JP3034470B2 - X線分析装置 - Google Patents
X線分析装置Info
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Description
面に傾斜して1次X線を照射して、試料から発生した2
次X線の強度を測定するX線分析において、X線源から
の1次X線を十分に利用して高い精度で測定できるX線
分析装置に関する。
に固定された試料1に、X線管等のX線源4から1次X
線3を照射し、試料1から発生した蛍光X線5の強度
を、検出手段6で測定する蛍光X線分析装置がある。こ
こで、1次X線3は、X線源4の軸T方向(照射の主方
向)を中心として放射状に照射されると考えられるが、
X線源4を試料1に接近させて照射強度を上げつつ発生
した蛍光X線5を検出手段6に取り込むべく、試料表面
1aに対してX線源4の軸方向を例えば65度程度に傾
斜させて1次X線3を照射させている。
Tが試料1の測定部分(図6では試料表面1aの全体)
の中心に達するように、試料1を固定した試料台2が位
置する。なお、この例では、検出手段6は、分光器8、
検出器9、図示しないゴニオメータ等を備えており、分
光器8と検出器9は、分光器表面8aの中心を通り紙面
に垂直な方向を軸として、図示しないゴニオメータによ
り、回転角が1対2となる関係で連動して回転し、試料
1の測定部分から発生した蛍光X線5の強度を、波長ご
とに分光して測定する。すなわち、この装置は、いわゆ
る平行法の光学系を有し、後述する視野制限スリット1
7と分光器8との間、および分光器8と検出器9との間
にソーラースリット等の平行化スリットを備えることが
多い。
ット板20が設けられており、スリット板20には、試
料1の測定部分の大きさに応じた孔径を有し試料1、試
料台2等から発生した蛍光X線のうち試料1の測定部分
から発生した蛍光X線5のみを通過させる視野制限スリ
ット17が形成されている。なお、試料1の測定部分か
らは四方に蛍光X線5が発生するが、視野制限スリット
17を通過して検出手段6へ入射する量が最大となるよ
うな位置に、スリット板20および検出手段6を設置す
る。
が試料1の測定部分の中心に達するように試料1を位置
させるのは、X線源4から試料表面1aに対して垂直に
1次X線3を照射させる場合には、X線源4の軸T方向
において照射強度が最大になることから、推測して同様
としたものである。
試料表面1aに対して傾斜してX線源4から1次X線3
を照射させる場合について、試料表面1aおよびその延
長面Aからなる仮想照射面上での1次X線3の照射強度
の分布をシミュレーション計算してみると、図7の曲線
Bに示すように、X線源4の軸Tが仮想照射面に達する
位置Cでは、照射強度は最大ではなく、そこからX線源
4が傾斜する方向にずれた位置Mで最大になり、また、
左右非対称に分布することを見出した。このことは、仮
想照射面にX線フィルムを置いて1次X線3を照射して
感光させる実験によっても確認することができた。
比較的小さい場合(直径D5 )、すなわち、図6のよう
に小さい試料1の表面1aの全体を測定部分とする場
合、または、試料1は小さくないがその表面1aの小さ
い部分を測定部分とする場合には、従来のように、X線
源4の軸Tが測定部分の中心に達するように試料1を位
置させたのでは、X線源4からの1次X線3を照射強度
において最大でない図7の斜線部で利用することにな
り、結果として十分高い精度で測定できない。なお、図
7の横軸に付した数値は、位置Cを基準に仮想照射面上
の相対的な位置関係を示すためもので、単位はない。
もので、X線源から試料表面に傾斜して1次X線を照射
して、試料から発生した2次X線の強度を測定するX線
分析において、X線源からの1次X線を十分に利用して
高い精度で測定できるX線分析装置を提供することを目
的とする。
に、請求項1のX線分析装置では、試料台を移動させる
移動手段と、試料の測定部分の大きさに応じた孔径を有
する複数の視野制限スリットと、視野制限スリットを選
択的に試料と検出手段との間の2次X線の通路に進入さ
せる選択手段とを備え、さらに、試料の測定部分の大き
さに応じて、試料の測定部分への1次X線の照射強度が
最大になる位置に試料台を移動させるように移動手段を
制御し、試料の測定部分から発生した2次X線のみを検
出手段に入射させるように選択手段を制御する制御手段
を備える。
の大きさに応じて、試料の測定部分への1次X線の照射
強度が最大になる位置に試料台を移動させ、試料の測定
部分から発生した2次X線のみを検出手段に入射させる
ので、X線源からの1次X線を十分に利用して高い精度
で測定できる。
いて、前記制御手段が、試料の測定部分の試料表面にお
ける位置に応じて、試料の測定部分への1次X線の照射
強度が最大になる位置に試料台を移動させるように移動
手段を制御する。
測定部分の試料表面における位置にも応じて、試料の測
定部分への1次X線の照射強度が最大になる位置に試料
台を移動させるので、請求項1の装置と同様の作用効果
を維持しつつ、試料表面において任意の位置にある測定
部分について測定でき、いわゆる位置分布分析もでき
る。
X線分析装置を図面にしたがって説明する。まず、この
装置の構成について説明する。図1に示すように、この
装置は、まず、試料1が固定される試料台2と、試料表
面1aに傾斜して1次X線3を照射するX線源4と、試
料1から発生した蛍光X線等の2次X線5の強度を測定
する検出手段6とを備えている。検出手段6は、分光器
8、検出器9、図示しないゴニオメータ等を備えてい
る。また、試料台2は、その下のXYステージのような
移動手段12の上部12aに固定されている。XYステ
ージ上部12aは、中部12bに対して紙面左右方向X
に移動自在に設置され、XYステージ中部12bは、そ
の下のXYステージ下部12cに対し、紙面垂直方向Y
に移動自在に設置されている。つまり、XYは、仮想照
射面内に設定された直交座標である。なお、移動手段1
2はrθステージでもよい。この場合、rθは、仮想照
射内に設定されて、試料表面1aの中心点を極とする極
座標である。
大きさ、例えば大きい方から直径D1 ,D2 ,D3 ,D
4 ,D5 の5種類にそれぞれ応じた孔径を有する複数の
視野制限スリット7A ,7B ,7C ,7D ,7E を備え
ている。複数の視野制限スリット7A …は、図1のFか
らみた矢視図である図3に示すように、1枚の円板状の
スリット板10に形成され、スリット板10の中心に
は、図1に示すように、視野制限スリット7を選択的に
試料1と検出手段6との間の蛍光X線5の通路に進入さ
せる選択手段11であるモータの軸が係止されている。
きさおよび試料表面1aにおける位置に応じて、試料1
の測定部分への1次X線3の照射強度が最大になる位置
に試料台2を移動させるようにXYステージ12を制御
し、かつ、試料1の測定部分の大きさに応じて、試料1
の測定部分から発生した蛍光X線5のみを検出手段6に
入射させるようにモータ11を制御する制御手段13を
備えている。ここで、試料1の測定部分への1次X線3
の照射強度とは、試料表面1aの測定部分全体への1次
X線3の照射強度の総和をいう。
で1次X線3の照射強度分布Bは、シミュレーション計
算、またはX線フィルム等を用いた実験により、図2に
も示すように、あらかじめ求めておくことができる。さ
らに、その照射強度分布Bにおいて、例えば、試料1の
測定部分が、この装置が適用される最大径D1 を有する
場合には、試料1の測定部分への1次X線3の照射強度
は、図2の斜線部で最大になることも同様に求めること
ができる。この斜線部に対応する仮想照射面上の位置
を、例えばX線源4の軸Tが仮想照射面に達する位置C
を基準として、測定部分の直径D1 に対する位置とし
て、制御手段13に記憶させておく。同様に、その他の
測定部分の直径D2 ,D3 ,D4 ,D5 に対する位置
も、制御手段13に記憶させておく。その他の例とし
て、図5に、測定部分の直径D5 に対する位置、すなわ
ち、試料1の測定部分が、この装置が適用される最小径
D5 を有する場合に、測定部分への1次X線3の照射強
度が最大になる位置を示す。なお、図2等に示した仮想
照射面上で1次X線3の照射強度分布Bは、あくまで一
例であり、X線源4の特性および仮想照射面に対する位
置によって、異なる。
決まれば、測定部分から発生した蛍光X線5のみを検出
手段6に入射させるような視野制限スリット7の孔径と
位置も決められる。これに基づいて図3に示すスリット
板10における、視野制限スリット7A ,7B ,7C ,
7D ,7E の直径および中心からの距離を設定してお
く。そして、測定部分の直径D1 ,D2 ,D3 ,D4 ,
D5 に対する視野制限スリット7が、それぞれ7A ,7
B ,7C ,7D ,7E であることを制御手段13に記憶
させておく。その他、検出手段6の設置位置、ゴニオメ
ータによる連動、視野制限スリット7と分光器8との間
および分光器8と検出器9との間に平行化スリットを備
えてもよいことについては、従来の技術と同様であり、
説明を省略する。なお、エネルギー分解能が高い半導体
検出器等を検出器9として用いる場合には、検出手段6
に分光器8やゴニオメータを備える必要はない。また、
必ずしもこのような平行法の光学系を有する必要はな
く、いわゆる集中法の光学系を有してもよい。この場合
は、弯曲結晶を分光器として用い、焦点の位置に検出器
が設置され、平行化スリットは備えない。
最初に、試料表面1a全体、または試料表面1aの中心
部分を測定部分とする場合について説明する。まず、試
料1を試料台2に中心を一致させて固定する。そして、
図1に示すように、例えば、試料1の測定部分が、この
装置が適用される最大径D1 を有する場合には、その旨
を制御手段13に入力すると、制御手段13が、記憶し
た測定部分の直径D1に対する位置、すなわち、試料1
の測定部分への1次X線3の照射強度が最大になる位置
に試料台2を移動させるようにXYステージ12を制御
する。同時に、制御手段13は、記憶した測定部分の直
径D1 に対する視野制限スリット7A が選択されるよ
う、すなわち、試料1の測定部分から発生した蛍光X線
5のみを検出手段6に入射させるようにモータ11を制
御し、モータ11は適切に回転させられて、視野制限ス
リット7A を試料1と検出手段6との間の蛍光X線5の
通路に進入させる。これで、図1に示す状態となる。
例えば、この装置が適用される最小径D5 を有する場合
には、その旨を制御手段13に入力すると、制御手段1
3が、記憶した測定部分の直径D5 に対する位置、すな
わち、試料1の測定部分への1次X線3の照射強度が最
大になる位置に試料台2を移動させるようにXYステー
ジ12を制御する。同時に、制御手段13は、記憶した
測定部分の直径D5 に対する視野制限スリット7E が選
択されるよう、すなわち、試料1の測定部分から発生し
た蛍光X線5のみを検出手段6に入射させるようにモー
タ11を制御し、モータ11は適切に回転させられて、
視野制限スリット7E を試料1と検出手段6との間の蛍
光X線5の通路に進入させる。これで、図4に示す状態
となる。
蛍光X線5が、検出手段6に入射する範囲、図4でいえ
ば、分光器表面8a上の拡がり、および検出器9の入射
面上の拡がりが、図1に示す測定部分の直径D1 の場合
と変化するが、最大径たる直径D1 の場合の範囲内に収
まるので、問題はない。測定部分の直径がD2 ,D3,
D4 の場合も、以上と同様に制御される。このように、
本実施形態の装置によれば、試料1の測定部分の大きさ
に応じて、試料1の測定部分への1次X線3の照射強度
が最大になる位置に試料台2を移動させ、試料1の測定
部分から発生した蛍光X線5のみを検出手段6に入射さ
せるので、X線源4からの1次X線3を十分に利用して
高い精度で測定できる。
を測定部分とする場合の装置の動作について説明する。
まず、試料1を試料台2に中心を一致させて固定する。
そして、例えば、試料1の測定部分が、この装置が適用
される最小径D5 を有し、測定部分の中心が、試料表面
1aの中心を原点とする仮想照射面上のXY座標で(x
1 ,y1 )に位置する場合には、その旨を制御手段13
に入力する。すると、制御手段13が、試料台2を、記
憶した測定部分の直径D5 に対する位置から(−x1 ,
−y1 )だけずらした位置、すなわち、試料1の測定部
分への1次X線3の照射強度が最大になる位置に移動さ
せるようにXYステージ12を制御する。同時に、制御
手段13は、記憶した測定部分の直径D5 に対する視野
制限スリット7E が選択されるよう、すなわち、試料1
の測定部分から発生した蛍光X線5のみを検出手段6に
入射させるようにモータ11を制御し、モータ11は適
切に回転させられて、視野制限スリット7E を試料1と
検出手段6との間の蛍光X線5の通路に進入させる。
試料1の測定部分の大きさのみならず試料表面1aにお
ける位置にも応じて、試料1の測定部分への1次X線3
の照射強度が最大になる位置に試料台2を移動させるの
で、試料表面1aにおいて任意の位置にある測定部分に
ついてX線源4からの1次X線3を十分に利用して高い
精度で測定できる。また、測定部分を試料表面1a上
で、連続的または断続的に移動させることにより、同様
の作用効果を維持しつつ、試料1に含まれる元素等につ
いていわゆる位置分布分析もできる。
れたX線源4および試料1に対し、検出手段6を移動さ
せて位置分布分析を行う場合には、測定部分によって1
次X線3の照射強度が異なるため、測定結果に補正が必
要となる。また、従来の技術で、固定されたX線源4お
よび検出手段6に対し、試料1を移動させて位置分布分
析を行う場合には、測定部分が変わっても1次X線3の
照射強度は一定であるため、補正の必要はないものの、
その一定の照射強度はX線源4の軸Tが試料表面1aに
達する位置Cのものであるから、X線源4からの1次X
線3を十分に利用せず高い精度で測定できないという問
題は解決されないままである。
よれば、試料の測定部分の大きさに応じて、試料の測定
部分への1次X線の照射強度が最大になる位置に試料台
を移動させ、試料の測定部分から発生した2次X線のみ
を検出手段に入射させるので、X線源からの1次X線を
十分に利用して高い精度で測定できる。
の試料表面における位置にも応じて、試料の測定部分へ
の1次X線の照射強度が最大になる位置に試料台を移動
させる場合には、X線源からの1次X線を十分に利用し
て高い精度で測定できるという作用効果を維持しつつ、
試料表面において任意の位置にある測定部分について測
定でき、いわゆる位置分布分析もできる。
料の測定部分が大きい場合の状態を示す正面図である。
仮想照射面上での1次X線の照射強度の分布と、仮想照
射面上で大きい測定部分への1次X線の照射強度が最大
になる位置を示す図である。
料の測定部分が小さい場合の状態を示す正面図である。
仮想照射面上での1次X線の照射強度の分布と、仮想照
射面上で小さい測定部分への1次X線の照射強度が最大
になる位置を示す図である。
仮想照射面上での1次X線の照射強度の分布と、仮想照
射面上での小さい測定部分への従来の1次X線の照射位
置を示す図である。
線、4…X線源、5…試料から発生した2次X線(蛍光
X線)、6…検出手段、7…視野制限スリット、11…
選択手段(モータ)、12…移動手段(XYステー
ジ)、13…制御手段、D…試料の測定部分の大きさ。
Claims (2)
- 【請求項1】 試料が固定される試料台と、 試料表面に傾斜して1次X線を照射するX線源と、 試料から発生した2次X線の強度を測定する検出手段と
を備えたX線分析装置において、 試料台を移動させる移動手段と、 試料の測定部分の大きさに応じた孔径を有する複数の視
野制限スリットと、 視野制限スリットを選択的に試料と検出手段との間の2
次X線の通路に進入させる選択手段と、 試料の測定部分の大きさに応じて、試料の測定部分への
1次X線の照射強度が最大になる位置に試料台を移動さ
せるように移動手段を制御し、試料の測定部分から発生
した2次X線のみを検出手段に入射させるように選択手
段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするX線
分析装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記制御手段が、試
料の測定部分の試料表面における位置に応じて、試料の
測定部分への1次X線の照射強度が最大になる位置に試
料台を移動させるように移動手段を制御する制御手段で
あるX線分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8312673A JP3034470B2 (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | X線分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8312673A JP3034470B2 (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | X線分析装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10142171A JPH10142171A (ja) | 1998-05-29 |
JP3034470B2 true JP3034470B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=18032053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8312673A Expired - Lifetime JP3034470B2 (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | X線分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3034470B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3284198B2 (ja) * | 1998-10-30 | 2002-05-20 | 理学電機工業株式会社 | 蛍光x線分析装置 |
JP2000266702A (ja) | 1999-03-18 | 2000-09-29 | Seiko Instruments Inc | 蛍光x線分析装置 |
DE102004052350B4 (de) | 2004-10-28 | 2008-01-10 | Bruker Axs B.V. | Röntgendiffraktometer mit Wechselapertur |
JP5614545B2 (ja) * | 2011-06-30 | 2014-10-29 | 株式会社リガク | 蛍光x線分析装置 |
-
1996
- 1996-11-08 JP JP8312673A patent/JP3034470B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH10142171A (ja) | 1998-05-29 |
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