JP3036414B2 - 冷陰極を用いた電子銃 - Google Patents

冷陰極を用いた電子銃

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JP3036414B2 JP7291958A JP29195895A JP3036414B2 JP 3036414 B2 JP3036414 B2 JP 3036414B2 JP 7291958 A JP7291958 A JP 7291958A JP 29195895 A JP29195895 A JP 29195895A JP 3036414 B2 JP3036414 B2 JP 3036414B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直線ビームを用いる
マイクロ波管等の電子源として使用される電子銃に関
し、特に冷陰極を用いた電子銃構体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロ波管は電子銃構体を構成
する陰極として熱陰極を用いていた。
【0003】図4に、代表的なマイクロ波管の一種であ
るヘリックス形進行波管について、その断面構造を示
す。図4を参照して、その動作原理を以下に説明する。
【0004】電子銃部501に内蔵される通常負の電位
に設定される陰極502から電子ビーム503が射出さ
れ、射出された電子ビーム503はヘリックス電位(通
常接地電位)により加算されながら遅波回路部506に
至る。このとき、陰極502から出た電子ビーム503
は集束電極504により所定のビーム径に集束される。
【0005】遅波回路部506において、電子ビーム5
03は周期永久磁界発生装置505により集束された状
態を維持し遅波回路部506を通過する。この際、高周
波入力部507より入力されたマイクロ波がヘリックス
中を通過するときの軸方向速度と比較して電子ビーム5
03の軸方向速度が若干遅くなるように陰極502の電
位が選択される。
【0006】電子ビーム503は遅波回路部506にお
いてマイクロ波と連続的に相互作用を起こし電子ビーム
503のエネルギーによりマイクロ波は増幅されて高周
波出力部509より取り出される。
【0007】その後、電子ビーム503は電子ビーム5
03の捕捉用の電極であるコレクタ電極508に捕捉さ
れる。
【0008】この場合、電子銃部501の基本構造は、
図5に示すように、熱陰極102を第1段付き円筒形金
属体118に接合し、第1段付き円筒形金属体118を
第2段付き円筒形金属体117に接合する。
【0009】さらに、第2段付き円筒形金属体117は
カソード電極111に接合された集束電極119に接合
される。この時、熱陰極102に内蔵されたヒータのリ
ード線のうち、第1ヒータリード線121は第2段付き
円筒形金属体117に接続される。
【0010】カソード電極111の両側には、アノード
電極113及び後述するヒータ電極122との絶縁を保
つために円筒形絶縁体112、112′が配置される。
【0011】この一方の絶縁体(円筒形絶縁体11
2′)のカソード電極111とは反対側に配置されたア
ノード電極113には円筒形金属114及びアノード電
極板115が接合される。
【0012】カソード電極111に接合されたもう一つ
の円筒形絶縁体112のカソード電極111と接合され
る側と反対側にはヒータ電極122が接合され、ヒータ
電極122に熱陰極102に内蔵されたヒータのリード
線のうち、第2ヒータリード線120が接続される。さ
らに、ヒータ電極122の端部には封止用金属部品12
3が接合される。
【0013】さらに、アノード電極113には、高周波
回路部と電子銃部を接合するために円筒形絶縁体11
2″が接合され、円筒形絶縁体112″の端部には封入
皿116が取り付けられる。
【0014】図6は、文献(新井その他、「電界放射冷
陰極アレイを用いた高効率マイクロ波逓倍増幅管」、信
学技法、ED93−142、(1993−12)、第5
5〜60頁、電子情報通信学会、1993年)に記載さ
れた、ゲート電極の無い冷陰極を用いたマイクロ波逓倍
増管の電子銃構体の構造を示している。
【0015】図6において、201はゲート電極の無い
冷陰極、202はコレクタ、203は出力空洞、204
は絶縁体、205は陰極空洞、206は高周波入力部、
207は高周波出力部、208は水冷パイプをそれぞれ
示している。
【0016】なお、図6に示す従来の電子銃構体は、進
行波管に使用する細いビームを取り出すためのものでは
なく、高周波電圧を陰極空洞205中に発生させ、ゲー
ト電極の無い冷陰極201面で得られる比較的高い高周
波電圧により、冷陰極201から電子を放射させるため
の構造である。この電子銃構体では、冷陰極201から
の放射電子をゲート電極により制御する構造ではないた
め、ゲート電位を引き出すための電極構成が存在しな
い。また、陰極から放出された電子を細い電子ビームと
するための集束電極もなく、進行波管に使用するための
電子銃構造とは電極構成が違い、電極を取り出す構造が
大きく異なっている。
【0017】図7は、特開昭51−56170号公報に
記載される電極構体の構造を示している。図7におい
て、210はピン、211はゲート電極、212はエミ
ッタ、213はリード線、214は金属薄膜、215は
基板をそれぞれ示している。
【0018】図7に示す従来の電極構体においては、冷
陰極のゲート電位を供給するために基板215にピン2
10を埋設し、このピン210を通してゲート電極21
1に給電する。この従来の電極構体は、ゲート電極21
1に給電する場合に、ゲート電極211の表面上にリー
ド線213を取り付ける際の接触抵抗を下げるためにゲ
ート電極211上に金属薄膜214を生成したものであ
る。
【0019】この従来の電極構体は、冷陰極素子そのも
ののゲート電極の給電方法に関するものであり、冷陰極
を用いた電子銃構体の構造に関するものではないが、構
成要素全体が真空容器内に構成されるため給電用のピン
210と基板215の間は気密封止されておらず、真空
内から真空容器外へ電極を取り出すためには使用するこ
とができない。また、真空容器を兼ねた電極取り出し構
造とするためには、カソード電位の取り出し方法とゲー
ト電位の取り出し方法がともにピン形状とされており、
リード線213によりゲート電極211に電位が供給さ
れているため、集束電極の固定を行なうことができな
い。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来の熱
陰極を用いたマイクロ波管の従来の電子銃構体は、カソ
ードを高温に加熱するためのヒータを保有しており、こ
のため構造が複雑であり、また部品点数も多く、組立方
法が複雑である。
【0021】また、電子銃構体の周囲には高電圧が印加
されているため、電子銃構体の周囲を絶縁体で覆い接地
電位との絶縁を図ることが必要とされ、このため電子銃
が大型化する(小型化が困難である)という問題点があ
った。
【0022】マイクロ波管は、半導体増幅器と比較し
て、出力が高いだけでなく効率も高いという利点を有す
るが、体積が大きく、熱陰極によって決まる寿命が有る
という問題点を有している。
【0023】そこで、近年半永久的に動作するであろう
冷陰極を用いて、且つ小型・軽量のマイクロ波管の実現
が望まれている。
【0024】マイクロ波管の小型化を実現するためには
当然、マイクロ波管の電子銃部においても同様の必要性
が求められている。マイクロ波管の電子銃の場合、電子
を射出するための陰極(通常負の高電圧)、電子を加速
するための陽極(通常接地電位)を絶縁する必要があ
り、冷陰極を陰極に用いた場合、冷陰極を構成するエミ
ッタ電極、ゲート電極と陽極とのそれぞれの絶縁が必要
となる。
【0025】そして、電子銃の小型化をはかるために
は、構造の単純化及び安定に製造するための製造方法の
簡単な構造が要求される。
【0026】しかし、図4に示される上記従来の熱陰極
を用いたマイクロ波管の電子銃構造、において、熱陰極
部を単に冷陰極構体で置換したマイクロ波管の電子銃で
は、各電極を電子銃の径方向に取り出すために接地電位
との絶縁をはかるために電子銃部の周囲に絶縁体を配置
することが必要とされ、小型化をはかることは極めて困
難である。
【0027】そして、冷陰極を用いたマイクロ波管の電
子銃部の電極取り出し構造が単純で容易に製造可能な小
型の電子銃を実現しようとする場合、図6及び図7に示
した上記従来の技術においては下記の問題点を有する。
【0028】図6に示される従来構造においては、陰極
空洞中の冷陰極は接地電位となっており、通常のマイク
ロ波管のように冷陰極と接地電位であるヘリックス電位
を絶縁する必要のある場合には明らかに不適である。
【0029】また、図7に示される従来構造は冷陰極に
おけるゲート電極への給電方法に関する構造であり、マ
イクロ波管の真空気密性を兼ね備えた電子銃に冷陰極を
搭載するための支持構造、絶縁構造及び給電方法に関す
るものである。
【0030】従って、本発明の目的は、冷陰極を用いた
マイクロ波管の電子銃部の電極取り出し構造が単純で製
造方法が容易な小型の電子銃を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、電子を射出するエミッタ電極とゲート電
極を含み真空中で動作する冷陰極を有する電子銃におい
て、第1の略円筒形状の絶縁体の内径部と当接して配設
されると共に軸方向に拡延されてなる導電部材の基部に
前記冷陰極が配設され、前記導電部材を介して前記冷陰
極の前記エミッタ電極の電位が真空外に取り出され、前
記第1の略円筒形状の絶縁体は第2の略円筒形状の絶縁
体と当接し、該当接部の導体層を通して前記冷陰極のゲ
ート電極の電位が真空外に取り出され、前記第1の略円
筒形状の絶縁体が前記冷陰極の前記エミッタ電極と前記
ゲート電極とを互いに絶縁し、前記第2の略円筒形状の
絶縁体が前記冷陰極と接地電位との絶縁を行うことを特
徴とする電子銃を提供する。
【0032】また、本発明は、電子を射出するエミッタ
電極とゲート電極を含み真空中で動作する冷陰極を有す
る電子銃において、前記冷陰極は、第1の略円筒形状の
絶縁体に気密接合されてなる金属導体の一側に配設さ
れ、該金属導体を介して前記冷陰極の前記エミッタ電極
電位が真空外に取り出されるとともに、前記第1の略
円筒形状の絶縁体は第2の略円筒形状の絶縁体に気密接
合され、前記第1及び第2の略円筒形状の絶縁体の該接
合部の導体層を通して前記冷陰極のゲート電位が真空外
に取り出され、前記第1の略円筒形状の絶縁体が前記冷
陰極の前記エミッタ電極と前記ゲート電極とを互いに絶
縁し、前記第2の略円筒形状の絶縁体が前記冷陰極と接
地電極との絶縁を行うことを特徴とする電子銃を提供す
る。
【0033】すなわち、本発明に係る冷陰極を用いたマ
イクロ波管の電子銃構体は、電子を射出するエミッタ電
極並びにゲート電極を有した冷陰極と、冷陰極を支持す
る支持体と、マイクロ波管の電子銃構体に印加される陰
極電位、エミッタ電位、ゲート電位のそれぞれの電極を
分離するための複数の絶縁体と該絶縁体に施されたメタ
ライズ層を有するマイクロ波管の電子銃であって、冷陰
極は第1の円筒形絶縁体の内径部を貫通して設けられた
棒状金属導体上に位置し、メタライズ層は第1の円筒形
絶縁体の外径側及び冷陰極とは反対側の端面側と第2の
円筒形絶縁体の片側端面に形成されたものであるか、或
いは第1の円筒形絶縁体の外径側と第2の円筒形絶縁体
の内径部に形成されたものであって、第2の円筒形絶縁
体はメタライズ層を介して第1の円筒形絶縁体に接合さ
れたものである。
【0034】
【作用】本発明による冷陰極を用いたマイクロ波管の電
子銃構体では、エミッタ電極、ゲート電極が同軸形状を
なして真空外に取り出され、且つ第2の円筒形絶縁体が
接地電位であるヘリックス電位との絶縁を担い、電子銃
の外周部はヘリックス電位(接地電位)となるため、電
子銃外周部とヘリックス電位(接地電位)の絶縁を図る
必要が無い。
【0035】また、電極取り出し構造が同軸形状となっ
ていることで、電子銃構造が小型化し、冷陰極の支持構
造が簡単になり電子銃構体の構造そのものが簡素化さ
れ、部品点数も少ない簡単な構造となる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して以下に説明する。
【0037】
【実施形態1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係
る、冷陰極を用いたマイクロ波管の電子銃の断面を示す
図である。
【0038】図1を参照して、本実施形態に係るマイク
ロ波管の電子銃構体は、電子を射出するエミッタ電極と
ゲート電極を含み例えば1×10-5(Pa)よりも高い
真空内で動作する冷陰極1と、冷陰極1を皿部21aで
接合する金属導体2と、を有し、この金属導体2は、第
1円筒形絶縁体3の内周部に形成されたメタライズ層3
1bを介して第1円筒形絶縁体3と気密接合されてい
る。
【0039】また、第1円筒形絶縁体3の第2円筒形絶
縁体4に当接する面(接合面)に形成されたメタライズ
層31cと、第2円筒形絶縁体4の第1円筒形絶縁体3
に当接する面に形成されたメタライズ層41cを介して
気密接合された第1円筒形絶縁体3、及び第2円筒形絶
縁体4と、を備え、さらに真空外囲器を構成するための
円筒形金属(「円筒の真空外囲器」ともいう)5、及び
第1の段付き円筒形金属6と、ゲート電極用円筒形金属
7と、冷陰極1から射出された電子を集束するための集
束電極8と、集束電極8を支持するために第1円筒形絶
縁体3の外周部に設けられたメタライズ層31aを介し
て接合された第2の段付き円筒形金属9と、冷陰極1の
ゲート電極と第2の段付き円筒形金属9に両端を接合さ
れた金属線10と、を備えている。
【0040】通常、マイクロ波管用電子銃の冷陰極とし
ては、図8に示すような電界放出型冷陰極を用いること
が考えられる。
【0041】図8を参照して、電界放出型冷陰極は、シ
リコン基板51の上に絶縁層52を介して形成されたゲ
ート電極53とシリコン基板51上にモリブデンの金属
を積層させて形成したエミッタ54から構成されてい
る。この冷陰極は、半導体製造技術を用いて容易に製造
することが可能になりつつあり、また例えば10mA以
上の電流が10A/cm2以上の電流密度で得られるこ
とから、本実施例に係るマイクロ波管用電子銃の冷陰極
として充分に適用可能である。
【0042】図1を参照して、マイクロ波管の電子銃構
体において、第1円筒形絶縁体3の外周部、内周部には
それぞれメタライズ層31a、31bを有し、第1円筒
形絶縁体3の第2円筒形絶縁体4に当接する面に形成さ
れたメタライズ層31cを有している。
【0043】第1円筒形絶縁体3の第2円筒形絶縁体4
に当接する面に形成されたメタライズ層31cは、第1
円筒形絶縁体3の外径方向端部において第1円筒形絶縁
体3の外周部に形成されたメタライズ層31aに当接す
るように形成されており、且つ第1円筒形絶縁体3の内
周部のメタライズ層31bには接触することのないよう
に、第1円筒形絶縁体3の内周部よりも大きな位置(外
径方向)に形成される。
【0044】即ち、冷陰極1から金属線10により取り
出されたゲート電位は、集束電極8を支持するための第
2の段付き円筒形金属9と、第1円筒形絶縁体3の第2
円筒形絶縁体4に当接する面に形成されたメタライズ層
31cと、第2円筒形絶縁体4の第1円筒形絶縁体3に
当接する面に形成されたメタライズ層41cと、を介し
て真空外に取り出され、第1円筒形絶縁体3の第2円筒
形絶縁体4に当接する面に形成されたメタライズ層31
cに接合されたゲート電極用円筒形金属7に電気的に接
続され、冷陰極取付基板と支持棒で構成される金属導体
2の支持棒21bを介して、真空外に取り出される冷陰
極のエミッタ電位と電気的に分離される。
【0045】図1に示す本実施形態に係るマイクロ波管
の電子銃構体では、従来の構造に比較して、電子銃構体
の外周部となる円筒の真空外囲器5は接地電位とされ、
ケース等の筐体と絶縁を行うための絶縁材が不要であ
り、小型化、軽量化が容易である。また、組立も容易に
行うことができる。
【0046】さらに、第2円筒形絶縁体4の材料とし
て、好ましくは熱伝導率の低いアルミナセラミック等を
用いた場合、円筒の真空外囲器5と第1の段付き円筒形
金属6の端部をアーク溶接等により封止する際に発生す
る熱から冷陰極を保護するという作用効果を奏する。
【0047】
【実施形態2】図2は、本発明の第2の実施の形態に係
る冷陰極を用いたマイクロ波管の電子銃の断面図であ
る。
【0048】図2を参照して、本実施形態に係るマイク
ロ波管の電子銃構体は、電子を射出するエミッタ電極と
ゲート電極を含み例えば1×10-5(Pa)よりも高い
真空内で動作する冷陰極1と、冷陰極1を皿部21aで
接合する金属導体2と、を有し、この金属導体2は、第
1円筒形絶縁体3の内周部に形成されたメタライズ層3
1bを介して第1円筒形絶縁体3と気密接合されてい
る。
【0049】また、第1円筒形絶縁体3の外周部に形成
されたメタライズ層31aを介して気密接合された第2
の段付き円筒形金属9と、第2の段付き円筒形金属9に
より支持される集束電極8、冷陰極1のゲート電極と第
2の段付き円筒形金属9とに両端が接合された金属線1
0と、真空外囲器として第2の段付き円筒形金属9に気
密接合された第2円筒形絶縁体4と、第2円筒形絶縁体
4に気密接合される第1の段付き円筒形金属6と、真空
外囲器を構成する円筒形金属5と、を備えている。
【0050】マイクロ波管の電子銃構体において、冷陰
極1から金属線10により取り出されたゲート電位は集
束電極8を支持するための第2の段付き円筒形金属9に
より真空外に取り出されるが、ゲートリード11が第2
の段付き円筒形金属9の内周部に接合されることによっ
て電圧供給用の電源からの供給方法を容易にしている。
なお、図2において、第2の段付き円筒形金属9を二つ
に分割し第1円筒形絶縁体3と第2円筒形絶縁体4との
間に配設された円筒形金属9側を介して第1円筒形絶縁
体3と第2円筒形絶縁体4とを気密接合するようにして
もよい。
【0051】本実施形態においては、前記第1の実施の
形態と同様にエミッタ電位は金属導体2を構成する支持
棒21bにより真空外に取り出され、冷陰極1に電圧を
印加するためのエミッタ電極とゲート電極が分離され
る。
【0052】図2に示すマイクロ波管の電子銃構体で
は、前記第1の実施の形態の構造と比較して、電子銃構
体の外周部となる円筒の真空外囲器5と、ゲート電位と
なる段付き円筒形金属9と、の間の沿面距離が長くなっ
ており、耐電圧性に優れ、且つ小型、軽量の電子銃を提
供できる。
【0053】
【実施形態3】図3は、本発明の第3の実施の形態に係
る冷陰極を用いたマイクロ波管の電子銃の断面図であ
る。
【0054】図3を参照して、マイクロ波管の電子銃構
体は電子を射出するエミッタ電極とゲート電極を含み例
えば1×10-5(Pa)よりも高い真空内で動作する冷
陰極1と冷陰極1を皿部21aで接合する金属導体2を
有し、この金属導体2は第1円筒形絶縁体3の内周部に
形成されたメタライズ層31bを介して第1円筒形絶縁
体3と気密接合されている。
【0055】第1円筒形絶縁体3の外周部に形成された
メタライズ層31aと第2円筒形絶縁体4の内周部に形
成されたメタライズ層41aを介して互いに気密接合さ
れた第1円筒形絶縁体3、第2円筒形絶縁体4と、真空
外囲器を構成するための円筒形金属5、第1の段付き円
筒形金属6と、ゲート電極用円筒形金属7と冷陰極1か
ら射出された電子を集束するための集束電極8と、集束
電極8を支持するために、第1円筒形絶縁体3の外周に
施されたメタライズ層31aを介して第1円筒形絶縁体
3に接合された第2の段付き円筒形金属9と、冷陰極1
のゲート電極と第2の段付き円筒形金属9に両端を接合
された金属線10と、を備えている。
【0056】マイクロ波管の電子銃構体において、冷陰
極1から金属線10により取り出されたゲート電位は集
束電極8を支持するための第2の段付き円筒形金属9お
よび第1円筒形絶縁体3の外周部に形成されたメタライ
ズ層31a及び第2円筒形絶縁体4の内周部に形成され
たメタライズ層41aを介して真空外に取り出され、第
2円筒形絶縁体4の内周部に接合されるゲート電極用円
筒形金属7に電気的に接続され、金属導体2を構成する
支持棒21bを介して真空外に取り出される冷陰極のエ
ミッタ電位と電気的に分離される。
【0057】図3に示す本実施形態に係るマイクロ波管
の電子銃構体においては、前記第1及び第2の実施の形
態の構造と比較して、第1円筒形絶縁体3と第2円筒形
絶縁体4はそれぞれ外周面と内周面で接合されるために
軸方向長さを短くすることが可能となり、さらに電子銃
の小型化、軽量化が図られる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷陰極を
用いたマイクロ波管の電子銃構体においては、電子銃の
外周部に高電圧が印加されないため、マイクロ波管の小
型化、軽量化が容易に達成可能とされるという効果を有
する。また、本発明によれば、冷陰極とマイクロ波管の
封入時の溶着部の間には熱伝導率の低い例えばアルミナ
セラミック等の絶縁体を介しているため封入時に冷陰極
が加熱され難く、例えば冷陰極が酸化するというような
冷陰極への悪影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る冷陰極を用い
たマイクロ波管の電子銃の構造を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る冷陰極を用い
たマイクロ波管の電子銃の構造を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る冷陰極を用い
たマイクロ波管の電子銃の構造を示す図である。
【図4】マイクロ波管の代表例である進行波管の構造を
示す図である。
【図5】進行波管に熱陰極を使用した場合の従来の電子
銃の構造を示す図である。
【図6】従来のマイクロ波逓倍増管の電子銃構体の構造
を示す図である。
【図7】特開昭51−56170号公報に記載の電極構
体の構造を示す図である。
【図8】電界放出型冷陰極の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 冷陰極 2 金属導体 21a 金属導体2の皿部 21b 金属導体2の支持棒 3 第1円筒形絶縁体 31a 第1円筒形絶縁体3の外周部のメタライズ層 31b 第1円筒形絶縁体3の内周部のメタライズ層 31c 第1円筒形絶縁体3の平面部のメタライズ層 4 第2円筒形絶縁体 41b 第2円筒形絶縁体4の内周部のメタライズ層 41c 第2円筒形絶縁体4の平面部のメタライズ層 5 円筒形金属 6 第1の段付き円筒形金属 7 ゲート電極用円筒形金属 8 集束電極 9 第2の段付き円筒形金属 10 金属線 11 ゲートリード 51 シリコン基板 52 絶縁層 53 ゲート電極 54 エミッタ 102 熱陰極 111 カソード電極 112 円筒形絶縁体 113 アノード電極 114 円筒形金属 115 アノード電極板 116 封入皿 117 第2段付き円筒形金属 118 第1段付き円筒形金属 119 集束金属 120 第2ヒータリード 121 第1ヒータリード 122 ヒータ電極 123 封止用金属部品 201 ゲート電極の無い冷陰極 202 コレクタ 203 出力空洞 204 絶縁体 205 陰極空洞 206 高周波入力部 207 高周波出力部 208 水冷パイプ 210 ピン 211 ゲート電極 212 エミッタ 213 リード線 214 金属薄膜 215 基板 501 電子銃部 502 陰極 503 電子ビーム 504 集束電極 505 周期永久磁界発生装置 506 遅波回路部 507 高周波入力部 508 コレクタ電極 509 高周波出力部

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子を射出するエミッタ電極とゲート電極
    を含み真空中で動作する冷陰極を有する電子銃におい
    て、 第1の略円筒形状の絶縁体の内径部と当接して配設され
    ると共に軸方向に拡延されてなる導電部材の基部に前記
    冷陰極が配設され、前記導電部材を介して前記冷陰極の
    前記エミッタ電極の電位が真空外に取り出され、 前記第1の略円筒形状の絶縁体は第2の略円筒形状の絶
    縁体と当接し、該当接部の導体層を通して前記冷陰極の
    ゲート電極の電位が真空外に取り出され、 前記第1の略円筒形状の絶縁体が前記冷陰極の前記エミ
    ッタ電極と前記ゲート電極とを互いに絶縁し、前記第2
    の略円筒形状の絶縁体が前記冷陰極と接地電位との絶縁
    を行うことを特徴とする電子銃。
  2. 【請求項2】電子を射出するエミッタ電極とゲート電極
    を含み真空中で動作する冷陰極を有する電子銃におい
    て、 第1の略円筒形状の絶縁体の内径部と当接して配設され
    ると共に軸方向に拡延されてなる導電部材の基部に前記
    冷陰極が配設され、前記導電部材を介して前記冷陰極の
    前記エミッタ電極の電位が真空外に取り出され、 前記第1の略円筒形状の絶縁体と前記第2の略円筒形状
    の絶縁体とが、前記第1の略円筒形状の絶縁体の外周部
    に接合された略円筒形状の第2の導電部材を介して気密
    封止されてなり、前記第2の導電部材を介して前記冷陰
    極のゲート電極の電位が真空外に取り出され、 前記第1の略円筒形状の絶縁体が前記冷陰極の前記エミ
    ッタ電極と前記ゲート電極とを互いに絶縁し、前記第2
    の略円筒形状の絶縁体が前記冷陰極と接地電位との絶縁
    を行うことを特徴とする電子銃。
  3. 【請求項3】電子を射出するエミッタ電極とゲート電極
    を含み真空中で動作する冷陰極を有する電子銃におい
    て、 前記冷陰極は、第1の略円筒形状の絶縁体に気密接合さ
    れてなる金属導体の一側に配設され、該金属導体を介し
    て前記冷陰極の前記エミッタ電極の電位が真空外に取り
    出されるとともに、前記第1の略円筒形状の絶縁体は第
    2の略円筒形状の絶縁体に気密接合され、 前記第1及び第2の略円筒形状の絶縁体の該接合部の導
    体層を通して前記冷陰極のゲート電位が真空外に取り出
    され、 前記第1の略円筒形状の絶縁体が前記冷陰極の前記エミ
    ッタ電極と前記ゲート電極とを互いに絶縁し、 前記第2の略円筒形状の絶縁体が前記冷陰極と接地電極
    との絶縁を行うことを特徴とする電子銃。
  4. 【請求項4】前記導体層が、前記第1の略円筒形状の絶
    縁体と前記第2の略円筒形状の絶縁体とを接合するメタ
    ライズ層からなることを特徴とする請求項3記載の電子
    銃。
  5. 【請求項5】前記第1及び第2の略円筒形状の絶縁体が
    真空外囲器として作用することを特徴とする請求項3記
    載の電子銃。
  6. 【請求項6】前記金属導体が、前記冷陰極が取り付けら
    れる面内方向に所定の拡りを有する基部と支持棒とを備
    えてなることを特徴とする請求項3に記載の電子銃。
  7. 【請求項7】前記金属導体が、その断面形状が略T字形
    とされ、頭頂部に前記冷陰極が接合されることを特徴と
    する請求項3に記載の電子銃。
  8. 【請求項8】前記断面形状が略T字形の前記金属導体
    と、前記第1の略円筒形状の絶縁体とが、前記第1の略
    円筒形状の絶縁体の内径部で気密接合されていることを
    特徴とする請求項7に記載の電子銃。
  9. 【請求項9】前記第1の略円筒形状の絶縁体には円筒形
    状の金属又は金属片が接合され、前記円筒形状の金属又
    は金属片に前記冷陰極のゲート電極が接続されることを
    特徴とする請求項3に記載の電子銃。
  10. 【請求項10】前記冷陰極の前面に電子ビーム集束電極
    が配置されてなることを特徴とする請求項3に記載の電
    子銃。
  11. 【請求項11】前記第1の略円筒形状の絶縁体と前記第
    2の略円筒形状の絶縁体との接合部のメタライズ層を介
    して取り出されたゲート電極に接続される円筒形状の金
    属を、前記第2の略円筒形状の絶縁体の内周部に配し、
    前記ゲート電位を外部に引き出すようにしたことを特徴
    とする請求項3に記載の電子銃。
  12. 【請求項12】前記電子ビーム集束電極が、前記第1の
    略円筒形状の絶縁体に接合された円筒形状の金属又は金
    属片に接合され、該電子ビーム集束電極を前記冷陰極の
    前記ゲート電極に電気的に接続してなることを特徴とす
    る請求項9に記載の電子銃。
  13. 【請求項13】前記第1の略円筒形状の絶縁体の外周面
    と前記第2の略円筒形状の絶縁体の内周面とが所定の領
    域で互いに当接していることを特徴とする請求項3に記
    載の電子銃。
  14. 【請求項14】前記第1の略円筒形状の絶縁体と前記第
    2の略円筒形状の絶縁体とが端部で互いに当接してなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の電子銃。
  15. 【請求項15】前記第1の略円筒形状の絶縁体と前記第
    2の略円筒形状の絶縁体との間に略円筒形状の金属部材
    を配設し、前記第1の略円筒形状の絶縁体のメタライズ
    層および前記第2の略円筒形状の絶縁体のメタライズ層
    を介して前記第1および前記第2の略円筒形状の絶縁体
    と気密接合される前記略円筒形状の金属部材を通して前
    記冷陰極のゲート電位が真空外に取り出されるように構
    成したことを特徴とする請求項3〜12のいずれか一に
    記載の電子銃。
  16. 【請求項16】前記第1の略円筒形状の絶縁体と前記第
    2の略円筒形状の絶縁体とは前記円筒形状の金属部材を
    介して少なくとも一方が外周面または内周面で接合され
    てなることを特徴とする請求項15に記載の電子銃。
  17. 【請求項17】前記第2の略円筒形状の絶縁体が、所定
    の熱伝導率を有するセラミック材料からなることを特徴
    とする請求項1から16のいずれか一に記載の電子銃。
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