〜163.5℃(分解)、メタノールか
ら再結晶化により融点は168〜172℃に増加。
(20S)−20−トシルオキシメチル−1,5−プレグナジエ
ン−3−オン p−トルエンスルホクロリド56gおよび無水ピリジン2
00mlを−10℃で20分間攪拌する。これに(20S)−20−
ヒドロキシメチル−1,5−プレグナジエン−3−オン40g
を加える。0℃で4時間攪拌した後、反応混合物を氷水
2リットル中に滴下し、さらに1時間攪拌する。生成物
を吸引分離し、水洗し、乾燥させる。
収量58g、融点116〜122℃、アセトンから再結晶化に
より融点は125〜128℃に増加。
[α]20 D+37゜(o=1、CHCl3) (20S)−20−トシルオキシメチル−3β−ヒドロキシ
−1,5−プレグナジエン 無水塩化カルシウム53gを無水エタノール1リットル
に溶解させた溶液を、−30℃で攪拌しながら、水素化ホ
ウ素ナトリウム32gを無水エタノール1リットルに溶解
させ、冷却した溶液に滴下する。その様にして得られた
水素化ホウ素カルシウム溶液を、−20℃で攪拌しなが
ら、(20S)−20−トシルオキシメチル−1,5−プレグナ
ジエン−3−オン50gを無水エタノール660mlに分散させ
た懸濁液に加える。3時間後、1リットルのアセトンを
滴下して加えるが、その際温度は0℃に上昇する。30分
間攪拌した後、水2リットルを滴下して加え、さらに30
分間攪拌した後、半濃塩酸100mlを加える。この懸濁液
を冷却し、数時間後、真空中で約1リットル体積に濃縮
する。次いで、水4リットルを加え、再度冷却する。数
時間後、生成物を吸引分離し、水洗し、乾燥させる。
収量51g、融点77〜83℃。精製のためにメタノールか
ら注意深く再結晶化させる。微細な白色の結晶35gが得
られる。融点85〜88℃。
[α]20 D−17゜(c=1、CHCl3) 1,5−コレスタジエン−3β,25ジオール 乾燥した装置中に、アルゴン気圧下で、Mg35mg、無水
THF37mlおよび2−メチル−2−トリメチルシリルオキ
シ−4−クロロブタン3.11gから新たに調製したグリニ
ャール溶液38mlを入れ、0℃に冷却する。次いで、無水
塩化リチウム48mg、無水塩化銅(II)77.6mgおよびTHF
5.6mlから新たに調製したテトラクロロ銅酸二リチウム
溶液2mlを加える。10分後、3β−tert.−ブチル−ジメ
チルシリルオキシ−22−トシルオキシ−23,24−ビスノ
ルコラ−1,5−ジエン810mgをTHF11mlに溶解させた溶液
を2分以内に加え、0℃で2時間攪拌し、次いで室温に
温める。この混合物を一晩放置し、濾過し、飽和NH4Cl
溶液を加えて約240mlに調節し、相分離し、水相をベン
ゼンで抽出し、中性になるまで水洗し、Na2SO4で除湿
し、濾過し、真空回転蒸発装置で濃縮した後、やや黄色
がかった結晶性物質が得られる。残留物にアセトン15ml
を加え、懸濁液を濃い粥状に濃縮する。次いで低温で吸
引分離し、少量の冷アセトンで洗浄し、3β−tert.−
ブチルジメチルシリルオキシ−25−トリメチルシリルオ
キシ−コレスタ−1,5−ジエン(白色、葉状結晶)740mg
を得る。
融点142〜144℃ [α]20 D(c=1、CHCl3)+25.5゜ 保護基を開裂させるためにテトラヒドロフラン中に入
れ、この溶液に室温で希釈した塩酸を加える。2時間
後、水を加え、塩化メチレンで抽出し、中性になるまで
洗浄し、真空回転蒸発装置で濃縮する。残留物をアセト
ンから結晶させることにより、1,5−コレスタジエン−
3β,25−ジオールが白色結晶として得られる。
融点153〜156℃ [α]20 D(c=1、CHCl3)−5゜ 3β−ヒドロキシ−24a,24b−ビスホモ−5−コレン−2
4−酸およびそのメチルエステル 3β−ヒドロキシ−20−ヨードメチル−5−プレグネ
ン800mg(1.81mmol)を、ヨウ化マンガン(II)500mg
(1.62mmol)および式VIないしVI′(L=N,N,N′,N′
−テトラメチルエチレンジアミン)のニッケルキレート
錯体1010mg(4.18mmol)と共にジメチルホルムアミド30
mlに溶解させ、超音波浴中で2時間反応させる。反応の
経過は薄層クロマトグラフィーにより追跡する。仕上げ
処理のために溶剤を真空中で除去し、残留物を水および
希釈した塩酸中に入れ、水相をクロロホルムで数回抽出
する。有機相を水、チオ硫酸塩溶液、および再度水で洗
浄し、硫酸ナトリウムで除湿する。抽出剤を十分に留別
し、残留物をメタノールから再結晶化させる。酸のエス
テル化は、Ind.J.Chem.22B(1983)、505の記載にした
がってメタノールおよびトリメチルクロロシランにより
行う。アセトンから再結晶化後の収量430mg 融点115〜119℃ [α]20 D(c=1、CHCl3)−35゜ 3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−コレスタ−1,5−
ジエン 3β,25−ジヒドロキシコレスタ−1,5−ジエン20gを7
5mlのSulfierkolben中、湿分を排除してピリジン90mlに
溶解させ、−5℃に冷却し、この温度で攪拌しながら、
温度が+5℃を超えない様に無水酢酸90mlを加える。こ
の温度(0〜5℃)で20分間攪拌する。続いて室温に温
める。変換は、室温で約3時間攪拌した後終了する。仕
上げ処理のために混合物を強く振とうしながら1リット
ル氷水に入れる。最終生成物はただちに結晶化し、氷が
融解した後、G3−フリットで吸引分離し、約1リットル
の水で洗浄し、乾燥させる。融点119〜121℃ 3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−コレスタ−1,5−
ジエン−7−オン a)融解した無水クロム酸ナトリウム0.2g(0.76mmol)
をシリカゲル(メルク60、0.2〜0.5mm)0.2gとすりつぶ
しながら密に混合し、3β−アセトキシ−25−ヒドロキ
シコレスタ−1,5−ジエン10g(22.6mmol)をベンゼン80
mlに溶解させた溶液に加える。続いて、約80%のt−ブ
チルヒドロペルオキシド12ml(約96mmol)を加え、50℃
で4〜5時間攪拌する。反応終了後(DCで確認、シリカ
ゲル、メルク、展開液ベンゼン/アセトン9:1)、エー
テル(400ml)で希釈し、濾過し、残留物をカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル メルク60、0.2〜0.5mm、
100g)で精製する。これには、残留物を酢酸エチル50ml
に溶解させ、シリカゲル10gに結合させ、回転蒸発装置
で溶剤を留別する。このシリカゲルをすでに重点下カラ
ム上に載せる。続いてヘキサン/酢酸エチルで、エステ
ルの量を60:40になるまで増加しながら溶離する(ヘキ
サン1.2リットル、酢酸エチル400mlをMolsieb4オングス
トロームにより乾燥)。濃縮後、精製された粗製物9.6g
(94%)が得られ、これはヘキサンで固体であり、それ
以上精製せずに次の工程に使用できる。それ以上の精製
は、加圧下でシリカゲル メルク60(0.063〜0.2mm)の
カラムクロマトグラフィーにより行う(比率60:40まで
のヘキサン/酢酸エチルで溶離)ことができる。収量7.
