JP3034564B2 - ガラス瓶のすり傷発生部塗布剤 - Google Patents

ガラス瓶のすり傷発生部塗布剤

Info

Publication number
JP3034564B2
JP3034564B2 JP2205827A JP20582790A JP3034564B2 JP 3034564 B2 JP3034564 B2 JP 3034564B2 JP 2205827 A JP2205827 A JP 2205827A JP 20582790 A JP20582790 A JP 20582790A JP 3034564 B2 JP3034564 B2 JP 3034564B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
bottle
coating
oily substance
shielding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2205827A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0492838A (ja
Inventor
貞人 道下
政明 新里
正敏 柴田
照人 磯永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Brewery Co Ltd filed Critical Kirin Brewery Co Ltd
Priority to JP2205827A priority Critical patent/JP3034564B2/ja
Publication of JPH0492838A publication Critical patent/JPH0492838A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3034564B2 publication Critical patent/JP3034564B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明の概要 本発明は、各種ガラス瓶のすり傷発生部塗布剤に関す
る。
現在、各種のガラス瓶が用いられている。それらは市
場より回収され、循環使用されている。
しかしながら市場に於ける循環をくり返すうちにすり
傷の発生することが避けられず、それは見映えを悪くし
瓶の内容物の優劣に関係なく、その市場性を悪くする傾
向がある。
また、近年瓶詰工程は高度に機械化されており、その
流れ作業に於て、隣接する瓶との接触により、すり傷の
発生することがさけられない。
それは本来瓶の内容物の品質に、無関係であるが、購
買意欲を減ずる傾向がある。従って、本発明は各種のガ
ラス瓶のすり傷を隠ぺいする塗布剤(遮蔽剤)に関す
る。
従来技術 既にこの種技術、すなわちガラス瓶のすり傷遮蔽剤と
しては、例えば次のようなものが知られている。
流動パラフィン/カルナウバワックスのエマルショ
ンを使用するもの(昭59−111947)。
シランカップリング剤を使用するもの(昭59−1211
38)。
アセトキシ基ブロックジメチルシロキサン化合物の
アルコール溶液を使用するもの。これは空気中の水分と
反応し酢酸を脱離しながら縮合重合し硬化塗膜を形成す
るというメカニズムをとる。
紫外線硬化塗料、ポリエステル粉体塗料などの永久
又は半永久被膜を形成することからなるもの。
植物性乾性油又は半乾性油に乾燥促進剤(ドライヤ
ー)を加えたもの又はそれを有機溶剤でうすめたもの
(特許公報昭61−32269)。
しかしながら、これらの遮蔽剤は夫々次のような問題
点を有していた。
一般に流動パラフィン系のエマルションは乾燥後も
再乳化しやすく、耐水性に問題がある。したがって飲食
店等での冷却水槽において白化現象や、油浮きが問題と
なり、加えてせっかく塗布した遮蔽油膜が剥離するため
実質的に無益である。
シランカップリング剤はガラス面への密着性の点で
は非常にすぐれているものの、硬化後の塗膜は輸送中に
p箱中の仕切板との接触で傷付が発生し、本来のすり傷
遮蔽の目的を達成することができない。又非常に高価で
あり、リサイクルのため返却された空瓶のアルカリ洗浄
の条件(2〜4%の苛性ソーダ水溶液60〜80℃、10〜20
分)に於ても剥離しにくいばかりか、剥離後の廃水の活
性汚泥処理が困難などの欠点がある。
一般にビール、清涼飲料等が充填されたのちパスト
ライザーや水洗などの工程を経た段階で瓶は十分に乾燥
した状態ではない。すなわち部分的に湿った状態であ
る。このような状態のガラス瓶に対してスポンジロール
