JP3035936U

JP3035936U - 壁紙

Info

Publication number: JP3035936U
Application number: JP1996010315U
Authority: JP
Inventors: 正広西
Original assignee: 東リ株式会社
Priority date: 1996-09-19
Filing date: 1996-09-19
Publication date: 1997-04-08
Anticipated expiration: 2002-09-19

Abstract

(57)【要約】【課題】優れた施工性、風合い、通気性を併せ有する
壁紙を提供する。【解決手段】壁紙の表面に剥離可能なフィルムを貼付
したことを特徴とする壁紙。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は施工性、風合い、通気性等に優れた壁紙に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より紙、織物等より製作された壁紙は建築物の内装材として用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の壁紙は一般に通気性を有するため糊を塗布すると、壁紙自身が糊の水分を吸収し、壁紙表面から水分を蒸発させるため、貼付け可能な時間が短く、従って施工時に糊をまとめて塗布できず、施工効率が悪かった。また従来、壁紙間の継ぎ目を施工するとき、通常隣接する壁紙と壁紙を重ねて余分な壁紙をカットする方法がとられている。この時表面側の壁紙の裏面で、裏面側の壁紙と重なる領域にすぐに剥がれるフィルム状のジョイントテープを貼って、裏面側の壁紙の表面を汚さないようにしている。しかしジョイントテープは副資材経費を大きくし、また施工能率を低下させていた。

【０００４】さらに従来の壁紙は水拭きできないため、汚れをつけないように施工する必要があり、そのため施工スピードが上がらなかった。この汚れの問題を解消するため、フィルムを貼った壁紙があるが、フィルムの光沢や触感等で、紙、織物独自の風合いが損なわれるという問題があった。本考案の目的は優れた施工性、風合い、通気性を併せ有する壁紙を提供することにある。また本考案の目的は施工時に糊をまとめて塗布することができ、ジョイントテープが不要で、且つ汚れをつけないように慎重に施工する必要のない壁紙を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は壁紙の表面に剥離可能なフィルムを貼付したことを特徴とする壁紙に係る。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を図面により説明する。図１は本考案の壁紙の１例の厚さ方向の断面図で、１は基材、２、４は接着層、３はフィルム、５は裏打ち紙である。基材１は和紙、洋紙、再生紙などの紙、レーヨン、麻、綿などの織物からなり、その表面に印刷、織模様などの模様を有していても良い。その厚さは通常０. １〜１mm（坪量８０〜５００g／m²）の範囲が好ましい。基材１の表面には接着層２を介して剥離可能なフィルム３が設けられる。接着層２に用いられる接着剤としては例えばウレタン系接着剤を挙げることができる。フィルム３は例えばエチレンーポリビニルアルコール共重合樹脂、アクリル酸エステル樹脂製などのフィルムを挙げることができる。フィルムは通常１０〜３０μmの厚さが好ましい。予め接着層２を下面に形成したフィルムを用いるのが好ましい。このフィルムは基材から容易に剥離することができる。

【０００７】次に基材１の裏面に接着層４を介して裏打ち紙５を設けることにより本考案の壁紙が得られる。接着層４に用いられる接着剤としては例えばアクリル系接着剤、エチレン／酢酸ビニル系接着剤などを挙げることができる。裏打ち紙５としては和紙、洋紙、再生紙などの紙を挙げることができる。その厚さは通常０.０５〜０.２５mm（坪量４０〜１５０g／m²）の範囲が好ましい。なお裏打ち紙として難燃、不燃処理をしたものを用いることもできる。

【０００８】図２に本考案の壁紙の正面図を示す。右下隅においてフィルムがめくれ上がっているのが判る。

【０００９】本考案の壁紙は施工時は表面にフィルムを有するので、通気性がなく糊をまとめて塗布することができ、一方施工後はフィルムを剥離することにより、紙、織物の風合いはそのまま維持でき、通気性もあるため結露やカビが発生しにくく、優れた施工性、風合い、通気性を併せ有するもので、従来のフィルムを剥離不能に貼った壁紙とは全く相異するものである。

【００１０】

【実施例】

以下に実施例及び比較例を挙げて説明する。実施例１厚さ０.３mmの和紙の基材の上にウレタン系接着剤約１５g／m²（dry）を介して厚さ１２μmのエチレンーポリビニルアルコール共重合樹脂フィルムを貼り合わせる。次にこの基材の裏にアクリル系接着剤約３０g／m²（dry）を介し裏打ち紙（厚さ０.２mmの再生紙）を貼り合わせて本考案の壁紙を得た。実施例２厚さ１.０mmの織物の基材を用いた以外は実施例１と同様にして本考案の壁紙を得た。実施例３厚さ０.２mmの洋紙の基材を用いた以外は実施例１と同様にして本考案の壁紙を得た。

【００１１】比較例１フィルムを貼り合わせた以外は実施例１と同様にして壁紙を得た。比較例２フィルムを貼り合わせた以外は実施例２と同様にして壁紙を得た。比較例３フィルムを貼り合わせた以外は実施例３と同様にして壁紙を得た。

【００１２】試験例１貼付可能時間の測定試験片裏面に、糊を１６０g／m²で均一に塗布し、上下１／４ずつを糊の塗布部分が接合するように折り畳み、すぐに数片以上の複数の短冊状に切り離し、間隔をあけて並べる。その後、切り離した短冊状の試験片を１０分間隔で１つずつ広げていき、裏紙どうしが接着した試験片の１つ前の試験片を広げた時間を、貼付可能時間とする。得られた結果を表１に示す。

【００１３】

【表１】

【００１４】試験例２湿潤時表面摩擦強度湿潤時コンディショントレー中央部に吸水スポンジを置き、スポンジの下半分がつかるまで水を注ぎ入れる。吸水スポンジ上に試験片を３枚ずつ置き、それぞれの試験片上におもりを乗せる。（おもり：７５０g±２０g、接地面：５０mm×３００mmのプラスチック板）５分後、おもりを取り除き、余分な水分をふきとる。

【００１５】摩擦強度試験試験片表面を重りを乗せたブラシ（重さ：１１１０g）で１００往復摩擦し、表面の状態を観察し、以下の５段階に評価する。結果を表２に示す。５：全く変化せず４：わずかに光沢の違い、毛羽立ちが分かる３：光沢の違い、毛羽立ちが分かる２：光沢の違い、毛羽立ちがかなり大きい。又、少しの破壊が確認できる。１：破壊する。

【００１６】

【表２】

【００１７】試験例３湿潤時引張強度湿潤時コンディションは上記に同じ。試験片（１５mm×２００mm）をつかみ具間隔１８０mm、引張速度１００mm／ minで引張り、試験片が完全に切断された時点までの最大強度を測定し、その結果を表３に示す。

【００１８】

【表３】

【００１９】試験例４湿潤時引裂強度湿潤時コンディションは上記に同じ。試験片（ＪＩＳＫ６３０１ダンベルＢ型２号）をつかみ具間隔５０mm、引張速度１００mm／minで引張り、試験片が完全に切断された時点までの最大強度を測定し、結果を表４に示す。

【００２０】

【表４】

【００２１】

【考案の効果】

本考案の壁紙においては、ジョイントテープが不要で、施工性を著しく向上することができる。また施工後にフィルムを剥離することにより、汚れをつけないように慎重に施工する必要がない。そして本考案の壁紙は施工時は表面にフィルムを有するので、通気性がなく糊をまとめて塗布することができ、一方施工後はフィルムを剥離することにより、紙、織物の風合いはそのまま維持でき、通気性もあるため結露やカビが発生しにくく、優れた施工性、風合い、通気性を併せ有する。また施工時には表面のフィルムに、その壁紙を施工する位置を書いたり、その他メモを書いたりでき、便利である。更に最近は新築後、しばらくの間、ホルムアルデヒド（ホルマリン）臭が残存したり、カビに基づくアトピー、ゼンソク等のアレルギーの発生することがあるが、本考案の壁紙はこのような問題を回避するのに好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の壁紙の１実施例の厚さ方向の断面図で
ある。

【図２】本考案の壁紙の正面図である。

【符号の説明】

１基材２、４接着層３フィルム５裏打ち紙

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】壁紙の表面に剥離可能なフィルムを貼付
したことを特徴とする壁紙。
【請求項２】壁紙が紙又は織物製の壁紙である請求項
１の壁紙。
【請求項３】フィルムが、エチレンーポリビニルアル
コール共重合樹脂又はアクリル酸エステル樹脂製のフィ
ルムである請求項１の壁紙。