6g(74%)、(UV(CH3OH)λmax=233nm、ε=1054
1)。分析目的で、試料を繰り返し加圧クロマトグラフ
ィーないしヘキサン/エーテル1:1からの再結晶化によ
り精製した。
融点129〜131℃、[α]20 D−36.8゜ (CHCl3)、−26.9゜(CH3OH)MS、m/e:456(M+)、438
(M+)、438(M+−H2O)、396(M+−CH3COOH)、378(M
+−H2O−CH3COOH) b)ピリジン0.79gを、−30℃で攪拌しながら、三酸化
クロム1gをジクロロメタン20mlに溶解させた溶液に加え
る。10分後、3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−コレ
スタ−1,5−ジエン200mgを加える。この反応混合物を攪
拌しながら室温に温める。反応は3〜4時間で終了す
る。亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液を加え、10%塩酸で
酸性化した後、有機相を分離し、水相をエーテルで2回
抽出する。有機相を中性になるまで洗浄し、Na2SO4で除
湿し、真空中で蒸発させる。粗製物をシリカゲル(メル
ク)のカラムクロマトグラフィーによりガソリン/酢酸
75:25v/vで精製する。
収量185mg 融点136℃(エーテル/ヘキサン) c)三酸化クロム1gを無水ジクロロメタン15mlに溶解さ
せた溶液に、−30℃で攪拌しながら、3,5−ジメチルピ
ラゾール1gを加える。この溶液に3β−アセトキシ−25
−ヒドロキシ−コレスタ−1,5−ジエン170mgを加える。
変換は−20℃で4時間攪拌した後終了する。この反応溶
液に亜硫酸水素ナトリウムの飽和溶液を加え、10%塩酸
を加えて水相をpH5〜6に調節する。有機相を分離し、
中性になるまで洗浄し、乾燥させる。粗製物の粗製は
a)に記載する様にしてカラムクロマトグラフィーによ
り行う。
収量155mg 融点136℃(エーテル/ヘキサン) 3β,25−ジヒドロキシ−コレスタ−1,5−ジエン−7−
オン 500mlの一口フラスコ中で、3β−アセトキシ−25−
ヒドロキシ−コレスタ−1,5−ジエン−7−オン10gをジ
オキサン80mlに溶解させ、メタノール80mlを加える。そ
の後、炭酸カリウム10gを蒸留水40mlに溶解させた溶液
を加え、フラスコを振とうし、続いて水浴上で40℃に温
める。40℃で60分後、薄層クロマトグラフィーにより反
応が完了したかどうかを確認する。仕上げ処理を行うた
めに、反応混合物を回転蒸発装置で結晶化が開始される
まで蒸発させ、次いで水500ml中に注ぎ込む。無定形の
固体生成物を吸引分離し、水で3〜4回洗浄し、オイル
ポンプによる真空中、50℃で乾燥させる。最後にジエチ
ルエーテル50mlから再結晶化させる。結晶性物質を吸引
分離し、少量の冷ジエチルエーテルで洗浄し、オイルポ
ンプによる真空中で乾燥させる。葉状結晶性の生成物7.
7g(84.8%)が得られる。
融点173〜174℃、[α]20 D(c=1、CH3OH)−54゜、
UV(CH3OH):λmax=236nm、ε=11360 3β−tert.−ブチルジメチルシリルオキシ−25−ヒド
ロキシ−コレスタ−1,5−ジエン−7−オン a)100mlの一口フラスコ中で、3β,25−ジヒドロキシ
−コレスタ−1,5−ジオン−7−オン8gをジメチルホル
ムアミド30mlに溶解させ、イミダゾール8gを加える。続
いてt−ブチルジメチルシリルクロリド8gを加える。5
〜10分後、結晶化が始まる。さらに30分間攪拌し、粥状
の結晶液をジエチルエーテル20mlおよび水200mlの混合
物中に溶解させ、分液漏斗中に移す。強く振とうした後
相を分離する。エーテル相を各50mlの水で数回洗浄した
後、硫酸ナトリウムで除湿する。溶剤を真空(回転蒸発
装置)蒸発させる。その際析出する粗製物をクロロホル
ム100mlに溶解させ、シリカゲル20gに結合させ、溶剤を
回転蒸発装置で蒸発させる。吸着した物質を短いカラム
(シリカゲル50g、直径5cm)上に置き、ベンゼン:クロ
ロホルム1:1(1 1)で溶離させる。溶剤を回転蒸発
装置で蒸発させ、結晶性の3β−(t−ブチルジメチル
シリルオキシ)−25−ヒドロキシコレスタ−1,5−ジエ
ン−7−オン9.6gを得る。メタノール/ヘキサンから結
晶化させることによりさらに精製することができる。
融点188〜191℃、[α]20 D(エタノール)−19゜、UV
(CH3OH):λmax=236nm、ε=12400 b)三酸化クロム5.84gを無水ジクロロメタン51.5mlに
分散させた懸濁液に、−30℃で攪拌しながら、3,5ジメ
チルピラゾール5.84gを加える。20分後、この溶液に、
3β−tert.−ブチルジメチルシリルオキシ−25−ヒド
ロキシ−コレスタ−1,5−ジエン1.73gを無水ジクロロメ
タンに溶解させた溶液を−25℃で5分間以内に加える。
温度−20℃〜0℃で1時間後、希釈塩酸(1:1)180mlお
よび亜硫酸水素ナトリウムの飽和溶液540mlを加える。
有機相を分離し、水相を各200mlのジクロロメタンで2
回抽出する。有機相を一つに合わせ、各150mlの半濃塩
酸で5回、各130mlの炭酸ナトリウム飽和溶液で2回、
水で2回洗浄し、除湿し、真空中で濃縮する。残留物を
シリカゲル60(メルク社)40gでベンゼン/酢酸エチル9
5.5v/vおよび90:10v/vでクロマトグラフィーにかける 収量1.22g 融点190〜192℃ 3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−1α,2α−エポキ
シ−コレスト−5−エン−7−オン a)3β−tert.−ブチルジメチルシリルオキシ−1α,
