JP3037376U - 小口径埋設管推進工法において使用する埋設管内チューブ - Google Patents

小口径埋設管推進工法において使用する埋設管内チューブ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラなどを使用することなくスクリューの
羽による内面の損傷を防止でき、また、異なる種類の埋
設管においても使用できる埋設管内チューブを提供す
る。 【解決手段】 プラスチック樹脂によって比較的短尺な
円筒状のチューブ本体21が構成されている。そして、
このチューブ本体21には、その一方(図中右側)の端
縁22から軸線方向に切欠いた被係合部23,24が設
けられ、また、他方(図中左側)の端縁25から突出す
る係合部26,27が設けられている。同種のチューブ
本体21a,21b,21cの各被係合部23,24に
各係合部26,27を係合させ、そのとき各係止溝32
〜35に係止リング36a,36bを係入する。これら
のチューブ本体21a,21b,21cを連結して埋設
管14に応じた長さLの一体的なチューブ37を構成す
ることができるのである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、小口径埋設管推進工法において埋設管の内部に挿入して使用する樹 脂製チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、小口径の埋設管を推進する工事方法には、圧入による方法と、掘削 推進による方法があった。前者は掘削することなく強制的に埋設管を圧入するも のであって、作業は単純であるが埋設管が圧入に耐え得る場合に限られていた。 後者は、埋設管の内部にスクリューコンベアを設置し、埋設管先端で掘削した土 砂を埋設管内部を通過させて排土していた。
【0003】 そこで、埋設管の内部に設置されたスクリューコンベアは、埋設管の先端で掘 削された土砂を後方へ送るために、常に埋設管と相対して回転させなければなら ず、スクリューの羽が埋設管の内面に細かな損傷を与えることがあった。これを 回避するためのものに実開平5−5721号公報に示す技術があった。これは、 スクリューの羽にローラを取り付け、スクリューの羽が埋設管に直接的に当接せ ず、ローラがスクリューの回転方向に転動できることによって埋設管内面との摩 擦を低下させるものであった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術では、小口径の埋設管において使用するスクリュー コンベアに採用する場合、スクリューコンベアが埋設管に合わせて小型であるた め、スクリューの羽にローラを設ける作業が細かくなり、製造コストが割高にな っていた。また、製造を容易にすべくローラを大型にするときは、スクリューコ ンベア全体の重量が大きくなり、埋設管との摩擦抵抗も大きくなってしまう不具 合があった。
【0005】 さらに、埋設管を推進する工事のときは、当該埋設管をスクリューコンベアの 一部として、即ち、スクリューを包囲するケーシングとして使用しており、内径 が異なる埋設管を推進させる場合は、スクリューがコンベアとして機能するよう に、その埋設管に合わせたスクリューを使用しなければならず、多種の径の埋設 管を推進させるためには、径の種類に対応した多種のスクリューが必要であった 。
【0006】 本考案は、上記諸点にかんがみ、ローラなどを使用することなくスクリューの 羽による内面の損傷を防止でき、また、異なる種類の埋設管においても使用でき る埋設管内チューブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、推進すべき埋設管よりも短い比較的短尺な樹脂製の円筒体を構成し 、この円筒体の両端に連結手段を設けてなるものであって、推進される埋設管の 長さに合わせて複数の上記円筒体を連結して使用することを特徴とする小口径埋 設管推進工法において使用する埋設管内チューブを要旨とする。
【0008】 また、本考案は、推進すべき埋設管よりも短い比較的短尺な樹脂製の円筒体を 構成し、この円筒体の両端に連結手段を設けるとともに、該円筒体表面の適宜箇 所にスペーサを着脱自在に設けてなるものであって、推進される埋設管の長さに 合わせて複数の上記円筒体を連結するとともに、スペーサによって埋設管内部ほ ぼ中央に配置して使用することを特徴とする小口径埋設管推進工法において使用 する埋設管内チューブをも要旨とするものである。
【0009】 そして、前記連結手段が、一端縁から軸線方向に部分的に切欠いてなる被係合 部と、他端縁から軸線方向に部分的に突出してなる係合部と、この係合部と上記 被係合部とを同時に包囲しつつ、係合部と被係合部との係合を維持する係止リン グとからなる連結手段であることが好ましい。また、前記係合部が、外表面の周 方向に係止溝を設けてなる係合部であり、前記円筒体のうちの被係合部を除く残 余の本体外表面に同様の係止溝が設けられ、被係合部に係合部を係合するとき上 記係止溝が円環状を構成するようにしてなるのが好ましい。さらに、前記連結手 段が、一端に刻設された雄ねじ部と、他端に刻設された該雄ねじ部に螺合する雌 ねじ部とからなる連結手段であってもよい。
【0010】 また、前記円筒体が、長さを異ならせた数種類の円筒体であって、組み合わせ により推進すべき各種の埋設管の長さと同一にできることが好ましい。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。本考案は、小口径埋設 管推進工法における埋設管の内部に挿入して使用する埋設管内チューブに関する ものであるため、まず、小口径埋設管の推進装置と埋設管の推進工法の概要を説 明する。図1に示すように、小口径埋設管推進装置1には、基台2と、この基台 2上で平行なレール3,4とが設けられており、さらに、このレール3,4上を 進退するスライド部5,6と、この両スライド部5,6に支持される推進部7と が設けられている。推進部7は油圧モータ8を有しており、この油圧モータ8に よる回転力は、推進部7のほぼ中央に内蔵されている図示せぬ駆動軸に伝達され るようになっている。また、スライド部5,6には油圧シリンダ9,10が内蔵 され、推進部7とともにレール3,4上を進退できるようになっている。リード 管11は、その後端が推進部7の駆動軸に接続できるようになっており、この接 続によって上記油圧モータ8の回転力が伝達されるとともに、推進部7が前進す ることによって推進力を付与されるようになっている。さらに、このリード管1 1の先端には方向修正機能を備えた先導管12が接続でき、また、このリード管 11の後方で推進部7との間に掘削用スクリュー13を連続できるようになって いる。リード管11に掘削用スクリュー13を連続させたとき、その後端もリー ド管11の場合と同様に推進部7の駆動軸に接続でき、駆動力が伝達されるとと もに、推進部7の前進によって推進されるようになっている。そして、上記推進 部7には、駆動軸と同心の円環状の埋設管当接部15が該推進部7の推進方向側 に突出して支持されており、この当接部15に埋設管14の後端を当接させるこ とにより、埋設管14を配置すべき装置内の位置が決定されるようになっている 。即ち、この当接部15に後端が当接された埋設管14は、同心の駆動軸に接続 される掘削用スクリュー13を包囲するように配置されることとなるのである。 さらに、推進装置1の基台2には案内部材19が設けられており、埋設管14の 前端付近を支持するとともに、埋設管14の軸線を推進方向に沿って案内できる ようになっている。これにより、推進部7の前進によって所望の方向に埋設管1 4を推進させることができるのである。また、推進部7の後方にはトランシット 16が設置されており、かつ、リード管11及び推進部7の駆動軸が中空に構成 され、先導管12の内部に設けられる発光体の光が、上記の中空内部を通ってト ランシット16まで到達し、この発光体の状態を確認できるようになっている。 そして、この発光体の状態に応じて先導管12の推進方向を知ることができるの である。
