JP2021159816A - 二酸化炭素の分離・回収システム - Google Patents

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Abstract

【課題】二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを低く抑えることができる二酸化炭素の分離・回収システム及び分離・回収方法を提供する。【解決手段】二酸化炭素の分離・回収システム1は、冷却用熱交換器2、吸脱着モジュール3A,3B及び制御装置7を備える。冷却用熱交換器2は、液化天然ガスの冷熱によって対象ガスGを冷却するためのものである。吸脱着モジュール3A,3Bは、対象ガスGに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤31を有する。制御装置7は、冷却用熱交換器2において冷却された対象ガスGを吸脱着モジュール3A,3Bに導入して吸着を行う吸着工程と、吸着剤31に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、対象ガスから二酸化炭素を分離して回収する二酸化炭素の分離・回収システム及び分離・回収方法に関する。
燃料の燃焼後に生じる排ガス、大気等に含まれる二酸化炭素は、地球温暖化の要因となっている。地球温暖化を防止するために、排ガス、大気等から二酸化炭素を分離して回収する技術が開発されている。この二酸化炭素を分離して回収する技術の一つとして、排ガス、大気等の対象ガスから二酸化炭素を分離して吸着剤に吸着させた後、温度又は圧力を変化させて吸着剤から二酸化炭素を回収する技術がある。
吸着剤の温度をスイングさせるTSA(Temperature Swing Adsorption)法の場合においては、常温(20℃±15℃)において吸着剤に二酸化炭素を吸着させ、常温よりも温度が高い高温において吸着剤から二酸化炭素を脱着させることが一般的である。また、例えば、特許文献1の二酸化炭素の回収装置においては、吸着剤が配置された分離装置の圧力をスイングさせて、吸着剤に対する二酸化炭素の吸着及び脱着を行うPSA(Pressure Swing Adsorption)法の場合に、分離装置へ供給される排ガスを乾燥させるための吸湿剤が配置された乾燥装置を用いている。そして、液化天然ガス(LNG)が気化するときの冷ガスを利用して排ガスを冷却し、乾燥装置に供給される排ガスを、吸湿剤による乾燥に適した温度になるようにしている。
特開2017−176954号公報
従来のTSA法においては、対象ガスを高温にする際に多くのエネルギーを必要とし、対象ガスから二酸化炭素を回収するために、さらに別の二酸化炭素を排出するといった悪循環を形成するおそれがある。また、特許文献1のPSA法においては、乾燥装置において、吸湿剤を乾燥させるために、吸湿剤に接触する排ガスを液化天然ガスによって冷却している。つまり、分離装置に供給される排ガスを液化天然ガスによって直接冷却していない。そして、発明者らの研究開発によって、TSA法又はPSA法を採用する場合に、液化天然ガス等が持つ冷熱を利用して、吸着剤において吸着を行うときの温度を5℃よりも低く設定することによって、二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを低く抑えられることが見出された。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを低く抑えることができる二酸化炭素の分離・回収システム及び分離・回収方法を提供しようとして得られたものである。
本発明の第1態様は、
液化天然ガス又は液体水素の冷熱によって対象ガスを冷却するための冷却用熱交換器と、
前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤を有する吸脱着モジュールと、
前記冷却用熱交換器において冷却された前記対象ガスを前記吸脱着モジュールに導入して、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において前記吸着を行う吸着工程と、前記吸着温度よりも高い脱着温度において、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう制御する制御装置と、を備える二酸化炭素の分離・回収システムにある。
本発明の第2態様は、
液体窒素の冷熱によって対象ガスを冷却するための冷却用熱交換器と、
前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤を有する吸脱着モジュールと、
前記冷却用熱交換器において冷却された前記対象ガスを前記吸脱着モジュールに導入して、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において前記吸着を行う吸着工程と、前記吸着温度よりも高い脱着温度において、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう制御する制御装置と、を備える二酸化炭素の分離・回収システムにある。
本発明の第3態様は、
対象ガスを加圧するための加圧装置と、
液化天然ガス又は液体水素の冷熱によって前記対象ガスを冷却するための冷却用熱交換器と、
前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤を有する吸脱着モジュールと、
前記吸脱着モジュール内を減圧するための減圧装置と、
前記加圧装置によって加圧されるとともに前記冷却用熱交換器において冷却された前記対象ガスを前記吸脱着モジュールに導入して、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において前記吸着を行う吸着工程と、前記減圧装置によって前記吸脱着モジュール内のガスを吸引し、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう制御する制御装置と、を備える二酸化炭素の分離・回収システムにある。
本発明の第4態様は、
対象ガスを加圧するための加圧装置と、
液体窒素の冷熱によって前記対象ガスを冷却するための冷却用熱交換器と、
前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤を有する吸脱着モジュールと、
前記吸脱着モジュール内を減圧するための減圧装置と、
前記加圧装置によって加圧されるとともに前記冷却用熱交換器において冷却された前記対象ガスを前記吸脱着モジュールに導入して、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において前記吸着を行う吸着工程と、前記減圧装置によって前記吸脱着モジュール内のガスを吸引し、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう制御する制御装置と、を備える二酸化炭素の分離・回収システムにある。
本発明の第5態様は、
液化天然ガス又は液体水素の冷熱によって冷却する対象ガスを、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度にし、前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着剤に吸着させる吸着工程と、
前記吸着温度よりも高い脱着温度において、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を回収する脱着工程と、を含む二酸化炭素の分離・回収方法にある。
本発明の第6態様は、
液体窒素の冷熱によって冷却する対象ガスを、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度にし、前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着剤に吸着させる吸着工程と、
前記吸着温度よりも高い脱着温度において、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を回収する脱着工程と、を含む二酸化炭素の分離・回収方法にある。
本発明の第7態様は、
液化天然ガス又は液体水素の冷熱によって冷却する対象ガスを加圧し、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において、前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着剤に吸着させる吸着工程と、
前記吸着剤が配置された吸脱着モジュール内を減圧して、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を回収する脱着工程と、を含む二酸化炭素の分離・回収方法にある。
本発明の第8態様は、
液体窒素の冷熱によって冷却する対象ガスを加圧し、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において、前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着剤に吸着させる吸着工程と、
前記吸着剤が配置された吸脱着モジュール内を減圧して、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を回収する脱着工程と、を含む二酸化炭素の分離・回収方法にある。