2α−エポキシ−25−ヒドロキシ−コレスト−5−エン
−7−オン 3β−tert.−ブチルジメチルシリルオキシ−25−ヒ
ドロキシ−コレスタ−1,5−ジエン−7−オン530mgを無
水ジクロロメタン30mlに溶解させ、m−クロロ過安息香
酸460mgを加え、40℃に加熱する。4時間後、真空中で
乾燥するまで濃縮し、残留物をエーテルに溶解させ、飽
和NaHCO3溶液で抽出する。有機相を水洗し、除湿し、真
空中で蒸発させる。残留物(502mg)をシリカゲル60
(メルク社)でベンゼン/酢酸エチル90:10v/vによりク
ロマトグラフィーにかける。
収量320mg 融点191〜194℃(CHCl3/ヘキサン) UV:λmax=235nm、ε=11100(CH3OH、c=0.68) b)3β,25−ジヒドロキシ−1α,2α−エポキシ−コ
レスト−5−エン−7−オン 500mlの一口フラスコ中で、3β−tert.−ブチルジメ
チルシリルオキシ−1α,2α−オキシド−25−ヒドロキ
シ−コレスト−5−エン−7−オン5.5gをテトラヒドロ
フラン100mlに溶解させ、氷酢酸100mlならびに強く振と
うしながら水50mlを加える。フラスコに還流冷却器を取
り付け、反応混合物を水浴中、60℃に加熱する。反応は
約3日間で終了(DCで確認)するが、場合により反応時
間を延長してもよい。完全に変換した後、室温に冷却
し、回転蒸発装置で結晶化が始まるまで蒸発させる。続
いて水200mlを加え、沈殿物を吸引分離する(G3フリッ
ト)。蒸留水で中性になるまで洗浄する(指示紙で確
認)。無定形のフィルター残留物をクロロホルムに溶解
させ、溶液を硫酸ナトリウムで除湿する。硫酸ナトリウ
ムを吸引分離した後、クロロホルムを回転蒸発装置で蒸
発させる。その様にして得られた粗製物(3.7g)は、そ
れ以上精製せずに、下記の方法によりアセチル化する
(下記実施例参照)。
c)3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−1α,2α−エ
ポキシ−コレスト−5−エン−7−オン 250ミリリの一口フラスコ中で、3β,25−ジヒドロキ
シ−1α,2α−エポキシ−コレスト−5−エン−7−オ
ン4.3gを新たに残留したピリジン50ml中に溶解させる。
この溶液を+10℃に冷却し、無水酢酸50mlを少量ずつ加
える(フラスコの加熱を避ける)。フラスコを密閉し、
室温で約2時間放置する(DCにより反応の完了を確
認)。仕上げ処理のため、反応混合物を強く攪拌しなが
ら水300ml中に徐々に注ぎ込む。続いてさらに20分間攪
拌する。細かい結晶性沈殿フリット(G3)で濾過する。
フィルター残留物を、ピリジンおよび無水酢酸がなくな
るまで蒸留水で洗浄する(臭気検査)。粗製物(約5g)
を真空乾燥装置中、五酸化リン上で乾燥させる。粗製物
(約90%α−エポキシドおよび10%β−エポキシドから
なる混合物)2.5gをクロロホルム50mlに溶解させシリカ
ゲル(メルク60)6gを加える。クロロホルムを回転蒸発
装置で蒸発させる。得られた吸着物質をカラム(シリカ
ゲルメルク60 100g、直径2cm、長さ100cm)上に置き、
ベンゼン/酢酸エチル7:3で溶離させる(画分の大きさ1
5ml)。純粋なエポキシドを含む画分を一つに合わせ、
回転蒸発装置により40℃で蒸発させ、残留物をオイルポ
ンプで得た真空中、室温で重量が一定になるまで乾燥さ
せる(収量1.7g)。酢酸エチル/ヘキサンから結晶化さ
せることにより、分析上純粋な生成物を得る。
融点118〜120℃、[α]25 D(CH3OH)−26.8゜、UV(CH
3OH):λmax=232nm、ε=11234 3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−1α,2α−エポキ
シ−コレスト−5−エン−7−(4−メチルフェニルス
ルホニル)−ヒドラゾン 3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−1α,2α−エポキ
シ−コレスト−5−エン−7−(4−メチル−フェニル
−スルホニル)−ヒドラゾンの変換 (4−メチル−フェニル−スルホニル)−ヒドラジド
による変換は、還流冷却器を備えた、乾燥した100ml三
口フラスコ中で、嫌気性条件下(弱いアルゴン気流)で
行う。3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−1α,2α−
エポキシ−コレスト−5−エン−7−オン4.8gを無水テ
トラヒドロフラン100mlに溶解させ、(4−メチル−フ
ェニル−スルホニル)−ヒドラジド4gを加える。フラス
コをアルミニウムホイルで光の影響から保護する。続い
て反応混合物を6時間還流加熱し、その後12時間室温で
放置する。反応が完了(DCで確認)したら、さらに(4
−メチル−フェニル−スルホニル)−ヒドラジド1gを加
え、反応混合物をさらに3時間沸騰加熱し、室温に冷却
してから仕上げ処理する。
仕上げ処理には、シリカゲル60(メルク)15gを加
え、溶剤を回転蒸発装置で注意深く蒸発させる。その様
にして得られた吸着物をカラム(シリカゲル150g、直径
3cm、長さ60cm)上に置き、アルミニウムホイルで光り
の影響から保護する。ベンゼン/クロロホルム1:1で溶
離(画分の大きさ15ml)させることにより未変換の原料
(溶離液約0.5リットル)が得られる。続いてベンゼン
/クロロホルム3:7で溶離させることにより、化合物9
(溶離液約1.5リットル)が得られるが、その際、(4
−メチル−フェニル−スルホニル)−ヒドラジドがなお
含まれていることがある。溶離液を回転蒸発装置で注意
深く蒸発させる。収量は、オイルないしオイル状の泡と
してトシルヒドラゾン5.4g(85%)[不純物として(4