等で接触させて塗布することは瓶より逆に水分が塗布液
の方に移行するため塗布液のそのものが変質してしまい
使用不能となる。非接触による塗布方法、例えばスプレ
ー等で塗布すればよいのであるが、それは充填ラインを
極度に汚染するなどという欠点となる。
又塗布後硬化するまでに3〜10日という長い日数を要
するため、硬化の途中ではべとつき(粘着性)を生じ、
ユーザー段階でも手に付着するなどのトラブルが予想さ
れる。さらに完全硬化後はその塗膜が不十分な硬さ、不
十分な耐摩耗性のためと同様輸送中にすり傷を発生
し、外観が良くないなどの欠点を有する。
「粉体塗料」を用いる場合は、その本来の目的が破
瓶防止、飛散防止等であって、すでにすり傷のついた瓶
の外観改善にはならない。また、「紫外線硬化塗料」
は、塗布液の段階ではすり傷の毛管(微細な個所)によ
く入り込むことができるが、硬化反応後はその急激な重
合反応による歪のため、ガラス面との間に隔りを生じ、
そのため界面で乱反射し白く見え、外観の改善になりに
くい。また、その硬化塗膜はもろく硬いためと同様、
かえってすり傷を発生する傾向がある。
いわゆる油ワニス、ボイル油を用いるのであり、そ
れ故まず湿った瓶には塗布できない。又完全乾燥された
瓶に塗布し、遮蔽したとしても、その硬化被膜はガラス
に十分な密着性、耐摩性を示さないために、輸送中、荷
扱い中の荷ずれ等で再度すり傷、剥離などを問題を起
す。
又このタイプのコーティング剤は完全乾燥までにかな
りの時間を要する。そのため、出荷された後、飲食店等
で冷却水槽に浸漬されるまでに十分な乾燥状態であると
は限らない。そのような場合には、水中剥離や白化など
の問題を起こす。
本発明は、これらの各種欠点を解消又は改善する、新
規な塗布剤に関する。
本発明の概要 すなわち、本発明は (1)(イ)40℃以下の融点及び130以下の沃素価を有
する油状物質、 (ロ)該油状物質100部に対し2〜10部の割合のノニオ
ン系界面活性剤、ならびに (ハ)水 からなる分散液(たゞし、その(イ)+(ロ)の合計含
量は、5〜30%)よりなることを特徴とする、ガラス瓶
のすり傷発生部塗布剤 に関する。
本発明の詳細な説明 (A)本発明の目的 本発明の技術的課題は、各種の瓶についたすり傷を隠
ぺいして見映えをよくすることにある。さらに具体的に
はビール、清涼飲料等の充填ラインに於て、特別な設備
を設けることなしに、処理できることでありそれらの詳
細について述べれば下記のとおりである。
(a) 湿った瓶に対するスポンジロールによる塗布適
性。
通常、スプレーなどの適用方法では飛散するため、作
業環境を著しく害する。従って、塗布液をスポンジロー
ルにしみ込ませながら、そのロールからガラス瓶に塗り
付けるなどの方法が好ましい。しかも濡れ瓶から水分が
塗布ロールに移行するような場合でも特別な問題を生じ
ないことが必要である。
従来公知の流動パラフィンなどのO/W型エマルション
は塗布適性は一応良好である。しかし無極性の流動パラ
フィンはガラス瓶に対する付着力が十分でなく、冷却水
槽中で再乳化されやすく耐水性が得られないため所望の
目的を果たさない。
又、シランカップリング剤は水溶液では実用的な貯蔵
安定性が得られず、工業的に連続使用できない。又、ア
ルコール溶液系の塗布剤にしても濡れ瓶から移行する水
分と反応するため、塗布液そのものが変質してしまい安
定性に問題がある。なお、アセトキシ基ブロックジメチ
ルシロキサン化合物のアルコール溶液も全く同様な欠点
を有する。
(b) 充填作業環境を汚染しない。
アルコール、その他の有機溶剤を使用することなく、
しかもほとんど無臭、無毒であり衛生的な塗布液とする
こと。
また、例えば紫外線硬化塗料のようなものは、硬化装
置が必要であり、濡れ瓶には直接塗布できず、しかも硬
化時に発生する臭い、オゾン発生により環境汚染、加え
て紫外線もれによる健康障害を起す傾向があるので好ま
しくない。
(c) ラベル適性のよいこと。
すり傷瓶にコーティング液を塗布する場所としては、
ラベラー(ラベル貼り機)の前の場合と後の場合とがあ
る。ラベラーの前で塗布する場合にはその後のラベリ貼
りの際の“のり”の接着障害を起さないこと、又、後の
場合にはラベルの印刷面上のOPニス(Over Print Varni
sh)を侵さないことが必要である。このどちらの工程に
も適合できるものにすることが必要である。具体的に述
べると、シリコーン系のものでは、ラベルのりの接着性
に問題があり、又有機溶剤を用いた塗布液や高HLBのノ
ニオン系界面活性剤を多量に配合したO/Wエマルション
では、ラベルのOPニスや印刷インクを著しく侵すため不
適当である。今のところのこの両者を満足するものは見