前記第1〜第4態様の二酸化炭素の分離・回収システム並びに前記第5〜第8態様の二酸化炭素の分離・回収方法においては、液化天然ガス、液体水素又は液体窒素によって対象ガスを冷却し、吸着工程において吸着剤に吸着を行うときの吸着温度を、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高くしている。この構成により、液化天然ガス、液体水素又は液体窒素による冷熱を利用して、5℃よりも低い温度において、吸着剤による二酸化炭素の吸着を行うことができる。そのため、二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを低く抑えることができる。なお、二酸化炭素の昇華点は、二酸化炭素の沸点と同じであり、−78.5℃である。
また、常温よりも低い温度において吸着を行うことにより、対象ガスの体積が小さな状態で吸着を行うことができるとともに、吸着剤による二酸化炭素の吸着量を増加させることができる。また、対象ガスが、常温よりも低い温度に冷やされることにより、対象ガスに含まれる水蒸気を凝縮させることもできる。これにより、湿度が低下した対象ガスを吸着剤に供給することができ、吸着剤による二酸化炭素の吸着性能の低下を抑制することができる。
それ故、前記第1〜第4態様の二酸化炭素の分離・回収システム並びに前記第5〜第8態様の二酸化炭素の分離・回収方法によれば、二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを低く抑えることができる。
図1は、実施形態1にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図2は、実施形態1にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図3は、実施形態1にかかる、複数の切換弁の切り換えの制御をする制御装置の電気的構成を模式的に示す説明図である。 図4は、実施形態2にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図5は、実施形態2にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図6は、実施形態2にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う、他の二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図7は、実施形態2にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う、他の二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図8は、実施形態3にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図9は、実施形態3にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図10は、実施形態4にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図11は、実施形態4にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図12は、実施形態5にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図13は、実施形態5にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図14は、実施形態6にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図15は、実施形態6にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図16は、実施形態6にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う、他の二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図17は、実施形態6にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う、他の二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図18は、実施形態7にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図19は、実施形態7にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図20は、実施形態8にかかる、第1吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図21は、実施形態8にかかる、第2吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図22は、実施形態9にかかる、吸脱着モジュールにおいて吸着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。 図23は、実施形態9にかかる、吸脱着モジュールにおいて脱着工程を行う二酸化炭素の分離・回収システムを示す説明図である。
前述した二酸化炭素の分離・回収システム及び二酸化炭素の分離・回収方法にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態の二酸化炭素の分離・回収方法においては、図1及び図2に示すように、吸着工程と脱着工程とを行う。吸着工程においては、液化天然ガスの冷熱によって冷却する対象ガスGを、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点(沸点)よりも高い吸着温度にし、対象ガスGに含まれる二酸化炭素を分離して吸着剤31に吸着させる。脱着工程においては、吸着温度よりも高い脱着温度において、吸着剤31に吸着された二酸化炭素を回収する。二酸化炭素の昇華点は二酸化炭素の沸点と同じである。
また、二酸化炭素の分離・回収方法は、二酸化炭素の分離・回収システム1を用いて行われる。分離・回収システム1は、図1〜図3に示すように、冷却用熱交換器2、吸脱着モジュール3A,3B及び制御装置7を備える。冷却用熱交換器2は、液化天然ガスの冷熱によって対象ガスGを冷却するためのものである。吸脱着モジュール3A,3Bは、対象ガスGに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤31を有する。制御装置7は、冷却用熱交換器2において冷却された対象ガスGを吸脱着モジュール3A,3Bに導入して吸着を行う吸着工程と、吸着剤31に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう構成されている。
まず、本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1について詳説する。
(分離・回収システム1)
図1及び図2に示すように、本形態の分離・回収システム1は、ガスタービン、ガスエンジン等の燃料の燃焼を行って動作する燃焼装置から導出される排ガスを対象ガスGとして用いる。排ガスには、二酸化炭素が10%程度含まれている。排ガスは、冷却された後においては、例えば、25〜100℃の温度の範囲内にあり、燃焼後の排熱を有している。対象ガスGは、種々の装置等から排気される、二酸化炭素と他のガスを含む混合ガスであればよい。
本形態の分離・回収システム1においては、主に、吸着剤31の温度を変化させて二酸化炭素の吸脱着を行う温度スイング操作が行われる。また、吸着剤31から二酸化炭素を吸引する際に、吸着剤31が配置された吸脱着モジュール3A,3B内が減圧される。そのため、吸脱着モジュール3A,3B内の圧力も変化し、二酸化炭素の吸脱着のための圧力スイング操作も同時に行われる。
また、本形態の分離・回収システム1においては、対象ガスG及び吸着剤31の温度が氷点下(0℃以下)になる状態において、吸着剤31による二酸化炭素の吸着が行われ、対象ガスG及び吸着剤31の温度が10〜50℃の範囲内になる状態において、吸着剤31から二酸化炭素の脱着が行われる。
(冷却用熱交換器2)
図1及び図2に示すように、冷却用熱交換器2は、液化天然ガスによる冷媒C1が通過する冷媒流路と、対象ガスGが通過する対象ガス流路とを有し、冷媒C1と対象ガスGとの熱交換を行うよう構成されている。冷却用熱交換器2の冷媒流路には、液化天然ガスの気化装置21が接続されている。気化装置21は、液化天然ガスを種々の方法によって気化させるものである。気化装置21から冷却用熱交換器2には、気化装置21において液化天然ガスが気化して生成される天然ガスが冷媒C1として供給される。
液化天然ガスは、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のガス成分を含有し、その沸点は−160〜−167℃程度である。液化天然ガスが気化した、冷媒C1としての天然ガスは、液化天然ガスの沸点から0℃の間である氷点下の状態にある。そして、冷却用熱交換器2においては、液化天然ガスが気化するときの気化熱(潜熱)又は気化した天然ガスの顕熱を利用して、対象ガスGを冷却することができる。
(凝縮水除去手段22)
図1及び図2に示すように、分離・回収システム1は、冷却用熱交換器2に流れる冷媒C1によって冷却された対象ガスGから生じる凝縮水Wを除去する凝縮水除去手段22を備える。凝縮水除去手段22は、冷却用熱交換器2における対象ガス流路の出口、又は対象ガス流路と吸脱着モジュール3A,3Bとを繋ぐ配管に配置されている。本形態の凝縮水除去手段22は、対象ガス流路の出口又は配管から分岐して設けられた凝縮水用バルブによって構成されている。凝縮水用バルブは通常は閉じており、凝縮水用バルブが開いたときには、対象ガス流路の出口又は配管から凝縮水Wを排水することができる。凝縮水用バルブは、分離・回収システム1の稼働停止中又は稼働中の適宜タイミングで開けることができる。
(吸脱着モジュール3A,3B)
図1及び図2に示すように、本形態の吸脱着モジュール3A,3Bは、対象ガスGに含まれる二酸化炭素を吸着剤31に連続的に吸着させるために、第1吸脱着モジュール3Aと第2吸脱着モジュール3Bとの一組の状態で使用される。各吸脱着モジュール3A,3Bは、容器32と、容器32内に配置され、対象ガスGに含まれる二酸化炭素を吸着するための、多孔質の構造を有する吸着剤31とを有する。
本形態の吸着剤31は、二酸化炭素を選択的に吸着する固体吸着剤によって構成されており、物理吸着によって二酸化炭素を吸着する。吸着剤31には、規則正しい結晶構造を持つアルミノケイ酸塩によって構成されたゼオライト、又は金属イオンと有機配位子とが交互に結合した規則正しい結晶構造を持つ金属錯体によるMOF(Metal Organic Framework)を用いることができる。また、吸着剤31には、化学吸着を利用する、高分子アミンをシリカゲルなどの多孔性粒子の表面に固定化した固定化アミン等を用いてもよい。
(パージガスP1)
図1及び図2に示すように、各吸脱着モジュール3A,3Bにおいて脱着を行う際には、吸着剤31に吸着された二酸化炭素を脱着するためのパージガスP1が用いられる。本形態のパージガスP1は、各吸脱着モジュール3A,3Bにおける吸着によって二酸化炭素の濃度が減少した対象ガスGである残ガスRが用いられる。残ガスRは二酸化炭素をほとんど含まない。そのため、各吸脱着モジュール3A,3Bの吸着剤31から二酸化炭素を脱着した後に、吸着剤31に二酸化炭素が残らないようにすることができる。また、残ガスRの湿度は、液化天然ガスによる冷媒C1と対象ガスGとの熱交換の際に低下している。そのため、残ガスGをパージガスP1として用いることにより、吸着剤31が水を吸着しにくくすることができる。
本形態においては、図1に示すように、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着を行うときに導出される残ガスRの一部は、第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着を行うときのパージガスP1として使用される。また、図2に示すように、第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着を行うときに導出される残ガスRの一部は、第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着を行うときのパージガスP1として使用される。
また、図1及び図2に示すように、二酸化炭素の濃度が低くなった対象ガスGである残ガスRの残部は、大気Aに放出される。より具体的には、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着を行うときに導出される残ガスRの一部はパージガスP1として使用される一方、この残ガスRの残部は大気Aに放出される。また、第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着を行うときに導出される残ガスRの一部はパージガスP1として使用される一方、この残ガスRの残部は大気Aに放出される。また、本形態においては、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3BへパージガスP1が導入される方向は、各吸脱着モジュール3A,3Bへ対象ガスGが導入される方向と同方向である。
パージガスP1の流量は、回収する二酸化炭素の濃度を高めるために、吸着剤31から二酸化炭素を脱着できる限度において、できるだけ少なくした方がよい。残ガスRをパージガスP1に利用する場合、残ガスRの半分以上は大気Aに放出し、各吸脱着モジュール3A,3Bの脱着に使用する、パージガスP1としての残ガスRの供給量を少なくする。
(加熱用熱交換器41)
図1及び図2に示すように、分離・回収システム1は、各吸脱着モジュール3A,3Bから導出される残ガスRの一部を、パージガスP1として加熱するための加熱用熱交換器41を備える。加熱用熱交換器41は、吸着剤31の吸着温度よりも高い温度に残ガスRの一部を加熱するものである。本形態の加熱用熱交換器41は、例えば10〜50℃の範囲内の熱媒H1と残ガスRの一部との熱交換を行い、熱媒H1によって残ガスRの一部を加熱するよう構成されている。熱媒H1には、常温(20℃±15℃)程度の水などの液体、対象ガスGとしての排ガス、大気A等を用いることができる。
(減圧装置51)
図1及び図2に示すように、分離・回収システム1は、制御装置7が脱着工程を行うときに、各吸脱着モジュール3A,3B内のガスとしてのパージガスP1を吸引する減圧装置51を備える。減圧装置51は、真空ポンプ等によって構成されている。減圧装置51による真空引きによって、脱着工程を行う吸脱着モジュール3A,3B内の圧力は、吸着工程を行うときの圧力に比べて低くなる。本形態のパージガスP1は、各吸脱着モジュール3A,3Bから導出された残ガスRの一部である。
減圧装置51によって、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3B内を吸引することにより、吸着工程を行った後に各吸脱着モジュール3A,3B内に残存する対象ガスG又は残ガスRをパージガスP1として利用できる場合もある。この場合には、残ガスRをパージガスP1として使用せず、また、後述するジャケット33によって脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bの吸着剤31を加熱することができる。
(回収タンク52)
図1及び図2に示すように、各吸脱着モジュール3A,3Bから導出される、二酸化炭素を含むパージガスP1である二酸化炭素含有ガスP2は、回収タンク52に回収される。回収タンク52に回収された二酸化炭素は、例えば、ドライアイスの製造に用いることができる。
(制御装置7及び切換弁6A,6B,6C)
図1及び図2に示すように、制御装置7は、複数の切換弁6A,6B,6Cを操作して、第1吸脱着モジュール3Aと第2吸脱着モジュール3Bとにおいて吸着及び脱着を繰り返し交互に行うよう構成されている。より具体的には、制御装置7は、複数の切換弁6A,6B,6Cを操作して、図1に示すように、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行う第1状態601と、図2に示すように、第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行う第2状態602と、を切り換え可能である。第1吸脱着モジュール3Aと第2吸脱着モジュール3Bとにおける吸着及び脱着を行う時間帯は、複数の切換弁6A,6B,6Cによって、対象ガスG及び残ガスRの流れが切り換えられることによって切り換わる。図1及び図2における、各切換弁6A,6B,6Cは、開いている状態を白抜きの記号によって示し、閉じている状態を灰色にハッチングした記号によって示す。
また、制御装置7は、図1に示すように、複数の切換弁6A,6B,6Cによる第1状態601においては、第1吸脱着モジュール3Aから導出される、二酸化炭素の濃度が減少した対象ガスGである残ガスRの一部を、パージガスP1として第2吸脱着モジュール3Bに導入する。また、制御装置7は、図2に示すように、複数の切換弁6A,6B,6Cによる第2状態602においては、第2吸脱着モジュール3Bから導出される、二酸化炭素の濃度が減少した対象ガスGである残ガスRの一部を、パージガスP1として第1吸脱着モジュール3Aに導入する。
複数の切換弁6A,6B,6Cには、各吸脱着モジュール3A,3Bへの対象ガスGの導入及び導入の停止を切り換える対象ガス用切換弁6A、一方の吸脱着モジュール3A,3Bから他方の吸脱着モジュール3A,3Bへの残ガスRの一部の導入及び導入の停止を切り換える残ガス用切換弁6B、各吸脱着モジュール3A,3Bからの残ガスRの残部の放出及び放出の停止、並びに二酸化炭素の回収及び回収の停止を切り換える回収用切換弁6C等がある。
対象ガス用切換弁6Aは、冷却用熱交換器2の出口と第1吸脱着モジュール3Aの入口及び第2吸脱着モジュール3Bの入口との間の配管にそれぞれ配置されている。残ガス用切換弁6Bは、第1吸脱着モジュール3Aの入口及び出口と第2吸脱着モジュール3Bの入口及び出口との間の配管に複数配置されている。回収用切換弁6Cは、第1吸脱着モジュール3Aの出口及び第2吸脱着モジュール3Bの出口と大気A及び減圧装置51との間に設けられた配管に複数配置されている。
図1及び図2に示すように、制御装置7は、各吸脱着モジュール3A,3Bの脱着工程において、各吸脱着モジュール3A,3BにパージガスP1を導入し、吸着剤31からパージガスP1に二酸化炭素を脱着して、対象ガスGに比べて二酸化炭素の濃度が増加した二酸化炭素含有ガスP2を回収するよう構成されている。より具体的には、制御装置7は、図1に示すように、第2吸脱着モジュール3Bの脱着工程においては、第1吸脱着モジュール3Aから第2吸脱着モジュール3BにパージガスP1を導入し、第2吸脱着モジュール3Bの吸着剤31からパージガスP1に二酸化炭素を脱着して、対象ガスGに比べて二酸化炭素の濃度が増加した二酸化炭素含有ガスP2を回収するよう構成されている。換言すれば、制御装置7は、複数の切換弁6A,6B,6Cによる第1状態601においては、第1吸脱着モジュール3Aから導出される、二酸化炭素の濃度が減少した対象ガスGである残ガスRの一部を、パージガスP1として第2吸脱着モジュール3Bに導入する。
