JP3031033B2 - トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造方法 - Google Patents

トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造方法

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JP3031033B2 JP4022010A JP2201092A JP3031033B2 JP 3031033 B2 JP3031033 B2 JP 3031033B2 JP 4022010 A JP4022010 A JP 4022010A JP 2201092 A JP2201092 A JP 2201092A JP 3031033 B2 JP3031033 B2 JP 3031033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度のトランス−
1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造方法に関す
る。このものは、優れた機械的性質、耐熱性及び耐薬品
性を示す液晶性ポリエステル原料やその中間体として、
又、繊維、樹脂等の原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】1,4−シクロヘキサンジメタノール
(以下「CHDM」と略記する。)は、例えば、ジメチ
ルヘキサヒドロテレフタレートを銅−クロム系触媒の存
在下で水素化した後、蒸留することにより工業的に製造
される。このようにして得られたCHDMは、通常、約
70%のトランス体と約30%のシス体の混合物である
(特開平2−131442号)。
【0003】かかる混合物からトランス体を選択的に得
る方法として、CHDMのシス体とトランス体との混合
物をピリジン中でベンゾイル化し、得られたジベンゾエ
ートのメタノール−アセトン溶媒に対する結晶性の差を
利用してトランス体を分別し、これをアルカリ存在下で
加水分解し、エーテルで抽出して融点が62〜64℃の
目的物を得る方法が知られている。更に、無水エーテル
で再結晶して66℃の融点を測定している(J.Chem.So
c.,404-407,(1953))。
【0004】しかしながら、本法は、工程が煩雑であ
り、しかも再結晶溶媒である無水エーテルの引火点は低
いために安全性に欠け、工業的な製造方法としては満足
できるものではない。
【0005】又、CHDMのシス体とトランス体との混
合物を直接アルカリの存在下で蒸留する方法が知られて
いる(特開平2−131442号)が、この方法では、
異性化反応の途中で平衡に達するため99%以上のトラ
ンス体を得ることは困難であり、尚、改善の余地が認め
られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、CHDMの
シス体とトランス体との混合物から、簡便に、しかも効
率よく高純度のトランス体を安全に得るための工業的な
製造方法を確立することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討の結果、CHDMの溶解性は、適
用する溶媒の種類によって大幅に異なり、再結晶溶媒と
して特定の構造を有するグリコール誘導体を選択して適
用することにより所定の効果が得られることを見いだ
し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明に係るトランス−CHDMの
製造方法は、トランス−CHDMとシス−CHDMとの
混合物を一般式(I)で表されるグリコールアルキルエ
ーテルアセテート(以下「グリコールアセテート類」と
いう。)で再結晶して分離回収することを特徴とする。
【化2】 [式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Aは炭
素数2〜4のアルキレン基を表し、nは1〜3の整数で
ある。但し、全炭素数は10以下である。]
【0009】一般式(I)で表されるグリコールアセテ
ート類の中で、特に炭素数8以下のグリコールアセテー
ト類の引火点はいずれも40℃以上であり、作業上の安
全性が高く、しかもCHDMに対する溶解性に優れてい
るため大量処理が可能で経済的である。一方、炭素数が
11以上のグリコールアセテート類では、一般に沸点が
高く、このものを乾燥除去する条件下では目的とするト
ランス−CHDMが溶融物として得られるため、高価な
金属容器或いはフレーカーや粉砕機が別途必要である
等、経済的に好ましくない。
【0010】本発明において適当なグリコールアセテー
ト類として、具体的には、以下の化合物が例示され、単
独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いられる。エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレン
グリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレン
グリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、
【0011】ジエチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、
【0012】プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピル
エーテルアセテート、
【0013】ブチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、ブチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、なかでも沸点、原料や精製物の溶解性の点か
ら、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト等が好ましい。
【0014】再結晶を行うに際して適用される再結晶溶
媒の適用量は、原料であるCHDMのシス体とトランス
体との混合物(このときトランス体とシス体との混合比
率は問わない。)に対し、0.5〜5倍重量、好ましく
は1.5〜2.5倍重量程度である。0.5倍重量未満
では所定の処理温度下で精製原料を完全に溶解せしめる
ことができず、収率も低下する。又、5倍重量を越えて
用いた場合には目的とするトランス体の収量が少なくな
り、生産性が低下する傾向が認められ、いずれの場合も
好ましくない。
【0015】以下に、本発明にかかる再結晶の具体的な
処理方法の一例を述べる。原料のCHDM(トランス体
とシス体との混合物)を、45〜80℃程度、通常、5
0〜70℃程度の加温下で所定のグリコールアセテート
類中で溶解し、次いで緩やかに攪拌しながら冷却して再
結晶せしめる(実用的には、室温まで放冷すれば良
い)。次いで、減圧下に濾過し、結晶生成物を回収す
る。更に、高純度(99.9%以上)の目的物を得るた
めには、上記工程で得られた湿結晶物を原料として適用
し、上記処理方法に準じて再結晶処理を複数回繰り返せ
ばよい。最終的に回収された再結晶物は、45〜60℃
程度、好ましくは50〜55℃程度に加温しながら減圧
下で乾燥して、目的とする高純度のトランス体を得る。
【0016】又、再結晶溶媒は、蒸留回収して繰り返し
て使用することができる。更に、複数の処理槽を連結す
ることにより連続的な処理も可能である。これらの事実
から、本法は、極めて経済的、かつ合理的な方法であ
る。
【0017】
【実施例】 実施例1 2リットルの冷却管付き3ツ口フラスコにCHDM(重
量比:トランス体/シス体=70/30、ガスクロマト
グラフィーによる。)400gと再結晶溶媒としてプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800
gとを仕込み、50℃で30分間緩やかに攪拌しながら
溶解し、次いで攪拌下に室温まで放冷し、その後濾過し
て湿結晶物(一次結晶物)92gを得た。更に、この一
次結晶物を1.5倍重量の上記と同じ溶媒に溶解し、冷
却、濾過して湿結晶物(二次結晶物)を得た。この二次
結晶物を50〜55℃、5mmHgで5時間乾燥して、純度
(ガスクロマトグラフィーによる。)99.5%のトラ
ンス体45gを得た(対CHDM収率11.3%)。こ
のものの透明融点は64℃であった。
【0018】実施例2 再結晶溶媒としてエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテートを用いた以外は実施例1と同様に処理して
純度99.0%のトランス体55gを得た(対原料収率
13.8%)。
【0019】実施例3 再結晶溶媒としてジエチレングリコールモノブチルエー
テルアセテートを用いた以外は実施例1と同様に処理し
て純度97.5%のトランス体68gを得た(対原料収
率17.0%)。
【0020】
【発明の効果】本発明に係る再結晶方法を適用すること
により、高純度のトランス−CHDMを工業的に製造す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 31/27 C07C 29/78

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランス−1,4−シクロヘキサンジメ
    タノールとシス−1,4−シクロヘキサンジメタノール
    との混合物を一般式(I)で表されるグリコールアルキ
    ルエーテルアセテートで再結晶して分離回収することを
    特徴とするトランス−1,4−シクロヘキサンジメタノ
    ールの製造方法。 【化1】 [式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Aは炭
    素数2〜4のアルキレン基を表し、nは1〜3の整数で
    ある。但し、全炭素数は10以下である。]
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