JP3031166B2 - オキサゾリジン系化合物のフマール酸塩及び農園芸用の殺菌剤 - Google Patents

オキサゾリジン系化合物のフマール酸塩及び農園芸用の殺菌剤

Info

Publication number
JP3031166B2
JP3031166B2 JP6099742A JP9974294A JP3031166B2 JP 3031166 B2 JP3031166 B2 JP 3031166B2 JP 6099742 A JP6099742 A JP 6099742A JP 9974294 A JP9974294 A JP 9974294A JP 3031166 B2 JP3031166 B2 JP 3031166B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
viscous
fungicide
agricultural
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6099742A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07304774A (ja
Inventor
久雄 杉浦
敏房 田中
裕康 武富
敬介 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP6099742A priority Critical patent/JP3031166B2/ja
Publication of JPH07304774A publication Critical patent/JPH07304774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3031166B2 publication Critical patent/JP3031166B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農園芸用の殺菌剤とし
て有用である新規なオキサゾリジン系化合物のフマール
酸塩に関するものである。
【0002】
【従来技術の説明】農薬には、有害生物の防除効果が優
れているだけでなく、作物に対して薬害が無く、さら
に、魚,人畜及び環境中のその他生物に対しても毒性が
無いことが望まれている。本発明者らが特開平3−68
573号公報に記載した 次式(I'):
【0003】
【化2】
【0004】〔式中、Xは水素原子,ハロゲン原子,炭
素数1〜4個のアルキル基又は炭素数1〜4個のアルコ
キシ基を表し;Yは水素原子又はハロゲン原子を表し;
Aは酸素原子,炭素数1〜4個のアルキレン基又は(炭
素数1〜4個のアルキレン基)−O−を表す。〕で示さ
れるオキサゾリジン系化合物〔化合物(I')〕は、小麦,
大麦などに薬害を示さず,かつ優れた殺菌効果を有する
農園芸用の殺菌剤として期待されるものである。前記の
公報に記載の方法で合成して得られた化合物(I')は粘性
が高い粘状物として得られた粘状オキサゾリジン系化合
物〔粘状化合物(I')〕であり、この粘状化合物(I')中に
は主成分の化合物(I')の他に、反応に用いた溶媒や原料
に付随した不純物、反応中に生じた不純物などが少量含
まれている。安全性が高い農薬を開発するためには、あ
らかじめ目的の化合物(I')を製品として取得するまでの
段階で,前記の粘状化合物(I')中から化合物(I')以外の
少量の不純物を除去しておくのがのが好ましいが、化合
物(I')の融点が低いので結晶化しにくく,それらの不純
物を除去できないという問題があった。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、オキサゾリ
ジン系化合物のフマール酸塩を有効成分とする殺菌剤を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために検討した。その結果、種々の酸の中
でも、食品添加物として認可された安全性が高いフマー
ル酸を用いた時にだけ、殺菌剤として有用なオキサゾリ
ジン系化合物を結晶化させることができ、そのためにオ
キサゾリジン系化合物のフマール酸塩以外の不純物を6
0%以上除去できることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は次の通りである。第1の発明
は、次式(I):
【0007】
【化3】
【0008】(式中、X,Y及びAは前記と同義であ
る。)で示されるオキサゾリジン系化合物のフマール酸
塩に関するものである。第2の発明は、前記の式(I)
で示されるオキサゾリジン系化合物のフマール酸塩を有
効成分とする農園芸用の殺菌剤に関するものである。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のオキサゾリジン系化合物のフマール酸塩〔化合物
(I)〕は、例えば、前記の特開平3−68573号公
報に記載のオキサゾリジン系化合物〔化合物(I')〕を主
成分とする粘状オキサゾリジン系化合物〔粘状化合物
(I')〕とフマール酸とを溶媒中で攪拌することによって
晶出・分離することができる。
【0010】本発明で用いる粘状化合物(I')は、次に示
すように、前記の公報に記載の方法に準じて、化合物
(I'') とイミダゾールとを、炭酸カリウムなどの塩基存
在下、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で反応させる
ことによって得ることができる。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、X,Y及びAは前記と同義であ
る。) 粘状化合物(I') としては、 次式(I'-1):
【0013】
【化5】
【0014】(式中、X及びYは前記と同義である。)
で示される化合物(I'-1)を主成分として含有する粘状化
合物(I'-1)が好ましく、次式(I'-2):
【0015】
【化6】
【0016】で示される2,4,4−トリメチル−2−
(p−クロロフェニルプロピル)−3−イミダゾール−
1−イルカルボニルオキサゾリジン〔化合物(I’-
2)〕を主成分として含有する粘状化合物(I’-2)がさ
らに好ましい。本発明で用いるフマール酸としては、市
販品(東京化成工業製、製品番号F−0067)を使用
することができる。
【0017】本発明で用いる溶媒としては、本反応に直
接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、エ
ーテル類(ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジ
オキサンなど)、アルコール類(メタノール,エタノー
ル,n−プロパノール,i−プロパノールなど)、アミ
ド類(N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチ
ルアセトアミドなど)、ベンゼン、トルエン、アセト
ン、ヘキサン、水、前記溶媒の混合物などを挙げること
ができる。
【0018】そして、その溶媒の使用量は、化合物(I')
の濃度が5〜80重量%の濃度範囲になるようにして使
用することができるが、好ましくは20〜70重量%に
なるようにして使用する。反応温度は、特に限定されな
いが、10℃から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内
であり、好ましくは10〜40℃である。反応時間は、
前記の濃度,温度によって変化するが、通常10分〜3
時間で行うことができる。原料化合物の使用量は、化合
物(I')に対してフマール酸が0.4〜0.6倍モルであ
るが、好ましくは0.45〜0.55倍モルである。
【0019】このようにして製造された化合物(I)
は、反応終了後、析出,濾過,真空感想などの公知の手
段で適宜精製することができる。得られたオキサゾリジ
ン系化合物のフマール酸塩の純度は、98%以上であ
る。このようにして、粘状化合物(I')中に含まれる約5
%の不純物の60%以上が除去された化合物(I)を得
ることができる。この不純物の除去率は、さらに再結晶
などによって高めることができる。本発明の化合物
(I)で防除効果が認められる農園芸病原菌としては、
例えば、イネいもち病菌、大麦うどんこ病菌、キュウリ
灰色かび病菌、ナシ赤星病菌、イネばか苗病菌などを挙
げることができる。
【0020】化合物(I)は、単独で使用することもで
きるが、通常は常法によって、担体,界面活性剤,分散
剤,補助剤などを配合(例えば、粉剤,乳剤,微粒剤,
粒剤,水和剤,油性の懸濁液,エアゾールなどの組成物
として調製する)して使用することが好ましい。
【0021】担体としては、例えば、タルク,ベントナ
イト,クレー,カオリン,ケイソウ土,ホワイトカーボ
ン,バーミキュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素な
どの固体担体;炭化水素(ケロシン,鉱油など)、芳香
族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレンなど)、塩
素化炭化水素(クロロホルム,四塩化炭素など)、エー
テル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケト
ン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンな
ど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールア
セテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類
(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコール
など)、極性溶媒(ジメチルホルムアミド,ジメチルス
ルホキシドなど)、水などの液体担体;空気,窒素,炭
酸ガス,フレオンなどの気体担体(この場合には、混合
噴射することができる)などを挙げることができる。
【0022】本剤の動植物への付着,吸収の向上,薬剤
の分散,乳化,展着などの性能を向上させるために使用
できる界面活性剤や分散剤としては、例えば、アルコー
ル硫酸エステル類,アルキルスルホン酸塩,リグニンス
ルホン酸塩,ポリオキシエチレングリコールエーテルな
どを挙げることができる。そして、その製剤の性状を改
善するためには、例えば、カルボキシメチルセルロー
ス,ポリエチレングリコール,アラビアゴムなどを補助
剤として用いることができる。
【0023】本剤の製造では、前記の担体,界面活性
剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目的に応じて、各々
単独で又は適当に組み合わせて使用することができる。
本発明のオキサゾリジン系化合物のフマール酸塩を製剤
化した場合の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重
量%,粉剤では通常0.3〜25重量%,水和剤では通
常1〜90重量%,粒剤では通常0.5〜5重量%,油
剤では通常0.5〜5重量%,エアゾールでは通常0.