【0012】 一方、上記の推進装置1を使用する小口径埋設管推進工法は、まず、図2(a )に示すように、発進立坑17内に推進装置1を設置し、この推進装置1によっ て先導管12及びそれに連続させたリード管11を到達立坑18まで推進させる 。このときの推進は推進部7の進退によって行われ、一本のリード管11を推進 させてから後退させ、次のリード管11を次ぎ足して再び推進させるように行う 。この先導管12とリード管11とを推進させるとき、推進部7の後方(図中右 側)のトランシット16によって、先導管12内の発光体の光を確認して、予定 する方向に従っているか否かを判断しつつ推進を継続する。なお、予定する方向 と異なる場合は、先導管12の方向修正ヘッド(斜状面を有するヘッド)による 方向修正操作(斜状面の向きを変更)することによって方向を修正する。そして 、図2(b)に示すように、リード管11を到達立坑18まで推進させた後、先 導管12を除去しつつ、推進装置1にはスクリュー13及びこれを包囲するよう に埋設管14を設置し、リード管11の最後部にスクリュー13を接続して、ス クリュー13及び埋設管14を同時に推進させる。続いて、1本のスクリュー1 3及び埋設管14を推進した後、図2(c)に示すように、推進装置1の推進部 7を後退させ、次のスクリュー13及び埋設管14を継ぎ足して再び推進させる 。上記のような推進の際には、リード管11に案内されて推進するので、推進方 向を修正する必要はなく、先導管12は必要ではない。また、推進方向を案内す るリード管11は、到達立坑18に到達したときに当該到達立坑18内で除去さ れ、引き続き推進の進行によって到達立坑18に達するリード管11も、順次、 到達立坑18において除去する。このようにして、発進立坑17から到達立坑1 8までの間にスクリュー13及び埋設管14を推進させた後、スクリュー13だ けを推進部7によって引き寄せて、埋設管14の内部を中空にすることによって 、発進立坑17から到達立坑18までの配管を完了するのである。
【0013】 以上に埋設管推進装置1と埋設管14の推進工法を説明した。次に、埋設管内 チューブの実施形態について説明する。本実施形態は、図3に示すように、プラ スチック樹脂によって比較的短尺な円筒状のチューブ本体21が構成されている 。そして、このチューブ本体21には、その一方(図中右側)の端縁22から軸 線方向に切欠いた被係合部23,24が設けられ、また、他方(図中左側)の端 縁25から突出する係合部26,27が設けられており、この被係合部23,2 4に係合部26,27が係合できるような形状にそれぞれ構成されている。また 、被係合部23,24は、円形の端縁22のうちの4分の1を二箇所に対向して 設けられていることから、残余の本体部分28,29は、相対的に突出すること となり上記の係合部26,27と同様の機能を備えることとなる。一方、係合部 26,27にあっても、円形の端縁24のうちの4分の1を二箇所から対向する ように突設されているので、その他が凹状を形成する部分30,31となってお り、その凹状部分30,31は相対的に切欠かれた外観を有し、被係合部23, 24と同様の機能を備えることとなるのである。
【0014】 従って、図4に示すように、第1のチューブ本体21aと第2のチューブ本体 21bとを連結させるためには、第1の被係合部23a(24a)に第2の係合 部26b,27bを係合させることとなる。このとき、第1の本体部分28a, 29aと第2の凹状部分30b,31bも同時に係合することとなり、結果的に 双方のチューブ本体21a,21bの表面は連続し、一体的な円筒状を形成させ ることができるのである。また、第1の被係合部23a(24a)を除く残余の 本体部分28a,29aと、第2の係合部分26b,27bの表面には、それぞ れ係止溝32a,33a,34b,35bが周方向に設けられており、第1の被 係合部23a(24a)と第2の係合部26b,27bが係合するとき、上記係 止溝32a,33a,34b,35bによって円筒状のチューブ本体21a,2 1bを一周する円環状が構成される。さらに、この円環状の係止溝32a,33 a,34b,35bに係入できる係止リング36aが設けられており、この係止 リング36aによる係止によって両チューブ本体21a,21bが十分に連結さ れるのである。
【0015】 このように、同種のチューブ本体21a,21b,21cの各被係合部23, 24に各係合部26,27を係合させ、そのとき各係止溝32,33,34,3 5によって構成される円環状の係止溝32,33,34,35のそれぞれに係止 リング36a,36bを係入することによって、この係止リング36a,36b が、各チューブ本体21a,21b,21cの端部を係止することとなり、軸線 方向に離脱できなくなるのである。そして、図5に示すように、それぞれのチュ ーブ本体21a,21b,21cを所定の長さに調整しておき、これらを所定の 数(図は3本)だけ連結することにより、前記のように推進される埋設管14( 図2)に応じた長さLの一体的なチューブ37を構成することができるのである 。なお、チューブ本体21の外径は推進すべき埋設管14の内径よりもやや小さ く構成されていて、埋設管14内への挿入が可能になっている。従って、前記の 小口径埋設管推進工法において、埋設管14を推進装置1に設置する際(図2) 、埋設管14の内部に挿入しておくことによって、図6に示すように、僅かな間 隙を有して遊嵌されつつ埋設管14の内面を保護することとなる。
【0016】 上記のような構成から、使用する場合には、予め埋設管14と同じ長さになる ように複数のチューブ本体21を連結するとともに、埋設管14の内部に挿入し ておき、さらにこのチューブ本体21の内側にスクリュー13を挿入しておく。 このときチューブ本体21の向きは、どちらを向けても同じ形状となるため気に することはない。そして、推進装置1に埋設管14を設置するとき、このチュー ブ本体21も埋設管14と同時に設置する。さらに、順次埋設管14を継ぎ足す ときには、チューブ本体21の後端に継ぎ足すべきチューブ本体21の前端を嵌 合させて、さらに係止リング36によって係止して連結する。このようにして、 埋設管14を推進すべき全範囲においてチューブ本体21を挿入することができ るのである。従って、このような埋設管14内において回転するスクリュー13 の羽が、埋設管14の内面を損傷することを防止できるのである。
【0017】 次に、第二の実施形態について説明する。本実施形態は、図7に示すように、 チューブ本体121の一方(図中右側)の端部122には、内部表面に雌ねじ1 41が、他方(図中左側)の端部125には、外部表面に雄ねじ142が、それ ぞれ刻設されているものである。従って、図8に示すように、複数のチューブ本 体121a,121b,121c,121dを連結して一体的なチューブ137 を構成するとき、各チューブ本体121a,121b,121c,121dの雌 ねじ141に雄ねじ142を螺合させればよいのである。
【0018】 次に、第三の実施形態を説明する。本実施形態は、図9に示すように、前記チ ューブ本体21と同形状のチューブ本体221の表面の適宜箇所に、スペーサ2 51a,251b・・・を設けたものである。この各スペーサ251a,251 b・・・のほぼ中央には凹部252a,252b・・・が設けられており、この 凹部252a,252b・・・内においてボルト253a,253b・・・を締 めつけることができるようになっていて、このボルト253a,253b・・・ がスペーサ251a,251b・・・を貫通しつつチューブ本体221に到達し て、スペーサ251a,251b・・・をチューブ本体221に固定している。 このようなスペーサ251a,251b・・・を有するチューブ本体221は、 大径の埋設管14との間に大きな間隙を生じる場合に使用できるものである。即 ち、図10示すように、チューブ本体221が埋設管214のほぼ中心に配置で きるように、チューブ本体221の外周上の複数の箇所(図は3箇所)にスペー サ251a,251b,251cが設けられているのであり、埋設管214の内 面からチューブ本体221の表面までの間隙がほぼ一定に保たれている。このチ ューブ本体221は、当然に複数を連結して埋設管214と同じ長さに構成され 、その中にスクリュー13(図1)が挿入されるのである。この場合にあっても 、スクリュー13は連結したチューブ本体221の内部において回転することと なり、直接にスクリュー13の羽が埋設管214に当接しないので、埋設管21 4の内面を損傷することはない。
