JP3031401B2 - 光記録媒体用成形材料 - Google Patents

光記録媒体用成形材料

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JP3031401B2
JP3031401B2 JP5275581A JP27558193A JP3031401B2 JP 3031401 B2 JP3031401 B2 JP 3031401B2 JP 5275581 A JP5275581 A JP 5275581A JP 27558193 A JP27558193 A JP 27558193A JP 3031401 B2 JP3031401 B2 JP 3031401B2
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典慶 小川
勝治 日下部
雄二 森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンパクトディスク、
レーザーディスク、光カード、MOディスクなどの光記
録媒体を製造するのに好適な耐熱性、成形性などが優れ
るとともに長期環境安定性に優れたポリカーボネート樹
脂光記録媒体用成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、その透明性、耐熱
性、耐加水分解性、寸法安定性などの特徴を生かして、
最近は光ディスク用基盤材料として広く用いられるよう
になった。しかしながら、光ディスク用にポリカーボネ
ートを用いる場合いくつかの問題点があった。
【0003】光ディスク基盤としての性能のうち、レー
ザー光線を乱反射させる異物の混入は最も避けるべき問
題であり、同様に成形過程で生じるポリカーボネートの
分解生成物であるゲル状物もできるだけ低減させなけれ
ばならない。このゲル状物の化学構造については詳細は
不明であるが、ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解
した場合、不溶物として検出されるもので、光散乱法に
よって定量することができる。ゲル状物はポリカーボネ
ート樹脂を300〜380℃のような高温で成形する場
合、ポリカーボネート樹脂1g当たり1×104 〜10
5 個を発生し、これが光ディスクとしてのノイズレベル
を悪化させる原因の一つとなっていた。このゲル状物の
発生を低減するために種々の熱安定剤を使用することが
提案されているが、従来知られている有機ホスファイ
ト、有機ホスフォナイトは加水分解性を有し、長期的な
高温多湿環境下においてはかえって樹脂の加水分解を促
進して白点の生成を増大させる。また、有機ホスファイ
トや有機ホスフォナイトはゲル状物の発生を抑制する効
果は必ずしも十分とはいえない。
【0004】一方、光ディスク基盤は射出成形によって
製造されるが、金型から離型する際に、離型抵抗が大き
い場合は成形品のソリ、光学的歪の原因となるため、離
型剤の使用が必要である。特に光ディスクではスタンパ
ーの1μm以下の凹凸を正確に転写する必要があり、こ
れは離型剤の性能に負うところが大きい。
【0005】従来、ポリカーボネート樹脂の離型剤とし
てはパラフィン、シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸エ
ステル、脂肪酸部分エステル(特に脂肪酸モノグリセリ
ド)などが知られている。これらの中でも少量の使用で
優れた離型性を有するものは脂肪酸及び脂肪酸モノグリ
セリドであるが、これらはポリカーボネート樹脂を高温
多湿下(80℃、85%RH)に放置するとポリカーボ
ネート樹脂の加水分解を促進するため、ポリカーボネー
ト樹脂に対し100ppmを越えての添加は好ましくな
い。しかし、離型性の点からはこの量以上、例えば40
0ppm程度の添加が望ましい。また、パラフィン、シ
リコーンオイル、脂肪酸エステル等は離型効果が不十分
であり、ポリカーボネート樹脂に対して2000ppm
以上の添加が好ましいが、そのような添加量では、成形
品の表面にフローマークを生じ易いという欠点があっ
た。
【0006】これらの問題を解決する手段として、光デ
ィスクに適した熱安定性や離型性、長期環境安定性など
従来のポリカーボネートに添加剤による改質が行われて
いる。例えば、ポリカーボネートに亜リン酸5〜100
ppmとヒンダードフェノール型安定剤10〜2000
ppmを添加する組み合わせ(特開平1−28454
9)、ポリカーボネートに亜リン酸5〜100ppmと
飽和脂肪酸と多価アルコールの部分エステル10〜10
0ppmと飽和脂肪酸と一価あるいは多価アルコールと
のエステル50〜2000ppmを添加する組み合わせ
(特開平1−242660)で耐加水分解性、離型性、
熱安定性を兼ねそなえた光学用ポリカーボネート成形材
料が紹介されている。このポリカーボネート成形材料
は、亜リン酸を安定剤として用いていることにより他の
有機ホスファイト系安定剤に比べ耐加水分解性が高く、
高温成形時のヤケ発生が少ないメリットがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、光ディスク
