JP3031997U - 建築物内装用枠材及び建築物内装枠用部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、施工後に部屋側に角部が表出しな
い枠の施工作業が極めて容易に行うことができる建築物
内装用枠材及び建築物内装枠用部材を提供することを課
題とする。 【解決手段】 本考案に係る建築物内装用枠材は、建築
物の内壁と係合される内壁取付面3 と、該内壁取付面3
に隣接する側面6,7 と、該側面6,7 に隣接し施工後にド
ア枠等の内面を形成する枠面5 とからなる断面略長方形
状の木質板材から形成されてなり、且つ内壁取付面3 に
は建築物の内壁材51の端部と係合する為の被係合部3aが
形成され、前記枠面5 と隣接し施工後に建築物の部屋側
に表出する側面6 が枠面5 から湾曲又は鈍角で立ち上が
ってなり、しかも少なくとも側面6及び被係合部3aより
も枠面5 側に位置し施工後に建築物の部屋側に表出する
内壁取付面3 の表出面3bには塗装が施された構成からな
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、建築物内装用枠材及び建築物内装枠用部材に関するものであり、よ り詳しくは、マンション等の建築物のドア枠、サッシ枠、クローゼット枠等の枠 に用いられる枠材、及び、建築物のドア枠等に取付けられる建築物内装枠用部材 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、建築物のドア枠、サッシ枠、クローゼット枠等の枠は、施工現場に おいて建造物の内壁の厚み等の寸法にあわせて断面長方形状の板材を加工して、 内壁と組み合わされて施工されて、その後に施工された枠を塗装するものであっ た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の如く施工現場における板材の加工、及び、施工後に枠を 塗装する作業は煩雑であった。

【０００４】 また、上記の如く断面長方形状の板材より施工された枠は、建築物の部屋側に 表出する部分に直角の角部が存在し、該角部に居住者等が当接すると怪我等の危 険も存在し、さらに外観上も好ましくないという問題点を有する。 しかるに、かかる問題点については上記の如き従来の施工方法にあっても、施 工現場において断面長方形状の板材を加工することにより、解決することも考え られるが、かかる加工作業は上記と同様煩雑である。

【０００５】 そこで、本考案はこのような問題点を解決するためになされたもので、施工後 に部屋側に角部が表出しない枠の施工作業が極めて容易に行うことができる建築 物内装用枠材及び建築物内装枠用部材を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決すべく、本考案に係る建築物内装用枠材は、建築物の内壁と係 合される内壁取付面3 と、該内壁取付面3 に隣接する側面6,7 と、該側面6,7 に 隣接し施工後にドア枠等の内面を形成する枠面5 とからなる断面略長方形状の木 質板材から形成されてなり、且つ内壁取付面3 には建築物の内壁材51の端部と係 合する為の被係合部3aが形成され、前記枠面5 と隣接し施工後に建築物の部屋側 に表出する側面6 が枠面5 から湾曲又は鈍角で立ち上がってなり、しかも少なく とも側面6 及び被係合部3aよりも枠面5 側に位置し施工後に建築物の部屋側に表 出する内壁取付面3 の表出面3bには塗装が施された構成からなる。

【０００７】 上記構成からなる建築物内装用枠材は、内壁取付面3 の被係合部3aに建築物の 内壁材51の端部を係合せしめることにより、塗装が施され部屋側に直角の角部が 存在しない枠を容易に形成することができる。

【０００８】 また、本考案に係る建築物内装用枠材は、請求項３記載の如く、枠面5 にはド ア、サッシ等の部材52を取付ける為の取付溝部4 が形成された構成を採用するこ も可能である。

【０００９】 該構成からなる請求項３記載の建築物内装用枠材を用いて施工された建築物の 枠は、その枠面5 の取付溝部4 を利用してドア、サッシ等の部材52を簡易に取付 けることができる。

【００１０】 さらに、本考案に係る建築物内装枠用部材は、請求項４記載の如く、建築物の 枠体31の正面端部を嵌入可能な溝部32が形成された取付用背面33と、該取付用背 面33に隣接する側面34,35 と、該側面34,35 に隣接し施工後に建築物の部屋側に 表出する正面36とからなる断面略長方形状の木質板材から形成されてなり、且つ 前記正面36が側面34,35 から鈍角で立ち上がった湾曲面として形成されてなり、 しかも少なくとも側面34,35 及び正面36には塗装が施された構成からなる。

【００１１】 該構成からなる請求項４記載の建築物内装枠用部材は、枠体31によって構成し た建築物の枠に、該枠体31の正面端部を取付用背面33の溝部32に嵌入することに より、直角の角部が存在しない建築物の枠を施工することができる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

本考案に係る建築物内装用枠材の実施形態を、以下、図１乃至図４を参照しな がら説明するが、まず、マンションの部屋同士を内壁によって仕切り、該内壁に 設けられるドア枠に適用される建築物内装用枠材について説明する。

【００１３】 図１に於いて、１は、枠の縦方向の側面部分に用いられる略長方形状の縦枠材 本体を示す。

【００１４】 該縦枠材本体1 の一面は、マンションの内壁材51の端部を嵌着可能な二条の溝 2,2 が刻設された内壁取付面3 として形成されている。尚、本実施形態において 該溝2 が本考案の被係合部3aに相当する。

【００１５】 また、該内壁取付面3 に相対向する面は、ドア部材52が取付けられる取付溝部 4 が刻設された枠等の内面を形成する枠面5 として形成されている。

【００１６】 さらに、該内壁取付面3 及び枠面5 に隣接する両側面6,7 は湾曲面として形成 され、該側面6,7 は枠面5 に対して鈍角で立ち上がって形成されてなる。

【００１７】 また、該枠材本体1 は、前記両側面6,7 、枠面5 、及び溝2,2 間以外の内壁取 付面3 において塗装が施されている。尚、本実施形態の建築物内装用枠材におい て溝2,2 間以外の内壁取付面3 が本考案の表出面3bに該当する。

【００１８】 さらに、本考案の別の実施形態として、図２に示すように、枠の横方向の下面 部分に用いられる略長方形状の下枠材本体について説明するに、該下枠材本体11 は、図２に示すように一面がケコミ53の上端突出部を嵌着可能な一条の溝12が刻 設された取付面13として形成され、該取付面13と相対向する上面が平滑な枠面15 として形成され、これらの面に隣接する両側面16,17 が前記枠面15から湾曲して 連続に形成されている。

【００１９】 上記実施形態の建築物内装用枠材を用いることで、図３に示すように縦枠材本 体1 を左右に、該縦枠材本体1 と同形状の上枠材本体21を上方に、上記下枠材本 体11を下方に配置して、組み合わされることによってマンションのドア枠を施工 することができる。

【００２０】 このように、本実施形態の建築物内装用枠材を用いることにより、溝の形成等 の板材の加工を行うことなく、極めて容易にマンションのドア枠を施工すること ができる。

【００２１】 さらに、両側面6,7 が枠面5 から湾曲又は鈍角で立ち上がっているので、直角 の角部が存在せず、居住者等が直角の角部にぶつかり怪我をする等がなく、安全 であるという利点を有する。

【００２２】 また、建築物内装用枠材は木質材料よりなり、施工後に部屋側に表出する両側 面6,7 、枠面5 及び内壁取付面3 の表出面3bには塗装が施されており、両側面6, 7 が枠面5 から湾曲又は鈍角で立ち上がっているので美感に優れており、しかも 施工後に塗装等を行う必要がなく、作業性において優れている。

【００２３】 さらに、木質材料からなるので火災等が発生しても、塩化ビニル等の樹脂成型 品に比して有毒ガス等が発生することがないという利点をも有する。

【００２４】 本実施形態の建築物内装用枠材は上記構成からなり、上述の如き利点を有する が、本考案は上記実施形態の構成に限定されるものではない。

【００２５】 即ち、上記実施形態に於いては、マンションのドア枠に適用される場合につい て説明したが、本考案に係る建築物内装用枠材はサッシ枠、クローゼット枠等の その他の枠についても適用することができる。

【００２６】 また、上記実施形態においては両側面6,7,16,17 が枠面5,15から湾曲又は鈍角 で立ち上がっているものについて説明したが、本考案に係る建築物内装用枠材は 、施工後に建築物の部屋側に表出する側面6 が枠面5 から湾曲又は鈍角で立ち上 がっているものであれば良く、例えば図４に示すように施工後に建築物の部屋側 に表出する一方の側面6 が枠面5 から湾曲して形成され、他方の側面7 が直角に 立ち上がっているものであっても本考案の範囲に属する。尚、図４に示す建築物 内装用枠材は、サッシ枠として採用されており、54はサッシ部材を示す。

【００２７】 さらに本考案は建築物の内壁材51と係合される建築物内装用枠材に限定される ものでなく、例えば図５に示すように枠体31によって構成した建築物の枠に、該 枠体31の正面側より取付けられる建築物内装枠用部材も請求項４記載の考案の範 囲に属するものである。 かかる図５に示す建築物内装枠用部材は、建築物の枠体31の正面端部を嵌入可 能な溝部32が形成された取付用背面33と、該取付用背面33に隣接する側面34,35 と、該側面34,35 に隣接し施工後に建築物の部屋側に表出する正面36とからなる 断面略長方形状の木質板材から形成されている。また正面36は側面34,35 から鈍 角で立ち上がった湾曲面として形成されており、該側面34,35 及び正面36には塗 装が施されており、これにより、直角の角部が存在せず塗装された建築物の枠を 極めて容易に施工することができる。

【００２８】

【考案の効果】

叙上のように、本考案に係る建築物内装用枠材は上記構成からなるので、内壁 取付面の被係合部に建築物の内壁材の端部を係合せしめて施工することによって 、施工現場での板材の加工及び塗装作業を不要とすることができ、建築物の枠の 施工作業を極めて容易に行うことができるという効果を奏する。

【００２９】 また、両側面が枠面から湾曲又は鈍角で立ち上がって構成されるので、部屋側 には直角の角部が存在しないので、居住者等が直角の角部にぶつかり怪我をする こと等がないという効果を奏するとともに、部屋側に角部が存在せず、木質の材 質からなり、塗装も施されているので、デザイン上も優れた効果を有する。

【００３０】 さらに、木質材料からなるので火災等が発生しても、塩化ビニル等の樹脂成型 品に比して有毒ガス等が発生することがないという効果をも有する。

【００３１】 また、本考案に係る請求項３記載の建築物内装用枠材は、枠面に取付溝部が形 成されてなるので、該枠材を用いて施工された建築物の枠は、その枠面の取付溝 部を利用してドア、サッシ等の部材を取付けることができ、そのドア、サッシ等 の取付作業を極めて簡素化することができる。

【００３２】 さらに、本考案に係る請求項４記載の建築物内装枠用部材は、枠体によって建 築物の枠を形成し、該枠体の正面端部を溝部に嵌入せしめることにより、塗装が 施され部屋側に直角の角部が存在しない枠を容易に形成することができ、施工現 場での板材の加工及び塗装作業を不要とすることができるという効果を奏すると ともに、施工後の枠の部屋側には直角の角部が存在しないので居住者等が直角の 角部にぶつかり怪我をすること等がないという効果を奏する。 しかも部屋側に角部が存在せず、木質の材質からなり、塗装も施されているの で、デザイン上も優れた効果を有するとともに、木質材料からなるので火災等が 発生しても有毒ガス等が発生することがないという効果をも奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態の建築物内装用枠材の平面
図。

【図２】本考案の一実施形態の建築物内装用枠材の側面
図。

【図３】本考案の一実施形態の建築物内装用枠材を使用
したマンションのドア枠の正面図。

【図４】本考案の一実施形態の建築物内装用枠材の使用
状態を示す断面平面図。

【図５】本考案の一実施形態の建築物内装枠用部材の使
用状態を示す断面平面図。

【符号の説明】

１…縦枠材本体 2,12…溝 ３…内
壁取付面 3a…被係合部 3b…表出面 ４…取
付凹部 5,15…枠面 6,7,16,17 …側面 11…下
枠材本体 13…取付面 21…上枠材本体 31…枠体 32…溝部 33…取
付用背面 34,35 …側面 36…正面 51…内壁材 52…ドア部材 53…ケ
コミ 54…サッシ部材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築物のドア枠、サッシ枠、クローゼッ
   ト枠等の枠部分に用いられる建築物内装用枠材であっ
   て、建築物の内壁と係合される内壁取付面(3) と、該内
   壁取付面(3) に隣接する側面(6,7) と、該側面(6,7) に
   隣接し施工後にドア枠等の内側面を形成する枠面(5) と
   からなる断面略長方形状の木質板材から形成されてな
   り、且つ内壁取付面(3) には建築物の内壁材(51)の端部
   と係合する為の被係合部(3a)が形成され、前記枠面(5)
   と隣接し施工後に建築物の部屋側に表出する側面(6) が
   前記枠面(5) から湾曲又は鈍角で立ち上がってなり、し
   かも少なくとも側面(6) 及び被係合部(3a)よりも枠面
   (5) 側に位置し施工後に建築物の部屋側に表出する内壁
   取付面(3) の表出面(3b)には塗装が施されてなることを
   特徴とする建築物内装用枠材。
2. 【請求項２】 前記被係合部(3a)が、長手方向に穿設さ
   れた二条の溝(2,2) から構成されてなる請求項１記載の
   建築物内装用枠材。
3. 【請求項３】 前記枠面(5) にはドア、サッシ等の部材
   (52)を取付ける為の取付凹部(4) が形成されてなる請求
   項１又は２記載の建築物内装用枠材。
4. 【請求項４】 建築物の枠体(31)の正面端部を嵌入可能
   な溝部(32)が形成された取付用背面(33)と、該取付用背
   面(33)に隣接する側面(34,35) と、該側面(34,35) に隣
   接し施工後に建築物の部屋側に表出する正面(36)とから
   なる断面略長方形状の木質板材から形成されてなり、且
   つ前記正面(36)が側面(34,35) から鈍角で立ち上がった
   湾曲面として形成されてなり、しかも少なくとも側面(3
   4,35) 及び正面(36)には塗装が施されてなることを特徴
   とする建築物内装枠用部材。