JP3034863B2 - 混合ガスから凝縮性ガスを回収する方法 - Google Patents
混合ガスから凝縮性ガスを回収する方法Info
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Description
性ガスからなる混合ガスを回収する凝縮性ガス回収装置
を用いた、混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方
法、及びこの回収方法に用いられる凝縮性ガス回収装置
に関するもので、例えば電気機器に使用される電気絶縁
ガスである窒素ガスと6弗化硫黄(以下、SF6とす
る。)ガスの混合ガスから、不凝縮性ガスである窒素ガ
スと、凝縮性ガスであるSF6ガスを分離し、凝縮性ガ
スを回収する方法、及びこの回収に用いられる凝縮性ガ
ス回収装置に関する。
装置等のガス絶縁装置には、絶縁ガスとしてSF6ガス
等の凝縮性ガスが封入されているが、電力プラントの点
検時にはこのガス絶縁装置を開放する必要がある。この
際、装置に封入されたSF6ガス等の凝縮性ガスを大気
中に放出することなく回収することが、経済性や、地球
温暖化防止の観点から求められるようになってきてい
る。
78718号公報においてSF6等の絶縁ガスとして用
いられる凝縮性ガスの回収を目的としたガス置換回収装
置が提案されている。図13に、このガス置換回収装置
のシステム系統図を示す。尚、図中、1301は絶縁ガ
ス液化置換回収装置であり、気化器1313、ドライヤ
1307、ガス圧縮機1308、油分離機1309、空
冷クーラ1310、排気管1312、接続口1305、
1306が備えられている。尚、接続口1305、13
06は後述の容器1302と絶縁ガス液化置換回収装置
1301を、上部口1303及び下部口1304を介し
て接続するための部材である。この容器1302とは、
例えば電力プラントに利用されるガス絶縁開閉装置の外
装容器である。
301は、この容器1302に凝縮性ガスを充填する場
合や、一旦容器を開放する場合に、容器内の凝縮性ガス
を大気中に排気せずに回収する為に用いる。そこで、絶
縁ガス液化置換回収装置1301を用いて、容器130
2内の空気を必要量のSF6ガスに置換し、また余分な
SF6を回収する方法を簡単に説明する。
F6を絶縁ガス液化置換回収装置1301内部に導入
し、この液化SF6を気化器1313で気化、減圧す
る。そして気化したSF6ガスを接続口1306、下部
口1304を介して容器1302内に導入する。
と、容器1302内に先に存在する、不凝縮性ガスであ
る空気と混合して混合ガスとなり、上部口1303、接
続口1305を介して、絶縁ガス液化置換回収装置13
01内に入る。
入した混合ガスは、ドライヤ1307で完全に乾燥した
後、ガス圧縮機1308、油分離機1309、空冷クー
ラ1310による中間処理を経て、冷却分離機1311
に至る。
てSF6ガスの方が先に液化する。そこでこの液化した
SF6を回収し、残りの空気と液化しなかったSF6ガス
の混合ガスを排気管1312より大気中に排出する。そ
して液化したSF6は再び気化して容器1302に送
る。この作業を繰り返し、容器内に必要量のSF6ガス
が充填されれば、置換作業が完了する。また単にSF6
ガスを回収する場合は、液化したSF6を回収すればよ
い。
ガス液化置換回収装置1301では、上述のようにして
絶縁ガスの液化置換を行い、また利用方法によっては絶
縁ガスの回収も可能としているが、この絶縁ガス液化置
換回収装置においては、例えば空気等の不凝縮性ガスと
SF6ガス等の凝縮性ガスからなる混合ガスを冷却して
も、冷却温度状態下では蒸気圧分の凝縮性ガスがそのま
ま不凝縮性ガス中に混在したままとなり、これを排気ガ
スとして大気中に排出すると、凝縮性ガスも大気中に排
出されることになり、経済的にも、環境的にも問題であ
った。
ガスのみであれば、上述の処理により大気中に排出して
も、凝縮性ガスは不凝縮性ガス中に微量しか混入しない
ので、その絶対量が少なく、まだ問題は軽微であるが、
絶縁ガスが始めから混合ガスである場合のように、混合
ガス中に占める不凝縮性ガスの比率が、混合ガス中に占
める凝縮性ガスの比率よりも大きい混合ガスを処理する
際には、凝縮性ガスの大気放出量も大きくなるため、こ
の問題は看過できないものとなる。
性ガスを回収する、という観点から、特開平9−285
719号公報では、ガス絶縁機器の内部で発生したり、
ガス置換する過程で混入してくる微量の不凝縮性ガスを
吸着材に全て吸着させて、不凝縮性ガスを除去した凝縮
性ガスの回収を可能とするように構成した、SF6ガス
