JP3036205U - コンテナ内部結露水濡損防止装置 - Google Patents
コンテナ内部結露水濡損防止装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンテナ内部に発生する結露水による貨物の
濡損害を防止するための装置を案出することである。 【解決手段】 コンテナ内部に防水シートにより天井及
び四囲を囲んで成るコンテナ内部結露水濡損防止装置に
おいて、コンテナ内部結露水濡損防止装置は、コンテナ
10の対向する側壁用防水シート2、対向する奥壁用防
水シート5及び入口部用防水シート7及び天井壁用防水
シート9′と、これに貼設された吸水シート9とから成
り、各防水シートは吊下げひも又はフック4によってコ
ンテナ壁に蚊帳状に懸架され、その際コンテナ底部に対
してその裾部は開放され、防水シート上部縁の近くに四
囲に渡ってコンテナ内部の空気還流用の通気開口を設け
られ、これでコンテナの内外温度差によるコンテナ内に
発生した飽和湿潤空気の気流が防水シート内方からコン
テナ側壁及び天井壁に達して結露水を形成した際、結露
水が天井壁用吸水シート中に滴下して吸収される前記装
置。
濡損害を防止するための装置を案出することである。 【解決手段】 コンテナ内部に防水シートにより天井及
び四囲を囲んで成るコンテナ内部結露水濡損防止装置に
おいて、コンテナ内部結露水濡損防止装置は、コンテナ
10の対向する側壁用防水シート2、対向する奥壁用防
水シート5及び入口部用防水シート7及び天井壁用防水
シート9′と、これに貼設された吸水シート9とから成
り、各防水シートは吊下げひも又はフック4によってコ
ンテナ壁に蚊帳状に懸架され、その際コンテナ底部に対
してその裾部は開放され、防水シート上部縁の近くに四
囲に渡ってコンテナ内部の空気還流用の通気開口を設け
られ、これでコンテナの内外温度差によるコンテナ内に
発生した飽和湿潤空気の気流が防水シート内方からコン
テナ側壁及び天井壁に達して結露水を形成した際、結露
水が天井壁用吸水シート中に滴下して吸収される前記装
置。
Description
【0001】
本考案は、コンテナ内部に天井及びに四囲を囲んで防水シートを吊り下げて成 るコンテナ内部結露水濡損防止装置に関する。
【0002】
従来ドライコンテナ輸送において、コンテナ積載貨物は、温かい地域から寒い 地域への輸送、日中と夜間の温度変化の大きい地域の輸送、また、水分含有率の 多い貨物の輸送に伴う結露水による濡損が生じる。 従来技術によれば、結露水による濡損防止装置に使用される濡損防止用シート は、コンテナ天井部にのみ防水シートが吊下げられるもの、コンテナ天井部に両 面接着テープにより吸水シートを貼り付けるもの、貨物の全周囲を取り囲むイン ナーバッグ方式のもの、シートの天井部にゴアテックスを取付けるもの、コルゲ ートペーパー等で貨物の周囲を覆うもの等が公知である。しかし従来技術による ものはいずれも、乾燥剤を併用して、結露水によるダメージを防止しているだけ で、結露水濡損を完全に防止できるものは存在しなかった。
【0003】
本考案は従来技術によるコンテナ内部結露水濡損防止装置の欠点を除去し、コ ンテナ内部の天井部、側壁部、奥壁部及び入口部に発生する結露から貨物の濡損 を完全に防止する装置を案出することである。
【0004】
考案の課題は実用新案登録請求の範囲第1項から第4項に記載された考案特定 事項によって構成される技術的思想によって解決される。
【0005】
本考案による結露水濡損防止装置は、コンテナ内部において防水シートを蚊帳 状にコンテナに吊下げ、コンテナ底部の近くまで垂れ下がった防水シート裾部を コンテナ底部に対して開放しかつシート上部縁に沿って複数の通気開口を設けた ことにより、防水シートで覆われた貨物から水分蒸散現象により生じた飽和空気 がコンテナ内を不断に循環し、通気開口から出てコンテナ天井部の金属板の間に 至り、金属板面に結露して滴下する際に、天井壁用防水シート上面に取付けてあ る吸水シート上に落ちてこれによって吸水されて吸水シートの高分子吸収材料中 に凝縮するようになっている。防水シートは不透水性のポリエステルシートから 成るので、防水シートからの漏水はない。結露発生の危惧のない時には、防水シ ートのみを吊下げておくだけで貨物は結露水濡損害から安全に保護される。
【0006】
図1〜図3に基づいて本考案の実施例を説明する。 図1 (a)において、コンテナ側壁用防水シート2が示され、コンテナ側壁用 防水シート2はシートの上縁に沿って例えば縦5〜10cm、横30〜60cm の複数の通気開口3を備える。4は吊下げ用ひもを示す。吊下げ用ひも4は単に フックであっても良い。図3で示すコンテナ10の天井に固着された吊り金具又 は張巡らされたロープ11に掛けて防水シートを吊るすためのものだからである 。図1 (b)においては、奥壁用防水シート5が示され、6は前記防水シート2 の場合と同様な通気開口を示す。奥壁用防水シート5にも縁部に吊下げ用ひも4 が複数個取付けられている。吊下げ用ひも4の機能は前記防水シート2の場合と 同様である。図1 (c)においては、コンテナ入口部用防水シート7が示され、 コンテナ入口部用防水シート7も通気開口8を複数個備え、同様に縁部に吊下げ 用ひも4を備える。8は前記防水シート2、5の場合と同様な通気開口を示す。 防水シート2、5及び7はそれぞれポリエステル樹脂製シートから成るものが好 ましい。ポリエステル樹脂製シートは例えば大略0.1mm程度の厚さのフィル ムである。ポリエチレン製シートを使用することもできる。
【0007】 図2において、コンテナ内部結露水濡損防止装置1は、図1に示す2つの防水 シート2、及び防水シート5と7に追加して、コンテナ天井壁用防水シート9′ に吸水シート9が貼設されたものから構成され、防水シート2、2、5、7と、 吸水シート9が貼設された天井壁用防水シート9′とは、それぞれ吊下げ用ひも 又はフック4によってコンテナ内壁に全体として蚊帳状に懸架されて使用される 。吸水シート9は天井壁用防水シート9′に対して吸水シート9を両面テープに より引き剥がし可能に貼張合わせて使用され、従来使い捨てが主流であった吸水 シート9の再利用が確保される。吸水シート9は1m2 当たり略3〜4lの吸水 能力を有する。吸水シート9は対象貨物の特性に応じて1枚のみならず、天井壁 用防水シートに数枚同時に貼り合わせて使用される。吸水シート9は高分子製吸 水性シート又は繊維製吸水性シート等から成る。その大きさはコンテナの大きさ に合わせて、例えば0.8m×6.0mにされることができる。天井壁用防水シ ート9′を除外した吸水シートの厚さは大略例えば3〜5mmであることができ る。この吸水シートは湿気、従って水分の吸収性・保水性の著しく高い材料であ る。
【0008】 図3において、コンテナ10内部に、例えば穀類、豆類等の貨物12が積載さ れており、本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置1が、各シート2、5 、7の吊下げひも又はフック4及び吸水シート9が貼設される天井壁用防水シー ト9′の吊下げひも又はフック4をコンテナ天井部の吊下げ金具又はコンテナ天 井部に張巡らしたロープ11に懸架することにより、各シートが歪みなく蚊帳状 に吊下げ・懸架されている。コンテナはコンテナ内外の温度差により、シートに 囲まれたシート内方空間の空気層が貨物12からの水分蒸散現象により飽和空気 となり、飽和空気はシート内方から上昇気流となって排出され、コンテナ内部の 気流はシートの外方ではコンテナ内壁に沿って矢印13に示すように上昇し、一 方貨物12からは矢印14に従って上昇気流が生じる。貨物12から発せられる 上昇気流14は防水シート2、5、及び7の通気開口3、6及び8を通ってそれ ぞれコンテナ10の天井部に達する。その際コンテナ側壁との接触により15で 示すように結露水を生じ、コンテナ天井部ではコンテナ天井部との接触により結 露水16を生じる。結露水15はコンテナ壁に沿って一旦コンテナ底部に達する が再び飽和空気となって上昇し、コンテナ天井の結露水16は吸水シート9上に 滴下して吸水シート9に吸収される。結露水15は天井部に配置された吸水シー ト9の高分子吸水材料中に凝縮する。吸水シート9は使用済毎に新たな吸水シー ト又は脱水再生した吸水シート9と交換され、それによって結露水の貨物12へ の影響が確実に排除される。
【0009】 本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置は、コンテナ入口部用防水シー トは側壁用防水シートとの間で、図1(c)において斜線を施した領域において いずれか一方のシートの長さを、例えばコンテナ入口部用防水シートの長さを入 口部壁の寸法よりも僅かに長くして、貨物積載後は隣接する防水シート端部領域 が相互に重なり合うようにして開口を塞ぎ、貨物積み下ろし作業時には、入口部 用シートをコンテナ上部に跳ね上げる。シートは縁を縫製加工してある。
【0010】
本考案によれば、ドライコンテナ輸送における、コンテナ積載貨物に対する、 温かい地域から寒い地域への輸送、日中と夜間の温度変化の大きい地域の輸送、 また、水分含有率の多い貨物の輸送に伴う結露水による濡損が確実に防止される 。即ち、防水シートをコンテナ天井壁に蚊帳状に懸架し、シートの下部を開放し 、シート上部縁の近くに通気開口を設けたことにより、シートで囲まれたシート 内方の飽和空気が容易にシート外に排出されて、常にコンテナ内部を還流するよ うにしたことにより、結露水が吸水シートに吸収されることが確保されるので、 貨物の蒸れ防止、結露蒸散を繰り返す貨物に最適である。その際コンテナ内部の 天井及び四囲を不透水性のポリエステルシート製防水シートにより取囲むことに より結露水濡損が完全となる。
【0011】 コンテナ内部で空気が還流する構成により、防水シート内の飽和湿潤空気が、 容易にシート外に排出・還流するようにしたことにより、従来ゴアテックス等の ような高価な生地を使用したり、シート裏面に吸水シートを取り付けてシート内 部の結露を防止する等の措置は不要となり、コスト節減に寄与する。 本考案によれば、コンテナ天井部に固定された吊下げ金具に対して吸水シート を貼設した天井壁用防水シートの吊下げひも又はフックを掛け外しするのみでコ ンテナ天井部の吸水シートを取り替えることができるので、従来吸水シートを両 面テープで直接天井部に張りつけた方法又は天井部にのみシートを取り付けた方 法とは異なり、シートの着脱操作が簡単で着脱時間・手間を大幅に短縮でき、吸 水シートは脱水して再利用されるという利点がある。このこともコスト節減に寄 与する。
【0012】 汚染の度合の高い貨物でも防水シートで囲まれているためコンテナ内壁の汚染 の度合がなくなるために、揚荷後のコンテナの清掃の必要が極力少なくなる。 コンテナ自体の不良による水漏れ等があっても濡損防止が達成される。 吸水シートが十分に吸水した後、結露吸水シートの使用済毎にこれを新しい吸 水シートに取り替えるだげで吸水シートは何度でも再利用可能なので、大幅なコ ストダウンに繋がる。本考案による防水シートと吸水シートの組合せは従来の防 水シートと乾燥剤の使い捨て使用の場合に比して大幅なコストダウンとなる。
【0013】 本考案によれば、従来技術による場合のように、吸水シートの剥離等によるコ ンテナ内部結露水濡損防止に失敗は生じないので信頼度がきわめて高い。 ゴアテックスをコンテナ天井部に使用して、飽和空気をシート外に排出する従 来の方法よりも効果が高く、コスト節減となる。 従来から使用されていた天井部のみ吊下げる方式のもの、全周囲を取り囲むイ ンナバック方式のもの、コンテナ天井部に防水シートを張りつけるものに比して 貨物に対する結露水の落下付着による濡損害を完全に防止できる。
【0014】 副次的効果として、シート内部、シートとコンテナ側壁間、コンテナ外部の大 気温度との温度差が、コンテナ内の防水シートにより遮断されるために、空気層 が断熱効果を生み、外気温度が直接シート内部に伝達しないために結露ダメージ 防止に役立つ。また、シート裾部とコンテナ底部との間が閉鎖されていないため 、防水シート内部の空気層による貨物の蒸れが生じることがなく,コンテナ内部 の空気は容易に還流でき、結露水のシート内方への侵入もなく濡損がない。
【0015】 貨物保険料も安く輸送直後貨物・商品の即時発送・店頭陳列も可能となる。 従来の乾燥剤使用よりも大幅なコストダウンが可能となる。 本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置は、東南アジアから日本へのコ ーヒー豆、米、カートン入り雑貨類の米国から日本への諸製品・雑貨類等の輸入 ・輸出品等に利用範囲が拡大される。特に日本から米国にコンテナ船で輸出する 際、コンテナ船は寒冷海域のアリュウシャン列島付近の北太平洋、ベーリング海 域を通過するので、コンテナ内の結露発生は避けられず、この防水シートを使用 することによる効果は歴然としている。高温多湿の東南アジア地域から日本への 輸入品、日中と夜間の温度差の大きい地域など、結露発生が予想される地域を通 る輸送において大きな効果を発揮する。
【提出日】平成8年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【書類名】 明細書
【0001】
本考案は、コンテナ内部に天井及びに四囲を囲んで防水シートを吊り下げて成 るコンテナ内部結露水濡損防止装置に関する。
【0002】
従来ドライコンテナ輸送において、コンテナ積載貨物は、温かい地域から寒い 地域への輸送、日中と夜間の温度変化の大きい地域の輸送、また、水分含有率の 多い貨物の輸送に伴う結露水による濡損が生じる。 従来技術によれば、結露水による濡損防止装置に使用される濡損防止用シート は、コンテナ天井部にのみ吸水シートを取付けた防水シートが吊下げられるもの 、コンテナ天井部に両面接着テープにより吸水シートを貼り付けるもの、貨物の 全周囲を取り囲むインナーバッグ方式のもの、シートの天井部にゴアテックスを 取付けるもの、コルゲートペーパー等で貨物の周囲を覆うもの等が公知である。 しかし従来技術によるものはいずれも、乾燥剤を併用して、結露水によるダメー ジを防止しているだけで、結露水濡損を完全に防止できるものは存在しなかった 。
【0003】
本考案は従来技術によるコンテナ内部結露水濡損防止装置の欠点を除去し、コ ンテナ内部の天井部、側壁部、奥壁部及び入口部に発生する結露から貨物の濡損 を完全に防止する装置を案出することである。
【0004】
考案の課題は実用新案登録請求の範囲第1項から第4項に記載された考案特定 事項によって構成される技術的思想によって解決される。
【0005】
本考案による結露水濡損防止装置は、コンテナ内部において防水シートを蚊帳 状にコンテナに吊下げ、コンテナ底部の近くまで垂れ下がった防水シート裾部を コンテナ底部に対して開放しかつシート上部縁に沿って複数の通気開口を設けた ことにより、防水シートで覆われた貨物から水分蒸散現象により生じた飽和空気 がコンテナ内を不断に循環し、通気開口から出てコンテナ天井部の金属板の間に 至り、金属板面に結露して滴下する際に、天井壁用防水シート上面に取付けてあ る吸水シート上に落ちてこれによって吸水されて吸水シートの高分子吸収材料中 に凝縮するようになっている。防水シートは不透水性のポリエステルシートから 成るので、防水シートからの漏水はない。結露発生の危惧のある時には、防水シ ートのみを吊下げておくだけで貨物は結露水濡損害から安全に保護される。
【0006】
図1〜図3に基づいて本考案の実施例を説明する。 図1 (a)において、コンテナ側壁用防水シート2が示され、コンテナ側壁用 防水シート2はシートの上縁に沿って例えば縦5〜10cm、横30〜60cm の複数の通気開口3を備える。4は吊下げ用ひもを示す。吊下げ用ひも4は単に フックであっても良い。図3で示すコンテナ10の天井に固着された吊り金具又 は張巡らされたロープ11に掛けて防水シートを吊るすためのものだからである 。図1 (b)においては、奥壁用防水シート5が示され、6は前記防水シート2 の場合と同様な通気開口を示す。奥壁用防水シート5にも縁部に吊下げ用ひも4 が複数個取付けられている。吊下げ用ひも4の機能は前記防水シート2の場合と 同様である。図1 (c)においては、コンテナ入口部用防水シート7が示され、 コンテナ入口部用防水シート7も通気開口8を複数個備え、同様に縁部に吊下げ 用ひも4を備える。8は前記防水シート2、5の場合と同様な通気開口を示す。 防水シート2、5及び7はそれぞれポリエステル樹脂製シートから成るものが好 ましい。ポリエステル樹脂製シートは例えば大略0.1mm程度の厚さのフィル ムである。ポリエチレン製シートを使用することもできる。
【0007】 図2において、コンテナ内部結露水濡損防止装置1は、図1に示す2つの防水 シート2、及び防水シート5と7に追加して、コンテナ天井壁用防水シート9′ に吸水シート9が貼設されたものから構成され、防水シート2、2、5、7と、 吸水シート9が貼設された天井壁用防水シート9′とは、それぞれ吊下げ用ひも 又はフック4によってコンテナ内壁に全体として蚊帳状に懸架されて使用される 。吸水シート9は天井壁用防水シート9′に対して吸水シート9を両面テープに より引き剥がし可能に貼張合わせて使用され、従来使い捨てが主流であった防水 シート9の再利用が確保される。吸水シート9は1m2 当たり略4〜5Lの吸水 能力を有する。吸水シート9は対象貨物の特性に応じて1枚のみならず、天井壁 用防水シートに数枚同時に貼り合わせて使用される。吸水シート9は高分子製吸 水性シート又は繊維製吸水性シート等から成る。その大きさはコンテナの大きさ に合わせて、例えば0.8m×6.0mにされることができる。天井壁用防水シ ート9′を除外した吸水シートの厚さは大略例えば3〜5mmであることができ る。この吸水シートは湿気、従って水分の吸収性・保水性の著しく高い材料であ る。
【0008】 図3において、コンテナ10内部に、例えば穀類、豆類等の貨物12が積載さ れており、本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置1が、各シート2、5 、7の吊下げひも又はフック4及び吸水シート9が貼設される天井壁用防水シー ト9′の吊下げひも又はフック4をコンテナ天井部の吊下げ金具又はコンテナ天 井部に張巡らしたロープ11に懸架することにより、各シートが歪みなく蚊帳状 に吊下げ・懸架されている。コンテナはコンテナ内外の温度差により、シートに 囲まれたシート内方空間の空気層が貨物12からの水分蒸散現象により飽和空気 となり、飽和空気はシート内方から上昇気流となって排出され、コンテナ内部の 気流はシートの外方ではコンテナ内壁に沿って矢印13に示すように上昇し、一 方貨物12からは矢印14に従って上昇気流が生じる。貨物12から発せられる 上昇気流14は防水シート2、5、及び7の通気開口3、6及び8を通ってそれ ぞれコンテナ10の天井部に達する。その際コンテナ側壁との接触により15で 示すように結露水を生じ、コンテナ天井部ではコンテナ天井部との接触により結 露水16を生じる。結露水15はコンテナ壁に沿って一旦コンテナ底部に達する が再び飽和空気となって上昇し、コンテナ天井の結露水16は吸水シート9上に 滴下して吸水シート9に吸収される。結露水15は天井部に配置された吸水シー ト9の高分子吸水材料中に凝縮する。吸水シート9は使用済毎に新たな吸水シー ト又は脱水再生した吸水シート9と交換され、それによって結露水の貨物12へ の影響が確実に排除される。
【0009】 本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置は、コンテナ入口部用防水シー トは側壁用防水シートとの間で、図1(c)において斜線を施した領域において いずれか一方のシートの長さを、例えばコンテナ入口部用防水シートの長さを入 口部壁の寸法よりも僅かに長くして、貨物積載後は隣接する防水シート端部領域 が相互に重なり合うようにして開口を塞ぎ、貨物積み下ろし作業時には、入口部 用シートをコンテナ上部に跳ね上げる。シートは縁を縫製加工してある。
【0010】
本考案によれば、ドライコンテナ輸送における、コンテナ積載貨物に対する、 温かい地域から寒い地域への輸送、日中と夜間の温度変化の大きい地域の輸送、 また、水分含有率の多い貨物の輸送に伴う結露水による濡損が確実に防止される 。即ち、防水シートをコンテナ天井壁に蚊帳状に懸架し、シートの下部を開放し 、シート上部縁の近くに通気開口を設けたことにより、シートで囲まれたシート 内方の飽和空気が容易にシート外に排出されて、常にコンテナ内部を還流するよ うにしたことにより、結露水が吸水シートに吸収されることが確保されるので、 貨物の蒸れ防止、結露蒸散を繰り返す貨物に最適である。その際コンテナ内部の 天井及び四囲を不透水性のポリエステルシート製防水シートにより取囲むことに より結露水濡損が完全となる。
【0011】 コンテナ内部で空気が還流する構成により、防水シート内の飽和湿潤空気が、 容易にシート外に排出・還流するようにしたことにより、従来ゴアテックス等の ような高価な生地を使用したり、シート裏面に吸水シートを取り付けてシート内 部の結露を防止する等の措置は不要となり、コスト節減に寄与する。 本考案によれば、コンテナ天井部に固定された吊下げ金具に対して吸水シート を貼設した天井壁用防水シートの吊下げひも又はフックを掛け外しするのみでコ ンテナ内の防水シートを取り替えることができるので、従来吸水シートを両面テ ープで直接天井部に張りつけた方法又は天井部にのみシートを取り付けた方法と は異なり、防水シートの着脱操作が簡単で着脱時間・手間を大幅に短縮でき、吸 水シートを交換して、防水シートは再利用されるという利点がある。このことも コスト節減に寄与する。
【0012】 汚染の度合の高い貨物でも防水シートで囲まれているためコンテナ内壁の汚染 の度合がなくなるために、揚荷後のコンテナの清掃の必要が極力少なくなる。 コンテナ自体の不良による水漏れ等があっても濡損防止が達成される。 吸水シートが十分に吸水した後、結露吸水シートの使用済毎にこれを新しい吸 水シートに取り替えるだげで防水シートは何度でも再利用可能なので、大幅なコ ストダウンに繋がる。本考案による防水シートと吸水シートの組合せは従来の防 水シートと乾燥剤の使い捨て使用の場合に比して大幅なコストダウンとなる。
【0013】 本考案によれば、従来技術による場合のように、吸水シートの剥離等によるコ ンテナ内部結露水濡損防止に失敗は生じないので信頼度がきわめて高い。 ゴアテックスをコンテナ天井部に使用して、飽和空気をシート外に排出する従 来の方法よりも効果が高く、コスト節減となる。 従来から使用されていた天井部のみ吊下げる方式のもの、全周囲を取り囲むイ ンナバック方式のもの、コンテナ天井部に吸水シートを張りつけるものに比して 貨物に対する結露水の落下付着による濡損害を完全に防止できる。
【0014】 副次的効果として、防水シート内部、防水シートとコンテナ側壁間、コンテナ 外部の大気との温度差は、コンテナ内の防水シートにより遮断された、空気層が 断熱効果を生み、外気温度が直接シート内部に伝達しないために結露ダメージ防 止に役立つ。また、シート裾部とコンテナ底部との間が閉鎖されていないため、 防水シート内部の空気層による貨物の蒸れが生じることがなく,コンテナ内部の 空気は容易に還流でき、結露水のシート内方への侵入もなく濡損がない。
【0015】 貨物保険料も安く輸送直後貨物・商品の即時発送・店頭陳列も可能となる。 従来の乾燥剤使用よりも大幅なコストダウンが可能となる。 本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置は、東南アジアから日本へのコ ーヒー豆、米、カートン入り雑貨類の米国から日本への諸製品・雑貨類等の輸入 ・輸出品等に利用範囲が拡大される。特に日本から米国にコンテナ船で輸出する 際、コンテナ船は寒冷海域のアリュウシャン列島付近の北太平洋、ベーリング海 域を通過するので、コンテナ内の結露発生は避けられず、この防水シートを使用 することによる効果は歴然としている。高温多湿の東南アジア地域から日本への 輸入品、日中と夜間の温度差の大きい地域など、結露発生が予想される地域を通 る輸送において大きな効果を発揮する。
【図1】本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置
に使用するコンテナ内部結露水濡損防止用シートを示す
図であり、(a)はコンテナ側壁用防水シート、(b)
はコンテナ奥壁用防水シート、そして(c)はコンテナ
入口部用防水シートである。
に使用するコンテナ内部結露水濡損防止用シートを示す
図であり、(a)はコンテナ側壁用防水シート、(b)
はコンテナ奥壁用防水シート、そして(c)はコンテナ
入口部用防水シートである。
【図2】本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置
の斜視図である。
の斜視図である。
【図3】本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置
の中央断面図であり、(a)はコンテナ内部に積荷が積
載された状態における図、そして(b)は(a)の部分
拡大図である。
の中央断面図であり、(a)はコンテナ内部に積荷が積
載された状態における図、そして(b)は(a)の部分
拡大図である。
1 コンテナ内部結露水濡損防止装置 2 側壁用防水シート 3 通気開口 4 吊り下げ用ひも又はフック 5 奥壁用防水シート 6 通気開口 7 入口部壁用防水シート 8 通気開口 9 吸水シート 9′ 天井壁用防水シート 10 コンテナ 11 吊り金具又はロープ 12 コンテナ内貨物 13 側方気流 14 内部気流 15 コンテナ側壁又は奥壁又は入口部壁の結露水 16 コンテナ天井壁の結露水
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 コンテナ内部結露水濡損防止装置
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1 】 コンテナ内部に天井及び四囲を囲んで防
水シートを吊り下げて成るコンテナ内部結露水濡損防止
装置において、 コンテナ内部結露水濡損防止装置(1)は、コンテナ
(10)の対向する側壁用防水シート(2)と、対向す
る奥壁用防水シート(5)と、入口部用防水シート
(7)と、天井壁用防水シート(9′)と、この天井壁
用防水シート(9′)に貼設された吸水シート(9)と
から成り、各防水シート(2;5;7)はそれぞれ上部
縁の近くに四囲に渡って防水シート内部の空気引抜き・
空気還流用の複数の通気開口(3;6;8)を備え、各
防水シートは吊下げひも又はフック(4)によってコン
テナ内壁に蚊帳状に懸架されその際各防水シート(2;
5;7)の裾部はコンテナ底部まで達することなくコン
テナ底部との間が開放されており、それによって貨物
(12)を積載したコンテナ(10)の内外温度差によ
りコンテナ内に発生した飽和湿潤空気の気流(13、1
4)が防水シート内方とコンテナ内壁との間でコンテナ
内部を還流するようになり、前記気流(13;14)が
天井壁に達して結露水を形成した際滴下する結露水が吸
水シート(9)中に吸収されることを特徴とする前記コ
ンテナ内部結露水濡損防止装置。
水シートを吊り下げて成るコンテナ内部結露水濡損防止
装置において、 コンテナ内部結露水濡損防止装置(1)は、コンテナ
(10)の対向する側壁用防水シート(2)と、対向す
る奥壁用防水シート(5)と、入口部用防水シート
(7)と、天井壁用防水シート(9′)と、この天井壁
用防水シート(9′)に貼設された吸水シート(9)と
から成り、各防水シート(2;5;7)はそれぞれ上部
縁の近くに四囲に渡って防水シート内部の空気引抜き・
空気還流用の複数の通気開口(3;6;8)を備え、各
防水シートは吊下げひも又はフック(4)によってコン
テナ内壁に蚊帳状に懸架されその際各防水シート(2;
5;7)の裾部はコンテナ底部まで達することなくコン
テナ底部との間が開放されており、それによって貨物
(12)を積載したコンテナ(10)の内外温度差によ
りコンテナ内に発生した飽和湿潤空気の気流(13、1
4)が防水シート内方とコンテナ内壁との間でコンテナ
内部を還流するようになり、前記気流(13;14)が
天井壁に達して結露水を形成した際滴下する結露水が吸
水シート(9)中に吸収されることを特徴とする前記コ
ンテナ内部結露水濡損防止装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置
に使用するコンテナ内部結露水濡損防止用シートを示す
図であり、(a)はコンテナ側壁用防水シート、(b)
はコンテナ奥壁用防水シート、そして(c)はコンテナ
入口部用防水シートである。
に使用するコンテナ内部結露水濡損防止用シートを示す
図であり、(a)はコンテナ側壁用防水シート、(b)
はコンテナ奥壁用防水シート、そして(c)はコンテナ
入口部用防水シートである。
【図2】本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置
の斜視図である。
の斜視図である。
【図3】本考案によるコンテナ内部結露水濡損防止装置
の中央断面図であり、(a)はコンテナ内部に積荷が積
載された状態における図、そして(b)は(a)の部分
拡大図である。
の中央断面図であり、(a)はコンテナ内部に積荷が積
載された状態における図、そして(b)は(a)の部分
拡大図である。
【符号の説明】 1 コンテナ内部結露水濡損防止装置 2 側壁用防水シート 3 通気開口 4 吊り下げ用ひも又はフック 5 奥壁用防水シート 6 通気開口 7 入口部壁用防水シート 8 通気開口 9 吸水シート 9′ 天井壁用防水シート 10 コンテナ 11 吊り金具又はロープ 12 コンテナ内貨物 13 側方気流 14 内部気流 15 コンテナ側壁又は奥壁又は入口部壁の結露水 16 コンテナ天井壁の結露水
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1 】 コンテナ内部に天井及び四囲を囲んで防
水シートを吊り下げて成るコンテナ内部結露水濡損防止
装置において、 コンテナ内部結露水濡損防止装置(1)は、コンテナ
(10)の対向する側壁用防水シート(2)と、対向す
る奥壁用防水シート(5)と、入口部用防水シート
(7)と、天井壁用防水シート(9′)と、この天井壁
用防水シート(9′)に貼設された吸水シート(9)と
から成り、各防水シート(2;5;7)はそれぞれ上部
縁の近くに四囲に渡って防水シート内部の空気引抜き・
空気還流用の複数の通気開口(3;6;8)を備え、各
防水シートは吊下げひも又はフック(4)によってコン
テナ内壁に蚊帳状に懸架されその際各防水シート(2;
5;7)の裾部はコンテナ底部まで達することなくコン
テナ底部との間が開放されており、それによって貨物
(12)を積載したコンテナ(10)の内外温度差によ
りコンテナ内に発生した飽和湿潤空気の気流(13、1
4)が防水シート内方とコンテナ内壁との間でコンテナ
内部を還流するようになり、前記気流(13;14)が
天井壁に達して結露水を形成した際滴下する結露水が吸
水シート(9)中に吸収されることを特徴とする前記コ
ンテナ内部結露水濡損防止装置。 【請求項2】 対向する側壁用防水シート(2)と、奥
壁用防水シート(5)と、入口部壁用防水シート(7)
と、天井壁用防水シート(9′)とがそれぞれポリエス
テル樹脂から成る、請求項1記載のコンテナ内部結露水
濡損防止装置。 【請求項3】 吸水シート(9)が高分子製吸水材料か
ら成る、請求項1又は2記載のコンテナ内部結露水濡損
防止装置。 【請求項4】 吸水シート(9)が交換可能かつ再使用
可能な材料である、請求項3記載のコンテナ内部結露水
濡損防止装置。
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JP1996007057U JP3036205U (ja) | 1996-07-19 | 1996-07-19 | コンテナ内部結露水濡損防止装置 |
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AU71865/96A AU713885B2 (en) | 1996-07-19 | 1996-11-19 | Apparatus for preventing wet damage caused by dew drops inside a container |
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DE69720872T DE69720872T2 (de) | 1996-07-19 | 1997-07-17 | Vorrichtung zum Vermeiden von Nassschäden durch Tautropfen in einem Behälter |
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---|---|---|---|
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CN111891583B (zh) * | 2020-06-01 | 2022-08-23 | 西安精儒机电安装工程有限公司 | 一种精密仪器运输设备 |
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US1909013A (en) * | 1932-05-27 | 1933-05-16 | Francis W Ruzicka | Distributing package for perishables |
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- 1996-07-19 JP JP1996007057U patent/JP3036205U/ja not_active Expired - Lifetime
- 1996-11-08 US US08/747,067 patent/US5727676A/en not_active Expired - Fee Related
- 1996-11-19 AU AU71865/96A patent/AU713885B2/en not_active Ceased
- 1996-11-22 CA CA002191006A patent/CA2191006C/en not_active Expired - Fee Related
-
1997
- 1997-07-17 EP EP97112258A patent/EP0819621B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-07-17 DE DE69720872T patent/DE69720872T2/de not_active Expired - Fee Related
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DE69720872D1 (de) | 2003-05-22 |
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CA2191006A1 (en) | 1998-01-19 |
EP0819621B1 (en) | 2003-04-16 |
AU7186596A (en) | 1998-01-29 |
CA2191006C (en) | 2000-02-22 |
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