JP3036378B2 - 内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置

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JP3036378B2
JP3036378B2 JP6283451A JP28345194A JP3036378B2 JP 3036378 B2 JP3036378 B2 JP 3036378B2 JP 6283451 A JP6283451 A JP 6283451A JP 28345194 A JP28345194 A JP 28345194A JP 3036378 B2 JP3036378 B2 JP 3036378B2
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衛 ▲吉▼岡
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のバルブ開閉タ
イミング制御装置に関し、特に、内燃機関の吸気弁、或
いは排気弁の開閉タイミングの変更を遅滞なくスムーズ
に行うことができる内燃機関のバルブ開閉タイミング制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の運転状態に応じて、吸気弁、
或いは排気弁の開閉タイミングを制御し、出力増加ある
いは燃費の改善を図ることのできるバルブ開閉タイミン
グ制御装置は公知である。このバルブ開閉タイミング制
御装置としては、OHC形式の内燃機関では、内燃機関
のクランクシャフトによって駆動されるタイミングプー
リと、吸、排気弁を開弁させるカムシャフトの一端とを
バルブ開閉タイミング可変アクチュエータを介して接続
し、このバルブ開閉タイミング可変アクチュエータによ
り、クランクシャフトによって回転させられるタイミン
グプーリの回転位相と、カムシャフトとの回転位相とに
位相差を与えるものや、クランクシャフトに複数種類の
プロフィールを持ったカムを設けてカムを切り換えるも
の等があり、また、OHV形式の内燃機関では、ロッカ
ーアームをバルブ開閉タイミング可変アクチュエータと
して機能させるもの等がある。
【0003】ここでは、タイミングプーリとカムシャフ
トの一端とをバルブ開閉タイミング可変アクチュエータ
を介して接続し、このバルブ開閉タイミング可変アクチ
ュエータにより、タイミングプーリの回転位相に対して
カムシャフトの回転位相を異ならせるバルブ開閉タイミ
ング制御装置を従来例として説明する。一般に、この形
式のバルブ開閉タイミング可変アクチュエータの駆動源
としては、車載バッテリによって電力を供給されるステ
ッピングモータや、内燃機関によって駆動されるオイル
ポンプの油圧等が使用される。
【0004】また、バルブ開閉タイミング可変アクチュ
エータにより、タイミングプーリの回転位相に対してカ
ムシャフトの回転位相を異ならせるように構成されたバ
ルブ開閉タイミング制御装置の中には、機関回転数の変
化率(ΔNE)が大きい程、バルブ開閉タイミングの切
り換えを早く実施するようにし、合わせて油圧によるバ
ルブ開閉タイミング制御装置の応答遅れを補正するよう
にしたものが提案されている(実開平1−176725
公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
1−176725公報に提案されたバルブ開閉タイミン
グ制御装置においては、機関回転数の変化率に基づいて
バルブ開閉タイミングの切り換えを早めるように制御す
ると、バルブ開閉タイミングの切り換え直前に機関が加
速された場合、加速直後の機関回転数の変化率は小さい
ので、バルブ開閉タイミングの切り換えが遅くなって、
バルブ開閉タイミング制御装置の応答遅れの補正が適正
に行われない恐れがあった。
【0006】そこで、本発明は、バルブ開閉タイミング
可変アクチュエータにより、タイミングプーリの回転位
相に対してカムシャフトの回転位相を異ならせるように
構成されたバルブ開閉タイミング制御装置は勿論のこ
と、その他の方式のバルブ開閉タイミング制御装置にお
いても、機関の運転状態に係わらずにバルブ開閉タイミ
ングの切り換えを応答遅れなしに適正に行うことが可能
な内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の第1の形態の内燃機関のバルブ開閉タイミング制御
装置は、開閉機構によって開閉される吸気弁、或いは排
気弁の開閉タイミングを、少なくとも2段階に非連続的
に切り換えることができるバルブ開閉タイミング可変ア
クチュエータを備えたバルブ開閉タイミング制御装置で
あって、機関回転数、変速機のシフト位置を含む機関の
運転状態パラメータを検出する機関の運転状態検出手段
と、前記非連続式のバルブ開閉タイミング可変アクチュ
エータの切り換え作動タイミングとなる機関回転数の目
標値を、変速機のシフト位置に基づいて演算する第1の
切換目標値演算手段と、前記非連続式のバルブ開閉タイ
ミング可変アクチュエータの切り換え作動タイミングと
なる機関回転数の目標値を、機関回転数の変化率に基づ
いて演算する第2の切換目標値演算手段と、前記第1、
第2の切換目標値のうち、現在の機関回転数に近い切換
目標値を最適切換目標値として設定する最適切換目標値
設定手段と、この最適切換目標値に実際の機関回転数が
達した時に、前記バルブ開閉タイミング可変アクチュエ
ータの切り換え作動タイミングを切り換える切換タイミ
ング制御手段とを備えることを特徴としている。
【0008】また、前記目的を達成する本発明の第2の
形態の内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置は、開
閉機構によって開閉される吸気弁、或いは排気弁の開閉
タイミングを、連続的に切り換えることができるバルブ
開閉タイミング可変アクチュエータを備えたバルブ開閉
タイミング制御装置であって、機関回転数、負荷を含む
機関の運転状態パラメータを検出する機関の運転状態検
出手段と、機関回転数と負荷とからバルブ開閉タイミン
グを演算して設定するバルブ開閉タイミング設定手段
と、このバルブ開閉タイミング設定手段により設定され
た開閉タイミングになるように、前記バルブ開閉タイミ
ング可変アクチュエータのバルブ開閉タイミングを変更
する連続式バルブ開閉タイミング変更手段と、吸気また
は排気の流量効率を変更する流量効率変更手段と、前記
流量効率変更手段の変更に先立って、前記連続式バルブ
開閉タイミング可変手段の制御遅れを補償する補償手段
とを備えることを特徴としている。
【0009】なお、前記補償手段は、前記流量効率変更
手段の動作に応じた前記バルブ開閉タイミング設定手段
の開閉タイミングを複数通り有し、前記流量効率変更手
段の変更に先立って、或る開閉タイミング設定値から別
の開閉タイミング設定値に変更するものであっても良
い。また、前記補償手段は、前記流量効率変更手段の変
更に先立って、現在の機関回転数に所定回転数加減した
回転数におけるバルブ開閉タイミングを前記バルブ開閉
タイミング設定手段から求め、前記連続式バルブ開閉タ
イミング変更手段の設定された開閉タイミングとするも
のであっても良い。
【0010】
【作用】本発明の第1の形態の内燃機関のバルブ開閉タ
イミング制御装置によれば、内燃機関の吸気弁、或いは
排気弁の開閉タイミングを、少なくとも2段階に非連続
的に切り換えることができるバルブ開閉タイミング可変
アクチュエータを備えたバルブ開閉タイミング制御装置
において、機関の運転状態検出手段が運転状態パラメー
タを検出し、第1の切換目標値演算手段がバルブ開閉タ
イミング可変アクチュエータの切り換え作動タイミング
となる機関回転数の目標値を、変速機のシフト位置に基
づいて演算し、第2の切換目標値演算手段がバルブ開閉
タイミング可変アクチュエータの切り換え作動タイミン
グとなる機関回転数の目標値を、機関回転数の変化率に
基づいて演算する。そして、最適切換目標値設定手段が
第1、第2の切換目標値のうち、現在の機関回転数に近
い切換目標値を最適切換目標値として設定し、この最適
切換目標値に実際の機関回転数が達した時に、切換タイ
ミング制御手段がバルブ開閉タイミング可変アクチュエ
ータの切り換え作動タイミングを切り換える。
【0011】また、本発明の第2の形態の内燃機関のバ
ルブ開閉タイミング制御装置によれば、内燃機関の吸気
弁、或いは排気弁の開閉タイミングを、連続的に切り換
えることができるバルブ開閉タイミング可変アクチュエ
ータを備えたバルブ開閉タイミング制御装置において、
機関の運転状態パラメータを機関の運転状態検出手段が
検出し、バルブ開閉タイミング設定手段が機関回転数と
負荷とからバルブ開閉タイミングを演算して設定する。
そして、連続式バルブ開閉タイミング変更手段がバルブ
開閉タイミング設定手段により設定された開閉タイミン
グになるようにバルブ開閉タイミング可変アクチュエー
タのバルブ開閉タイミングを変更し、流量効率変更手段
が吸気弁または排気弁の流量効率を変更する。そして、
補償手段は流量効率変更手段の変更に先立って、前記連
続式バルブ開閉タイミング変更手段の制御遅れを補償す
る。
【0012】なお、補償手段は、流量効率変更手段の動
作に応じたバルブ開閉タイミング値設定手段の開閉タイ
ミングを複数通り有し、流量効率変更手段の変更に先立
って、或る開閉タイミングから別の開閉タイミングに変
更するか、または、流量効率変更手段の変更に先立っ
て、現在の機関回転数に所定回転数加減した回転数にお
けるバルブ開閉タイミングをバルブ開閉タイミング設定
手段から求め、連続式バルブ開閉タイミング変更手段の
設定された開閉タイミングとするように動作する。
【0013】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の内燃機関のバル
ブ開閉タイミング制御装置の実施例を詳細に説明する。
図1は本発明にかかるDOHC型の内燃機関のバルブ開
閉タイミング制御装置の全体構成図である。内燃機関の
1つの気筒11にはピストン111が上下摺動可能に設
けられ、ピストン111上部が燃焼室12となってい
る。ピストン111はコネクティングロッド112を介
してクランクシャフト113に接続されている。クラン
クシャフト113には磁性体114が埋め込まれてお
り、クランクシャフト113に近接して配置された第1
の磁気センサ115から基準パルスが出力される。また
クランクシャフト113の先端にはタイミングプーリ1
16が設置されている。
【0014】燃焼室12には吸気管121および排気管
122が接続されており、吸気管121の上流には吸気
量を調節するスロットル弁123が設置される。なおス
ロットル弁123の開度は開度センサ124によって検
出される。燃焼室12と吸気管121との接続口には吸
気弁13が、吸気弁13の直上流には燃料噴射弁125
が設置される。また、燃焼室12と排気管122との接
続口には排気弁14が設置される。
【0015】吸気弁13および排気弁14はカムシャフ
ト131および141に取り付けられたカム(図示せ
ず。)によって駆動される。カムシャフト131および
141の先端にはタイミングプーリ132および142
が設置され、クランクシャフト113に設置されたタイ
ミングプーリ116とタイミングベルト117とを介し
て駆動される。
【0016】以下に説明する実施例では、タイミングプ
ーリ132と吸気弁用カムシャフト131の一端とをバ
ルブ開閉タイミング可変アクチュエータ(以下VVTと
記す)133を介して接続し、このバルブ開閉タイミン
グ可変アクチュエータ133により、タイミングプーリ
132の回転位相に対してカムシャフト131の回転位
相を異ならせるバルブ開閉タイミング制御装置を例にと
って説明する。VVT133は図示しない油圧源から供
給される油圧によって駆動され、制御弁134の開度を
制御することにより回転位相が制御される。
【0017】また吸気弁用カムシャフト131には磁性
体135が埋め込まれており、近接して配置された第2
の磁気センサ136から吸気弁用カムシャフト131の
1回転ごとにパルスが出力される。内燃機関2にはディ
ストリビュータ15が設けられており、第1の回転数セ
ンサ151によって内燃機関2回転ごとに1つのパルス
が、第2の回転数センサ152によって内燃機関の30
°クランク角度(CA)ごとに1つのパルスが出力され
る。
【0018】内燃機関制御装置16はマイクロコンピュ
ータシステムであり、バス161を中心としてCPU
(中央処理ユニット)162、メモリ163、入力イン
ターフェイス164および出力インターフェイス165
から構成される。入力インターフェイス164には第1
の磁気センサ115、開度センサ124、第2の磁気セ
ンサ136、第1の回転数センサ151、第2の回転数
センサ152、冷却水温度センサ119および吸気温度
センサ126が接続されており、機関回転数NE、スロ
ットル弁開度TA、水温THW等の検出信号が内燃機関
制御装置16に取り込まれる。出力インターフェイス1
65には燃料噴射弁125および制御弁134が接続さ
れており、内燃機関制御装置16の演算結果に基づく制
御信号によって制御される。
【0019】図2は図1で説明したVVT133の詳細
な構成を示す断面図である。このVVT133は油圧に
よって駆動される。オイルパン201に貯蔵された作動
油はポンプ202で加圧され、フィルタ203で濾過さ
れ制御弁134で流量制御された後にVVT133に供
給される。吸気弁用カムシャフト131の先端に取り付
けられたキャップ204の内側には歯204aが形成さ
れ、吸気弁用カムシャフト131と同軸に配置されるタ
イミングプーリ132にも歯132aが形成される。な
お、歯204aと132aのうち、少なくとも一方は斜
歯となっている。
【0020】リングギヤ205の内側にはタイミングプ
ーリ132に形成された歯132aと嵌合する歯205
aが形成され、外側にはキャップ204の内側に形成さ
れた歯204aと嵌合する歯205bが形成される。リ
ングギヤ205は、リングギヤ205とタイミングプー
リ132との間に配置されるバネ206によってキャッ
プ204側に付勢されている。
【0021】制御弁134を出た作動油は流路を介して
キャップ204とリングギヤ205との間に形成される
加圧室207に供給され、リングギヤ205をカムシャ
フト131の軸方向に変位させる。相互に嵌合する2組
の歯のうち少なくとも一方は斜歯に形成されているた
め、リングギヤ205が軸方向に変位するとカムシャフ
トには捩じりが与えられ、クランクシャフトに対するカ
ムシャフトの位相を調整することが可能となる。
【0022】なお、制御弁134が全閉となり作動油の
供給が止まると、リングギヤ205はバネ206の付勢
力によってキャップ204側の所定位置(初期位置)に
戻される。次に、以上のように構成された内燃機関のバ
ルブ開閉タイミング制御装置の動作をフローチャートを
用いて説明する。
【0023】最初に、開閉機構によって開閉される吸気
弁、或いは排気弁の開閉タイミングを、2段階に非連続
的に切り換えることができるVVT133を備えたバル
ブ開閉タイミング制御装置の動作を、本発明の第1の実
施例として図3から図12を用いて説明する。第1の実
施例においては、機関の加速時に生じる機関回転数NE
の変化率ΔNEは徐々に大きくなり、選択された変速機
のギヤ位置(シフト位置)により或る一定値に収束する
ことを利用して、機関の加速時に現在の機関回転数NE
における機関回転数の変化率ΔNEに基づくバルグ開閉
タイミング切換目標回転数NEvnとギヤ位置に基づくバ
ルブ開閉タイミング切換目標回転数NEvgとを比較選択
してバルブ開閉タイミング切換を行い、VVTの切り換
え遅れを無くすようにしている。
【0024】すなわち、この第1の実施例では、機関の
加速時にシフト位置からバルブ開閉タイミング切り換え
の目標回転数NEvgを求め、現在の機関回転数NEにお
ける機関回転数の変化率ΔNEに基づくバルブ開閉タイ
ミング切換目標回転数NEvnとの比較を行ない、現在の
機関回転数NEに近い切換目標回転数を最終切換目標回
転数NEv として、機関の回転数NEがこの最終目標回
転数NEv になったら直ちにVVTを切り換えるように
して、VVTの切り換え遅れを無くすようにしている。
【0025】図5は変速機の各シフト位置において得ら
れる収束値である機関回転数の変化率ΔNEg の状態を
示すものであり、実線が主に平地での特性、破線が主に
登坂時の特性、一点鎖線が主に高地でのWOTでの特性
を示している。このように、シフト位置と機関回転数の
変化率ΔNEg とは対応している。図3は加速時のVV
Tの切換タイミング制御を示すフローチャートであり、
所定時間毎に行われる。ステップ301では、スロット
ル開度TAが所定値Aより大きいか否かが判定される。
この判定は機関が加速状態か否かを判定するものであ
り、機関回転数が高い時にはスロットル開度も大きいの
で、この所定値Aは機関回転数NEに応じて変化する値
である。図4に機関回転数NEに応じたこの所定値Aの
推移を示す。
【0026】ステップ301においてTA>Aの時は機
関の加速状態であり、この時はステップ302に進んで
シフト位置(ギヤ位置)が検出される。そして、続くス
テップ303において、このシフト位置に応じたVVT
(バルブ開閉タイミング可変アクチュエータ)の切り換
え作動タイミングとなる目標バルブ開閉タイミング切換
回転数NEvgが演算される。この演算は図1に示したメ
モリ163に記憶させた図6に示すマップを用いて演算
される。一方、ステップ301においてNE≦Aの時は
ステップ304に進み、VVTの目標バルブ開閉タイミ
ング切換回転数NEvgが図6に示す所定値Bとなる。こ
の所定値Bはシフト位置が5速の時の目標バルブ開閉タ
イミング切換回転数NEvgよりも大きな値である。
【0027】ステップ303またはステップ304が終
了するとステップ305に進み、機関回転数NEの変化
率ΔNEが取り込まれる。この変化率ΔNEの演算は、
図示しないルーチンにおいて所定時間毎に実行されてい
る。そして、続くステップ306では、変化率ΔNEに
応じたVVTの切り換え作動タイミングとなる目標バル
ブ開閉タイミング切換回転数NEvnが演算される。この
演算は図1に示したメモリ163に記憶させた図7に示
すマップを用いて演算される。
【0028】続くステップ307では、ステップ303
で演算された目標バルブ開閉タイミング切換回転数NE
vgとステップ306で演算された目標バルブ開閉タイミ
ング切換回転数NEvnとの大小が比較される。そして、
NEvg<NEvnの時はステップ308に進み、最適目標
バルブ開閉タイミング切換回転数NEv がシフト位置に
応じて演算された目標バルブ開閉タイミング切換回転数
NEvgとなり、NEvg≧NEvnの時はステップ309に
進み、最適目標バルブ開閉タイミング切換回転数NEv
が機関回転数の変化率ΔNEに応じた目標バルブ開閉タ
イミング切換回転数NEvnとなる。このようにして、最
適目標バルブ開閉タイミング切換回転数NEv が演算さ
れるとステップ310に進む。
【0029】このステップ310はスロットル開度TA
が所定開度、例えば30°より大きいか否かを判定する
ものであり、この判定は、スロットル開度TAが30°
以下の時に吸気弁と排気弁のオーバラップが大きくなる
ような内燃機関において、スロットル開度TAが30°
以下の時にVVTを強制的に高速カムに切り換えるため
に実行されるものである。従って、スロットル開度が小
さい時に吸気弁と排気弁のオーバラップが大きくならな
いような内燃機関においてはこの判定ステップ310は
設ける必要はない。
【0030】続くステップ311では、最適目標バルブ
開閉タイミング切換回転数NEv を現在の機関回転数N
Eが越えたか否かが判定され、NE>NEv の時はステ
ップ312に進んでVVTを高速カムに切り換える動作
が行われ、NE≦NEv の時はステップ313に進んで
VVTを低速カムに切り換える動作が行われた後、この
ルーチンを終了する。
【0031】図8は、スロットル開度TAが30°以下
の時に吸気弁と排気弁のオーバラップが大きくなるよう
な内燃機関における、最適目標バルブ開閉タイミング切
換回転数NEv に対する機関回転数NEとスロットル開
度TAに応じたVVTの高速、低速カムの動作領域を示
すものである。このように、第1の実施例では、機関回
転数の変化率ΔNEとシフト位置に応じたVVTの切り
換え作動タイミングが両方求められ、現在の機関の運転
状態に応じた最適切換タイミングが選択されてVVTが
切り換えられるので、機関の加速時のVVTの切換タイ
ミングの制御遅れを小さくすることができる。
【0032】図9は第1の実施例の減速時のVVTの切
換タイミング制御を示すフローチャートである。減速時
はまずステップ900において現在のVVTが高速カム
であるか否かが判定され、低速カムである時はステップ
301に進み、高速カムである時のみステップ901に
進む。ステップ901では、スロットル開度TAが所定
値aより小さいか否かが判定される。この判定は機関が
減速状態か否かを判定するものであり、機関回転数が高
い時にはスロットル開度も大きいので、この所定値aは
機関回転数NEに応じて変化する値である。図10に機
関回転数NEに応じたこの所定値aの推移を示す。
【0033】ステップ901においてTA<aの時は機
関の減速状態であり、この時はステップ902に進んで
シフト位置(ギヤ位置)が検出される。そして、続くス
テップ903において、このシフト位置に応じたVVT
の切り換え作動タイミングとなる減速時の目標バルブ開
閉タイミング切換回転数NEvgnが演算される。この演
算は図1に示したメモリ163に記憶させた図11に示
すマップを用いて演算される。一方、ステップ901に
おいてNE≦aの時はステップ904に進み、VVTの
目標バルブ開閉タイミング切換回転数NEvgn が図11
に示す所定値bとなる。この所定値bはシフト位置が5
速の時の目標バルブ開閉タイミング切換回転数NEvgn
よりも小さな値である。
【0034】ステップ903またはステップ904が終
了するとステップ905に進み、機関回転数NEの減速
時の変化率ΔNE (負の値) が取り込まれる。この減速
時の変化率ΔNEの演算も、図示しないルーチンにおい
て所定時間毎に実行されている。そして、続くステップ
906では、減速時の変化率ΔNEに応じたVVTの切
り換え作動タイミングとなる目標バルブ開閉タイミング
切換回転数NEvnnが演算される。この演算は図1に示
したメモリ163に記憶させた図12に示すマップを用
いて演算される。
【0035】続くステップ907では、ステップ903
で演算された目標バルブ開閉タイミング切換回転数NE
vgn とステップ906で演算された目標バルブ開閉タイ
ミング切換回転数NEvnn との大小が比較される。そし
て、NEvgn <NEvnn の時はステップ908に進み、
最適目標バルブ開閉タイミング切換回転数NEv がシフ
ト位置に応じて演算された目標バルブ開閉タイミング切
換回転数NEvgn となり、NEvgn ≧NEvnn の時はス
テップ909に進み、最適目標バルブ開閉タイミング切
換回転数NEv が機関回転数の減速時の変化率ΔNEに
応じた目標バルブ開閉タイミング切換回転数NEvnn と
なる。このようにして、最適目標バルブ開閉タイミング
切換回転数NEv が演算されるとステップ910に進
む。
【0036】このステップ310はスロットル開度TA
が所定開度、例えば30°より大きいか否かを判定する
ものであり、この判定は、スロットル開度が小さい時に
吸気弁と排気弁のオーバラップが大きくならないような
内燃機関においてはこの判定ステップ310は設ける必
要はない。スロットル開度TAが30°以上の時にはス
テップ912に進み、スロットル開度TAが30°以下
の時にはステップ911に進む。
【0037】ステップ911では、最適目標バルブ開閉
タイミング切換回転数NEv より現在の機関回転数NE
が小さいか否かが判定され、NE<NEv の時はステッ
プ912に進んでVVTを高速カムに切り換える動作が
行われ、NE≧NEv の時はステップ913に進んでV
VTを低速カムに切り換える動作が行われた後、このル
ーチンを終了する。
【0038】このように、第1の実施例では、減速時に
も機関回転数の変化率ΔNEとシフト位置に応じたVV
Tの切り換え作動タイミングが両方求められ、現在の機
関の運転状態に応じた最適切換タイミングが選択されて
VVTが切り換えられるので、機関の減速時のVVTの
切換タイミングの制御遅れを小さくすることができる。
【0039】図13は前述の第1の実施例の加速時のV
VTの切換タイミング制御の変形例のフローチャートで
ある。この変形例では、機関の加速時にシフト位置に応
じて演算したVVTの切り換え作動タイミングとなる目
標バルブ開閉タイミング切換回転数NEvgを、機関の定
常状態とは異なる運転状態の時に補正した点が図3で説
明した制御手順と異なるだけで、他の制御手順は図3で
説明したフローチャートと同じである。従って、図3の
フローチャートと同じ制御については同じステップ番号
を付してその説明を簡略化する。
【0040】この変形例においては、図3で説明した加
速時のVVTの切換タイミング制御の制御手順と同様
に、ステップ301からステップ306において、機関
の加速時のシフト位置に応じたVVTの目標バルブ開閉
タイミング切換回転数NEvgと定常時のVVTの目標バ
ルブ開閉タイミング切換回転数NEvg、および機関回転
数の変化率ΔNEに応じたVVTの目標バルブ開閉タイ
ミング切換回転数NEvnが演算される。
【0041】続くステップ1301では、ステップ30
3で演算された目標バルブ開閉タイミング切換回転数N
Evgが、車両が坂道走行した時、高地走行した時、およ
び機関負荷の大小によって補正される。車両が坂道を走
行する時の補正係数K1は、図14に示す特性図から求
めることができ、平坦地の値を1.0として、登坂時は
坂の傾斜に応じてK1の値がK1>1.0の値となり、
降坂時は坂の傾斜に応じてK1の値がK1<1.0とな
る。また、車両が高地を走行する時の補正係数K2は、
図15に示す特性図から求めることができ、平地の値を
1.0として、高地を走行する時は、高度に応じてK2
の値がK2>1.0の値となる。更に、機関負荷に応じ
た補正係数K3は図16に示す特性図から求めることが
でき、負荷が大きい時にK3>1.0の値となる。
【0042】このようにして求められた補正係数K1,
K2,K3がステップ1301において目標バルブ開閉
タイミング切換回転数NEvgに乗算され、補正目標バル
ブ開閉タイミング切換回転数NEvgo が演算される。そ
して、ステップ1302では、ステップ1301で演算
された補正目標バルブ開閉タイミング切換回転数NEvg
o とステップ306で演算された目標バルブ開閉タイミ
ング切換回転数NEvnとの大小が比較される。そして、
NEvgo<NEvnの時はステップ1303に進み、最適
目標バルブ開閉タイミング切換回転数NEv が補正目標
バルブ開閉タイミング切換回転数NEvgoとなり、NEv
go≧NEvnの時はステップ309に進み、最適目標バル
ブ開閉タイミング切換回転数NEv が機関回転数の変化
率ΔNEに応じた目標バルブ開閉タイミング切換回転数
NEvnとなる。このようにして、最適目標バルブ開閉タ
イミング切換回転数NEv が演算されるとステップ31
0に進む。
【0043】ステップ310以降の制御は図3で説明し
た制御手順と同じであるので、その説明は省略する。こ
の変形例では、目標バルブ開閉タイミング切換回転数N
Evgが、車両が坂道走行した時、高地走行した時、およ
び機関負荷の大小によって補正されるので、VVTの切
換タイミングが一層正確になる。
【0044】次に、開閉機構によって開閉される吸気
弁、或いは排気弁の開閉タイミングを、連続的に切り換
えることができるVVT(バルブ開閉タイミング可変ア
クチュエータ)133を備えたバルブ開閉タイミング制
御装置の動作を、本発明の第2の実施例として図17か
ら図20を用いて説明する。なお、この第2の実施例で
は、吸気系に図20(a) ,(b) に示す可変吸気システム
を採用した内燃機関のバルブ開閉タイミング制御装置に
ついて説明する。可変吸気システムは、吸気管121の
スロットル弁123の下流側にあるサージタンク20の
内部を2分割している隔壁21に吸気制御弁22を設
け、この吸気制御弁22を機関回転数NEおよびスロッ
トル開度TAに応じて開閉することにより、実質的な吸
気管長を2段階に制御し、低速から高速までの全域に渡
って出力の向上を図ったものである。また、吸気制御弁
の切り換えに伴い、機関回転数と負荷から定まる要求バ
ルブ開閉タイミングを変更することにより、一層の出力
向上を図ったものである。
【0045】吸気制御弁22は、図20(b) に示すよう
に、ダイアフラム式のアクチュエータ23によって駆動
されるようになっており、このアクチュエータ23の駆
動源はVSV(負圧切換弁)24を介してバキュームタ
ンク25から導かれる負圧である。このVSV24は、
エンジンコントロールコンピュータ(内燃機関制御装
置)16からの信号によって、機関回転数NEおよびス
ロットル開度TAに応じてオンオフされ、アクチュエー
タ23に作用する負圧を切り換えるようになっている。
【0046】一般に、機関が中、低速回転域でスロット
ル開度が大きい時、または、機関が高回転域でスロット
ル開度が小さい時に、VSV24に信号が出力され、負
圧がアクチュエータ23に作用して吸気制御弁22が全
閉(吸気制御弁低速側)となって吸気管長が実質的に長
くなり、吸気慣性効果による吸入効率が中、低速域向上
して出力が高まるようになっている。また、機関が中、
低速回転域でスロットル開度が小さい時、または、機関
が高回転域でスロットル開度が大きい時にはVSV24
への信号がなく、大気圧がアクチュエータ23に作用し
て吸気制御弁22が開く(吸気制御弁高速側)ことによ
って吸気管長が実質的に短くなり、吸入効率のピークが
高回転域に移ることによって高回転域での出力が向上す
るようになっている。
【0047】なお、吸気制御弁22の切り換えに要する
時間よりも、VVTが所定の開閉タイミングになるよう
に作動される時間の方が、一般的に長い。吸気制御弁2
2の開閉状態により機関回転数と負荷とから定められる
バルブ開閉タイミングが変わるため、本実施例の内燃機
関のバルブ開閉タイミング制御装置では、図19に示す
ように、機関回転数NEと負荷GNにより定まるバルブ
開閉タイミングのマップを吸気制御弁低速側(低速マッ
プとして図に実線で示す)と、吸気制御弁高速側(高速
マップとして図に破線で示す)の2通り有している。な
お、ここでのマップは、等しい負荷GNでのマップ値の
一例を示す。図17は第2の実施例におけるVVT13
3の制御手順を示すフローチャートであり、所定時間毎
に行われる。なお、図17のフローチャートにおいて図
3で説明したステップと同じステップには同じステップ
番号を付して説明する。
【0048】ステップ301では、スロットル開度TA
が所定値Aより大きいか否かが判定される。この判定は
機関が加速状態か否かを判定するものであり、機関回転
数が高い時にはスロットル開度も大きいので、この所定
値Aは機関回転数NEに応じて変化する値であり、図4
にその特性が示される。ステップ301においてTA>
Aの時は機関の加速状態であり、この時はステップ30
2に進んでシフト位置(ギヤ位置)が検出される。そし
て、続くステップ1701において、このシフト位置に
応じたVVT(バルブ開閉タイミング可変アクチュエー
タ)133の制御マップ(図19参照)の切換回転数N
Evgが演算される。この演算は図1に示したメモリ16
3に記憶させた図6に示すマップを用いて演算される。
一方、ステップ301においてNE≦Aの時はステップ
304に進み、VVTの目標バルブ開閉タイミング切換
回転数NEvgが図6に示す所定値Bとなる。この所定値
Bはシフト位置が5速の時の目標バルブ開閉タイミング
切換回転数NEvgよりも大きな値である。
【0049】ステップ304またはステップ1701が
終了するとステップ305に進み、機関回転数NEの変
化率ΔNEが取り込まれる。この変化率ΔNEの演算
は、図示しないルーチンにおいて所定時間毎に実行され
ている。そして、続くステップ1702では、変化率Δ
NEに応じたVVT133の制御マップの切換回転数N
Evnが演算される。この演算は図1に示したメモリ16
3に記憶させた図7に示すマップを用いて演算される。
【0050】続くステップ307では、ステップ170
1で演算されたVVT制御マップの切換回転数NEvgと
ステップ1702で演算されたVVT制御マップの切換
回転数NEvnとの大小が比較される。そして、NEvg<
NEvnの時はステップ308に進み、最適VVT制御マ
ップの切換回転数NEv がシフト位置に応じて演算され
た目標VVT制御マップの切換回転数NEvgとなり、N
Evg≧NEvnの時はステップ309に進み、最適VVT
制御マップの切換回転数NEv が機関回転数の変化率Δ
NEに応じた目標VVT制御マップの切換回転数NEvn
となる。このようにして、最適目標VVT制御マップの
切換回転数NEv が演算されるとステップ1703に進
む。
【0051】ステップ1703では、最適目標VVT制
御マップの切換回転数NEv を、機関の暖機状態に応じ
て補正するための補正係数Kが演算される。即ち、最適
目標VVT制御マップの切換回転数NEv を、機関の水
温THWまたは油温THOに応じて補正するための補正
係数Kが演算される。この補正係数Kは図18の特性図
に示すように、機関が通常温度(水温THWが70℃程
度)にある時が1.0であり、機関温度がこの通常温度
より低い場合、および、高い場合にK<1.0の値とな
る。
【0052】続くステップ1704では、ステップ17
03で求められた補正係数Kが最適目標VVT制御マッ
プの切換回転数NEv に乗算され、最適目標VVT制御
マップの切換回転数NEv が補正される。続くステップ
1705では、最適目標VVT制御マップ切換回転数N
Ev を現在の機関回転数NEが越えたか否かが判定さ
れ、NE>NEv の時はステップ1706に進んで吸気
制御弁高速側のVVT制御マップ(図19の高速マッ
プ)に切り換える動作が行われ、NE≦NEv の時はス
テップ1710に進んで吸気制御弁低速側のVVT制御
マップ(図19の低速マップ)に切り換える動作が行わ
れる。
【0053】この吸気制御弁低速側のVVT制御マップ
は図19(a) に実線で示されるような回転数−負荷特性
を備えており、吸気制御弁高速側のVVT制御マップは
図19(a) に破線で示されるような回転数−負荷特性を
備えている。そして、この図19(a) のVVT制御マッ
プの或る負荷における機関回転数とVVTの位相値との
関係を取り出すと、図19(b) のようになる。
【0054】そして、ステップ1710に進んだ場合は
吸気制御弁低速側のVVT制御マップに切り換えられた
後にこのルーチンを終了するが、ステップ1706に進
んで吸気制御弁高速側のVVT制御マップに切り換えら
れた後は、ステップ1707において吸気制御弁22
(図20参照)の切換条件か否かが判定される。この判
定は、現在の機関回転数NEが予め定められた吸気制御
弁切換回転数NEinより大きくなったか否かで判定され
る。
【0055】そして、NIin<NEの場合はステップ1
708に進み、吸気制御弁22を高速側に切り換える動
作が行われる。実際には、図20(b) に示したVSV2
4がオフされ、大気圧がアクチュエータ23に作用して
吸気制御弁22が開かれ、吸気管長が実質的に短くなっ
て高速回転域での出力が高まる。一方、NIin≧NEの
場合はステップ1709に進み、吸気制御弁22を低速
側に切り換える動作が行われる。実際には、図20(b)
に示したVSV24がオンされ、負圧がアクチュエータ
23に作用して吸気制御弁22が全閉になり、吸気管長
が長くなって中、低速回転域での出力が高まる。ステッ
プ1708または1709において吸気制御弁22の切
換制御が行われた後にこのルーチンを終了する。
【0056】図24にで示す曲線は、吸気制御弁22
が低速側の状態にあり、この状態に適した位相値でVV
Tを制御した場合のトルク特性である。また、で示す
曲線は、吸気制御弁22が高速側の状態にあり、この状
態に適した位相値でVVTを制御した場合のトルク特性
である。そして、で示す曲線は、吸気制御弁22が高
速側の状態にあるが、の状態に適した位相値でVVT
を制御した場合のトルク特性である。また、図中のNE
inは吸気制御弁22の切換回転数である。
【0057】以上説明した実施例では、図25に示すよ
うに機関回転数が低い時にはVVTは低速マップによっ
て制御され、機関回転数が高い時には高速マップによっ
て制御されている。そして、最適目標VVT制御マップ
切換回転数NEv を現在の機関回転数NEが越えた場合
には、VVTの制御マップが低速マップから高速マップ
に切り換えられるので、機関回転数NEvにおけるVV
Tの位相値は低速マップ上のP点の値よりも大きい、高
速マップ上のQ点の値となる。従って、機関回転数NE
vを越えて機関が加速された場合は、機関回転数NEv
を越えた時点でVVTの位相値が高速側に切り換わる。
実際のVVTの位相値は応答遅れによってすぐには高速
マップ上の位相値には切り換わらないが、吸気制御弁2
2が低速側から高速側に切り換わる機関回転数NEinに
おいては高速マップ上の位相値に切り換わっている。よ
って、トルクは図24に示した,の曲線上を推移す
るので、吸気制御弁の切換に対するVVTの制御遅れが
発生せず、常に最適のトルク特性が得られることにな
る。図25における破線は、吸気制御弁が切り換わる時
点で制御マップを変更するようにした場合の従来のVV
Tの位相値の変化を示すものである。この従来の制御で
はVVTの応答遅れによって加速時になかなかVVTの
位相値が高速マップ上の位相値に切り換わらない。よっ
て、従来の制御では加速時のトルクが不足することにな
る。
【0058】なお、吸気流量特性の変更は、前述のよう
にサージタンクに吸気制御弁22を設けて行う以外にも
実際に吸気管長や吸気管の断面積を変更するようにして
も良い。更には、スーパーチャージャのON/OFFに
よる変更、排気系にターボチャージャを複数備えるもの
におけるターボチャージャの使用個数の変更、或いは排
圧制御弁を備えるものにあっては、排圧制御弁を制御す
ることによる変更等が考えられる。また、この第2の実
施例においても機関の減速時のタイミング制御は、加速
時の制御と同様に行われるので、その説明を省略する。
【0059】更に、開閉機構によって開閉される吸気
弁、或いは排気弁の開閉タイミングを、連続的に切り換
えることができるバルブ開閉タイミング可変アクチュエ
ータを備えたバルブ開閉タイミング制御装置の別の動作
を、本発明の第3の実施例として図21および図22を
用いて説明する。なお、この第3の実施例でも内燃機関
の吸気系には図20(a) ,(b) に示した可変吸気システ
ムが採用されているものとする。
【0060】この第3の実施例においては、バルブ開閉
タイミング(タイミングプーリとカムシャフトの位相差
で決まる)を制御するVVTの制御マップは1つであ
る。即ち、吸気制御弁低速側における機関回転数と負荷
により定まるバルブ開閉タイミングを与えるVVTの制
御マップと、吸気制御弁高速側における機関回転数と負
荷により定まるバルグ開閉タイミングを与えるVVTの
制御マップは、図22に示すように、所定回転数βでそ
の特性が急変するマップである。そして、この実施例で
は、このようなバルブ開閉タイミングを与えるVVTの
制御マップの特性が急変する部分において、吸気制御弁
が切り換えられた際のVVTの制御遅れを防止するもの
である。
【0061】図21は第3の実施例におけるVVT13
3の制御手順を示すフローチャートであり、所定時間毎
に行われる。なお、図21のフローチャートにおいて図
3と図17で説明したステップと同じステップには同じ
ステップ番号を付して説明する。ステップ301では、
スロットル開度TAが所定値Aより大きいか否かが判定
される。TA>Aの時は機関の加速状態であり、この時
はステップ302に進んでシフト位置(ギヤ位置)が検
出される。そして、続くステップ2101において、こ
のシフト位置に応じたVVT(バルブ開閉タイミング可
変アクチュエータ)133の強制進角回転数NEvgが演
算される。一方、ステップ301においてNE≦Aの時
はステップ304に進み、VVTの目標強制進角回転数
NEvgが図6に示す所定値Bとなる。この所定値Bはシ
フト位置が5速の時のVVTの目標強制進角回転数NE
vgよりも大きな値である。
【0062】ステップ304またはステップ2101が
終了するとステップ305に進み、機関回転数NEの変
化率ΔNEが取り込まれる。この変化率ΔNEの演算
は、図示しないルーチンにおいて所定時間毎に実行され
ている。そして、続くステップ2102では、変化率Δ
NEに応じたVVT133の強制進角回転数NEvnが演
算される。
【0063】続くステップ307では、ステップ210
1で演算されたVVT133の強制進角回転数NEvgと
ステップ2102で演算されたVVT133の強制進角
回転数NEvnとの大小が比較される。そして、NEvg<
NEvnの時はステップ308に進み、VVTの最適強制
進角回転数NEv がシフト位置に応じて演算された目標
強制進角回転数NEvgとなり、NEvg≧NEvnの時はス
テップ309に進み、VVTの最適強制進角回転数NE
v が機関回転数の変化率ΔNEに応じた目標強制進角回
転数NEvnとなる。このようにして、VVTの最適目標
強制進角回転数NEv が演算されるとステップ1703
に進む。
【0064】ステップ1703では、VVTの最適目標
強制進角回転数NEv を、機関の暖機状態に応じて補正
するための補正係数Kが演算される。即ち、VVTの最
適目標強制進角回転数NEv を、機関の水温THWまた
は油温THOに応じて補正するための補正係数Kが演算
される。この補正係数Kの特性は図18の特性図に示す
通りである。続くステップ1704では、ステップ17
03で求められた補正係数KがVVTの最適目標強制進
角回転数NEv に乗算され、VVTの最適目標強制進角
回転数NEv が補正される。
【0065】ステップ1704が終了するとステップ2
103に進み、現在の可変吸気システムが低速吸気側
(吸気制御弁が全閉状態)か否かが判定される。そし
て、可変吸気システムが低速吸気側の場合はステップ2
104に進み、現在の機関回転数NEがVVTの最適目
標強制進角回転数NEv を越えたか否かが判定される。
そして、NE>NEv の場合はステップ2105に進
み、VVTのバルブ切換タイミングが、通常のマップに
従った制御から一時的に強制的に進角(デューティ10
0%)にされる。
【0066】これは、図26に示すように、VVTのバ
ルブ開閉タイミング位相値を油圧で制御しているものに
おいて、油圧のデューティ比を大きく(ここでは100
%)して、強制的にVVTを進角制御することにより、
吸気制御弁切り換え時の応答遅れを、吸気制御弁の切り
換え前にVVTの進角を実行することによって抑制する
のである。なお、このVVTの強制進角制御は、図26
に示すように、通常マップに従った制御から、一時的に
機関回転数NEが機関回転数NEinになるまで実行され
る。
【0067】一方、ステップ2103で可変吸気システ
ムが高速吸気側(吸気制御弁が全開状態)である場合、
または、ステップ2104でNE≦NEv の場合はステ
ップ2106に進む。ステップ2106においては、機
関回転数NEと機関負荷に応じたVVTのバルブ開閉タ
イミングの目標値VVTo が、図22に示すような目標
マップを用いて演算される。そして、続くステップ21
07では、実際のVVTのバルブ開閉タイミングが目標
値VVTo になるようにフィードバック(F/B)制御
を行う指示がなされる。この指示によって、図示しない
ルーチンにおいて実際のVVTのバルブ開閉タイミング
が目標値VVTo になるようなフィードバック(F/
B)制御が実行される。
【0068】ステップ2105またはステップ2107
が終了した後はステップ1707からステップ1709
に進み、図17で説明したように、現在の機関回転数N
Eが予め定められた吸気制御弁切換回転数NEinより大
きくなった場合は吸気制御弁が高速側に切り換えられ、
現在の機関回転数NEが予め定められた吸気制御弁切換
回転数NEin以下の場合は、吸気制御弁が低速側に切り
換えられてこのルーチンを終了する。
【0069】このように、第3の実施例では、現在の機
関回転数NEがVVTの最適目標強制進角回転数NEv
を越えた場合には、直ちにVVTのバルブ開閉タイミン
グが進角制御されるので、図22に示したVVTの制御
マップにおいて特性が急変する場合でも、VVTの制御
の遅れが小さくなり、更に、図19に示したような機関
の回転数に応じた二重マップを持つ必要がなくなる。
【0070】最後に、開閉機構によって開閉される吸気
弁、或いは排気弁の開閉タイミングを、連続的に切り換
えることができるバルブ開閉タイミング可変アクチュエ
ータを備えたバルブ開閉タイミング制御装置の更に別の
動作を、本発明の第4の実施例として図23を用いて説
明する。なお、この第4の実施例でも内燃機関の吸気系
には図20(a) ,(b) に示した可変吸気システムが同様
に採用されているものとする。
【0071】この第4の実施例においては、第3の実施
例と同様の機関回転数と負荷から定められるバルブ開閉
タイミングを与えるVVTの制御マップを備えている。
そして、図21において説明した第3の実施例の制御の
ステップ2103までの制御と同じ制御が実行される。
そして、第3の実施例では現在の機関回転数NEがVV
Tの最適目標強制進角回転数NEv を越えた場合は、V
VTのバルブ開閉タイミングを強制的に進角制御するよ
うにしていたが、この第4の実施例では、現在の機関回
転数NEがVVTの最適目標強制進角回転数NEv を越
えた場合には、VVTの目標バルブ開閉タイミングを吸
気制御弁の低速側から高速側への切換点β(機関回転数
NEin) の値としている。従って、この第4の実施例で
は、ステップ1703までの制御の図示および説明は省
略し、ステップ1704以降の制御について説明する。
【0072】第4の実施例では、ステップ1704にお
いてステップ1703で求められた補正係数KがVVT
の最適目標強制進角回転数NEv に乗算され、最適目標
強制進角回転数NEv が補正された後、ステップ210
3において、現在の可変吸気システムが低速吸気側(吸
気制御弁が全閉状態)か否かが判定される。そして、可
変吸気システムが低速吸気側の場合はステップ2104
に進み、現在の機関回転数NEがVVTの最適目標強制
進角回転数NEv を越えたか否かが判定される。
【0073】そして、NE>NEv の場合はステップ2
301に進み、VVTのバルブ開閉タイミングの目標値
VVTo の値が吸気制御弁の切換点β (機関回転数NE
in)の値にされる。この切換点βは図22に示される。
一方、ステップ2103で可変吸気システムが高速吸気
側(吸気制御弁が全開状態)である場合、または、ステ
ップ2104でNE≦NEv の場合はステップ2106
に進む。ステップ2106においては、機関回転数NE
と機関負荷に応じたVVTのバルブ開閉タイミングを与
える目標値VVTo が、図22に示す目標マップを用い
て演算される。この時、吸気制御弁は閉じているので、
VVTのバルブ開閉タイミングの目標値VVTo は、機
関回転数が前述の切換点β (機関回転数NEin) におけ
る回転数よりも小さな領域において機関負荷に応じて演
算される。
【0074】ステップ2106の処理が終了するとステ
ップ2107に進む。ステップ2107では、実際のV
VTのバルブ開閉タイミングの目標値VVTo になるよ
うなフィードバック制御が行われる。ステップ2107
またはステップ2301が終了した後はステップ170
8からステップ1707に進み、図17で説明したよう
に、現在の機関回転数NEが予め定められた吸気制御弁
切換回転数NEinより大きくなった場合は吸気制御弁が
高速側に切り換えられ、現在の機関回転数NEが予め定
められた吸気制御弁切換回転数NEin以下の場合は、吸
気制御弁が低速側に切り換えられてこのルーチンを終了
する。
【0075】このように、第4の実施例では、現在の機
関回転数NEがVVTの最適目標強制進角回転数NEv
を越えた場合には直ちにVVTのバルブ開閉タイミング
の目標値VVTo が吸気制御弁の切換点β (機関回転数
NEin) の値に制御されるので、図22に示したVVT
の制御マップにおいて特性が急変する場合でも、VVT
の制御の遅れが小さくなり、更に、図19に示したよう
な機関の回転数に応じた二重マップを持つ必要がなくな
る。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の形
態は、内燃機関の吸気弁、或いは排気弁の開閉タイミン
グを、少なくとも2段階に非連続的に切換可能なVVT
を備えたバルブ開閉タイミング制御装置に適用されるも
のであり、機関の運転状態パラメータに応じて、VVT
の切換タイミングとなる機関回転数の目標値が、変速機
のシフト位置に基づいた値と、機関回転数の変化率に基
づいた値の2通り演算され、このうち現在の機関回転数
に近い方が最適目標値として選択され、この最適目標値
に実際の機関回転数が達した時にVVTの切換タイミン
グが切り換わるので、機関加速時のVVTの切換遅れを
小さくすることができるという効果がある。
【0077】また、本発明の第2の形態は、内燃機関の
吸気弁、或いは排気弁の開閉タイミングを、連続的に切
り換え可能なVVTを備えたバルブ開閉タイミング制御
装置に適用されるものであり、機関の運転状態パラメー
タに応じて、機関回転数と負荷とからバルブ開閉タイミ
ングが演算して設定され、この設定された開閉タイミン
グになるようにバルブ開閉タイミングが変更されると共
に、吸気制御弁または排気弁の流量効率が変更され、そ
してバルブ開閉タイミングの変更に要する時間が吸気制
御弁または排気弁の流量効率の変更に要する時間より長
くなる過渡時に、吸気制御弁または排気弁の流量効率の
変更に先立って、バルブ開閉タイミングの変更に要する
時間の遅れが補償されるので、機関加速時のVVTの切
換遅れを小さくすることができるという効果がある。
【0078】なお、バルブ開閉タイミングを複数のマッ
プで設定するようにすれば、吸、排気系の流量特性の急
激な変化があっても、VVTの目標切換タイミングのマ
ップを変更することで、精度良くVVTの切換タイミン
グの制御遅れを防止することができる。更に、バルブ開
閉タイミングの設定を現在の機関回転数に所定回転数加
減した回転数によって行うようにすれば、バルブ開閉タ
イミングの設定を1つのマップで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関のバルブ開閉タイミング
制御装置の構成図である。
【図2】図1のバルブ開閉タイミング制御装置に使用す
る油圧式のバルブ開閉タイミング可変アクチュエータ
(VVT)の一例の断面図である。
【図3】本発明の内燃機関のバルブ開閉タイミング制御
装置の第1の実施例における機関の加速時のVVTのタ
イミング制御手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施例において使用するスロットル弁開
度の開度判定基準値の機関回転数に対する推移を示すマ
ップ図である。
【図5】本発明において機関回転数の変化率が変速機の
シフト位置に対応することを説明するための説明図であ
る。
【図6】第1の実施例において、シフト位置に対するV
VTの切換タイミングに相当する機関回転数を演算する
ためのマップ図である。
【図7】第1の実施例において、機関回転数の変化率に
対するVVTの切換タイミングに相当する機関回転数を
演算するためのマップ図である。
【図8】図3の制御手順によって実施されるVVTの低
速、高速カムの動作領域を、機関回転数とスロットル開
度に応じて示す説明図である。
【図9】本発明の内燃機関のバルブ開閉タイミング制御
装置の第1の実施例における機関の減速時のVVTのタ
イミング制御手順を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施例において、機関の減速時に使用
するスロットル弁開度の開度判定基準値の機関回転数に
対する推移を示すマップ図である。
【図11】第1の実施例において、機関減速時のシフト
位置に対するVVTの切換タイミングに相当する機関回
転数を演算するためのマップ図である。
【図12】第1の実施例において、機関減速時の機関回
転数の負の変化率に対するVVTの切換タイミングに相
当する機関回転数を演算するためのマップ図である。
【図13】本発明の内燃機関のバルブ開閉タイミング制
御装置の第1の実施例の変形例における機関加速時のV
VTのタイミング制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図14】図13の制御手順において演算する坂道補正
係数K1を求めるためのマップ図である。
【図15】図13の制御手順において演算する高地補正
係数K2を求めるためのマップ図である。
【図16】図13の制御手順において演算する負荷補正
係数K3を求めるためのマップ図である。
【図17】本発明の内燃機関のバルブ開閉タイミング制
御装置の第2の実施例の機関加速時のVVTのタイミン
グ制御手順を示すフローチャートである。
【図18】図17の制御手順において演算する補正係数
Kを求めるためのマップ図である。
【図19】(a) は図17の制御手順において使用するV
VT制御マップ、(b) はある負荷におけるVVT制御マ
ップの機関回転数に対するVVTの位相値の特性を示す
マップである。
【図20】(a) は本発明の第2の実施例を適用する内燃
機関の吸気系の構成を示すものであり、吸気管のサージ
タンク内の隔壁に設けられた吸気制御弁を説明する説明
図、(b) は吸気制御弁の制御系の構成を示す構成図であ
る。
【図21】本発明の内燃機関のバルブ開閉タイミング制
御装置の第3の実施例の機関加速時のVVTのタイミン
グ制御手順を示すフローチャートである。
【図22】第3図の実施例における機関回転数に対する
吸気制御弁の開閉特性、およびVVTの切換回転数の目
標値の吸気制御弁の開閉特性に応じた変化を示すマップ
図である。
【図23】本発明の内燃機関のバルブ開閉タイミング制
御装置の第4の実施例の機関加速時のVVTのタイミン
グ制御手順を示すフローチャートである。
【図24】本発明のバルブ開閉タイミング制御装置にお
ける吸気制御弁の状態とVVTの位相値とをパラメータ
とした機関回転数に対するトルク変化を示すマップ図で
ある。
【図25】本発明のバルブ開閉タイミング制御装置にお
ける機関回転数に対する吸気制御弁の状態と、VVTの
吸気制御弁の状態に応じた位相値の変化を示すマップ図
である。
【図26】本発明の内燃機関のバルブ開閉タイミング制
御装置の第3の実施例におけるデューティ値の変更によ
るVVTの強制進角制御を説明する説明図である。
【符号の説明】
16…エンジンコントロールコンピュータ(内燃機関制
御装置) 20…サージタンク 21…隔壁 22…吸気制御弁 23…アクチュエータ 24…VSV(負圧切換弁) 25…バキュームタンク 111…ピストン 113…クランクシャフト 115…第1の磁気センサ 121…吸気管 123…スロットル弁 124…スロットル弁開度センサ 13…吸気弁 131…吸気弁カムシャフト 133…VVT 134…制御弁 136…第2の磁気センサ 151…第1の回転数センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02B 27/02 F02B 27/02 M F02D 29/00 F02D 29/00 C 45/00 312 45/00 312M 312N (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F01L 1/34 F01L 13/00 301

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関において、開閉機構によって開
    閉される吸気弁、或いは排気弁の開閉タイミングを、少
    なくとも2段階に非連続的に切り換えることができるバ
    ルブ開閉タイミング可変アクチュエータを備えたバルブ
    開閉タイミング制御装置であって、 機関回転数、変速機のシフト位置を含む機関の運転状態
    パラメータを検出する機関の運転状態検出手段と、 前記非連続式のバルブ開閉タイミング可変アクチュエー
    タの切り換え作動タイミングとなる機関回転数の目標値
    を、変速機のシフト位置に基づいて演算する第1の切換
    目標値演算手段と、 前記非連続式のバルブ開閉タイミング可変アクチュエー
    タの切り換え作動タイミングとなる機関回転数の目標値
    を、機関回転数の変化率に基づいて演算する第2の切換
    目標値演算手段と、 前記第1、第2の切換目標値のうち、現在の機関回転数
    に近い切換目標値を最適切換目標値として設定する最適
    切換目標値設定手段と、 この最適切換目標値に実際の機関回転数が達した時に、
    前記バルブ開閉タイミング可変アクチュエータの切り換
    え作動タイミングを切り換える切換タイミング制御手段
    と、 を備えることを特徴とする内燃機関のバルブ開閉タイミ
    ング制御装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関において、開閉機構によって開
    閉される吸気弁、或いは排気弁の開閉タイミングを、連
    続的に切り換えることができるバルブ開閉タイミング可
    変アクチュエータを備えたバルブ開閉タイミング制御装
    置であって、 機関回転数、負荷を含む機関の運転状態パラメータを検
    出する機関の運転状態検出手段と、 機関回転数と負荷とからバルブ開閉タイミングを演算し
    て設定するバルブ開閉タイミング設定手段と、 このバルブ開閉タイミング設定手段により設定された開
    閉タイミングになるように、前記バルブ開閉タイミング
    可変アクチュエータのバルブの開閉タイミングを変更す
    る連続式バルブ開閉タイミング変更手段と、 吸気または排気の流量効率を変更する流量効率変更手段
    と、 前記流量効率変更手段の変更に先立って、前記連続式バ
    ルブ開閉タイミング可変手段の制御遅れを補償する補償
    手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関のバルブ開閉タイミ
    ング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記補償手段は、前記流量効率変更手段
    の動作に応じた前記バルブ開閉タイミング設定手段の開
    閉タイミングを複数通り有し、前記流量効率変更手段の
    変更に先立って、或る開閉タイミング設定値から別の開
    閉タイミング設定値に変更するものであることを特徴と
    する請求項2に記載の内燃機関のバルブ開閉タイミング
    制御装置。
  4. 【請求項4】 前記補償手段は、前記流量効率変更手段
    の変更に先立って、現在の機関回転数に所定回転数加減
    した回転数におけるバルブ開閉タイミングを前記バルブ
    開閉タイミング設定手段から求め、前記連続式バルブ開
    閉タイミング変更手段の設定された開閉タイミングとす
    ることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のバルブ
    開閉タイミング制御装置。
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