JP3032921B2 - 発光材料 - Google Patents

発光材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低速電子線励起により青
色から赤色まで高輝度で発光する発光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子線励起用発光材料としてドナ
ー、アクセプター対発光機構を利用したZnS:Ag,
Cl(青色発光)、ZnS:Cu,Al(緑色発光)、
ZnCdS:Ag,Cl(赤色発光)等が広く用いられ
ている。また、前記発光材料を低速電子線用発光材料と
して用いる場合、抵抗を下げるため非発光物質であるI
23、SnO2、WO3等の導電物質を混合して用いて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記発光材料
であるZnS:Ag,Cl、ZnS:Cu,Al、Zn
CdS:Ag,Clは電子線あるいは紫外線により励起
され、Cl、Al等がドナーとして又Ag、Cuがアク
セプターとして作用するドナー、アクセプター対発光機
構により各々青色発光から赤色発光までを発光すること
が知られている。
【0004】ドナー、アクセプター対発光はドナーとア
クセプター間の電子遷移により生じるため、ドナーおよ
びアクセプター濃度が増加するにつれて発光効率は上が
る。しかし、ドナー、アクセプター濃度がある程度以上
の値になると多数の原子間あるいは発光対間での相互作
用が増加するため、いわゆる濃度消光で外部励起された
発光に関与し得る電子が発光原子あるいは原子対間を回
遊移動する割合が多くなり、発光遷移に関与することな
く非輻射中心に捕らえられエネルギーを失ってしまう。
つまり、高濃度の発光中心の存在により発光効率を上げ
るのではなく逆に発光効率は減少することになる。
【0005】すなわち、発光材料中のドナーおよびアク
セプターの相対割合および濃度が最適な場合に限り最も
発光効率は良く、その発光効率はドナーとアクセプター
の組み合わせにより固有の最適値をもつことが知られて
いる。
【0006】一方、前記発光材料ZnS:Ag,Cl、
ZnS:Cu,Al、ZnCdS:Ag,Clを蛍光表
示管用の低速電子線励起用蛍光材料として用いる場合、
適度の導電性を持っていなければならない。導電性を与
えるにはアクセプターに対するドナー濃度を増加すれば
よいが、前述の理由により発光効率を下げずに導電性を
与えるにはドナー濃度に制限があるため、蛍光表示管に
使用するには導電性が不十分である。
【0007】そこで、従来は導電物質であるIn23
SnO2、WO3等を混合することにより導電性を与えて
いるが、これらの導電物質は非発光物質であるため発光
効率を低下させる。また導電物質中のIn23、WO3
は非常に高価な材料であるため、混合して使用する蛍光
体のコストも高価なものになってしまう。
【0008】以上、電子線励起により比較的高い効率を
示す発光材料であるZnS:Ag,Cl、ZnS:C
u,Al、ZnCdS:Ag,Clにおいて導電物質を
混合しなくてさらに発光輝度、発光効率、発光特性(低
抵抗)を得ることは困難であり、実用上十分な高輝度発
光材料の開発は極めて大きな課題である。
【0009】本発明は前記問題を解決するためになされ
たものであり、発光効率、発光輝度が高く、かつ導電性
の制御が行える青色発光から赤色発光を発生する発光材
料を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、母体材
料であるZnCdSあるいはZnCdSeに発光中心と
なるTeとドナーとなるSb、Biをドーピングした一
般式(Zn1−xCd)A:Te,B(ただし、
0≦x≦0.85,0.01≦y≦5,0.005≦z
≦0.1,AはS,Seの中から1つ選ばれる。又、B
Sb、Biの中から1つ選ばれる。)で表わされる化
合物からなる発光材料が提供される。
【0011】
【作用】本発明の発光材料はTeが発光中心となり、前
記X値を変化させることにより青色発光から赤色発光を
生じ、Sb、Biがドナーとして働くものである。
【0012】Teは母体元素であるSあるいはSeを置
換し、その電子親和力の差から電子を捕獲する等電子ト
ラップとして働く。ドナーやアクセプターが遠距離形の
クーロン力で電子や正孔を引きつけるのに対し、等電子
トラップは短距離形の電子親和力の差により電子や正孔
を引きつけるため、等電子トラップであるTeに捕獲さ
れた電子の束縛力はClあるいはAlなどの浅いドナー
に捕獲された電子の束縛力と比べ大きく、束縛励起子の
再結合による発光の確率は極めて大きくなる。
【0013】また、等電子トラップであるTeでは、遷
移に関与する電子と正孔以外に粒子がないため遷移の際
にエネルギーの一部が非輻射中心に捕らえられてエネル
ギーを失うことがなく、発光効率の低下が極めて少なく
高輝度発光を呈する。
【0014】Sb、Biは母体であるZnCdSあるい
はZnCdSeの構成元素の一部を置換しドナーとして
働き導電性を与える役割をする。又目的に応じてドーピ
ンク゛濃度を変化させることにより発光効率を低下させる
ことなく導電性を制御することができる。
【0015】
【実施例1】図1は本発明の発光材料を合成するための
製造装置の概略を示してある。本製造装置は石英ガラス
により作製されている。
【0016】図1において1は原料室であり、この原料
室1に発光中心となるTeとドナーAとからなる溶媒に
ZnS、ZnSe、CdS、CdSeを混晶比に応じて
混合した発光材料の原料を秤量載置する。また3は前記
発光材料の原料2を加熱蒸発させ、発光材料4を析出さ
せる成長室である。前記原料室1に反応温度として70
0〜1000℃を加えることによりTeおよびSb濃度
比を制御し、前記成長室3を反応温度に対して20〜3
0℃下げた成長室温度を加えることにより温度差を利用
して成長室に発光材料4を析出させる。
【0017】一般式(Zn1ーXCdX)A:TeY,BZ
X=0、Y=0.01〜5、Z=0.005〜0.1、
A=S、B=Sbである発光材料ZnS:Te,Sbの
実施例を以下詳細に説明する。
【0018】Sb Te を0.0001〜10mol
/mol,ZnSを1molとなるように秤量して混合
し、製造装置の原料室1の位置に開孔口から仕込む。そ
の後、製造装置内を真空雰囲気にして開孔口を封止して
反応温度700℃〜1000℃を原料室に加える。又成
長室3には前記反応温度に対して約30℃下げた670
℃〜970℃の成長温度を加え、発光材料ZnS:T
e,Sbを析出させた。
【0019】本実験において作製したZnS:Te,S
bの電子線励起発光スペクトルを図2に示す。またTe
濃度による発光材料ZnS:Te,Sbの電子線励起発
光強度を図3に示す。発光材料ZnS:Te,Sbにお
けるSb濃度による電子線励起発光開始電圧及び相対発
光強度を図4に示す。
【0020】図2より発光材料ZnS:Te,Sbのピ
ーク波長は450nmである。これはTe発光中心によ
るピーク波長は450nmの青色発光を示すことが分か
る。従来、電子線励起青色発光材料として用いられてい
るZnS:Ag,Clと比較して同等の青色発光を示す
ことが図2のピーク波長から分かる。図3より発光材料
ZnS:Te,SbにおけるTe濃度が0.001〜5
atm/molである範囲の時は発光強度が従来のZn
S:Ag,Cl+In23蛍光体に比較して高いことが
わかる。又相対発光強度か図4に示すように、Sb濃度
が0.005〜0.1atm/molの範囲の時は発光
開始電圧が従来のZnS:Ag,Cl蛍光体より低く導
電物質を混合しなくても低電圧領域から良好な発光特性
を示すことが分かる。
【0021】
【実施例2】一般式(Zn1ーXCdX)A:TeY,BZ
X=0.1、Y=1、Z=0.1、A=Se、B=Bi
である発光材料Zn0.9Cd0.1Se:Te,Biの実施
例を以下詳細に説明する。
【0022】発光材料の原料となるBi2Te3を0.1
mol/mol、 ZnSeを0.90mol、CdSe
を0.1molとなるように秤量して混合し、製造装置
の原料室1に開孔口から仕込む。その後真空状態にし、
開孔口を封止して反応温度700℃〜1000℃を原料
室1に加える。又成長室3には成長室温度670℃〜9
70℃を加えることにより発光材料(Zn0.90
0.10)Se:Te,Biを析出させた。
【0023】本実験において作製した発光材料(Zn
0.90Cd0.10)Se:Te,Biの電子線励起発光スペ
クトルを図5に示す。また前記発光材料における陽極電
圧と電子線励起発光強度の関係を図6に示す。図5より
ピーク波長は540nmであり緑色発光を示すことが分
かる。又、従来の電子線励起緑色発光材料として用いら
れているZnS:Cu,Al+In23蛍光体と比較し
て同等の緑色発光を示すことが分かる。
【0024】図6より発光材料(Zn0.90Cd0.10)S
e:Te,Biの発光強度は従来例のZnS:Cu,A
l蛍光体に較べ強く、後述のSbをドナーとして用いた
場合と同様に低抵抗であるため発光開始電圧が低く導電
物質を混合しなくても低電圧領域から良好な発光特性を
示すことが分かる。
【0025】
【実施例3】一般式(Zn1ーXCdX)A:TeY,BZ
A=S、B=Sb、X=0.85、Y=1、Z=0.1
である(Zn0.15Cd0.85)S:Te,Sbの実施例を
以下詳細に説明する。
【0026】発光材料の原料となるTe2Sb3を0.1
mol/mol、 ZnSを0.15mol、CdSを
0.85molとなるように秤量して良く混合し、装置
の原料室1の位置に開孔口から仕込む。その後、開孔口
を真空封止して反応温度(に加える温度)700℃〜
1000℃を原料室に加える。成長室温度670℃〜9
70℃を成長室3に加え、(Zn0.15Cd0.85)S:T
e,Sbを析出させた。
【0027】本実験において作製した(Zn0.15Cd
0.85)S:Te,Sbの電子線励起発光スペクトルを図
7に、また電子線励起発光強度を図8に示す。図7より
ピーク波長は680nmであり赤色発光を示すことが分
かる。従来、電子線励起赤色発光材料として用いられて
いるZnCdS:Ag,Cl+In23蛍光体と比較し
て同等の赤色発光を示すことが分かる。図8より発光強
度は従来のZnCdS:Ag,Cl蛍光体に較べ強く、
低抵抗であるため発光開始電圧が低く導電物質を混合し
なくても低電圧領域から良好な発光特性を示すことが分
かる。
【0028】
【発明の効果】以上のように低速電子線励起で高輝度を
有する、青色から赤色まで発光することが可能な蛍光体
(Zn1−xCd)A:Te,B(ただし、AはS,
Seの中から1つ選ばれる。又、BはSb、Biの中か
ら1つ選ばれる。)を提供出来る効果を有する。又本発
明の発光材料において各発光の波長をZnS、ZnS
e、CdS、CdSeの混晶比で設定したので青から赤
まで目的の色を設定することができるばかりでなく、発
光強度を、例えば視感度を考慮した上での望ましい相対
強度となるように独立に設計する事が可能となる。ま
た、ドナーの種類や反応温度によりドーピング濃度を変
化させることにより発光効率を低下させることなく導電
性を制御する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光材料を合成する製造装置である。
【図2】本発明の発光材料ZnS:Te,Sbの発光ス
ペクトル図である。
【図3】本発明の発光材料ZnS:Te,SbのTe濃
度と相対発光強度の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の発光材料ZnS:Te,SbのSb濃
度と相対発光強度の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の発光材料(Zn0.9Cd0.1)Se:T
e,Biの発光スペクトル図である。
【図6】本発明の発光材料(Zn0.9Cd0.1)Se:T
e,Biと従来のZnS:Cu,Al+In23蛍光体
の陽極電圧と相対発光強度の関係を示すグラフである。
【図7】本発明の発光材料(Zn0.15Cd0.85)S:T
e,Sbの発光スペクトル図である。
【図8】本発明の発光材料(Zn0.15Cd0.85)S:T
e,Sbと従来のZnCdS:Ag,Cl+In23
光体の陽極電圧と相対発光強度の関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−100889(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/00 - 11/89

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式が(Zn 1−x Cd )Aで表わす
    (ただし、0≦x≦0.85,AはS,Seの中から1
    つ選ばれる。)母体材料に発光中心となるTeとドナー
    となるSb、またはBiをドーピングして形成された
    般式が(Zn1−xCd)A:Te,B(ただ
    し、0.01≦y≦5,0.005≦z≦0.1,Bは
    Sb、Biの中から1つ選ばれる。)で表わされる化合
    物からなる発光材料発光材料。
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