JP3035274B2 - 原子炉容器内の被加熱流体混合促進構造 - Google Patents

原子炉容器内の被加熱流体混合促進構造

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JP3035274B2
JP3035274B2 JP10284532A JP28453298A JP3035274B2 JP 3035274 B2 JP3035274 B2 JP 3035274B2 JP 10284532 A JP10284532 A JP 10284532A JP 28453298 A JP28453298 A JP 28453298A JP 3035274 B2 JP3035274 B2 JP 3035274B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱体と被加熱流
体とが熱交換を行う加圧水型原子炉の内部構造物の形状
及び配置に関し、特に、上部プレナム部の出口ノズル近
傍における内部構造物の形状及び配置に関する。
【0002】
【従来の技術】動力用原子炉は、燃料棒内部で発生した
核反応熱を軽水等の冷却材で冷却する装置であり、即ち
核燃料と冷却材との間で熱交換が行われる。図9は、原
子炉の代表的一例である加圧水型原子炉の内部構造を示
している。原子炉容器10の内部には、炉内構造物、核
燃料集合体、及び冷却材がある。これらを簡単に説明す
ると、軽水である原子炉冷却材の入口ノズル11及び出
口ノズル12が一体的に形成された原子炉容器10の中
に、炉心槽30が垂下支持されている。入口ノズル11
及び出口ノズル12の数は、原子炉の出力に応じた冷却
材循環ループの数と一致しており、通常それぞれ2乃至
4個であるが、これら複数の入口ノズル11及び出口ノ
ズル12は、円周方向に間隔を置いて配置されている。
炉心槽30の内部下方には、水平方向に広がる下部炉心
支持板32及び下部炉心板31が設けられ、それらの下
方に下部プレナム41が形成されている。
【0003】下部炉心板31の上には、多数の燃料集合
体33が相隣接して装荷され、炉心を形成している。燃
料集合体33の上部には、上部炉心板21が上部炉心支
持柱23を介して上部炉心支持板20により支持されて
おり、この上部炉心板21により燃料集合体33を押さ
えて、冷却材流による浮き上り等を防止している。上部
炉心板21の上面には、複数の制御棒クラスタ案内管2
2の下端が図示しない支持ピン等により支持され、この
制御棒クラスタ案内管22は、上部炉心支持板20を通
って上方に延出している。図示しない制御棒クラスタ
を、制御棒クラスタ案内管22の中に炉心から引き込
み、或いは、制御棒クラスタ案内管22の中から炉心の
燃料集合体33の中に挿入することにより、炉心の熱出
力が調整される。
【0004】図10は、燃料集合体33の上部の構造を
示す拡大構成図である。この図に示すように、上部炉心
板21と上部炉心支持板20とは、上部炉心支持柱23
によって構造上、強度を保つように連結されていて、ま
た、上部炉心支持板20を貫通する制御棒クラスタ案内
管22も、上部炉心支持板20に固定され横方向に支持
されている。このように連結された上部炉心板21と上
部炉心支持板20との間には、上部プレナム40が画成
されている。
【0005】次に、上記のように構成された原子炉容器
10の内部の冷却材たる軽水の流れを説明する。入口ノ
ズル11から流入した低温の軽水は、図9及び図10の
矢印で示すように流れる。即ち、炉心槽30と原子炉容
器10の内面との間の環状下降空間を流れ下り、下部プ
レナム41で反転する。上向きに方向を変えた軽水は、
下部炉心支持板32及び下部炉心板31を通って炉心内
に流入する。炉心内を上昇する軽水は、ほぼ平行な流れ
となって流れ、燃料集合体33の燃料棒から核反応熱を
奪って温度が上昇する。上部炉心板21を通った後横方
向に転向し、出口ノズル12から流出し、出口配管42
を通って図示しない蒸気発生器へ向かう。
【0006】ここで、複数体の燃料集合体33で構成さ
れる炉心は、通常、サイクル毎に約1/3程度の燃料を
交換するため、3サイクルの異なる燃焼度の燃料集合体
で構成され、燃焼度に応じて燃料集合体毎の出力が異な
る。また、原子炉出力を制御する制御棒が装荷された燃
料位置と炉心外周部とは、炉外への中性子束漏れもあ
り、炉心中心部に比べて低い中性子束分布となっている
ため、出力は低くなる。
【0007】従って、炉心内の軽水の流れを若干詳しく
見ると、上記のような炉心内の中性子束分布の影響によ
り、核分裂反応が盛んな中心部を流れる矢印dの流れ
は、比較的よく加熱されて相対的に高温になって、炉心
から上部プレナム40に入る。そして、制御棒クラスタ
案内管22の内部及び周囲を流れて上部炉心支持板20
の下面に至り、横方向に案内されて、図10の矢印e、
f及びgのように流れて出口ノズル12へ流入する。
【0008】一方、中性子束密度が相対的に小さい炉心
周辺部を流れた周辺部流aは、加熱されるが中央部に比
べて相対的に低温のまま、炉心から上部プレナム40に
流出する。周辺部流の炉心出口から出口ノズル12へ向
かう矢印bの流れは、炉心槽30の内側において上部炉
心構造物が無く、比較的抵抗が少ない領域を流れるた
め、直接的ないし短流路で出口ノズル12に流入する。
【0009】従って、出口ノズル12に接続した出口配
管42内では、相対的に低温の周辺部流が矢印cに示す
ように配管内の底部を流れ、相対的に高温の炉心の中心
部流が矢印gに示すように天井部を流れる。即ち、出口
配管42及び出口ノズル12内には、上部に冷却材の高
温層、下部に冷却材の低温層が形成されて成層化現象が
生じ、出口配管等に大きな熱勾配を持った温度分布とな
る。また、この温度差を持つ流れは、炉内構造物を通過
するときに渦を生ずることにより、流体の温度揺らぎを
発生するため、配管内温度計測に対して原子炉の平均温
度計測を行う場合の障害となり易い。
【0010】そこで、原子炉容器内に設置された炉内構
造物の形状により、被加熱流体の流れを変えて、被加熱
流体の温度差を小さくするために混合を促進する構造
が、特開昭9−72985号公報に開示されており、図
11に、その構造を示す。この従来例では、発熱部の外
周部総てにスロット付き管24を配置し、外周部から流
出する温度の低い軽水の矢印aの流れの一部は、矢印
b'のように適宜配設されたスロット付き管24の中に
入って流れ、しかる後上方に設けられたスロットから上
部プレナム40内に流出し、矢印c'に示すように出口
ノズル12に向かう。このように流れると、スロット付
き管24内を流れた相対的に低温である周辺部流の一部
と前述の中心部流d,eとは、上部プレナム40内部で
程よく混合して、出口ノズル12に流入する冷却材たる
軽水の温度の平均化が図られ、十分混合した軽水が出口
配管42内を流れる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、外径を太くした管状のスロット付き管24の
内部に低温の軽水を導き、この軽水を上部炉心板21の
位置から出口ノズル12の上部高さ近くまで上方へ案内
する構造物は、内部に軽水を通さない形状の上部炉心支
持柱23に比べ外径が太いため、上部プレナム40にお
いて出口ノズル12に向かう横流れ流路が狭くなり、構
造物の流路抵抗が大きくなる。その結果、上部炉心支持
柱23及び制御棒クラスタ案内管22の流体荷重が増加
するため、制御棒クラスタ案内管22の構造健全性に影
響を与える可能性が有る。
【0012】また、炉心外周部に対応する燃料集合体の
上部の制御棒クラスタ案内管以外の総ての位置におい
て、上部炉心板21と上部炉心支持板20との間にスロ
ット付き管24を配設する場合にも、上部プレナム40
内における構造物の流路抵抗が大きくなり、制御棒クラ
スタ案内管22にかかる流体荷重は、スロット付き管2
4を取り付けない場合の約2倍以上になる。特に、制御
棒クラスタ案内管22の下端部は、前述したように支持
ピン等で上部炉心板21にピン止めされているので、安
全性の面からも流体荷重が増加することは好ましくな
い。
【0013】そこで、上記問題点を解決するために、本
発明は、出口ノズルに流入する冷却材の温度の平均化を
促進すると共に、上部プレナム内における流路抵抗を減
少させることのできる形状及び配置の原子炉容器内の被
加熱流体混合促進構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る本発明は、被加熱流体が低温域及び
高温域に分かれて流れる炉心上部に画成されると共に、
原子炉容器の側部に備えられた出口ノズルに流体連通す
る上部プレナムにおいて、前記炉心の前記低温域から流
出する前記被加熱流体を前記出口ノズル近傍まで案内す
ると共に、前記出口ノズルの内径にほぼ対応する位置且
つ長さに亙って複数の細長スロットが設けられている
径部及び太径部から成る被加熱流体案内部材を前記上部
プレナムに配設する原子炉容器内の被加熱流体混合促進
構造を提供する。
【0015】前記被加熱流体案内部材の前記太径部と前
記細径部との間に且つ連接するようにテーパ部を設け
該テーパ部に複数の窓孔を設けることができる。また
前記被加熱流体案内部材は、前記上部プレナムの外周部
に設けられる既存の上部炉心支持柱の位置に且つ交換し
て配設するのが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施の形態
を、添付図面を参照しながら説明するが、図中、同一符
号は、同一又は対応部分を示すものとする。
【0017】図1は、本発明の被加熱流体案内管を取り
つけた加圧水型原子炉の全体を示す断面図であり、図2
は、その上部プレナム40の詳細を示す拡大図である。
これらの図において、加圧水型原子炉の内部構造は、前
述の従来構造のものと大部分において同一であるため、
重複する部分の説明は、省略する。前述の従来構造と異
なる部分は、被加熱流体案内管としてのスロット付き管
1の形状である。スロット付き管1は、上部プレナム4
0内に、全く新しく設けてもよい。また、出口ノズル1
2への流出側に隣接した制御棒クラスタ案内管以外の既
設部材と交換して、スロット付き管1を設けても良い。
【0018】図3に、スロット付き管1の拡大側面図を
示す。スロット付き管1は、筒状に形成され、その下端
3は、開放されており、このスロット付き管1を上部炉
心板21に取り付けた際に、上部炉心板21の穴を介し
て炉心に連通して、炉心から流出した冷却材がスロット
付き管1の内部を流れるようになっている。スロット付
き管1の上端側は、前述した上部炉心支持柱23と同様
に、上部炉心支持板20に取り付けて固定するように、
細径の取付部4とフランジ部4aとを形成している。
【0019】また、スロット付き管1の下端3からフラ
ンジ部4aの下端までの部分、すなわち、設置した際に
上部プレナム40内に位置する部分であってフランジ部
4aを除いた部分は、下側が太径部5に、上側が細径部
6で形成されており、太径部5から細径部6に移行する
部分に、テーパ部7が設けられている。ここで、太径部
5と細径部6との長さ割合は、少なくとも1:3、すな
わち、スロット付き管1は、テーパ部7及びフランジ部
4aを有することから、上部プレナム40内に位置する
部分の2/3以上を細径部6にするのが好ましい。ま
た、細径部6は、少なくとも15%以上、太径部5より
外径を縮小化する。
【0020】次に、スロット付き管1の上部プレナム4
0内における配置位置を図4に示す。図4は、上部プレ
ナム40における原子炉容器10の横断面の1/4を示
し、各構造物の要部のみを示している。白抜きの4角形
は、制御棒クレスタ案内管22、X字形は、上部炉心支
持柱23、丸形は、従来のスロット付き管24が配設さ
れた位置で、その内、斜線付きのものは、本発明に従う
スロット付き管1を取り付けた位置である。この図から
分かるように、従来は、炉心外周部に対応する総ての位
置において、スロット付き管24を配設していたが(図
における白及び斜線付き丸印の位置)、この実施形態に
おいては、その配置位置を既存の上部炉心支持柱23が
ある位置に限定し、この上部炉心支持柱23と交換して
スロット付き管1を配設している(図における斜線付き
丸印の位置)。
【0021】ここで、図5〜図8は、図4における各構
造物の配置位置をモデル化したもので、図5は、スロッ
ト付き管を全く取り付けしない従来の一般的な既設炉の
4ループプラントの配置図、図6は、炉心外周部に対応
する燃料集合体の上部総ての位置にスロット付き管24
を取り付けた従来の配置図、図7は、既設炉の外周部に
配置された上部炉心支持柱23をスロット付き管24に
交換して配設した配置図、そして図8は、図7における
スロット付き管24を本発明に係るスロット付き管1に
交換して配置した図である。これらの図5〜図8におけ
る、スロット付き管1の配置位置及びその外径の低減割
合における制御棒クラスタ案内管22に作用する流体荷
重の変化の解析結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】この表2において、外径の低減割合は、従
来の外径が太いスロット付き管24の外径を基準とし、
本発明に係るスロット付き管1としては、細径部6が約
20%減少しているものを使用しているため、その低減
割合は、約0.8となる。また、既設炉の上部炉心支持
柱23は、従来の太いスロット付き管24に対して、低
減割合が0.5となる。一方、制御棒クラスタ案内管2
2に作用する流体荷重は、図5に示す既設炉の場合を基
準とする。
【0024】この表1から分かるように、従来の外径の
太いスロット付き管24を、炉心外周部に対応する燃料
集合体の上部位置総てに配設した場合(図6の配置)に
は、流路閉栓率が大きくなり、上部プレナム40内の出
口ノズル12周辺構造物、例えば、制御棒クラスタ案内
管22に作用する流体荷重が既設炉の2.5倍と増加
し、流れに対する影響が大きい。次に、図7に示すよう
に、本発明に係る配置、すなわち、既設炉の外周部に配
置された上部炉心支持柱23を外径の太いスロット付き
管24に交換した場合だけで、制御棒クラスタ案内管2
2に作用する流体荷重は、1.5倍程度に抑えることが
できる。さらに、図8に示すように、従来の太いスロッ
ト付き管24を本発明に係るスロット付き管1に取り替
えると、制御棒クラスタ案内管22に作用する流体荷重
は、既設炉の1.3倍にしかならないことが分かる。な
お、実験により、スロット付き管1を炉心外周部に対応
する燃料集合体の上部総ての位置に取り付けることな
く、図8に示す配置にするだけで、冷却材の高温及び低
温の混合を促進することができることが判明した。
【0025】図3に戻り、スロット付き管1の細径部6
には、このスロット付き管1を取り付けた際に、被加熱
流体の出口と共に、出口ノズル12近傍の横流れが大き
い部分の流路閉栓を最小とするため、出口ノズル12高
さの横流れの強い部分に対応する位置(図2参照)に、
細長スロット2を複数設ける。
【0026】また、太径部5から外径を細径化するテー
パ部分7において、スロット付き管1内部を流れる冷却
材の軸流に対する流動抵抗(圧力損失)が増加する。こ
の流動抵抗が大き過ぎると、上部炉心板21(図2参
照)を通過する冷却材の流量が不均一なり、炉心部で横
流れを生ずる影響がでることがある。従って、この流量
不均一を避けるため、細径部6で流路断面が縮小する相
当分以上の流路断面積を有する窓孔8を、スロット付き
管1のテーパ部7に複数設け、この窓孔8から冷却材の
一部が放出するようにする。このテーパ部7に設けられ
た窓孔8の流動抵抗、すなわち圧力損失の低減割合の実
験結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】上記の表2から明らかなように、この窓孔
8を、図2に示すように出口ノズル12より下側に設置
することにより、圧力損失が低減する。また、窓孔8の
向きは、スロット付き管1の内部の流れに対して、この
スロット付き管1からの冷却材の放出に効果的な方向で
ある。
【0029】次に、上記のような構成のスロット付き管
1を原子炉容器10内部の上部プレナム40に配設した
場合の炉心内の軽水の流れを説明する。しかし、従前の
流れの例と大部分は同一のため、説明を省略し、図2を
用いて上部プレナム40から出口ノズル12までの流れ
を詳述する。
【0030】上述したように、核分裂反応が炉心中心部
を流れる矢印dの流れは、比較的よく加熱されて相対的
に高温になって炉心から上部プレナム40に入り、制御
棒クラスタ案内管22の中及び周囲を流れて上部炉心支
持板20の下面に至り、横方向に案内されて図2の矢印
e及びfのように出口ノズル12に向かう。一方、中性
子束密度が相対的に小さい炉心周辺部を流れた周辺部流
aは、加熱されるが相対的には低温で炉心から上部プレ
ナム40に流出する。そして、その流れの一部は、適宜
配設されたスロット付き管1の中に入って流れ、出口ノ
ズル12に対応する位置に設けられたスロット2から矢
印b'の流れのように上部プレナム40内に流出して、
出口ノズル12に向かう。
【0031】このように相対的に低温である冷却材をス
ロット付き管1内を流すことにより、低温の周辺部流と
高温の中心部流とは、程よく混合して出口ノズル12に
矢印Aの流れのように流入し、冷却材である軽水の温度
の平均化が図られ、十分混合した冷却材が出口配管42
内を流れる。なお、スロット2を出口ノズル12に対応
する位置及び長さに亙ってスロット付き管1に設けてあ
るので、上部プレナム40内における冷却材の横流れが
大きい部分の流路閉栓を最小にすることができる。
【0032】また、スロット付き管1の上部2/3の長
さの細径部6の径は、下部の太径部5に比べ15%以上
細くなっているので、出口ノズル12近傍の構造物に働
く流体荷重を低減するため、高温の中心部流が矢印f'
の流れのように、スロット付き管1のスロット2を貫通
して出口ノズル12に向かってスムーズに流れる。さら
に、低温の周辺部流と高温の中心部流との混合を促進す
ることができる。
【0033】さらに、スロット付き管1には、太径部5
から細径部6へ移行するテーパ部7に窓孔8を設けたの
で、径縮小分の流量を細径部6に至る前に、スロット付
き管1内部から上部プレナム40に放出することができ
る。このため、スロット付き管1内部を通過する軸流量
の低下が避けられ、上部炉心板21の流路孔を通過する
冷却材の流量が不均一になることがなく、また、低温の
冷却材と高温の冷却材との混合がさらに促進されて均温
化が進む。
【0034】
【発明の効果】請求項1に係る本発明は、被加熱流体が
低温域及び高温域に分かれて流れる炉心上部に画成され
ると共に、原子炉容器の側部に備えられた出口ノズルに
流体連通する上部プレナムにおいて、前記炉心の前記低
温域から流出する前記被加熱流体を前記出口ノズル近傍
まで案内すると共に、前記出口ノズルの内径にほぼ対応
する位置且つ長さに亙って複数の細長スロットが設けら
れている細径部及び太径部から成る被加熱流体案内部材
を前記上部プレナムに配設する原子炉容器内の被加熱流
体混合促進構造としたので、炉心外周部の低温域を流れ
た低温被加熱流体が、高温域を流れた高温加熱流体の流
れの中まで導かれて混合すると共に、上部プレナム内に
おける冷却材の横流れが大きい部分の流路閉栓を最小に
することができ、該非加熱流体案内部材による上部プレ
ナム内部の構造物の流体荷重の増加を低減することがで
きるため、出口ノズルに続く管内での熱成層化現象の発
生を防止し、且つ、制御棒クラスタ案内管等の構造物の
健全性を高める。
【0035】
【0036】請求項に記載の本発明は、前記被加熱流
体案内部材の前記太径部と前記細径部との間に且つ連接
するようにテーパ部が設けられ、該テーパ部に複数の窓
孔が設けられているので、被加熱流体案内部材内部にお
ける径縮小分の流量を、細径部に至る前に被加熱流体案
内部材から上部プレナムに放出することができ、被加熱
流体案内部材内部の軸流量低下を避けることにより、炉
心部における横流れを防止すると共に、上部プレナム内
において低温被加熱流体と高温被加熱流体との混合が促
進され均温化が進む。
【0037】請求項に記載の本発明は、前記被加熱流
体案内部材が、前記上部プレナムの外周部に設けられる
既存の上部炉心支持柱の位置に且つ交換して配設される
ので、上部プレナム内部の構造物に作用する流体荷重を
さらに低減させることができ、構造物の健全性がさらに