また、制御装置7は、図2に示すように、第1吸脱着モジュール3Aの脱着工程においては、第2吸脱着モジュール3Bから第1吸脱着モジュール3AにパージガスP1を導入し、第1吸脱着モジュール3Aの吸着剤31からパージガスP1に二酸化炭素を脱着して、対象ガスGに比べて二酸化炭素の濃度が増加した二酸化炭素含有ガスP2を回収するよう構成されている。換言すれば、制御装置7は、複数の切換弁6A,6B,6Cによる第2状態602においては、第2吸脱着モジュール3Bから導出される、二酸化炭素の濃度が減少した対象ガスGである残ガスRの一部を、パージガスP1として第1吸脱着モジュール3Aに導入する。
図1に示すように、制御装置7が第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行うときには、加熱用熱交換器41によって第1吸脱着モジュール3Aから導出される残ガスRの一部が加熱される。そして、加熱された残ガスRの一部が第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行うために使用される。
図2に示すように、制御装置7が第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行うときには、加熱用熱交換器41によって第2吸脱着モジュール3Bから導出される残ガスRの一部が加熱される。そして、加熱された残ガスRの一部が第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行うために使用される。また、加熱用熱交換器41によって残ガスRの一部が加熱される温度に応じて、吸着剤31における脱着温度が設定される。
次に、本形態の二酸化炭素の分離・回収方法について詳説する。
(分離・回収方法)
分離・回収システム1において、二酸化炭素の分離・回収を行うに当たっては、対象ガスGとしての排ガスを冷却用熱交換器2に導入するとともに、液化天然ガスによる冷媒C1を冷却用熱交換器2に導入する。また、図1に示すように、複数の切換弁6A,6B,6Cを、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行う第1状態601にする。
そして、冷却用熱交換器2における冷媒C1によって冷却された対象ガスGが第1吸脱着モジュール3Aに導入され、第1吸脱着モジュール3Aにおける吸着剤31に、対象ガスGに含まれる二酸化炭素が吸着される。第1吸脱着モジュール3Aにおいては、氷点下に冷却された対象ガスGによって、氷点下の吸着温度において吸着が行われる。
第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程が行われるときには、第1吸脱着モジュール3Aから導出される残ガスRの一部が加熱用熱交換器41に導入され、第1吸脱着モジュール3Aから導出される残ガスRの残部が大気Aに放出される。対象ガスGに含まれる二酸化炭素のほとんどは第1吸脱着モジュール3Aの吸着剤31に吸着され、残ガスRには、二酸化炭素がほとんど含まれない。そして、加熱用熱交換器41によって加熱された残ガスRの一部は、パージガスP1として第2吸脱着モジュール3Bに導入される。
そして、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程が行われるときには、第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程が行われる。第2吸脱着モジュール3Bにおいては、加熱された残ガスRの一部が用いられて、0℃よりも高い脱着温度において、第2吸脱着モジュール3Bの吸着剤31に吸着された二酸化炭素が脱着される。また、第2吸脱着モジュール3Bにおける吸着剤31は、残ガスRの一部によって加熱される。こうして、第2吸脱着モジュール3Bにおいては、吸着剤31からパージガスP1に二酸化炭素が脱着され、対象ガスGに比べて二酸化炭素の濃度が増加した二酸化炭素含有ガスP2が導出される。第2吸脱着モジュール3Bから導出される二酸化炭素含有ガスP2は、減圧装置51によって吸引され、回収タンク52に回収される。
なお、第2吸脱着モジュール3Bにおいて初めて脱着工程が行われるときには、第2吸脱着モジュール3Bの吸着剤31に二酸化炭素は吸着されていない。第2吸脱着モジュール3Bにおいて2回目以降の脱着工程が行われるときに、吸着剤31から二酸化炭素が脱着される。
次いで、複数の切換弁6A,6B,6Cが第1状態601になった後、所定時間が経過したときには、第1吸脱着モジュール3Aの吸着剤31に吸着された二酸化炭素の量が規定値になったとして、制御装置7は、図2に示すように、複数の切換弁6A,6B,6Cを第1状態601から第2状態602にする。そして、冷却用熱交換器2における冷媒C1によって冷却された対象ガスGが第2吸脱着モジュール3Bに導入され、第2吸脱着モジュール3Bにおける吸着剤31に、対象ガスGに含まれる二酸化炭素が吸着される。第2吸脱着モジュール3Bにおいては、氷点下に冷却された対象ガスGによって、氷点下の吸着温度において吸着が行われる。
第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程が行われるときには、第2吸脱着モジュール3Bから導出される残ガスRの一部が加熱用熱交換器41に導入され、第2吸脱着モジュール3Bから導出される残ガスRの残部が大気Aに放出される。対象ガスGに含まれる二酸化炭素のほとんどは第2吸脱着モジュール3Bの吸着剤31に吸着され、残ガスRには、二酸化炭素がほとんど含まれない。そして、加熱用熱交換器41によって加熱された残ガスRの一部は、パージガスP1として第1吸脱着モジュール3Aに導入される。
そして、第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程が行われるときには、第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程が行われる。第1吸脱着モジュール3Aにおいては、加熱された残ガスRの一部が用いられて、0℃よりも高い脱着温度において、第1吸脱着モジュール3Aの吸着剤31に吸着された二酸化炭素が脱着される。また、第1吸脱着モジュール3Aにおける吸着剤31は、残ガスRの一部によって加熱される。こうして、第1吸脱着モジュール3Aにおいては、吸着剤31からパージガスP1に二酸化炭素が脱着され、対象ガスGに比べて二酸化炭素の濃度が増加した二酸化炭素含有ガスP2が導出される。第1吸脱着モジュール3Aから導出される二酸化炭素含有ガスP2は、減圧装置51によって吸引され、回収タンク52に回収される。
次いで、複数の切換弁6A,6B,6Cが第2状態602になった後、所定時間が経過したときには、第2吸脱着モジュール3Bの吸着剤31に吸着された二酸化炭素の量が規定値になったとして、制御装置7は、複数の切換弁6A,6B,6Cを第2状態602から第1状態601にする。以降同様に、所定時間が経過するごとに、複数の切換弁6A,6B,6Cが第1状態601と第2状態602との間で切り換わり、第1吸脱着モジュール3Aと第2吸脱着モジュール3Bとにおいて交互に吸着工程及び脱着工程が行われる。
また、分離・回収システム1においては、適宜タイミングで凝縮水除去手段22としての凝縮水用バルブを開け、対象ガスGにおける水蒸気が冷媒C1によって冷却されて生じた凝縮水Wを排水することができる。
なお、冷却用熱交換器2には、液化天然ガスによる冷媒C1の代わりに、液体水素又は液体窒素による冷媒C1を用いてもよい。そして、液体水素又は液体窒素が有する気化熱、又は気化した水素又は気化した窒素が有する顕熱を利用して対象ガスGを冷却することができる。また、冷却用熱交換器2においては、対象ガスGを氷点下に冷却することができる種々の物質を、冷媒C1として用いることができる。
また、吸着剤31がNOx(窒素酸化物)による影響を受ける場合には、冷却用熱交換器2の、対象ガスGの流れの上流側に、NOxを除去するための脱硝装置を設けてもよい。また、吸着剤31がSOx(硫黄酸化物)による影響を受ける場合には、冷却用熱交換器2の、対象ガスGの流れの上流側に、SOxを除去するための脱硫装置を設けてもよい。
(作用効果)
本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法においては、液化天然ガスによって対象ガスGを冷却し、吸着工程において吸着剤31に吸着を行うときの吸着温度を、0℃よりも低く二酸化炭素の昇華点である−78.5℃よりも高くしている。この構成により、液化天然ガスによる冷熱を利用して、例えば−20〜−60℃の氷点下において、吸着剤31による二酸化炭素の吸着を行うことができる。そのため、二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを低く抑えることができる。
また、氷点下において吸着を行うことにより、対象ガスGの体積が小さな状態で吸着を行うことができるとともに、吸着剤31による二酸化炭素の吸着量を増加させることができる。また、対象ガスGが、氷点下に冷やされることにより、対象ガスGに含まれる水蒸気を凝縮させることもできる。これにより、湿度が低下した対象ガスGを吸着剤31に供給することができ、吸着剤31による二酸化炭素の吸着性能の低下を抑制することができる。
それ故、本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法によれば、二酸化炭素を回収するために必要なエネルギーを低く抑えることができる。
<実施形態2>
本形態は、各吸脱着モジュール3A,3Bの構成が実施形態1の構成と異なる場合について示す。