についての最近のより厳しい環境安定性試験の結果、亜
リン酸は光ディスクに用いられる記録膜や反射膜を腐食
するという新たな問題が持ち上がてきた。この現象は特
にテルビウム、鉄、コバルト等の合金で形成される記録
膜を持つ光情報ディスクに顕著に現れる。この腐食はス
ポット的にピンホールが空くような形で発生し、このピ
ンホール状の腐食は記録情報のエラーに直接結びつき、
訂正不能型エラーとなりやすく、光ディスクが使用不可
能となる場合もある。そこで、本発明は従来の耐加水分
解性や離型性、高温安定性を損なわず、かつ高温多湿の
環境下でも金属膜腐食の少ない光記録媒体用ポリカーボ
ネート成形材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に対し、特定量の
亜リン酸、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、飽和脂
肪酸と多価アルコールとの部分エステル、及び飽和脂肪
酸と一価あるいは多価アルコールとのエステルを配合し
てなる光記録媒体用成形材料は従来の熱安定性、離型
性、耐加水分解性をほとんど損なわず、しかも長期高温
多湿の環境下でも満足すべき耐金属腐食性を示すことを
見いだし本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は粘度平均分子量1
2,000〜23,000のポリカーボネート樹脂に対
し、(1)亜リン酸0.05以上5ppm未満、(2)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤10〜1000pp
m、(3)炭素数10〜22の飽和脂肪酸と多価アルコ
ールとの部分エステル10〜100ppm、及び(4)
炭素数10〜30の飽和脂肪酸と炭素数30以下の一価
あるいは多価アルコールとのエステル50〜1500p
pmを配合してなる光記録媒体用成形材料であり、さら
には、該部分エステル(3)とエステル(4)との合計
の添加量が、ポリカーボネート樹脂に対し200〜10
00ppmとするものである。
【0010】本発明のポリカーボネート樹脂とは二価フ
ェノールとホスゲンやジフェニルカーボネート等のカー
ボネート前駆体との反応により得られるホモ−、コ−ポ
リカーボネート樹脂、さらに分岐化されたもの、末端に
長鎖アルキル基を導入したもの等の平均分子量が12,
000〜23,000程度のものであり、コーモノマー
や末端停止剤として炭素−炭素不飽和二重結合を有する
ビスフェノールやビニルフェノールなどを用いて得た変
性ポリカーボネート樹脂にスチレンなどをグラフトした
もの、さらにホスゲンの一部としてテレフタル酸クロラ
イド、イソフタル酸クロライドを用いた一部にエステル
結合を有するもの、またはフェノール性水酸基等をコー
モノマーとして使用してなる変性ポリスチレンにポリカ
ーボネート樹脂をグラフト重合したものなどいずれでも
使用可能なものとして例示される。
【0011】本発明のポリカーボネート樹脂の原料とな
る二価フェノール系化合物として好ましいものは、具体
的にはビス(4 −ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4 −ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4 −ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ビス(4 −ヒドロキシフェ
ニル)スルホキシド、ビス(4 −ヒドロキシフェニル)
スルファイド、ビス(4 −ヒドロキシフェニル)ケト
ン、1,1-ビス(4 −ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-
ビス(4 −ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ
−ルA;BPA) 、2,2-ビス(4 −ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1-ビス(4 −ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン(ビスフェノ−ルZ ;BPZ )、2,2-ビス(4 −ヒ
ドロキシ−3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス
(4 −ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)プロパン、
2,2-ビス(4 −ヒドロキシ−3-ブロモフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(4 −ヒドロキシ−3-クロロフェニル)プ
ロパン、2,2-ビス(4 −ヒドロキシ−3-メチルフェニ
ル)プロパン、、2,2-ビス(4 −ヒドロキシ−3,5-ジメ
チルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4 −ヒドロキシフ
ェニル)-1- フェニルエタン、ビス(4 −ヒドロキシフ
ェニル)ジフェニルメタン、α, ω- ビス[3-(O-ヒド
ロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンな
どが例示され、これらは、2種類以上併用することも可
能である。これらの中でも特にビスフェノールAが好ま
しい。
【0012】ポリカーボネート樹脂を光ディスク基板と
して用いるには、信号のエラーを誘発するダストの低減
したものを用いる必要がある。具体的には、ポリカーボ
ネート成形品中に含まれる直径0.5〜1.0μmのダ
ストを4万個/g以下に抑えたものでなければならな
い。
【0013】本発明において、上記のポリカーボネート
樹脂に配合する(1)の亜リン酸は、樹脂の耐熱性、特
に成形時の分子量低下を抑制し、しかも高温多湿環境下
においてもポリカーボネートの分解を促進するこはな
い。これは、亜リン酸エステルを使用した場合にはその
分解生成物が、ポリカーボネートの分解を促進すること
と異なる。
【0014】亜リン酸(1)の添加量はポリカーボネー
ト樹脂に対し、重量で0.05以上5ppm未満、特に
0.05〜3ppmが好適である。亜リン酸のポリカー
ボネート成形時の酸化防止効果は、5ppm以上では光
ディスク金属膜腐食をかなり促進する。また、0.05
ppm未満では酸化防止効果はほとんどなくなってしま
う。つまり、亜リン酸(1)の添加量は金属膜腐食を起
こさない範囲で、ある程度の酸化防止効果を十分に示す
範囲である。亜リン酸の添加方法は、粉体をポリカーボ
ネート樹脂に混合して押出す方法や水溶液としてポリカ
ーボネートに添加し、押出す方法があるが金属膜腐食を
より起こさないようにするためには、水溶液として添加
し均一分散を行うことが有利であり、しかも水分をポリ
カーボネート樹脂に加えることによってポリカーボネー
トの色相が改良されることも知られており、水溶液とし
て添加することが好ましい。
【0015】本発明の添加成分(2)のヒンダードフェ
ノール系抗酸化剤は、広くプラスチックの抗酸化剤とし
て用いられているものであり、具体的には2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノ−ル(住友化学(株)、
スミライザーBHT )、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノール(吉富製薬(株)、ヨシノックス25
0)、ポリ(1−メチル−1−フェニルメタン)フェノ
ール(住友化学(株)、スミライザーS)、4,4’−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)
(吉富製薬(株)、ヨシノックスSR)、2,2’−チオ
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(チバ
ガイギー(株)、イルガノックス1018)、2,2’−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
(川口化学(株)、アンテージW-400)、N,N’−ヘ
キサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシハイドロシンナムアマイド)(チバガイギ−
(株)、イルガノックス1098)、2,2’−チオジエチ
ル−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート](チバガイギー
(株)、イルガノックス1035)、2,4−ビス(n−オ
クチルチオ)−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン(チバガ
イギー(株)、イルガノックス565)、ペンタエリスリ
チル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバガイギ
−(株)、イルガノックス1010)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ルブタン(ICI社、トパールCA)、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(チバガイギー
(株)、イルガノックス1330)、トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレー
ト(アデカアーガス(株)、AO-20 )、4,4’−ブチ
リデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)
(住友化学(株)、スミライザーBBM-S )、2,2’−
メチレンビス(3−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)(吉富製薬(株)、ヨシノックス425 )、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート(チバガイギー、イルガノッ
クス1076)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート(チバガイギー(株)、イルガノックス
259 )、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオネート(チバガイギ−(株)、イルガノックス245
)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒド
ロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イメシアヌル酸
(チバガイギー(株)、イルガノックス3114)、2−t
−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−
2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアク
リレート(住友化学(株)、スミライザーGM)等が挙
げられる。
【0016】成分(2)はポリカーボネート樹脂の加熱
溶融時の分解によるゲル状物の発生を低減させるがその
効果は成分(1)との組み合わせによって増大される。
また、成分(2)のみでは長期高温多湿環境下での加水
分解の抑制は不十分であり、(1)、(2)の組み合わ
せによって達成される。成分(2)の添加量はポリカー
ボネート樹脂に対して重量で10〜1000ppm添加
が好適であり、1000ppmを越えると耐加水分解性
が劣る傾向があり、2000ppmを越えるとより著し
くなる。
【0017】本発明における添加成分(3)と(4)
は、射出成形時の離型性を向上させ、金型の極微細な凹
凸の転写性を改良する離型剤である。まず、成分(3)
の炭素数10〜22の飽和脂肪酸と多価アルコールとの
部分エステルとは、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの
飽和脂肪酸と、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール等の多価アルコールとの部
分エステルであり、ソルビタンモノステアレート、ポリ
エチレングリコールモノステアレート、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンモノベヘネート、ペンタエリ
スリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノ
ステアレートなどが市販品として容易に入手し得るもの
として挙げられる。添加量は、ポリカーボネート樹脂に
対し、重量で10〜100ppm、さらには50〜10
0ppmが好適である。
【0018】次に、成分(4)の炭素数10〜30の飽
和脂肪酸と炭素数30以下の一価あるいは多価アルコー
ルとのエステルとは、アルコール性水酸基を持たない完
全にエステル化された飽和脂肪酸エステルを指す。これ
らの脂肪酸エステルは合成品を初め、植物、動物、昆
虫、鉱物などの天然物中に含まれるエステルワックス類
として知られているものであり、具体的にはブチルステ
アレート、ステアリルステアレート、ベヘニルベヘネー
ト、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2
−エチルヘキシルステアレート、ペンタエリスリトール
テトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘ
ネートなどの合成品、長鎖脂肪酸エステルを主成分と
し、該成分の純度の高い密蝋などが挙げられる。添加量
は、ポリカーボネート樹脂に対して、重量で50〜15
00ppmである。さらに、上記離型剤成分(3)及び
(4)の合計の添加量はポリカーボネート樹脂に対して
200〜1000ppmとすることが、離型性と安定性
とのバランスの点から好ましい。
【0019】従来のポリカーボネート樹脂の安定性の向
上は分子量低下や着色を防止する面から評価されてき
た。しかし、光ディスクのような長期信頼性の保証を強
いられる材料には、このような効果のみでは不十分であ
り押出時や成形時のゲル状物の発生ならびに長期高温多
湿環境下での加水分解による白点の発生および金属記録
膜の腐食を抑制することが必須であり、本発明の組み合
わせにより達成し得たものである。
【0020】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0021】実施例1 市販の光学用ポリカーボネート樹脂粉末(三菱ガス化学
(株)製、商品名H−4000 粘度平均分子量150
00)に、表1記載の添加剤および離型剤を添加する。
実施例1では、ポリカーボネート樹脂100Kgに成分
(1)として0.005gの亜リン酸を1リットルの純
水に溶解して添加し、また成分(2)としてペンタエリ
スリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を10
g、成分(3)としてステアリン酸モノグリセリドを1
0g、成分(4)としてペンタエリスリトールテトラス
テアレートを30gをそれぞれ添加した後混合し、25
0〜270℃の樹脂温度で押出しペレット化し成形材料
を得た。このペレットの中の0.5〜1.0μmのゲル
状物(ダスト)は2.0×104 であった。上記のペレ
ットを使用し、厚さ1.2mm、直径130mm(1.
6μmピッチ、幅0.8μm、深さ70nmク゛ルーフ゛あ
り)の円盤を射出成形した。上記の円盤のみ、あるいは
窒化珪素90nm、記録層Tb,Fe,Co混合層80
nm、窒化珪素80nmの3層をグルーブ側にスパッタ
リングしたものに、保護UV硬化膜5μmを施したMO
ディスクを使用して、ゲル状物の定量、外観および長期
信頼性試験、エラーレートを記録信号/ノイズ(C/N
比)で測定した結果を表1に示した。
【0022】実施例2〜14および比較例1〜8 成分(1)〜成分(4)までを表1に準じて、添加した
以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
なお、ゲル状物の測定、物性および外観は以下に記載の
方法で行った。
【0023】ゲル状物(ダスト)の定量 ペレットおよび成形品をそれぞれ1g/100mlの濃
度で塩化メチレンに溶解し、光散乱法で不溶異物として
定量し、その差を成形時のゲル状物発生数(△)とし
た。測定機器はハイアック−ロイコ社製、微粒子カウン
ター4100型を使用した。(尚、上記方法による場
合、ゲル状物以外の異物も計測される。しかし、ゲル状
物はPTFEメンブランフィルターで補足し、EPMAにて
定量分析する事より、その他の異物と明白に区別され、
増加分は実質的にゲル状物からなることが確認され
る。)
【0024】外観および長期耐湿試験 ペレットを3.0オンス射出成形機(住友重機(株)
製、ディスク5M3型)を用い、樹脂温度320℃、金
型温度105℃で、厚み1.2mm、直径130mmの
円盤を成形し、この円盤の色相、焼け、フローマーク、
銀状の発生の有無を目視観察する。(外観)次に、この
円盤を80℃、85%RHの環境試験機にいれ、800
時間エージングしたのち、ディスク中に発生した50μ
m以上の白点の個数(白点数)を光学顕微鏡で読みと
る。
【0025】C/N比測定及び目視判定 上記のペレットを使用し、厚さ1.2mm、直径130
mm(1.6μmピッチ、幅0.8μm、深さ70nm
ク゛ルーフ゛あり)の円盤を射出成形した。この円盤に、窒化
珪素90nm、記録層Tb,Fe,Co混合層80n
m、窒化珪素80nmをグルーブ側に3層スパッタリン
グしたものに、保護UV硬化膜5μmを施したMOディ
スク作製し、800時間のエージング後、C/N比測定
装置(株式会社シバソク製、LM−52A)にて、半径
50mm、記録周波数1MHz、再生レーザー1.0m
Wの条件でC/N比を測定した。また、このMOディス
クをバックライトによるピンホールを目視により計測し
た。
【0026】離型力の測定 ペレットを7.8オンス射出成形機(三菱重工(株)
製、51-150MST型)を用い、樹脂温度280℃、金型温
度80℃でコップ状(底部内径60mm、上部内径70
mm、深さ70mm、肉厚3mm)の成形品を型内圧8
00〜805Kg/cm2で成形し、この成形品を金型
から離型する際の抵抗値を突出しピンに取付けた圧力セ
ンサーで読みとる。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、優れた離型性と耐加水
分解性を維持したまま、金属記録膜腐食を抑えた光記録
媒体用成形材料を提供できる。特に、腐食に弱い金属を
用いるMOディスクに最適な基板材料として用いること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 3:32 5:13 5:101 5:103) (56)参考文献 特開 平1−284549(JP,A) 特開 平1−242660(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00 C08K 3/00 - 13/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度平均分子量12,000〜23,0
    00のポリカーボネート樹脂に対し、(1)亜リン酸
    0.05以上5ppm未満、(2)ヒンダードフェノー
    ル系酸化防止剤10〜1000ppm、(3)炭素数1
    0〜22の飽和脂肪酸と多価アルコールとの部分エステ
    ル10〜100ppm、及び(4)炭素数10〜30の
    飽和脂肪酸と炭素数30以下の一価あるいは多価アルコ
    ールとのエステル50〜1500ppmを配合してなる
    光記録媒体用成形材料。
  2. 【請求項2】 該部分エステル(3)とエステル(4)
    との合計添加量が、ポリカーボネート樹脂に対して20
    0〜1000ppmである請求項1記載の光記録媒体用
    成形材料。
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