高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る加圧水型原子炉の要
部を示す縦断面図である。
【図2】 前記実施形態の上部プレナム近傍の要部を示
す部分拡大断面図である。
【図3】 スロット付き管の一部切欠き拡大側面図であ
る。
【図4】 上部プレナム内の構造物の配置を示す1/4
平面構成図である。
【図5】 上部プレナム内の構造物の配置をモデル化し
た図である。
【図6】 上部プレナム内の構造物の配置をモデル化し
た図である。
【図7】 上部プレナム内の構造物の配置をモデル化し
た図である。
【図8】 上部プレナム内の構造物の配置をモデル化し
た図である。
【図9】 既設の一般的な加圧水型原子炉の要部を示す
縦断面図である。
【図10】 図9の加圧水型原子炉の上部プレナム近傍
の要部を示す部分拡大断面図である。
【図11】 従来のスロット付き管を取りつけた上部プ
レナム近傍の要部を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1…スロット付き管(細径型)、2…スロット、3…下
端、4…取付部、5…太径部、6…細径部、7…テーパ
部、8…窓孔、10…原子炉容器、11…入口ノズル、
12…出口ノズル、20…上部炉心支持板、21…上部
炉心板、22…制御棒クラスタ案内管、23…上部炉心
支持柱、24…スロット付き管(従来型:太径型)、3
0…炉心槽、31…下部炉心板、32…下部炉心支持
板、33…燃料集合体、40…上部プレナム、41…下
部プレナム、42…出口配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗村 力 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (72)発明者 泉 元 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂研究所内 (56)参考文献 特開 平10−221479(JP,A) 特開 平9−197087(JP,A) 特開 平9−72985(JP,A) 特開 平8−240685(JP,A) 饗場他,「153万kW級改良型PWR の特徴」,三菱重工技報 第35巻,第4 号(1998−7)p.246−249 栗村他,「改良型PWR炉内構造物の 設計」,三菱重工技報 第35巻,第4号 (1998−7)p.250−253 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 15/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱流体が低温域及び高温域に分かれ
    て流れる炉心上部に画成されると共に、原子炉容器の側
    部に備えられた出口ノズルに流体連通する上部プレナム
    において、前記炉心の前記低温域から流出する前記被加
    熱流体を前記出口ノズル近傍まで案内すると共に、前記
    出口ノズルの内径にほぼ対応する位置且つ長さに亙って
    複数の細長スロットが設けられている細径部及び太径部
    から成る被加熱流体案内部材を前記上部プレナムに配設
    する原子炉容器内の被加熱流体混合促進構造。
  2. 【請求項2】 前記被加熱流体案内部材の前記太径部と
    前記細径部との間に且つ連接するようにテーパ部が設け
    られ、該テーパ部に複数の窓孔が設けられている請求項
    1に記載の原子炉容器内の被加熱流体混合促進構造。
  3. 【請求項3】 前記被加熱流体案内部材は、前記上部プ
    レナムの外周部に設けられる既存の上部炉心支持柱の位
    置に且つ交換して配設される請求項1または2に記載の
    原子炉容器内の被加熱流体混合促進構造。
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栗村他,「改良型PWR炉内構造物の設計」,三菱重工技報 第35巻,第4号(1998−7)p.250−253
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