JP3036314U - 光再生装置 - Google Patents

光再生装置

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JP3036314U
JP3036314U JP1996009812U JP981296U JP3036314U JP 3036314 U JP3036314 U JP 3036314U JP 1996009812 U JP1996009812 U JP 1996009812U JP 981296 U JP981296 U JP 981296U JP 3036314 U JP3036314 U JP 3036314U
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清治 梶山
康行 加納
真人 山田
洋一 土屋
秀一 市浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長635nmのレーザビームに対してCD
−Rの反射率は10%以下と低いため、波長635nm
のレーザビームのみではDVDとCD−Rとの互換再生
をすることができない。 【解決手段】 DVDに対して20〜40%若しくは7
0%以上の反射率がある波長635nmのレーザビーム
を発する第1の半導体レーザチップと、CD−Rに対し
て60〜70%の反射率がある波長780nmのレーザ
ビームを発する第2の半導体レーザチップとを1つの半
導体レーザ中にマウントした半導体レーザを光源として
用い、波長635nmのレーザビームはそのまま透過
し、波長780nmのレーザビームの外周部を光軸の外
側に回折させる波長選択性回折格子を用いる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、基板厚の異なる複数種類の光ディスク、特に、波長635nmのレ ーザビームに対して反射率が10%以下の光ディスクと反射率が20%以上の光 ディスクとを互換再生できる再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−ROMのように半導体レーザを用いて情報を読み出す約1.2mmの厚 さの光ディスクが提供されている。この種の光ディスクではピックアップ用対物 レンズにフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うことにより、信号記録 面のピット列にレーザビームを照射させ、信号を再生している。また、最近では 長時間の動画を記録するための高密度化が進んでいる。
【0003】 例えば、CD−ROMと同じ直径12cmの光ディスクに、片面で4.7Gb yteの情報を記録するDVD規格が提案されている。DVDのディスク厚は約 0.6mmであり、これを両面貼り合わせることにより、1枚で9.4Gbyt eの情報を記録できる。また、直径、基板厚、記録密度がCDと同じである追記 可能な光ディスクとしてCD−Rもある。
【0004】 今後、これら3種類の光ディスクの併存が考えられるため3種類の光ディスク を互換再生できる装置が必要である。DVDとCD、CD−Rではディスク基板 の厚みが異なるため1つの光ピックアップで両者を再生できない。 そこで、特開平5−303766号公報には、厚さ0.6mmの薄型基板を有 する高密度の光ディスクと、厚さ1.2mmの標準厚の基板を有する標準密度の 光ディスクとを、1個の光ピックアップによって再生できるようにする装置が提 案されている。
【0005】 この技術は短波長のレーザビームにて高密度のディスクを再生すべく設計され た開口数0.6の対物レンズを用い、標準厚で標準密度の光ディスクを再生する 場合に、収差補正手段にレーザビームの外周側を遮光して実効的な開口数を減少 させるアパーチャを付加したものを対物レンズの光源側に介挿する装置である。 また、半導体レーザから出射されるレーザビームの外周部を選択的に遮光して レーザビームを集光する対物レンズの実効的開口数を変更する方法として出願人 は、特願平8−84307号においてレーザビームの偏光面を選択的に回転する 液晶と特定方向に偏光するレーザビームのみを透過させる偏光フィルタを組み合 わせる方法を提案し、この方法を用いて基板厚の異なる光ディスクを互換再生で きる技術を開示している。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
特願平8−84307号に開示された方法では、基板厚の異なるDVDとCD との互換再生は可能であるが、波長635nmのレーザビームを用いているため に、信号記録面の反射率が波長635nmのレーザビームに対しては10%以下 である基板厚1.2mmのCD−Rを再生することができない。
【0007】 そこで、本考案は、かかる問題点を解決し、基板厚が0.6mmのDVDと基 板厚が1.2mmで信号記録面の反射率が10%以下と低いCD−Rとの互換再 生が可能な光再生装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対物レンズにより再生条件の異なる光ディスクの記録面にレーザビ ームを照射し、記録面より反射されるレーザビームを光検出器に導く光学系を配 して成る光再生装置において、 620〜650nmの範囲の波長のレーザビームを発する第1発光素子と76 5〜795nmの範囲の波長のレーザビームを発する第2発光素子とを設けて成 る光源と、 第1発光素子と第2発光素子とを選択的に駆動するレーザ駆動回路と、 第1発光素子から発せられるレーザビームは全面的に透過し、第2発光素子か ら発せられるレーザビームの外周部をレーザビームの波長に起因して選択的に光 軸から外側に回折させる波長選択性回折格子とから成ることを特徴とする。
【0009】 また、本発明は、対物レンズにより再生条件の異なる光ディスクの記録面にレ ーザビームを照射し、記録面より反射されるレーザビームを光検出器に導く光学 系を配して成る光再生装置において、 620〜650nmの範囲の波長のレーザビームを発する第1発光素子と76 5〜795nmの範囲の波長のレーザビームを発する第2発光素子とを設けて成 る光源と、 第1発光素子と第2発光素子とを選択的に駆動するレーザ駆動回路と、 第1発光素子から発せられるレーザビームは全面的に透過し、第2発光素子か ら発せられるレーザビームの外周部をレーザビームの偏光面に起因して選択的に 光軸から外側に回折させる偏光選択性回折格子とから成ることを特徴とする。
【0010】 また、本発明は、対物レンズにより再生条件の異なる光ディスクの記録面にレ ーザビームを照射し、記録面より反射されるレーザビームを光検出器に導く光学 系を配して成る光再生装置において、 620〜650nmの範囲の波長のレーザビームを発する第1発光素子と76 5〜795nmの範囲の波長のレーザビームを発する第2発光素子とを設けて成 る光源と、 第1発光素子と前記第2発光素子とを選択的に駆動するレーザ駆動回路と、 第1発光素子から発せられるレーザビームは全面的に透過し、第2発光素子か ら発せられるレーザビームの外周部をレーザビームの波長に起因して選択的に吸 収する偏光ガラスとから成ることを特徴とする。
【0011】 また、本発明は、対物レンズにより再生条件の異なる光ディスクの記録面にレ ーザビームを照射し、記録面より反射されるレーザビームを光検出器に導く光学 系を配して成る光再生装置において、 620〜650nmの範囲の波長のレーザビームを発する第1発光素子と76 5〜795nmの範囲の波長のレーザビームを発する第2発光素子とを設けて成 る光源と、 第1発光素子と前記第2発光素子とを選択的に駆動するレーザ駆動回路と、 第1発光素子から発せられるレーザビームは全面的に透過し、前記第2発光素 子から発せられるレーザビームの外周部を選択的に光軸の外側に回折させる液晶 回折素子と、 液晶回折素子に選択的に電圧を印加する液晶駆動回路とから成ることを特徴と する。
【0012】
【考案の実施の形態】
図を参照しつつ、本考案の実施の形態を説明する。図1に本考案が互換再生の 対象とするCD−RとDVDの定格値と再生条件を示す。CD−Rの基板厚は1 .2(許容誤差±0.1)mm、最短ピット長が0.90(許容誤差±0.1)μm 、トラックピッチが1.6(許容誤差±0.1)μm、波長780nmのレーザビ ームに対する反射率が60%であり、再生時のレーザビームのスポット径が1. 5(許容誤差±0.1)μm、対物レンズの開口数が0.50(許容誤差±0.0 5)、再生レーザビーム波長が780(許容誤差±15)nmである。一方、D VDの基板厚は0.6(許容誤差±0.05)mm、最短ピット長が0.40(許 容誤差±0.1)μm、トラックピッチが0.74(許容誤差±0.01)μm、 波長635nmのレーザビームに対する反射率が70%以上(単一の信号記録面 の場合)若しくは20〜40%(信号記録面が2つの場合)であり、再生時のレ ーザビームのスポット径が0.9(許容誤差±0.5)μm、対物レンズの開口数 が0.6(許容誤差±0.05)、再生レーザビーム波長が635(許容誤差±1 5)nmである。
【0013】 図2を参照して、本考案に係る光再生装置の回路ブロック図を説明する。光ピ ックアップ10中の半導体レーザ1から発せられたレーザビームはサーボ機構1 3により再生しようとしている信号がピット列として形成されたトラックにレー ザビームを照射するように制御された対物レンズ7を介して光ディスクの基板9 、99を通って信号記録面9a、99aに集光照射される。前記信号記録面9a 、99aで反射されたレーザビームは光検出器8で検知され、再生信号として検 出される。前記光検出器8で検出された再生信号はプリアンプ11に送られ、所 定の増幅が行われた後、判別回路14とRF復調回路16及びサーボ回路12に 送られる。サーボ回路12は送られてきたトラッキングエラー信号に基づき前記 サーボ機構13を制御する。また、判別回路14は、送られてきた信号に基づい て再生装置に装着された光ディスクの種類を識別し、識別結果を指令回路15に 送る。該指令回路15は、識別した光ディスクの再生に適合するように後述する 前記半導体レーザ1中の半導体レーザチップを切り換えるために、送られてきた 識別結果に基づいて半導体レーザ切換回路16に指令を出す。また、前記指令回 路15は、識別した光ディスクの再生に適合する復調回路に切り替えるために、 送られてきた識別結果に基づいて特性切換回路17にも指令を出す。前記半導体 レーザ切換回路16は、前記指令回路15からの指令に基づいて半導体レーザ駆 動回路18を介して半導体レーザチップを切り換え、前記特性切換回路17は、 前記指令回路15からの指令に基づいて、RF復調回路19を切り換える。これ により、再生装置に装着された光ディスクに適した再生が行われる。装着された 光ディスクの識別は、例えば、フォーカス引き込み時に得られるフォーカスエラ ー信号を検出して行われる。即ち、波長635nmのレーザビームを用いた場合 には、DVDからはフォーカス引き込み時にS字カーブが検出されるが、CD− RからはS字カーブは検出されないことを利用してDVDとCD−Rとの識別が 行われる。
【0014】 図3を参照して、前記光ピックアップ10の詳細について説明する。DVDと CD−Rとの互換再生に用いられる前記光ピックアップ10は、波長780(許 容誤差±15)nmのレーザビームを発する第1の半導体レーザチップ1aと波 長635(許容誤差±15)nmのレーザビームを発する第2の半導体レーザチ ップ1bとが1つのパッケージにマウントされた半導体レーザ1、ハーフミラー 2、レーザビームを平行光にするコリメータレンズ3、立ち上げミラー4、波長 選択性回折格子5、レーザビームを信号記録面9a、99aに集光する対物レン ズ7、前記信号記録面9a、99aからの反射光を検出する光検出器9とから成 る。
【0015】 前記波長選択性回折格子5は、波長635nmのレーザビームは全面的に透過 し、波長780nmのレーザビームを光軸から外側に回折する回折格子から成る 外周部5aと回折機能を有しない内周部5bとから成る。図4を参照して、波長 選択性回折格子の機能を説明する。波長780nmのレーザビームL1は波長選 択性回折格子5に入射すると、外周部5aに相当するレーザビームは矢印20で 示すように光軸から外側に回折され、内周部5bに相当するレーザビームは矢印 21で示すように光軸に沿って直進する。尚、前記内周部5bの直径は、レーザ ビームの有効光束が4.32mmφの場合、2.88(許容誤差±0.1)mmで ある。有効光束が4.32mmφ以外の場合は前記対物レンズ7の実効的開口数 が0.4となる直径とする。波長635nmのレーザビームL2は波長選択性回 折格子5で回折されることはなく、全面的に矢印21の方向に直進する。 図5を参照して、波長選択性回折格子について説明する。波長選択性回折格子 は、その内周部5bは平面であり、外周部5aは凹凸の格子が形成されたガラス 板の表面をシアニン系色素5cで覆ったものである。前記シアニン系色素5cは 波長により屈折率が変化するものであり、波長635nmのレーザビームに対し ては屈折率が1.5とガラスの屈折率と同じであり、波長780nmのレーザビ ームに対しては屈折率が1.6〜1.7となるものである。従って、波長635n mのレーザビームに入射した場合には波長選択性回折格子により回折されず、波 長780nmのレーザビームが入射した場合のみレーザビームを光軸より外側に 回折することができるものである。
【0016】 また、波長選択性回折格子5と対物レンズ7とはフォーカスサーボ、トラッキ ングサーボに伴い、対物レンズ7と一体的に移動するようにアクチュエータ6に 固定されている。 また、図6を参照して、前記第1の半導体レーザチップ1aと前記第2の半導 体レーザチップ1bとは切り込みk2、k3を結ぶ線と平行な方向に並べて配置 されており、第1の半導体レーザチップ1aの発光点Aと第2の半導体レーザチ ップ1bの発光点Bとの距離Lは100〜400μmの範囲である。第1の半導 体レーザチップ1aから発せられる波長780nmのレーザビームは切り込みk 2、k3を結ぶ線と平行な方向の偏光面を有し、第2の半導体レーザチップ1b から発せられる波長635nmのレーザビームは切り込みk2、k3を結ぶ線と 垂直な方向の偏光面を有する。半導体レーザ1は第1の半導体レーザチップ1a から発せられるレーザビームの偏光面が光ディスクのトラッキング方向と平行( 第2の半導体レーザチップ1bから発せられるレーザビームの偏光面が光ディス クのトラック方向)になるように前記光ピックアップ10中に配置されている。
【0017】 図7を参照して、基板厚1.2mmの光ディスクであるCD−Rの再生動作に ついて説明する。CD−Rが再生される場合には、半導体レーザ駆動回路18は 前記第1の半導体レーザチップ1aを選択点灯する。その結果、半導体レーザ1 から発せられた波長780nmのレーザビームはハーフミラー2で90度の方向 へ半分反射され、コリメータレンズ3で平行光にされ、立ち上げミラー4で立ち 上げられ、波長選択性回折格子5で外周部が光軸から外側に回折され内周部のみ が対物レンズ7に入射する。該対物レンズ7で集光された内周部はCD−Rの基 板99を通って信号記録面99aに照射される。信号記録面99aで反射された レーザビームは対物レンズ7、波長選択性回折格子5、立ち上げミラー4を介し て戻り、ハーフミラー2で半分透過し、光検出器8で検出される。前記信号記録 面99aに照射されるレーザビームのスポット径は1.5(許容誤差±0.1)μ mである。
【0018】 図8を参照して、基板厚0.6mmの光ディスクであるDVDの再生動作につ いて説明する。DVDが再生される場合には、半導体レーザ駆動回路18は前記 第2の半導体レーザチップ1bを選択点灯する。その結果、半導体レーザ1から 発せられた波長635nmのレーザビームはハーフミラー2で90度の方向に半 分反射され、コリメータレンズ3で平行光にされ、立ち上げミラー4で立ち上げ られ、波長選択性回折格子5を全面的に透過し、対物レンズ7で集光されDVD の基板9を通って信号記録面9aに照射される。その後の動作については図7の 説明と同様であるので省略する。前記信号記録面9aに照射されるレーザビーム のスポット径は0.9(許容誤差±0.05)μmである。
【0019】 波長780nmのレーザビームと波長635nmのレーザビームとは偏光面の 偏光方向は異なっているので、前記波長選択性回折格子5の代わりに偏光選択性 回折格子を用いても良い。偏光選択性回折格子は、特定方向の偏光面を有するレ ーザビームのみを光軸の外側に回折するものである。本考案においては、光ディ スクのトラッキング方向に偏光するレーザビーム、即ち、波長780nmのレー ザビームのみを光軸の外側に回折するものとする。
【0020】 図9を参照して、偏光選択性回折格子の断面構造を説明する。偏光選択性回折 格子の外周部5aには所定の間隔、幅で凹凸構造の格子が形成されており、内周 部5bは平坦なガラス面となっている。凹凸構造の間隔はレーザビームの波長が 635nmの場合には12(許容誤差±5)μmである。 この場合もCD−RとDVDの再生動作は、それぞれ、図7、図8と同じであ る。
【0021】 また、前記波長選択性回折格子5の代わりに偏光ガラスを用いても良い。図1 0を参照して、偏光ガラス55は特定波長のレーザビームのみを吸収する外周部 55aとレーザビームに対して吸収特性を示さない内周部55bとから成る。特 定波長のレーザビームに対して吸収特性を示す外周部55aの詳細を図11を参 照して説明する。外周部55aはガラス基板55G上に長く引き延ばした銀原子 55Sを焼成することにより形成される。引き延ばされた銀原子55Sの縦横比 により吸収できるレーザビームの波長を制御することができ、縦横比は1:2〜 1:5の範囲で制御することができる。本考案においては、780nmのレーザ ビームを吸収できる縦横比とする。吸収特性を示さない内周部55bの直径は、 レーザビームの有効光束が4.32mmの場合、2.88(許容誤差±0.1)m mであり、有効光束が4.32mm以外の場合には前記対物レンズ7の実効的開 口数が0.4(許容誤差±0.05)となる直径とする。また、波長635nmの レーザビームは偏光ガラス55を全面的に通過するのであるが、外周部55aは 約100%の透過率を有するので、内周部55bと外周部55aとを通過するレ ーザビーム間で透過率は同じであり、内周部55bに透過率を制御するためのフ ィルタを設ける必要もない。
【0022】 図12を参照して、偏光ガラス55を配して成る光ピックアップ101による CD−Rの再生動作について説明する。基板厚1.2mmのCD−Rが再生され る場合には、半導体レーザ駆動回路18は第1の半導体レーザチップ1aを選択 点灯する。その結果、半導体レーザ1から発せられた波長780nmのレーザビ ームはハーフミラー2で90度の方向へ半分反射され、コリメータレンズ3で平 行光にされ、立ち上げミラー4で立ち上げられ、偏光ガラス55で外周部が吸収 され内周部のみが対物レンズ7に入射する。該対物レンズ7で集光された内周部 はCD−Rの基板99を通って信号記録面99aに照射される。その後の動作は 図7の説明と同じであるので省略する。また、前記信号記録面99aに照射され るレーザビームのスポット径は1.5(許容誤差±0.1)μmである。
【0023】 図13を参照して、偏光ガラス55を配して成る光ピックアップ101による DVDの再生動作について説明する。基板厚0.6mmの光ディスクであるDV Dが再生される場合には、半導体レーザ駆動回路18は第2の半導体レーザチッ プ1bを選択点灯する。その結果、半導体レーザ1から発せられた波長635n mのレーザビームはハーフミラー2で90度の方向に半分反射され、コリメータ レンズ3で平行光にされ、立ち上げミラー4で立ち上げられ、偏光ガラス55を 全面的に透過し、対物レンズ7で集光されDVDの基板9を通って信号記録面9 aに照射される。その後の動作については図8の説明と同様であるので省略する 。また、前記信号記録面9aに照射されるレーザビームのスポット径は0.9( 許容誤差±0.05)μmである。
【0024】 レーザビームの波長若しくは偏光面の違いに起因して光軸の外側へレーザビー ムを回折させる素子としては、波長選択性回折格子、偏光選択性回折格子に代え てTN型液晶へ印加する電圧のON/OFFにより回折を起こさせる素子(以下 、液晶回折素子という)であっても良い。図14を参照して、液晶回折素子56 はTN型液晶57を全面に透明電極59を設けたガラス58と、レーザビームの 外周部に相当する領域にのみ透明電極61を設けたガラス60とで挟み込むこと により形成される。図15を参照して、液晶回折素子56の外周部の詳細は、ガ ラス60に形成された透明電極61は8〜15μmの間隔Dでパターニングされ た透明電極61T、61T、61T、・・・から成っている。また、パターニン グされた透明電極61T、61T、61T・・・の幅Wは5〜10μmである。 ガラス58に形成された透明電極59と、ガラス60に形成されたパターニング された透明電極61T、61T、・・・に電圧が印加されると図16に示すよう に前記TN型液晶57は電圧が印加された領域57aと電圧が印加されていない 領域57bとに分離され、前記領域57aの屈折率は1.65と大きくなり、前 記領域57bの屈折率は1.5となる。従って、液晶回折素子56の外周部には 屈折率分布が生じる。その結果、液晶回折素子56に電圧を印加した状態では図 17に示すように液晶回折素子56の外周部に入射したレーザビームの外周部は 光軸の外側に回折され、内周部はそのまま通過する。また、図18に示すように 前記液晶回折素子56に電圧を印加しない場合はTN型液晶57は全領域で屈折 率が1.5となるので回折されずに全面的にそのまま透過する。従って、液晶回 折素子56に印加する電圧をON/OFFすることによりレーザビームの外周部 を光軸の外側に回折したり、回折しなかったりすることができる。
【0025】 また、液晶としてはTN型液晶に限らず、STN型液晶であってもよい。 図19を参照して、前記液晶回折素子56を配して成る光ピックアップ102 によるCD−Rの再生動作について説明する。基板厚1.2mmのCD−Rが再 生される場合には、前記半導体レーザ1中の第1の半導体レーザチップ1aが前 記半導体レーザ駆動回路18により選択点灯され、液晶回折素子56に電圧が印 加される。その結果、半導体レーザ1から発せられた波長780nmのレーザビ ームはハーフミラー2で90度の方向へ半分反射され、コリメータレンズ3で平 行光にされ、立ち上げミラー4で立ち上げられ、液晶回折素子56で外周部が光 軸から外側に回折され内周部のみが対物レンズ7に入射する。該対物レンズ7で 集光された内周部はCD−Rの基板99を通って信号記録面99aに照射される 。その後の動作については図7の説明と同じであるので省略する。また、前記信 号記録面99aに照射されるレーザビームのスポット径は1.5(許容誤差±0. 1)μmである。
【0026】 図20を参照して、前記液晶回折素子56を配して成る光ピックアップ102 によるDVDの再生動作について説明する。基板厚0.6mmの光ディスクであ るDVDが再生される場合には、半導体レーザ駆動回路18は前記第2の半導体 レーザチップ1bを選択点灯され、液晶回折素子56には電圧を印加しない。そ の結果、半導体レーザ1から発せられた波長635nmのレーザビームはハーフ ミラー2で90度の方向に半分反射され、コリメータレンズ3で平行光にされ、 立ち上げミラー4で立ち上げられ、液晶回折素子56では回折されずに全面的に 透過し、対物レンズ7で集光されDVDの基板9を通って信号記録面9aに照射 される。その後の動作については図8の説明と同様であるので省略する。また、 前記信号記録面9aに照射されるレーザビームのスポット径は0.9(許容誤差 ±0.05)μmである。
【0027】 図21を参照して、前記液晶回折素子56を配して成る光ピックアップ102 を光学系に用いた光ディスクの再生装置の再生動作について説明する。光ピック アップ102中の半導体レーザ1から発せられたレーザビームはサーボ機構13 により再生しようとしている信号がピット列として形成されたトラックにレーザ ビームを照射するように制御された対物レンズ7を介して光ディスクの基板9、 99を通って信号記録面9a、99aに集光照射される。前記信号記録面9a、 99aで反射されたレーザビームは光検出器8で検知され、再生信号として検出 される。前記光検出器8で検出された再生信号はプリアンプ11に送られ、所定 の増幅が行われた後、判別回路14とRF復調回路16及びサーボ回路12に送 られる。サーボ回路12は送られてきたトラッキングエラー信号に基づき前記サ ーボ機構13を制御する。また、判別回路14は、送られてきた信号に基づいて 再生装置に装着された光ディスクの種類を識別し、識別結果を指令回路15に送 る。該指令回路15は、識別した光ディスクの再生に適合するように前記半導体 レーザ1中の半導体レーザチップを切り換えるために、送られてきた識別結果に 基づいて半導体レーザ切換回路16に指令を出す。また、前記指令回路15は識 別結果に基づいて前記液晶回折素子56に印加する電圧をON/OFFするため に液晶駆動回路20に指令を出す。即ち、装着された光ディスクがCD−Rと識 別されたなら前記液晶回折素子56に電圧を印加するように、また、装着された 光ディスクがDVDと識別されたなら前記液晶回折素子56に電圧を印加しない ように液晶駆動回路20に指令を出す。更に、前記指令回路15は、識別した光 ディスクの再生に適合する復調回路に切り替えるために、送られてきた識別結果 に基づいて特性切換回路17にも指令を出す。前記半導体レーザ切換回路16は 、前記指令回路15からの指令に基づいて半導体レーザ駆動回路18を介して半 導体レーザチップを切り換え、前記特性切換回路17は、前記指令回路15から の指令に基づいて、RF復調回路19を切り換える。これにより、前記液晶回折 素子56を配して成る光ピックアップ102を用いた再生装置において、装着さ れた光ディスクに適した再生が行われる。
【0028】
【考案の効果】
本考案によれば、光源に波長の異なる2つの半導体レーザチップを使用するの で、薄型光ディスクと標準厚で波長635nmのレーザビームに対して反射率が 10%以下と低い光ディスクとの互換再生をすることができる。 また、本考案によれば、従来の光学系とほぼ同様の構成で、CD−Rも再生可 能な光ピックアップを実現できる。
【0029】 また、本考案によれば、波長635nmのレーザビームに対して光軸調整をす れば波長780nmのレーザビームに対しても光軸調整ができる。 また、本考案によれば、液晶にパターニングした電極により印加する電圧をO N/OFFすることにより屈折率分布を生じさせることができるので、従来の精 密な光学素子を作成しなくても容易に回折素子を配した光ピックアップを作成す ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DVDとCD−Rの定格値と再生条件を示す図
表である。
【図2】本考案における光再生装置のブロック図を示す
図である。
【図3】本考案における光ピックアップの構成を示す図
である。
【図4】本考案における波長選択性回折格子を説明する
図である。
【図5】本考案における波長選択性回折格子の断面図を
示す図である。
【図6】本考案における半導体レーザチップのマウント
方法を示す図である。
【図7】本考案におけるCD−Rの再生動作を説明する
図である。
【図8】本考案におけるDVDの再生動作を説明する図
である。
【図9】本考案における偏光選択性回折格子の断面図を
示す図である。
【図10】本考案における偏光ガラスを示す図である。
【図11】本考案における偏光ガラスの詳細を説明する
図である。
【図12】本考案における偏光ガラスを用いた光ピック
アップによるCD−Rの再生動作を説明する図である。
【図13】本考案における偏光ガラスを用いた光ピック
アップによるDVDの再生動作を説明する図である。
【図14】本考案におけるTN型液晶を用いた回折素子
の断面図を示す図である。
【図15】本考案における液晶回折格子の詳細を説明す
る図である。
【図16】本考案における液晶回折素子の外周部に電圧
を印加した状態を示す図である。
【図17】液晶回折素子に電圧を印加した状態における
レーザビームの回折状態を示す図である。
【図18】液晶回折素子に電圧を印加しない状態におけ
るレーザビームの状態を示す図である。
【図19】本考案における液晶回折素子を用いた光ピッ
クアップによるCD−Rの再生動作を説明する図であ
る。
【図20】本考案における液晶回折素子を用いた光ピッ
クアップによるDVDの再生動作を説明する図である。
【図21】本考案における液晶回折素子を配して成る光
ピックアップを光学系として用いた光再生装置のブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1・・・半導体レーザ 1a、1b・・・半導体レーザチップ 2・・・ハーフミラー 3・・・コリメータレンズ 4・・・立ち上げミラー 5・・・波長選択性回折格子 6・・・アクチュエータ 7・・・対物レンズ 8・・・光検出器 9、99・・・基板 9a、99a・・・信号記録面 10・・・光ピックアップ 11・・・プリアンプ 12・・・サーボ回路 13・・・サーボ機構 14・・・判別回路 15・・・指令回路 16・・・半導体レーザ切換回路 17・・・特性切換回路 18・・・半導体レーザ駆動回路 19・・・RF復調回路 20・・・液晶駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 土屋 洋一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)考案者 市浦 秀一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (9)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズにより再生条件の異なる光デ
    ィスクの記録面にレーザビームを照射し、該記録面より
    反射されるレーザビームを光検出器に導く光学系を配し
    て成る光再生装置において、 620〜650nmの範囲の波長のレーザビームを発す
    る第1発光素子と765〜795nmの範囲の波長のレ
    ーザビームを発する第2発光素子とを設けて成る光源
    と、 前記第1発光素子と前記第2発光素子とを選択的に駆動
    するレーザ駆動回路と、 前記第1発光素子から発せられるレーザビームは全面的
    に透過し、前記第2発光素子から発せられるレーザビー
    ムの外周部をレーザビームの波長に起因して選択的に光
    軸から外側に回折させる波長選択性回折格子と、から成
    ることを特徴とする光再生装置。
  2. 【請求項2】 対物レンズにより再生条件の異なる光デ
    ィスクの記録面にレーザビームを照射し、該記録面より
    反射されるレーザビームを光検出器に導く光学系を配し
    て成る光再生装置において、 620〜650nmの範囲の波長のレーザビームを発す
    る第1発光素子と765〜795nmの範囲の波長のレ
    ーザビームを発する第2発光素子とを設けて成る光源
    と、 前記第1発光素子と前記第2発光素子とを選択的に駆動
    するレーザ駆動回路と、 前記第1発光素子から発せられるレーザビームは全面的
    に透過し、前記第2発光素子から発せられるレーザビー
    ムの外周部をレーザビームの偏光面に起因して選択的に
    光軸から外側に回折させる偏光選択性回折格子と、から
    成ることを特徴とする光再生装置。
  3. 【請求項3】 対物レンズにより再生条件の異なる光デ
    ィスクの記録面にレーザビームを照射し、該記録面より
    反射されるレーザビームを光検出器に導く光学系を配し
    て成る光再生装置において、 620〜650nmの範囲の波長のレーザビームを発す
    る第1発光素子と765〜795nmの範囲の波長のレ
    ーザビームを発する第2発光素子とを設けて成る光源
    と、 前記第1発光素子と前記第2発光素子とを選択的に駆動
    するレーザ駆動回路と、 前記第1発光素子から発せられるレーザビームは全面的
    に透過し、前記第2発光素子から発せられるレーザビー
    ムの外周部をレーザビームの波長に起因して選択的に吸
    収する偏光ガラスと、から成ることを特徴とする光再生
    装置。
  4. 【請求項4】 対物レンズにより再生条件の異なる光デ
    ィスクの記録面にレーザビームを照射し、該記録面より
    反射されるレーザビームを光検出器に導く光学系を配し
    て成る光再生装置において、 620〜650nmの範囲の波長のレーザビームを発す
    る第1発光素子と765〜795nmの範囲の波長のレ
    ーザビームを発する第2発光素子とを設けて成る光源
    と、 前記第1発光素子と前記第2発光素子とを選択的に駆動
    するレーザ駆動回路と、 前記第1発光素子から発せられるレーザビームは全面的
    に透過し、前記第2発光素子から発せられるレーザビー
    ムの外周部を選択的に光軸の外側に回折させる液晶回折
    素子と、 前記液晶回折素子に選択的に電圧を印加する液晶駆動回
    路と、から成ることを特徴とする光再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記液晶回折素子は、TN型液晶若しくはSTN型液晶
    と、 透明電極が全面に設けられた第1のガラス板と、 前記レーザビームの外周部に相当する領域に所定の間隔
    でパターニングされた透明電極が設けられたもう第2の
    ガラス板とから成ることを特徴とする光再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記所定の間隔は、8〜15μmの範囲であることを特
    徴とする光再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6において、 前記対物レンズと前記波長選択性回折格子若しくは前記
    偏光選択性回折格子若しくは前記偏光ガラス若しくは前
    記液晶回折素子とは同一基体上に固定されていることを
    特徴とする光再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7において、 前記第1発光素子と前記第2発光素子とが配置される間
    隔は、100〜400μmの範囲であることを特徴とす
    る光再生装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から7において、 前記対物レンズの開口数は、0.55〜0.65の範囲で
    あり、 前記第2発光素子から発せられたレーザビームが前記波
    長選択性回折格子若しくは前記偏光選択性回折格子若し
    くは前記偏光ガラス若しくは前記液晶回折素子を通過し
    た後のレーザビームを集光する前記対物レンズの実効的
    開口数は、0.35〜0.45の範囲であることを特徴と
    する光再生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004044905A1 (ja) * 2002-11-13 2006-03-16 旭硝子株式会社 2波長光源ユニットおよび光ヘッド装置
US7848209B2 (en) 2002-02-27 2010-12-07 Ricoh Company, Ltd. Optical pickup and optical information processing apparatus with light sources of three different wavelengths

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US7848209B2 (en) 2002-02-27 2010-12-07 Ricoh Company, Ltd. Optical pickup and optical information processing apparatus with light sources of three different wavelengths
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