あたらない。
(d) 乾燥に特別のエネルギー、装置等を必要としな
い。
紫外線硬化塗料や粉体塗料では、その硬化に際し、特
別なUV照射装置や加熱乾燥炉が必要であり、加えて前記
(b)(c)の条件にも反する。
(e) すり傷部分に浸透し、遮蔽性にすぐれているこ
と。(本発明の主目的) (f) 塗布処理した瓶は“すべり”“べとつき”が、
実用上問題とならないこと。
(g) 充填ラインで塗布された瓶が、例えば約20時間
後(1日後)に飲食店等の冷却水槽に浸漬され7日間以
上放置されても、塗布膜がすり傷部分から脱落しないこ
と。
(h) 輸送中の荷ずれによる塗布膜の耐白化性及び耐
ラベル傷付性のよいこと。
(i) 使用後の空き瓶のアルカリ洗浄工程(2〜4%
苛性ソーダ溶液、60〜80℃、10〜20分)で容易に剥離で
きること。
(j) 上記洗浄後の廃液は生分解性がよく後処理が容
易でかつ有害物質を廃出しないこと。
本発明の塗布剤は、前述の(a)〜(j)の各種目的
を達成する極めて優れたものである。
(B)本発明の構成 (1) 概略的に述べると、本発明は融点40℃以下の不
乾性又は半乾性の油状物質(130以下の沃素価)を被乳
化物とするO/W型エマルション型塗布剤である。
本発明で使用する油状物質としては、例えば一価もし
くは多価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族二塩基酸
の一価アルコールとのエステル等が挙げられる。二重結
合、特に共役二重結合などの構造を有する成分ができる
だけ少く空気乾燥性を示さないものが好ましい。脂肪酸
のトリグリセライド(油脂)に於てはヨウ素価が130以
下のものが好ましい。
ヨウ素価が130以下のものであれば、ドライヤーを添
加しなければ容易に空気乾燥性を示さないからである。
(i)一価アルコール脂肪酸エステル 一価アルコールとしては、C3〜C18が用いられ、プロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステ
アリルアルコール、オレイルアルコールなどがある。脂
肪酸はC8〜C18が用いられ、オクタン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン
酸などがあげられる。
(ii)多価アルコールの脂肪酸エステル 多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、ペンタエリスリトールなどがあげられる。脂肪酸は
(i)と同じ。
(iii)二塩基酸エステル 二塩基酸としてはC6〜C10のアジピン酸、アゼライン
酸、セバチン酸などの、脂肪族の二塩基酸が好ましい。
アルコールとしては、(i)と同様な一価アルコールが
用いられる。芳香族二塩基酸は、OPニス、印刷インクを
侵す傾向が強いので適当でない。
(iv)天然動植物油 ヤシ油、綿実油、パーム油、ナタネ油、米ぬか油、牛
脚油、豚脂などが挙げられる。
以上、具体的化合物を指摘したが、それらは単なる例
示でありそれは、(イ)40℃以下の融点を有し、しかも
(ロ)130以下の沃素価を有するもの、であれば、すべ
て使用可能である。
((イ)融点を40℃以下とした理由) ラガービールは約60〜70℃のパストライザーで普通熱
処理される。生ビールは熱処理はしないが40℃前後の温
水で洗浄されるため充填後の瓶は40℃近くの温度があ
る。それ故、使用する塗布剤中の有効成分のエマルショ
ン粒子は、この40℃以下で、流動性を有する液体である
ことが、ガラス瓶のすり傷に浸透するために必須なこと
である。
すり傷部分が白く見えるのは、ガラス表面から内部に
向って生じた微細な毛管状のワレ目が乱反射するためで
ある。その様なすり傷を見映えよくするためにはその毛
細管に不揮発性塗布剤の浸透充填することが必要であ
る。これらのことから融点を40℃以下にすることが必要
である。
((ロ)130℃以下の沃素価を有するものであること、
すなわち具体的には不乾性又は半乾性物質とした理由) 持った時、べとつかないためには硬化性のものがよい
と考えるのが普通である。実際、今まで硬化性タイプの
もの(シランカップリング剤、アセトキシ基、−ブロッ
クジメチルシロキサン、紫外線硬化塗料など)が提案さ
れている。しかしながらこれらは十分な耐傷付性を有し
ていないため荷扱い中に折角形成された被膜が再びすり
傷となってしまうという欠点が見られた。従って意外に
も、むしろ不乾性被膜の方が外観を維持するために好ま
しいということが判明したのである。
(2) 本発明の別の態様は前記(1)の油状物質に対
し、さらにシリコーン油を添加することからなるもので
ある。
前記シリコーン油として、例えばポリジメチルシロキ
サン、フェニル変性シロキサンなどが挙げられ、また10
〜2000cstの粘度のものが好ましい。
シリコーン油を添加すると耐水性、撥水姓が改善され
る。そのためべとつく傾向がなくなる。一方、油状物質
100部に対しシリコーン油を5部以上用いるとラベルの
りに対する接着障害となる。そのため1〜2部の使用が
好ましい。
(3) 本発明の更に別の態様は前記(1)の油状物質
に、さらにロジン、ロジンの水素添加物またはこれらの
多価アルコールエステル(これらを総称してエステルガ
ムという)、あるいはロジン及びロジンの水素添加物の
マレイン酸付加物の多価アルコールエステル(これらを
総称してマレイン酸樹脂という)の少くとも1つを、
(1)の油状物質に対し50部以下の割合でブレンドする
ことからなるものである。前記添加割合は5〜30部であ
る。
この様な物質を添加すると耐すべり性がよくなる。た
ゞし5部以下では効果が薄く、30部以上では“べとつ
き”の傾向がある。前記のような添加範囲では、(1)
の脂肪酸エステル類とより相容し融点40℃以下という条
件も満足するようになる。
(4) 本発明に於ては、前記(1)、あるいは前記
(1)に(2)または(3)を添付した被乳化物100部
に対し、さらにノニオン系界面活性剤又はノニオン/カ
チオン併用系界面活性剤を2〜10部添加してO/W型エマ
ルションを調整することからなる。前記添加割合は好ま
しくは2〜5部である。
本発明で使用するノニオン系界面活性剤としては次の
ものが挙げられる。
(i)ポリオキシエチレンアルキルエーテル型及びアル
キルアリルエーテル型 R−OCH2CH2−OnH(R:C12〜C18かつn:8〜15) (ii)ポリオキシエチレンアルキルエステル型 (iii)ソルビタンエステル、及びそのポリエチレンオ
キサイド縮合物 本発明で使用するカチオン系界面活性剤としては例え
ば次のようなものが用いられる。これらは、乳化力はそ
れほど期待できないが抗菌性に対して著しく効果がある
ので使用が望ましい。
(i)第四級アンモニウム塩 アルキルトリメチルアンモニウム塩 RN+(CH33X-(R:C8〜C18かつX:C、Br) アルキルジメチルベンジルクロライド (ii)エーテル結合第四アンモニウム塩 (iii)エステル結合第四アンモニウム塩 本発明に於て、前述の如き、ノニオン系界面活性剤、
あるいはノニオン/カオチン系界面活性剤を必須成分と
して使用する理由は、次の通りである。
まずアニオン系界面活性剤を使用しても所望の耐水性
が得られない。又気泡を生じやすいので不適切である。
なお、カオチン活性剤は乳化力はやや弱いので乳化剤と
して用いるのではなく、抗菌性を期待しているのであ
る。例えば、ガラス瓶に塗布された遮蔽剤が腐敗すると
悪臭の原因となるのでそれをさけるためである。
本発明に於ては、前述のような界面活性剤を、油状物
質(1)100部に対し、2〜10部の割合で用いる。前記
範囲に於て2部以下では、エマルションの安定性が悪く
実用に耐えない。一方10部以上では、すり傷部分に塗布
された遮蔽膜の耐水性が不十分で冷却水槽中で再乳化脱
落、白化などを起す。またラベルのOPニス、印刷インク
を侵す作用が強くなり好ましくない。なお好ましくは3
〜5部用いる。
(5) エマルションの調製方法 常法による。例えば、まずジャケット付乳化釜に油状
物質及び必要に応じた変性物質を仕込み、それらの被乳
化物に対する所要HLBのノニオン系界面活性剤を加え、7
0〜90℃に加熱溶解混合する。次いでこれをホモミキサ
ーなどで高セン断速度の撹拌を与えながら80〜95℃の温
水を所定量加え、所望の分散液をえる。
(6) 塗布方法 公知の方法が採用できる。なお本発明の塗布剤は、不
乾性の油状物質エマルションを特長とするため、“すべ
り”“べとつき”が問題とならないように、エマルショ
ン中の有効成分濃度を適宜調整し、塗布する必要があ
る。具体的にはエマルション濃度は3〜30%が適当で
(好ましくは10〜20%)これをスポンジに滴下しながら
ふくませ、このスポンジに瓶を接触回転させながら塗布
するなどの方法を採用する。
本発明の効果 本発明の塗布物の効果を列挙すれば次の通りである。
乾いた瓶は勿論のこと湿った瓶にも直接塗布でき、
しかもすり傷部分によく浸透し、従って遮蔽性に優れて
いる。
ラベラーに通す前にも塗布でき、しかも直ちにラベ
ル貼りが可能である(のりの接着障害にならない。) ラベル後に塗布する場合でもラベルのOPニス、印刷イ
ンクを侵したりしない。
有機溶剤は使用していないので環境衛生性にすぐれ
ている。
冷却水槽中での耐水性にすぐれている。すなわち白
化や再乳化による剥離脱落等などの問題はない。
手でもっても“すべり”“べとつき”に問題がな
い。
回収瓶のアルカリ洗浄工程で容易に除去できる。
洗浄廃水の生分解性がよいので公害の問題が生じな
い。
実施例 以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1 綿実油(ヨウ素価110)15部、HLB8.4のポリオキシエ
チレンオレイルエステル型ノニオン活性剤0.665部、HLB
13.7の同タイプ活性剤0.085部を混合し、85℃に加熱、
ホモミキサーで撹拌しながら90℃の温水84.25部を加え
乳化し、塗布物を得た。
実施例2 実施例1の綿実油をヨウ素価の低いヤシ油(ヨウ素価
10)に変えた以外は、実施例1と同様にして、塗布物を
得た。
実施例3 実施例1の綿実油をオレイン酸オレイル(一価アルコ
ールの脂肪酸エステル、ヨウ素価100)に変えた以外は
実施例1と同様にして塗布物を得た。
実施例4 セバチン酸ジオクチル(ヨウ素価0)15部、ポリジメ
チルシロキサン10cstを0.23部、ソルビタンモノステア
レート0.437部、ポリオキシエチレンソルビタンモノオ
レエート(20モル)0.313部を混合し、85℃に昇温し、
ホモミキサーで撹拌しながら90℃の温水84.02部を加え
乳化し、塗布物を得た。
実施例5 綿実油12部、ロジンのグリセリンエステル(軟化点80
〜90℃、酸価6以下のもの)3部、ソルビタンセスキオ
レエート0.40部、HLB15.0のポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル0.35部を混合し、85℃に加熱してロジンエス
テルを溶融混合させた。ホモミキサーで撹拌しながら90
℃の温水84.25部を加え乳化し、塗布物を得た。
実施例6 綿実油12部、ロジンのグリセリンエステル(軟化点80
〜90℃、酸価6以下のもの)3部、ポリジメチルシロキ
サン10cst0.23部、ソルビタンセスキオレエート0.4部、
HLB15.0のポリオキシエチレンオレイルエーテルの0.35
部を混合し、85℃に加熱してロジンエステルを溶融混合
させた。ホモミキサーで撹拌しながら90℃の温水84.02
部を加え乳化し、塗布物を得た。
比較例1 実施例1の綿実油の代りに脱水ヒマシ油を用いた以外
は実施例1同様にして塗布物を作った。
比較例2 実施例1の乳化剤量を特定範囲下に経らした。
綿実油 15.0部 HLB8.4のポリオキシエチレンオレイルエステル 0.266部 HLB13.7のポリオキシエチレンオレイルエステル 0.034部 水 84.7部 比較例3 実施例1の乳化剤量を特定範囲以上に増した。
綿実油 15.0部 HLB8.4のポリオキシエチレンオレイルエステル 1.33部 HLB13.7のポリオキシエチレンオレイルエステル 0.17部 水 83.50部 比較例4 エッソ製流動パラフィン(クリストールNo.355)15.0
部、ソルビタンモノオレエート0.21部、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノオレエート(20モル)0.54部を混合
し、85℃に加熱し、ホモミキサーで撹拌しながら90℃の
温水を加え乳化し、塗布物を得た。
比較例5 昭59−121138 シランカップリング剤各種 比較例6 昭61−241366 UV硬化塗料 比較例7 特許公報 昭61−32269 試験方法及び評価基準 前述の方法で得られた塗布物につき、以下の試験を行
い、結果をまとめて示した。
(1)すり傷部遮蔽性 ビールびんに40℃の温水を入れガラスびんの表面温度
が同様な温度になるように保ち、直胴部分の全面(大び
んで約600cm2)にスポンジにしみ込ませた遮蔽剤を接触
させて塗布する。塗布してから48時間後にそのすり傷部
分の外観を目視で観察し良否を判定する。
○−白くなった乱反射の状態をよく隠ペイし、良好な
状態を保っているもの。
△−塗布剤の浸透性が不十分であったり、浸透しても
経時的に蒸発や硬化物の収縮などの原因によって結果的
にやや外観不良となるもの。
×−外観不良のもの。
(2)湿ったびんへの塗布適性 すり傷部に部分的に水滴を付着させたのち、(1)と
同様な方法で遮蔽剤を塗布し室温20℃で24時間放置後に
すり傷の遮蔽性を観察した。
○−水ぬれびんへの転移性がよく乾燥後にすり傷部分
の遮蔽性にすぐれているもの。
△−転移性にやや問題があるか、遮蔽性がやや劣るも
の。
×−全く転移しないか、遮蔽性が著しく劣るもの。
(3)作業環境衛生性(異臭テスト) ビール大びんの直胴部分の約600cm2に塗布したびん10
