JP3034152B2 - 真空加熱乾燥装置の制御方式 - Google Patents

真空加熱乾燥装置の制御方式

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JP3034152B2
JP3034152B2 JP5169208A JP16920893A JP3034152B2 JP 3034152 B2 JP3034152 B2 JP 3034152B2 JP 5169208 A JP5169208 A JP 5169208A JP 16920893 A JP16920893 A JP 16920893A JP 3034152 B2 JP3034152 B2 JP 3034152B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空加熱乾燥装置の制御
方式に係り、特に、宇宙船,潜水艦,航空機などの有限
の閉鎖空間や、家庭や飲食店などで、生ゴミを乾燥処理
する真空加熱乾燥装置の制御方式、あるいは、上記した
場所などで、有機物(食料を含む)や無機物を乾燥処理
するための真空加熱乾燥装置の制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロ波を使用した真空加熱乾
燥装置としては、特開昭61−211201号公報、特
開昭61−211202号公報、特開昭62−1941
81号公報、特開平4−80585号公報に記載の装置
が知られている。
【0003】上記特開昭61−211201号公報およ
び特開昭61−211202号公報では、マイクロ波遮
蔽容器(以下、単に容器と称する場合もある)の蓋に付
けられたマイクロスイッチにより装置が起動し、容器に
取り付けられた真空計が所定圧力以下となった段階でマ
グネトロンを起動し、この後は、真空配管内の温度検知
器からの検知情報により、マグネトロンをON−OFF
させる構成となっていた。
【0004】また、上記特開昭62−194181号公
報では、真空配管内の温度検知器からの検知情報により
マグネトロンをON−OFFさせるとき、ONからOF
Fまでの時間が一定値を超えた場合には、装置を停止さ
せるように構成されていた。
【0005】また、上記特開平04−080585号公
報では、真空排気をマイクロ波遮蔽容器内に設置した内
容器だけとする構成となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した各
先願による従来技術においては、容器からのリークに対
する配慮がなされておらず、容器に穴等が開いて、大量
のリークを生じた場合でも装置の異常が検知出来ないと
いう重大な問題点があった。
【0007】また、上記した従来技術では、空炊に対す
る配慮がなされておらず、容器に被乾燥物が入っていな
い状態や、当初から容器内に乾燥し切った被乾燥物が入
れられた状態でも、装置は所定真空度到達後に加熱を開
始して、排気温度が所定値に到達するまで加熱動作を停
止させないため、装置が過熱し、危険であるという問題
点があった。
【0008】さらにまた、上記した従来技術では、マグ
ネトロンによる加熱効率に対する配慮がなされておら
ず、マグネトロンの停止する温度と、再起動する温度と
の温度差が大きい場合には、マグネトロンによる加熱の
比率が小さいという問題点があった。
【0009】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、容器に大量のリークを生じた
場合にこれを検知して、自動的に運転を停止させ、故障
の拡大を防止することにある。
【0010】また、本発明の他の目的とするところは、
排気温度を検知しながら、容器内に被乾燥物が入ってい
ない状態や、容器内に当初から乾燥し切った被乾燥物が
入れられた状態、すなわち空炊状態を識別し、空炊と識
別した場合には、装置を速やかに停止させて安全を確保
すると共に、水分を含んだ被乾燥物が入っている場合に
は、正常終了まで装置を動作させることにある。
【0011】また、本発明のさらに他の目的とするとこ
ろは、マグネトロンによる加熱の比率を大きくし、処理
速度を向上させることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的のうち、容器に
大量のリークを生じた場合に装置の異常を検知し、故障
の拡大を防止することを達成するために、マイクロ波遮
蔽容器外の真空排気配管に圧力センサを付加し、また、
真空加熱乾燥装置全体の制御を司る制御装置にタイマを
付加し、制御装置が、排気圧力の時間的変化情報の如何
によって、リークが発生しているか否かを判定し、判定
結果に応じて各部を駆動制御、もしくは停止させる構成
とした。
【0013】また、上記目的のうち、空炊状態と正常状
態とを識別し、装置を安全に駆動もしくは停止させるこ
とを達成するために、マイクロ波遮蔽容器外の真空排気
配管に温度センサを付加し、また、上記制御装置にタイ
マを付加し、制御装置が、排気温度の時間的変化情報の
如何によって、マイクロ波遮蔽容器内に水分を含んだ被
乾燥物が入っているか否かを判定し、判定結果に応じて
各部を駆動制御、もしくは停止させる構成とした。
【0014】さらにまた、上記した空炊状態と正常状態
とをより識別しやすくするために、加熱回数計数器を制
御装置に付加した。
【0015】さらに、上記目的のうち、マグネトロンに
よる加熱の比率を大きくし、処理速度を向上させること
を達成するために、マグネトロンの停止する温度と、再
起動する温度との温度差を、適正化するように構成し
た。
【0016】
【作用】マイクロ波遮蔽容器外の真空排気配管に圧力セ
ンサを付加し、真空加熱乾燥装置全体の制御を司る制御
装置にタイマを付加したことにより、制御装置は、始動
真空排気動作時(始動時)およびマグネトロンによる加
熱を伴う真空排気動作中(動作が立ち上がった後の運転
動作中)に、タイマと圧力センサからの情報により容器
内の被乾燥物にかかる圧力の変化をモニタしながら、真
空ポンプを動作させることが出来る。そして、制御装置
は、始動真空排気動作時、または、マグネトロンによる
加熱を伴う真空排気動作中に、所定時間経過後も所定圧
力に達しない(所定圧力まで低下しない)場合には異常
と判断する。このとき、始動真空排気動作時である場合
には、制御装置は、即座に装置全体の運転動作を停止さ
せる。また、マグネトロンによる加熱を伴う真空排気動
作中である場合には、制御装置は、マグネトロンによる
加熱を停止させ、真空排気を所定期間だけ継続させて所
定圧力以下に低下しない際には排気温度を低下させた
後、装置全体の運転動作を停止させる。さらに制御装置
は、それぞれの場合に警告を表示させる。これにより、
蓋が閉じている場合でも、マイクロ波遮蔽容器に大量の
リークを生じると、これを異常として検知することが可
能となる。したがって、故障が拡大する前に装置を自動
停止させることが可能となり、故障の伝幡を防止するこ
とが出来る。
【0017】また、マイクロ波遮蔽容器外の真空排気配
管に温度センサを付加し、さらに、前記の制御装置にタ
イマを付加したことにより、所定圧力到達後に、制御装
置は、タイマと温度センサからの情報により排気温度の
変化をモニタしながら、マグネトロンを駆動制御するこ
とが出来る。そして、制御装置は、初回加熱時に所定時
間経過後も排気温度が上昇しない場合には異常と判断
し、マグネトロンを停止させ、次に排気温度が十分低く
なったことを確認した後、真空排気を停止させて装置全
体の運転動作を停止させる。これにより、マイクロ波遮
蔽容器内に水分を含んだ被乾燥物が入っていないこと
(空炊であること)を認知でき、装置を安全に停止させ
ると共に、警告を表示させることが可能となる。
【0018】一方また、所定温度到達後には、制御装置
は、タイマと温度センサからの情報により排気温度の変
化をモニタしながら、マグネトロンの動作を制御する。
この際には、制御装置は、排気温度が容器内の到達真空
度での水の沸点温度に到達した時点で、マグネトロンに
よる加熱とタイマによる時間計測を停止させ、排気温度
が上記の沸点温度から所定温度差だけ低下した後に、マ
グネトロンによる加熱とタイマによる時間計測を再起動
させる。さらに、初回加熱でない場合において、マグネ
トロン再起動後に所定時間経過後も、排気温度が容器内
の到達真空度での水の沸点温度に達しない場合には乾燥
終了と判断し、マグネトロンを停止させると共に、真空
排気しながら正常終了を表示し、排気温度が十分低いこ
とを確認した後に、装置全体の運転動作を停止させる。
これにより、装置を安全に運転終了させることが可能と
なる。
【0019】また、加熱回数計数器を制御装置に付加し
たことにより、初回加熱か否かを判断でき、上記した制
御動作を容易に実行できる。
【0020】さらに、マグネトロンの停止する温度と、
再起動する温度との温度差を適正化することにより、マ
グネトロンによる加熱の比率を大きくし、処理速度を向
上させることが出来る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の詳細を図1〜図7に示した各
実施例によって説明する。図1は本発明の第1実施例に
係る真空加熱乾燥装置の制御系の構成図である。同図に
おいて、1はコンセント、2はオペレータによって操作
される主電源スイッチ、3は制御回路用直流電源、4は
オペレータによって操作される処理開始スイッチ、5は
オペレータによって操作される処理停止スイッチ、6は
適宜ディスプレイ装置(例えば、CRTディスプレイ,
LCDディスプレイ)よりなる表示部、7は図示せぬ容
器(マイクロ波遮蔽容器)外の排気管(真空ポンプ17
への管路)に設置した圧力センサ、8は同じく容器外の
排気管(真空ポンプ17への管路)に設置した温度セン
サ、9はマグネトロン用サーモスタット、10は容器用
サーモスタット、11,11は容器の蓋の開閉状態を検
出する蓋開閉検知センサとしての蓋部リミットスイッ
チ、12は主電源リレー、13はマグネトロン駆動リレ
ー、14は真空ポンプ駆動リレー、15はマグネトロン
用高圧電源、16は容器内に収納された被乾燥物を加熱
するためのマグネトロン(マイクロ波加熱器)、17は
容器内を真空排気するための真空ポンプ、18はマグネ
トロン16を冷却するためのマグネトロン冷却用ブロア
である。また、100はシステム全体(真空加熱乾燥装
置全体)の統括制御を司る制御回路で、本実施例では、
排気時間測定タイマ21、加熱時間測定タイマ22、加
熱回数計数器23を具備したものとなっている。
【0022】図1に示すように、制御回路用直流電源3
および主電源リレー12は、主電源スイッチ2(不要な
場合にはこれは省略可能)を介してコンセント1に接続
されており、制御回路用電源3は、制御回路100に接
続されている。制御回路100には、処理開始スイッチ
4、処理停止スイッチ5、圧力センサ7、温度センサ8
が接続され、制御回路100は各構成要素4,5,7,
8から操作入力情報や計測情報を受けとってこれを認知
するようになっている。また、制御回路100には表示
部6が接続され、表示部6は制御回路100からの信号
に応じてメッセージを表示するようになっている。
【0023】制御回路100と主電源リレー12とは、
蓋部リミットスイッチ11を介した信号線路といま1本
の信号線路とによって接続されており、制御回路100
は、蓋部リミットスイッチ11によって蓋の開閉状態を
認知し、また、必要に応じて主電源リレー12をON−
OFF制御する。主電源リレー12は、マグネトロン駆
動リレー13および真空ポンプ駆動リレー14にそれぞ
れ接続され、マグネトロン駆動リレー13はマグネトロ
ン用高圧電源15を介してマグネトロン16に接続さ
れ、また、真空ポンプ駆動リレー14は、真空ポンプ1
7およびマグネトロン冷却用ブロア18にそれぞれ接続
されている。また、制御回路100とマグネトロン駆動
リレー13とは、マグネトロン用サーモスタット9およ
び容器用サーモスタット10を介した信号線路といま1
本の信号線路とによって接続されており、制御回路10
0は、マグネトロン用サーモスタット9もしくは容器用
サーモスタット10の導通状態を認知し、また、必要に
応じてマグネトロン駆動リレー13をON−OFF制御
する。また、制御回路100と真空ポンプ駆動リレー1
4も接続されており、制御回路100は必要に応じて真
空ポンプ駆動リレー14をON−OFF制御するように
なっている。本実施例では、真空ポンプ駆動リレー14
がONされると、真空ポンプ17およびマグネトロン冷
却用ブロア18が共に駆動されるようになっているが、
真空ポンプ17とマグネトロン冷却用ブロア18とは互
いに独立して駆動制御するように構成してもよい。
【0024】また、制御回路100の排気時間測定タイ
マ21と加熱時間測定タイマ22とは、制御回路100
の適宜タイマ制御部からの制御信号に基づきその計時動
作やリセット動作を制御され、排気時間測定タイマ21
は、所定の期間における真空ポンプ17による排気時間
を測定し、加熱時間測定タイマ22は、マグネトロンが
起動されるごとに該マグネトロンの加熱時間を測定す
る。制御回路100の加熱回数計数器23は、装置の起
動時にリセットされ、マグネトロン駆動リレー13への
制御信号の送信回数を計数して、マグネトロンによる加
熱回数をカウントする。
【0025】上記した構成において、コンセント1およ
び主電源スイッチ2の投入により、電力が制御回路用電
源3および主電源リレー12に供給される。これによっ
て、制御回路100が起動して装置(システム)は待機
状態となり、制御回路100は表示部6に待機状態であ
る旨を表示させる。この状態で処理開始スイッチ4を操
作することにより、制御回路100に対して真空加熱乾
燥を行うための制御開始が指令される。これにより、制
御回路100は、図2に示したフローにしたがつた制御
処理を実行する。以下、図2を用いて本実施例の動作を
説明する。
【0026】制御開始が指示されると、制御回路100
は、まず、蓋部リミットスイッチ11から主電源リレー
12に接続された信号線の導通状態を確認し(ステップ
ST1)、これによって蓋が閉じているか否かを判定し
(ステップST2)、蓋が開いている場合には、この旨
を表示部6に表示させて(ステップST9)、以後の動
作を停止させる。また、ステップST2で蓋が閉じてい
ることが確認されると、制御回路100は、主電源リレ
ー12にリレー接点接続の指令を送出して、主電源リレ
ー12をまず導通状態に移行させる。そして次に、真空
ポンプ駆動リレー14にリレー接点接続の指令を送出し
て、真空ポンプ駆動リレー14を導通させ、これによっ
て真空ポンプ17およびマグネトロン冷却用ブロア18
を起動させ、真空排気動作を開始させる(ステップST
3)。また、この排気開始と同時に、制御回路100の
排気時間測定タイマ21が起動され、排気開始からの時
間tを測定し始め(ステップST4)、制御回路100
の加熱回数計数器23がリセットされる(ステップST
5)。
【0027】上記した状態で(ステップST5の次
に)、制御回路100は、圧力センサ7によって測定し
た被処理物からの排気圧力P、および排気時間測定タイ
マ21による排気開始からの時間tを監視し、排気圧力
Pが、あらかじめ設定した時間t0以内に、あらかじめ
設定した圧力P0以下に到達したか否かを判定し(ステ
ップST7,ST8)、否(NO)判定された場合には
容器リーク大と判断し、真空ポンプ駆動リレー14にリ
レー接点開放の指令を送出して排気動作を停止させ(ス
テップST8)、表示部6にリークである旨のメッセー
ジを表示させた後(ステップST9)、装置全体の運転
動作を停止させる。すなわち、排気を開始してから、排
気圧力Pが、あらかじめ設定した時間t0以内に、あら
かじめ設定した圧力P0以下に到達しないということ
は、蓋が閉じている状態で容器内を真空排気しているに
もかかわらず、所期の減圧動作が達成されていないこと
を意味し、容器からのリーク大と判断できるからであ
る。したがって、蓋が閉じている場合でも容器に大量の
リークが生じるとこれを検知でき、この旨をメッセージ
で認知させることができ、また、故障が拡大する前に装
置を自動停止させることができる。
【0028】一方、ステップST7,ST8において、
圧力センサ7により測定した圧力Pが、あらかじめ設定
した時間t0以内に、あらかじめ設定した圧力P0以下
に到達したことが確認された場合には、制御回路100
は、マグネトロン駆動リレー13にリレー接点接続の指
令を送出して、マグネトロン用高圧電源15を介してマ
グネトロン16に加熱動作を開始させる(ステップST
10)。これにより、被処理物は加熱される。この加熱
動作の開始によって、制御回路100の加熱時間測定タ
イマ22が起動され、加熱開始からの時間t’を測定し
始め(ステップST11)、また、制御回路100の加
熱回数計数器23がマグネトロン16による加熱回数N
をカウントする(ステップST12)。この状態で、制
御回路100は常時、圧力センサ7による排気圧力P、
温度センサ8による排気温度T、加熱時間測定タイマ2
2による加熱開始からの時間t’をモニタリングしなが
ら、所定の判定処理を実行する(ステップST13,S
T14,ST15)。
【0029】すなわち、ステップST13において、加
熱開始によって圧力Pが、圧力P0以上に上昇したと判
定された場合(ステップST13でNOの場合)には、
制御回路100は、マグネトロン16による加熱を中断
させると共に(ステップST16)、排気時間測定タイ
マ21の内容をリセットした後(ステップST17)、
ステップST3に戻って排気開始の状態から動作を再起
動させる。これは、被乾燥物から水蒸気以外の揮発成分
が大量に発生した場合等には、容器内を再度減圧してか
ら、加熱をいま一度当初から行う必要があるからであ
る。また、加熱動作中に何らかの要因でリークが発生し
た場合には、加熱停止後、前記ステップST6,ST7
での判定処理でリークを検出させて、ステップST8以
降の処理で警告を表示させると共に、装置を安全に自動
停止させるためである(これは、後記するステップST
22でも同様である)。
【0030】また、加熱開始によって圧力Pが、P0以
下に保たれている場合(ステップST13でYESの場
合)でも、ステップST14,ST15において、排気
温度Tが、加熱開始からあらかじめ設定した時間t1
(図3参照)以内に、あらかじめ設定した温度T1(図
3参照)に到達しないと判定された場合(ステップST
15でYESの場合)には、加熱を停止させ(ステップ
ST28)、排気温度が十分低いことを確認した後(ス
テップST29)、真空ポンプ17による排気を停止さ
せる(ステップST30)。そしてこの後、制御回路1
00は、ステップST31において、加熱回数Nが1
(初回加熱)であるか否かを問って、加熱回数Nが1
(初回加熱)である場合には、容器内に被乾燥物が入っ
ていない空炊と判断し、表示部6に被乾燥物が入ってい
ない空炊である旨をメッセージ表示させた後に(ステッ
プST9)、装置全体の運転動作を停止させる。何とな
れば、加熱回数Nが1(初回加熱)である際に、排気温
度Tが、加熱開始からあらかじめ設定した時間t1以内
に、あらかじめ設定した温度T1に到達しないというこ
とは、被乾燥物から発生する蒸気によって排気温度が上
昇していないということを示し、空炊と判断されるから
である。よって、空炊状態を運転開始の早期に検知でき
て、この旨をメッセージで認知させることができ、且
つ、装置を安全に自動停止させることができる。
【0031】一方また、ステップST14,ST15に
おいて、排気温度Tが、加熱開始からあらかじめ設定し
た時間t1以内に、あらかじめ設定した温度T1に到達
したと判定された場合(ステップST14でYESの場
合)には、ステップST18へ進んで加熱回数Nが1
(初回加熱)であるか否かを問って、N=1の場合には
加熱設定時間taをt2(図3参照)に設定し(ステッ
プST19)、Nが2以上の場合には加熱設定時間ta
をt3(図3参照)に設定する(ステップST20)。
そして次に、制御回路100は、設定された時間t2ま
たはt3以内に、且つ、排気圧力Pが前記したあらかじ
め設定された圧力P0を下回った状態において、排気温
度Tが、容器内の到達真空度での水の沸点温度T0に到
達したか否かを判定する(ステップST21,ST2
2,ST23)。この判定処理によって、排気圧力Pが
あらかじめ設定された圧力P0以上となると(ステップ
ST22でNOとされると)、制御回路100は、マグ
ネトロン16による加熱を中断させると共に(ステップ
ST16)、排気時間測定タイマ21の内容をリセット
した後(ステップST17)、ステップST3に戻って
排気開始の状態から動作を再起動させる。
【0032】またステップST21,ST22,ST2
3の判定処理によって、設定された時間(加熱設定時
間)t2またはt3以内に、排気温度Tが、容器内の到
達真空度での水の沸点温度T0に到達しないと判定され
た場合(ステップST23でYESの場合)には、制御
回路100は、加熱を停止させ(ステップST28)、
排気温度が十分低いことを確認した後(ステップST2
9)、真空ポンプ17による排気を停止させる(ステッ
プST30)。そしてこの後、制御回路100は、ステ
ップST31において、加熱回数Nが1(初回加熱)で
あるか否かを問って、加熱回数Nが1である場合(換言
するなら、設定された加熱設定時間がt2である場合)
には、次に述べる要因,,の何れかによる空炊と
判断し、表示部6に、要因,,の何れかによる空
炊である旨をメッセージ表示させた後に(ステップST
9)、装置全体の運転動作を停止させる。何となれば、
加熱回数Nが1(初回加熱)である際に、排気温度T
が、設定された時間t2以内に、容器内の到達真空度で
の水の沸点温度T0に到達しないということは、被乾
燥物が容器内には無いが、小量の水が容器内に存在し
た、もしくは、被乾燥物から殆ど蒸気が発生せず、容
器内に殆ど乾燥し切った被乾燥物が当初から入れられた
状態であった、もしくは、ノイズ等による温度計誤動
作によりステップST14,15での判断を誤った、と
ケース判断できるからである。よって、リークや、被乾
燥物のない空炊以外にも、容器に殆ど乾燥し切った被乾
燥物が当初から入れられたなどの空炊をも、運転開始の
早期に検知できて、この旨をメッセージで認知させるこ
とができ、且つ、装置を安全に自動停止させることがで
きる。
【0033】一方また、ステップST21,ST22,
ST23の判定処理によって、設定された加熱時間t2
またはt3以内に、排気温度Tが、容器内の到達真空度
での水の沸点温度T0に到達したと判定された場合(ス
テップST21でYESの場合)には、制御回路100
は、所定期間の加熱動作が正常に行われたと判断し、マ
グネトロン駆動リレー13にリレー接点開放の指令を送
出して加熱を停止させる(ステップST24)。そして
この後、制御回路100は、排気温度Tが温度T2まで
低下したことが確認されると(ステップST25)、加
熱時間測定タイマ22の内容をリセットした後(ステッ
プST26)、再度加熱を開始させるとと共に、加熱回
数計数器23の内容(回数値)を1だけ加算させ(ステ
ップST27)、ステップST18の処理に戻る。そし
て、この様な動作により、マグネトロン16をON−O
FF制御することによって加熱−冷却を繰返す。このと
きの排気温度Tの時間的変化を図3に示す。図3におい
て、時間の経過と共に排気温度が増加しているときはマ
グネトロン16がON状態であり、時間の経過と共に排
気温度が減少しているときはマグネトロン16がOFF
状態である。
【0034】ここで、被乾燥物の乾燥が進むと、マグネ
トロン16がON状態の時間が徐々に長くなり始め、乾
燥終了時点では、急速にマグネトロン16のON時間が
長くなる。このため、一度排気温度Tが温度T0に到達
した後は、加熱終了ごとに加熱時間測定タイマ22をリ
セットし、さらに、加熱回数計数器23の加熱回数Nを
1づつ加算し、また、前記したように加熱設定時間をt
3に設定し、マグネトロン16のON開始時点からの時
間t’をその都度計測する。そして、加熱回数Nが2以
上で、換言するなら設定された時間が前記したようにt
3である場合において、前記したステップST21,S
T22,ST23の判定処理によって、計測時間t’が
加熱設定時間t3を超えた場合(前記ステップST23
でYESである場合)には、制御回路100は、加熱を
停止させ(ステップST28)、排気温度が十分低いこ
とを確認した後(ステップST29)、真空ポンプ17
による排気を停止させる(ステップST30)。そして
この後、制御回路100は、前記したようにステップS
T31において、加熱回数Nが1(初回加熱)であるか
否かを問って、この場合は加熱回数Nは2以上であるの
で、被乾燥物の乾燥終了と判断し、表示部6に乾燥が終
了した旨をメッセージ表示させた後に(ステップST3
2)、装置全体の運転動作を停止させ、一連の処理を終
了させる。斯様な処理によって、装置に乾燥処理を実行
させ、且つ、安全に運転終了させることができる。
【0035】なお、上述した処理中において、圧力P
が、圧力P0以上に上昇した場合には、どのような場合
でも加熱を中断し、排気開始の状態から動作を再起動す
る。さらに、マグネトロン用サーモスタット9または容
器用サーモスタット10によって、マグネトロン16ま
たはマイクロ波遮蔽容器が過熱状態になったことが検出
された場合には、即座にマグネトロン16をOFFし、
加熱を中断させる。また、蓋部リミットスイッチ11に
よって、蓋が開いたことが検知された場合には、その時
点で装置全体の動作を停止させる。なお、2つの蓋部リ
ミットスイッチ11は、処理開始スイッチ4および処理
停止スイッチ5の機能をもつものとして使用する(蓋の
閉塞を検知する蓋部リミットスイッチ11を処理開始ス
イッチ4として、蓋の開放を検知する蓋部リミットスイ
ッチ11を処理停止スイッチ5として使用する)ことも
可能である。さらに、蓋部リミットスイッチ11の1つ
を主電源リレー12の替わりに使用し、蓋部リミットス
イッチ11の他の1つを制御回路100に直接接続する
ことも可能である。
【0036】なおまた、前記した制御回路100は、マ
イクロプロセッサを用いたもの、比較演算器とロジック
回路を用いたもの、温度接点付き温度計とリレー回路を
用いたもの、あるいはそれらの混合回路で構成すること
が出来る。また、温度センサ8としては、熱電対,測温
抵抗体,サーミスタ,サーモスタット等の、温度信号ま
たは温度接点信号が発生できるものならば、前記制御回
路100との組合せによりどのようなものでも使用可能
である。また、圧力センサ7についても、半導体による
圧力センサ,歪ゲージによる圧力センサ,バネ式の圧力
センサ,圧力スイッチ等、圧力信号または圧力接点信号
のいずれかを発生するものであればどのようなものでも
使用可能である。
【0037】以上詳述したように本実施例によれば、容
器に大きなリークが発生していること、あるいは、容器
内に被乾燥物が入っていない空炊状態であること、ある
いは、容器内に殆ど乾燥し切った被乾燥物が当初から入
れられた空炊状態であることなどを判別し、これらの異
常の発生を識別すると、装置を速やかに停止させて安全
を確保すると共に、状況に応じたメッセージを表示させ
ることができ、また、異常のない場合は、正常終了まで
装置を動作させるため、安全性の極めて高い真空加熱乾
燥装置を実現できる。
【0038】ここで、前記した図3は、実際の装置で予
測される排気温度の変化を模擬したものである。排気温
度は、排気中の水蒸気が蒸発したときの被乾燥物に含ま
れる水の温度にほぼ等しい。加熱中は、温度が上昇する
に従って、その温度での水の蒸気圧が上昇する。これに
より、水の蒸発が活発化するため、蒸発潜熱が蒸気と共
に大量に流出し、残された水の温度上昇はゆるやかにな
る。また、加熱終了後は、熱源がないため、当初活発に
行われていた水の蒸発が、温度の降下(従って水の蒸気
圧の降下)に伴い蒸発量が減少することにより、水の温
度降下は緩やかになる。このため、図3に示すように、
加熱−冷却を繰返す際の各加熱状態および各冷却状態に
おける温度変化は、それぞれの状態の開始時点で最も変
化率が大きく、時間の経過と共に変化率が減少する。そ
こで、図3で実線で示した温度変化ではなく、破線で示
した温度変化となるように、温度制御幅を小さくするこ
とにより、マグネトロン16による加熱中の比率が大き
くなる。すなわち、加熱停止後、排気温度TがT2’ま
で下がると、加熱を再開させることにより、マグネトロ
ン16による加熱中の比率を大きくできる。
【0039】上記した制御処理は、前記図2のステップ
ST25における判定を、T≦T2’とすることによっ
て、容易に行い得ることは同業者には自明である。斯様
に温度制御幅を小さくすれば、マグネトロン16による
加熱の比率を大きくすることができるため、乾燥処理速
度を向上させることが可能となる。
【0040】これまで説明してきた上述の第1実施例に
おいては、マグネトロン16をON−OFFする回数を
計測し、加熱回数が初回かどうかを判断することによ
り、計測加熱時間t’の比較対象たる加熱設定時間をt
2もしくはt3に変更し、空炊と処理終了とを区別する
手法をとっていた。しかし、加熱回数を計測せずに、計
測加熱時間t’を、t1,t2,t3の3つのパラメー
タと比較することによっても、空炊と処理終了とを区別
することも可能である。次に、加熱時間t’を、t1,
t2,t3の3つのパラメータと比較することによっ
て、空炊と処理終了とを区別するようにした実施例を、
図4および図5を用いて説明する。
【0041】図4は本発明の第2実施例に係る真空加熱
乾燥装置の制御系の構成図である。本実施例が図1の第
1実施例と相違するのは、図1における構成から、制御
回路100の加熱回数計数器23を削除した点にある。
また、図5は本実施例の制御回路100で実行される制
御処理フローを示しており、図5においては、前記図2
の処理フローにおける加熱回数の判断処理にかかわる処
理が削除され、加熱時間t’を、t1,t2,t3の3
つのパラメータと比較する処理操作が加わったものとな
っている。
【0042】図5に示すように、制御開始が指示される
と、制御回路100は、まず、蓋部リミットスイッチ1
1によって蓋の開閉状態を確認し(ステップST5
1)、これによって蓋が閉じているか否かを判定し(ス
テップST52)、蓋が開いている場合には、この旨を
表示部6に表示させて(ステップST58)、以後の動
作を停止させる。また、ステップST52で蓋が閉じて
いることが確認されると、制御回路100は、主電源リ
レー12にリレー接点接続の指令を送出して、主電源リ
レー12をまず導通状態に移行させる。そして次に、真
空ポンプ駆動リレー14にリレー接点接続の指令を送出
して、真空ポンプ駆動リレー14を導通させ、これによ
って真空ポンプ17およびマグネトロン冷却用ブロア1
8を起動させ、真空排気動作を開始させる(ステップS
T53)。また、この排気開始と同時に、制御回路10
0の排気時間測定タイマ21が起動され、排気開始から
の時間tを測定し始める(ステップST54)。
【0043】上記した状態で(ステップST54の次
に)、制御回路100は、排気圧力P、および排気開始
からの時間tを監視し、排気圧力Pが、あらかじめ設定
した時間t0以内に、あらかじめ設定した圧力P0以下
に到達したか否かを判定し(ステップST55,ST5
6)、否(NO)判定された場合には容器リーク大と判
断し、真空ポンプ17による排気動作を停止させ(ステ
ップST57)、表示部6にリークである旨のメッセー
ジを表示させた後(ステップST58)、装置全体の運
転動作を停止させる。
【0044】一方、ステップST55,ST56におい
て、圧力Pが、あらかじめ設定した時間t0以内に、あ
らかじめ設定した圧力P0以下に到達したことが確認さ
れた場合には、制御回路100は、マグネトロン16に
加熱動作を開始させる(ステップST59)。この加熱
動作の開始によって、制御回路100の加熱時間測定タ
イマ22が起動され、加熱開始からの時間t’を測定し
始める(ステップST60)。この状態で、制御回路1
00は常時、圧力センサ7による排気圧力P,温度セン
サ8による排気温度T,加熱時間測定タイマ22による
加熱開始からの時間t’をモニタリングしながら、所定
の判定処理を実行する(ステップST61,ST62,
ST63)。
【0045】すなわち、ステップST62において、加
熱開始によって圧力Pが、圧力P0以上に上昇したと判
定された場合(ステップST61でNOの場合)には、
制御回路100は、マグネトロン16による加熱を中断
させると共に(ステップST64)、排気時間測定タイ
マ21の内容をリセットした後(ステップST65)、
ステップST3に戻って排気開始の状態から動作を再起
動させる。
【0046】また、加熱開始によって圧力Pが、P0以
下に保たれている場合(ステップST61でYESの場
合)でも、ステップST62,ST63において、排気
温度Tが、加熱開始からあらかじめ設定した時間t1
(図3参照)以内に、あらかじめ設定した温度T1(図
3参照)に到達しないと判定された場合(ステップST
63でYESの場合)には、制御回路100は容器内に
被乾燥物が入っていない空炊と判断する。そして、これ
によって制御回路100は、加熱を停止させ(ステップ
ST75)、排気温度が十分低いことを確認した後(ス
テップST76)、真空ポンプ17による排気を停止さ
せ(ステップST77)、表示部6に空炊である旨のメ
ッセージを表示させた後(ステップST58)、装置全
体の運転動作を停止させる。
【0047】一方また、ステップST62,ST63に
おいて、排気温度Tが、加熱開始からあらかじめ設定し
た時間t1以内に、あらかじめ設定した温度T1に到達
したと判定された場合(ステップST62でYESの場
合)には、制御回路100は、あらかじめ設定された時
間t2以内に、且つ、排気圧力Pが前記したあらかじめ
設定された圧力P0を下回った状態において、排気温度
Tが、容器内の到達真空度での水の沸点温度T0に到達
したか否かを判定する(ステップST66,ST67,
ST68)。この判定処理によって、排気圧力Pがあら
かじめ設定された圧力P0以上となると(ステップST
67でNOとされると)、制御回路100は、マグネト
ロン16による加熱を中断させると共に(ステップST
64)、排気時間測定タイマ21の内容をリセットした
後(ステップST65)、ステップST53に戻って排
気開始の状態から動作を再起動させる。
【0048】またステップST66,ST67,ST6
8の判定処理によって、あらかじめ設定された加熱時間
t2以内に、排気温度Tが、容器内の到達真空度での水
の沸点温度T0に到達しないと判定された場合(ステッ
プST68でYESの場合)には、制御回路100は、
前記した要因,,の何れかによる空炊と判断す
る。そして、これによって制御回路100は、加熱を停
止させ(ステップST75)、排気温度が十分低いこと
を確認した後(ステップST76)、真空ポンプ17に
よる排気を停止させ(ステップST77)、表示部6に
空炊である旨をメッセージ表示させた後に(ステップS
T58)、装置全体の運転動作を停止させる。
【0049】一方また、ステップST66,ST67,
ST68の判定処理によって、設定された加熱時間t2
以内に、排気温度Tが、容器内の到達真空度での水の沸
点温度T0に到達したと判定された場合(ステップST
66でYESの場合)には、制御回路100は、所定期
間の加熱動作が正常に行われたと判断し、マグネトロン
16による加熱を停止させる(ステップST69)。そ
してこの後、制御回路100は、排気温度Tが温度T2
(またはT2’)まで低下したことが確認されると(ス
テップST70)、加熱時間測定タイマ22の内容をリ
セットした後(ステップST71)、加熱を再開させる
(ステップST72)。そして、次に排気温度Tが、容
器内の到達真空度での水の沸点温度T0に到達したか否
かを判定し(ステップST73)、ステップST73で
YESの場合は、ステップST69へ戻って加熱を停止
させ、このループによってマグネトロン16をON−O
FF制御することにより加熱−冷却を繰返す。
【0050】また、ステップST73でNOの場合は、
排気圧力Pがあらかじめ設定された圧力P0を超えてい
ないことを確認した後(ステップST74)、ステップ
ST78において、加熱再開からの計測時間t’があら
かじめ設定された加熱設定時間t3(またはt3’)を
超えたか否かを判定する。そして、ステップST78で
NOの場合は、ステップST73へ戻る。一方、ステッ
プST78でYESの場合は、制御回路100は、被乾
燥物の乾燥終了と判断し、加熱を停止させ(ステップS
T79)、排気温度が十分低いことを確認した後(ステ
ップST80)、真空ポンプ17による排気を停止させ
(ステップST81)、表示部6に乾燥が終了した旨を
メッセージ表示させた後に(ステップST82)、装置
全体の運転動作を停止させ、一連の処理を終了させる。
【0051】上述したように本実施例では、真空排気開
始後の初回の加熱においては、計測時間t’と排気温度
TがT1に達するまでの時間t1とを比較すること、お
よび、計測時間t’と温度TがT0に達するまでの時間
t2とを比較することにより、空炊(被乾燥物や水分が
全く入っていない状態の空炊と、前記した要因,,
の何れかによる空炊)をそれぞれ検知するようになっ
ている。また、排気温度Tが、一度T0に到達した後
は、排気温度TがT2まで冷却したときに加熱時間タイ
マ22をリセットし、加熱再開後には、計測時間t’と
温度TがT0に達するまでの時間t3とを比較すること
により処理終了を検知するようになっている。これによ
り本実施例においても、第1実施例と同等に、空炊と乾
燥終了の判断を行うことが出来る。
【0052】以上のように本実施例によれば、加熱回数
計数器23を削除することにより部品点数が削減され、
信頼性向上の効果がある。
【0053】次に、本発明の第3実施例を図6によって
説明する。図6は本発明の第3実施例に係る真空加熱乾
燥装置の制御系の構成図である。図6に示すように本実
施例では、図4に示した前記第2実施例の構成から、主
電源スイッチ2を省略した(付加することも容易に実現
できる)。さらに、図4における主電源リレー12、お
よび主電源リレー12に接続された信号線を削除した。
そしてこれに伴い、制御回路100から主電源リレー1
2に接続された信号線に付加していた蓋部リミットスイ
ッチ11を、制御回路100からのマグネトロン駆動リ
レー13に対する信号線、および、制御回路100から
の真空ポンプ駆動リレー14に対する信号線に、それぞ
れ、少なくとも1つずつ接続する構成とした。また、図
4における圧力センサ7を省略し、制御回路100から
のマグネトロン駆動リレー13に対する2本の信号線
に、圧力スイッチ71(P<P0で導通状態となるスイ
ッチ)、および、電流センサ72をそれぞれ接続した。
【0054】本実施例においては、圧力スイッチ71は
制御回路100を経由しないため、真空排気開始後の動
作では、圧力P0到達までの時間が計測出来ない。この
ため、常時、制御回路100から、マグネトロン駆動リ
レー13にリレー接点接続の指令を発生させ続けてお
き、排気時間測定タイマ21による時間tの測定を、圧
力P0到達までの時間の代わりに、電流センサ72の通
電開始までの時間で測定する。これは、図5におけるP
<P0をI≠0と置き換えることにより達成できる。一
方、圧力スイッチ71は制御回路100を経由しないた
め、圧力がP0前後で、直接、マグネトロン駆動リレー
13に対するリレー接点接続の指令を制御することが出
来る。これ以外の各部の動作は、図4,図5に示した前
記第2実施例の動作と同じである。
【0055】なお本実施例においても、図1に示した前
記第1実施例と同様に、蓋部リミットスイッチ11,1
1を、処理開始スイッチ4および処理停止スイッチ5の
替わりに使用することもできる。また、図6に示した本
実施例の構成において、主電源スイッチ2、主電源リレ
ー12、および主電源リレー12に接続された信号線
を、図4の第2実施例と同様の配置に設置することも容
易に実現できる。さらに、制御回路100および温度セ
ンサ8に対する条件は、図1に示した第1実施例と同様
である。なおまた、本実施例においても、図1の第1実
施例のように、加熱回数回数器23を制御回路100に
付加することも可能である。この場合には、図2におけ
るP<P0をI≠0と置き換えることにより達成でき
る。
【0056】図6に示した本第3実施例によれば、圧力
スイッチ71は制御回路100を経由せず、直接マグネ
トロン駆動リレー13を遮断するため、圧力上昇時の温
度制御に対する安全性が向上するという効果がある。
【0057】次に、本発明の第4実施例を図7によって
説明する。図7は本発明の第4実施例に係る真空加熱乾
燥装置の制御系の構成図である。図7に示すように本実
施例は、図4に示した前記第2実施例の構成から、主電
源リレー12および主電源リレー12に接続された信号
線、マグネトロン用サーモスタット9、容器用サーモス
タット10を削除し、図4におけるマグネトロン用サー
モスタット9および容器用サーモスタット10の替わり
に、制御回路100に接続されたマグネトロン用温度セ
ンサ91および容器用温度センサ101を設けた。ま
た、図4における蓋部リミットスイッチ11を、制御回
路100に接続し、全ての状態を制御回路100によっ
て統括管理する構成とした。この様な構成とした場合に
は、マグネトロン用温度センサ91および容器用温度セ
ンサ101を、温度センサ8と同種の物とすることが出
来る。
【0058】図7に示した本実施例の動作は、各部のあ
らゆる駆動制御を、全て制御回路100が直接行うこと
以外は図1に示す第1実施例と同様である。
【0059】本実施例においても、図1に示す第1実施
例と同様に、蓋部リミットスイッチ11を、処理開始ス
イッチ4および処理停止スイッチ5の替わりに使用する
ことも可能である。また、図7の本実施例の中で主電源
スイッチ2を削除することも、主電源リレー12および
主電源リレー12に接続された信号線を、図4の第2実
施例と同様に付加・設置することも容易に実現できる。
さらに、制御回路100および圧力センサ7,温度セン
サ8に対する条件は、図1に示す第1実施例と同様であ
る。なおまた、図1の第1実施例のように、加熱回数回
数器23を制御回路100に付加することも可能であ
る。
【0060】本実施例においては、全ての状態データが
制御回路100に集約されるため、各状態データを複合
して判断するための判断回路が、共通化または簡易化さ
れるという効果がある。
【0061】なお、上述してきた各実施例において、使
用電源は、マグネトロンおよび真空ポンプを駆動できる
ものであればどのような電源であっても使用可能であ
る。また、使用電源に応じて、主電源リレー12、マグ
ネトロン駆動リレー13、真空ポンプ駆動リレー14
は、機械的リレー,半導体リレー等の他に、使用電源に
適合した、外部信号により開閉するスイッチとしての役
割を果たすものであればどのようなものでも使用可能で
ある。また、排気時間測定タイマ21と加熱時間測定タ
イマ22とを、1つのタイマで共用することも可能であ
る。さらに、蓋部リミットスイッチ11の替わりに、蓋
の開閉時に回転する部分に取り付けた回転検知センサ等
を使用することも可能である。また、制御フローについ
ても、図2または図5に示す制御フローだけでなく、各
実施例における一連の処理操作と同等の制御を行うこと
が出来るものであれば、どのような制御フローでも代用
可能である。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、容器内圧
力および排気温度の時間的変化をモニタリングすること
により、容器のリークや、空炊(容器内に被乾燥物が入
っていないことや、容器内に当初から乾燥し切った被乾
燥物がいれられていること)という異常を的確に検知可
能となり、異常と判定した場合には装置を速やかに自動
停止させることによって安全性を確保し、また、容器内
に水分を含んだ被乾燥物が入っている場合には、正常終
了まで装置を動作させるため、信頼性の高い真空加熱乾
燥装置が実現でき、その価値は多大である。
【0063】また、制御温度幅を小さくすることによ
り、マグネトロンによる加熱の比率を大きくできるた
め、処理速度の向上を図れるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る真空加熱乾燥装置の
制御系の構成を示す構成図である。
【図2】図1の制御回路で実行される制御処理フローを
示すフローチャート図である。
【図3】本発明の各実施例での真空加熱乾燥動作による
排気温度変化の1例を示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る真空加熱乾燥装置の
制御系の構成を示す構成図である。
【図5】図4の制御回路で実行される制御処理フローを
示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る真空加熱乾燥装置の
制御系の構成を示す構成図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る真空加熱乾燥装置の
制御系の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 コンセント 2 主電源スイッチ 3 制御回路用電源 4 処理開始スイッチ 5 処理停止スイッチ 6 表示部 7 排気管に設置した圧力センサ 8 排気管に設置した温度センサ 9 マグネトロン用サーモスタット 10 容器用サーモスタット 11 蓋部リミットスイッチ 12 主電源リレー 13 マグネトロン駆動リレー 14 真空ポンプ駆動リレー 15 マグネトロン用高圧電源 16 マグネトロン 17 真空ポンプ 18 マグネトロン冷却用ブロア 21 排気時間測定タイマ 22 加熱時間測定タイマ 23 加熱回数計数器 71 圧力スイッチ 72 電流センサ 91 マグネトロン用温度センサ 100 制御回路 101 容器用温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F26B 25/00 F26B 3/347 F26B 5/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被乾燥物を収納するマイクロ波遮蔽容器
    と、該マイクロ波遮蔽容器内を真空排気する真空ポンプ
    と、前記マイクロ波遮蔽容器内の被乾燥物を加熱するマ
    グネトロンとを、具備し前記マイクロ波遮蔽容器外の排
    気配管に、温度センサと圧力センサを付加し、さらに、
    前記真空加熱乾燥装置全体の統括制御を司る制御装置
    に、タイマを付加し、前記制御装置は、前記温度センサ
    及び圧力センサ及びタイマからの情報に基づき異常と判
    定される場合には、運転動作を停止させるようにした
    空加熱乾燥装置の制御方式であって、 前記制御装置は、前記マグネトロンを駆動する以前の始
    動真空排気動作時および前記マグネトロンによる加熱動
    作を伴う真空排気動作中に、前記タイマと前記圧力セン
    サとにより前記マイクロ波遮蔽容器内の被乾燥物にかか
    る圧力の変化をモニタしながら、前記真空ポンプを駆動
    制御し、所定時間経過後も所定圧力に達しない場合には
    異常と判断し、前記始動真空排気動作時には、即座に装
    置全体の運転動作を停止させると共に警告を表示させ、
    また、前記マグネトロンによる加熱動作を伴う真空排気
    動作中である場合には、前記マグネトロンによる加熱を
    停止させ、次に真空排気を所定期間だけ継続させて排気
    温度を低下させた後、真空排気を停止させて装置全体の
    運転動作を停止させると共に、警告を表示させることを
    特徴とする真空加熱乾燥装置の制御方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、 前記制御装置は、所定圧力到達後に、前記タイマと前記
    温度センサとにより前記マイクロ波遮蔽容器内の被乾燥
    物から発生する水蒸気の排気温度の変化をモニタしなが
    ら前記マグネトロンを駆動制御し、初回加熱の際におい
    て、所定時間経過後も排気温度が所定温度まで上昇しな
    い場合には異常と判断して前記マグネトロンを停止さ
    せ、次に排気温度が十分低いことを確認した後に、真空
    排気を停止させて装置全体の運転動作を停止させると共
    に、警告を表示させることを特徴とする真空加熱乾燥装
    置の制御方式。
  3. 【請求項3】 請求項2記載において、 前記制御装置は、前記所定圧力及び前記所定温度到達後
    に、前記タイマと前記 温度センサとにより排気温度の変
    化をモニタしながら前記マグネトロンを駆動制御し、排
    気温度が前記マイクロ波遮蔽容器内の到達真空度での水
    の沸点温度に到達した時点で、前記マグネトロンによる
    加熱と前記タイマによる時間計測を停止させ、排気温度
    が前記の沸点温度から所定温度差だけ低下した後に、前
    記マグネトロンによる加熱と前記タイマによる時間計測
    を再起動させることを特徴とする真空加熱乾燥装置の制
    御方式。
  4. 【請求項4】 請求項3記載において、 前記制御装置は、初回加熱でない場合において、前記マ
    グネトロンの再起動後に所定時間経過後も、排気温度が
    前記マイクロ波遮蔽容器内の到達真空度での水の沸点温
    度に達しない場合には乾燥終了と判断し、前記マグネト
    ロンを停止させ、次に排気温度が十分低いことを確認し
    た後に、真空排気を停止させて装置全体の運転動作を停
    止させると共に、乾燥終了を表示させることを特徴とす
    る真空加熱乾燥装置の制御方式。
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