各吸脱着モジュール3A,3Bは、複数の各吸脱着モジュール3A,3Bによって構成してもよい。図4及び図5に示すように、第1吸脱着モジュール3A及び第2吸脱着モジュール3Bは、複数個が直列に接続された構成としてもよい。この場合には、図4に示すように、複数の第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに複数の第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行うときには、対象ガスGが先に導入される上流側の第1吸脱着モジュール3Aと、対象ガスGが後に導入される下流側の第1吸脱着モジュール3Aとの間からも残ガスRを抜き出してもよい。また、同様に、図5に示すように、複数の第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程を行うとともに複数の第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行うときには、対象ガスGが先に導入される上流側の第2吸脱着モジュール3Bと、対象ガスGが後に導入される下流側の第2吸脱着モジュール3Bとの間からも残ガスRを抜き出してもよい。
また、図6及び図7に示すように、第1吸脱着モジュール3A及び第2吸脱着モジュール3Bは、複数個が並列に接続された構成としてもよい。この場合には、図6に示すように、複数の第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに複数の第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行うときには、複数の第1吸脱着モジュール3Aに並行して対象ガスGが導入され、かつ、複数の第2吸脱着モジュール3Bに並行して残ガスRの一部が導入される。また、図7に示すように、複数の第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程を行うとともに複数の第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行うときには、複数の第2吸脱着モジュール3Bに並行して対象ガスGが導入され、かつ、複数の第1吸脱着モジュール3Aに並行して残ガスRの一部が導入される。
各吸脱着モジュール3A,3Bへの対象ガスGの供給量、吸着剤31の特性、吸着温度等に応じて、複数の各吸脱着モジュール3A,3Bを直列に接続するか、並列に接続するかを適宜選択することができる。各吸脱着モジュール3A,3Bの直列接続又は並列接続によって、二酸化炭素の回収効率を上げられる場合がある。
本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の分離・回収システム1及び分離・回収方法と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
<実施形態3>
本形態は、各吸脱着モジュール3A,3BへのパージガスP1の導入方向を、実施形態1の導入方向と逆方向にした場合について示す。
具体的には、本形態においては、図8及び図9に示すように、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3BへパージガスP1として残ガスRの一部が導入される方向は、各吸脱着モジュール3A,3Bへ対象ガスGが導入される方向と逆方向である。本形態においては、残ガス用切換弁6Bは、各吸脱着モジュール3A,3Bへの残ガスRの一部の導入及び導入の停止と、大気Aへの残ガスRの残部の放出及び放出の停止を切り換える。また、回収用切換弁6Cは、二酸化炭素の回収及び回収の停止を切り換える。また、対象ガス用切換弁6Aの機能は実施形態1の場合と同様である。
図8に示すように、複数の切換弁6A,6B,6Cによる第1状態601においては、第1吸脱着モジュール3Aの出口から第2吸脱着モジュール3Bの出口へ残ガスRの一部がパージガスP1として導入され、減圧装置51によって、第2吸脱着モジュール3Bの入口から回収タンク52へ二酸化炭素が脱着された二酸化炭素含有ガスP2が回収される。また、図9に示すように、複数の切換弁6A,6B,6Cによる第2状態602においては、第2吸脱着モジュール3Bの出口から第1吸脱着モジュール3Aの出口へ残ガスRの一部がパージガスP1として導入され、減圧装置51によって、第1吸脱着モジュール3Aの入口から回収タンク52へ二酸化炭素が脱着された二酸化炭素含有ガスP2が回収される。
本形態においては、各吸脱着モジュール3A,3Bにおける吸着剤31に吸着された二酸化炭素を、吸着された方向と逆方向へ脱着することにより、脱着が容易になることがある。また、本形態においては、複数の切換弁6A,6B,6Cの使用数を少なくすることができ、分離・回収システム1の構成が簡単になる。
本形態の分離・回収システム1の構成は、実施形態2の分離・回収システム1に適用してもよい。本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の分離・回収システム1及び分離・回収方法と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
<実施形態4>
本形態は、分離・回収システム1の構成が実施形態1の構成と異なる場合について示す。
(加圧装置11)
本形態の分離・回収システム1は、図10及び図11に示すように、制御装置7が各吸脱着モジュール3A,3Bの吸着工程を行うときに対象ガスGを加圧するための加圧装置11を備える。加圧装置11は、コンプレッサー(圧縮機)、ブロアー(送風機)等によって構成されている。加圧装置11は、ガスタービン等から対象ガスGとしての排ガスが冷却用熱交換器2に導入される配管に配置されている。冷却用熱交換器2には、加圧装置11によって加圧された対象ガスGが導入される。
対象ガスGが加圧装置11によって加圧されるときには、対象ガスGに含まれる水蒸気が凝縮して凝縮水Wが生じると考えられる。この凝縮水Wは、バルブ等による排水手段によって、配管から適宜排水することができる。
本形態においても減圧装置51が用いられる。各吸脱着モジュール3A,3Bの吸着工程においては、加圧装置11によって対象ガスGが加圧され、各吸脱着モジュール3A,3Bの脱着工程においては、減圧装置51によって、吸着剤31が配置された、各吸脱着モジュール3A,3Bの容器32内が減圧される。加圧装置11及び減圧装置51が用いられることによって、各吸脱着モジュール3A,3Bにおいては、温度スイング操作とともに圧力スイング操作も積極的に行われる。各吸脱着モジュール3A,3Bにおいては、氷点下であって加圧状態にある対象ガスGを用いて吸着工程が行われることにより、吸着剤31の有効吸着量を増加させることができる。また、各吸脱着モジュール3A,3Bにおいては、パージガスP1が加熱用熱交換器41によって加熱されるとともに、パージガスP1が減圧状態にあることにより、吸着剤31から二酸化炭素を脱着しやすくすることができる。
(残ガス用タンク42)
また、図10及び図11に示すように、本形態の分離・回収システム1は、第1吸脱着モジュール3Aから導出される残ガスRの一部及び第2吸脱着モジュール3Bから導出される残ガスRの一部を貯留するための残ガス用タンク42を備える。残ガスRの一部は、パージガスP1として残ガス用タンク42に貯留される。各吸脱着モジュール3A,3Bにおいて脱着工程が行われるときには、必要な流量のパージガスP1が残ガス用タンク42から加熱用熱交換器41に導入され、加熱用熱交換器41から、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3BにパージガスP1が導入される。
第2吸脱着モジュール3Bに導入されるパージガスP1としての残ガスR、及び第1吸脱着モジュール3Aに導入されるパージガスP1としての残ガスRは、残ガス用タンク42に貯留されたものである。そして、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bから導出されるそれぞれの残ガスRは、残ガス用タンク42内において適宜混ざり合う。残ガス用タンク42を用いることによって、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3BへのパージガスP1の導入量にばらつきが生じにくくすることができる。
(ジャケット33)
図10及び図11に示すように、本形態の各吸脱着モジュール3A,3Bの容器32には、各吸脱着モジュール3A,3Bの容器32及び吸着剤31の温度を積極的に調整するためのジャケット33が設けられている。ジャケット33は、容器32の外周に配置されており、ジャケット33には、流体の入口及び出口が設けられている。吸着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bのジャケット33には、吸着剤31を迅速に冷却するために、液化天然ガス、液体水素、液体窒素等による冷媒C2を用いることができる。また、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bのジャケット33には、吸着剤31を迅速に加熱するために、0〜50℃程度の温水等の熱媒H2を用いることができる。
各吸脱着モジュール3A,3Bのジャケット33を用いて各吸脱着モジュール3A,3Bの加熱及び冷却を行うことにより、各吸脱着モジュール3A,3Bの吸着工程における、吸着剤31への二酸化炭素の吸着、及び各吸脱着モジュール3A,3Bの脱着工程における、吸着剤31からの二酸化炭素の脱着を効果的に行うことができる。
図10には、複数の切換弁6A,6B,6Cによって、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行う第1状態601が形成された状態を示す。図11には、複数の切換弁6A,6B,6Cによって、第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行う第2状態602が形成された状態を示す。図10及び図11は、各吸脱着モジュール3A,3Bへの、対象ガスGの導入方向とパージガスP1の導入方向とを同方向にした場合を示す。図示は省略するが、各吸脱着モジュール3A,3Bへの対象ガスGの導入方向とパージガスP1の導入方向とは、図8及び図9の場合と同様に逆方向にしてもよい。
本形態の分離・回収システム1の構成は、実施形態2,3の分離・回収システム1に適用してもよい。本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の分離・回収システム1及び分離・回収方法と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
<実施形態5>
本形態は、各吸脱着モジュール3A,3Bに温度スイング操作を行う代わりに圧力スイング操作を行う場合について示す。
本形態の分離・回収システム1は、図12及び図13に示すように、対象ガスGを加圧するための加圧装置11、対象ガスGを冷却するための冷却用熱交換器2、吸着剤31を有する第1吸脱着モジュール3A及び第2吸脱着モジュール3B、及び各吸脱着モジュール3A,3B内を交互に減圧するための減圧装置51を備える。また、本形態の分離・回収システム1も、実施形態1の場合と同様に、複数の切換弁6A,6B,6C、回収タンク52等を備える。一方、本形態の分離・回収システム1は、加熱用熱交換器41を備えていない。
制御装置7は、図12に示すように、複数の切換弁6A,6B,6Cを操作して、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行う第1状態601と、図13に示すように、第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行う第2状態602とを交互に形成する。各吸脱着モジュール3A,3Bの吸着工程においては、加圧装置11によって加圧されるとともに冷却用熱交換器2において冷却された対象ガスGが各吸脱着モジュール3A,3Bに導入されて、0℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において、吸着剤31への二酸化炭素の吸着が行われる。各吸脱着モジュール3A,3Bの脱着工程においては、減圧装置51によって各吸脱着モジュール3A,3BからパージガスP1が吸引され、吸着剤31に吸着された二酸化炭素がパージガスP1に脱着されて二酸化炭素含有ガスP2として回収タンク52へ回収される。
脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bには、パージガスP1がほとんど導入されなくてもよい場合もある。この場合には、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bにおいては、吸着工程を行った後に残存する対象ガスG又は残ガスRに二酸化炭素を脱着させることができる。
本形態の分離・回収システム1及び分離・回収方法においては、加圧装置11及び減圧装置51を用いて圧力スイング操作を行うことにより、加熱用熱交換器41及び加熱用熱交換器41に用いる熱媒H1を不要にすることができる。一方、液化天然ガス等による冷媒C1によって冷却された対象ガスGを用いて氷点下において吸着工程が行われることにより、吸着剤31への二酸化炭素の有効吸着量を効果的に増加させることができる。
本形態の分離・回収システム1の構成は、実施形態2〜4の分離・回収システム1に適用してもよい。本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1〜4の分離・回収システム1及び分離・回収方法と同様である。また、本形態においても、実施形態1〜4に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1〜4の構成要素と同様である。
<実施形態6>
本形態は、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bに導入するパージガスP1に、二酸化炭素の昇華点よりも高い沸点を有する炭化水素又は水蒸気を用いる場合について示す。
(パージガス供給源43、パージガス用熱交換器44及び気液分離回収器45)
本形態の分離・回収システム1は、図14及び図15に示すように、加熱用熱交換器41及び残ガス用タンク42の代わりに、パージガス供給源43、パージガス用熱交換器44及び気液分離回収器45を備える。パージガス供給源43は、脱着工程を行う第1吸脱着モジュール3A及び脱着工程を行う第2吸脱着モジュール3Bへ、二酸化炭素の昇華点(沸点)よりも高い沸点を有する、ガス状態の炭化水素をパージガスP1として供給するものである。各吸脱着モジュール3A,3Bに供給される炭化水素は、気体の状態になるよう、沸点よりも高い温度にある。
炭化水素には、プロパン、ブタン、ぺンタン、ヘキサン等を用いることができる。プロパンの沸点は−42℃であり、ブタンの沸点は−0.5℃であり、ペンタンの沸点は36℃であり、ヘキサンの沸点は69℃である。
例えば、炭化水素としてのブタンを各吸脱着モジュール3A,3Bに導入するパージガスP1とする場合には、パージガス供給源43においては、ブタンを−0.5℃よりも高い温度、例えば10〜40℃にする。パージガス供給源43においては、炭化水素を加熱して気体の状態にすることができる。
気液分離回収器45は、脱着工程を行う第1吸脱着モジュール3A又は脱着工程を行う第2吸脱着モジュール3Bから導出される、二酸化炭素を含むパージガスP1である二酸化炭素含有ガスP2を、炭化水素の沸点よりも低く二酸化炭素の昇華点(−78.5℃)よりも高い温度にして、二酸化炭素含有ガスP2中の炭化水素を液相K1に分離するとともに、二酸化炭素含有ガスP2中の二酸化炭素を気相K2から回収するものである。
本形態においては、パージガス用熱交換器44によって、各吸脱着モジュール3A,3Bから導出される二酸化炭素含有ガスP2を冷却して、この二酸化炭素含有ガスP2を、炭化水素の沸点よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い温度にする。例えば、炭化水素としてのブタンを各吸脱着モジュール3A,3Bに導入するパージガスP1とする場合には、パージガス用熱交換器44においては、ブタンを−0.5℃よりも低く−78.5℃よりも高い温度に冷却する。
パージガス用熱交換器44から気液分離回収器45に二酸化炭素含有ガスP2が導入されるときには、液体の状態になった炭化水素と気体の状態の二酸化炭素とが液相K1と気相K2とに分離する。なお、パージガス用熱交換器44は用いずに、気液分離回収器45に、冷媒C2が通過するジャケットを設け、気液分離回収器45において二酸化炭素含有ガスP2を冷却して、二酸化炭素含有ガスP2中の炭化水素を液相K1に分離するとともに、二酸化炭素含有ガスP2中の二酸化炭素を気相K2に分離してもよい。
図14には、複数の切換弁6A,6B,6Cによって、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行う第1状態601が形成された状態を示す。図15には、複数の切換弁6A,6B,6Cによって、第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行う第2状態602が形成された状態を示す。図14及び図15は、各吸脱着モジュール3A,3Bへの対象ガスGの導入方向とパージガスP1の導入方向とを同方向にした場合を示す。
一方、本形態においても、図16及び図17に示すように、各吸脱着モジュール3A,3Bへの対象ガスGの導入方向とパージガスP1の導入方向とは逆方向にしてもよい。図16は、複数の切換弁6A,6B,6Cによる第1状態601を示し、図17は、複数の切換弁6A,6B,6Cによる第2状態602を示す。
本形態の分離・回収システム1及び分離・回収方法においては、各吸脱着モジュール3A,3Bから導出される残ガスRは、大気Aへ放出する。そして、残ガスRをパージガスP1として用いないようにする。本形態においては、炭化水素によって構成されたパージガスP1を用いるとともに気液分離を行うことによって、二酸化炭素含有ガスP2から二酸化炭素を効果的に分離し、回収タンク52に回収する二酸化炭素の濃度を高めることができる。
なお、パージガスP1としてのガス状態の炭化水素には、二酸化炭素の沸点よりも高い沸点を有する、種々のガス、混合ガス等を用いてもよい。パージガスP1に混合ガスを用いる場合には、混合ガスに、気液分離が可能な温度の条件があることが前提となる。また、パージガスP1には、水蒸気を用いてもよい。パージガスP1に水蒸気を用いる場合には、気液分離が容易になる。ただし、水蒸気を用いる場合には、吸着剤31に、水蒸気を吸着しにくい性質を有するものを使用する。
本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1〜5の分離・回収システム1及び分離・回収方法と同様である。また、本形態においても、実施形態1〜5に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1〜5の構成要素と同様である。
<実施形態7>
本形態は、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bに導入するパージガスP1に、水素、メタン又はエタンを用いる場合について示す。
本形態の分離・回収システム1においては、図18及び図19に示すように、実施形態6に示すパージガス用熱交換器44及び気液分離回収器45は用いられない。パージガス供給源43から脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bへは、ガス状態の水素、メタン又はエタンがパージガスP1として供給される。そして、回収タンク52には、水素、メタン又はエタンと二酸化炭素とが混合された二酸化炭素含有ガスP2が回収される。