【0019】 このような構成から、本実施形態は、第一の実施形態であるチューブ本体21 (図3)の外側表面にスペーサ装着用のナット穴を設けることによって、同一の チューブ本体21を流用することができる。従って、第一実施形態のチューブ本 体21とは異なるチューブ本体221を個別に製造する必要がなくなるとともに 、チューブ本体21の内部に挿入して使用するスクリュー13の種類も単一にす ることができ、少ない部品によって多種の埋設管に対応できることとなる。また 、スペーサ251a,251b,251cはボルト253a,253b,253 cによってチューブ本体221との着脱が自在であるので、異なるスペーサを装 着できることは言うまでもなく、このスペーサの種類によって多種の埋設管を推 進できることもまた当然である。
【0020】 なお、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々なる実施の態様を取り得ることは 無論である。例えば、第一の実施形態における被係合部23,24及び係合部2 6,27は、単純な形状に設けたもののみを図示したが、その形状は異なるもの であってもよく、係止リング36は、完全な円環形でなく一部を切断したものを 図示したが、完全な円環形であることは問題ではなく、ただし、完全な円環形の 場合には、係止溝32〜35に係入する際の手順がやや複雑になるであろう。ま た、上記の実施形態は、チューブ本体21,221は同形状のものを連結するよ うに構成したが、これらの各チューブ本体21,221の長さが異なるものを用 意することによって、推進すべき埋設管14,214の長さが異なる場合にも調 整することができることとなる。また、第三の実施形態に示すスペーサ251a ,251b,251cは、連結するチューブ本体221の全部に設ける必要はな く、埋設管214に挿入するとき両端付近に位置するチューブ本体221に設け ることで十分である。
【0021】 さらに、被係合部23,24、係合部26,27、又は、雌ねじ141、雄ね じ142は、それぞれのチューブ本体21,121,221を連続するためであ る他に、埋設管14に合致する長さLに構成した一体的なチューブ37,137 (図5,図8参照)を、埋設管推進工事における埋設管14の継ぎ足し(図2) と同時に継ぎ足すことができるものである。従って、チューブ37,137が単 一のチューブ本体21,121,221で構成され、その両端に被係合部23, 24及び係合部26,27や、雌ねじ141及び雄ねじ142を備えたものによ って、埋設管推進工事において同様に使用することも可能である。
【0022】
【考案の効果】
以上のように、本考案は、推進すべき埋設管よりも短い比較的短尺な樹脂製の 円筒体を構成し、この円筒体の両端に連結手段を設けてなるものであって、推進 される埋設管の長さに合わせて複数の上記円筒体を連結して使用することを特徴 とする小口径埋設管推進工法において使用する埋設管内チューブを要旨とするの で、埋設管の長さに合致するように同種の円筒体を連結して埋設管内チューブを 構成させることができ、このような埋設管内チューブを埋設管の推進後に取り除 くことによって、埋設された管の内面には、掘削推進の際に使用されるスクリュ ーによる損傷が残ることはない。また、円筒体は樹脂製であることから、第一に 、軽量となるので推進工事の際に埋設管に負荷を与えることはなく、第二に、容 易かつ安価に製造することができる。しかも、何らかの原因で埋設管の推進経路 が湾曲する場合、推進管(塩ビ管)が僅かに湾曲することがあるが、本考案のよ うな樹脂製の円筒管では柔軟性を有するので、上記埋設管に合わせた変形も十分 に可能である。さらに、1本の埋設管に対して複数の円筒体によってチューブが 構成されることから、仮に、一部の円筒体のが破損した場合であっても当該一部 の円筒体のみを交換すればよく、チューブ全体を交換することに比較すれば非常 に経済的である。