−メチル−フェニル−スルホニル)−ヒドラジドを含
む]になる。酢酸エチル/ヘキサンから白色の結晶が得
られる。
融点156〜159℃ 3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−1α,2α−エポキ
シ−コレスタ−5,7−ジエン 250mlの三口フラスコ中で、3β−アセトキシ−25−
ヒドロキシ−1α,2α−エポキシ−コレスト−5−エン
−7−(4−メチル−フェニル−スルホニル)−ヒドラ
ゾン6.4gを採り、無水トルエン(精製し、水素化リチウ
ムまたは水素化リチウム−アルミニウムで留別)100ml
を加えて蒸留する。フラスコにはアルゴン気流を通し、
還流冷却器を備え、アルミニウムホイルで遮光する。こ
のステロイド溶液に水素化リチウム5gを加え、100℃に
加熱する。60分後に変換が終了する。反応混合物を0℃
に冷却し、氷200gおよびメタノール100mlからなる混合
物中に5〜10分間かけて徐々に(ガス発生!)注ぎ込む
(通風!)。フラスコを各50mlのトルエンで数回すす
ぎ、混合物をガス発生が終わるまで攪拌する。分液漏斗
で水相を分離し、有機相を各100mlの蒸留水で中性にな
るまで4〜5回洗浄する。続いて有機相を硫酸ナトリウ
ムで除湿し、回転蒸発装置で30℃で蒸発させる。残留し
たオイル(約4.1g)をクロロホルム20mlに溶解させ、シ
リカゲル60 10gを加え、クロロホルムを回転蒸発装置
で注意深く蒸発させる。得られた吸着物質をカラム(シ
リカゲル60 20g、直径20mm、長さ80cm)の上に置き、
ベンゼン/クロロホルム6:4で溶離させる。薄層クロマ
トグラフィーにより均質である画分を一つに合わせ、回
転蒸発装置で蒸発させる。残留するオイル状ジエンを真
空中でメタノールにより蒸留することにより、固体の泡
状物質に変換し、これをオイルポンプの真空により乾燥
させる(3.2g、収量70%、融点範囲70〜90℃)。この泡
状物質はアルゴン中で密閉し、冷蔵庫中で保存する。
UV(CH3OH):λmax=268nm、1H−NMR(CDCl3):0.64pp
m(s、3H、18−H)、1.06(s、3H、19−H)、0.97
(d、3H、J6.5Hz、21−H)、1.22(s、6H、26−およ
び27−H)、2.10(s、3H、CH3CO)、3.06(d、1H、
J 3Hz、1−H)、3.28(d、1H、J2.5Hz、2−
H)、5.40(m、1H、6−または7−H)、5.75(m、
1H、7−または6−H)。
3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−1β,2β−エポキ
シ−コレスト−5−エン−7−オン 3β−アセトキシ−25−ヒドロキシ−コレスタ−1,5
−ジン−7−オン100mgをトルエン10mlに入れ、これに
m−クロロ過安息香酸320mgを加え、40℃に4時間保持
する。この反応溶液を希釈した炭酸水素ナトリウム溶液
と共に振とうし、有機相を中性になるまで洗浄し、除湿
する。溶剤を蒸発させた後に得られる粗製物(96mg)を
シリカゲルでベンゼン/酢酸エチル75:25v/vによりクロ
マトグラフィーにかける。
収量30mg無定形物質 [α]20 D+12゜(CH3OH) 2β−アセトキシ−1α−ブロモ−3β,25−ジヒドロ
キシ−コレスト−5−エン−7−オン 100mlフラスコ中で、3β−アセトキシ−25−ヒドロ
キシ−コレスタ−1,5−ジエン−7−オン(0.438mmol)
をTHF40mlに溶解させ、3〜4滴の水を加える。この溶
液にN−ブロモアセトアミド(7.6mmol)1.05gを加え、
室温で攪拌する。短い誘導期間の後、オレンジ色が生
じ、反応が経過するにつれて暗赤色に変化する。一般的
に反応は2〜3時間で終了する。氷水300mlを加えるこ
とにより、生成物を沈殿させ、吸引分離し、水洗し、乾
燥させ、ベンゼン/アセトンから再結晶化させる。標題
化合物240mg(0.4mmol)が得られる(91.3%)。
融点183〜186℃ [α]20 D(c=1、CHCl3)=−22.5゜ 3β−アセトキシ−1β,2β−エポキシ−25−ヒドロキ
シ−コレスト−5−エン−7−オン 上記の実施例で製造したブロモヒドリン55mgを、室温
で酢酸ナトリウムで飽和させた無水エタノール18mlに溶
解させる。この溶液を80℃で1時間攪拌し、続いて真空
中で蒸発させる。粗製物を氷水で処理する。固体を吸引
分離し、アセトンから結晶化させる。エポキシドが白色
結晶形で得られる。
融点91〜92℃ 5−クロロ−2−メチル−ペンタン−2−オール ジエチルエーテル450ml中でマグネシウム44g(1.8モ
ル)およびヨウ化メチル112.6ml(1.8モル)から製造し
たヨウ化メチルマグネシウム溶液に、攪拌し、湿分を排
除しながら、−5℃〜+5℃で、4−クロロ酪酸エチル
エステル110ml(0.79モル)をジエチルエーテル80mlに
溶解させた溶液を滴下して加える。1時間後、氷で分解
し、形成された塩を6n塩酸約120mlで溶解させ、溶液のp
H値を7に調節する。有機相を分離し、水相を再度ジエ
チルエーテルと共に振とうし、有機相を一つに合わせ、
水洗し、Na2SO4で除湿し、エーテルを蒸発させる。
分別蒸留(アルゴン中)により5−クロロ−2−メチ
ル−ペンタン−2−オール62.4g(理論値の78%)がK
p18 72〜75℃の淡黄色の液体として得られる。保存はK2
CO3上で行うのが有利である。この化合物を、メチルグ
リニャール溶液による1−クロロ−5−ヘキサノンの変
換により製造する方法はDE3525801に記載されている。
5−クロロ−2−メチル−2−トリメチルシリルオキシ
−ペンタン 5−クロロ−2−メチル−ペンタン−2−オール41g
を無水クロロホルム500mlに溶解させ、イミダゾール27.
3gを加え、弱く冷却し、湿分を排除しながら、トリメチ
ルクロロシラン49.1mlを攪拌しながら滴下して加える。
1時間後、形成されたイミダゾールヒドロクロリドを濾
別し、クロロホルム溶液をNa2SO4およびK2CO3と共に強
く攪拌し、次いで除湿剤を濾別し、水酸化カリウム−ス
プリッターを加え、減圧下でクロロホルムを蒸発させ
る。分別蒸留により5−クロロ−2−メチル−トリメチ
ルシリルオキシ−ペンタン38.5g(61%)がKp18 74〜76
℃の無色の液体として得られる。保存はK2CO3上で行う
のが有利である。
3β,25−ジヒドロキシ−24−ホモ−コレスト−1,5−ジ
エン 湿分を排除し、弱いアルゴン気圧下で、マグネシウム
片2.28gを無水テトラヒドロフラン30mlに浸し、1,2−ジ
ブロモエタン0.27mlを加える。5分後、約60〜70℃で、
5−クロロ−2−メチル−2−トリメチル−シリルオキ
シ−ペンタン12g、1,2−ジブロモエタン1.3mlおよび無
水テトラヒドロフラン100mlの混合物を30分間かけ、攪
拌しながら滴下して加え、続いてこの灰緑色の溶液を約
75℃でさらに2時間攪拌する。冷却後、グリニャール溶
液を安全ピペットでアルゴン中で未変換マグネシウムか
ら抜き取り、Sulfierkolbenに移し、約−10℃に冷却す
る。攪拌し、保護気体としてアルゴン中で、(20S)−2
0−トシルオキシメチル−1,5−プレグナジエン−3β−
オール3gを無水テトラヒドロフラン60mlに溶解させた溶
液を加える。続いてすぐ後に、微粉の無水ヨウ化銅
(I)110mgを加え、0℃でさらに2時間攪拌し、続い
て室温で一晩放置する。次いでこの混合物を飽和塩化ア
ンモニウム溶液500mlに入れ、有機相を分離し、水相を
ベンゼンで抽出する。有機相を一つに合わせ、中性にな
るまで洗浄し、Na2SO4で除湿し、濾過し、真空回転蒸発
装置で濃縮した後、淡黄色のオイルが得られる。保護基
を開裂させるために、80%テトラヒドロフラン100ml中
に溶解させ、P−トルエンスルホン酸1.2gを加える。室
温で1時間放置した後、この混合物を炭酸水素ナトリウ
ム水溶液でpH値7に調節し、クロロホルムを抽出する。
有機相をNa2SO4で除湿し、濾過し、真空中で濃縮する。
無水アセトンで数回蒸留した後、標題の化合物1.95g
(理論値の76%)が無色結晶として得られるが、この結
晶はアセトンから再結晶化した後、162〜164℃で融解す
る。
[α]20 D(c=1、CHCl3)−6゜ 3β−アセトキシ−24−ホモ−コレスト−1,5−ジンエ
ン−25−オール 3β,25−ジヒドロキシ−24−ホモ−コレスト−1,5−
ジエン2.3gを無水ピリジン10mlに溶解させ、−5℃に冷
却し、攪拌しながら無水酢酸4mlを加える。その後、室
温で一晩放置する。仕上げ処理のために混合物を強く振
とうしながら氷水上に注ぐ。その際、3β−アセトキシ
−24−ホモ−コレスト−1,5−ジエン−25−オールが無
色の結晶として沈殿する。
融点103〜104℃ 3,25−ジヒドロキシ−24−ホモ−23,24−ジメチル−コ
レスタ−1,5−ジエン 3β−ヒドロキシ−24−ビスホモ−コラ−1,5−ジエ
ン酸メチルエステル4.0g(9.65mMol)をジエチルエーテ
ル40mlに溶解させ、0℃でエチルマグネシウムブロミド
(40.0mMol)の1.74モルエーテル溶液23mlを加える。反
応混合物を室温に温めながら2時間振とうした後、氷水
を注意深く加える。その後、飽和塩化アンモニウム水溶
液40mlを加える。エーテル相を分離し、水溶液を各50ml
のジクロロメタンで2回抽出する。有機相を一つに合わ
せ、硫酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムで除湿する。
溶剤を蒸発させた後、残留物をエーテル/メタノール
(20:1)から再結晶化させる。
収量3.12g(73%)、白色結晶 融点144〜145℃、[α]20 D(c=1、CHCl3)0゜ その後の、最終的に所望の一般式I aの物質への変換
(7位置における酸化、エポキシ化、ヒドラジド形成、
二重結合の導入)は、上記の合成実施例と同様に行う。
グリニャール化のための原料の製造 1.3β−ヒドロキシ−24−ビスホモ−コラ−1,5−ジエン
酸およびそのメチルエステル 3β−ヒドロキシ−20−ヨードメチル−1,5−プレグ
ナジエン500mg(1.13mMol)をDMF30mlに溶解させ、空気
および湿分を排除し、無水ヨウ化マンガン(II)500mg
(1.62mMol)および一般式VIないしVI′(L=2,2′ジ
ピリジル)のニッケルキレート錯体340mg(1.13mMol)
を加える。30℃で8時間攪拌した後、最初はワインレッ
ド色であったニッケル錯体の懸濁液が透明の緑色に変化
した。ニッケルキレートをさらに185mg(0.61mMol)加
え、さらに8時間後に145mg(0.48mMol)加える。この
時は、反応混合物の赤色は維持される。変色と平行し
て、薄層クロマトグラフィー(DC)により反応の経過を
追跡する。溶剤を真空蒸発させ、残留物を水および希釈
した塩酸に入れ、水相をクロロホルムで数回抽出し、有
機相を水、チオ硫酸塩溶液および再度水で洗浄し、硫酸
ナトリウムで除湿する。抽出剤を完全に蒸発させ、残留
物をメタノールから再結晶化させる。
収量330mg、沸点180〜182℃ その様にして製造したステロイドカルボン酸330mg
(0.82mMol)に、水性メタノール中で、エーテル性ジア
ゾメタンを加える。溶剤を蒸発させ、残留物をメタノー
ルから再結晶化させる。
収量284mg、[α]20 D=−5゜(クロロホルム中) 酸もメチルエステルも、HPLCで単一の化合物出歩こと
が分かる。
3β−ヒドロキシ−24−ビスホモ−コル−5−エン−酸
およびそのメチルエステル 3β−ヒドロキシ−20−ヨードメチル−5−プレグネ
ン800mg(1.81mMol)を、ヨウ化マンガン(II)500mg
(1.62mMol)および一般式VIないしVI′(L=N,N,N′,
N′テトラメチルエチレンジアミン)のニッケルキレー
ト錯体1010mg(4.18mMol)と共に、ジメチルホルムアミ
ド30mlに溶解させ、超音波浴中で2時間反応させる。ス
テロイドカルボン酸への仕上げ処理は1.と同様に行う。
酸のエステル化は、MANDALの指示(Ind.J.Chem.22B
(1983)、505)にしたがい、メタノールおよびトリメ
チルクロロシランにより、再結晶化はアセトンから行
う。
収量430mg、(メチルエステル)融点115〜119℃ 20−tert.−ブチル−ジェニル−シリルオキシ−メチル
−プレグナ−1,5−ジエン−3−オン(2) (20S)−20−ヒドロキシメチル−1,5−プレグナジエ
ン−3−オン8g(24.3mMol)を無水ピリジン200mlに溶
解させ、イミダゾール8g(120mMol)およびtert.−ブチ
ルジフェニルシリルクロリド13g(45mMol)を加え、40
〜80℃で1時間攪拌する。反応終了後(DCで確認、シリ
カゲル メルク、展開液ベンゼン/アセトン9:1)、氷
水中に注ぎ、生じた黄色オイルを分離し、水層を塩化メ
チレンと共に振とうする。この抽出液を分離したオイル
と合わせ、塩化メチレンで希釈し、水洗し、除湿し、真
空蒸発させる。粘性の黄色オイル20gが得られるので、
これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60メル
ク、0.063〜0.2mm、ヘキサン/酢酸エチル80:20までの
比で溶離)により精製する。溶離液の濃縮後、分離が困
難なシリル化剤の残りを含む、無色オイル11.9g(約100
%)が残る。この残留物はそれ以上精製せずに次の工程
に使用する。
IR(CHCl3)γmax(cm-1):1668、1580、1496、1426、1
378。1 H−NMR(200MHz)(CDCl3)δ(ppm):0.74(s、3H、
18−H)、1.10(s、9H、−C(CH3)、1.17およ
び1.18(d、3H、21−H)、1.23(s、3H、19−H)、
2.88および2.96(d、1H1H、H−4eq.)、3.30−3.45
(m、2H、−CH2−O−Si−)、5.43および5.44(d、1
H、6−H)、5.88−5.93および6.92−7.62(dd、それ
ぞれ1H、AB−系1−Hおよび2−H)、7.38−7.78
(m、芳香族H)。
20−tert.−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−3
β−ヒドロキシ−プレグナ−1,5−ジエン(3) 水素化ホウ素ナトリウム6g(150mMol)を無水エタノ
ール250mlに溶解させ、この溶液を−25℃に冷却し、攪
拌しながら30分以内に、無水エタノール250ml中の無水
塩化カルシウム10g(90mMol)を加える。−25℃でさら
に30分間攪拌し、続いてこの混合物を、−25℃に冷却し
た、2の化合物10gを350mlの無水エタノールに溶解させ
た溶液に加える。
この混合物を低温で30分間攪拌し、変換終了後(DCで
確認、シリカゲル メルク、展開液ベンゼン/アセトン
9:1)、アセトン200ml、水350mlで希釈し、6nHClでpH3
に調節する。大量の水で希釈し、塩化メチレンと共に振
とうし、有機相を飽和食塩溶液で洗浄し、除湿し、真空
中で濃縮する。
残留物(11g)をカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル60メルク、0.063〜0.2mm、ヘキサン酢酸エチル60:4
0までの比で溶離)で精製する。結晶性生成物7.9g(77
%)を得る。
融点138〜142℃ 20−tert.−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−3
β−イソブチルオキシカルボニルオキシプレグナ−1,5
−ジエン(4) 3の化合物4.5g(7.5mMol)をピリジン(KOHで除湿)
60mlに溶解し、クロロ炭酸イソブチルエステル1ml(10m
Mol)を加え、40℃に加熱する。変換完了後(約30分
間、DCで確認、シリカゲル メルク、展開液ベンゼン/
アセトン9:1)、この混合物を氷水中に注ぎ、形成され
た沈殿物を吸引分離する。沈殿物を水洗し、塩化メチレ
ンに入れ、数回水洗し、その溶液を除湿し、真空中で濃
縮する。粘性の黄色物質5.1g(97%)が得られるので、
これをメタノールから再結晶化する。
収量4.8g(90%) 98〜101℃ 3β−イソブチルオキシカルボニルオキシ−22−tert.
−ブチル−ジフェニル−シリルオキシ−プレグナ−1,5
−ジエン−7−オン(5) 4の化合物3.2g(4.7mMol)無水ベンゼン25mlに溶解
し、シリカゲル(メルク60、0.2〜0.5mm)0.2gと共にす
りつぶした無水重クロム酸ナトリウム0.2g(0.8mMol)
を加える。tert.−ブチルヒドロペルオキシド(80%)1
2ml(20mMol)を加え、アルゴン中、40〜60℃で6時間
強く攪拌する。変換終了後(DCで確認、シリカゲル メ
ルク、展開液ベンゼン/アセトン20:1)、クロム酸塩錯
体が完全に沈殿するまでエーテルで希釈し、その錯体か
ら分離し、真空中で濃縮する。粘性の褐色残留物(3.5
g)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60メル
ク、0.063〜0.2mm、ヘキサン/酢酸エチル90:10までの
比で溶離)により精製する。
純粋な結晶性の無色の生成物2.6g(82%)が得られる
が、これはメタノールから再結晶化できる。
融点108〜112℃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07J 75/00 C07J 75/00 (72)発明者 アダム,ギュンター ドイツ連邦共和国ハレ、シェレルホフ、 6 (72)発明者 マルカルト,フォルカー ドイツ連邦共和国ハレ、グローセ、シュ タインシュトラーセ、56 (72)発明者 ワルター,ディルク ドイツ連邦共和国イエナ−ロベダ、カス タニエンシュトラーセ、5 (72)発明者 フィッシャー,ライナルト ドイツ連邦共和国イエナ、ゴルムスドル ファー、シュトラーセ、24 (72)発明者 プロウサ,リヒャルト ドイツ連邦共和国イエナ−ロベダ、クル ト−ツィーア−シュトラーセ、13 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07J 71/00 C07J 3/00 C07J 9/00 C07J 31/00 C07J 41/00 C07J 75/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシトリオール(1α,25−ジヒドロキ
    シコレカルシフェロール)、ならびにカルシトリオール
    の側鎖を変形した誘導体を製造するための、一般式I′ [式中、 1,2−エポキシ基はα−またはβ−位置にあり、 R1は、水素原子、それぞれアルキル、アシル、ないしア
    ルコキシ基中に1〜6個の炭素原子を有する、直鎖また
    は分枝鎖のアルキル基、アルキル置換したシリル基、ア
    シル基、アロイル基、アルコキシカルボニル基またはア
    ルコキシアルキル基を、 Aはメチレン基を、 Rは基−(CH2−CH2−CR2R3OH(式中、nは1〜7
    の整数を、R2およびR3は、互いに独立して、それぞれ水
    素原子、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖
    のアルキル基を、あるいはR2およびR3は共通して、側鎖
    の末端位置にある炭素原子と共にシクロプロピル−、−
    ブチル−、−ペンチル−または−ヘキシル環を表す)を
    意味する。] の原料化合物。
  2. 【請求項2】一般式I (式中、R1、AおよびRは請求項1の一般式I′におけ
    る意味を有し、さらにAは直接結合およびRはカルバル
    デヒド基−CHOを意味する。) の原料化合物の製造方法であって、(20S)−20−ヒド
    ロキシメチル−1,4−プレグナジエン−3−オン(式I
    I) を、脂肪族C1〜C5アルコールのアルカリ塩のエーテル性
    溶液で、(20S)−20−ヒドロキシメチル−1,5−プレグ
    ナジエン−3−オン(式III) に異性体化し、次いで、 a)製造すべき一般式Iの化合物中で、Aがメチル基
    を、Rが−(CH2−CH2−CR2R3OH基を意味する場
    合、この式IIIの化合物を、塩基を加え、一般式R4−SO2
    −Cl(R4=フェニル基またはC1〜C4アルキル基)の脂肪
    族または芳香族スルホン酸塩化物で、室温以下で対応す
    る一般式IV a の20−スルホニルオキシメチル化合物に変換し、この化
    合物を複合金属水素化物のアルコール性および/または
    エーテル性溶液で対応する式V a の3β−ヒドロキシ化合物に還元し、次いでこの化合物
    において、場合によりトシレートを対応する臭化物また
    はヨウ化物に変換した後、側鎖を、公知の方法により、
    あるいは有機溶剤または溶剤混合物中、室温〜55℃の反
    応温度で、無水マンガン(II)塩を加えて、一般式VI (式中、 Lは2,2′−ジピリジル基(dipy)またはそのアルキル
    置換生成物またはエチレンジアミンないしそのN−アル
    キル化誘導体を意味する) のニッケルキレート錯体で置き換えるが、その際反応
    を、L=dipyの場合は不均質条件下で、L=エチレンジ
    アミンないしそのN−アルキル化誘導体の場合は均質相
    中で、同時に超音波を作用させて行い、反応生成物を酸
    性で加水分解し、一般式VII a (式中、R2およびR3は上記の意味を有する。)の化合物
    を得るか、あるいはVIで置き換えた場合は、一般式VII
    a′ (酸基が場合により誘導体化されてもよい) の化合物を得ることにより、構築し、続いて一般式VII
    aまたはVII a′の化合物を[一般式VII a′の化合物の
    場合は、それを化合物R23MgHal(R23=R2=R3、Hal=C
    l、Br、I)で二重にグリニヤール化した後]、第二OH
    基を保護した後、一般式VIII a の化合物に酸化し、これを場合により、R1がアルキル置
    換したシリル基を意味しない場合、遊離の3−ヒドロキ
    シ化合物を経由して対応する3−シリルエーテルに変換
    し、これを一般式IX a [式中、R1′はアルキル置換したシリル基を意味する
    (1,2α−エポキシド)。] の化合物に、またはR1がすでにアシル基またはアロイル
