JP3033822B2 - エネルギー吸収用防護ブロック - Google Patents

エネルギー吸収用防護ブロック

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JP3033822B2
JP3033822B2 JP9225114A JP22511497A JP3033822B2 JP 3033822 B2 JP3033822 B2 JP 3033822B2 JP 9225114 A JP9225114 A JP 9225114A JP 22511497 A JP22511497 A JP 22511497A JP 3033822 B2 JP3033822 B2 JP 3033822B2
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博孝 ▲吉▼田
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有限会社サンエス工業
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、道路の
分岐点、交差点、車道と歩道の境界部等の路面に設置さ
れ、車両の不測の進入を防止する防護ブロックに関し、
特に、防護ブロックに対し車両等が衝突したときには、
その衝突エネルギーを吸収するように構成したエネルギ
ー吸収用防護ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート製の防護ブロックに対し車
両等が衝突すると、その衝突エネルギーを防護ブロック
において吸収することが困難であり、防護ブロックに対
する衝突の反力によって車両が大破されたり、乗員が損
傷される場合がある。また、防護ブロックに対する車両
等の衝突の際、車両や乗員の損傷を軽減するために、そ
の衝突エネルギーを防護ブロックの変形や破損に基づい
て吸収するように構成したものがある。このようなエネ
ルギー吸収用防護ブロックには、例えば、この出願の発
明者と同一の発明者によって発明がなされ、特公平7−
78324号公報として開示された防護ブロックが知ら
れている。
【0003】これにおいては、図9と図10に示すよう
に、路面101に対し防護ブロック140を設置して支
持するために、まず、路面101に所定深さで凹設され
て石や砂利等によって固められた基礎面102には、前
後二本の支柱169に対する穴が掘られてこれら支柱1
69が立てられ、さらに、基礎面102上には鉄筋11
0が所要とする形状に枠組みされる。そして基礎面10
2にコンクリートが打ち込まれ、これによって構成され
た基礎コンクリート層105に基盤120が前後二本の
支柱169を通して固定される。一方、水平板状をなす
基板部162の下面に縦・横両方向の多数のリブ163
が突設されてなる合成樹脂製防護体161が多数枚形成
される。これら多数枚の合成樹脂製防護体161は、前
記前後二本の支柱169をそれぞれ貫通して基盤120
上に順次に積層され、これら多数枚の合成樹脂製防護体
161が、接着剤などによって前後二本の支柱169に
それぞれ固着されることで、エネルギー吸収用防護ブロ
ック140が構成されている。また、基盤120の上面
の後部には、多数枚の合成樹脂製防護体161の後面を
支持する後部壁170が固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図9と図1
0に示すエネルギー吸収用防護ブロック140におい
て、多数枚の合成樹脂製防護体161は、水平板状をな
す基板部162の下面に縦・横両方向の多数のリブ16
3が突設されて形成されている。このような構造を有す
る合成樹脂製防護体161は、水平方向の荷重に対し変
形強度が高くなる傾向にある。さらに、図9と図10に
示すエネルギー吸収用防護ブロック140においては、
乗用車やトラック等の衝突における大きい衝突荷重に対
応して、多数枚の合成樹脂製防護体161の変形強度が
設定されているため、小さい衝突荷重に対してはその衝