【0023】 また、本考案は、推進すべき埋設管よりも短い比較的短尺な樹脂製の円筒体を 構成し、この円筒体の両端に連結手段を設けるとともに、該円筒体表面の適宜箇 所にスペーサを着脱自在に設けてなるものであって、推進される埋設管の長さに 合わせて複数の上記円筒体を連結するとともに、スペーサによって埋設管内部ほ ぼ中央に配置して使用することを特徴とする小口径埋設管推進工法において使用 する埋設管内チューブをも要旨とするものであるので、円筒管にスペーサを装着 するか否かによって異なる径の埋設管内にチューブを挿入することができ、その 際のチューブと埋設管との間隙を調整することができることから、少ない部品を 流用して埋設管の推進工事を行うことができる。また、スペーサは着脱が自在で あるので、埋設管との間のスペースを異ならせる多種のスペーサを用意しておく ことによって、径の異なる多種の埋設管に同一のチューブを使用することができ る。その結果、チューブ内に挿入して使用するスクリューも同一のものを使用す ることができ、工事に使用する部品数を減少できるので経済的である。
【0024】 そして、前記連結手段が、一端縁から軸線方向に部分的に切欠いてなる被係合 部と、他端縁から軸線方向に部分的に突出してなる係合部と、この係合部と上記 被係合部とを同時に包囲しつつ、係合部と被係合部との係合を維持する係止リン グとからなる連結手段であれば、円筒体と円筒体との連結が係合によって可能と なり作業が容易となるばかりでなく、係止リングによって係合部と被係合部との 係合状態を維持できるので作業能率は向上する。また、部分的に切欠いて設けら れた被係合部に部分的に突出する被係合部を係合するので、両者間において周方 向への自由はなく、一体的な連結状態を得ることができる。なお、埋設管内チュ ーブはスクリューの羽との接触の他に荷重が作用するものではないので、係止リ ングによる連結で必要かつ十分である。
【0025】 また、前記係合部が、外表面の周方向に係止溝を設けてなる係合部であり、前 記円筒体のうちの被係合部を除く残余の本体外表面に同様の係止溝が設けられ、 被係合部に係合部を係合するとき上記係止溝が円環状を構成するようにすれば、 それぞれの連結箇所における、チューブの軸線方向の離脱を抑制できることとな るうえに、係止リングを装着することが簡単となり、しかも、この係止リングが 係止溝に係入できるか否かによって、係合部と被係合部との係合状態が正常か否 かを簡易に判断できることとなる。
【0026】 さらに、前記連結手段が、一端に刻設された雄ねじ部と、他端に刻設された該 雄ねじ部に螺合する雌ねじ部とからなる連結手段であれば、連結すべき一方の円 筒体の雌ねじと他方の円筒体の雄ねじを螺合させることのみによって、容易に両 者を連結させることができる。このとき、それぞれの連結箇所においては、周方 向に対して自由ではなく、かつ、軸線方向の離脱を抑制できるものである。
【0027】 また、前記円筒体が、長さの異ならせた数種類の円筒体であって、組み合わせ により推進すべき各種の埋設管の長さと同一にできることによって、径の異なる 埋設管のみならず長さの異なる埋設管においても転用でき得ることとなる。 一方、推進すべき埋設管と同じ長さに構成された樹脂製の円筒体と、この円筒 体の一端縁から軸線方向に部分的に切欠いてなる被係合部と、他端縁から軸線方 向に部分的に突出してなる係合部と、この係合部と上記被係合部とを同時に包囲 しつつ、係合部と被係合部との係合を維持する係止リングとからなる埋設管内チ ューブを構成することによって、前記のような複数の円筒体によって埋設管内チ ューブを設けることと異なり、単一の円筒体によって埋設管内チューブとするこ とができ、その両端は樹脂製の前記円筒体の両端と同様に被係合部と係合部が設 けられているので、埋設管推進工事において埋設管の継ぎ足し時に合わせて埋設 管内チューブの接続ができることとなる。従って、このような接続時の前記効果 、及び、その他の樹脂製円筒体としての効果を有することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】小口径埋設管推進装置の概略を示す斜視図であ
る。
【図2】小口径埋設管の推進工法を示す説明図である。
【図3】第一の実施形態の正面図である。
【図4】第一の実施形態の連結状態を示す説明図であ
る。
【図5】第一の実施形態によってチューブを構成させた
状態の斜視図である。
【図6】第二の実施形態の正面図である。
【図7】第二の実施形態によってチューブを構成させた
状態の正面図である。
