JP3036601B2 - 冷却方法及び冷却装置 - Google Patents

冷却方法及び冷却装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、水などの揮発性液体の蒸発潜熱を利用し
て、物体を効率よく冷却する方法及びそれに使用する装
置に関するものであり、例えば冷凍機の凝縮器、化学プ
ラントや自動車その他産業機器の放熱器や冷却器などに
広く利用することができる。
従来の技術 従来、汎用されている冷却方法としては、大気との熱
交換を利用して冷却する空冷法と、水との熱交換を利用
して冷却する水冷法とがある。このうち、空冷法は装置
の構造を比較的簡単にすることができ、水の利用が困難
な場所でも実施できるという利点があり、家庭用冷凍機
や冷蔵庫、自動車用空調機等の外気放熱式凝縮器などに
主として利用されている。しかしながら、空冷法は、空
気側の境膜伝熱係数が小さいため、有効な冷却速度を確
保するには、空気側の伝熱面積や通過風量を大きくしな
ければならないため、設備の大型化や高性能送風装置の
使用が必要になり、騒音公害の一因にもなるし、また夏
期の外気温の高いときには冷却性能が低下するという欠
点がある。また、水冷法は、空冷法よりも境膜伝熱係数
が大きいため、はるかに冷却効率がよく、装置も小型に
することができるが、大量の水を必要とするため、事業
用や産業用等の利用可能な範囲、分野、場所が制限され
るのを免れない。
このような水冷法の欠点を改良したものとして、空気
中にさらされた冷却器又は凝縮器の放熱面の表面に、水
を噴霧法や滴下法等で薄膜状に供給し、水が空気中に蒸
発するときの蒸発潜熱を利用する冷却法も提案されてい
るが、放熱面に均一に水を供給することが困難で、部分
的に過剰な水が滞留したり、水の供給不能な箇所が発生
するなど蒸発水の供給法や分散法に問題があるし、また
蒸発した水の補給や水の薄膜の効率的な除去のために必
要な水量の調節が困難であるなどの点で、実用化にはま
だ解決しなければならない多くの問題が残されている。
本発明者らは先に、伝熱性多孔質構造体をもって、一
体に構成された水蒸発部、水供給部及び冷却部をもつ構
造体を用い、その冷却部に被冷却体を接触させ、水供給
部に連続的に水を供給し、蒸発部より水を連続的に蒸発
させながら、水の蒸発潜熱によって冷却部を介して被冷
却体を冷却する方法を提案した(特開平2−279967号公
報)。
しかしながら、この伝熱性多孔質構造体を用いた蒸発
式冷却では、揮発性液体の蒸発は該構造体の表面で行わ
れ、潜熱は冷却の必要な部分より連通多孔質材料内部を
通って、同表面に移動するが、連通多孔質材料を伝熱性
の良好な金属で作ったとしても、内部に多くの細孔をも
ち、しかも通常この細孔には揮発性液体が保持されてい
るため、多孔性を有しない金属板に比較して伝熱性能が
著しく小さくなっており、冷却効果が低下するのを免れ
ない。
発明が解決しようとする課題 本発明は、従来の空冷法や水冷法のもつ欠点を補い、
水などの揮発性液体の蒸発潜熱を利用して冷却を行う際
に、放熱面への該液体の噴霧や滴下の方法よりも効果的
に冷却できる高性能の冷却方法及びそれを実施するため
の装置を提供することを目的としてなされたものであ
る。
課題を解決するための手段 本発明者らは、水などの揮発性液体の蒸発潜熱を利用
して効率よく冷却を行う方法について種々研究を重ねた
結果、金属製薄板表面を毛細管作用を有する金属網状体
又は金属多孔体から成る液体保持層と積層し、かつその
液体保持層の一部を欠落させて金属製薄板の表面を露出
させたものを冷却用ユニットとして用いることにより、
従来の方法よりもはるかに高い冷却効率が得られること
を見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、金属製薄板の片面又は両面の上
下にわたって毛細管作用を有する金属網状体又は金属多
孔体から成る液体保持層を積層するとともに、その層の
一部を欠落させて金属製薄板表面を露出させて冷却用ユ
ニットを構成し、その下端から上記液体保持層を介して
上記金属製薄板の露出面に揮発性液体を連続的に供給
し、これを蒸発させながら、蒸発に伴う潜熱を上記金属
製薄板を介して被冷却体に伝達することを特徴とする冷
却方法、金属製薄板と、その片面又は両面に積層された