1〜5重量%である。これらの製剤を適当な濃度に希釈
して、それぞれの目的に応じて、植物茎葉,土壌,水田
の水面に散布するか、又は直接施用することによって各
種の用途に供することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、これらの実施例は、本発明の範囲を限定す
るものではない。 参考例1〔粘状化合物(I')の合成〕 2−メチル−2−(p−クロロフェニルプロピル)−3
−クロロカルボニル−4,4−ジメチル−1,3−オキ
サゾリジン(2.6g、0.01mol)、イミダゾー
ル(1.0g、0.015mol)及び炭酸カリウム
(2.1g、0.015mol)を、ジメチルホルムア
ミド(30ml)とともに50〜60℃で1時間攪拌し
た。反応終了後、水を加えた後にトルエンで抽出し、ト
ルエン層を水洗,乾燥,濃縮し、シリカゲルカラム(ワ
コーゲルC−200、トルエン:酢酸エチル=2:1
溶出)で精製することによって、淡黄色粘状の目的物を
2.2g得た。この淡黄色の粘状化合物を、次のような
条件で液体クロマトグラフィーを行った。
【0025】・カラム〔ODS−80TM、4.6mm
φ×250mm〕 ・移動相〔アセトニトリル:1/15Mリン酸二水素カ
リウム水溶液=3:2〕 ・流量〔1.0ml/,min〕 その結果は図1に示すように、不純物は面積百分率から
3.3%であった〔横軸は溶出時間(分)を示す。〕。
【0026】実施例1〔化合物(I)の合成〕 参考例1で得た粘状化合物(I')(3.6g、0.01m
ol)をエタノール(3.6ml)に溶解し、これを3
5〜40℃で攪拌しながら、フマール酸の粉末(東京化
成工業製、製品番号F−0067)(0.58g)を添
加した。これを30分間攪拌した後に室温に冷却し、n
−ヘキサン(10ml)を加えて10分間攪拌した。析
出した固体を吸引濾過した後に真空乾燥機を用いて50
℃で1時間乾燥し、白色粉末状晶の目的物を3.7g得
た。この化合物を、参考例1に記載したのと同じ条件で
液体クロマトグラフィーを行った。その結果は図2に示
すように、不純物は面積百分率から0.7%(フマール
酸は計算から除外。)であった〔横軸は溶出時間(分)
を示す。〕。
【0027】実施例2〔製剤の調製〕 (1) 粒剤の調製 実施例1で得た化合物(I)(5重量部)、ベントナイ
ト(13重量部)とクレー(67重量部)を均一に混合
し、次いで水(15重量部)を添加して混練した後、造
粒、乾燥して粒剤を得た。
【0028】(2) 水和剤の調製 実施例1で得た化合物(I)(10重量部)、カオリン
(87.75重量部)、ハイマール2024(松本油脂
製薬株式会社製の界面活性剤)(1.80重量部)及び
デモールEP8(花王株式会社製の界面活性剤)(0.
45重量部)を均一に混合し、次いで粉砕して水和剤を
得た。
【0029】(3) 粉剤の調製 実施例1で得た化合物(I)を5重量部,タルク50重
量部及びカオリン45重量部を均一に混合して粉剤を得
た。
【0030】実施例3〔効力試験〕 (1) イネいもち病に対する防除効力試験(予防効果) 直径5cmのプラスチックポットに1鉢あたり10本の
イネ(品種:日本晴)を育成して得た1.5葉期の幼植
物体に、化合物(I)又は粘状化合物(I')の水和剤を水
で200ppmに希釈して、1鉢あたり10mlづつ散
布した。散布後、1日間ガラス温室で栽培し、次いで、
罹病葉から調製したイネいもち病菌の分生胞子懸濁液を
植物葉に均一に噴霧接種した。接種後、5日間28℃湿
室内で育成し、葉に現れたイネいもち病病斑の程度を調
査した。
【0031】薬剤効果の評価は、無処理区の病斑の程度
と比較して、6段階(0:全体が罹病、1:病斑面積が
60%程度、2:病斑面積が40%程度、3:病斑面積
が20%程度、4:病斑面積が10%以下、5:病斑無
し)で示した。薬害の程度の評価は、6段階(0:無
し、1:若干、2:少い、3:多い、4:甚大、5:激
甚)で示した。なお、比較化合物としては、次式:
【0032】
【化7】
【0033】で示されるEDDP(クミアイ化学社製)
の乳剤を用いて同様に検討した。その結果を表1に示
す。
【0034】
【表1】
【0035】(2) オオムギうどんこ病に対する防除効力
試験(予防効果) 直径5cmのプラスチックポットに1鉢あたり10本づ
つオオムギ(品種:黒ムギ)を育成して得られた1.5
葉期の幼植物体に、化合物(I)又は粘状化合物(I')の
水和剤を水で200ppmに希釈して、1鉢あたり10
mlづつ散布した。これらを1日間ガラス温室で栽培
し、次いで、オオムギうどんこ病菌分成胞子を罹病葉か
ら集め、これを各植物体の上からまんべんなく振りかけ
て接種した。次に、これらを1週間ガラス温室内で育成
し、一葉当たりのオオムギうどんこ病病斑の程度を調査
した。なお、比較化合物としては、次式:
【0036】
【化8】
【0037】で示されるトリアジメホン(日本バイエル
アグロケム製)の水和剤を用いて同様に検討した。その
結果を、前記の(1) に記載した薬剤効果及び薬害の6段
階の評価方法で、表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】(3) キュウリ灰色かび病に対する防除効力
試験 直径5cmのプラスチックポットに1鉢あたり1本のキ
ュウリ(品種:相模半白)を育成して得られた1.5葉
期の幼植物体に、化合物(I)又は粘状化合物(I')の水
和剤を水で200ppmに希釈して、1鉢あたり5ml
で散布した。散布後、1日間ガラス温室で栽培し、次い
で、キュウリ灰色かび病胞子懸濁液を植物葉にまんべん
なく噴霧接種した。接種後、3日間20℃で発病庫内で
保持した後、キュウリ子葉の病斑の程度を調査した。な
お、比較化合物としては、次式:
【0040】
【化9】
【0041】で示されるイプロジオン(日産化学社製)
の水和剤を用いて同様に検討した。その結果を、前記の
(1) に記載した薬剤効果及び薬害の6段階の評価方法
で、表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】(5) ナシ赤星病に対する防除効力試験(予
防効果) 戸外で50cmのポットを用いて土耕栽培したナシ苗木
(品種:20世紀)に、化合物(I)又は粘状化合物
(I')の水和剤を水で200ppmに希釈して、1鉢あた
り50ml、7日後に50ml,さらに7日後に100
mlの合計3回散布した。発病方法は自然発病で、薬剤
散布の7日後に全葉の病斑の程度を調査した。なお、比
較化合物としては、次式:
【0044】
【化10】
【0045】で示されるマンネブ(東京有機化学工業社
製)の水和剤を水で1500ppmに希釈して、同様に
検討した。その結果を、前記の(1) に記載した薬剤効果
及び薬害の6段階の評価方法で、表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】(6) イネばか苗病に対する防除効力試験
(予防効果) イネ(品種:日本晴)の開花期に、イネばか苗病菌の濃
厚胞子懸濁液を噴霧接種して得たイネばか苗病菌の感染
籾を供試籾とした。種子消毒は化合物(I)又は粘状化
合物(I')の水和剤を水で1000ppmに希釈して、上
記の供試籾と薬液量比(V/V)を1:1として、20
℃で24時間浸漬消毒した。消毒後の供試籾を20℃で
3日間浸漬した後、30℃で24時間催芽させ、鳩胸状
になったところで種苗箱育苗法に準じて栽土に播種し、
その後にガラス温室で栽培管理した。苗の発病の程度
は、播種25日後(4葉期)に各処理区の全苗を抜き取
り、
【0048】
【数1】
【0049】で示される式から求めた。種子消毒率は、
このようにして得られた発病苗率を用いて
【0050】
【数2】
【0051】で示される式から求めた。なお、比較化合
物としては、次式:
【0052】
【化11】
【0053】で示されるベノミル(クミアイ化学社製)
の水和剤を用いて同様に検討した。その結果を、前記の
(1) に記載した薬害の6段階の評価方法とともに、表5
に示す。
【0054】
【表5】
【0055】比較例1〔化合物(I')の塩の合成〕 (1) 酢酸との塩〔化合物(II)〕の合成 参考例1で得た粘状化合物(I')(3.6g、0.01m
ol)をトルエン(5ml)に溶解し、これに酢酸
(0.7g、0.012mol)を加えた後、室温で1
時間攪拌した。これをエバポレーターを用いて蒸発乾個
し、残った粘状化合物(I')をエタノール(3.6ml)
に溶解し、n−ヘキサン(10ml)を加えて室温で3
0分間攪拌した。分離したエタノール・ヘキサン層を除
去した後、残った粘状化合物(I')をエバポレーターを用
いて処理し、粘状の酢酸塩〔化合物(II)〕を3.7g
得た。
【0056】(2) 塩酸との塩〔化合物(III)〕の合成 参考例1で得た粘状化合物(I')(3.6g、0.01m
ol)をエタノール(3.6ml)に溶解し、これに1
0%塩酸水(10ml)を加えた後、室温で1時間攪拌
した。これをエバポレーターを用いてエタノール,水,
過剰の塩酸を除去するために蒸発乾個し、残った粘状化
合物(I')をエタノール(3.6ml)に溶解し、n−ヘ
キサン(10ml)を加えて室温で30分間攪拌した。
分離したエタノール・ヘキサン層を除去した後、残った
粘状化合物(I')をエバポレーターを用いて処理し、粘状
の塩酸塩〔化合物(III)〕を3.9g得た。
【0057】(3) グルコン酸との塩〔化合物(IV)〕の
合成 参考例1で得た粘状化合物(I')(3.6g、0.01m
ol)を80%エタノール水溶液(5ml)に溶解し、
これにグルコン酸粉末(2.0g、0.01mol)を
加えた後、40〜50℃で1時間攪拌した。これをエバ
ポレーターを用いて蒸発乾個し、残った粘状化合物(I')
をエタノール(3.6ml)に溶解し、n−ヘキサン
(10ml)を加えて室温で30分間攪拌した。分離し
たエタノール・ヘキサン層を除去した後、残った粘状化
合物(I')をエバポレーターを用いて処理し、粘状のグル
コン酸塩〔化合物(IV)〕を4.1g得た。
【0058】(4) ドデシルベンゼンスルホン酸との塩
〔化合物(V)〕の合成 参考例1で得た粘状化合物(I')(3.6g、0.01m
ol)をエタノール(3.6ml)に溶解し、これにド
デシルベンゼンスルホン酸(3.2g、0.01mo
l)を加えた後、室温で1時間攪拌した。これをエバポ
レーターを用いて蒸発乾個し、残った粘状化合物(I')を
エタノール(3.6ml)に溶解し、n−ヘキサン(1
0ml)を加えて室温で30分間攪拌した。分離したエ
タノール・ヘキサン層を除去した後、残った粘状化合物
(I')をエバポレーターを用いて処理し、粘状のドデシル
ベンゼンスルホン酸塩〔化合物(V)〕を4.5g得
た。
【0059】次の表6に、化合物(I),粘状化合物
(I')とともに示したこれらの塩の物性は、融点が低いな
どの欠点を有する。そのために、目的物を晶出させるこ
とによって粘状化合物(I')中の不純物を除去することが
出来ない。
【0060】
【表6】表6 化合物(I’)の塩の物性値
【0061】
【発明の効果】本発明の新規なオキサゾリジン系化合物
のフマール酸塩は、安全性が不明な不純物質を顕著に減
少させることができた農園芸用の殺菌剤として優れたも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】粘状化合物(I')の液体クロマトグラフィーで得
られた溶出曲線を示す図である。
【図2】化合物(I)の液体クロマトグラフィーで得ら
れた溶出曲線を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−68573(JP,A) 特開 昭61−151175(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 413/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I): 【化1】 〔式中、Xは水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜4個
    のアルキル基又は炭素数1〜4個のアルコキシ基を表
    し;Yは水素原子又はハロゲン原子を表し;Aは酸素原
    子,炭素数1〜4個のアルキレン基又は(炭素数1〜4
    個のアルキレン基)−O−を表す。〕で示されるオキサ
    ゾリジン系化合物のフマール酸塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の式(I)で示されるオキ
    サゾリジン系化合物のフマール酸塩を有効成分とする農
    園芸用の殺菌剤。
JP6099742A 1994-05-13 1994-05-13 オキサゾリジン系化合物のフマール酸塩及び農園芸用の殺菌剤 Expired - Fee Related JP3031166B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6099742A JP3031166B2 (ja) 1994-05-13 1994-05-13 オキサゾリジン系化合物のフマール酸塩及び農園芸用の殺菌剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6099742A JP3031166B2 (ja) 1994-05-13 1994-05-13 オキサゾリジン系化合物のフマール酸塩及び農園芸用の殺菌剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07304774A JPH07304774A (ja) 1995-11-21
JP3031166B2 true JP3031166B2 (ja) 2000-04-10

Family

ID=14255473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6099742A Expired - Fee Related JP3031166B2 (ja) 1994-05-13 1994-05-13 オキサゾリジン系化合物のフマール酸塩及び農園芸用の殺菌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3031166B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4687193B2 (ja) * 2005-03-30 2011-05-25 宇部興産株式会社 オキスポコナゾール銅塩及び木材保存剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07304774A (ja) 1995-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS61126071A (ja) 農園芸用殺菌剤
JPH0327360A (ja) フェノキシアルキルアミン誘導体並びに殺虫剤・殺ダニ剤及び殺菌剤
JPS6115042B2 (ja)
JP2530071B2 (ja) イソチアゾ―ルカルボン酸誘導体およびこれらを有効成分とするイネいもち病防除剤
JP3031166B2 (ja) オキサゾリジン系化合物のフマール酸塩及び農園芸用の殺菌剤
JP3181670B2 (ja) フェニルイミダゾール化合物、その製造方法及びそれらを含有する農園芸用殺菌剤
JP3050487B2 (ja) 農園芸用の殺菌剤組成物
JPH05125057A (ja) 1−フエニル−4−トリフルオロメチルウラシル誘導体およびそれを有効成分とする除草剤
JP2584807B2 (ja) マレイミド誘導体、その製造法およびそれを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤
JPH06228101A (ja) イソニコチン酸アミド誘導体、その製法及び農園芸用病害防除剤
JPH0655705B2 (ja) アシルアミノバレロニトリル誘導体、その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPS6154003B2 (ja)
JPS62106093A (ja) N−(α−シアノフルフリル)ニコチン酸アミド誘導体、その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPH04360876A (ja) アミノウラシル誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする除草剤
JPH04178363A (ja) 尿素誘導体及びそれを含有する有害生物防除剤
JPS63174983A (ja) アミノブテノリド誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする除草剤
JPS60255765A (ja) ピロ−ル誘導体、製造法及びそれらを含む除草及び殺菌剤
JPH05155866A (ja) N−アミノウラシル誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする除草剤
JPH01230579A (ja) 置換チアゾールカルボン酸誘導体およびそれを有効成分とする農園芸用殺菌剤
JPS6052728B2 (ja) 農園芸用殺菌剤
JPH0256467A (ja) アミド誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする農園芸用殺菌剤
JPH02229163A (ja) N―(2―クロロイソニコチノイル)誘導体またはそれを有効成分とする農園芸用殺菌剤
JPH0240384A (ja) 置換ヘテロ環カルボン酸誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする農園芸用殺菌剤
JPH0285282A (ja) アゾール誘導体および農園芸用殺菌剤
JPH01301681A (ja) アミド誘導体およびそれを有効成分とする農園芸用殺菌剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 11

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 11

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 11

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 11

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees