JP3031926B2 - ゴム製品などのワークの傷検査方法 - Google Patents

ゴム製品などのワークの傷検査方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、ゴム製品などの回転体の表面を画像処理に
よって検査する方法に関する。
〔従来の技術および問題点〕
自動車用保安部品であるピストンカップのようなゴム
製品の傷検査は、熟練検査員によって目視によって行わ
れている。ゴム製品では、一般に表面の光の反射率が低
いために、傷部位と表面とのコントラストが悪く、さら
に塵やごみの付着が傷との識別を困難にしている。この
ため、画像処理によるゴム製品の傷検査の自動化は、難
しいものとされており、実際にまだ実用化されていな
い。
〔発明の目的〕
したがって、本発明の目的は、コントラストの悪いゴ
ム製品などの傷部位を強調し、また塵やごみの付着に影
響されない画像処理アルゴリズムを構築することによ
り、ゴム製品などの傷検査を画像処理の分野によって容
易に自動化できるようにすることである。
〔発明の解決手段〕
第1図は、検査対象ワークの回転状況、およびカメラ
の視野(X×Y)内での傷やごみなどの付着状態を示し
ている。
ゴム製品などの検査対象のワークが回転体であるか
ら、回転軸を中心として線対称の状態にある。したがっ
て、ワークのある視野での画像と、それからワークを微
小角度だけ回転させて得られる視野での画像とが本来同
一でなければならない。
このことから、以下の演算処理が実行される。2枚の
画像について対応の画素間の濃度差が小さければ、それ
らの2点の画像の平均値を別に用意した結果収納メモリ
に入力し、濃度差が大きくしかも濃度値の低い画素の濃
度値が近傍領域の平均濃度値よりも低いときに、その画
素の部分が傷要素として結果収納メモリに低い画素の濃
度値が入力され、フラグ用メモリにフラグをたて、また
2点の画像の濃度差が大きく、濃度値の低い画素の濃度
値が近傍領域の平均濃度値よりも高いかほぼ等しいとき
に平均濃度値を結果収納メモリに入力するという演算を
行う。続いて、対象ワークを微小角だけ回転させ、上記
演算処理を繰り返す。この過程で、フラグ用メモリにフ
ラグがたてられているとき、このフラグの画素は走査し
ないものとする。このフラグにより次回の比較処理や演
算処理が省略でき、また次回の適用時に、傷要素の濃度
が誤って傷以外の濃度に置き換えられることもなくな
る。
第2図は第1画面FM(1)、第2画面FM(2)、第3
画面FM(3)、第4画面FM(4)について順次演算処理
を行い、結果収納メモリに傷の部分を入力し、またその
傷部位に応じてフラグ用メモリにフラグをたてる状態を
観念的に示している。
この演算処理により、通常の表面の濃度値は、平均化
され、また傷部位は、結果収納メモリに順次拡大的に蓄
積され、また塵やごみの付着した部分の濃度値は、通常
の表面の平均濃度値に置き換えられていく。したがっ
て、以上の処理の後に、結果収納メモリの記憶内容か
ら、傷部位が容易に識別できることになる。
また、本発明は、上記演算処理を基礎として、傷のな
いマスターワークおよび検査対象のワークについて、結
果収納メモリに微分処理、孤立点除去処理を施し、それ
らの処理を対応する転送用メモリに転送し、2つの転送
用メモリのマッチング処理を行うことによって、検査対
象のワークの傷を検出するようにしている。
〔実施例〕
第3図は、本発明の傷検査方法を実施するためのシス
テム構成を示している。
ゴム製品などの検査対象のワーク1は、中心軸2の周
りの回転体であり、回転テーブルなどの上に乗った状態
で、中心軸2を回転軸とする回転機構3によって中心軸
2の周りに回転できるようになっている。
そして、この検査対象のワーク1の表面は、照明4の
もとでカメラ5によって撮像される。この照明4および
カメラ5は、第4図に示すように、ワーク1の接線面に
対し光学的に同じ角度φとなるように配置されている。
この角度φは、カメラ5の画像上で傷の部位がワーク1
の表面よりも可能な限り暗くなるように設定される。第
1図に見られるように、カメラ5の視野の大きさは、
(X×Y)であり、またワーク1の半径は、rであり、
回転機構3の回転角のピッチは、θとして設定される。
ここで、回転移動量が円周方向の長さXよりも充分に小
さくつまりX≫rθと設定されるものとすれば、カメラ
5がワーク1の表面を順次撮像する過程で、1つの傷
は、連続する撮像過程で、視野内に数回現れることにな
る。なお、撮像の繰り返し回数すなわち演算処理の繰り
返し数Nは、ワーク1の全周を一定の回転ピッチθで撮
像する回数であるから、N=〔2π/θ〕+1で与えら
れる。
そして、カメラ5は、画像処理装置6に接続され、そ
の内部のA/D変換器7を介し、2つの画像メモリ81、8
2、さらにCPU9に接続されている。このCPU9は、本発明
の検査方法を実行するために、プログラム収納用のROM1
0に接続され、さらに結果収納メモリ11(M)、転送用
メモリ13(M1)、転送用メモリ14(M2)、フラグ用メモ
リ12(F)および回転量制御のために、回転機構3に接
続されている。なお、これらのメモリ11、12、13、14、
81、82は、それぞれプログラム上で括弧内の記号M、
F、M1、M2、画像メモリ1、画像メモリ2として表され
ている。
第5図は、画像メモリ81、82、結果収納メモリ11およ
びフラグ用メモリ12および転送用メモリ13、14の構造を
示している。
まず、画像メモリ81は、(K×L)画素の大きさで、
その濃度値は8ビット、またnを奇数としたときの第n
画面(FM(n))を構成する。次に画像メモリ82も、
(K×L)画素の大きさで、濃度値は8ビット、nを偶
数としたときの第n画面(FM(n))を構成する。続い
て、結果収納メモリ11(M)は、(K×L)画素の大き
さで、濃度値は8ビットである。さらに、フラグ用メモ
リ12(F)は、(K×L)画素の大きさで、濃度値は1
ビットである。また転送用メモリ13と14の大きさと濃度
値は画像メモリ81、82と同一である。
傷部位の強調は、第6図のフローチャートにより、ま
たその中での演算処理は、第7図に示すフローチャート
にしたがって行われる。
ここに、i、jはメモリ配列要素番号、nは、ワーク
回転のステップ数、fn(i、j)は第n画面の画素
(i、j)の濃度値、aは第n画面と第n−1画面の同
一画素間の濃度差の絶対値、F(i、j)はフラグ用メ
モリ12の画素(i、j)の濃度差、M(i、j)は結果
収納メモリ11の画素(i、j)の濃度値、bは、第n画
面または第n−1画面の同一位置画素の低い方の濃度
値、b1は第n画面または第n−1画面の低い方の濃度を
持つ画素の8近傍画素の濃度平均値、αは濃度差の閾値
である。
第6図に示すように、傷強調処理の過程で、フラグ用
メモリFのクリア、第1画面FM1の撮像、FN1→結果収納
メモリMの転送の後に、n=1と設定され、次の画面の
撮像に入る。
この次のステップで、n=n+1の設定後、回転角ピ
ッチθの回転によって、第n画面の撮像が設定され、第
n画面FM(n)の撮像対比画素の初期設定のために、i
=0、j=0と設定された後、j=j+1、i=i+1
の設定によって、演算すべき画素が指定され、その画素
について演算が行われた後、iについての全ての画素数
Kの演算処理が行われたら、次に全ての行数Lについて
の演算処理が行われたかどうかの判断がなされ、当該第
n画面についての全ての画素について演算処理が行われ
たら、全ての画面(繰り返し数)Nについて繰り返し同
様の処理が行われる。
前記演算は、第7図のフローチャートに基づいて行
われる。
まず、フラグ用メモリFについてその有無のチェック
が行われ、YESであるとき、フラグがたった部分を走査
せず、演算処理を適応しないで、リターンに行くが、NO
であるときに演算処理に入り、2枚の画像の対応する画
素点の間で絶対値aが求められる。この絶対値aと閾値
αとの比較が行われ、NOであるときに加算平均値が求め
られ、メモリM(i、j)に格納される。しかし、YES
であるときに、傷部位またはごみなどの高輝度部が検出
されたものとして、次のステップで2枚の画素の濃度値
の比較が行われる。比較の結果YESであるとき、前の画
素について低濃度値bが設定され、その画素についての
8近傍の平均値b1が表面の濃度値として設定される。ま
たNOであるとき、今の画素について低濃度値bが設定さ
れ、8近傍の平均値b1が設定される。次に、低濃度値b
と平均値b1との絶対差と閾値αとの大小比較が行われ、
NOであるとき、その低濃度値bの画素が表面の低濃度で
あるとし、そのメモリM(i、j)に平均値b1が格納さ
れる。また、YESであるとき、低濃度値bと平均値b1と
の大小比較が行われ、YESであるとき、その低濃度値の
画素がごみなどの低濃度であるため、前記NOの場合と同
様に、低濃度値bが平均値b1に置き換えられる。しか
し、NOであるとき、その低濃度値bは、傷と対応してい
るため、結果収納メモリM(i、j)にその低濃度bが
入力され、フラグ用メモリF(i、j)にフラグがセッ
トされる。このような演算処理は、全ての撮像画面の画
素について順次繰り返される。
さて、傷検査方法は、第8図にしたがって実施され
る。
まず最初に、マスターワークがセットされ、このマス
ターワークについて傷強調処理が行われる。続いて、結
果収納メモリMに対し垂直微分処理を行い、垂直エッジ
を抽出する。ここで、垂直微分処理を行うのは、画面上
の回転方向がX軸に沿うため、レンズが水平エッジとし
て出現しやすく、これを避けるためである。垂直微分処
理は、第9図に示すような(3×3)マスタフィルター
を結果収納メモリMに適用し、ある閾値βよりも小さけ
れば、「0」、そうでなければ「1」とするような処理
を施せばよい。そして、続いて孤立点除去処理によっ
て、濃度値M(i、j)=1であるメモリの8近傍に
「1」の濃度値がなければ、濃度値M(i、j)=0と
する処理を施し、ノイズによるエッジを消去する。この
ようにして得られる結果収納メモリMの内容をメモリM1
に転送する。マスターワークを外し、対象ワーク1をセ
ットした後、同様の処理を繰り返すことにより、得られ
る結果収納メモリMの内容をメモリM2に転送する。
この後のマッチング処理は、x方向、y方向ともに±
1画素の余裕度を求めて行う。
このマッチング処理は、各画面の画素毎に比較し、全
ての画素について傷をカウントし、最終的に閾値との比
較によって、傷無しまたは傷有りと判定する。第10図の
マッチング処理過程で、初期化の後に、判別要素番号
i、jに対して、M2(i、j)が1であり、かつM1
(i、j)および8近傍点の濃度値1の点がなければ、
カウント値Cを1プラスする処理を施す。ここで、カウ
ント値Cは、画像中の傷の要素数を意味し、初期要件と
して「0」に設定されている。メモリM1とメモリM2の全
てのメモリ要素にこの処理を施した後、設定された閾値
SLよりもカウント値Cが大きいか等しければ対象のワー
ク1に傷有りと判定し、そうでなければ傷無しと判定す
る。
第11図および第12図は、マスターワークと対象ワーク
との関係で、微分処理、孤立点除去処理を行い、最終的
に傷を判定する過程を示している。濃度値1の画素数C
がC≧SLであるため、傷有りと判定される。
また、第13図および第14図は、同様にマスターワーク
と対象ワークとの関連で、傷検出過程を示している。特
に、この例は、視野内にワークの稜線が現れる場合を示
している。この処理過程でも、同様に微分処理、孤立点
除去処理が行われ、最終的にマッチングによって、傷の
有無が判別される。
〔発明の効果〕
本発明では、下記の特有の効果が得られる。
(1) 結果収納メモリでワーク表面部の濃度値が加算
平均処理により均一化されるため、ノイズが発生しにく
く、微分処理が行いやすくなる。
(2) ごみやほこりなどの高輝度部が傷強調処理によ
って消去され、ワーク表面の濃度値で置き換えられるた
め、高輝度部が傷として検出されなくなる。
(3) 傷部位がワークの微小角度の回転により結果収
納メモリの中で複数回出現するため、小さい傷でも誤り
なく高い頻度で発生できる。
(4) 最終的な傷判断がマスターワークとのマッチン
グ処理によって行われるため、画像上にワークの稜線な
どが現れたとしても、その影響がなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図はワークの斜面図、第2図は傷強調処理の説明
図、第3図は検査システムのブロック線図、第4図は照
明とカメラとの配置状態の平面図、第5図はメモリの構
成図、第6図は傷強調処理のフローチャート図、第7図
は演算処理のフローチャート図、第8図は傷検出のフロ
ーチャート図、第9図は垂直エッジ検出フィルターの説
明図、第10図はマッチング処理のフローチャート図、第
11図は傷検出の説明図、第12図は傷検出過程での撮像状
態の斜面図、第13図は傷検出の説明図、第14図は傷検出
の撮像状態の斜面図である。 1……検査対象のワーク、2……中心軸、3……回転機
構、4……照明、5……カメラ、6……画像処理装置、
7……A/D変換器、81、82……画像メモリ、9……CPU、
10……ROM、11……結果収納メモリ、12……フラグ用メ
モリ、13、14……転送用メモリ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心軸を含む断面形状が常に線対称である
    ゴム製品などの検査対象のワークの表面の傷検査におい
    て、 中心軸を回転軸とする回転機構と、ワークの表面を照ら
    す照明と、ワークの表面を撮像するカメラと、カメラか
    らの画像信号を入力し処理する画像処理プログラムを内
    蔵する画像処理装置とを用い、 検査対象のワークの表面を撮像する過程、ワークを微小
    角だけ回転させ、再びワークの表面を撮像する過程、こ
    れらの撮像により得られる2つの画像を比較し、2つの
    画像での対応する画素間の濃度差が小さいときにそれら
    の平均値を結果収納メモリに入力し、2つの画像での対
    応する濃度差が大きくかつ濃度値の低い画素の濃度値が
    近傍領域の平均濃度値よりも低いときに傷要素としてそ
    の濃度値を結果収納メモリに入力し、フラグ用メモリに
    フラグをたて、また2つの画像での対応する濃度差が大
    きく、濃度値が近傍領域の平均濃度値よりも高いかほぼ
    等しいときに平均濃度値を結果収納メモリに入力する演
    算過程、以上の各過程の処理を繰り返し、フラグのたて
    られていない部分について上記演算過程を適用しないで
    結果収納メモリの傷部位を強調することを特徴とするゴ
    ム製品などのワークの傷検査方法。
  2. 【請求項2】中心軸を含む断面形状が常に線対称である
    ゴム製品などの検査対象のワークの表面の傷検査におい
    て、 中心軸を回転軸とする回転機構と、ワークの表面を照ら
    す照明と、ワークの表面を撮像するカメラと、カメラか
    らの画像信号を入力し処理する画像処理プログラムを内
    蔵する画像処理装置とを用い、 傷のないマスターワークの表面を撮像する過程、マスタ
    ーワークを微小角だけ回転させ、再びマスターワークの
    表面を撮像する過程、これらの撮像により得られる2つ
    の画像を比較し、2つの画像での対応する画素間の濃度
    差が小さいときにそれらの平均値を結果収納メモリに入
    力し、2つの画像での対応する濃度差が大きくかつ濃度
    値の低い画素の濃度値が近傍領域の平均濃度値よりも低
    いときに傷要素としてその濃度値を結果収納メモリに入
    力し、フラグ用メモリにフラグをたて、また2つの画像
    での対応する濃度差が大きく、濃度値が近傍領域の平均
    濃度値よりも高いかほぼ等しいときに平均濃度値を結果
    収納メモリに入力する演算過程、以上の各過程の処理を
    繰り返し、フラグのたてられていない部分について上記
    演算過程を適用しないで結果収納メモリの傷部位を強調
    する処理を行った後、結果収納メモリに微分処理と孤立
    点除去処理とを施し、転送用メモリ1に転送する過程、 次に検査対象のワークの表面を撮像する過程、ワークを
    微小角だけ回転させ、再びワークの表面を撮像する過
    程、これらの撮像により得られる2つの画像を比較し、
    2つの画像での対応する画素間の濃度差が小さいときに
    それらの平均値を結果収納メモリに入力し、2つの画像
    での対応する濃度差が大きくかつ濃度値の低い画素の濃
    度値が近傍領域の平均濃度値よりも低いときに傷要素と
    してその濃度値を結果収納メモリに入力し、フラグ用メ
    モリにフラグをたて、また2つの画像での対応する濃度
    差が大きく、濃度値が近傍領域の平均濃度値よりも高い
    かほぼ等しいときに平均濃度値を結果収納メモリに入力
    する演算過程、以上の各過程の処理を繰り返し、フラグ
    のたてられていない部分について上記演算過程を適用し
    ないで結果収納メモリの傷部位を強調する処理を行った
    後、結果収納メモリに微分処理と孤立点除去処理とを施
    して転送用メモリ2に転送する過程、 これらの転送用メモリのマッチング処理を行い、検査対
    象のワークの傷を検出することを特徴とするゴム製品な
    どのワークの傷検査方法。
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DE19514039B4 (de) * 1995-04-13 2006-01-19 Trützschler GmbH & Co KG Vorrichtung an einer Spinnereivorbereitungsmaschine, z. B. Karde, Krempel o. dgl.
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DE102012216618A1 (de) 2012-09-18 2014-03-20 Robert Bosch Gmbh Anordnung von mindestens zwei Wafern zum Detektieren von elektromagnetischer Strahlung und Verfahren zum Herstellen der Anordnung
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