の回収再生装置、並びに移動式回収再生装置、が提案さ
れている。
ように、不凝縮性ガスを僅かに含むSF6ガスを、圧縮
機1401で圧縮してやり、第1空気吸着容器1402
を経て液化容器1404に導入するようにしたものであ
り、第1空気吸着容器1402の内部には合成ゼオライ
ト1403が充填されていて、これにSF6ガスに含ま
れる窒素ガスや酸素ガスなどの不凝縮性ガスを吸着させ
ることにより、不凝縮性ガスの除去を行い、純粋なSF
6を回収する、というものである。
縮性ガスの絶対量が微量である場合には有効であるが、
混合ガスのように、混合ガス中に占める不凝縮性ガスの
比率がSF6ガスの比率より明らかに大きいようなもの
に対しては適用できない、という欠点がある。
ものであり、例えば電気絶縁ガスとして使用される窒素
ガスとSF6ガスからなる混合ガスからSF6ガスを回収
する、というように、凝縮性ガスと不凝縮性ガスからな
る混合ガスから、凝縮性ガスを回収可能とする回収方法
を提供するものである。
め、本発明の請求項1に記載の混合ガスから凝縮性ガス
を回収する回収方法は、少なくとも、凝縮性ガスと不凝
縮性ガスからなる混合ガスを圧縮する圧縮機と、不凝縮
性ガスを吸着する吸着材を充填し、かつ冷却手段を備え
た混合ガス分離器と、真空排気装置と、を備えた凝縮性
ガス回収装置を用いた、混合ガスから凝縮性ガスを回収
する回収方法であって、少なくとも、前記圧縮機で高圧
化された前記混合ガスを前記混合ガス分離器に導入する
第1工程と、高圧状態で前記混合ガス中の不凝縮性ガス
を前記吸着材に吸着させつつ、前記冷却手段で前記混合
ガス分離器を冷却することにより前記凝縮性ガスを液化
して回収する第2工程と、前記真空排気装置で前記混合
ガス分離器の内気を排気した低圧状態で、不凝縮性ガス
を吸着した前記吸着材から不凝縮性ガスを脱気する第3
工程と、を有してなることを特徴とする。
性ガスを回収する回収方法は、少なくとも、凝縮性ガス
と不凝縮性ガスからなる混合ガスを圧縮する圧縮機と、
不凝縮性ガスを吸着する吸着材を充填し、かつ冷却手段
及び加熱手段を備えた混合ガス分離器と、真空排気装置
と、を備えた凝縮性ガス回収装置を用いた、混合ガスか
ら凝縮性ガスを回収する回収方法であって、少なくと
も、前記圧縮機で高圧化された前記混合ガスを前記混合
ガス分離器に導入する第1工程と、高圧状態で前記混合
ガス中の不凝縮性ガスを前記吸着材に吸着させつつ、前
記冷却手段で前記混合ガス分離器を冷却することにより
前記凝縮性ガスを液化して回収する第2工程と、前記真
空排気装置で前記混合ガス分離器の内気を排気した低圧
状態で、不凝縮性ガスを吸着した前記吸着材を前記加熱
手段で加熱することにより、前記吸着材から不凝縮性ガ
スを脱気する第3工程と、を有してなることを特徴とす
る。
縮性ガスを回収する回収方法のように、請求項1または
請求項2に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回
収方法において、前記混合ガス分離器を1対設けた前記
凝縮性ガス回収装置を用い、一方の前記混合ガス分離器
が前記第2工程を実施している時に、他方の前記混合ガ
ス分離器が前記第3工程を実施することは、好ましい実
施の形態である。
性ガスを回収する回収方法のように、請求項1ないし請
求項3の何れか1項に記載の混合ガスから凝縮性ガスを
回収する回収方法において、前記冷却手段を前記吸着材
中に埋設した、前記凝縮性ガス回収装置を用いること、
請求項5に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回
収方法のように、請求項1ないし請求項3のいずれか1
項に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法
において、前記吸着材を前記混合ガス分離器内部の上部
に配し、前記冷却手段を前記混合ガス分離器内部の前記
吸着材の下方に配すると共に、前記吸着材中にも配し
た、前記凝縮性ガス回収装置を用いること、さらに請求
項6に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方
法のように、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記
載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法におい
て、前記吸着材を前記混合ガス分離器内部の上部に配
し、前記冷却手段を前記混合ガス分離器内部の前記吸着
材の下方に配した、前記凝縮性ガス回収装置を用いるこ
と、もまた好ましい実施の形態である。
を回収する回収方法は、請求項1ないし請求項6の何れ
か1項に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する方法
において、容器形状を両端が閉じた円筒形とした前記混
合ガス分離器を、その長軸が略水平となるように配置し
た、前記凝縮性ガス回収装置を用いることを特徴とす
る。
ガスを回収する回収方法のように、請求項6に記載の混
合ガスから凝縮性ガスを回収する方法において、容器形
状を両端が閉じた円筒形とした前記混合ガス分離器を、
その長軸が略水平となるように配置し、前記吸着材と前
記冷却手段に亘る伝熱体を前記混合ガス分離器の軸方向
に1つ又は複数個配した、前記凝縮性ガス回収装置を用
いること、は好ましい実施の形態である。
を回収する回収方法のように、請求項1から請求項8の
何れか1項に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する
回収方法において、前記凝縮性ガスを、6弗化硫黄(S
F6)ガス、フロンガス、又は炭化水素ガスのいずれ
か、とすること、また請求項10に記載の混合ガスから
凝縮性ガスを回収する回収方法のように、請求項1から
請求項9の何れか1項に記載の混合ガスから凝縮性ガス
を回収する回収方法において、前記不凝縮性ガスを、窒
素ガス、又は空気のいずれか、とすること、さらに請求
項11に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収
方法のように、請求項1から請求項10の何れか1項に
記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法にお
いて、前記吸着材を、カルシウムを含むアルミノ珪酸塩
とすること、も好ましい実施の形態である。
性ガスを回収する回収方法は、請求項1から請求項8の
いずれか1項に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収す
る回収方法において、前記凝縮性ガスを電気機器用凝縮
性ガスとしたことを特徴とする。
て図面を参照しながら説明する。尚、ここで示す実施の
形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形
態に限定されるものではない。また以下の説明におい
て、凝縮性ガスとは、例えばSF6ガスやフロンガス、
又はプロパンガスのような炭化水素ガス、等のように、
汎用冷凍機の温度範囲、即ち30℃から−30℃の範囲
において、圧力を30気圧程度とした時に凝縮液化する
ガスを言い、不凝縮性ガスとは、例えば窒素ガスや空気
等のように、上記の条件下で凝縮しないガスを言う。そ
して以下の説明においては、凝縮性ガスをSF6ガス、
不凝縮性ガスを窒素ガス、とするが、本発明はこれらの
ガス、及びこれらのガスからなる混合ガスに限定されて
利用されるものではないことを、予め断っておく。
縮機と、吸着材を充填し、かつ冷却手段を備えた混合ガ
ス分離器と、真空排気装置と、を備えた凝縮性ガス回収
装置を用いた、凝縮性ガスと不凝縮性ガスからなる混合
ガス(以下「混合ガス」とする。)から凝縮性ガスを回
収する回収方法について述べるが、これに先立ち、まず
この回収方法に用いる凝縮性ガス回収装置について、図
面を参照しつつ説明をする。
スを回収する回収方法に用いる凝縮性ガス回収装置10
0の全体構成図であり、図2は凝縮性ガス回収装置10
0を構成する混合ガス分離器200の概略構成図を示し
たものである。また図3は混合ガス分離器200の長軸
方向の概略断面図、図4は図3中A−A線による概略断
面図である。
ガス絶縁装置101と、アキュムレータ102と、ガス
圧縮機103と、1次冷却器104と、切換弁105、
106、114と、弁109、110と、液溜107
と、分岐管108a、108bと、配管111と、ガス
濃度計113と、を備えている。
は、圧力タンク201と、吸着層202と、コイル20
3と、ガス冷却器204と、配管205、206を備え
ている。また図中207は真空排気装置である。尚、コ
イル203について、これを省略して混合ガス分離器2
00の構造を簡略化することが考えられるが、後述する
理由により、このコイル203については予め設けてあ
ることが望ましい。
は、本実施の形態においては、図3及び図4に示すよう
に両端が閉じた円筒形状としてある。この形状について
は、必ずしもこれに限定されるものではないが、後述の
ように、凝縮性ガスの液化、回収を行いやすくし、かつ
内部に導入される混合ガスの高い圧力に耐えるために
は、このような形状としてあることが望ましい。
いて、図面を参照しつつ説明する。ガス絶縁装置101
はガス絶縁開閉装置などのように電気プラントに用いら
れる装置であり、その内部には、図示しないが所望の目
的に応じた電気設備が設けられていると共に、混合ガス
が充填されており、この電気設備は、この混合ガスによ
り、電気的絶縁状態を保持した状態で運転されている。
2を介してガス圧縮機103に接続される。ガス圧縮機
103の吐出側は1次冷却器104に接続しており、次
いで切換弁105を介して、一対の混合ガス分離器20
0a及び200bからなる混合ガス分離器200側に接
続されている。
06が延伸しており、これら配管は切換弁106にて合
流して、液溜107に接続している。また、配管206
からは分岐管108が分岐していて、分岐管108は弁
109又は弁110に連結している。
てガス圧縮機103の吸い込み側に配置されているアキ
ュムレータ102に連結されている。また図4、5に示
すように、吸着層202は混合ガス分離器200の圧力
タンク201内部の上部に扇形状に配置され、ガス冷却
器204は、吸着層202の下方に扇形状に配置されて
いる。そしてガス冷却器204は、例えば冷媒を流す伝
熱管209と熱交換面を大きく出来るようにするため
に、扇形状の伝熱フィン210を熱的に連結して構成し
ている。この伝熱フィン210も必ずしも必要ではない
が、冷却効率を上げるために予め設けてあることが望ま
しい。
1998.1 Vol.101 No.950 p37
に記載されているような、ゼオライトなどの窒素ガスを
選択的に吸着する吸着材が充填されている。即ち、この
吸着材としては、下記の化学式で表されるアルミノ珪酸
塩が挙げられる。
トが得られることより、上記化学式においてMをカルシ
ウム元素とすることが好ましい。
選択的に吸着するものを利用しているが、これは当然な
がら、混合ガスを構成する不凝縮性ガスに応じたものを
適宜利用すればよい。
対設けてあるが、必ずしもこの数に限定されるものでは
なく、例えばこれを1個とすることや、3個以上とする
ことも考えられる。
ガス回収装置100を用いて混合ガスからSF6ガスを
回収するのであるが、この回収方法には、以下の3つの
工程が含まれている。即ち、高圧化した混合ガスを凝縮
性ガス回収装置100の混合ガス分離器200に導入す
る第1工程と、高圧状態で、混合ガス中の窒素ガスを吸
着材に吸着させつつ、冷却手段で混合ガス分離器200
を冷却することによりSF6ガスを液化して回収する第
2工程と、真空排気装置207で混合ガス分離器200
内の内気を排気した低圧状態で、窒素ガスを吸着した吸
着材から窒素ガスを脱気する第3工程、の3つの工程で
ある。
00を用いた、混合ガスからSF6ガスを回収する回収
方法について説明する。
混合ガスは、まずアキュムレータ102を介してガス圧
縮機103によって吸引、圧縮されて高圧ガスとなる。
高圧ガスとなった混合ガスは、次に1次冷却器104に
送出されて冷却される。さらに冷却された高圧ガスは切
換弁105を操作して、一対の混合ガス分離器200
a、200bのうちいずれか一方に送り込まれるものと
する。ここでは、冷却された高圧ガスを、混合ガス分離
器200aに送り込むものとする。
第2工程が行われる。混合ガス分離器200aに送り込
まれた、高圧状態の混合ガス中の窒素ガスは選択的に吸
着層202に吸着される。この時、混合ガス分離器20
0a内では、窒素ガスが吸着層202に吸着されて混合
ガスから取り除かれることにより、混合ガス中のSF6
ガスの濃度は増大する。
比重が窒素ガスの比重に比べて大きいので、図5中の矢
印Aで示すように、その自重によって圧力タンク201
の底部に沈降し始めるが、その過程において、高濃度に
なったSF6ガスは吸着層202の下方に配置されたガ
ス冷却器204を通過する。
ように例えば冷凍機208等のデバイスが接続されてい
て、これより供給される冷媒によって、通過するSF6
ガスの冷却を行うように構成されている。このためガス
冷却器204に触れたSF6ガスは、冷却され、潜熱を
奪われて液化し、圧力タンク201の底部に液体として
溜まる。そして液化したSF6は、圧力タンク201の
底部に設けられた配管206に流入し、切換弁106を
介して逐次液溜107に蓄積される。
する現象について、図6に示すSF6の飽和蒸気圧に関
するグラフを参照しつつ簡単に説明する。例えば温度が
30℃で、圧力が30atm.abs.である状態のS
F6ガスを、圧力を保ったままで温度を下げると、SF6
の飽和蒸気圧も図示するように低くなる。しかし、圧力
については高圧が保たれているので、SF6ガスの蒸気
圧が飽和蒸気圧となるように、必要量を液化するのであ
る。
窒素ガスは、図5中の矢印Bで示すように、比重が小さ
いので浮力が働いて吸着層とガス冷却器との間でガスの
自然循環が生じ、自動的に圧力タンク内の吸着層に移動
し、吸着材に吸着される。
形態では、ガスの循環移動経路を短くし、ひいては循環
速度を速く、効率的に行うために、その形状を両端の閉
じた円筒形状とし、また吸着層202は混合ガス分離器
200aの横断面のなかでその上部に扇形状に配置さ
れ、ガス冷却器204は吸着層202の下方に配置して
いるのである。また混合ガス分離器200の形状を両端
の閉じた円筒形状とすることで、内部に導入される混合
ガスの高い圧力にも耐えられるのである。
方向を水平に配置してあるが、液化した凝縮性ガスを配
管206より排出しやすくするため、長軸方向に数度程
度、僅かに傾けた状態で配置してあってもよい。
冷媒を流す伝熱管を熱的に連結して大きな熱交換面を構
成しているのは、ガス冷却器204の混合ガスに接する
部分が、自然対流的なガス循環のために伝達熱量が低く
なってしまうことを防ぐためである。
6ガスを液化して回収している。しかし、第2工程を繰
り返し実行していると、やがて吸着層202の窒素ガス
吸着能力が飽和してしまう。そこで、このような状態に
なった時に、第3工程を実行するのである。
ガス吸着能力の回復を行うのであるが、具体的に説明す
ると、切換弁105、106、および弁109を操作し
て混合ガス分離器200aを密閉した上で、真空排気装
置207で混合ガス分離器200aの内気を排気して、
低圧状態とする。すると吸着層202から窒素ガスが脱
気され、混合ガス分離器200aの外部へと排出され
る。
すると、吸着材の有する窒素ガスの吸着量は圧力により
決まるものであり、例えば圧力を500P/torrと
した場合の吸着材1kg当たりの窒素ガス吸着量は12
Nl/kgであるが、この圧力を100P/torrに
まで下げると、吸着材1kg当たりの窒素ガス吸着量は
約3Nl/kgにまで低下する。即ち、圧力を下げるだ
けで、吸着材の吸着可能な量以上の窒素ガスは、自動的
に吸着材から脱気されるのである。そして脱気作業を終
え、再び圧力を元の値に戻すと、再び吸着可能な量が増
加するので、再び吸着材の吸着能力が回復するのであ
る。
と、この混合ガス分離器200aを再び第2工程に利用
できるようになる。
2に、熱的に連結しているコイル203から熱媒体の供
給を行うことによって、窒素ガスの脱気を促進すること
も出来る。このために、コイル203が予め設けてある
ことが望ましいのである。
参照しながら説明すると、先の説明の通り、温度を一定
にしたままであって圧力のみを変化させることにより、
窒素ガスの脱気を行うことが可能であるが(図中A−
B)、圧力は一定のままで吸着材を高温にすると、やは
り吸着材の吸着可能な窒素ガスの量は減少するので、や
はり窒素ガスの脱気が進む(図中A−C)。そこで、コ
イル203を設けておいて吸着材を加熱可能としてお
き、そして吸着材を高温にすると同時に混合ガス分離器
200を減圧すれば、一度により多くの窒素ガスが脱気
できるのである(図中A−D)。
収装置には、回収作業の効率を上げるために、先述の通
り混合ガス分離器200を一対設けているのである。
混合ガス分離器200aを用いて第2工程を行うが、こ
の工程を繰り返し行うと、やがて吸着層202の吸着能
力が飽和状態となることは、先述の通りである。そして
吸着層202の吸着能力が飽和状態となると、やはり先
述の通り、第3工程に移行するが、この第3工程を行う
と、その間は混合ガス分離器200aではSF6ガスの
液化回収作業が一切出来ない状態となる。
程にある間、切換弁105を操作して、混合ガスを混合
ガス分離器200bに導入して、この混合ガス分離器2
00bで第2工程を並行して実行するようにすれば、混
合ガス分離器200aが使用出来ない状態下であって
も、この凝縮性ガス回収装置100では常にSF6ガス
が液化回収されていることになる。
混合ガス分離器200を1対設けてあることが望ましい
のである。
よるガス回収方法によれば、熱供給が出来る吸着層20
2及びガス冷却器204などからなる混合ガス分離器2
00を一対備えた構成を有するガス回収装置を用いるこ
ととしたので、窒素ガスとSF6ガスの混合ガスを完全
に分離して、一方の吸着器において低温かつ高圧な環境
を作り出してSF6ガスを液化して回収するとともに、
他方の吸着器において、高温かつ低圧な環境を作り出し
て窒素ガスを脱気して大気中に排出するようにして、絶
縁ガスとして混合ガスを用いたガス絶縁装置の点検等に
際しても、SF6ガスの排出量を規制以下に低減した状
態で、混合ガスを安全に処理することが出来る。
き、混合ガス分離器200d内にSF6ガスが残存して
いる時は弁109を開いてアキュムレータ102に回収
し、SF6ガス濃度が規定以下になった時、弁109を
閉じて第3工程に移行させる。この時SF6ガス濃度は
ガス濃度計113で監視する。
において、混合ガスからSF6ガスを液化して回収する
回収方法と、この回収に用いる凝縮性ガス回収装置10
0について説明したが、さらにSF6ガスを効率よく回
収するために、凝縮性ガス回収装置100の混合ガス分
離器200を別形状とすることが考えられる。そこで、
この第2の実施の形態では、別形状とした混合ガス分離
器200について、図面を参照しつつ説明する。
ス分離器200の形状は図3、4に示した通りである
が、この混合ガス分離器200による窒素ガスの吸着
は、吸着層202とガス冷却器204の間に生じる混合
ガスの自然循環を利用したものであることも先述の通り
である。
04の間の混合ガスの自然循環は混合ガス成分の比重量
の差を利用したものである。その一方、一般的に気体は
温度が低い時は比重量が大きく、温度が高い時は比重量
が小さいものである。そこで図3、4に示した混合ガス
分離器200の構造を見れば、吸着層202に吸着され
る窒素ガスが比較的高温であることより、吸着層202
がこの窒素ガスを吸着するにつれて吸着熱により吸着層
202はさらに高温状態となる。すると、吸着層202
周囲の雰囲気が高温であるために、さらに混合ガス分離
器200に導入される高温、高圧の混合ガスは、吸着層
202周囲に上昇しにくくなり、混合ガス分離器200
内の下方に溜まることになる。
降下させるべきSF6ガスが高温となってしまい、ひい
ては比重量差が小さくなって混合ガスの自然循環を起こ
す起動力が低減してしまい、SF6ガスの回収効率が低
下してしまう。
ガス分離器200内の温度雰囲気を出来るだけ均一にす
ればよい。
た、混合ガス分離器200' の長軸方向の概略断面図、
図10は図9中B−B線による概略断面図である。
ス冷却器204から混合ガス分離器200' の長軸方向
に一定間隔で上方の吸着層202に亘るように伝熱板2
11を配置している。この伝熱板211の形状について
は色々なものが考えられるが、温度雰囲気を出来るだけ
均一にするためには、伝熱板211が吸着層202内部
に食い込むような形状とすることが望ましい。重要なこ
とは、ガス冷却器204と吸着層202を一定間隔で熱
的に連結することによって、混合ガス分離器200' の
横断面視で、上下の温度を均一にして上下の温度差異を
なくし、比重量差の現象による混合ガスの自然循環を起
こす起動力の低減を防止している。
材は、第1の実施の形態で述べたものと同様である。即
ち、圧力タンク201と、吸着層202と、ガス冷却器
204と、配管205、206と、真空排気装置207
と、を備えている。尚、ここではコイル203は省略し
ているが、この有無についても、第1の実施の形態で説
明した通りである。さらにこの混合ガス分離器200'
の構造も、基本的には第1の実施の形態で説明した通り
であり、これに先述の伝熱板211が加わるのみであ
る。
することにより、より効率的に混合ガスの自然循環を起
動し、ひいてはより効率的にSF6ガスの回収を行うこ
とが可能となる。
は、ガス冷却器204から混合ガス分離器200'の長
軸方向に一定間隔で熱的に連結することによって混合ガ
ス分離器200' の横断面視での上下温度を均一にして
温度差異をなくし、比重量差の現象により混合ガスの自
然循環を起動する起動力が低減することを防止した例を
示したものであるが、この第3の実施の形態では、図1
1に示すように、吸着層202に独立して混合ガス分離
器200" の長軸方向に一定間隔で伝熱板212を配置
するとともに、第2伝熱管209aを吸着層202の内
部に配置して、第2伝熱管209aと伝熱板212とを
熱的に連結し、ガス冷却器204の伝熱管209と直列
若しくは並列で冷凍機208に連結することによって、
第2の実施の形態に比べ、より確実に、混合ガス分離器
200" の横断面視での上下温度を均一にして温度差異
による比重量差の減少でガス循環の起動力が低減するこ
とを防止している。
ス分離器200" を構成する基本的な部材、即ち、圧力
タンク201と、吸着層202と、ガス冷却器204
と、配管205、206と、真空排気装置207、及び
その構成については、やはり第1の実施の形態で示した
ものと同一である。コイル203の有無についても同様
である。
例えば図12に示すように、吸着層の下部で筒体の軸方
向に台形状、あるいは図示はしていないが矩形状、もし
くは楔状の冷却器を配置することも考えられる。また混
合ガス分離器200の圧力タンク201の形状は、両端
の閉じた円筒形としてあるが、これ以外の形状であって
も別に構わない。但し、本発明に係る凝縮性ガスの回収
方法では、圧力タンク201内部は高圧になるため、円
筒形としてあることが好ましい。
と、吸着材を充填し、かつ冷却手段を備えた混合ガス分
離機と、真空排気装置と、を備えた凝縮性ガス回収装置
を用いて行う混合ガスから凝縮性ガスを回収する方法に
よれば、混合ガスを構成する凝縮性ガスと不凝縮性ガス
の比重量差に着目して、高圧状態とした混合ガス中の不
凝縮性ガスを、高圧状態を保ったままで吸着材に吸着さ
せ、また同時に混合ガス中の凝縮性ガスを、高圧状態を
保ったままで冷却手段により冷却、液化して回収するの
で、確実に凝縮性ガスの回収が行えるだけでなく、処理
後の排気ガス中に凝縮性ガスが大量に混入することを簡
単に防止出来るのでよい。
ガスを回収する方法によれば、吸着材中に加熱手段を設
けているので、不凝縮性ガスを吸着して飽和状態になっ
た吸着材から不凝縮性ガスを脱気しやすくなるので、回
収作業の効率を向上することができるのでよい。
性ガスを回収する方法によれば、混合ガス分離機を1対
設けた凝縮性ガス回収装置を用いるので、常に凝縮性ガ
ス回収装置を稼動して回収作業をし続けることが可能と
なるので、回収作業の効率が向上して好ましい。
ら凝縮性ガスを回収する方法によれば、いずれの場合で
あっても、吸着材の冷却が可能であり、そのため混合ガ
ス分離器内部の温度が均一となりやすく、混合ガス分離
器内部の混合ガスの自然循環を起動する起動力が常に確
保されるので、やはり回収作業の効率向上に寄与するの
で、好適である。
る。
ガスの動きを示す図である。
る。
である。
ある。
軸方向の概略断面図である。
長軸方向の概略断面図である。
向の概略断面図である。
る。
102 アキュムレータ、103 ガス圧縮機、104
1次冷却器、105 切換弁、106 切換弁、10
7 液溜、108a 分岐管、108b 分岐管、10
9 弁、110 弁、111 配管、113 ガス濃度
計、200 混合ガス分離器、201 圧力タンク、2
02 吸着層、203 コイル、204 ガス冷却器、
205 配管、206 配管、207 真空排気装置、
208 冷凍機、209 伝熱管、210 伝熱フィ
ン、211 伝熱板、212 伝熱板、200a 混合
ガス分離器、200b 混合ガス分離器、200' 混
合ガス分離器、200" 混合ガス分離器、209a
第2伝熱管、1301 絶縁ガス液化置換回収装置、1
302 容器、1303 上部口、1304 下部口、
1305 接続口、1306 接続口、1307 ドラ
イヤ、1308 ガス圧縮機、1309 油分離機、1
310 空冷クーラ、1311 冷却分離機、1312
排気管、1313 気化器、1401 圧縮機、14
02 第1空気吸着容器、1403 合成ゼオライト、
1404 液化容器。
Claims (12)
- 【請求項1】 少なくとも、 凝縮性ガスと不凝縮性ガスからなる混合ガスを圧縮する
圧縮機と、 不凝縮性ガスを吸着する吸着材を充填し、かつ冷却手段
を備えた混合ガス分離器と、 真空排気装置と、 を備えた凝縮性ガス回収装置を用いた、混合ガスから凝
縮性ガスを回収する回収方法であって、 少なくとも、 前記圧縮機で高圧化された前記混合ガスを前記混合ガス
分離器に導入する第1工程と、 高圧状態で前記混合ガス中の不凝縮性ガスを前記吸着材
に吸着させつつ、前記冷却手段で前記混合ガス分離器を
冷却することにより前記凝縮性ガスを液化して回収する
第2工程と、 前記真空排気装置で前記混合ガス分離器の内気を排気し
た低圧状態で、不凝縮性ガスを吸着した前記吸着材から
不凝縮性ガスを脱気する第3工程と、 を有してなることを特徴とする、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項2】 少なくとも、 凝縮性ガスと不凝縮性ガスからなる混合ガスを圧縮する
圧縮機と、 不凝縮性ガスを吸着する吸着材を充填し、かつ冷却手段
及び加熱手段を備えた混合ガス分離器と、 真空排気装置と、 を備えた凝縮性ガス回収装置を用いた、混合ガスから凝
縮性ガスを回収する回収方法であって、 少なくとも、 前記圧縮機で高圧化された前記混合ガスを前記混合ガス
分離器に導入する第1工程と、 高圧状態で前記混合ガス中の不凝縮性ガスを前記吸着材
に吸着させつつ、前記冷却手段で前記混合ガス分離器を
冷却することにより前記凝縮性ガスを液化して回収する
第2工程と、 前記真空排気装置で前記混合ガス分離器の内気を排気し
た低圧状態で、不凝縮性ガスを吸着した前記吸着材を前
記加熱手段で加熱することにより、前記吸着材から不凝
縮性ガスを脱気する第3工程と、 を有してなることを特徴とする、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の混合ガ
スから凝縮性ガスを回収する回収方法において、 前記混合ガス分離器を1対設けた前記凝縮性ガス回収装
置を用い、 一方の前記混合ガス分離器が前記第2工程を実施してい
る時に、他方の前記混合ガス分離器が前記第3工程を実
施することを特徴とする、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れか1項に
記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法にお
いて、 前記冷却手段を前記吸着材中に埋設した、前記凝縮性ガ
ス回収装置を用いることを特徴とする、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法に
おいて、 前記吸着材を前記混合ガス分離器内部の上部に配し、 前記冷却手段を前記混合ガス分離器内部の前記吸着材の
下方に配すると共に、前記吸着材中にも配した、前記凝
縮性ガス回収装置を用いることを特徴とする、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項3の何れか1項に
記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法にお
いて、 前記吸着材を前記混合ガス分離器内部の上部に配し、 前記冷却手段を前記混合ガス分離器内部の前記吸着材の
下方に配した、前記凝縮性ガス回収装置を用いることを
特徴とする、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし請求項6の何れか1項に
記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する方法におい
て、 容器形状を両端が閉じた円筒形とした前記混合ガス分離
器を、その長軸が略水平となるように配置した、前記凝
縮性ガス回収装置を用いることを特徴とする、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項8】 請求項6に記載の混合ガスから凝縮性ガ
スを回収する方法において、 容器形状を両端が閉じた円筒形とした前記混合ガス分離
器を、その長軸が略水平となるように配置し、前記吸着
材と前記冷却手段に亘る伝熱体を前記混合ガス分離器の
軸方向に1つ又は複数個配した、前記凝縮性ガス回収装
置を用いることを特徴とする、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項9】 請求項1から請求項8の何れか1項に記
載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法におい
て、 前記凝縮性ガスを、6弗化硫黄(SF6)ガス、フロン
ガス、又は炭化水素ガスのいずれかとした、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項10】 請求項1から請求項9の何れか1項に
記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法にお
いて、 前記不凝縮性ガスを、窒素ガス、又は空気のいずれかと
した、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項11】 請求項1から請求項10の何れか1項
に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法に
おいて、 前記吸着材を、カルシウムを含むアルミノ珪酸塩とし
た、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。 - 【請求項12】 請求項1から請求項8のいずれか1項
に記載の混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法に
おいて、 前記凝縮性ガスを電気機器用凝縮性ガスとした、 混合ガスから凝縮性ガスを回収する回収方法。
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