毛細管作用を有する金属網状体又は金属多孔体から成る
液体保持層とから構成され、かつその液体保持層の下部
から上部にわたっての連続性を妨げない部分において欠
落部を形成させて金属製薄板の表面を露出した構造を有
することを特徴とする冷却用ユニット及びこの冷却用ユ
ニットの多数を、ほぼ平行に立設して成る冷却部材、こ
の冷却部材を貫通し、各冷却用ユニットの金属製薄板に
接触して配設された冷却用パイプ及び各冷却用ユニット
の液体保持層の少なくとも一部と接触させて揮発性液体
を収容した貯液タンクを備えたことを特徴とする冷却装
置を提供するものである。
本発明の特徴は、従来同一の構造体で行われていた冷
却ユニットにおける蒸発面に液体を供給する役割と蒸発
により生じる潜熱を被冷却体に伝える役割とを分離し
て、別々の部材で行わせた点にある。すなわち、従来の
冷却ユニットでは、単一の伝熱性多孔質材料を用い、蒸
発面への液体の供給と、蒸発面で生じた潜熱の被冷却体
への伝達を行わせているため、伝熱性多孔質材料が金属
のような熱伝導性のよい素材で形成されている場合であ
っても、多数の細孔及びその中に収容されている液体に
より、熱の移動が妨げられるので、非多孔質金属に比べ
はるかに熱伝導率が低下するのを免れず、したがって冷
却効率の向上には、おのずから限度があった。これに対
して、本発明においては、液体の蒸発及びそれにより生
じる潜熱の被冷却体への伝達を金属製薄板で行い、蒸発
面への液体の供給を液体保持層で行うため、蒸発により
生じる潜熱の被冷却体への伝達は多孔質構造に起因する
種々の障害なしに円滑に高能率で行うことができる。
本発明における金属製薄板の素材としては、アルミニ
ウム、銅、銀、亜鉛、スズのような金属類、ステンレス
鋼、ニッケル合金、クロム合金のような合金類のほか、
伝熱性の良好なセラミックスなどが用いられる。
これらは、熱の伝導が円滑に行われるようにできるだ
け薄くするのが好ましいが、強度の点も考慮して、一般
に0.1〜5mm程度の厚さにするのが普通である。
また、この金属製薄板の形状は、加工の容易なことか
ら、通常板状体として用いられるが、使用目的に応じ、
波形板状体、球面状体、管状体などとして用いることも
できる。
また、この金属製薄板に積層する液体保持層は、毛細
管現象により液体を吸い上げて常時液体を保持する作用
をもつ金属網状体及び金属多孔体の中から任意に選ぶこ
とができる。
本発明における液体保持層は、前記した金属製薄板に
対し、十分な量の液体を常時供給しうる容量をもつ必要
があるので、それに相当する厚さで、金属製薄板表面に
設けられる。したがって、この厚さは液体保持層の材
質、金属製薄板表面の液体蒸発能力、使用する液体の種
類などによって左右されるが、通常は0.2〜10mm程度で
ある。
この液体保持層を金属製薄板に積層するには、接着、
融着、溶接など任意の固着手段を用いることができる。
次に、本発明の冷却用ユニットにおいては、この被覆
の一部を欠落させて、金属製薄板の表面を露出させ、蒸
発面を形成させることが必要である。この欠落部は、例
えばあらかじめ液体保持層の一部を打ち抜いて開孔させ
ることによって形成させてもよいし、また、金属製薄板
に積層したのち、所要部分を剥ぎ取って形成してもよ
い。また、液体保持材のシートを細長片状に裁断し、金
属製薄板表面に所定の間隔で並行に固着させてもよい。
この場合、冷却用ユニットを蒸発すべき液体と接触させ
たときに、液体保持層のあらゆる部分に液体が拡散しう
るように、この層の下部から上部にわたり連続性が維持
されていることが必要である。
この欠落部の形状は、露出面への液体の供給能率の点
で、円形状が好ましいが、方形状、多角形状、溝状、円
弧状、扇形状、波形状、ジグザグ状などの任意の形状に
することができる。
また、欠落部の寸法は、周囲の液体保持層からの液体
の供給が連続的かつ均一に行れる範囲で選ぶ必要がある
が、通常は2〜20mmの範囲で選ばれる。
作用 次に添付図面に従って、本発明をさらに詳細に説明す
る。
第1図は、本発明の構成及び作用を説明するための冷
却用ユニットの縦断面図であって、この冷却用ユニット
は、金属製薄板1の両面に液体保持層例えば金網2,2が
溶接により被覆された構造を有している。3,…は液体保
持層2,2の欠落部であり、この部分においては、伝熱性
基体の表面が露出している。
このような構造の冷却用ユニットにおいて、貯液タン
