JP3034655B2 - きのこの人工栽培方法 - Google Patents

きのこの人工栽培方法

Info

Publication number
JP3034655B2
JP3034655B2 JP3205700A JP20570091A JP3034655B2 JP 3034655 B2 JP3034655 B2 JP 3034655B2 JP 3205700 A JP3205700 A JP 3205700A JP 20570091 A JP20570091 A JP 20570091A JP 3034655 B2 JP3034655 B2 JP 3034655B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
culture
culture substrate
mixture
weight
mushrooms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3205700A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0523049A (ja
Inventor
由己太 河野
裕子 田中
侑 松井
日出男 森田
Original Assignee
寳酒造株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 寳酒造株式会社 filed Critical 寳酒造株式会社
Priority to JP3205700A priority Critical patent/JP3034655B2/ja
Publication of JPH0523049A publication Critical patent/JPH0523049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3034655B2 publication Critical patent/JP3034655B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良されたきのこの栽
培用培養基物、及びこれを用いてきのこを栽培する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のきのこ栽培はコナラ、クヌギ、ブ
ナ等の原木を利用したほだ木栽培がほとんどであり、そ
のため気象条件により収穫が左右されることが多く、ま
た最近ではほだ木に使用する原木の不足や、原木切り出
しのための労働力が不足していること等によって原木の
入手が困難であった。更にほだ木栽培は栽培期間が長
く、例えば種菌の接種からきのこの収穫までに1年半〜
2年も要すること等により、生産コストが相当高額にな
ることが避けられなかった。このため、近年エノキタ
ケ、ヒラタケ、シロタモギタケ、ナメコ等の栽培におい
てオガクズに米糠を配合した培養基を用いて、ビン又は
箱で栽培を行う菌床人工栽培法が確立され、1年を通じ
て安定してきのこを収穫できるようになってきた。その
結果、ほだ木を使用した従来の農家での副業的きのこの
生産が、現在では企業が工業的規模で大量に栽培可能
で、原料の確保もし易い菌床人工栽培法が、主流になっ
ている。しかしながら、この菌床栽培法においてもきの
こを大量にかつ連続的に栽培するには、いまだ収量が充
分には高くなく栽培期間も長いため、生産コストは充分
に安価ではない。このため、種々の農産廃棄物等を培養
基に用いて、収量を増大させる試みがなされている。例
えば、コーンコブ(トウモロコシの穂軸)の粉砕物がエ
ノキタケ、ヒラタケ、シロタモギタケ、ナメコ、シイタ
ケ等のきのこの培養基に使用されており、収量において
増収効果が認められている。しかし、コーンコブ粉砕物
は培養基として他の栄養剤と混合使用する際に粉塵が多
いため、作業環境が悪くなりまた、吸水性が悪く培養基
の水分調整が難しいといった欠点があり、現在はほとん
ど使用されていない。特開平1−160430号公報に
記載のように、本発明者らはこのコーンコブ粉砕物の欠
点を、栄養剤と共に造粒することにより改善できること
を見出した。造粒を行うことにより、粉塵の防止、吸水
性の改善、更にはきのこのそろい及び品質の改良、増収
効果も得られた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のようにコーンコ
ブ粉砕物の欠点は改善されたが、これは小規模な造粒機
(不二パウタル社製 F−5/11−175型)で造粒
を行ったものであった。しかしながら、工場生産規模の
大型造粒機により造粒を行う場合は、コーンコブと栄養
剤の配合のみでは粒状が大変に硬くなるために吸水した
際の膨潤性が悪くなる結果、培養容器当りの培地使用量
が多くなりコスト高になる。更にまた、通気等の培地性
状が必ずしも良いとはいえず、培養容器への培地詰込み
重量が増加するため、作業時の労力も増加するといった
問題点を有している。したがって本発明の目的は、上記
現状にかんがみ、きのこの増収効果を有するコーンコブ
を培養基として用いるために大型の造粒機を使用して粒
状化する際の問題点を解決し、汎用性のある大量生産可
能な、きのこ人工栽培用培養基材及びこれを用いること
によるきのこの人工栽培方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明はきのこの人工栽培用培養基材に関す
る発明であって、コーンコブ粉砕物に、オガクズ、モミ
ガラ、ビートパルプ、チモシー、おから、シリカゲル、
多糖類ゲル、高吸水性ポリマーよりなる群から選択され
る少なくとも1以上の吸水性膨潤物質と栄養剤を加えて
粒状物にしたきのこの人工栽培用培養基材であって、当
該培養基材に水を含浸させ水分含量を63重量%としポ
リプロピレン製850ml広ロビン容器内に圧詰めした
際に、515〜535g/850ml広ロビン容器の培
養基となり得ることを特徴とする。また、本発明の第2