    基を意味しない場合、遊離の3−ヒドロキシ化合物を経
    由して対応する3−アシルオキシ化合物に変換し、これ
    を一般式IX a[式中、R1′はアシル基またはアロイル
    基を意味する(1,2β−エポキシド)。]の化合物にエ
    ポキシド化する、あるいは一般式VIII a(式中、R1はア
    シル基またはアロイル基を意味する。)の化合物を陽性
    ハロゲン、特に陽性臭素を含む化合物により一般式XI の化合物に変換し、これを弱塩基により式IX aβ の1,2β−エポキシドに変換し、場合によりIX aで3−
    シリルエーテルを開裂させ、遊離3−ヒドロキシ化合物
    を経由し、場合により対応する3−アシルオキシ化合物
    (R1′=アシルであるIX a)に変換し、トシルヒドラ
    ジンCH3−C6H4−SO2−NH−NH2により一般式X a のトシルヒドラジドに変換し、これを水素化リチウムで
    一般式I a の化合物に変換するか、あるいは b)製造すべき一般式Iの化合物の中でAが直接結合
    を、Rがカルバルデヒド基−CHOを意味する場合、式III
    の化合物に容易に開裂し得る保護基Rxを導入し、対応す
    る(20S)−20−置換−メチル−1,5−プレグナジエン−
    3−オンIV b に変換し、 これを複合金属水素化物により、反応工程IV a→V aと
    同様にして、対応する一般式V b の3−ヒドロキシ化合物に還元し、そこで3−水酸基
    を、塩基の存在下で、一般式R″OC(O)Cl(R″は1
    〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル
    基である)の塩化アルコキシカルボニルでエステル化
    し、続いて得られたエステルを、反応工程VII aないしV
    II a′→VIII aと同様に、アリル位置で対応する一般式
    VIII b の化合物に酸化し、 この化合物を、反応工程VIII a→IX aと同様に、対応す
    る一般式IX b の化合物にエポキシド化し、 この化合物を、反応工程IX a→X aと同様に、トシルヒ
    ドラゾンにより対応する一般式X b のトシルヒドラジドに変換し、これを続いて反応工程X
    a→I aと同様にリチウムヒドラジドにより、一般式I
    b′ の化合物に変換し、保護基Rxを穏やかな条件下で開裂さ
    せ、形成された一般式I b′の20−ヒドロキシメチル化
    合物を最終的に対応する一般式I b の20−アルデヒドに酸化し、続いて所望により3−アル
    コキシカルボニルエステルを通常の方法により他の、上
    記のR1に記載する置換基に変換することを特徴とする方
    法。
  3. 【請求項3】一般式VIII aおよびVIII b (式中、R1、R2、R3およびnないしR″およびRxは、請
    求項2に記載する意味を有する。) の中間体。
  4. 【請求項4】一般式IX aおよびIX b (式中、R1、R2、R3およびnないしR″およびRxは、請
    求項2に記載する意味を有する。) の中間体。
  5. 【請求項5】一般式X aおよびX b (式中、R1、R2、R3およびR″およびRxは、請求項2に
    記載する意味を有する。) の中間体。
JP04504851A 1991-02-19 1992-02-19 カルシトリオールならびにその誘導体を製造するための原料化合物、これらの原料化合物の製造方法ならびにこの方法のための中間体 Expired - Fee Related JP3037427B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4105503.9 1991-02-19
DE4105503A DE4105503A1 (de) 1991-02-19 1991-02-19 Ausgangsverbindungen zur herstellung von calcitriol sowie dessen abkoemmlingen, verfahren zur herstellung dieser ausgangsverbindungen sowie zwischenprodukte fuer dieses verfahren
PCT/DE1992/000128 WO1992014746A1 (de) 1991-02-19 1992-02-19 Ausgangsverbindungen zur herstellung von calcitriol sowie dessen abkömmlingen, verfahren zur herstellung dieser ausgangsverbindungen sowie zwischenprodukte für dieses verfahren

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06508347A JPH06508347A (ja) 1994-09-22
JP3037427B2 true JP3037427B2 (ja) 2000-04-24

Family

ID=6425609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04504851A Expired - Fee Related JP3037427B2 (ja) 1991-02-19 1992-02-19 カルシトリオールならびにその誘導体を製造するための原料化合物、これらの原料化合物の製造方法ならびにこの方法のための中間体

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0572489B1 (ja)
JP (1) JP3037427B2 (ja)
AT (1) ATE142223T1 (ja)
DE (2) DE4105503A1 (ja)
WO (1) WO1992014746A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW267161B (ja) * 1992-11-20 1996-01-01 Hoffmann La Roche
US6924285B2 (en) 2002-03-30 2005-08-02 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co. Bicyclic heterocyclic compounds, pharmaceutical compositions containing these compounds, their use and process for preparing them
GB0317665D0 (en) 2003-07-29 2003-09-03 Astrazeneca Ab Qinazoline derivatives
DK1667992T3 (da) 2003-09-19 2007-04-30 Astrazeneca Ab Quinazolinderivater
US8735410B2 (en) 2005-02-26 2014-05-27 Astrazeneca Ab Quinazoline derivatives as tyrosine kinase inhibitors
EP1921070A1 (de) 2006-11-10 2008-05-14 Boehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG Bicyclische Heterocyclen, diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel, deren Verwendung und Verfahren zu ihrer Herstelllung
MX2009007610A (es) 2007-02-06 2009-07-24 Boehringer Ingelheim Int Heterociclicos biciclicos, medicamentos que contienen estos compuestos, su utilizacion y procedimientos para su preparacion.
WO2009098061A1 (de) 2008-02-07 2009-08-13 Boehringer Ingelheim International Gmbh Spirocyclische heterocyclen, diese verbindungen enthaltende arzneimittel, deren verwendung und verfahren zu ihrer herstellung
NZ589883A (en) 2008-05-13 2012-06-29 Astrazeneca Ab Fumarate salt of 4- (3-chloro-2-fluoroanilino) -7-methoxy-6- { [1- (n-methylcarbamoylmethyl) piperidin- 4-yl] oxy} quinazoline
JP5539351B2 (ja) 2008-08-08 2014-07-02 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング シクロヘキシルオキシ置換ヘテロ環、これらの化合物を含有する医薬、およびそれらを生成するための方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL45897A (en) * 1974-10-22 1978-12-17 Yeda Res & Dev Process for the preparation of 1 hydroxy-provitamin d3
JPS51100056A (en) * 1975-02-28 1976-09-03 Chugai Pharmaceutical Co Ltd 1 arufua 255 jihidorokishikorekarushifuerooruno seiho
US4022768A (en) * 1976-02-12 1977-05-10 Wisconsin Alumni Research Foundation Process for preparation of 1α,25-dihydroxycholecalciferol
DD286361A5 (de) * 1985-07-02 1991-01-24 Veb Jenapharm, Verfahren zur herstellung von 3 beta-substituierten (20s)-20-hydroxymethyl-1,5-pregnadienen und deren derivaten
WO1988007545A1 (en) * 1987-03-30 1988-10-06 Kuraray Co., Ltd. Pregnane derivatives and process for their preparation
DD288608A5 (de) * 1989-10-26 1991-04-04 Veb Jenapharm,De Verfahren zur herstellung von 3 beta-adamantoyloxy-25-hydroxy-cholesta-1,5-dien-7-on

Also Published As

Publication number Publication date
ATE142223T1 (de) 1996-09-15
EP0572489B1 (de) 1996-09-04
JPH06508347A (ja) 1994-09-22
DE4105503A1 (de) 1992-08-20
EP0572489A1 (de) 1993-12-08
WO1992014746A1 (de) 1992-09-03
DE59207057D1 (de) 1996-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100690040B1 (ko) 치료용 c17-알킬 측쇄 및 방향족 a-고리를 갖는스테로이드 화합물
JPH0559918B2 (ja)
US8383809B2 (en) Process for the preparation of drospirenone
WO2012083090A2 (en) Methods and compounds for preparing 3alpha-oxygen substituted steroids
JP3037427B2 (ja) カルシトリオールならびにその誘導体を製造するための原料化合物、これらの原料化合物の製造方法ならびにこの方法のための中間体
JP2008521875A (ja) 17−ヒドロキシ−6β,7β;15β,16β−ビスメチレン−3−オキソ−17α−プレグネ−4−エン−21−カルボン酸γ−ラクトンの工業的製造方法およびこの方法のための重要中間体
US4310467A (en) Process and intermediates for the synthesis of vitamin D3 metabolites
US4587235A (en) Novel androstane derivatives, process for their production, and pharmaceutical preparations containing them
FR2569408A1 (fr) Nouveaux steroides substitues en position 10 par un radical comportant une double ou triple liaison, leur procede de preparation, leur application comme medicaments, les compositions pharmaceutiques les renfermant
US4226770A (en) Synthesis of steroids
JPH0635475B2 (ja) 1α,3β,25−トリヒドロキシ−24−ホモコレスタ−5,22−ジエン化合物
Faraj et al. Synthesis of new steroidal 11β-substituted spirolactones
JPS591280B2 (ja) ステロイダル〔16α、17−d〕シクロヘキセン類
US4145346A (en) Preparation of 3β-hydroxy-27-norcholest-5-ene-25-one and intermediates thereof
GB1594371A (en) Corticoids
DE4218743C2 (de) Verfahren zur Herstellung C(7)-substituierter Estra-1,3,5(10)-triene sowie neue Ausgangsprodukte für dieses Verfahren
US4105660A (en) Preparation of 3β-hydroxy-27-norcholest-5,7-dien-25-one
US4163744A (en) Synthesis of steroids
JPS581000A (ja) 4α,5α−エポキシ−3,20−ジオキソプレグナン−2α,16α−ジカルボニトリル,その製造法およびそれを含む製薬学的組成物
US4488995A (en) Androstene-17β-alkylthiomethyl ethers
DK159273B (da) 26-homocholesta-5,7-dienforbindelser, der kan anvendes som mellemprodukter til brug ved fremstillingen af 26-homovitamin d3 derivater
EP0071178B1 (en) Acyloxysteroids and process for producing same
JP2750170B2 (ja) ステロイド誘導体の製造法
JPH06256302A (ja) 1−低級アルキルビタミンd誘導体
EP0053845A1 (en) 17-Beta-ethynylsteroids and process for preparing same

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080225

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090225

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees