JP3032865U - 植木鉢用水位計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の磁石を利用した水位計は、電気的手段と
電源を必須要件とする。設置場所の限定又は漏電等の危
険性があり構造上の問題がある。また植木鉢の如く、簡
便かつ低コストを意図する物には不向である。直接目視
できない。等の課題がある。 【解決手段】本考案は、メンテナンスの容易化、低コス
ト化、構造の簡略化を図り、かつ市販の自動灌水鉢（装
置）に最適な水位計を提供する。その構成は、例えば、
栓で開閉される密閉型の植木鉢１である。この植木鉢の
密閉空間には上下動可能に磁石付きフロート２を設け、
この磁石付きフロートに設けられた棒状、ひも状等の磁
性体付き浮子体３は、当該磁石付きフロートと共に上下
動できる。前記植木鉢には、磁性体付き浮子体がガイド
する管体を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、密閉型（一例である。）の水タンク付き植木鉢（植木鉢とする。） に設けられる水位計に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、磁石を利用する水位計、液面計等（以下水位計とする。）は種々の構成 のものが市販又は提案されていること、及びこの種の水位計は植木鉢の分野から タンク（容器）の分野等多岐に亘る。そして、これに関する技術文献を挙げると 、前者としては、（１）特開平６−２２６５０号の鉢植え植物かん水のためのプ ランターがあり、この発明において、浮子とこの浮子を収容する筒状本体の上方 にメモリを表示し、このメモリと浮子の所定位置との整合を利用してプランター 内の水位の上下位置を確認する構成が開示されている。後者としては、（２）特 開平５−２８８５９５号の水位センサ、（３）特開平７−１２６２２号の水位検 知装置があり、その要旨は、浮子及びコイルとを利用し、このコイルのインダク タンスの変化で水位を検出し、その検出値を電気的手段を介して水位表示手段に 表示し、水位を視認できる構成となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記（１）の発明では、筒状本体及び浮子が植木鉢より突出する構成となるの で、邪魔になること、及び収容、携帯、運搬等の際に取り扱いに苦慮すること、 等の課題がある。また突出するが故、折損発生の蓋然性が高い等の課題がある。 また（２）、（３）の発明は、浮子を収容する連通管が水槽とは別体構成を採用 し、かつ電気的手段により検知、表示するので、装置（物）自体が複雑となり、 かつこの複雑による種々の弊害、例えば、製造機械、製造工程・段取り等の複雑 化を招来すること、又は故障、メンテナンス等に熟練及び手間を要し、簡易かつ 正確な目視等の面で課題を残す。殊に、これらの発明では、電気的手段と電源を 必須要件とすること、設置場所の限定又は漏電等の危険性があり構造上の問題が ある。また植木鉢の如く、簡便かつ低コストを意図する物には不向である。更に これらの発明では、電気的手段による表示構造であるので、凝似的表示にとどま ることから不安感がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記に鑑み、本考案は、メンテナンスの容易化、低コスト化、構造の簡略化を 図り、かつ各種の植木鉢（自動灌水鉢）に最適な水位計を提供すること、を目的 として、下記の構成を採用する。

【０００５】 本考案の植木鉢用水位計は、 植木鉢と、 この植木鉢の空間に上下動可能に設けられた磁石付きフロートと、 この磁石付きフロートの上下動で昇降する磁性体付き浮子体と、 この磁性体付き浮子体が設けられる前記植木鉢に設けたガイドと、 で構成される。

【０００６】 次に本考案の植木鉢用水位計は、 植木鉢と、 この植木鉢の空間に上下動可能に設けられた磁性体付きフロートと、 この磁性体付きフロートの上下動で昇降する磁石付き浮子体と、 この磁石付き浮子体が設けられる前記植木鉢に設けたガイドと、 で構成される。

【０００７】

【考案の実施の態様】

本考案はフロート（この項では、磁石付きフロート、磁性体付きフロートを総 称する。）が植木鉢の水位に順じて上下動する。このフロートには、当該フロー トに磁着（吸引）されるか又は当該フロートを磁着する浮子体（この項では、磁 性体付き浮子体、磁石付き浮子体を総称する。）が設けられている。したがって 、フロートは、植木鉢の密閉空間（一例である。）の水面に設けられており、例 えば、水の供給により水位が上昇（フロートが上方に移動）すると、これに伴っ て当該フロートは上昇する。またこのフロートに付随して浮子体が上昇する（以 下、原則として上昇とする。）。これによって、植木鉢の密閉空間に充填されて いる水位は、上方の目盛、浮子体の上下端の位置、突出長さ、他の目盛等の検知 手段を利用して読み取ることにより、水位を容易に確認できる。逆にフロートが 水の使用（培地の吸上げ）により水位が降下（フロートが下方に移動）すると、 このフロートに付随して浮子体が降下する（以下、原則として降下とする。）。 この降下による水位の読み取りは、前述した上昇の場合とほぼ同様である。

【０００８】 また本考案はフロートと浮子体とは磁着関係を有する構成であるので、浮子体 に僅かの衝撃を与えることにより前記磁着状態が弱くなり、浮子体はガイドの下 端に向って降下し、当該ガイド（植木鉢）に収容される（一例である。）。した がって、収容、保管又は運搬等において大いに重宝する。更に本考案の浮子体は 、種々の構成が可能であり、例えば、上方に折曲片、係止環等の陥没防止用の防 止部を設け、浮子体の引出しの容易化、又浮子体の密閉空間への落込み防止（い わゆる、浮子体の引出し不可の状況を回避する。）等の構成、又は逆に浮子体を 密閉空間に落込み式に収容する構成、等各種の構成が採用できる。更にまた浮子 体が邪魔となる場合も、前述と同様密閉空間に差込んで（収容して）おけばよい こと、及びこの差込みにより植木鉢の美感が保て大変有益である。また前記浮子 体に目盛、発光素子、発光塗料等の識別手段を設ける構成も可能である。更に浮 子体は着脱構造とし、この浮子体を多数の植木鉢に共通使用することも可能であ る。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１０】 １は密閉型の植木鉢で、この植木鉢１の密閉空間１００には、植木鉢１の水位 Ｈの昇降で上下動する磁石付きフロート２又は磁性体（鉄、ニッケル、コバルト 、他の磁性体等、以下同じ）付きフロート２ａが設けられている。この磁石付き フロート２又は磁性体付きフロート２ａには、磁性体３１１が設けられている棒 状、ひも状等の磁性体付き浮子体３、又は磁石３１１ａが設けられている棒状、 ひも状等の磁石付き浮子体３ａが上下動可能に貫設、挿設等により設けられてい る。

【００１１】 そして、前記磁石付きフロート２は、浮子２００と磁石２０１で構成される。 この磁石付きフロート２と磁性体付き浮子体３とは、各種の構成が考えられる。 例えば、図４（ａ）、（ｂ）に示す、浮子２００と磁石２０１とで構成する磁石 付きフロート２と、その一部又は全部を磁性体３１１で構成する磁性体付き浮子 体３と、の組合せでなり、前記磁石付きフロート２の磁石２０１の上下動で前記 磁性体付き浮子体３が上下する構造である。また磁性体付きフロート２ａは、浮 子２００と磁性体２０１ａとで構成される。この磁性体付きフロート２ａと磁石 付き浮子体３ａとは、各種の構成が考えられる。例えば、図５（ａ）、（ｂ）に 示す、浮子２００と磁性体２０１ａとで構成する磁性体付きフロート２ａと、そ の一部又は全部を磁石３１１ａで構成する磁石付き浮子体３ａと、の組合せでな り、前記磁性体付きフロート２ａの上下動で前記磁石付き浮子体３ａが上下する 構造である。

【００１２】 尚、磁性体付き浮子体３又は磁石付き浮子体３ａの上方には、陥没防止又はガ イド用として役立つ防止部、例えば、折曲片３１２、係止環３１３、係止突起（ 図示せず）、又はウエート兼用係止片３１４、時計、残留時間表示、残留量表示 等の他の機能を備えた係止片、等を設ける構成も可能である。

【００１３】 図中１０１は栓、１０２は磁性体付き浮子体３又は磁石付き浮子体３ａが挿通 又は被嵌される管、スリット付き管、棒等のガイドで、このガイド１０２は植木 鉢の密閉空間１００に立設されている（一例である。）。またこのガイド１０２ は密閉式が理想であるが限定されない。また磁性体付き浮子体３又は磁石付き浮 子体３ａの上端（先部）が植木鉢１より突出する構成も可能である。さらにこの ガイド１０２には、図例では磁石付きフロート２、磁性体付きフロート２ａが被 嵌されるが限定されない。

【００１４】 また図中４は給水装置、５はホース、をそれぞれ示す。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は前述の如く、植木鉢に設けた空間にフロート（この項では、磁石付き フロート、磁性体付きフロートを総称する。）、及びこのフロートで上下動する 浮子体（この項では、磁性体付き浮子体、磁石付き浮子体を総称する。）を昇降 可能に設け、この浮子体の昇降を利用して前記植木鉢の水位を確認する構成であ る。したがって、構造簡便で故障の心配がなく、かつ取扱いが容易である等の効 果がある。またこの結果として、メンテナンスの容易化、低コスト化、構造の簡 略化等が達成されること、及び各種の自動灌水鉢（装置）に最適な水位計を提供 できること、等の実用的な特徴がある。

【００１６】 また本考案は、収容・着脱自在な構成である。したがって、運搬の容易化又は 美感の向上、浮子体の保守管理等に役立つ考案である。また原則として、電気的 手段又は電源を要さないので、簡便かつ安全である利点を有する。またメンテナ ンスの容易化、低コスト化、等に役立つこと、又は自動灌水鉢に汎用的に利用で きる水位計を提供できること、等の特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の使用例の一つを示す断面図である。

【図２】本考案の磁性体付き浮子体等の一つの例を示す
拡大断面図である。

【図３】本考案の磁性体付き浮子体等の他の一つの例を
示す拡大断面図である。

【図４】同図（ａ）、（ｂ）は磁性体付き浮子体と磁石
付きフロート等の関係の一例を、それぞれ示す拡大断面
図である。

【図５】同図（ａ）、（ｂ）は磁石付き浮子体と磁性体
付きフロート等の関係の他の一例を、それぞれ示す拡大
断面図である。

【図６】本考案の磁性体付き浮子体等の更に他の一つの
例を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 植木鉢 １００ 密閉空間 １０１ 栓 １０２ ガイド ２ 磁石付きフロート ２ａ 磁性体付きフロート ２００ 浮子 ２０１ 磁石 ２０１ａ 磁性体 ３ 磁性体付き浮子体 ３ａ 磁石付き浮子体 ３１１ 磁性体 ３１１ａ 磁石 ３１２ 折曲片 ３１３ 係止環 ３１４ ウエート兼用係止片 ４ 給水装置 ５ ホース Ｈ 水位

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 植木鉢と、 この植木鉢の空間に上下動可能に設けられた磁石付きフ
   ロートと、 この磁石付きフロートの上下動で昇降する磁性体付き浮
   子体と、 この磁性体付き浮子体が設けられる前記植木鉢に設けた
   ガイドと、 で構成される植木鉢用水位計。
2. 【請求項２】 植木鉢と、 この植木鉢の空間に上下動可能に設けられた磁性体付き
   フロートと、 この磁性体付きフロートの上下動で昇降する磁石付き浮
   子体と、 この磁石付き浮子体が設けられる前記植木鉢に設けたガ
   イドと、 で構成される植木鉢用水位計。
3. 【請求項３】 上記浮子体の上端に折曲片、係止環、係
   止突起等の陥没防止用の防止部を設ける構成とした請求
   項１又は請求項２に記載の植木鉢用水位計。
4. 【請求項４】 上記植木鉢が密閉型の植木鉢である請求
   項１又は請求項２に記載の植木鉢用水位計。
5. 【請求項５】 上記浮子体に目盛、発光素子、発光塗料
   等の識別手段を設ける構成とした請求項１又は請求項２
   に記載の植木鉢用水位計。
6. 【請求項６】 上記浮子体の長さは植木鉢の高さより長
   く構成されていることを特徴とする請求項１又は請求項
   ２に記載の植木鉢用水位計。