ク5中に収容された揮発性液体は、液体保持層2,2の下
部から、毛細管現象により上部へと吸い上げられ、金属
製薄板の表面の露出部3の周囲に達し、この部分で露出
面に拡散し、均一な液膜を形成する。このようにして形
成された液膜は、次に蒸発して周囲雰囲気中に揮散する
が、液体は貯液タンク5から連続的に補給され、液膜が
消失することはない。そして、この液体の蒸発の際に
は、蒸発熱が奪われ、これと接触する物体は冷却される
が、この冷却の潜熱は、金属製薄板1を介して、冷媒パ
イプ4の中の冷媒に伝達される。
第2図は、上記の冷却ユニットを用いた本発明装置の
1例を示す平面図であって、多数の冷却用ユニットA,…
がほぼ平行に立設され、この冷却用ユニットに冷媒用パ
イプ4が3個所で曲折して貫通されている。そして、上
記の各冷却用ユニットAの下部は、貯液タンク5内に位
置し、その中に収容されている揮発性液体中に浸せきさ
れている。この装置によれば、多数の冷却用ユニットに
よる多量の蒸発潜熱を生じるため、冷媒用パイプ内を通
過する冷媒の冷却効果を著しく高めることができる。
第3図は、第2図の装置で用いた冷却用ユニットの正
面図で、多数の円形状打ち抜き孔を欠落部3とした液体
保持層2をもつ金属製薄板に冷媒用パイプ4のための4
個の貫通孔7が穿設されている。
第4図は、第2図の装置における冷却用ユニットの金
属製薄板1と冷却用パイプ4との接触部分を示す断面拡
大図であって、冷却用パイプ4の表面に、金属製薄板1
が直接接触しており、この金属製薄板1の両面は、適所
に欠落部3,…を設けた液体保持層2,2で被覆されてい
る。
また、第5図は、冷却用ユニットの別の例であって、
円筒状の金属製薄板1の外面に、細長片状の液体保持層
2′,…が所定の間隔で接着され、各細長片の間の間隙
が欠落部すなわち、金属製薄板の露出部を形成してい
る。このような冷却用ユニットを用いれば、円筒の内側
に被冷却体を装入し、直接冷却することができる。
以上のように、本発明においては、液体保持層のもつ
吸液能力や毛細管現象を利用して、外部からの供給手段
を用いずに自己給液を行うので従来の方法のように、ポ
ンプ等の強制供給設備や動力を必要としない。
本発明において用いられる揮発性液体としては、例え
ば水、メチルアルコール、エチルアルコール、エーテル
アセトン、酢酸エチルなどが用いられるが、特に蒸発潜
熱が大きく、経済的である点で水が好ましい。
さらに、蒸発や吸液を円滑に行わせるために、揮発性
液体に吸液性を向上させたり、蒸発を促進させる効果を
付与するための物質を添加することもできる。これらの
添加物質は、揮発性液体に少量添加することによって、
例えば表面張力を低下させ、蒸発部内部での揮発性液体
の吸液高さ並びに吸液速度を向上させたり、あるいは蒸
発部の表面の液膜の厚みを低下させて薄膜を形成させる
作用を有し、その結果、蒸発による冷却を効率よく行わ
せることができる。この際の液膜の厚みは、液膜の表面
から揮発性液体が空気中に蒸発し、蒸発潜熱は液膜を通
して金属材料部に移動するため、薄い程好ましい。
本発明方法における蒸発面としては、金属製薄板の露
出面の外に網目空隙を有し、あるいは多孔質になってい
る液体保持層も利用されるため空気との接触面積は十分
に大きくなっているが、さらに蒸発効率を高めるため
に、所要に応じ表面に凹凸を設けたり、フインを設ける
こともできるし、また、蒸発部付近に形成される揮発性
液体含有量の多い空気をできるだけ早く除去して、揮発
性液体の蒸発速度を促進するためにブロワー等により強
制的に空気を循環させることもできる。
作用、効果 本発明装置は前記したように構成され、各冷却用ユニ
ットAの下部から毛細管現象により吸い上げられた揮発
性液体は、各冷却用ユニットAの全面に展開され、主と
して、その露出面から蒸発する。この際、蒸発は、液体
保持層すなわち金属網又は金属多孔板の表面においても
行われる。そして、この蒸発の際の潜熱により金属製薄
板及び液体保持層は冷却するが、この冷却効果は、金属
製薄板に伝えられ、さらに被冷却体へと伝達される。
液体保持層による水の吸い上げは、それらの表面及び
金属製薄板の露出面における水の蒸発に伴なって連続的
に行われるので、冷媒の冷却も連続的に行われ、効率の
よい冷却を得ることができる。
本発明によれば、従来の冷却法や冷却手段に比べ、熱
