JP3032197U - 建物の木製強力ラチス梁構造 - Google Patents

建物の木製強力ラチス梁構造

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Abstract

(57)【要約】 【目的】木造建築等において使用されるラチス梁構造の
剪断強度を向上させ経済的かつ強固で、施工後に生じた
梁のたわみを引き上げ調節可能な建物の木製強力ラチス
梁構造を提供する。 【構成】建物の柱の上端側に横長に組み付けられ、上弦
部12、下弦部14及びらちすを含み、矩形平板状に組
設されるラチス梁11であって、該ラチス梁の下弦部1
4の略中央位置を常時上方に引き上げ付勢力を賦与する
引き上げ付勢機構26を備えている。引き上げ付勢機構
26によりラチス梁11は剪断力が向上するため強固な
梁構造の建物を構築でき、該ラチス梁11は施工後に生
じた梁のたわみを引き上げ調節可能になった。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、木造若しくは鉄骨併用木造建築等の梁構造に使用される建物の木製 ラチス梁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造若しくは鉄骨建築等において簡単な構成の割には比較的その剪断強 度が高いラチス梁構造が梁構造として用いられている。建築基準法に依る鉄骨建 築は床面積200平米以上、木造建築では500平米以上は建築確認申請をして 建築許可を得なければならない。したがって、200平米ないし500平米未満 の建築制限内の建築床面積の場合であって、例えば倉庫や工場等の木造建築にお いては有効天井高を高くとり室内を有効利用するために屋根上面をフラットにで きるラチス梁構造が多く採用されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、屋根やラチス梁自体の自重によって梁中央にたわみが生じやす く、これを防止するためにより大型の梁構造にするか追加的に補強材を入れたり しなければならず、その分室内空間が狭くなるとともに建設費が高くなる等の問 題があった。また、建物施工後に生じた屋根やラチス梁自体の長期荷重によるラ チス梁のたわみは、梁の強度を低下させ追加補強工事等の維持費が必要になる等 の問題もあった。
【0004】 本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は 、木造建築等において使用されるラチス梁構造の剪断強度を向上させ経済的かつ 極めて強固な建物の木製強力ラチス梁構造を提供することである。第二の目的は 、建物施工後に生じたラチス梁構造のたわみを引き上げ調節可能な建物の木製強 力ラチス梁構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る考案では建物の柱の上端側に横 長に組み付けられ、上弦部12、下弦部14及びラチスを含み、矩形平板状に組 設されるラチス梁11であって、該ラチス梁の下弦部14の略中央位置を常時上 方に引き上げ付勢力を賦与する引き上げ付勢機構26を備えて構成される。
【0006】 また、請求項2に係る考案では、前記引き上げ付勢機構26は、前記ラチス梁 11の下弦部14の略中央位置に設けられた引き上げ部28と、該引き上げ部2 8と上弦部12の略両端側とに対角線状に引張状態で張架された張架索条40を 備えてなることとしてもよい。
【0007】 また、請求項3に係る考案では、前記張架索条40にはターンバックル機構4 6が取り付けられ、同張架索条の両端側は前記引き上げ部28と上弦部12の両 端部に固定させてなることとしても良い。
【0008】 また、請求項4に係る考案では、前記引き上げ部は回転プーリ52からなり、 前記張架索条40は該回転プーリ52の下端側の接線方向に沿うように係合し、 その両端を前記上弦部12の両端側に連結させ、引き上げ部28に作用させる上 方引張力を左右均等に及ぼすように張架させてなることとしてもよい。
【0009】
【考案の実施の形態】
本考案の建物の木製強力ラチス梁構造は、木製の長尺板からなる上弦部および 下弦部と短尺板からなるラチス構造とから構成される木造建築の梁構造に使用さ れるラチス梁である。例えば、並行に複数の木製の長尺板を長手方向に並べ、所 望する梁の高さに合わせた短尺板を前記長尺板の長手方向に直交する様に任意の 間隔に渡し、さらに隣合う前記短尺板の端部を斜めに結ぶ様に斜め短尺板を渡し て二組の矩形平板状を形成する。次に前記長尺板と短尺板の接合位置に矩形状の 連結板を挟着し、該連結板の板厚分だけ間隙層が離隔された三層からなる積層構 造とした木製ラチス梁の構成となっている。
【0010】 また、ラチス梁の上弦部と下弦部に使用される長尺板は、例えば短尺板を少な くとも三本以上連接する様な長さとなっている。長尺板と短尺板または斜め短尺 板の接合位置は必ず連結板を介して釘等により接合されている。前記連結板の形 状、大きさは任意である。また、斜め短尺板の端部が連係して蛇行している様に 配置して形成された三角ラチスを二分する様に短尺板が配置されている。これに より、長尺板の割付け長さと短尺板の間隔による接合位置の設定がし易くなって いる。梁の横剛性を低下させない様に、前記接合位置は他の接合位置の近傍に設 定しないほうが好ましい。
【0011】 前記ラチス梁は、長尺板と短尺板とで連結板を挟みこんで長尺板および短尺板 の両側外面より釘等を打ち付けて接合されている。この場合、釘等の本数は問う ものではなく、前記長尺板と短尺板と連結板を確実に接合するのに必要な任意の 数だけ使用してよいものである。しかし、釘等による接合に限られることはなく 、例えば木ネジ等をねじ込んでもよいし、ボルト等により長尺板と短尺板とを貫 通結合してもよい。
【0012】 本考案のラチス梁は、引き上げ付勢機構が該ラチス梁の下弦部の略中央位置を 常時上方に付勢しているので、該ラチス梁の剪断強度を向上させ強固な梁構造が 得られる。例えば、従来のラチス梁に本考案のラチス梁と同等の剪断強度を持た せるには梁高の長い梁構造が必要となり、結果室内空間が狭くなるとともに梁の 構成材が割高となる。
【0013】 また、前記引き上げ付勢機構は、引き上げ部と上弦部の略両端側とに張架され ている張架索条により構成される。そして、前記引き上げ部と上弦部の両端側と を対角線状に常時引張状態に張支している。したがって、垂直荷重に対して最も 効果的に梁の中に筋交いを入れた状態となる。よって、ラチス梁構造の剪断強度 を向上させ、該ラチス梁の屋根等の垂直荷重によるたわみを防止する。
【0014】 前記張架索条はラチス梁の積層構造の離隔された間隙に収容されるので邪魔に ならない。これは、張架索条を引張状態に張架しても平面視梁が反らない。また 、前記張架索条はターンバックル等に係止可能であり、かつ屋根やラチス梁の自 重に対抗し得る引張り強度を維持できればその材質は問われることはない。例え ば、亜鉛メッキ等が施されたワイヤー、棒鋼材等は引張り強度も高く耐食性もあ るので長期使用にも充分耐え得る。その他ロープ、鋼線、チェーン、針線等を使 用してもよい。
【0015】 また、前記張架索条にはターンバックル機構が取り付けられ、この張架索条の 両端側は、前記引き上げ部と上弦部の一端側に固定されている。ターンバックル の前記引き上げ部側には、張架索条例えばワイヤーの端部に接続された全ネジボ ルトが螺合され、他方の上弦部側には例えばフックボルトがそのまま螺合される 。したがって、ターンバックルを回動させれば前記張架索条を緊張緩和させるの は自在である。また、前記ターンバックルは一般的に入手し易い汎用形式のもの が好ましい。ターンバックルの数は問うものでなく必要な任意の数だけ設けても 良い。
【0016】 前記上弦部の両端側には、前記ターンバックルを接続する両側面には固定用の 孔が設けられた筒形金物が係着される。この筒形金物には、ターンバックルに接 続されたフックボルト等を係止する軸を備えている。例えば、上弦部の長尺板を 筒形金物に挿通しボルト等により二枚の長尺板とともに貫通して固定する。また 、棒鋼材等を使用した場合にはその先端をフック状に形成するか、フックボルト を係着してもよい。その他、ターンバックルの一端部に螺合した環状頭のボルト 等を軸に枢着してもよい。要は、前記筒形金物は張架索条の端部を確実に係止で きるのであればその形状は問われないし固定方法も限られない。前記筒形金物の 固定は例えば釘や木ネジ等でもよい。
【0017】 本考案に係わるターンバックル機構は、一般的なターンバックルの他に張架索 条の張力を自在に調節可能であればターンバックル等に限られることはない。例 えば、棒鋼材の一端に引き上げ部に係止するフックを形成し、他端にネジを切り ラチス梁の端部の短尺板に固定した平板状金物の開孔から外部に突出させてナッ ト等を螺合してもよい。
【0018】 前記引き上げ部は回転プーリからなり、該回転プーリの下端側の接線方向に沿 うように張架索条が係合される。前記回転プーリの溝に例えばワイヤーが係合し 、該回転プーリから左右に均等に上方引張力が伝達され、引き上げ部に作用する 上方引張力は前記上弦部の両端側にも左右均等に伝達している。したがって、前 記ターンバックルは張架索条のどの位置にあっても上方引張力は均等になる。こ の場合前記ターンバックルは前記ラチス梁の両端側どちらか片方に一つあれば確 実に機能する。しかし、張架索条の張力の調整代を大きく取るためにラチス梁の 両端側それぞれに設けてもよいものである。
【0019】 回転プーリの溝には張架索条が係合しつつ屋根やラチス梁の荷重が掛かるので 金属等の剛性の高い材質が好ましい。その他、剛性が高く形成が容易な例えば硬 質剛性樹脂等の材質で形成してもよいものである。しかしながら、回転プーリに 限られることはなく、要は張架索条が左右均等に上方引張力を及ぼす様な構成で あればよいものである。例えば、引き上げ部に係止ボルトを挿通し、張架索条と してワイヤーが係止ボルト下面に摺動する様な構成としてもよい。この場合、金 属パイプ等に係止ボルトを挿入するとワイヤーの摩耗が軽減される。
【0020】 その他、例えば前記ラチス梁の引き上げ部に回転プーリを用いず、係止ボルト を該引き上げ部に挿通し、該係止ボルトと上弦部の両端部との間に棒鋼材をそれ ぞれ張架してもよい。この場合ターンバックルはそれぞれの棒鋼材に設けたほう が好ましい。例えば、前記係止ボルトにターンバックルに螺合された棒鋼材の他 端部をフック状に形成し直接係止する。ワイヤーの場合にはその端部にフックボ ルト等を他端には全ネジボルト等を係着する。上弦部の両端部の接続は回転プー リを設けた場合と同様である。前記棒鋼材の緊張はそれぞれのターンバックルを 回動させて行なうことになる。この場合、前記引き上げ部から両側方向への緊張 はそれぞれ所望の張力に調整できる。
【0021】
【実施例】
以下、添付図面に基づき、本考案の好適な実施例を説明する。 図1は本考案の実施例に係る建物の木製強力ラチス梁構造10の一実施例を示 す一部を切り欠いた一部正面図である。図1においてラチス梁11は、矩形平板 状に形成された積層構造の梁構成として形成されている。 このラチス梁11は、図6、7にも示すように建物の柱Hの上端側に組み付け られ、上弦部12と下弦部14を含む。下弦部14の略中央位置には引き上げ付 勢機構26が設けられ、該ラチス梁11の下弦部14の略中央位置を常時上方に 引き上げ、ラチス梁11中央に生じやすい梁のたわみを防止している。 前記引き上げ付勢機構26は、ラチス梁11の上弦部12の両端13、13と 中央位置の引き上げ部28を張架索条40により対角線状に引張状態に張架して 構成されている。
【0022】 また、前記上弦部12の両端13、13には、ワイヤ42の端部42bに接続 されるフックボルト38を係止する軸35が設けられた筒形金物34が取付けら れている。前記筒形金物34は、ラチス梁11の上弦部12の両端13に長尺板 16a,16aを側面より係止ボルト36を貫通して固定している。筒形金物3 4を確実に固定できるような例えば釘や木ネジ等を使用してもよい。前記張架索 条40は、引き上げ部と上弦部との引張力を保持し得る強度を有する索条体であ れば良く、たとえばワイヤー、ロープ、鋼線、チェーン、針線その他任意の材料 を用いて良い。
【0023】 図2からも分かるように、前記ラチス梁11の具体的な構成は、木製の長尺板 16からなる上弦部12および下弦部14と、短尺板18からなるラチスから構 成される木造建築の梁構造に使用されるラチス梁11である。 さらに詳しく説明すれば、図2に示すように並行に複数の木製の長尺板16を 長手方向に並べ、所望する梁の高さに合わせた短尺板18を前記長尺板16の長 手方向に直交するように任意の間隔に渡し、斜め短尺板20で前記短尺板18を 斜めに結ぶ様に渡して二組の矩形平板状を形成する。次に該短尺板18と斜め短 尺板20の接合位置に矩形状の連結板22を挟着させ、該連結板22の厚み分間 隙が離隔される積層構造とした木製ラチス梁11の構成となっている。前記連結 板22は、接合位置に合わせた任意の形状、大きさに形成してよいものである。
【0024】 図8および図9からも分かる様に、実施例におけるラチス梁11は上下弦部1 6a、16b、短尺板18、20で形成された第1、第2ラチス梁11a、11 bを連結板22で連結固定させて中央に間隙24をおいて挟むようにサンドイッ チ状の三層からなる積層構造の梁構成である。これによって、強度的にも極めて 高いものとなると同時に内部側の間隙24に張架索条40を配置張架させ、引張 引き上げ力がどちらかの側に偏重的に負荷されないように中央部分で引張力がか かるように位置決めをも行う。 すなわち、前記上弦部12および下弦部14の長尺板16,16に、上下それ ぞれに挟着された連結板22の厚み分だけ離隔され間隙24を形成する。この間 隙24はラチス梁11の上弦部12と下弦部14との間を該ラチス梁11の長手 方向に沿って形成されている。前記間隙24の中を上弦部12の両端13、13 と中央位置の引き上げ部28を対角線状に張架する様に張架索条40が通係され る。ラチス梁11の平面視中央を張架索条40が通係するので、張架索条40を 引張状態に張架してもどちらかに反る様なことはない。
【0025】 また、図3には上弦部12の両端13側に設けられたターンバックル機構46 が示されている。図3では仮想線で示された筒形金物34に挿通された長尺板1 6aを貫通して係止ボルト36により固定されている。ターンバックル48の両 端13側にはフックボルト38が螺合され、もう一方の他端には、ワイヤー42 の端部42bに接続された全ネジボルトが螺合している。図示はしないが、筒形 金物34は本実施例の様な箱状以外に、略中央に開孔された矩形平板金物をラチ ス梁11両端上部の短尺板18、18の外側であって連結板22付近に固定して もよい。この場合、一端にネジを切った棒鋼材を矩形平板金物の開孔から外部に 突出させナット等を螺合し棒鋼材を緊張させる。前記棒鋼材の他端にはフックを 形成し引き上げ部28の係止ボルトに係止させる。
【0026】 図4にはラチス梁11の下弦部14の略中央位置に設けられた引き上げ部28 が示され、U形金物30内に短尺板18、18と連結板22とともに係止ボルト 32により貫通固定されている。さらに、係止ボルト32には回転プーリ52が 回動自在に枢着されている。前記回転プーリ52の下端側の溝54に張架索条4 0としてのワイヤーが係合し、該ワイヤーを緊張するようにターンバックル48 を回動させると、左右均等に上方引張力を伝達している。したがって、ラチス梁 11に掛かる負荷を左右両側の柱に均等に振り分けられる。 なお、本実施例においては、張架索条40による引き上げ力を付勢賦与する引 き上げ部を回転プーリとしているが、索条40の両端係止、あるいは固定部分に ついてのみフックボルト等の棒鋼材を用いて係止させるようにしても良い。
【0027】 本考案の建物の木製強力ラチス梁構造10は、例えば図6に示す様に例えば倉 庫や工場等の建物のラチス梁11である。前記ラチス梁11は建物の柱Hの上端 側に横長に組み付けられ、さらに方杖T等で補強し強固に建物を支持している。 図中、仮想線で示す様に建物施工後に生じたラチス梁11のたわみを容易に水 平に戻すことが可能である。ターンバックル機構46のターンバックル48を回 動させ張架索条40を緊張するという簡単な作業でよい。したがって、足場を組 むといった補強工事を必要とせず、結果建物の施工後の維持費をきわめて廉価に できる。また、歪んだ屋根からの雨漏り等の心配もない。
【0028】 具体的には図7に示す様な使用形態でラチス梁11建物を構築している。本考 案のたわみを防止したラチス梁11であることによりフラットな屋根を葺くこと ができる。また、前記ラチス梁11は従来のラチス梁に比べ小型化されるため、 建物の高さに対して有効天井高を高くとることが可能となった。特に倉庫や工場 等においては、有効天井高が高くなれば大型機械や天井走行クレーン等の設置の 自由度が非常に高い。
【0029】 次に、図5に基づき引き上げ付勢機構26の他の実施例を説明するが、前記し た実施例と同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。 本実施例において、下弦部14の中央部である引き上げ部28を斜め上方に引 張するのは剛体である金属製棒鋼材44からなる。 図において、ラチス梁11の下弦部14の中央位置の引き上げ部28に回転プ ーリ52を用いない一例である。例えば、引き上げ部28において針11の下弦 部寄りの中央部には係止ボルト32が第1、第2ラチス梁11a、1bを連結す るように縫い刺し状に固定されている。そして、この係止ボルト32に棒鋼材4 4の一端部をフック状に形成して係止する。この場合にも、ターンバックル機構 を取り付けた場合には簡単に左右の緊張バランスを変化調整させることができる 。棒鋼材44は必要な引張り強度があればその材質は問われない。
【0030】
【考案の効果】
以上説明した様に、請求項1に係る建物の木製強力ラチス梁構造によれば、 建物の柱の上端側に横長に組み付けられ、上下弦部及びラチスを含み、矩形平板 状に組設されるラチス梁であって、該ラチス梁の下弦部の略中央位置を常時上方 に引き上げ付勢力を賦与する引き上げ付勢機構を備えてなることにより、建物の 木製強力ラチス梁構造のラチス梁はたわみを常時防止し、梁の強度低下をなくし 、耐震性も高いまま建物を維持できる。さらに、梁強度が高いと梁は小さくて済 み建物の高さに対して有効天井高を高く取ることが可能となる。さらに、特に倉 庫や工場等において大型機械や天井走行クレーン等の設置の自由度が高くなる。 また、屋根や梁の自重から梁構造がたわみ、これが原因で生じる屋根等の歪から の雨漏り等がなくなる。
【0031】 また、請求項2によれば、前記引き上げ付勢機構は、前記ラチス梁の下弦部の 略中央位置に設けられた引き上げ部と、該引き上げ部と上弦部の略両端側とに対 角線状に引張状態で張架された張架索条を備えてなることにより、ラチス梁を対 角線状に張架するときわめて効果的に剪断強度を高くし、特に倉庫や工場等の梁 スパンの広い建物の場合にも対応できる。また、張架索条にワイヤーや鋼線を使 用することにより材料原価を廉価にできる。
【0032】 また、請求項3によれば、前記張架索条にはターンバックル機構が取り付けら れ、同張架索条の両端側は前記引き上げ部と上弦部の両端部に固定されてなるこ とにより、建物施工後にラチス梁にたわみが生じてもきわめて容易に水平に戻す ことが可能となった。ターンバックル機構により張架索条を緊張させるだけでよ い。結果、足場を組む様な追加補強工事等の必要がなく建物の施工後の維持費を きわめて廉価にできる。また、工場等で事前にラチス梁を製作するときに張架索 条を引張状態に張架し、そのまま建設現場へ搬入しすぐ組み付けられる。
【0033】 また、請求項4によれば、前記引き上げ部は回転プーリからなり、前記張架索 条は該回転プーリの下端側の接線方向に沿うように係合し、その両端を前記上弦 部の両端側に連結させ、引き上げ部に作用させる上方引張力を左右均等に及ぼす ように張架させてなることにより、ラチス梁に生じたたわみを水平に戻す場合に 、張架索条を緊張するときに生じる負荷を両側の柱支持部に均等に振り分け建物 は安定している。また、ラチス梁に掛かる屋根等の荷重をラチス梁両端側の支持 部の柱に確実に伝達する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係る建物の木製強力ラチス梁
構造の一実施例を示す一部を切り欠いた一部正面図であ
る。
【図2】建物の木製強力ラチス梁構造の構成の一例を示
す斜視説明図である。
【図3】建物の木製強力ラチス梁構造の上限部の両端側
の一部拡大斜視図である。
【図4】建物の木製強力ラチス梁構造の下弦部の中央位
置の一部拡大斜視図である。
【図5】建物の木製強力ラチス梁構造のその他の実施例
の下弦部の中央位置の一部拡大斜視図である。
【図6】建物の木製強力ラチス梁構造の構築状態を示す
構成説明図である。
【図7】建物の木製強力ラチス梁構造により構築した建
物の骨組状態を示す説明参考図である。
【図8】図1のA−A線切断部端面拡大図である。
【図9】図1のB−B線切断部端面拡大図である。
【符号の説明】
10 建物の木製強力ラチス梁構造 11 ラチス梁 12 上弦部 14 下弦部 26 引き上げ付勢機構 28 引き上げ部 40 張架索条 46 ターンバックル機構 52 回転プーリ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】 建物の木製強力ラチス梁構造により構築した
建物の骨組状態を示す説明図である。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の柱の上端側に横長に組み付けら
    れ、上下弦部及びラチスを含み、矩形平板状に組設され
    るラチス梁であって、 該ラチス梁の下弦部の略中央位置を常時上方に引き上げ
    付勢力を賦与する引き上げ付勢機構を備えてなる建物の
    木製強力ラチス梁構造。
  2. 【請求項2】 前記引き上げ付勢機構は、前記ラチス梁
    の下弦部の略中央位置に設けられた引き上げ部と、該引
    き上げ部と上弦部の略両端側とに対角線状に引張状態で
    張架された張架索条を備えてなる請求項1記載の建物の
    木製強力ラチス梁構造。
  3. 【請求項3】 前記張架索条にはターンバックル機構が
    取り付けられ、同張架索条の両端側は前記引き上げ部と
    上弦部の両端部に固定されてなる請求項2記載の建物の
    木製強力ラチス梁構造。
  4. 【請求項4】 前記引き上げ部は回転プーリからなり、
    前記張架索条は該回転プーリの下端側の接線方向に沿う
    ように係合し、その両端を前記上弦部の両端側に連結さ
    せ、引き上げ部に作用させる上方引張力を左右均等に及
    ぼすように張架させてなる請求項1又は2記載の建物の
    木製強力ラチス梁構造。
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