JP3032051U - 摩耗防止加工を施した金属製多層ベルト - Google Patents
摩耗防止加工を施した金属製多層ベルトInfo
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- JP3032051U JP3032051U JP1996005083U JP508396U JP3032051U JP 3032051 U JP3032051 U JP 3032051U JP 1996005083 U JP1996005083 U JP 1996005083U JP 508396 U JP508396 U JP 508396U JP 3032051 U JP3032051 U JP 3032051U
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属ベルト単体にサンドブラスト或はショッ
トピーニング法により微小な略断面円弧状をなす無数の
凹部からなる油溜りを形成した、摩耗防止加工を施した
金属製多層ベルトを提供する。 【解決手段】 金属ベルト単体にサンドブラスト或はシ
ョットヒーニングでショットを高速に噴射して無数の凹
部からなる油溜りを形成し、この金属ベルト単体を複数
枚重ね合わせる。金属ベルト単体を複数枚重ね合わせて
成り、各金属ベルト単体は片面又は両面にその金属の硬
度と同等以上の硬度を有する20〜200μmのショッ
トを噴射速度50m/sec以上で噴射し、表面付近の
温度を再結晶温度以上に上昇させ表面に極めて高い表面
硬度と疲労強度を得ると共に微小な略断面円弧状をなす
無数の凹部からなる油溜りが形成される。
トピーニング法により微小な略断面円弧状をなす無数の
凹部からなる油溜りを形成した、摩耗防止加工を施した
金属製多層ベルトを提供する。 【解決手段】 金属ベルト単体にサンドブラスト或はシ
ョットヒーニングでショットを高速に噴射して無数の凹
部からなる油溜りを形成し、この金属ベルト単体を複数
枚重ね合わせる。金属ベルト単体を複数枚重ね合わせて
成り、各金属ベルト単体は片面又は両面にその金属の硬
度と同等以上の硬度を有する20〜200μmのショッ
トを噴射速度50m/sec以上で噴射し、表面付近の
温度を再結晶温度以上に上昇させ表面に極めて高い表面
硬度と疲労強度を得ると共に微小な略断面円弧状をなす
無数の凹部からなる油溜りが形成される。
Description
【0001】
本考案は、自動車の変速機等に用いられる摩耗防止加工を施した金属製多層ベ ルトに関する。
【0002】
自動車の変速機その他動力伝達用として用いられる金属製多層ベルトがあり、 これは金属ベルト単体を複数枚重ね合わせて所定の強度となるように形成されて いる。この種の金属製多層ベルトはテンションを掛けて回されるため、金属ベル ト単体同士が擦れて摩耗する欠点がある。 このような欠点を防止するため、従来例えば図4に示すように金属ベルト単体 Aの片面又は両面にクロス研磨法、フォトエッジング法等により油溝Bを形成し 、この油溝B内に油が浸透して金属ベルト単体A同士の摩擦による摩耗を防止し ている。
【0003】
しかしながら、前記クロス研磨法は、ホーニング盤を用いてホーニングの送り 速度を速くして金属表面に交叉状のホーニング加工を施し、研磨して油溝となる 凹部を形成する方法であるが、表面粗さの大小に拘らず研磨で金属表面を削るた め、金属強度が低下すると共に製造コストが高くなる問題点がある。 一方、フォトエッジング法は油溝となる模様の原図を作成し、それを写真撮影 して原版を作り、次いでエッジング加工する金属面を洗浄してフォトレジストを 塗布し、原版を通して露光現像した後表面被膜を除去し、更にこの表面にエッジ ング液を接触させ、化学的腐食或は電解腐食させて洗浄し、油溝となる凹部を仕 上げる方法であるが、多くの工程を通るため工程管理が煩雑となり、製造コスト が高く、薬品や薬液を使用することで危険性もある等の問題点がある。
【0004】 本考案は、このような従来の問題点を解決するためになされ、サンドブラスト 法又はショットピーニング法により金属ベルト単体に微小な略断面円弧状をなす 無数の凹部からなる油溜りを形成した、摩耗防止加工を施した金属製多層ベルト を提供することを目的とする。
【0005】
前記課題を技術的に解決するための手段として、本考案は、金属ベルト単体に サンドブラスト或はショットピーニングでショットを高速に噴射して無数の凹部 からなる油溜りを形成し、この金属ベルト単体を複数枚重ね合わせて成る、摩耗 防止加工を施した金属製多層ベルトを要旨とする。 又、金属ベルト単体を複数枚重ね合わせて成り、各金属ベルト単体は片面又は 両面にその金属の硬度と同等以上の硬度を有する20〜200μmのショットを 噴射速度50m/sec以上で噴射し、表面付近の温度を再結晶温度以上に上昇 させ表面に極めて高い表面硬度と疲労強度を得ると共に微小な略断面円弧状をな す無数の凹部からなる油溜りが形成されている、摩耗防止加工を施した金属製多 層ベルトを要旨とする。
【0006】
以下、本考案の実施の形態を添付図面に基づいて詳説する。 図1において、1は金属ベルト単体であり、例えば鉄−炭素系鋼板或はステンレ ス鋼等を材料として所定幅で所定の大きさのリング状に形成され、この金属ベル ト単体1の表面にショットピーニング加工2を施して、図2に示すように微小な 略断面円弧状をなす無数の凹部からなる油溜り3を形成する。
【0007】 前記ショットピーニング加工2は、金属ベルト単体1の表面にその金属の硬度 と同等以上の硬度を有する直径20〜200μmの略球状のショットを噴射速度 50m/sec以上で噴射する。これにより、金属ベルト単体1の表面付近の組 織を微細化させて表面圧縮応力を付与し、きわめて高い表面硬度と疲労強度を得 ると共に表面に油膜切れが生じ難い微小な略断面円弧状をなす凹部の油溜り3を 無数に形成することができる。
【0008】 前記油溜り3の形成された金属ベルト単体1は、図3に示すように径の異なる ものを複数枚(例えば10〜12枚)重ね合わせることにより1本の金属製多層 ベルト4を形成し、例えば自動車の変速機その他動力伝達用として使用すること ができる。この場合、各金属ベルト単体1は重ね合わせるだけで相互に固着しな い。
【0009】 金属製多層ベルト4はテンションを掛けた状態で回されるため、金属ベルト単 体1同士が擦れるが、前記のように各金属ベルト単体1の表面には無数の凹部か らなる油溜り3が存在するので、予め油溜り3に給油しておけば金属ベルト単体 1の摩耗を極力防止して、金属製多層ベルト4の耐久性を向上させることができ る。
【0010】 前記油溜り3は略断面円弧状をなす凹部となっているため油膜切れが生じ難く 、しかも無数に形成されているので油回りが良好であると共に一旦給油すれば長 持ちするのでメンテナンスも楽である。
【0011】 尚、前記金属ベルト単体1は片面(表面)のみに油溜りを形成した例を示した が、これに限定されずに両面(表裏面とも)に油溜りを形成するようにしても良 い。又、油溜りはショットピーニング法のみならずサンドブラスト法によっても 形成することが可能である。
【0012】
以上説明したように、本考案によれば、サンドブラスト法或はショットピーニ ング法により金属ベルト単体の片面或は両面に微小な略断面円弧状をなす無数の 凹部からなる油溜りを形成したので、金属ベルト単体の摩耗を極力防止すると共 に金属製多層ベルトの耐久性を向上させる効果を奏する。 又、本考案によれば、ホーニング加工のように金属強度を低下させたり製造コ ストを高騰させることはなく、エッジング加工のように工程管理が煩雑となり、 製造コストが高くなり、薬品や薬液を使用することから危険であるといったよう なこともないので製造上好都合である。
【図1】 本考案の実施の形態における金属ベルト単体
にショットピーニング加工を施す状態を示す説明図であ
る。
にショットピーニング加工を施す状態を示す説明図であ
る。
【図2】 金属ベルト単体に形成された油溜りを示す模
式図である。
式図である。
【図3】 金属製多層ベルトの一例を示す斜視図であ
る。
る。
【図4】 従来例を示す一部斜視図である。
1…金属ベルト単体 2…ショットピーニング加工 3…油溜り 4…金属製多層ベルト
Claims (2)
- 【請求項1】 金属ベルト単体にサンドブラスト或はシ
ョットピーニングでショットを高速に噴射して無数の凹
部からなる油溜りを形成し、この金属ベルト単体を複数
枚重ね合わせて成ることを特徴とする摩耗防止加工を施
した金属製多層ベルト。 - 【請求項2】 金属ベルト単体を複数枚重ね合わせて成
り、各金属ベルト単体は片面又は両面にその金属の硬度
と同等以上の硬度を有する20〜200μmのショット
を噴射速度50m/sec以上で噴射し、表面付近の温
度を再結晶温度以上に上昇させ表面に極めて高い表面硬
度と疲労強度を得ると共に微小な略断面円弧状をなす無
数の凹部からなる油溜りが形成されたことを特徴とする
摩耗防止加工を施した金属製多層ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996005083U JP3032051U (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 摩耗防止加工を施した金属製多層ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996005083U JP3032051U (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 摩耗防止加工を施した金属製多層ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3032051U true JP3032051U (ja) | 1996-12-13 |
Family
ID=43166978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1996005083U Expired - Lifetime JP3032051U (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 摩耗防止加工を施した金属製多層ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3032051U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10137608B4 (de) * | 2000-08-02 | 2017-06-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Verfahren zur Herstellung eines Endlosmetallriemens |
-
1996
- 1996-06-05 JP JP1996005083U patent/JP3032051U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10137608B4 (de) * | 2000-08-02 | 2017-06-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Verfahren zur Herstellung eines Endlosmetallriemens |
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