の発明はきのこの人工栽培用培養基に関する発明であっ
て、上記第1の発明の培養基材に適量の水を含浸させ、
容器内に圧詰めしてなることを特徴とする。本発明の第
3の発明はきのこの人工栽培用培養基に関する発明であ
って、前記第1の発明の培養基材に水を60〜65重量
%含浸させ容器内に圧詰めしてきのこの生育に最適な密
度としたことを特徴とする。また、本発明の第4の発明
はきのこの人工栽培方法に関する発明であって、前記第
2又は第3の発明の培養基を用いてきのこを培養するこ
とを特徴とする。
【0005】本発明者等は、コーンコブと栄養剤を配合
して造粒する際の前記問題点を解決するために、これら
以外の材料を更に配合することにより粒状の改善を図る
ため鋭意検討を重ねた結果、コーンコブ、栄養剤配合物
に更に吸水性膨潤物質を配合した場合、粒状を改善でき
ることを見出した。
【0006】本発明で使用するコーンコブ粉砕物は市場
で入手することができ、例えば金商又一株式会社より市
販されているコーンコブ粉砕物が利用できる。これら
は、通常0.25〜4mmの粒径を有する粉末で、飛散し
やすいものである。
【0007】本発明で前記コーンコブ粉砕物に加える吸
水性膨潤物質としてはオガクズ、モミガラ、ビートパル
プ、チモシー、おから、シリカゲル、多糖類ゲル、ある
いは、デンプン若しくはセルロースを、カルボキシメチ
ル化したもの若しくはアクリロニトリルと反応後加水分
解したもの、又はアクリル酸メチル−酢酸ビニル共重合
体を加水分解したものなどのいわゆる高吸水性ポリマー
と称されるもの(例えば住友化学工業株式会社製 スミ
カゲル)等従来より吸水性膨潤物質として使用されてい
るものを使用できる。これらは、それぞれ単独で用いて
もよく、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。前
記コーンコブ粉砕物と吸水性膨潤物質の混合割合は、コ
ーンコブ粉砕物の重量に対して1:0.01〜10で好
ましくは1:0.08〜1である。しかし、この混合割
合は任意に選択でき、これに限定されるものではない。
【0008】本発明で前記コーンコブ粉砕物に加える栄
養剤としては、米糠、ふすま、大麦粉砕物、大豆皮、と
うもろこし糠、麦糠、おから等従来よりきのこ栽培に使
用されているものを使用できる。これらは、それぞれ単
独で用いてもよく、あるいは2種以上を混合して用いて
もよい。前記コーンコブ粉砕物と栄養剤の混合割合は、
コーンコブ粉砕物の重量に対して1:0.1〜10で好
ましくは1:0.4〜4である。しかし、この混合割合
は任意に選択でき、これに限定されるものではない。
【0009】前記コーンコブ粉砕物と吸水性膨潤物質及
び栄養剤の混合物の造粒には、通常使用されている大型
造粒機、例えばCPM社製150馬力JPMフローティ
ングダイ型造粒機を用いて造粒するとよい。しかし、造
粒機の規模や構造はこれに限定されるものではなく、現
在使用されているあらゆる造粒機で造粒が可能である。
粒状物の形状は通常3〜8mm×10〜30mmの円筒形に
すればよいが、これは他の形及び寸法であってもよい。
【0010】上述したごとくして作った粒状物は、必要
により通常のごとく乾燥して水分10%以下にすれば、
長期間保存が可能である。
【0011】上述した本発明によるきのこ人工栽培用培
養基材を用いてきのこ人工栽培用培養基を造るに当って
は、これに水を水分含有率60〜65重量%になるよう
に加えてかくはんし、これを例えば広口ポリプロピレン
製ビンや箱等の栽培容器に入れて圧力を加えて圧縮す
る。上記かくはん中に本発明によるきのこ人工栽培用培
養基材は、水分を含有することによりその形態が容易に
破壊されて均一な混合物となるので、これを押し固めて
必要な量や形の培養基を形成すればよい。例えば、ほだ
木状の形状に本発明によるきのこ人工栽培用培養基材を
水分を含有させて形成し、ほだ木の代替物として使用す
ることが可能である。また、一般に使用されるきのこ人
工栽培用培養基材に混入して用いてもよい。
【0012】本発明によるきのこ人工栽培用培養基材を
用いて培養基を作り、これを用いて栽培可能なきのこ
は、人工栽培できるきのこであれば任意のきのこを選ぶ
ことができ、例えばエノキタケ、ヒラタケ、シロタモギ
タケ、ナメコ、シイタケ等を挙げることができる。きの
この培養、栽培方法自体は、従来の方法が使用可能であ
る。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されない。
【0014】実施例1 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とオガクズ
を乾物重量比で2:1になるように混合し、更に米糠と
フスマを前記混合物乾重に対して4:2:1となるよう
に混合して粉砕機にかけ、この粉砕物を6メッシュでふ
るい分けして、6メッシュ以下のものを回収した。これ
に蒸気を15重量%になるように吹込み、造粒機(CP
M社製150馬力JPMフローティングダイ型)を用い
て直径6mmで長さ20〜30mmの粒状物を作り、造粒時
の余熱で自然乾燥し、水分含量8%とした。形成された
培養基材は粉塵を発生することはなかった。次に上述し
た培養基材をシロタモギタケの栽培に使用した。培養基
材1000gに、水道水を水分含量が63重量%になる
ように加えて十分にかくはんした。このとき培養基材は
破壊されて均質な混合物となった。このときも粉塵の発
生はなかった。前記の混合物の適量を、ポリプロピレン
製850ml広口ビン(65g)に、全自動詰込機(協栄
鉄工株式会社製EI8516D型)にて圧詰めして培養
基を形成した。この時のビンを含めた重量は600g
で、きのこの生育に最適な密度の培地が得られた。更
に、ビン口中央部より下方に向いて直径1cmの穴を底ま
であけ、キャップで打栓したものを120℃、90分間
高圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却した後、シロタモ