図18には、複数の切換弁6A,6B,6Cによって、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行う第1状態601が形成された状態を示す。図19には、複数の切換弁6A,6B,6Cによって、第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行う第2状態602が形成された状態を示す。図18及び図19は、各吸脱着モジュール3A,3Bへの対象ガスGの導入方向とパージガスP1の導入方向とを逆方向にした場合を示す。
本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法における、その他の構成、作用効果等については、実施形態6の分離・回収システム1及び分離・回収方法と同様である。また、本形態においても、実施形態1〜6に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1〜6の構成要素と同様である。
<実施形態8>
本形態は、脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bにおいて、パージガスP1を用いずに二酸化炭素を脱着する場合について示す。
本形態の分離・回収システム1においては、図20及び図21に示すように、実施形態1に示す冷却用熱交換器2及び複数の残ガス用切換弁6Bは用いられない。本形態においては、各吸脱着モジュール3A,3Bの脱着工程において、減圧装置51による各吸脱着モジュール3A,3B内の吸引が行われることにより、圧力スイング操作が行われる。各吸脱着モジュール3A,3Bの吸着剤31に吸着された二酸化炭素は、各吸脱着モジュール3A,3B内に残存する対象ガスG又は残ガスRに脱着される。また、吸着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bから導出される残ガスGは大気に放出される。
なお、例えば、各吸脱着モジュール3A,3Bに実施形態4に示すジャケット33を設けた場合には、ジャケット33によって脱着工程を行う各吸脱着モジュール3A,3Bを加熱して、温度スイング操作を行うこともできる。
吸着剤31からの二酸化炭素の脱着が容易に行われる場合には、本形態の構成を採用することができる。本形態によれば、回収タンク52に回収する二酸化炭素の濃度を高めることができる。
図20には、複数の切換弁6A,6Cによって、第1吸脱着モジュール3Aにおいて吸着工程を行うとともに第2吸脱着モジュール3Bにおいて脱着工程を行う第1状態601が形成された状態を示す。図21には、複数の切換弁6A,6Cによって、第2吸脱着モジュール3Bにおいて吸着工程を行うとともに第1吸脱着モジュール3Aにおいて脱着工程を行う第2状態602が形成された状態を示す。図20及び図21は、各吸脱着モジュール3A,3Bへの対象ガスGの導入方向とパージガスP1の導入方向とを同方向にした場合を示す。本形態においても、図8及び図9と同様に、各吸脱着モジュール3A,3Bへの対象ガスGの導入方向とパージガスP1の導入方向とは逆方向にしてもよい。
本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の分離・回収システム1及び分離・回収方法と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
<実施形態9>
本形態は、吸着工程と脱着工程とを1つの吸脱着モジュール3に対して交互に行う場合を示す。
本形態の分離・回収システム1は、図22及び図23に示すように、加圧装置11及び減圧装置51を用い、吸脱着モジュール3において圧力スイング操作を行う。図22に示すように、吸着工程を行うときの吸脱着モジュール3には、加圧装置11によって加圧された対象ガスGが導入され、吸着剤31に二酸化炭素が吸着される。また、吸脱着モジュール3から導出される残ガスRは大気に放出される。
また、図23に示すように、脱着工程を行うときの吸脱着モジュール3においては、減圧装置51によって吸脱着モジュール3内が減圧される。そして、吸着剤31から、吸脱着モジュール3内に残存する対象ガスG又は残ガスRに二酸化炭素が脱着され、二酸化炭素含有ガスP2が回収タンク52に回収される。
本形態の対象ガス用切換弁6Aは、吸脱着モジュール3への対象ガスGの導入及び導入の停止を切り換える。また、残ガス用切換弁6Bは、吸脱着モジュール3からの残ガスRの大気Aへの放出及び放出の停止を切り換える。また、回収用切換弁6Cは、二酸化炭素の回収及び回収の停止を切り換える。
吸着剤31からの二酸化炭素の脱着を迅速かつ容易に行うことができる場合には、本形態の構成が有効である。本形態においては、分離・回収システム1の構成を極めて簡単にすることができる。また、本形態によれば、回収タンク52に回収する二酸化炭素の濃度を高めることができる。
本形態の二酸化炭素の分離・回収システム1及び分離・回収方法における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の分離・回収システム1及び分離・回収方法と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 分離・回収システム
11 加圧装置
2 冷却用熱交換器
21 気化装置
22 凝縮水除去手段
3 吸脱着モジュール
3A 第1吸脱着モジュール
3B 第2吸脱着モジュール
31 吸着剤
32 容器
33 ジャケット
41 加熱用熱交換器
42 残ガス用タンク
43 パージガス供給源
44 パージガス用熱交換器
45 気液分離回収器
51 減圧装置
52 回収タンク
6A 対象ガス用切換弁
6B 残ガス用切換弁
6C 回収用切換弁
7 制御装置
G 対象ガス
P1 パージガス
P2 二酸化炭素含有ガス
R 残ガス

Claims (27)

  1. 液化天然ガス又は液体水素の冷熱によって対象ガスを冷却するための冷却用熱交換器と、
    前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤を有する吸脱着モジュールと、
    前記冷却用熱交換器において冷却された前記対象ガスを前記吸脱着モジュールに導入して、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において前記吸着を行う吸着工程と、前記吸着温度よりも高い脱着温度において、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう制御する制御装置と、を備える二酸化炭素の分離・回収システム。
  2. 液体窒素の冷熱によって対象ガスを冷却するための冷却用熱交換器と、
    前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤を有する吸脱着モジュールと、
    前記冷却用熱交換器において冷却された前記対象ガスを前記吸脱着モジュールに導入して、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において前記吸着を行う吸着工程と、前記吸着温度よりも高い脱着温度において、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう制御する制御装置と、を備える二酸化炭素の分離・回収システム。
  3. 前記制御装置は、前記脱着工程において、前記吸脱着モジュールにパージガスを導入し、前記吸着剤から前記パージガスに二酸化炭素を脱着して、前記対象ガスに比べて二酸化炭素の濃度が増加した二酸化炭素含有ガスを回収するよう構成されている、請求項1又は2に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  4. 前記制御装置が前記脱着工程を行うときに、前記吸脱着モジュール内のガスを吸引する減圧装置をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  5. 前記制御装置が前記吸着工程を行うときに前記対象ガスを加圧するための加圧装置をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  6. 対象ガスを加圧するための加圧装置と、
    液化天然ガス又は液体水素の冷熱によって前記対象ガスを冷却するための冷却用熱交換器と、
    前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤を有する吸脱着モジュールと、
    前記吸脱着モジュール内を減圧するための減圧装置と、
    前記加圧装置によって加圧されるとともに前記冷却用熱交換器において冷却された前記対象ガスを前記吸脱着モジュールに導入して、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において前記吸着を行う吸着工程と、前記減圧装置によって前記吸脱着モジュール内のガスを吸引し、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう制御する制御装置と、を備える二酸化炭素の分離・回収システム。
  7. 対象ガスを加圧するための加圧装置と、
    液体窒素の冷熱によって前記対象ガスを冷却するための冷却用熱交換器と、
    前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着するための吸着剤を有する吸脱着モジュールと、
    前記吸脱着モジュール内を減圧するための減圧装置と、
    前記加圧装置によって加圧されるとともに前記冷却用熱交換器において冷却された前記対象ガスを前記吸脱着モジュールに導入して、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において前記吸着を行う吸着工程と、前記減圧装置によって前記吸脱着モジュール内のガスを吸引し、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を脱着して回収する脱着工程とを交互に行うよう制御する制御装置と、を備える二酸化炭素の分離・回収システム。
  8. 複数の前記吸脱着モジュールとして、第1吸脱着モジュール及び第2吸脱着モジュールを備え、
    前記制御装置は、前記第1吸脱着モジュールにおいて前記吸着工程を行うときに、前記第2吸脱着モジュールにおいて前記脱着工程を行う一方、前記第2吸脱着モジュールにおいて前記吸着工程を行うときに、前記第1吸脱着モジュールにおいて前記脱着工程を行うよう構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  9. 前記第1吸脱着モジュールにおいて前記吸着工程を行うとともに前記第2吸脱着モジュールにおいて前記脱着工程を行うための第1状態と、前記第2吸脱着モジュールにおいて前記吸着工程を行うとともに前記第1吸脱着モジュールにおいて前記脱着工程を行うための第2状態と、に切り換え可能である複数の切換弁をさらに備え、
    前記制御装置は、
    複数の前記切換弁による前記第1状態においては、前記第1吸脱着モジュールから導出される、二酸化炭素の濃度が減少した前記対象ガスである残ガスの一部を、パージガスとして前記第2吸脱着モジュールに導入し、
    複数の前記切換弁による前記第2状態においては、前記第2吸脱着モジュールから導出される、二酸化炭素の濃度が減少した前記対象ガスである残ガスの一部を、パージガスとして前記第1吸脱着モジュールに導入するよう構成されている、請求項8に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  10. 前記残ガスの一部を加熱するための加熱用熱交換器をさらに備え、
    前記制御装置が前記第1吸脱着モジュールにおいて前記吸着工程を行うとともに前記第2吸脱着モジュールにおいて前記脱着工程を行うときには、前記加熱用熱交換器によって前記第1吸脱着モジュールから導出される前記残ガスの一部が加熱され、
    前記制御装置が前記第2吸脱着モジュールにおいて前記吸着工程を行うとともに前記第1吸脱着モジュールにおいて前記脱着工程を行うときには、前記加熱用熱交換器によって前記第2吸脱着モジュールから導出される前記残ガスの一部が加熱されるよう構成されている、請求項9に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  11. 前記第1吸脱着モジュールから導出される前記残ガスの一部及び前記第2吸脱着モジュールから導出される前記残ガスの一部を貯留するための残ガス用タンクをさらに備え、
    前記第2吸脱着モジュールに導入される前記残ガス及び前記第1吸脱着モジュールに導入される前記残ガスは、前記残ガス用タンクに貯留されたものである、請求項9又は10に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  12. 前記脱着工程を行う前記第1吸脱着モジュール及び前記脱着工程を行う前記第2吸脱着モジュールへ、二酸化炭素の昇華点よりも高い沸点を有する、ガス状態の炭化水素、水素又は水蒸気を、パージガスとして供給するパージガス供給源をさらに備える、請求項8に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  13. 前記パージガスは、ガス状態の炭化水素又は水蒸気であり、
    前記脱着工程を行う前記第1吸脱着モジュール又は前記脱着工程を行う前記第2吸脱着モジュールから導出される、二酸化炭素が前記パージガスに脱着された二酸化炭素含有ガスを、前記パージガスの沸点よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い温度にして、前記二酸化炭素含有ガス中の前記パージガスを液相に分離するとともに、前記二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素を気相から回収する気液分離回収器をさらに備える、請求項12に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  14. 前記冷却用熱交換器によって冷却された前記対象ガスから生じる凝縮水を除去する凝縮水除去手段をさらに備える、請求項1〜13のいずれか1項に記載の二酸化炭素の分離・回収システム。
  15. 液化天然ガス又は液体水素の冷熱によって冷却する対象ガスを、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度にし、前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着剤に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着温度よりも高い脱着温度において、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を回収する脱着工程と、を含む二酸化炭素の分離・回収方法。
  16. 液体窒素の冷熱によって冷却する対象ガスを、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度にし、前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着剤に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着温度よりも高い脱着温度において、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を回収する脱着工程と、を含む二酸化炭素の分離・回収方法。
  17. 前記脱着工程においては、前記吸着剤からパージガスに二酸化炭素を脱着して、前記対象ガスに比べて二酸化炭素の濃度が増加した二酸化炭素含有ガスを回収する、請求項15又は16に記載の二酸化炭素の分離・回収方法。
  18. 前記脱着工程においては、前記パージガスに、前記吸着によって二酸化炭素の濃度が減少した前記対象ガスである残ガスの一部を用いる、請求項17に記載の二酸化炭素の分離・回収方法。
  19. 前記脱着工程においては、前記パージガスとしての前記残ガスの一部及び前記吸着剤の少なくとも一方を加熱する、請求項18に記載の二酸化炭素の分離・回収方法。
  20. 前記脱着工程においては、前記吸着剤が配置された吸脱着モジュール内へ、二酸化炭素の昇華点よりも高い沸点を有する、ガス状態の炭化水素、水素又は水蒸気をパージガスとして供給する、請求項15又は16に記載の二酸化炭素の分離・回収方法。
  21. 前記パージガスは、ガス状態の炭化水素又は水蒸気であり、
    前記吸脱着モジュールから導出される、二酸化炭素が前記パージガスに脱着された二酸化炭素含有ガスを、前記パージガスの沸点よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い温度にして、前記二酸化炭素含有ガス中の前記パージガスを液相に分離するとともに、前記パージガス中の二酸化炭素を気相から回収する、請求項20に記載の二酸化炭素の分離・回収方法。
  22. 前記脱着工程においては、前記吸着剤が配置された吸脱着モジュール内のガスを吸引する、請求項15〜21のいずれか1項に記載の二酸化炭素の分離・回収方法。
  23. 前記吸着工程においては、前記対象ガスを加圧し、
    前記脱着工程においては、前記吸着剤が配置された吸脱着モジュール内を減圧する、請求項15〜22のいずれか1項に記載の二酸化炭素の分離・回収方法。
  24. 液化天然ガス又は液体水素の冷熱によって冷却する対象ガスを加圧し、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において、前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着剤に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着剤が配置された吸脱着モジュール内を減圧して、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を回収する脱着工程と、を含む二酸化炭素の分離・回収方法。
  25. 液体窒素の冷熱によって冷却する対象ガスを加圧し、5℃よりも低く二酸化炭素の昇華点よりも高い吸着温度において、前記対象ガスに含まれる二酸化炭素を分離して吸着剤に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着剤が配置された吸脱着モジュール内を減圧して、前記吸着剤に吸着された二酸化炭素を回収する脱着工程と、を含む二酸化炭素の分離・回収方法。
  26. 前記吸着工程においては、前記冷却用熱交換器によって前記対象ガスを冷却するときに、前記対象ガスに含まれる水蒸気を凝縮水として脱水する、請求項15〜25のいずれか1項に記載の二酸化炭素の分離・回収方法。
  27. 前記対象ガスには、燃焼によって生じた排ガス、又は大気を用いる、請求項15〜26のいずれか1項に記載の二酸化炭素の分離・回収方法。
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