JP3032508B1 - イカの甲羅及びカツオの内臓を主原料とする健康食品の製造方法 - Google Patents

イカの甲羅及びカツオの内臓を主原料とする健康食品の製造方法

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JP3032508B1 JP10316218A JP31621898A JP3032508B1 JP 3032508 B1 JP3032508 B1 JP 3032508B1 JP 10316218 A JP10316218 A JP 10316218A JP 31621898 A JP31621898 A JP 31621898A JP 3032508 B1 JP3032508 B1 JP 3032508B1
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光一 長房
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Abstract

【要約】 【課題】 本発明はイカの甲羅より抽出して得られたカ
ルシウム濃縮体又はイカの甲羅の粉末に、カツオの内臓
より抽出して得られたビタミンD含有成分を配合し、カ
ルシウム等の有効成分を人体に吸収し易くした健康食品
を提供しようとするものである。 【解決手段】 イカの甲羅を洗滌、乾燥し、粉末とした
ものを原料とし、これに酸と水とを添加し、カルシウム
と、イカの甲羅中のキチン、キトサン、その他のミネラ
ル等の有効成分を溶解含有して得られる原液又は粉末を
製造する第1工程と、イカの甲羅を洗滌、乾燥し、粉末
とした第2工程と、カツオの内臓を原料とし、これより
ビタミンDを主体として含有するエキス又はその乾燥粉
を製造する第3工程と、第3工程より得られるカツオ内
臓エキス又は乾燥粉を第1工程より得られるイカの甲羅
の抽出原液又はイカの甲羅粉末に配合しビタミンD及び
カルシウムの双方を含有する原液又は粉末を得、これを
顆粒状、粉末状又は液状の製品とする第3工程とより成
ることを特徴とするイカの甲羅及びカツオの内臓を主原
料とする健康食品の製造方法にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイカの甲羅より抽出
して得られたカルシウム濃縮体又はイカの甲羅の粉末
に、カツオの内臓より抽出して得られたビタミンD含有
抽出成分を配合し、カルシウム等の有効成分を人体に吸
収し易くした健康食品を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、イカの甲羅は、そのままで止血剤
として使用し、煎じて血圧低下の目的で飲用して効果が
あると言われていたが、近年、イカの甲羅粉末又は煎じ
液が胃や、腎または体質の改善効果、特に気管支ゼンソ
クの改善に効果があるとして飲用されている。しかしな
がら、従来、イカの甲羅を入手することが一般的に困難
であり、しかも、生臭くまた口当りが悪くて一般に飲用
し難く、したがって、イカの甲羅は健康食品として一般
的に有効利用されることがなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、本発明者
は、特許第2574657 号によりイカの甲羅を原料とする健
康食品の製造方法を発明した。本発明者は、その後、鋭
意研究を続行した結果、カツオの内臓を原料として得ら
れたエキス又は粉末をイカの甲羅より得られた原液と配
合し得られた抽出液又は粉末を製造すると、カツオの内
臓よりビタミンDを主体とするエキスが得られ、これを
イカの甲羅より得られる原液又はイカの甲羅粉末に配合
すると、カツオの内臓より抽出したエキス中にビタミン
Dが主体として含有することによりイカの甲羅より得ら
れたカルシウム、キチン、キトサン、その他のミネラル
等の有効成分が吸収しやすくなることを知見し、本発明
に到達したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は下記
の通りである。イカの甲羅を洗滌、乾燥及び粉砕し、粉
砕したイカの甲羅粉末を得る第1工程と、カツオの内臓
をミンチ又は砥石製グラインダー、石臼等の磨砕機によ
り細かく磨り砕し、これに原料に等量ないし6倍の水分
を添加し、50〜100 ℃で10分ないし60分加熱煮熟し、こ
の原液を濾過フィルタ又はスクリューデカンター等の固
液分離機により固形分を分離し、カルシウム及びビタミ
ンDを主体として含有するカツオ内臓エキスの抽出液成
分のみを取出す第2工程と、更にこの抽出液を50〜100
℃で10〜60分加熱煮熟し、再度固液を分離して抽出原液
を得る第3工程と、第3工程で得られるカツオの内臓よ
りの抽出原液を第1工程のイカの甲羅より得られる抽出
原液又は粉末と混合し、水分80〜10%に濃縮し、顆粒状
又は粉末状、液状の抽出物を得る第4工程とより成るこ
とを特徴とするイカの甲羅及びカツオの内臓を主原料と
する健康食品の製造方法にある。
【0005】
【0006】
【実施例】カツオの内臓からビタミンDを主体としたエ
キスを得るには各種の方法があるがその1〜2例を示
す。
【0007】人間のカルシウムの最大摂取量100 〜600
mgであり、ビタミンDは100 〜600 IUである。した
がって、この配合比1:1〜1:6の割合に基づきそれ
ぞれの混合率を決定する。イカの甲羅の成分分析の結
果、次のようなデータが得られた。
【0008】
【表1】
【0009】以上の分析より明らかなように、下記のこ
とが明らかとなった。 (a)リン酸の量が微量である。 (b)リン酸カルシウムはごく少量で、イカの甲の成分
の大部分は炭酸カルシウムであると考えられる。 (c)炭酸の比率の方がカルシウムの比率より大きいか
ら ・炭酸は、炭酸カルシウム以外の形でも存在している ・カルシウムはその全部が炭酸カルシウムになっている と推察される。 (d)乾物(イカの甲)の炭酸カルシウムは
【数1】 但し分析値に水分(1.7 %)が存在するから、これを補
正すると
【数2】 (e)イカの甲の中には約84%の炭酸カルシウムが含ま
れている。
【0010】実施例1 カツオの内臓をミンチ又は砥石製グラインダー、石臼等
の磨砕機により細かく磨り砕し、これに原料の等量から
6倍の水分を添加し、50〜100 ℃で10分から60分加熱煮
熟する。この原液を濾過フィルタ又はスクリューデカン
ター等の固液分離機により固形分を分離し、液分のみを
取出す。
【0011】更にこの液を50〜100 ℃で10分から60分加
熱煮熟し、前回と同様再度固液分離して得られた液分が
得られる。一般的にカツオの内臓分は油分が少ないが、
油分の多い時は油分離フィルタ、油遠心分離機、油分離
機により油分を取り除く。液分は濃縮装置等により、水
分80%〜40%の範囲で濃縮し、冷蔵庫で0℃〜5℃で保
存すれば鮮度が保持できる。このようにして得られたカ
ツオの内臓抽出成分をイカの甲羅の抽出成分に混合す
る。
【0012】イカの甲羅の粉末より抽出成分の製造法は
次の通りである。イカの甲羅を洗滌、乾燥及び粉砕し、
粉砕したイカの甲羅粉末1.5 kg、水20kg、食酢1kgを加
え1時間加熱煮熟し、定量の酸を加えてアルカリ分を中
和した後固形分を分離除去した。得られた原液を分析試
験した結果は表2に示す通りであり、その液にカルシウ
ム630 mg/100 gその他の溶解成分が認められた。
【0013】上述のようにして得られたカツオの内臓よ
り得られたエキス又はその粉末をイカの甲羅より得られ
たカルシウム、キチン、キトサンその他のミネラル等の
有効成分を含有して得られる原液に混合し、この液を50
〜100 ℃で10〜60分加熱煮熟し固液分離し、水分80〜40
%に濃縮して得られる液を冷蔵庫で0〜5℃で保存す
る。このようにして得られたカツオの内臓抽出原液には
ビタミンDが多く含まれるので、これをイカの甲羅より
得られた原液に配合すると、イカの甲よりの抽出原液中
に含まれるカルシウム及びキチン、キトサン等の有効成
分が容易に取出し易くなることが確かめられた。
【0014】実施例2 カツオの内臓をミンチ等の磨砕機により細かく磨り砕
し、これに原料の等量から6倍の水分を添加し、自己酵
素又は他の酵素添加を行い50〜60℃で30分から2時間の
範囲で酵素分解し、その後昇温し、酵素の働きを止める
ようにして失活させ、スクリューデカンター等の遠心分
離機、濾過フィルタにより固液分離し、液分のみを取出
す。油分は必要により油分離機により分離し、これを保
存する場合は濃縮装置で水分を80〜40%の範囲に濃縮
し、エキスとして冷蔵庫等にいれて0℃〜5℃で保存す
る。これに更にイカの甲羅粉末又はこれより得られたキ
チン、キトサン、その他のミネラル等の有効成分を含有
する抽出原液を混合する。
【0015】イカの甲羅の分析結果を図示すると図1に
示す通りである。実施例1で使用したイカの甲の抽出液
の供試品について、分析試験した結果の一例は下記の通
りである。
【0016】
【表2】
【0017】実施例1に使用したイカの甲の抽出液とカ
ツオの内臓エキスを混合したものを原料とした乾燥製品
を固形タブレットとしたものの分析結果は下記の通りで
あった。
【0018】
【表3】
【0019】実施例1に使用したカツオの内臓ソリユブ
ル(抽出液)について、分析試験した結果は下記の通り
である。
【0020】
【表4】
【0021】実施例1に使用したイカの甲の抽出液とカ
ツオの内臓エキスを混合したものを原料とした乾燥製品
を顆粒とした製品の分析結果は次の通りであった。
【0022】
【表5】
【0023】実施例1に使用したイカの甲の酸処理後の
抽出液を成分分析した結果の一例は次の通りである。
【0024】
【表6】
【0025】上記のイカの甲の粉末抽出液を分析試験し
た結果キチン、キトサンの含有量は下記の表7の通りで
あった。
【0026】
【表7】
【0027】実施例2に使用したカツオ肝臓の乾燥粉末
を分析試験した結果は下記の表8の通りである。
【0028】
【表8】
【0029】実施例1に使用したカツオの内臓より得ら
れた抽出液にイカの甲羅抽出液を混合して、同様の処理
を施した。このときに使用した乾燥粉末の分析結果の一
例は次の通りである。
【0030】
【表9】
【0031】甲イカの甲が、ゼンソクに効く;- 甲イカ
の甲羅は、ちょっと見たところ、白い発泡スチロールの
ような感じであるが、これはもともと、海の中で浮いた
り沈んだりする時に、このフネが魚の浮き袋のように働
いて、殻をコントロールする役目を果たしているもので
ある。
【0032】実施例2に使用したイカの甲羅の粉末のキ
チン、キトサンの分析結果は次の通りである。
【0033】
【表10】
【0034】乾燥すると、もろくて簡単に粉になるが、
このイカの甲には、上述したように炭酸カルシウムが80
〜85%も含まれ、そのほかには燐酸カルシウム、燐酸マ
グネシウム、塩化ナトリウムやニカワ質もあって、くっ
ついている。
【0035】いままでは、魚屋でも家庭でも、こればか
りは調理の邪魔物と言われ、あっさりと捨てられていた
ものであるが、このイカの甲が止血剤の特効薬であるこ
とが古くから知られている。
【0036】すなわち、中国では、ずっと昔から「鳥賊
骨」(うぞくこつ)と呼ばれ、漢方薬の処方に使われる
貴重な生薬の一つとされていた。古代中国における薬物
学の百科全書というべき「木草効網目」や「神農木草
経」には、このイカの甲は、婦人科病や外傷出血の止血
剤として塗り、胃酸の過剰分泌をおさえたり、胃や十二
指腸潰瘍などに煎じて飲むと記されているが、鳥賊骨が
ゼンソクに薬能があるとの記載はみられていない。
【0037】イカの甲がゼンソクに非常によく効くこと
は確かで、イカの甲の粉末を服用した所、百人中85人ま
でもがゼンソクが治ったことが確認されている。またあ
る病院が、3年〜27年の病歴を持つ、慢性的なゼンソク
患者8人に対して行った臨床実験ではイカの甲の粉を一
日3回、5g〜10g程度、2週間続けたところ、8人の
うち7人まで、頑固な発作がピタリと止まり、そのあと
の再発もなかった。そして、残りの一人も、完治までは
いかなかったが、症状はぐんと軽くなった。ゼンソクに
対する薬効が8人全部に現れたことが確認されている。
【0038】イカの甲は、なぜそんなに効くかについて
調べた所、イカの甲は「鳥賊骨」(うぞくこつ)と呼ば
れ漢方薬の生薬として使われている。鳥賊骨に関して
も、その薬理作用はまだ明らかにされていない。
【0039】気管支ゼンソクという病気は、肺呼吸器系
の病気には違いないけれど、その根底には、「アレルギ
ー体質」という厄介な体質に原因がある。そして、アレ
ルギーの正体は、現代医学でもまだ多くの謎の中にあ
る。ただ、おそらく先天的な体質に基づくものであるこ
とには相違ない。
【0040】中国医学では、この先天的な体質をつかさ
どるものを、「腎」であると考えている。ここでいう
「腎」は、西洋医学における腎臓も含むが、そのほかに
生殖機能や遺伝などに関わるすべてのものを指してい
る。
【0041】つまり、先天的なアレルギー体質によって
起こる気管支ゼンソクは、病気そのものの直接的な部位
は、肺や気管支であっても、体質に関する「腎」の病気
だと、中国医学では考えているのである。
【0042】そして、このイカの甲が「腎」に作用する
ものの一つで、アレルギーを改善していくのではないか
と考えられる。「腎」に作用したイカの甲が、ゼンソク
を、その根本のアレルギー体質から改善して、治療する
のだろうと言うわけである。
【0043】本発明者等は現在まだ西洋医学で解明がな
されていなくても、イカの甲から、ゼンソクに特効のあ
る有効成分が発見されることを確信している。私たちの
生活環境や食事の安全性は、年を追って悪化の一途をた
どっている。とくに都会では自動車の排気ガス、産業都
市では工場排気などの公害によって、気管支ゼンソクや
小児ゼンソクに悩む人が多くなっている。
【0044】
【発明の効果】化学的な薬剤と違って、どんなに飲み続
けても、副作用の心配のないイカの甲の粉は、これから
ももっと注目されると思われる。
【0045】本発明の製品においては、このようにイカ
の甲羅の粉末より得られた抽出原液又は粉末に更に、カ
ツオの内蔵より抽出して得られた原液又はその粉末を混
合して製造されるので、カツオの内臓より得られるビタ
ミンDを多く含有し、イカの甲の有効成分であるカルシ
ウム、キチン、キトサンその他の有効成分が容易に吸収
し易くなり、小児でも好んで飲食し得るカルシウム分と
ビタミンDの多い健康食品を一般に容易に入手可能とす
ることができると共に試用して、ゼンソクにもよくきく
有用な薬用効果があることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はイカの甲の分析結果を示す成分図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/29 - 1/305 A23L 1/325 A23L 1/333

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イカの甲羅を洗滌、乾燥及び粉砕し、粉
    砕したイカの甲羅粉末を得る第1工程と、カツオの内臓
    をミンチ又は砥石製グラインダー、石臼等の磨砕機によ
    り細かく磨り砕し、これに原料に等量ないし6倍の水分
    を添加し、50〜100 ℃で10分ないし60分加熱煮熟し、こ
    の原液を濾過フィルタ又はスクリューデカンター等の固
    液分離機により固形分を分離し、カルシウム及びビタミ
    ンDを主体として含有するカツオ内臓エキスの抽出液成
    分のみを取出す第2工程と、更にこの抽出液を50〜100
    ℃で10〜60分加熱煮熟し、再度固液を分離して抽出原液
    を得る第3工程と、第3工程で得られるカツオの内臓よ
    りの抽出原液を第1工程のイカの甲羅より得られる抽出
    原液又は粉末と混合し、水分80〜10%に濃縮し、顆粒状
    又は粉末状、液状の抽出物を得る第4工程とより成るこ
    とを特徴とするイカの甲羅及びカツオの内臓を主原料と
    する健康食品の製造方法。
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