JP3031518B2 - 側音回路 - Google Patents

側音回路

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JP3031518B2
JP3031518B2 JP5197471A JP19747193A JP3031518B2 JP 3031518 B2 JP3031518 B2 JP 3031518B2 JP 5197471 A JP5197471 A JP 5197471A JP 19747193 A JP19747193 A JP 19747193A JP 3031518 B2 JP3031518 B2 JP 3031518B2
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義範 浜沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、側音を防止する側音回
路に関し、回線に接続される電話機等に使用される。
【0002】
【従来の技術】2線式の音声信号を4線式の音声信号に
変換する側音回路は、自らの音声信号を回線に送出する
とき、その音声信号が受話信号側に漏れることを防止す
る回路となっている。
【0003】図4は、この側音回路の従来技術の原理を
示している。すなわち、送話信号を反転増幅器31に導
き、反転増幅器31の出力をトランスT3を介して回線
に送出する。また、反転増幅器31に入力される信号と
反転増幅器31から出力される信号とを、反転増幅器3
1の増幅率に対応した比率で加算する加算器32を設
け、その加算結果を受話信号としている。そのため、加
算器32の出力には送話信号は出力されず、トランスT
3を介して導かれた受話信号のみが現れる。
【0004】図5は、上記原理を用いた実用回路を示し
ており、図4に示す反転増幅器31を、送話信号増幅器
32の出力がベースに導かれたトランジスタQ21とし
ている。また、加算回路を、抵抗R21,R22と、可
変抵抗器VRとからなる加算回路としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示す回路においては、加算回路における加算比率をトラ
ンジスタQ21の増幅率に対応した比率とする必要があ
る。このことは、トランジスタQ21の増幅率のばらつ
きに対応するため、可変抵抗器VRが不可欠であり、そ
の調整が必要となることを意味する。すなわち、電話機
の製造においては、可変抵抗器VRの調整工程が必要と
なることから、製造工程の工程数が増加するといった問
題があった。
【0006】本発明は上記課題を解決すべく創案された
ものであり、その目的は、反転増幅器を構成するトラン
ジスタのコレクタが接続されたコイルに、反転増幅器に
入力される信号と同相の信号を発生させ、トランジスタ
の出力に等価的な負帰還を与えてトランジスタの増幅率
のばらつきを補償することによって、加算回路の加算比
率の調整を不要とすることのできる側音回路を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の側音回路は、回線が接続される一次コイル
と一方の端子が共に接地された第1の二次コイル及び第
2の二次コイルとが巻回されたトランスと、前記第1の
二次コイルの他方の端子にその出力が接続された送話信
号増幅器と、第2の二次コイルの他方の端子にコレクタ
が接続され、ベースに前記送話信号増幅器の出力が導か
れたトランジスタと、一方の端子が前記送話信号増幅器
の出力に接続された第1の抵抗と、一方の端子が前記第
1の抵抗の他方の端子に接続され、他方の端子が前記ト
ランジスタのコレクタに接続された第2の抵抗とを備え
た構成とし、第1の二次コイルの前記他方の端子と第2
の二次コイルの前記他方の端子とを同相の端子とし、第
1の抵抗と第2の抵抗との接続点を受話信号の出力点と
している。
【0008】
【作用】トランジスタは送話信号増幅器の出力の反転増
幅を行い、増幅した出力をコレクタに送出する。そのた
め、第1の二次コイルには送話信号増幅器の出力電流が
流れ、第2の二次コイルには反転増幅された出力電流が
流れる。また、第2の二次コイルには、第1の二次コイ
ルに流れた電流によって誘導された電流も流れる。そし
て、第2の二次コイルに流れるこれら2種類の電流は、
第1の二次コイルの他方の端子と第2の二次コイルの他
方の端子とが同相であることから、その流れる方向が互
いに反対の電流となる。
【0009】つまり、トランジスタのコレクタ電圧のみ
に着目したときには、その電圧は、トランスを介して等
価的に負帰還がかけられた電圧となる。このことは、ト
ランジスタの増幅率がばらついたとしても、出力電圧の
ばらつきは増幅率のばらつきより小さい範囲に抑制さ
れ、増幅率のばらつきが補償されることを意味する。そ
のため、第1の抵抗と第2の抵抗との接続点に現れる電
圧は、トランジスタの増幅率のばらつきに影響されにく
い電圧となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は、本発明の側音回路の一実施例の電気的
接続を示す回路図である。
【0011】図において、トランスTは、公衆電話回線
等の回線14が接続される一次コイルL1、第1の二次
コイルL2及び第2の二次コイルL3の3組のコイルが
巻回されたトランスとなっており、第1の二次コイルL
2の一方の端子は、抵抗R3を介して接地されている。
また、第2の二次コイルL3の一方の端子は直接接地さ
れている。
【0012】また、送話信号11が導かれた送話信号増
幅器13は、OPアンプ等により構成された非反転増幅
器であり、その出力は、コンデンサC1を介して第1の
二次コイルL2の他方の端子に接続されている。また、
送話信号増幅器13の出力は、コンデンサC2と抵抗R
4とを介して、反転増幅器を構成するトランジスタQの
ベースに接続されている。
【0013】また、トランジスタQのコレクタは、負荷
抵抗R6を介してプラス電源に接続されると共に、コン
デンサC3を介して第2の二次コイルL3の他方の端子
に接続されている。また、ベースとコレクタとは、ベー
スバイアス及び負帰還を与えるための抵抗R5によって
互いに接続されており、エミッタは、抵抗R7を介して
接地されている。
【0014】また、第1の抵抗R1の一方の端子は第1
の二次コイルL2の他方の端子に接続されており、第2
の抵抗R2の一方の端子は、第1の抵抗R1の他方の端
子に接続されている。また、第2の抵抗R2の他方の端
子は第2の二次コイルL3の他方の端子に接続されてい
る。そして、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2との接続
点が、受話信号の出力12として外部に送出されてい
る。
【0015】なお、上記構成における第1の抵抗R1と
第2の抵抗R2とは、トランジスタQと抵抗R4〜R6
とにより構成された反転増幅器の入力信号と出力信号と
を、その抵抗値に従った比率で加算する加算回路を構成
している。
【0016】また、第1の二次コイルL2と第2の二次
コイルL3とは、送話信号増幅器13の出力が接続され
た端子と、トランジスタQのコレクタが接続された端子
とが同相の関係となっている。
【0017】図2は、図1に示す実施例の送話時の等価
回路図、図3は、同実施例の受話時の等価回路図であ
る。必要に応じて同図を参照しつつ、本発明の一実施例
の動作について以下に説明する。
【0018】送話信号系においては、抵抗R3によりそ
の電流値が抑制された電流A(図2参照)が第1の二次
コイルL2に流れる。また、第2の二次コイルL3に
は、トランジスタQと抵抗R4〜R6とにより構成され
る反転増幅器21からの電流Bが流れる。また、第2の
二次コイルL3には、第1の二次コイルL2に電流Aが
流れたことにより発生する電流Cが流れる。
【0019】なお、電流Cは、電流Bと反対方向に流れ
る電流となる。そのため反転増幅器21の出力電圧は、
電流Cによりその値が抑制された電圧となる。すなわ
ち、反転増幅器21には負帰還が等価的にかけられたこ
ととなり、反転増幅器21の増幅率にばらつきがあった
場合にも、反転増幅器21の出力電圧のばらつきは、増
幅率のばらつきに対して低減された範囲に留まることに
なる。
【0020】一方、送話信号増幅器13の出力の位相と
反転増幅器21の出力の位相とは互いに逆相の関係にあ
るため、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2とを用いてこ
れら2種類の信号を加算すると、その加算結果は、第1
の抵抗R1と第2の抵抗R2との抵抗値の比率に従って
そのレベルが抑制された側音信号となる。
【0021】また、受話信号系においては、送話信号増
幅器13の出力インピーダンスが充分に低く、第1の二
次コイルL2は抵抗R3を介して接地されているため、
第1の二次コイルL2に発生する電圧は抵抗R3の端子
間電圧となり、第1の二次コイルL2は無視することが
できる。そのため、図1に示す回路は、等価的には図3
に示す回路となる。
【0022】すなわち、回線14から一次コイルL1に
与えられた受話信号は、第2の二次コイルL3に信号を
発生させる。そして、第2の二次コイルL3に発生した
受話信号は、抵抗R2を介して取り出されることとな
る。
【0023】
【発明の効果】本発明の側音回路は、一方の端子が共に
接地された第1の二次コイル及び第2の二次コイルが巻
回されたトランスと、第1の二次コイルの他方の端子に
その出力が接続された送話信号増幅器と、第2の二次コ
イルの他方の端子にコレクタが接続され、ベースに送話
信号増幅器の出力が導かれたトランジスタと、一方の端
子が送話信号増幅器の出力に接続された第1の抵抗と、
一方の端子が第1の抵抗の他方の端子に接続され、他方
の端子がトランジスタのコレクタに接続された第2の抵
抗とを備え、第1の二次コイルの他方の端子と第2の二
次コイルの他方の端子とを同相の端子とし、第1の抵抗
と第2の抵抗との接続点を受話信号の出力点としたの
で、トランジスタのコレクタ電圧に着目すると、その電
圧はトランスを介して等価的に負帰還がかけられた電圧
となり、トランジスタの増幅率がばらついたとしても、
出力電圧のばらつきは増幅率のばらつきより小さい範囲
に抑制される。すなわち、側音の抑制率はトランジスタ
の増幅率のばらつきに影響されにくくなることから、加
算回路の加算比率の調整を不要とすることができるとい
った効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の側音回路の一実施例の電気的接続を示
す回路図である。
【図2】本発明の一実施例を送話信号系としたときの等
価回路図である。
【図3】本発明の一実施例を受話信号系としたときの等
価回路図である。
【図4】従来技術の動作原理を示すブロック図である。
【図5】図4に示す従来技術の実用回路図である。
【符号の説明】
13 送話信号増幅器 L1 一次コイル L2 第1の二次コイル L3 第2の二次コイル R1 第1の抵抗 R2 第2の抵抗 Q トランジスタ T トランス

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回線が接続される一次コイルと一方の端
    子が共に接地された第1の二次コイル及び第2の二次コ
    イルとが巻回されたトランスと、 前記第1の二次コイルの他方の端子にその出力が接続さ
    れた送話信号増幅器と、 第2の二次コイルの他方の端子にコレクタが接続され、
    ベースに前記送話信号増幅器の出力が導かれたトランジ
    スタと、 一方の端子が前記送話信号増幅器の出力に接続された第
    1の抵抗と、 一方の端子が前記第1の抵抗の他方の端子に接続され、
    他方の端子が前記トランジスタのコレクタに接続された
    第2の抵抗とを備え、 第1の二次コイルの前記他方の端子と第2の二次コイル
    の前記他方の端子とを同相の端子とし、第1の抵抗と第
    2の抵抗との接続点を受話信号の出力点としたことを特
    徴とする側音回路。
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