0本を一同に集め、その直上の雰囲気臭を官能検査す
る。
○−ほとんど感じられないもの。
△−異物臭などがやゝ感じられるもの。
×−溶剤臭、刺戟臭などが感じられるもの。
(4)ラベルのりに対する接着障害 (1)の方法で塗布した塗布直後のびんをラベラーに
通し、ラベルの傾斜及びラベルの強制剥離による破損の
有無を観察した。
○−ラベルが十分接着しており、強制剥離するとラベ
ルが破れてしまうもの。
△−自然に剥離することはないが、冷却水槽に浸漬す
ると剥離しやすくなるもの。
×−接着性が著しく弱いか、乾燥後自然に剥離するも
の。
(6)耐すべり性 水詰めしたビールびんに前記(1)の方法で塗布し、
これを20℃で24時間放置したもの及び冷却状態から高湿
度の環境に移しびんの表面を結露状態にし、びん胴部を
片手で軽く持ち上げすべり具合を官能検査した。
○−通常の取扱い方で特にすべりに関して違和感を感
じないもの。
△−やゝすべりやすく違和感を感じるもの。
×−すべりやすく危険性を感じるもの。
(7)耐べとつき性 (6)と同様べとつき性について官能検査した。
○−特に違和感を感じないもの。
△−やゝべとつきを感じるもの。
×−粘着などの違和感を感じるもの。
(8)ラベルのOPニス、印刷インクに対する作用 ラベルの上に遮蔽剤を滴下し、20℃、24時間放置後、
ラベル用OPニス、印刷インクへの溶解性、軟化などにつ
いて観察した。
○−溶解、軟化などの影響を与えないもの。
△−若干軟化などの影響を与えるもの。
×−OPニス、印刷インクを著しく侵すもの。
(9)耐輸送適性 遮蔽膜の耐傷付性 (1)の方法で塗布したビールびんをビール用プラス
チック箱(P箱)に入れ、JIS Z0232包装貨物の振動試
験方法(B)(1000km相当)で実施したびんのすり傷部
の白化状態を観察した。
白化の程度によって問題のないものを○印とし、悪い
ものを×印として評価した。
ラベルの耐傷付性 ラベルを貼ったビールびんに(1)の方法で遮蔽剤を
塗布し、ビール用プラスチック箱に入れ、JIS Z0232包
装貨物の振動試験方法(B)(1000km相当)で実施した
びんのラベル表面の印刷インク、OPニスのこすれ具合を
観察した。
遮蔽剤を塗布しないものをブランクとして同時に行
い、これと比較して遜色のないものを○印とし、著しく
侵し、商品価値のないものを×印として評価した。
(10)耐水性 (1)の方法で遮蔽剤を塗布したびんを20℃で48時間
放置したのち、10℃±1℃の恒温水槽に浸漬し7日間放
置後の遮蔽膜の有無を観察した。
水浸漬する前と変らず遮蔽状態の良いものを○印と
し、脱落してしまい不良のものを×印として評価した。
(11)洗浄性 (1)の方法で遮蔽剤を塗布したびんを40℃で7日間
放置したのち2%NaOH水溶液で70℃、1分間処理し塗膜
剥離の有無を観察した。
塗布前のびんの状態と同様な状態に完全に剥離してい
るものを○印とし、全く剥離しないものを×印として評
価した。
(12)塗布液の安定性 5℃、常温、40℃でそれぞれ貯蔵し、実用上問題ない
かどうかを経時的に観察した。
フロントページの続き (72)発明者 柴田 正敏 東京都渋谷区神宮前6丁目26番1号 麒 麟麦酒株式会社内 (72)発明者 磯永 照人 東京都渋谷区神宮前6丁目26番1号 麒 麟麦酒株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−111947(JP,A) 特開 昭59−145259(JP,A) 特開 昭63−117932(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 17/00 - 17/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)40℃以下の融点及び130以下の沃素
    価を有する油状物質、 (ロ)該油状物質100部に対し2〜10部の割合のノニオ
    ン系界面活性剤、ならびに (ハ)水 からなる分散液(たゞし、(イ)+(ロ)の合計含量
    は、5〜30重量%)よりなることを特徴とする、ガラス
    瓶のすり傷発生部塗布剤。
  2. 【請求項2】油状物質100部に対しシリコーン油を5部
    以下の割合で、さらに含有することからなる請求項
    (1)記載の塗布剤。
  3. 【請求項3】油状物質100部に対し、ロジン、ロジンの
    水素添加物またはそれらの多価アルコールエステルの少
    なくとも1つを50部以下の割合で、さらに含有すること
    からなる請求項(1)記載の塗布剤。
JP2205827A 1990-08-02 1990-08-02 ガラス瓶のすり傷発生部塗布剤 Expired - Lifetime JP3034564B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2205827A JP3034564B2 (ja) 1990-08-02 1990-08-02 ガラス瓶のすり傷発生部塗布剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2205827A JP3034564B2 (ja) 1990-08-02 1990-08-02 ガラス瓶のすり傷発生部塗布剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0492838A JPH0492838A (ja) 1992-03-25
JP3034564B2 true JP3034564B2 (ja) 2000-04-17

Family

ID=16513369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2205827A Expired - Lifetime JP3034564B2 (ja) 1990-08-02 1990-08-02 ガラス瓶のすり傷発生部塗布剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3034564B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0492838A (ja) 1992-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4497919A (en) Emulsion polish compositions
EP0888602B1 (en) Label, container comprising said label and method of washing such a container
GB2088249A (en) Surface treatment of glass containers and compositions for such treatment
CN105238267B (zh) 一种除污渍及保养家具的镀膜油及其制备方法
GB2329902A (en) Cleaning and surface treatment comprising emulsified silicone oils
AU2006202908B2 (en) Wax composition for application to wet surfaces
AU690719B2 (en) Water based paint protectant
US6296694B1 (en) Transparent anti-fog anti-splash coating compositions
CN102325731B (zh) 玻璃容器的划痕遮蔽涂料
US5284508A (en) Coating composition for glass containers
JP3034564B2 (ja) ガラス瓶のすり傷発生部塗布剤
JP2005350312A (ja) 瓶の擦り傷隠蔽液
CN112585099B (zh) 用于玻璃容器的刮擦掩蔽涂覆物溶液
EP0690032B1 (de) Überzugsmittel für Glasoberflächen
GB2150587A (en) Paint remover
JP4334260B2 (ja) 光沢撥水付与組成物、その製造方法及び自動塗布方法
CA2147886C (en) Aqueous scratch cover compositions for finished wooden articles
JP2005350313A (ja) 瓶の擦り傷隠蔽方法
CA3237002A1 (en) Formulation for coating glass containers
JPS6366779B2 (ja)
JPH1192178A (ja) ガラス容器の擦り傷隠蔽剤及びガラス容器の擦り傷隠蔽方法
OA20634A (en) Scratch masking coating solution for glass containers.
JPH0629154B2 (ja) ガラス容器スリ傷塗布用組成物
JP2001064549A (ja) 転写像剥離方法
JP2000073009A (ja) 壜擦り傷隠蔽用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218

Year of fee payment: 11