の移動が円滑に行われ、ロスが少ないので熱効率が極め
てよく、冷却性能を一段と向上させることができるし、
また、揮発性液体の供給は、吸液性又は毛細管吸引性を
もち、揮発性液体を担持しうる素材による自然現象を利
用して行われるので、基本的には電力等の外部エネルギ
ーは必要とせず、故障等のトラブルが少ないという利点
がある。
また、空冷法と比べた場合、冷媒として用いる空気の
量に比し極めて少量の揮発性液体、例えば1/500〜1/100
0というごく少量の水で同等の冷却効果が得られる上
に、空冷法で用いられているような大型の送風機を必要
としないという利点がある。また、揮発性液体の供給は
連通多孔質材料の毛管現象という自然現象を利用して行
われるため、基本的には電力等のエネルギーは不要であ
り、ポンプを用いる場合でも、小型のもので十分であ
る。さらに、揮発性液体の蒸発伝熱による境膜伝熱係数
の値は、空気の強制対流伝熱に比べて200〜300倍であ
り、空冷法のような大きい伝熱面積を必要としないた
め、小型軽量化がはかれる上に、冷却能率の著しい向上
が見込まれる。
しかも、空気顕熱により熱放散を行う空冷法では、空
気と伝熱体表面の温度差に基づいて熱移動が起るが、本
発明における揮発性液体の蒸発は空気中の揮発性液体蒸
気分圧と蒸発部表面温度における高い揮発性液体蒸気分
圧との差を推進力として蒸発が起るために、供給する揮
発性液体や伝熱体の温度の高低に係わりなく所要の冷却
が可能となり、水を蒸発媒体とした場合理論的には空気
の飽和湿球温度まで断熱冷却線に沿った冷却が可能であ
る。さらに、この方法では、空気条件の季節的な変動に
よる冷却性能の変動を防止し、安定した冷却性能の確保
を可能とし、特に、外気温度の上昇により冷却性能が低
下する夏期には、外気温度条件に左右されず、常に一定
の冷却性能が確保できる。
また、水冷法と比べた場合は、本発明では揮発性液体
の消費量はわずかで、例えば水の場合で1/50〜1/100程
度で、蒸発伝熱では水の顕熱交換による水冷法よりもさ
らに高く、例えば水の場合で10〜30倍程度高いため、熱
交換器構造の著しい小型化がはかれる。さらに、本発明
の場合、揮発性液体の循環設備を必要とせず、循環揮発
性液体の冷却設備も不要となる上に、性能向上に伴う冷
却器の小型化が可能であるため、設備ならびに運転コス
トの低減がはかれる。
したがって、本発明方法及び本発明装置は、例えば冷
凍機の凝縮器、化学プラントや自動車その他産業機器の
放熱器や冷却器などに広く利用することができる。
実施例 次に実施例によって、本発明をさらに詳細に説明す
る。
なお、第6図は、各実施例で用いた実験システムの説
明図であって、空気をブロワー11を用いて管路12に送り
込み、ヒーター13で加熱したのち、本発明冷却装置14に
供給する。この本発明冷却装置に供給する空気の温度及
び供給量はそれぞれ熱電対15及び空気流量計16によって
測定され、本発明冷却装置内の温度及び本発明冷却装置
通過後の空気の温度はそれぞれ熱電対17及び18によって
測定され、これらの測定値に基づき、所定の冷却条件が
制御されている。
実施例1 微細細孔を有する厚さ1mmのステンレス鋼製多孔板の
間に厚さ0.5mmのアルミニウム製板を溶着して一体構造
とし、これを長さ120mm、高さ40mmに切断することによ
って複合板状体を作成した。この複合板状体の下端10mm
を温度15℃の水中に浸し、水の蒸発と吸水実験を行っ
た。
すなわち、第6図の実験装置を用い、複合板状体の表
面に温度30℃、相対湿度40%の空気が供給されるように
条件設定した。
このような実験の結果、貯水タンクより多孔板内を水
が上昇し、多孔板1m2当り毎時1.8kgの速度で水が蒸発し
た。この水の蒸発による冷却量は約1,000kcal/hrであっ
た。
比較例1 実施例1の複合板状体に代えて実施例1の多孔板のみ
を用いたこと以外は実施例1と同様にして実験を行った
ところ、水の蒸発速度は1.1kg/m2・hr、冷却量は620kca
l/hrであった。
これら実施例1と比較例1とを対比すると、アルミニ
ウム製板を多孔板で挟み複合化した複合板状体を用いた
実施例1の方が、伝熱特性の向上に伴い冷却性能は60%
程度向上することが分る。
実施例2 微細細孔を有する厚さ1mmのステンレス鋼製多孔板に
径2mmの孔を3mm間隔で穿孔し、この構造体の間に厚さ0.
5mmのアルミニウム製板を挟み込んで溶着し、さらに後
述の冷却管を取り付けるための接続部を開設し、これを
長さ120mm、高さ40mmに切断することによって複合板状
体としての蒸発板を作成した。
次いで、実施例1と同様にして、この蒸発板の下部10
mmを水中に浸し、水の蒸発と吸水実験を行った。その結
果、貯水タンクより多孔板内を水が自己吸水し、アルミ
ニウム製板の露出部に水が浸透し、アルミニウム製板の
表面で水が蒸発することにより、直接アルミニウム製板
が冷却されることとなり、それによって冷却効果が向上
し、表面積1m2当り毎時2.5kgの速度で水が蒸発した。こ
の値は複合板状体に開孔を設けない場合に比べて30%の
冷却性能の向上となり、水の蒸発による冷却量は約1,40
0kcal/hrであった。
実施例3 第2図に示すように、2.5mm厚の蒸発板90枚を、2.0mm
間隔でたがいに並行に立設し、外径9.53mmの冷媒管22を
貫通させて金属製薄板と接触させるように配設した冷却
装置を用い、その下部を水に浸し、上部に温度30℃、相
対湿度40%の空気を供給するとともに、冷媒管に70℃の
冷媒を蒸気状態で90kg/hrの速度で供給した。その結
果、下部より多孔板内を自己吸水し、表面積1m2当り毎
時3.8kgの速度で水が蒸発し、供給された冷媒が全て冷
却・凝縮された。この際の冷却量は2,200kcal/hrであっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置に用いる冷却用ユニットの作用を説
明するための縦断面図、第2図は本発明装置の1例を示
す平面図、第3図はそれを構成する冷却用ユニットの正
面図、第4図は冷媒用パイプと冷却用ユニットとの接触
部分を示す断面図、第5図は、冷却用ユニットの別の例
を示す斜視図、第6図は実施例で用いる実験システムの
説明図である。 図中1は金属製薄板、2は液体保持層、3は金属製薄板
の露出面、4は冷媒用パイプ、5は貯液タンクである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28D 5/00 F25B 39/04 F28F 1/12 F28F 1/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製薄板の片面又は両面の上下にわたっ
    て毛細管作用を有する金属網状体又は金属多孔体から成
    る液体保持層を積層するとともに、その層の一部を欠落
    させて金属製薄板表面を露出させて冷却用ユニットを構
    成し、その下端から上下液体保持層を介して上記金属製
    薄板の露出面に揮発性液体を連続的に供給し、これを蒸
    発させながら、蒸発に伴う潜熱を上記金属製薄板を介し
    て被冷却体に伝達することを特徴とする冷却方法。
  2. 【請求項2】金属製薄板と、その片面又は両面に積層さ
    れた毛細管作用を有する金属網状体又は金属多孔体から
    成る液体保持層とから構成され、かつその液体保持層の
    下部から上部にわたっての連続性を妨げない部分におい
    て欠落部を形成させて金属製薄板の表面を露出した構造
    を有することを特徴とする冷却用ユニット。
  3. 【請求項3】金属製薄板の露出した表面に、液体の拡散
    促進処理が施されている請求項2記載の冷却用ユニッ
    ト。
  4. 【請求項4】請求項2の冷却用ユニットの多数を、ほぼ
    平行に立設して成る冷却部材、この冷却部材を貫通し、
    各冷却用ユニットの金属製薄板に接触して配設された冷
    却用パイプ及び各冷却用ユニットの液体保持層の少なく
    とも一部と接触させて揮発性液体を収容した貯液タンク
    を備えたことを特徴とする冷却装置。
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