【図8】第二の実施形態の埋設管内部の状態を示す説明
図である。
【図9】第三の実施形態の正面図である。
【図10】第三の実施形態の埋設管内部の状態を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 小口径埋設管推進装置 13 スクリュー 14,114 埋設管 17 発進立坑 18 到達立坑 21,121,221 チューブ本体 22,122 一方端縁 23,24 被係合部 25,125 他方端縁 26,27 係合部 28,29 残余の本体部分 30,31 凹状部分 32,33,34,35 係止溝 36 係止リング 37,137 チューブ 141 雌ねじ 142 雄ねじ 251 スペーサ 253 ボルト L チューブ全長

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 推進すべき埋設管よりも短い比較的短尺
    な樹脂製の円筒体を構成し、この円筒体の両端に連結手
    段を設けてなるものであって、推進される埋設管の長さ
    に合わせて複数の上記円筒体を連結して使用することを
    特徴とする小口径埋設管推進工法において使用する埋設
    管内チューブ。
  2. 【請求項2】 推進すべき埋設管よりも短い比較的短尺
    な樹脂製の円筒体を構成し、この円筒体の両端に連結手
    段を設けるとともに、該円筒体表面の適宜箇所にスペー
    サを着脱自在に設けてなるものであって、推進される埋
    設管の長さに合わせて複数の上記円筒体を連結するとと
    もに、スペーサによって埋設管内部ほぼ中央に配置して
    使用することを特徴とする小口径埋設管推進工法におい
    て使用する埋設管内チューブ。
  3. 【請求項3】 前記連結手段が、一端縁から軸線方向に
    部分的に切欠いてなる被係合部と、他端縁から軸線方向
    に部分的に突出してなる係合部と、この係合部と上記被
    係合部とを同時に包囲しつつ、係合部と被係合部との係
    合を維持する係止リングとからなる連結手段である請求
    項1又は2記載の小口径埋設管推進工法において使用す
    る埋設管内チューブ。
  4. 【請求項4】 前記係合部が、外表面の周方向に係止溝
    を設けてなる係合部であり、前記円筒体のうちの被係合
    部を除く残余の本体外表面に同様の係止溝が設けられ、
    被係合部に係合部を係合するとき上記係止溝が円環状を
    構成するようにしてなる請求項3記載の小口径埋設管推
    進工法において使用する埋設管内チューブ。
  5. 【請求項5】 前記連結手段が、一端に刻設された雄ね
    じ部と、他端に刻設された該雄ねじ部に螺合する雌ねじ
    部とからなる連結手段である請求項1又は2記載の小口
    径埋設管推進工法において使用する埋設管内チューブ。
  6. 【請求項6】 前記円筒体が、長さを異ならせた数種類
    の円筒体であって、組み合わせにより推進すべき各種の
    埋設管の長さと同一にできる請求項1ないし5のいずれ
    かに記載の小口径埋設管推進工法において使用する埋設
    管内チューブ。
  7. 【請求項7】 推進すべき埋設管と同じ長さに構成され
    た樹脂製の円筒体と、この円筒体の一端縁から軸線方向
    に部分的に切欠いてなる被係合部と、他端縁から軸線方
    向に部分的に突出してなる係合部と、この係合部と上記
    被係合部とを同時に包囲しつつ、係合部と被係合部との
    係合を維持する係止リングとからなることを特徴とする
    小口径埋設管推進工法において使用する埋設管内チュー
    ブ。
  8. 【請求項8】 前記係合部が、外表面の周方向に係止溝
    を設けてなる係合部であり、前記円筒体のうちの被係合
    部を除く残余の本体外表面に同様の係止溝が設けられ、
    被係合部に係合部を係合するとき上記係止溝が円環状を
    構成するようにしてなる請求項7記載の小口径埋設管推
    進工法において使用する埋設管内チューブ。
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