ギタケの固体種菌10gを接種し、暗所にて温度25
℃、湿度50〜60%の条件下で30日間培養を行い、
培養菌糸体を作った。この培養菌糸体を更に同条件下に
て55日間培養を続けて熟成した後、キャップを取除い
て培養基の上から1cmの深さに菌糸層をかき取り、水道
水20mlを加えて吸水させた。4時間放置後に余剰の水
を傾斜させて廃棄し、温度15℃、湿度95%、照度2
0ルクスの条件下で10日間培養して子実体原基を発生
させ、更に照度を200ルクスに上げて15日間培養し
て成熟子実体を得た。成熟子実体の収量は184gで、
形態もよく、発生のそろった高品質のシロタモギタケが
得られた。
【0015】実施例2 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とモミガラ
及びチモシーを乾物重量比で6:1:1になるように混
合し、更に米糠とフスマを前記混合物乾重に対して4:
2:1となるように混合して粉砕機にかけ、この粉砕物
を6メッシュでふるい分けして、6メッシュ以下のもの
を回収した。これに蒸気を15重量%になるように吹込
み、造粒機(CPM社製150馬力JPMフローティン
グダイ型)を用いて直径6mmで長さ20〜30mmの粒状
物を作り、造粒時の余熱で自然乾燥し、水分含量8%と
した。形成された培養基材は粉塵を発生することはなか
った。 次に上述した培養基材をシロタモギタケの栽培
に使用した。培養基材1000gに、水道水を水分含量
が63重量%になるように加えて十分にかくはんした。
このとき培養基材は破壊されて均質な混合物となった。
このときも粉塵の発生はなかった。前記の混合物の適量
を、ポリプロピレン製850ml広口ビン(65g)に、
全自動詰込機(協栄鉄工株式会社製EI8516D型)
にて圧詰めして培養基を形成した。この時のビンを含め
た重量は600gで、きのこの生育に最適な密度の培地
が得られた。更に、ビン口中央部より下方に向いて直径
1cmの穴を底まであけ、キャップで打栓したものを12
0℃、90分間高圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却し
た後、シロタモギタケの固体種菌10gを接種し、暗所
にて温度25℃、湿度50〜60%の条件下で28日間
培養を行い、培養菌糸体を作った。この培養菌糸体を更
に同条件下にて57日間培養を続けて熟成した後、キャ
ップを取除いて培養基の上から1cmの深さに菌糸層をか
き取り、水道水20mlを加えて吸水させた。4時間放置
後に余剰の水を傾斜させて廃棄し、温度15℃、湿度9
5%、照度20ルクスの条件下で11日間培養して子実
体原基を発生させ、更に照度を200ルクスに上げて1
4日間培養して成熟子実体を得た。収量は178gで、
形態もよく発生のそろった高品質のシロタモギタケが得
られた。
【0016】実施例3 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とビートパ
ルプを乾物重量比で10:1になるように混合し、更に
フスマと麦糠を前記混合物乾重に対して8:5:1とな
るように混合して粉砕機にかけ、この粉砕物を6メッシ
ュでふるい分けして、6メッシュ以下のものを回収し
た。これに蒸気を15重量%になるように吹込み、造粒
機(CPM社製150馬力JPMフローティングダイ
型)を用いて直径6mmで長さ20〜30mmの粒状物を作
り、造粒時の余熱で自然乾燥し、水分含量8%とした。
形成された培養基材は粉塵を発生することはなかった。
次に上述した培養基材をシロタモギタケの栽培に使用し
た。培養基材1000gに、水道水を水分含量が63重
量%になるように加えて十分にかくはんした。このとき
培養基材は破壊されて均質な混合物となった。粉塵の発
生はなかった。前記の混合物の適量を、ポリプロピレン
製850ml広口ビン(65g)に、全自動詰込機(協栄
鉄工株式会社製EI8516D型)にて圧詰めして培養
基を形成した。この時のビンを含めた重量は600g
で、きのこの生育に最適な密度の培地が得られた。更
に、ビン口中央部より下方に向いて直径1cmの穴を底ま
であけ、キャップで打栓したものを120℃、90分間
高圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却した後、シロタモ
ギタケの固体種菌10gを接種し、暗所にて温度25
℃、湿度50〜60%の条件下で32日間培養を行い、
培養菌糸体を作った。この培養菌糸体を更に同条件下に
て53日間培養を続けて熟成した後、キャップを取除い
て培養基の上から1cmの深さに菌糸層をかき取り、水道
水20mlを加えて吸水させた。4時間放置後に余剰の水
を傾斜させて廃棄し、温度15℃、湿度95%、照度2
0ルクスの条件下で11日間培養して子実体原基を発生
させ、更に照度を200ルクスに上げて13日間培養し
て成熟子実体を得た。成熟子実体の収量は196gで、
形態もよく、発生のそろった高品質のシロタモギタケが
得られた。
【0017】実施例4 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とおからを
乾物重量比で2:1になるように混合し、更に米糠とと
うもろこし糠を前記混合物乾重に対して6:4:1とな
るように混合して粉砕機にかけ、この粉砕物を6メッシ
ュでふるい分けして、6メッシュ以下のものを回収し
た。これに蒸気を15重量%になるように吹込み、造粒
機(CPM社製150馬力JPMフローティングダイ
型)を用いて直径6mmで長さ20〜30mmの粒状物を作
り、造粒時の余熱で自然乾燥し、水分含量8%とした。
形成された培養基材は粉塵を発生することはなかった。
次に上述した培養基材をシロタモギタケの栽培に使用し
た。培養基材1000gに、水道水を水分含量が63重
量%になるように加えて十分にかくはんした。このとき
培養基材は破壊されて均質な混合物となった。粉塵の発
生はなかった。前記の混合物の適量を、ポリプロピレン
製850ml広口ビン(65g)に、全自動詰込機(協栄
鉄工株式会社製EI8516D型)にて圧詰めして培養
基を形成した。この時のビンを含めた重量は580g
で、きのこの生育に最適な密度の培地が得られた。更
に、ビン口中央部より下方に向いて直径1cmの穴を底ま
であけ、キャップで打栓したものを120℃、90分間
高圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却した後、シロタモ
ギタケの固体種菌10gを接種し、暗所にて温度25
℃、湿度50〜60%の条件下で30日間培養を行い、
培養菌糸体を作った。この培養菌糸体を更に同条件下に
て55日間培養を続けて熟成した後、キャップを取除い
て培養基の上から1cmの深さに菌糸層をかき取り、水道
水20mlを加えて吸水させた。4時間放置後に余剰の水
を傾斜させて廃棄し、温度15℃、湿度95%、照度2
0ルクスの条件下で11日間培養して子実体原基を発生
させ、更に照度を200ルクスに上げて14日間培養し
て成熟子実体を得た。成熟子実体の収量は172gで、
形態もよく、発生のそろった高品質のシロタモギタケが
得られた。
【0018】実施例5 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とシリカゲ
ル〔商品名;キーゼルゲル( Kieselgel ) 60 Art. 938
5、メルク( MERCK ) 社製〕を乾物重量比で12:1に
なるように混合し、更に米糠とフスマを前記混合物乾重
に対して4:2:1となるように混合して粉砕機にか
け、この粉砕物を6メッシュでふるい分けして、6メッ
シュ以下のものを回収した。これに蒸気を15重量%に
なるように吹込み、造粒機(CPM社製150馬力JP
Mフローティングダイ型)を用いて直径6mmで長さ20
〜30mmの粒状物を作り、造粒時の余熱で自然乾燥し、
水分含量8%とした。形成された培養基材は粉塵を発生
することはなかった。次に上述した培養基材をシロタモ
ギタケの栽培に使用した。培養基材1000gに、水道
水を水分含量が63重量%になるように加えて十分にか
くはんした。このとき培養基材は破壊されて均質な混合
物となった。このときも粉塵の発生はなかった。前記の
混合物の適量を、ポリプロピレン製850ml広口ビン
(65g)に、全自動詰込機(協栄鉄工株式会社製EI
8516D型)にて圧詰めして培養基を形成した。この
時のビンを含めた重量は600gで、きのこの生育に最
適な密度の培地が得られた。更に、ビン口中央部より下
方に向いて直径1cmの穴を底まであけ、キャップで打栓
したものを120℃、90分間高圧蒸気滅菌した。この
培養基を冷却した後、シロタモギタケの固体種菌10g
を接種し、暗所にて温度25℃、湿度50〜60%の条
件下で29日間培養を行い、培養菌糸体を作った。この
培養菌糸体を更に同条件下にて56日間培養を続けて熟
成した後、キャップを取除いて培養基の上から1cmの深
さに菌糸層をかき取り、水道水20mlを加えて吸水させ
た。4時間放置後に余剰の水を傾斜させて廃棄し、温度
15℃、湿度95%、照度20ルクスの条件下で9日間
培養して子実体原基を発生させ、更に照度を200ルク
スに上げて15日間培養して成熟子実体を得た。成熟子
実体の収量は193gで、形態もよく、発生のそろった
高品質のシロタモギタケが得られた。
【0019】実施例6 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕と多糖類ゲ
ル(商品名;キトパールベーシックBL−03、富士紡
績株式会社製)を乾物重量比で10:1になるように混
合し、更に米糠とフスマを前記混合物乾重に対して4:
2:1となるように混合して粉砕機にかけ、この粉砕物
を6メッシュでふるい分けして、6メッシュ以下のもの
を回収した。これに蒸気を15重量%になるように吹込
み、造粒機(CPM社製150馬力JPMフローティン
グダイ型)を用いて直径6mmで長さ20〜30mmの粒状
物を作り、造粒時の余熱で自然乾燥し、水分含量8%と
した。形成された培養基材は粉塵を発生することはなか
った。次に上述した培養基材をシロタモギタケの栽培に
使用した。培養基材1000gに、水道水を水分含量が
63重量%になるように加えて十分にかくはんした。こ
のとき培養基材は破壊されて均質な混合物となった。こ
のときも粉塵の発生はなかった。前記の混合物の適量
を、ポリプロピレン製850ml広口ビン(65g)に、
全自動詰込機(協栄鉄工株式会社製EI8516D型)
にて圧詰めして培養基を形成した。この時のビンを含め
た重量は590gで、きのこの生育に最適な密度の培地
が得られた。更に、ビン口中央部より下方に向いて直径
1cmの穴を底まであけ、キャップで打栓したものを12
0℃、90分間高圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却し
た後、シロタモギタケの固体種菌10gを接種し、暗所
にて温度25℃、湿度50〜60%の条件下で31日間
培養を行い、培養菌糸体を作った。この培養菌糸体を更
に同条件下にて54日間培養を続けて熟成した後、キャ
ップを取除いて培養基の上から1cmの深さに菌糸層をか
き取り、水道水20mlを加えて吸水させた。4時間放置
後に余剰の水を傾斜させて廃棄し、温度15℃、湿度9
5%、照度20ルクスの条件下で12日間培養して子実
体原基を発生させ、更に照度を200ルクスに上げて1
3日間培養して成熟子実体を得た。成熟子実体の収量は
184gで、形態もよく、発生のそろった高品質のシロ
タモギタケが得られた。
【0020】実施例7 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕と高吸水性
ポリマー(商品名;スミカゲルS−50、住友化学工業
株式会社製)を乾物重量比で10:1になるように混合
し、更に米糠とフスマを前記混合物乾重に対して4:
2:1となるように混合して粉砕機にかけ、この粉砕物
を6メッシュでふるい分けして、6メッシュ以下のもの
を回収した。これに蒸気を15重量%になるように吹込
み、造粒機(CPM社製150馬力JPMフローティン
グダイ型)を用いて直径6mmで長さ20〜30mmの粒状
物を作り、造粒時の余熱で自然乾燥し、水分含量8%と
した。形成された培養基材は粉塵を発生することはなか
った。次に上述した培養基材をシロタモギタケの栽培に
使用した。培養基材1000gに、水道水を水分含量が
63重量%になるように加えて十分にかくはんした。こ
のとき培養基材は破壊されて均質な混合物となった。こ
のときも粉塵の発生はなかった。前記の混合物の適量
を、ポリプロピレン製850ml広口ビン(65g)に、
全自動詰込機(協栄鉄工株式会社製EI8516D型)
にて圧詰めして培養基を形成した。この時のビンを含め
た重量は595gで、きのこの生育に最適な密度の培地
が得られた。更に、ビン口中央部より下方に向いて直径
1cmの穴を底まであけ、キャップで打栓したものを12
0℃、90分間高圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却し
た後、シロタモギタケの固体種菌10gを接種し、暗所
にて温度25℃、湿度50〜60%の条件下で30日間
培養を行い、培養菌糸体を作った。この培養菌糸体を更
に同条件下にて55日間培養を続けて熟成した後、キャ
ップを取除いて培養基の上から1cmの深さに菌糸層をか
き取り、水道水20mlを加えて吸水させた。4時間放置
後に余剰の水を傾斜させて廃棄し、温度15℃、湿度9
5%、照度20ルクスの条件下で10日間培養して子実
体原基を発生させ、更に照度を200ルクスに上げて1
4日間培養して成熟子実体を得た。成熟子実体の収量は
188gで、形態もよく、発生のそろった高品質のシロ
タモギタケが得られた。
【0021】実施例8 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とオガクズ
を乾物重量比で4:1になるように混合し、更に米糠を
前記混合物乾重に対して6:5となるように混合して粉
砕機にかけ、この粉砕物を6メッシュでふるい分けし
て、6メッシュ以下のものを回収した。これに蒸気を1
5重量%になるように吹込み、造粒機(CPM社製15
0馬力JPMフローティングダイ型)を用いて直径6mm
で長さ20〜30mmの粒状物を作り、造粒時の余熱で自
然乾燥し、水分含量8%とした。形成された培養基材は
粉塵を発生することはなかった。次に上述した培養基材
をエノキタケの栽培に使用した。培養基材1000g
に、水道水を水分含量が63重量%になるように加えて
十分にかくはんした。このとき培養基材は破壊されて均
質な混合物となった。このときも粉塵の発生はなかっ
た。前記の混合物の適量を、ポリプロピレン製850ml
広口ビン(65g)に、全自動詰込機(協栄鉄工株式会
社製EI8516D型)にて圧詰めして培養基を形成し
た。この時のビンを含めた重量は600gで、きのこの
生育に最適な密度の培地が得られた。更に、ビン口中央
部より下方に向いて直径1cmの穴を底まであけ、キャッ
プで打栓したものを120℃、90分間高圧蒸気滅菌し
た。この培養基を冷却した後、エノキタケの固体種菌1
0gを接種し、暗所にて温度25℃、湿度50〜60%
の条件下で22日間培養を行い、培養菌糸体を作った。
次にキャップを取除いて、培養基の上にある種菌由来の
古い菌糸層をすべてかき取り、暗所にて温度12℃、湿
度85%の条件下で10日間培養して子実体原基を発生
させた。更に温度4℃の暗所で真上より風を当てる抑制
培養を7日間行った後、暗所にて温度7℃、湿度75%
の条件下で4日間培養して子実体をビン口まで生長させ
た。その後巻紙を施して更に6日間培養を続けて成熟子
実体を得た。成熟子実体の収量は148gで、形態もよ
く、発生のそろった高品質のエノキタケが得られた。
【0022】実施例9 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とビートパ
ルプを乾物重量比で8:1になるように混合し、更に米
糠を前記混合物乾重に対して4:3となるように混合し
て粉砕機にかけ、この粉砕物を6メッシュでふるい分け
して、6メッシュ以下のものを回収した。これに蒸気を
15重量%になるように吹込み、造粒機(CPM社製1
50馬力JPMフローティングダイ型)を用いて直径6
mmで長さ20〜30mmの粒状物を作り、造粒時の余熱で
自然乾燥し、水分含量8%とした。形成された培養基材
は粉塵を発生することはなかった。次に上述した培養基
材をエノキタケの栽培に使用した。培養基材1000g
に、水道水を水分含量が63重量%になるように加えて
十分にかくはんした。このとき培養基材は破壊されて均
質な混合物となった。このときも粉塵の発生はなかっ
た。前記の混合物の適量を、ポリプロピレン製850ml
広口ビン(65g)に、全自動詰込機(協栄鉄工株式会
社製EI8516D型)にて圧詰めして培養基を形成し
た。この時のビンを含めた重量は590gで、きのこの
生育に最適な密度の培地が得られた。更に、ビン口中央
部より下方に向いて直径1cmの穴を底まであけ、キャッ
プで打栓したものを120℃、90分間高圧蒸気滅菌し
た。この培養基を冷却した後、エノキタケの固体種菌1
0gを接種し、暗所にて温度25℃、湿度50〜60%
の条件下で21日間培養を行い、培養菌糸体を作った。
次にキャップを取除いて、培養基の上にある種菌由来の
古い菌糸層をすべてかき取り、暗所にて温度12℃、湿
度85%の条件下で11日間培養して子実体原基を発生
させた。更に温度4℃の暗所で真上より風を当てる抑制
培養を7日間行った後、暗所にて温度7℃、湿度75%
の条件下で4日間培養して子実体をビン口まで生長させ
た。その後巻紙を施して更に7日間培養を続けて成熟子
実体を得た。成熟子実体の収量は146gで、形態もよ
く、発生のそろった高品質のエノキタケが得られた。
【0023】実施例10 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とオガクズ
を乾物重量比で10:1になるように混合し、更に米糠
とフスマを前記混合物乾重に対して5:3:1となるよ
うに混合して粉砕機にかけ、この粉砕物を6メッシュで
ふるい分けして、6メッシュ以下のものを回収した。こ
れに蒸気を15重量%になるように吹込み、造粒機(C
PM社製150馬力JPMフローティングダイ型)を用
いて直径6mmで長さ20〜30mmの粒状物を作り、造粒
時の余熱で自然乾燥し、水分含量8%とした。形成され
た培養基材は粉塵を発生することはなかった。次に上述
した培養基材をヒラタケの栽培に使用した。培養基材1
000gに、水道水を水分含量が63重量%になるよう
に加えて十分にかくはんした。このとき培養基材は破壊
されて均質な混合物となった。このときも粉塵の発生は
なかった。前記の混合物の適量を、ポリプロピレン製8
50ml広口ビン(65g)に、全自動詰込機(協栄鉄工
株式会社製EI8516D型)にて圧詰めして培養基を
形成した。この時のビンを含めた重量は600gで、き
のこの生育に最適な密度の培地が得られた。更に、ビン
口中央部より下方に向いて直径1cmの穴を底まであけ、
キャップで打栓したものを120℃、90分間高圧蒸気
滅菌した。この培養基を冷却した後、ヒラタケの固体種
菌10gを接種し、暗所にて温度25℃、湿度50〜6
0%の条件下で29日間培養を行い、培養菌糸体を作っ
た。次にキャップを取除いて培養基の上から1cmの深さ
に菌糸層をかき取り、水道水20mlを加えて吸水させ
た。4時間放置後に余剰の水を傾斜させて廃棄し、温度
15℃、湿度95%、照度20ルクスの条件下で6日間
培養して子実体原基を形成させ、更に照度を200ルク
スに上げて10日間培養を続け成熟子実体を得た。成熟
子実体の収量は149gで形態もそろった高品質のヒラ
タケが得られた。
【0024】実施例11 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とモミガラ
及びチモシーを乾物重量比で6:1:1になるように混
合し、更に米糠とフスマを前記混合物乾重に対して4:
2:1となるように混合して粉砕機にかけ、この粉砕物
を6メッシュでふるい分けして、6メッシュ以下のもの
を回収した。これに蒸気を15重量%になるように吹込
み、造粒機(CPM社製150馬力JPMフローティン
グダイ型)を用いて直径6mmで長さ20〜30mmの粒状
物を作り、造粒時の余熱で自然乾燥し、水分含量8%と
した。形成された培養基材は粉塵を発生することはなか
った。次に上述した培養基材をヒラタケの栽培に使用し
た。培養基材1000gに、水道水を水分含量が63重
量%になるように加えて十分にかくはんした。このとき
培養基材は破壊されて均質な混合物となった。このとき
も粉塵の発生はなかった。前記の混合物の適量を、ポリ
プロピレン製850ml広口ビン(65g)に、全自動詰
込機(協栄鉄工株式会社製EI8516D型)にて圧詰
めして培養基を形成した。この時のビンを含めた重量は
600gで、きのこの生育に最適な密度の培地が得られ
た。更に、ビン口中央部より下方に向いて直径1cmの穴
を底まであけ、キャップで打栓したものを120℃、9
0分間高圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却した後、ヒ
ラタケの固体種菌10gを接種し、暗所にて温度25
℃、湿度50〜60%の条件下で30日間培養を行い、
培養菌糸体を作った。次にキャップを取除いて培養基の
上から1cmの深さに菌糸層をかき取り、水道水20mlを
加えて吸水させた。4時間放置後に余剰の水を傾斜させ
て廃棄し、温度15℃、湿度95%、照度20ルクスの
条件下で6日間培養して子実体原基を形成させ、更に照
度を200ルクスに上げて10日間培養を続け成熟子実
体を得た。成熟子実体の収量は152gで形態もそろっ
た高品質のヒラタケが得られた。
【0025】対照例1 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕と米糠とフ
スマを乾物重量比で4:2:1になるように混合して粉
砕機にかけ、この粉砕物を6メッシュでふるい分けし
て、6メッシュ以下のものを回収した。これに蒸気を1
5重量%になるように吹込み、造粒機(CPM社製15
0馬力JPMフローティングダイ型)を用いて直径6mm
で長さ20〜30mmの粒状物を作り、造粒時の余熱で自
然乾燥し、水分含量8%とした。形成された培養基材は
粉塵を発生することはなかった。次に上述した培養基材
をシロタモギタケの栽培に使用した。培養基材1000
gに、水道水を水分含量が63重量%になるように加え
て十分にかくはんした。このとき培養基材は充分には破
壊されず、芯状の塊を含む不均質な混合物となった。粉
塵の発生はなかった。前記の混合物の適量を、ポリプロ
ピレン製850ml広口ビン(65g)に、全自動詰込機
(協栄鉄工株式会社製EI8516D型)にて圧詰めし
て培養基を形成した。この時のビンを含めた重量は65
0gで、きのこの生育には不適当な高密度の培地となっ
た。更にビン口中央部より下方に向いて直径1cmの穴を
底まであけ、キャップで打栓したものを120℃、90
分間高圧蒸気滅菌したが、滅菌時に上記芯状の塊が吸水
したため穴が崩壊した。この培養基を冷却した後、シロ
タモギタケの固体種菌10gを接種し、暗所にて温度2
5℃、湿度50〜60%の条件下で45日間培養を行
い、培養菌糸体を作った。この培養菌糸体を更に同条件
下にて40日間培養を続けて熟成した後、キャップを取
除いて培養基の上から1cmの深さに菌糸層をかき取り、
水道水20mlを加えて吸水させた。4時間放置後に余剰
の水を傾斜させて廃棄し、温度15℃、湿度95%、照
度20ルクスの条件下で12日間培養して子実体原基を
発生させ、更に照度を200ルクスに上げて16日間培
養して成熟子実体を得た。成熟子実体の収量は155g
で実施例に比べて収量も悪く、発生のそろいも悪かっ
た。この培地において充分な収量と発生のそろいを得る
ためには、120日間もの長期培養を必要とした。
【0026】対照例2 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕と米糠を乾
物重量比で4:3になるように混合して粉砕機にかけ、
この粉砕物を6メッシュでふるい分けして、6メッシュ
以下のものを回収した。これに蒸気を15重量%になる
ように吹込み、造粒機(CPM社製150馬力JPMフ
ローティングダイ型)を用いて直径6mmで長さ20〜3
0mmの粒状物を作り、造粒時の余熱で自然乾燥し、水分
含量8%とした。形成された培養基材は粉塵を発生する
ことはなかった。次に上述した培養基材をエノキタケの
栽培に使用した。培養基材1000gに、水道水を水分
含量が63重量%になるように加えて十分にかくはんし
た。このとき培養基材は充分には破壊されず、芯状の塊
を含む不均質な混合物となった。粉塵の発生はなかっ
た。前記の混合物の適量を、ポリプロピレン製850ml
広口ビン(65g)に、全自動詰込機(協栄鉄工株式会
社製EI8516D型)にて圧詰めして培養基を形成し
た。この時のビンを含めた重量は645gで、きのこの
生育には不適当な高密度の培地となった。更にビン口中
央部より下方に向いて直径1cmの穴を底まであけ、キャ
ップで打栓したものを120℃、90分間高圧蒸気滅菌
したが、滅菌時に上記芯状の塊が吸水したため穴が崩壊
した。この培養基を冷却した後、エノキタケの固体種菌
10gを接種し、暗所にて温度25℃、湿度50〜60
%の条件下で34日間培養を行い、培養菌糸体を作っ
た。次にキャップを取除いて、培養基の上にある種菌由
来の古い菌糸層をすべてかき取り、暗所にて温度12
℃、湿度85%の条件下で11日間培養して子実体原基
を発生させた。更に温度4℃の暗所で真上より風を当て
る抑制培養を7日間行った後、暗所にて温度7℃、湿度
75%の条件下で4日間培養して子実体をビン口まで生
長させた。その後巻紙を施して更に7日間培養を続けて
成熟子実体を得た。成熟子実体の収量は140gで収量
的には実施例との大きな差はなかったが、発生のそろい
は悪かった。
【0027】対照例3 コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕と米糠とフ
スマを乾物重量比で5:3:2になるように混合して粉
砕機にかけ、この粉砕物を6メッシュでふるい分けし
て、6メッシュ以下のものを回収した。これに蒸気を1
5重量%になるように吹込み、造粒機(CPM社製15
0馬力JPMフローティングダイ型)を用いて直径6mm
で長さ20〜30mmの粒状物を作り、造粒時の余熱で自
然乾燥し、水分含量8%とした。形成された培養基材は
粉塵を発生することはなかった。次に上述した培養基材
をヒラタケの栽培に使用した。培養基材1000gに、
水道水を水分含量が63重量%になるように加えて十分
にかくはんした。このとき培養基材は充分には破壊され
ず、芯状の塊を含む不均質な混合物となった。粉塵の発
生はなかった。前記の混合物の適量を、ポリプロピレン
製850ml広口ビン(65g)に、全自動詰込機(協栄
鉄工株式会社製EI8516D型)にて圧詰めして培養
基を形成した。この時のビンを含めた重量は650g
で、きのこの生育には不適当な高密度の培地となった。
更にビン口中央部より下方に向いて直径1cmの穴を底ま
であけ、キャップで打栓したものを120℃、90分間
高圧蒸気滅菌したが、滅菌時に上記芯状の塊が吸水した
ため穴が崩壊した。この培養基を冷却した後、ヒラタケ
の固体種菌10gを接種し、暗所にて温度25℃、湿度
50〜60%の条件下で38日間培養を行い、培養菌糸
体を作った。次にキャップを取除いて培養基の上から1
cmの深さに菌糸層をかき取り、水道水20mlを加えて吸
水させた。4時間放置後に余剰の水を傾斜させて廃棄
し、温度15℃、湿度95%、照度20ルクスの条件下
で9日間培養して子実体原基を形成させ、更に照度を2
00ルクスに上げて13日間培養を続け成熟子実体を得
た。成熟子実体の収量は132gで実施例よりも低くま
た、発生のそろいも悪かった。以上の各結果を、下記表
1に要約して示す。
【0028】
【表1】 註 実施例1〜7及び対照例1はシロタモギタケ、実施
例8、9及び対照例2はエノキタケ、実施例10、11
及び対照例3はヒラタケをそれぞれ供試。1) 菌廻り日数とは培養基全体に菌糸がまん延するのに必
要な日数。2)各試験区、対照区とも広口ビン12本ずつ
の平均値でビン重量65g込み。3)各試験区、対照区と
も広口ビン12本ずつの平均値。4)A:発生のそろいが
良く、品質も良い。B:発生のそろいは良いが、品質が
普通。C:発生のそろいが悪く、品質も悪い。
【0029】
【発明の効果】本発明によるきのこ人工栽培用培養基材
は、粒状物に成形してあるため、それを用いてきのこ人
工栽培用培養基を作るに当って、コーンコブ粉砕物を直
接使用する場合と異なり粉塵の発生がないので作業環境
が悪化せず、しかも吸水性も改善されているため、培養
基の水分調整が容易になる。また、きのこ人工栽培用培
養基材に水分を含有させた際の膨潤性がよいため、きの
こ菌糸の生育に好適な通気性が得られ、更には培地を必
要充分量使用することができるためロスを減らすことが
可能である。ビンを使用しての栽培の際には、詰込重量
が軽くできるため、作業に必要な労力が軽減可能であ
る。上記の理由により培地全体の物性が向上して、収穫
されるきのこのそろいが良くなり、高品質のものが得ら
れ収量も向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 日出男 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平2−104217(JP,A) 特開 平1−160430(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 1/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーンコブ粉砕物に、オガクズ、モミガ
    ラ、ビートパルプ、チモシー、おから、シリカゲル、多
    糖類ゲル、高吸水性ポリマーよりなる群から選択される
    少なくとも1以上の吸水性膨潤物質と栄養剤を加えて粒
    状物にしたきのこの人工栽培用培養基材であって、当該
    培養基材に水を含浸させ水分含量を63重量%としポリ
    プロピレン製850ml広ロビン容器内に圧詰めした際
    に、515〜535g/850ml広ロビン容器の培養
    基となり得ることを特徴とするきのこの人工栽培用培養
    基材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の培養基材に適量の水を
    含浸させ、容器内に圧詰めしてなることを特徴とするき
    のこの人工栽培用培養基。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の培養基材に水を60〜
    65%含浸させ、容器内に圧詰めしてきのこの生育に最
    適な密度としたことを特徴とするきのこの人工栽培用培
    養基。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の培養基を用いて
    きのこを培養することを特徴とするきのこの人工栽培方
    法。
JP3205700A 1991-07-23 1991-07-23 きのこの人工栽培方法 Expired - Fee Related JP3034655B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3205700A JP3034655B2 (ja) 1991-07-23 1991-07-23 きのこの人工栽培方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3205700A JP3034655B2 (ja) 1991-07-23 1991-07-23 きのこの人工栽培方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0523049A JPH0523049A (ja) 1993-02-02
JP3034655B2 true JP3034655B2 (ja) 2000-04-17

Family

ID=16511261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3205700A Expired - Fee Related JP3034655B2 (ja) 1991-07-23 1991-07-23 きのこの人工栽培方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3034655B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3871395B2 (ja) * 1996-03-29 2007-01-24 久和 池田 草質材圧着物
JP5902968B2 (ja) * 2011-03-11 2016-04-13 タカラバイオ株式会社 きのこの菌床栽培方法
KR20170053900A (ko) * 2015-11-09 2017-05-17 프롬바이오 주식회사 버섯재배용 배지조성물 및 이를 이용한 버섯의 재배방법
CN112703964A (zh) * 2020-12-07 2021-04-27 贵州大学 一种玉米芯豆渣混料栽培木腐菌的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0523049A (ja) 1993-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107197707A (zh) 一种花卉培养土及其制备方法
CN103553767A (zh) 一种花卉营养土及其制备方法
JP3781434B2 (ja) アガリクス葺の子実体の人工菌床栽培方法
CN1463581A (zh) 可降解营养花盆、育秧盆
CN110066203A (zh) 一种葛藤生物炭土壤改良剂及其制备方法
WO2018049685A1 (zh) 金针菇栽培基质及其栽培方法
CN105009726A (zh) 一种采用水解聚丙烯腈土壤深松剂的黏质土型盐碱地土壤改良方法
JPS6234363B2 (ja)
CN111109046A (zh) 一种可降解育苗钵及其制备方法
CN106489694A (zh) 一种水稻无土育秧木耳菌渣基质板及制备方法
JP3034655B2 (ja) きのこの人工栽培方法
JP2610660B2 (ja) きのこ栽培用培養基
CN110291956A (zh) 一种基于泥炭木屑的培养基质
CN104025906B (zh) 一种秸秆造木栽培食用菌技术
CN104478592A (zh) 一种有机腐殖土
CN111837874A (zh) 一种草莓母苗培育复合基质及其制备方法
JPH01160430A (ja) きのこの人工栽培方法
JP4202541B2 (ja) ホンシメジの人工栽培方法
JP2977553B1 (ja) きのこ栽培用培地
JP3798887B2 (ja) コットンリンターを含有するきのこ栽培用培地およびその使用方法
GB2269378A (en) Fibrous growth media
JP3393351B2 (ja) 植物栽培用培養土
JPH01181729A (ja) きのこの種菌培地
KR0173483B1 (ko) 버섯 배양기
JPH06113670A (ja) キノコ栽培方法及びキノコ栄養剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees