JP3034073B2 - メッキ層を有する誘電体セラミックスおよびその製造方法 - Google Patents

メッキ層を有する誘電体セラミックスおよびその製造方法

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JP3034073B2 JP3097744A JP9774491A JP3034073B2 JP 3034073 B2 JP3034073 B2 JP 3034073B2 JP 3097744 A JP3097744 A JP 3097744A JP 9774491 A JP9774491 A JP 9774491A JP 3034073 B2 JP3034073 B2 JP 3034073B2
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メッキ層を形成して成
るチタン酸マグネシウム−チタン酸カルシウム系の誘電
体セラミックスとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、誘電体セラミックスをマイクロ波
に応用したものとして、ディレイライン、フィルター回
路、マイクロ波回路、誘電体フィルター等のマイクロ波
回路(MIC)に用いられる基板や、導波回路、導波線
路、アンテナの媒体用セラミック等があげられる。
【0003】その中で、回路形成時の膜付けは、Ag−
Pd、Cuでの厚膜や薄膜の手法がとられていた。しか
し、Agペーストでは高周波数域での損失が大きく、通
常1GHzが限界であることや、小型化の傾向から、誘
電損失の小さいCuの膜付けが主流になりつつある。
【0004】また、従来よりチタン酸マグネシウム(以
下MTという)−チタン酸カルシウム(以下CTとい
う)系誘電体セラミックスが広く用いられてきた。この
誘電体セラミックスを製造するには、MgO/TiO2
のモル比が1であるMTと、CaO/TiO2 のモル比
が1であるCTとを混合し、噴霧乾燥後、仮焼し、さら
に所定の粒度になるように微粉砕した後、バインダーを
加えて噴霧乾燥し、得られた原料を所定の形状にプレス
成形して、焼成するようになっていた。さらに、上記M
TとCTとの混合比を変えることで、誘電率εr の値を
調整することができた。また、このようなMT−CT系
の誘電体セラミックスにおいては、Cuの厚膜を形成す
る際に還元雰囲気で処理をすると、抵抗値が急激に低下
するなどの問題があることから、Cuメッキによる膜付
けが検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、MT−CT
系誘電体セラミックスにCuメッキを施す場合、表面を
酸処理する工程でセラミックスが浸食されててしまい、
メッキしたCuが内部まで浸透して、絶縁抵抗値を低下
させてしまうという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、Mg
O/TiO2 のモル比が1より小さいチタン酸マグネシ
ウムとCaO/TiO2 のモル比がほぼ1のチタン酸カ
ルシウムの粉末を混合するか、あるいはMgOに対する
TiO2 のモル量が過剰となるように、MgO/TiO
2 のモル比が1以上のチタン酸マグネシウムとCaO/
TiO2 のモル比がほぼ1のチタン酸カルシウム及び酸
化チタンの粉末を混合したものを成形、焼成することに
より、Mg2 TiO4 の結晶構造を含まない、チタン酸
マグネシウム−チタン酸カルシウム系の誘電体セラミッ
クスを形成し、次いで酸処理を施した後、メッキ層を形
成することにより、メッキ層を有するMT−CT系誘電
体セラミックスを構成した。
【0007】即ち、本発明者等が種々実験の結果、従来
のMT−CT系誘電体セラミックスにはMg2 TiO4
が存在しており、このMg2 TiO4 が特に耐酸性が悪
いため、上記Cuメッキ時の酸処理工程で腐食しやすい
ことを見出したのである。したがって、Mg2 TiO4
を含まないMT−CT系誘電体セラミックスとすること
で、耐酸性を高め、Cuメッキを好適に行うことができ
る。なお、本発明において、Mg2 TiO4 を含まない
とは、セラミックス表面をX線回折によって分析したと
きに、Mg2 TiO4 のピークが検出されないことを意
味する。
【0008】また、このようにMg2 TiO4 の存在し
ないMT−CT系誘電体セラミックスを製造するために
は、あらかじめ原料中において、MgOに対するTiO
2 のモル量を過剰としておけばよい。具体的には、CT
と、MgO/TiO2 のモル比が1より小さいMTとを
混合し、この原料を用いて成形、焼成すればよい。ある
いは、CTと、MgO/TiO2 のモル比が1以上のM
Tとを混合した後、さらにTiO2 を添加してTiO2
量を過剰とし、この原料を用いて成形、焼成することも
できる。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。
【0010】MT−CT系誘電体セラミックスにおい
て、MT、CTの組成比と誘電率εr との関係を調べた
ところ、図1のような結果であった。また、誘電率εr
の温度係数τf が0ppm/℃となる組成はεr =21
付近にあることが実験により得られた。そこで、以下ε
r =21、24、27となる組成のものについて実験を
行った。
【0011】実験例1 MT材として、表1に示すようにMgO/TiO2 のモ
ル比が異なる3種類の原料を用意した。また、CT材と
してCaO/TiO2 のモル比が1.00のものを用意
した。
【0012】
【表1】
【0013】これら3種類のMT材と1種類のCT材を
用いて、それぞれ、誘電率εr =21、24、27とな
るような組成比とした。これらの原料粉末を樹脂ミル中
に入れ、ジルコニアボールで混合した後、噴霧乾燥し、
さらに所定の粒度になるように微粉砕した後、バインダ
ーを加えて噴霧乾燥し、得られた2次粒子を成形圧力1
ton/cm2 でプレス成形し、焼成して、直径10m
mで1cm3 の大きさのテストピース、直径20mmで
厚み5mmのテストピース、および2×2インチで厚み
0.6mmのテストピースを得た。これらのテストピー
スを用いて、X線回折によるMg2 TiO4 の存在の確
認、誘電率εr の測定、耐酸性評価、Cuメッキ後の抵
抗値低下の有無を調べた。結果は表2に示す通りであ
る。
【0014】表2中の、No.1、4、7に示したもの
は、MgO/TiO2 のモル比が1以上の材料(MT−
A)を用いた比較例である。これらの比較例は、いずれ
もMg2 TiO4 が存在し、耐酸性が0.3〜0.5m
g/cm・10minと悪く、Cuメッキ後の抵抗値低
下があった。
【0015】これに対し、No.2、3、5、6、8、
9に示したものは、MgO/TiO2 のモル比が1より
小さい材料(MT−B、MT−C)を用いた本発明実施
例である。これらの実施例は、いずれもMg2 TiO4
が存在せず、耐酸性が0.01mg/cm・10min
以下と優れており、Cuメッキ後の抵抗値低下がなかっ
た。したがって、Mg2 TiO4 の存在をなくすこと
で、耐酸性を向上できることがわかる。
【0016】なお、比較例であるNo.1と、本発明実
施例であるNo.3について、X線回折を行ったときの
チャート図をそれぞれ図2、図3に示すように、比較例
では明確にMg2 TiO4 のピークが検出されるのに対
し、本発明実施例ではMg2 TiO4 のピークが全く検
出されなかった。
【0017】
【表2】
【0018】実験例2 次に、上記表2中の比較例であるNo.1に対し、Ti
2 を添加して、同様の実験を行った。結果は表3に示
すように、TiO2 を添加することによって、耐酸性を
向上できることがわかる。これは、もともとTiO2
の少なかったMT材(MT−A)に対し、TiO2 を添
加することによって、結果的にMgOに対するTiO2
のモル量を過剰にできたためであると考えられる。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】このように、本発明によれば、メッキ層
を有するMT−CT系誘電体セラミックスにおいて、M
2 TiO4 の結晶構造を含まないようにしたことによ
って、耐酸性に優れ、Cuメッキ等のメッキ層形成時に
酸処理を施しても腐食せず、抵抗値の劣化がないため、
良好にメッキ層を形成することができる。
【0021】また、このようなメッキ層を有するMT−
CT系誘電体セラミックスを製造するには、MgO/T
iO2 のモル比が1より小さいチタン酸マグネシウムと
CaO/TiO2 のモル比がほぼ1のチタン酸カルシウ
ムの粉末を混合するか、あるいはMgOに対するTiO
2 のモル量が過剰となるように、MgO/TiO2 のモ
ル比が1以上のチタン酸マグネシウムとCaO/TiO
2 のモル比がほぼ1のチタン酸カルシウム及び酸化チタ
ンの粉末を混合したものを成形、焼成した後、酸処理を
施し、しかるのちメッキ層を形成すれば良く、特性劣化
のない高品質なメッキ層を有する誘電体セラミックスを
容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MT−CT系誘電体セラミックスにおける組成
比と誘電率εr との関係を示すグラフである。
【図2】比較例のMT−CT系誘電体セラミックスにお
ける、X線回折チャート図である。
【図3】本発明実施例のMT−CT系誘電体セラミック
スにおける、X線回折チャート図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mg2 TiO4 の結晶構造を含まない、チ
    タン酸マグネシウム−チタン酸カルシウム系の誘電体セ
    ラミックス上にメッキ層を具備して成るメッキ層を有す
    誘電体セラミックス。
  2. 【請求項2】MgO/TiO 2 のモル比が1より小さい
    チタン酸マグネシウムとCaO/TiO 2 のモル比がほ
    ぼ1のチタン酸カルシウムの粉末を混合するか、あるい
    MgOに対するTiO2 のモル量が過剰となるよう
    に、MgO/TiO 2 のモル比が1以上のチタン酸マグ
    ネシウムとCaO/TiO 2 のモル比がほぼ1のチタン
    酸カルシウム及び酸化チタンの粉末を混合した原料を
    形、焼成して、Mg 2 TiO 4 の結晶構造を含まない、
    チタン酸マグネシウム−チタン酸カルシウム系の誘電体
    セラミックスを形成した後、酸処理を施し、しかる後メ
    ッキ層を形成して成るメッキ層を有する誘電体セラミッ
    クスの製造方法。
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