突エネルギーを吸収することが困難となる場合がある。
例えば、多数枚の合成樹脂製防護体161に対しバイク
やバイク転倒による乗員等が衝突したときのように、そ
の衝突荷重が小さい場合には、多数枚の合成樹脂製防護
体161の変形量がきわめて小さく、前記衝突エネルギ
ーを吸収できないことがある。そして、多数枚の合成樹
脂製防護体161に対する衝突の反力によって、バイク
や乗員が受けるダメージが大きいという、問題点があっ
た。
【0005】この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑
み、衝突荷重が大小異なる場合においても、その衝突エ
ネルギーを良好に吸収することができるエネルギー吸収
用防護ブロックを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係るエネルギー吸収用防護ブロッ
クは、路面等に設置されるエネルギー吸収用防護ブロッ
クであって、衝撃吸収性を有する内装体と、その内装体
を被う衝撃吸収性を有する外装体とを備え、前記内装体
と外装体とが路面等に固着の剛性の取付基盤に対しそれ
ぞれ取り付けられ、さらに、前記内装体と外装体との間
には所定の隙間が設けられると共に、前記内装体の後側
面と前記外装体の後板部とが、前記取付基盤に固定の後
部剛性支持体によってそれぞれ支持されていることを特
徴とする。
【0007】したがって、防護ブロックの外装体のみの
変形・破壊、あるいは外装体の変形・破壊に加え内装体
の変形・押し潰しによって衝突エネルギーを吸収するこ
とができるため、軽自動車、バイク、バイク転倒による
乗員等が衝突したときのように衝突荷重が小さい場合、
あるいは、乗用車、トラック等の衝突のときのように衝
突荷重が大きい場合においても、これら大・小異なる衝
突エネルギーをそれぞれ円滑に吸収することができる。
【0008】また、請求項2の発明に係るエネルギー吸
収用防護ブロックは、請求項1に記載のエネルギー吸収
用防護ブロックにおいて、内装体は、衝撃吸収性を有す
る発泡合成樹脂よりなる内部緩衝体と、その内部緩衝体
の上下部を支持する天板及び底板を主体として構成さ
れ、前記天板と底板との間には、前後方向に所要とする
間隔を隔てかつ前記内部緩衝体を通して、前後複数の支
持ベルトがそれぞれ張設され、前記複数の支持ベルト
は、高張力繊維によって形成されていることを特徴とす
る。したがって、内装体の内部緩衝体の変形や潰れが前
後の支持ベルトによって段階的となると共に、前後の支
持ベルトにおいて、その前側の支持ベルトから後側の支
持ベルトに向けて順に切断され、その支持ベルトの切断
においても前記衝突エネルギーが吸収される。しかも、
内装体が変形したり潰れる際、その内装体には支持ベル
トによって衝突物を下方に押し付ける力が付与されるた
め、車両等が防護ブロックを乗り越えて横転する事故も
防止することができる。
【0009】請求項3の発明に係るエネルギー吸収用防
護ブロックは、請求項1又は2に記載のエネルギー吸収
用防護ブロックにおいて、外装体は、衝撃吸収性を有す
る軽量軟質の合成樹脂材より下方が開口された箱形状に
形成され、内装体の上方から被せられて取付基盤に取り
付けられる構成にしてあることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図1〜図
8にしたがって説明する。図1〜図3において、道路の
分岐点、交差点、車道と歩道の境界部等の路面1の所定
位置には、石、砂利、セメント等によって固められた基
礎面2が所要とする深さで凹設されている。前記基礎面
2には、取付基盤20がセットされ、その取付基盤20
の上面が路面1のレベルより突出しないように埋設され
る。前記取付基盤20は、下側の第1基盤21と、上側
の第2基盤31とが着脱可能に組み付けられて構成され
ている。
【0011】図2に示すように、前記第1基盤21は、
チャンネル鋼等の高剛性の型鋼よりなる左右の両縦枠2
2と、同じく高剛性の型鋼よりなる前後及び中間の横枠
23によって方形枠状に形成されている。第1基盤21
の左右の両縦枠22には、複数の高さ調整ボルト24が
進退可能に組み付けられ、これら高さ調整ボルト24の
下端部には基礎面2に当接して第1基盤21を所要とす
る高さ位置に保持するためのキャップ状の脚部24aが
それぞれ固着されている。
【0012】また、図1〜図3に示すように、前記第1
基盤21の左右の両縦枠22の間には、中間の横枠23
を隔てて前後二つの埋設盤10が組み付けられている。
図2に示すように、前記各埋設盤10は、鉄筋として機
能する格子状の底部ネット11と、その底部ネット11
の左右両側部に固着された固定板12とを備え、その左
右の固定板12において、ボルト13によって第1基盤
21の縦枠22に組み付けられている。そして、図3に
示すように、基礎面2に対し高さ調整ボルト24によっ
て高さ調整されて第1基盤21がセットされ、その第1
基盤21の上面高さまで基礎面2に対しコンクリート5
が打ち込まれることで、第1基盤21が強固に固定され
るようになっている。
【0013】図1に示すように、前記第1基盤21の上
面に着脱可能に組み付けられる第2基盤31は、第1基
盤21よりも剛性が適宜に小さい型鋼よりなる左右の両
縦枠22と前後及び中間の横枠23によって第1基盤2
1と略同じ大きさの方形枠状に形成されている。そし
て、図3に示すように、第2基盤31は、その前後及び
中間の横枠33において、第1基盤21の各横枠23の
上面にボルト25とナット26によって着脱可能に固定
されている。図1と図3に示すように、前記第2基盤3
1の後部寄りには、その左右の両縦枠32に跨って支柱
枠34が着脱可能に固定されている。この支柱枠34
は、底枠35と左右一対の支柱36とを一体状に備え、
その一対の支柱36の下部において第2基盤31の左右
の両縦枠32にボルトとナット(図示しない)によって
着脱可能に固定されている。
【0014】前記第1基盤21と第2基盤31によって
構成された取付基盤20の上面、すなわち、第2基盤3
1の上面には、エネルギー吸収用防護ブロック(以下、
単に防護ブロックという。)40が着脱可能に組み付け
られる。図1、図3及び図4に示すように、前記防護ブ
ロック40は、内装体60と、その内装体60を被う外
装体90と、これら内装体60及び外装体90を支持す
るための後部剛性支持体50とを備えている。
【0015】前記後部剛性支持体50は、金属等の剛性
材料よりなり、下端が開口された中空箱形状に形成され
ている。そして、後部剛性支持体50は、第2基盤31
に立設された左右一対の支柱36に被せられ、その左右
の両側壁部51において各支柱36の外側面にボルト5
2によって着脱可能に固定されている。
【0016】前記取付基盤20の第2基盤31の上面に
は、前記後部剛性支持体50の前側位置して内装体60
が着脱可能に組み付けられている。図5と図6に示すよ
うに、前記内装体60は、内部緩衝体61と、その内部
緩衝体61の上下両面を支持する底板63及び天板68
とを主体とし、これら各部材が所要数の支持ベルト80
によって束ねられることで構成されている。前記内部緩
衝体61は、衝撃吸収性を有しかつ軽量な材料、例え
ば、発泡スチロール又はそれと略同等の可塑性発泡合成
樹脂材よりなりかつ略直方体に形成されている。前記内
部緩衝体61の下面を支持する底板63及び内部緩衝体
61の上面を支持する天板68は、鋼板プレス又は硬
質、半硬質の合成樹脂材より所定板厚の平板状に形成さ
れている。
【0017】さらに、図5に示すように、内部緩衝体6
1、天板68及び底板63には、その前後方向及び左右
方向にそれぞれ複数の支持ベルト80が所定間隔ピッチ
を隔てて挿通される挿通孔62、67、71が貫設され
ている。そして、前後及び左右の各複数の支持ベルト8
0が天板68の各挿通孔71、内部緩衝体61の各挿通
孔62及び底板63の各挿通孔62にそれぞれ順次挿通
され、これら支持ベルト80の端部が天板68の上面及
び底板63の下面にそれぞれ止着されることで、内装体
60が構成される。前記したように構成される内装体6
0は、その内部緩衝体61と支持ベルト80によって衝
撃を段階的に吸収するようになっている。
【0018】前記支持ベルト80は、アラミド樹脂繊維
(ケブラー・商標名/デュポン社)、スチールファイバ
ー、カーボンファイバー等の高張力繊維を用いて平帯状
又は組紐状に形成されている。この実施の形態におい
て、前記支持ベルト80は、アラミド樹脂繊維よりなり
かつ平帯状に形成されている。さらに、内装体60の高
さ寸法の略2倍の寸法と、前後に隣接する挿通孔62
(又は67又は71)の間の間隔寸法の略2倍の寸法と
を加えた長さ寸法を有する合計6本の支持ベルト80が
用いられる。これら支持ベルト80は、前後に2つ折り
され、その支持ベルト80の前後の各直線部分80a、
80bに対し、内装体60の高さ寸法と略同じ長さ寸法
の筒状の合成樹脂製ベルトケース81がそれぞれ挿通さ
れる。
【0019】そして、まず、図5に示すように、支持ベ
ルト80は、その前後の各直線部分80a、80bが各
ベルトケース81と共に、天板68の挿通孔71、内部
緩衝体61の挿通孔62及び底板63の挿通孔62に順
次挿通される。図6の(A)に示すように、支持ベルト
80の上部中央が上部止着部材82によって天板68の
上面に止着される。前記したように全ての支持ベルト8
0が天板68、内部緩衝体61及び底板63に挿通さ
れ、各支持ベルト80の上部中央が上部止着部材82に
よって天板68の上面に止着された後、図6の(B)に
示すように、内装体60が上下に反転され、内装体60
の底板63が上向きにされる。ここで、支持ベルト80
の前後の各直線部分80a、80bの両端部が引張され
ながら底板63の底面に沿って折り返され、その折り返
し部分を間に挟んで下部固定板83がネジ84によって
底板63に締め付けられ、これによって底板63の底面
に対し支持ベルト80の各直線部分80a、80bの両
端部が強固に止着されている。
【0020】前記内装体60の底板63の両側部には、
左右方向に張り出す側部張出片64が形成されている。
そして、図3と図4に示すように、内装体60は、その
後面が後部剛性支持体50の前面に当接された状態で、
その底板63の側部張出片64がボルト65によって取
付基盤20の第2基盤31の縦枠32の上面に着脱可能
に固定されている。さらに、内装体60の天板68の後
部には後部延長部69が後部剛性支持体50の上面に向
けて張り出され、その後部延長部69がボルト70によ
って後部剛性支持体50の天板部54に着脱可能に固定
されている。また、前記内装体60の高さの略中央部に
対し、車両のバンパが衝突するように、内装体60の高
さ寸法が設定されている。路面1から車両のバンパまで
の高さは40センチメートルから50センチメートル前
後であるのが一般的で、これに対し、内装体60の高さ
寸法は、100センチメートルに設定される。
【0021】図1、図3及び図4に示すように、防護ブ
ロック40の外装体90は、衝撃吸収性を有する軽量軟
質の合成樹脂材よりなり、天板部91、前板部92、後
板部93及び左右の両側板部95とを備えて下方が開口
された略方形箱形状に形成されている。さらに、前記外
装体90は、内装体60との間に所定の隙間空間が設け
られる大きさの下方が開口された略方形箱形状に形成さ
れ、その左右の両側板部95の下端部には取付フランジ
96がそれぞれ左右方向に張り出して形成されている。
そして、外装体90は、内装体60及び後部剛性支持体
50の上方から被せられその左右の両側板部95の取付
フランジ96においてボルト97によって取付基盤20
の第2基盤31の縦枠32の上面に着脱可能に固定され
ると共に、その後板部93がボルト94によって後部剛
性支持体50の後側面に着脱可能に固定されている。ま
た、外装体90の前板部92は、内装体60の前側面と
の間に所定の隙間空間を隔てて平断面が半円弧状、又は
凸湾曲状に形成され、その前板部92の下端部は取付基
盤20に固定されることなく自由状態となっている。
【0022】この実施の形態の防護ブロック40は上述
したように構成される。したがって、道路の分岐点、交
差点、車道と歩道の境界部等の路面の所定位置に防護ブ
ロック40を設置する場合、その路面1に所要とする深
さで凹設された基礎面2に対し、取付基盤20の第1基
盤21が高さ調整ボルト24によって所望とする高さ位
置にセットされた後、基礎面2に対し、コンクリートが
前記第1基盤21の上面高さ位置まで打ち込まれること
で、第1基盤21が固定される。この際、第1基盤21
の埋設盤10が鉄筋として機能するため、基礎面2に対
し鉄筋を所要とする形状に枠組みする手間が省かれる。
【0023】その後、前記第1基盤21の上面に対し第
2基盤31が着脱可能に固定される。第2基盤31の後
部には左右一対の支柱36を備えた支柱枠34が固定さ
れ、その左右一対の支柱36に対し後部剛性支持体50
が固定される。そして、前記第2基盤31の上面には、
まず、内装体60が着脱可能に固定され、次に外装体9
0が着脱可能に固定されることで、路面1に対する防護
ブロック40の設置作業が完了する。
【0024】前記防護ブロック40に対し、乗用車、ト
ラック、バイク等の車両あるいはバイク転倒による乗員
等が衝突した場合、図7において破線に示すように、防
護ブロック40の外装体90の前板部92が、その隙間
空間において内装体60前側面に当たる位置まで変形
し、その前板部92の変形によって前記衝突エネルギー
が吸収される。前記外装体90の前板部92の下端部は
取付基盤20に固定されることなく自由状態となってい
る。このため、前板部92は取付基盤20に拘束される
ことなく円滑に変形する。
【0025】この結果、防護ブロック40に対し、バイ
クやバイク転倒による乗員等が衝突したときのように、
その衝突荷重が小さい場合においても、その衝突エネル
ギーを外装体90の前板部92の変形に基づいて良好に
吸収することができ、前記乗員を保護することができ
る。また、内装体60の底板63が路面1のレベルと略
同一あるいは若干低い位置に設定することで、前記内装
体60の底板63に対し外装体90を介して人体が干渉
することが確実に防止される。
【0026】前記衝突荷重によって外装体90の前板部
92が、内装体60前側面に当たる位置まで変形した
後、引き続いて衝突荷重が前板部92に作用すると、図
7において1点鎖線並びに2点鎖線に示すように、前板
部92が内装体60を押し潰すようにして変形し、その
前板部92の変形及び内装体60の変形や潰れによって
前記衝突エネルギーが吸収される。前記内装体60は、
発泡スチロール又はそれと略同等の可塑性発泡合成樹脂
材よりなる内部緩衝体61と、その内部緩衝体61の上
下両面を支持する底板63及び天板68とを主体とし、
これら各部材が前後方向に所要とする間隔を隔てた所要
数の高張力繊維よりなる支持ベルト80によって束ねら
れることで構成されている。
【0027】このため、前記内装体60の内部緩衝体6
1の変形や潰れが支持ベルト80によって段階的となる
と共に、前後の支持ベルト80において、その前側の支
持ベルト80から後側の支持ベルト80に向けて順に切
断され、その支持ベルト80の切断においても前記衝突
エネルギーが吸収される。しかも、内装体60が変形し
たり潰れる際、その内装体60には支持ベルト80によ
って衝突物を下方に押し付ける力が付与されるため、車
両等が防護ブロック40を乗り越えて横転する事故も防
止することができる。
【0028】さらに、支持ベルト80の前後の各直線部
分80a、80bに対し、内装体60の高さ寸法と略同
じ長さ寸法の筒状の合成樹脂製ベルトケース81がそれ
ぞれ挿通される。このため、内装体60が変形したり潰
れる際、ベルトケース81においても変形及び圧縮され
ると共に、支持ベルト80とベルトケース81との間に
は摩擦力が生じる。そして、前記ベルトケース81の変
形・圧縮や支持ベルト80とベルトケース81との間の
摩擦においても、前記衝突エネルギーが吸収される。前
記支持ベルト80の前後の各直線部分80a、80bの
うち、前側の直線部分80aが切断された場合において
も、後側の直線部分80bは、前側の直線部分80aと
そのベルトケース81との間の摩擦力によって、後側の
直線部分80bが弛むことなく保持され、後側の直線部
分80bにおいても支持ベルト80として機能する。
【0029】前記したように防護ブロック40の外装体
90の変形・破壊や内装体60の内部緩衝体61の変形
・押し潰し、支持ベルト80の切断等によって衝突エネ
ルギーを吸収することができる。このため、軽自動車、
バイク、バイク転倒による乗員等が衝突したときのよう
に衝突荷重が小さい場合、あるいは、乗用車、トラック
等の衝突のときのように衝突荷重が大きい場合において
も、これら大・小異なる衝突エネルギーをそれぞれ円滑
に吸収することができ、衝突物の破損を可及的に小さく
押さえることができる。
【0030】前記外装体90は、内装体60及び後部剛
性支持体50の上方から被せられその左右の両側板部9
5の取付フランジ96においてボルト97によって取付
基盤20の第2基盤31の縦枠32の上面に着脱可能に
固定されると共に、その後板部93がボルト94によっ
て後部剛性支持体50の後側面に接して着脱可能に固定
されている。また、内装体60は、その後面が後部剛性
支持体50の前面に当接された状態で、その底板63の
側部張出片64がボルト65によって取付基盤20の第
2基盤31の縦枠32の上面に着脱可能に固定されてい
る。さらに、内装体60の天板68の後部延長部69が
ボルト70によって後部剛性支持体50の天板部54に
着脱可能に固定されている。このため、外装体90及び
内装体60の脱着交換を容易に行うことができると共
に、変形・破損された外装体90のみを交換することも
でき、防護ブロック40の修復作業をきわめて簡単にか
つ短時間で行うことができる。
【0031】また、防護ブロック40に対し過大な衝突
荷重が作用した場合、外装体90及び内装体60が変形
・破壊された後、後部剛性支持体50が取付基盤20に
立設の支柱36と共に倒壊される。前記取付基盤20
は、第1基盤21と第2基盤31とにより分割構成さ
れ、下側の第1基盤21は埋設盤10とコンクリートに
よって路面1の基礎面2に強固に固定されている。さら
に、第1基盤21に対しボルト25とナット26によっ
て着脱可能に固定された上側の第2基盤31は、第1基
盤21よりも適宜に剛性が小さく設定され、その第2基
盤31の後部に左右一対の支柱36を備えた支柱枠34
がボルトとナット(図示しない)によって着脱可能に固
定されている。
【0032】したがって、後部剛性支持体50が支柱3
6と共に倒壊された場合、その衝撃荷重による損傷は、
支柱36を有する支柱枠34あるいは第2基盤31にお
いて確実に止められ、取付基盤20の第1基盤21の損
傷が免れる。このため、取付基盤20の第2基盤31に
対し、支柱36を有する支柱枠34を交換したり、ある
いは、取付基盤20の第1基盤21に対し第2基盤31
を交換しかつその第2基盤31に対し支柱枠34を組み
付けることで、容易に対処することができる。この結
果、防護ブロック40の修復作業をきわめて簡単にかつ
短時間で行うことができる。
【0033】また、この実施の形態の防護ブロック40
において、内装体60は、衝撃吸収性を有しかつ軽量な
材料、例えば、発泡スチロール又はそれと略同等の可塑
性発泡合成樹脂材よりなりかつ略直方体に形成され、外
装体90は、衝撃吸収性を有する軽量軟質の合成樹脂材
より形成されるため、運搬や持ち運びが容易となるばか
りでなく、防護ブロック40の組立設置作業も容易とな
る。
【0034】なお、この発明に係るエネルギー吸収用防
護ブロックは前記実施の形態に限定するものではない。
例えば、図8に示すように、外装体90の前板部92か
ら左右の両側板部95にわたって水平帯状の凹凸面に形
成してもよい。また、外装体90の表面に対し、発光性
塗料、蛍光性塗料によって塗装してもよく、外装体90
の天板部91の上面に夜間時点灯するランプを組み付け
てもよい。
【0035】また、内装体60において、支持ベルト8
0の前後の各直線部分80a、80bに対し、内装体6
0の高さ寸法と略同じ長さ寸法の筒状の合成樹脂製ベル
トケース81がそれぞれ挿通される場合を例示したが、
ベルトケース81は設けなくてもよい。但し、支持ベル
ト80の前後の各直線部分80a、80bのうち、前側
の直線部分80aが切断された場合においても、後側の
直線部分80bが弛むことなく保持するために、支持ベ
ルト80の前後の各直線部分80a、80bの上下両端
部には、バックル等の留め具を配設して内装体60の底
板63及び天板68に対し止着することが望ましい。さ
らに、内装体60において、内部緩衝体61に対する支
持ベルト80の前後方向の配設間隔を疎密にしたり、あ
るいはベルト数を増減することで、所望とするエネルギ
ー吸収特性をもつ内装体60を容易に得ることができ
る。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
大・小異なる衝突エネルギーをそれぞれ円滑に吸収する
ことができ、衝突物の破損を可及的に小さく押さえるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るエネルギー吸収用
防護ブロックとその取付基盤とを分解して示す斜視図で
ある。
【図2】同じく取付基盤の第1基盤と埋設盤とを分離し
て示す斜視図である。
【図3】同じく路面の基礎面に対し防護ブロックを設置
した状態を側面側から示す縦断面図である。
【図4】同じく防護ブロックの平断面図である。
【図5】同じく内装体を分解して示す斜視図である。
【図6】同じく内装体の組立工程を順に示す説明図であ
る。
【図7】同じく防護ブロックに対し車両等が衝突したと
きの外装体と内装体の変形状態を示す作用説明図であ
る。
【図8】この発明に係る防護ブロックにおける外装体の
他の実施の形態を示す斜視図である。
【図9】従来の防護ブロックを側面側から示す縦断面図
である。
【図10】同じく防護ブロックを正面側から示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 路面 20 取付基盤 21 第1基盤 31 第2基盤 40 防護ブロック 50 後部剛性支持体 60 内装体 61 内部緩衝体 63 底板 68 天板 80 支持ベルト 90 外装体

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面等に設置されるエネルギー吸収用防
    護ブロックであって、 衝撃吸収性を有する内装体と、その内装体を被う衝撃吸
    収性を有する外装体とを備え、 前記内装体と外装体とが路面等に固着の剛性の取付基盤
    に対しそれぞれ取り付けられ、 さらに、前記内装体と外装体との間には所定の隙間が設
    けられると共に、前記内装体の後側面と前記外装体の後
    板部とが、前記取付基盤に固定の後部剛性支持体によっ
    てそれぞれ支持されていることを特徴とするエネルギー
    吸収用防護ブロック。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエネルギー吸収用防護
    ブロックにおいて、 内装体は、衝撃吸収性を有する発泡合成樹脂よりなる内
    部緩衝体と、その内部緩衝体の上下部を支持する天板及
    び底板を主体として構成され、 前記天板と底板との間には、前後方向に所要とする間隔
    を隔てかつ前記内部緩衝体を通して、前後複数の支持ベ
    ルトがそれぞれ張設され、 前記複数の支持ベルトは、高張力繊維によって形成され
    ていることを特徴とするエネルギー吸収用防護ブロッ
    ク。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のエネルギー吸収
    用防護ブロックにおいて、 外装体は、衝撃吸収性を有する軽量軟質の合成樹脂材よ
    り下方が開口された箱形状に形成され、内装体の上方か
    ら被せられて取付基盤に取り付けられる構成にしてある
    ことを特徴とするエネルギー吸収用防護ブロック。
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