JP3030751U - 内ネジ付きスリットナットの製造装置及び内ネジ付きスリットナット - Google Patents

内ネジ付きスリットナットの製造装置及び内ネジ付きスリットナット

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JP3030751U JP1996001135U JP113596U JP3030751U JP 3030751 U JP3030751 U JP 3030751U JP 1996001135 U JP1996001135 U JP 1996001135U JP 113596 U JP113596 U JP 113596U JP 3030751 U JP3030751 U JP 3030751U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂の射出成型に際して内ネジもスリッ
トも同時に形成できながら、成形されたスリットナット
を簡単に金型(中心の固定ネジコア)から離脱できると
ころの内ネジ付きスリットナットを製造すること。 【解決手段】 固定側型板、可動側型板及びコアを用
い、合成樹脂の射出成型によって製造するに際し、射出
後のエジェクターピン作動に先行して、スリットナット
のスリットを形成する可動スリットコアの引退作動によ
ってスリットナットの内径を拡張し、成形されたスリッ
トナットの径方法の移動を許容させてエジェクターピン
作動時にスリットナットが固定ネジコアから離脱できる
ようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する分野】
本考案は、内ネジ付きスリットナットの製造装置及び内ネジ付きスリットナッ トに関し、例えば、自転車等のブレーキ操作、単車、自動車等のスロットル操作 等に用いられレリーズワイヤーのロックに用いられたり、或いは、その他の広い 用途のある内ネジ付きスリットナットの製造装置及び内ネジ付きスリットナット に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、レリーズワイヤーのロック及び調節には、そのレリーズワイヤーのセ ッティングを優先しなければならない為にスリットナット(即ち、リング状のナ ットの一部を半径方向に切り欠いてあるナット)が不可欠であり、特に、ナット の内側にネジを切ったものの必要度が高い。 こうした内ネジ付きスリットナットの製造としては、最近優れた機械的性質を 備えた硬質合成樹脂(僅かに弾性を有する)が安価に入手することが可能となっ た為に、低コストの射出成型が多用されつつある。
【0003】 現在では、合成樹脂の射出成形によるスリットナットの製造は、図7に示すよ うに、一般に行われている固定側型板(離型した状態故に図外)、可動側型板3 及びネジ無しコア4’を用い、合成樹脂の射出成型によって製造する際に、ナッ ト(図外)の中心を形成するネジ無しのコア4’aとスリットを形成するコア4 ’bとを連設した一体物とし、射出成形後に、エジェクターピン13を作用させ て、そのナットの軸線方向に抜き、その後に、中心に孔にタップでネジを立てる ことによって行われている。 この方法によれば、ネジ無しコア4’aを用いるのでナットの軸線方向への抜 きにネジ山の引っ掛かりがなく容易に抜くことができるが、成型後にネジ立てを 別工程で行わなければならないという欠点があり、製造コストが高くつくという 問題がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
このような製造方式を採るのは、スリットナットの内ネジとスリットとを、射 出成形に際して同時に形成することが難しいという理由からである。 即ち、通常のスリットの無いナット(円筒状)であれば、成型金型のコアの外 周にネジを形成しておき、射出成形後にコアを回転させてナットから離脱させ、 その後にエジェクターピンを作用させれば簡単に内ネジのナットを得ることがで きる。
【0005】 ところが、このナットにスリットを形成する場合には、内ネジを形成するネジ コア(その外周の一部のネジが存在しない)と、スリットを形成するスリットコ アとを、そのネジコアのネジ無し部において連設させる必要がある。 この場合、合成樹脂の射出後にネジコアをナットから離脱させるために回転さ せようとすれば、そのネジ山がスリットコアに引っ掛からないようにするために 、このスリットコアをネジコアから引退移動させてやる必要が生じる。
【0006】 こうした動作を行う手段は種々考えられるが、ネジコアの回転引き抜き動作に サーボモーターを用いるにしても、次工程におけるネジコアの位置決めが極めて 正確に行われなければ、このネジコアにスリットコアを接当或いは嵌入(少なく ともネジ山分は嵌め込んだ状態)させることが出来なくなる。 従って、万一、サーボモーターの駆動伝達系のギアのバックラッシュ、ネジの 遊び或いはその他の原因によってネジコアの停止位置が狂った場合には、スリッ ットコアが原位置へ復帰移動する際にネジコアのネジ山に衝突し、正確に接当( 嵌入)出来ないばかりでなく、ネジ山を潰してしまうことになる。
【0007】 こうした問題の一つの解決方法としては、スリットは無いが内ネジは形成され ているというナットを射出成形し、その後にカッティング工程を加えてスリット を形成することが考えられるが、この方法によれば、加工工程が増えるのみなら ず、カッティング工程に際して内ネジが破損(レーザー等による鋭利な切断も可 能だが、商品のコストが合わない)されるという別の問題が生じ、実用に供し得 ない。
【0008】 本考案は、かかる現状に鑑みて、合成樹脂の射出成型に際して内ネジもスリッ トも同時に形成できながら、成形されたスリットナットを簡単に金型(中心の固 定ネジコア)から離脱できるところの内ネジ付きスリットナットの製造装置及び 内ネジ付きスリットナットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案にかかる内ネジ付きスリットナットの製造装置は、上記目的を達成する ために、 固定側型板、可動側型板及びコアを用い、合成樹脂の射出成型によって製造す る内ネジ付きスリットナットの製造装置であって、 前記コアを、スリットナットの内ネジを形成する固定ネジコアと、スリットナ ットのスリットを形成する可動スリットコアとから構成し、 前記可動スリットコアを動作する可動スリットコア駆動手段を設け、 前記可動スリットコアの側部に、該可動スリットコアの引退作動時において、 成形されたスリットナットのスリット端面に接当してカム作用を発揮するカム作 用部を設けてある、 という手段を講じたのである。
【0010】 本考案の装置に於いて、上記カム作用部が、可動スリットコアの側部に突出形 成された突起状カムである、というのが好ましい。 また、本考案の装置に於いて、上記カム作用部が、可動スリットコアの側部に 凹部形成された凹面状カムである、というのも好ましい。
【0011】 更に、本考案の装置に於いて、上記可動スリットコア駆動手段が、固定側型板 に設けられたピンと、上記可動スリットコアに形成されて前記ピンに係合する係 合孔とから構成され、前記固定側型板の離型動作の一部に連動して可動スリット コアをスライド作動させ、該可動スリットコアの作動に伴うカム作用によって、 成形されたスリットナットの拡径が行われるように構成されている、のが好まし い。
【0012】 また、本考案の装置に於いて、上記可動スリットコア駆動手段が、上記可動ス リットコアの中心方向に螺合するネジと、該ネジを回転駆動するサーボモーター とで構成され、該サーボモーターが前記エジェクターピン作動に先行して駆動さ れ、前記可動スリットコアを固定ネジコアから僅かに引退させ、該可動スリット コアの作動に伴うカム作用によって、成形されたスリットナットの拡径が行われ るように構成されているのが好ましい。
【0013】 本考案にかかる内ネジ付きスリットナットは、上記目的を達するために、請求 項1乃至請求項5の装置によって製造される。 そして、成形されたスリットナットのスリット端面に凹部が形成されるか、又 は、凸部が形成される。
【0014】
【考案の実施の形態】
本考案によれば、射出成形時に固定ネジコアによってスリットナットの内ネジ を形成するにもかかわらず、スリットナットのスリットを形成する可動スリット コアの引退作動によってスリットナットの内径を拡張することにより、射出後の エジェクターピンが作動(可動側型板との相対変位)したときに、成形されたス リットナットの径方法の移動を許容させ、以て、スリットナットが固定ネジコア から離脱できるのである。
【0015】 この場合、可動スリットコアの引退動作によってスリットナットが拡径される といっても、そのスリット部分が大きく拡がり、その反対側に位置する部分ほど 拡径が望めなくなるが、そのスリット部分が大きく拡がる結果、エジェクターピ ンが作用した時に、エジェクターピンで押されたナットが径方向に変位すること が可能となり、拡径後においても係合していたナットのスリット部分と反対側の 部分が固定ネジコアのネジから離脱することができるのである。
【0016】 要するに、硬質合成樹脂の持つ弾性を利用しながら、従来固定とされていたス リットコアを可動させると共にそのスリットコアの作動を利用してナットを拡径 させるのであるから、ネジコアをモーターで回転させたり、スリットコアに対応 させた位置に精密に停止させなければならないといった問題が発生しないのであ る。
【0017】 本考案において、成形されたスリットナットが固定ネジコアから離脱するにつ いて最も重要なことは、スリットナットの拡径によるスリットナットの径方向の 変位、即ち、ナットをその軸線方向に押すというエジェクターピンの作用時(相 対移動ではあるが)に、その押圧作用でナットを、成形ナットと固定ネジコアの ネジネジ山の傾斜面の滑り(カム面作用)によって、径方向の変位させることが できるようにしている点である。
【0018】 本考案に於いて、上記可動スリットコアをスライドさせ、このスライド時に可 動スリットコアと成形されたスリットナットとの間のカム作用によってスリット ナットの内径を拡張する方法を採る場合には、スリットを形成するためのスリッ トコアと、成形されたスリットナットとを利用して拡径させることができるので 、スライド方式という簡単な方法でありながら確実な拡径作用を期待できる。
【0019】 本考案の場合、上述した作用を発揮して内ネジ付きスリットナットを製造でき るのであるが、その構造として、コアを、スリットナットの内ネジを形成する固 定ネジコアと、スリットナットのスリットを形成する可動スリットコアとから個 別に構成するという簡単な構造と、前記可動スリットコアを動作する可動スリッ トコア駆動手段を設け、且つ、前記可動スリットコアの側部に、該可動スリット コアの引退作動時において、成形されたスリットナットのスリット端面に接当し てカム作用を発揮するカム作用部を設けたことによって、スリットナットの拡径 を行い得るので、一連の成型工程において拡径を行うことができると共にカム作 用部において容易に拡径の範囲を調整でき、スリットナットを無理なく固定ネジ コアから離脱させることができる。
【0020】 本考案に於いて、上記カム作用部が、可動スリットコアの側部に突出形成され た突起状カムである場合には、突起状のカムを形成するので製作が容易であると 共に成形されたスリットナットのスリット端面に凹部が形成されることになり、 その結果、製造されたスリットナットのスリット端面に突起がなく、ここを通す レリーズワイヤー(一例)の挿入の障害となることがない。 また、逆に、上記カム作用部が、可動スリットコアの側部に凹部形成された凹 面状カムである場合には、成型後にスリット端面に突起が形成されることになる が、前述のレリーズワイヤー(一例)の挿入時の抵抗となるものの、これを通過 させた後は、万一、ロックが緩んでナットのスリットとレリーズワイヤーのホル ダーのスリットが合致しても、スリット端面から突出した突起が逆にレリーズワ イヤーの抜け止め作用を果たすことになる。
【0021】 本考案に於いて、上記可動スリットコア駆動手段が、固定側型板に設けられた ピンと、上記可動スリットコアに形成されて前記ピンに係合する係合孔とから構 成され、前記可動側型板の離型動作の一部に連動して可動スリットコアをスライ ド作動させ、該可動スリットコアの作動に伴うカム作用によって、成形されたス リットナットの拡径が行われるように構成されている場合には、可動側型板が固 定側型板から離間する際の動作(実施例構造ではタイムラグがある)で、前記可 動スリットコアをスライドさせることができ、そのための格別の駆動手段を備え る必要がない。
【0022】 本考案に於いては、可動スリットコア駆動手段として上述の構成とは別の構成 、例えば、上記可動スリットコアの中心方向に螺合するネジと、該ネジを回転駆 動するサーボモーターとで構成され、該サーボモーターが前記エジェクターピン 作動に先行して駆動され、前記可動スリットコアを固定ネジコアから僅かに引退 させ、該可動スリットコアの作動に伴うカム作用によって、成形されたスリット ナットの拡径が行われるように構成されている場合には、可動スリットコアの作 動タイミングを電気的に容易に調整できる。 こうした可動スリットコア駆動手段としては、クランク機構、ピニオンギヤと ラックギヤ、リンク機構等の適宜の公知の機械的要素、手段を組み合わせて用い ることができることは言うまでもない。
【0023】 本考案の装置によって製造された内ネジ付きスリットナットは、成形されたス リットナットのスリット端面に凹部が形成された場合、製品の外観に影響を与え るものでなく、バリ取り等の爾後処理工程も必要としない。 また、成形されたスリットナットのスリット端面に凸部が形成された場合、外 観状突起が見えるが、非常に小さなものであると共にスリットの内部であって体 裁を損なうものではなく、勿論、バリ取り等の爾後処理工程も必要とするもので はない。
【0024】
【実施例】
以下、本考案の内ネジ付きスリットナットの製造装置及び内ネジ付きスリット ナットの好適実施例について、図面を参照して詳述する。 この実施例説明では 、公知の技術に属し、詳細説明が不要と考える射出成型機全体の図示及び説明は 省略している。
【0025】 図1は、硬質合成樹脂(一般に射出成型に用いられる素材で、ガラス繊維混入 のものも含まれる)の射出成形に用いられる金型の縦断側面図を示し、1はラン ナープレート、2は、このランナープレート1の下側に設けられた固定側型板( キャビプレート)であり、成形品となるスリットナット10の外面を形成するよ うに凹部として彫り込まれている。 2aは、さい頭円錐台の形状をなす突起で あって、成形品となるスリットナット10の一側端面のネジ孔の一部、即ち、ネ ジ山のない誘導傾斜面を形成するために、前記固定側型板2に設けられている。
【0026】 3は可動側型板(コアプレート)であり、前記固定側型板2と対向配置され、 成形品となるスリットナット10の一側端面を形成するように構成されている。 この可動側型板3の中央には、コアの一部を構成する固定ネジコア4が前記固 定側型板2の凹部の中心、即ち、成形されるスリットナット10のネジ孔を形成 するように固定状態で設けられている。 この固定ネジコア4の上端面は、固定 側型板2と可動側型板3が合わされた時に、前記突起2aに接当する。
【0027】 また、この可動側型板3には、もう一方のコアである可動スリットコア5がス ライド自在に設けられている。 この可動スリットコア5は、図4に示される如 く、成形されるスリットナット10のスリットを形成するもので、前記固定ネジ コア4の軸芯方向に対して刻設された嵌入部4aにその先端が嵌入されるように 構成されている。
【0028】 そして、前記固定ネジコア4には、前記可動スリットコア5の側部に、該可動 スリットコア5の引退作動時、即ち、図5に示す如く、前記固定ネジコア4の嵌 入部4aから僅かに引き抜かれる(外に抜け出すものではない)時、成形された スリットナットのスリットに接当してカム作用を発揮するカム作用部6が設けら れており、この実施例では、前記可動スリットコア5の側部に突出形成された突 起状カムで構成されている。 このカム作用部6によって、可動スリットコア5 の引退作動時に、前記突起状カムがスリット端面10b・10bに乗り上げ、以 て、成形されたスリットナット10のスリットが拡げられ、拡径が行われること になる。 このカム作用は、結果として固定ネジコア4のネジ山からスリットナ ットが解放されるネジ山高さに相当(素材の弾性変形も見込めるので、必ずしも ネジ山高さ以上というものではない)する半径方向の遊びが生まれるものであれ ばよく、スリットナットの大きさ、ネジ山の高さ等によって調整される。
【0029】 このカム作用部6としては、図示していないが、可動スリットコア5の側部に 凹部を形成して凹面状カムに構成しても、結果として、可動スリットコア5の引 退作動において拡径に必要なカム作用が得られることになる。
【0030】 更に、上記可動スリットコア5には、図1に示すように、可動スリットコア駆 動手段7が連設されている。 この可動スリットコア駆動手段7は、この実施例 では、前記可動スリットコア5と一体に構成されたブロック7aの上面に、前記 固定ネジコア4の軸芯から遠ざかる方向に傾斜した大径の係合孔7bを刻設し、 この係合孔7bに摺動自在に嵌入するピン(棒状体)7cを前記固定側型板2に 固定することによって構成している。
【0031】 従って、前記可動側型板3を、前記固定ネジコア4の軸芯方向に沿って固定側 型板2から離型させると、傾斜された係合孔7b(ここでは、鉛直に対して20 度)に嵌入されたピン7c(ここでは、鉛直に対して18度:係合孔7bよりも 鉛直に近づく))が、その大径の係合孔7bの遊び空間を移動し、その後に係合 孔7bの内面に接当し、カム作用を発揮してブロック7aをスライドさせること になり、図5に示す如く、結果として可動スリットコア5を固定ネジコア4から 引退させる機能を発揮するのである。 前記係合孔7bの遊び空間(大径の空間)は、成形されたスリットナット10 の拡径のタイミングを取るためのものであり、一連の金型の作動の流れにおいて 、先に可動側型板3が固定側型板2から完全に離し、成形されたスリットナット 10の一側端面をフリーの状態として、前記可動スリットコア5のカム作用部6 による拡径を容易にするためのものである。
【0032】 上述した可動スリットコア駆動手段7としては、図示していないが、上記可動 スリットコア5の中心方向に螺合するネジと、該ネジを回転駆動するサーボモー ターとで構成し、該サーボモーターが、後述するエジェクターピン作動に先行し て駆動され、前記可動スリットコア5を固定ネジコア4から僅かに引退させ、該 可動スリットコア5の作動に伴うカム作用によって、成形されたスリットナット 10の拡径が行われるように構成してもよい。
【0033】 8は、受板であり、前記可動側型板3に設けられ、前記固定ネジコア4を受け ている。 9は、エジェクタープレートと呼ばれるもので、前記受板8から延設 されており、これにエジェクタースリーブプレート11が嵌入される。 このエ ジェクタースリーブプレート11とエジェクタープレート9とはバネ12によっ て相対変位可能とされている。
【0034】 前記可動側型板3及び受板8を貫通して4本のエジェクターピン13が、前記 固定ネジコア4の軸線に平行に設けらており、エジェクタースリーブプレート1 1がバネ12の弾性変位によって、即ち、前記可動側型板3との相対変位によっ て、上方に突出して成形されたスリットナット10を前記固定ネジコア4から離 型させように構成されている。 これら4本のエジェクターピン13は、スリッ トナット10の周方向の等間隔に配置されているが、その本数及び位置は、スリ ットナット10の形状、大きさによって適宜選択、設計することができることは 言うまでもない。
【0035】 このエジェクターピン13の作用は、当然ながら、前記可動スリットコア5が 引退し、そのカム作用によって、成形されたスリットナット10が拡径された状 態においてスリットナット10を押し出すので、その押し出し方向が固定ネジコ ア4の軸線に平行な方向であっても、拡径作用が及ばない部分、即ち、スリット と反対側の部分のスリットナット10のネジ山と固定ネジコア4のネジ山との傾 斜面の滑りによるカム作用によって、スリットナット10を径方向に変位させる ことになり、結果としてスリットナット10の全周のネジ係合が離れることにな るのである。
【0036】 こうした製造装置によって、本考案の製造は次のように行われる。 即ち、固定側型板2、可動側型板3及びコア(4,5)を用い、合成樹脂の射 出成型によって製造する内ネジ付きスリットナットの製造方法として、固定ネジ コア4によってスリットナット10の内ネジ10aを形成し、射出後のエジェク ターピン13作動に先行して、スリットナット10のスリットを形成する可動ス リットコア5の引退作動によってスリットナット10の内径を拡張し、成形され たスリットナット10の径方法の移動を許容させ、エジェクターピン13作動時 にスリットナット10が固定ネジコア4から離脱できるようにし、以て、内ネジ 付きスリットナットの製造するのである。
【0037】 この場合、上記可動スリットコア5をスライドさせ、このスライド時に可動ス リットコア5と成形されたスリットナット10との間のカム作用によってスリッ トナット10の内径を拡張する方法を採ることで、可動スリットコア5をスリッ トナット10のスリット形成機能と、離型時の拡径の機能とを兼務させることが できて、スライド方式によるスムースな動作と合わせて、極めて簡単な構成によ って所期の作用を得ることができる。
【0038】 上述した装置によって製造されたスリットナット10は、図6に示す如く、従 来方法乃至装置によって製造されたスリットナットの外観と何等変わるものでは なく、上述した可動スリットコア5のカム作用部6の突起状カムの存在によって 、そのスリットの両端面に僅かに凹部10aが形成されるに過ぎない。 尤も、 この凹部10aは、前記カム作用部6が凹面状カムに構成されている場合には、 図示されていないが、前記スリットの両端面に僅かに突起が形成されることにな るが、スリット内部故に外観上の体裁を損なうものではない。
【0039】
【考案の効果】
本考案によれば、次の如き優れた効果を奏する。 従来において、合成樹脂製の内ネジ付きスリットナットの射出成型による製 造の為に、そのスリット付きのナット本体を射出成型した後、別の工程として内 ネジを立てる加工を施していたが、本発明においては、これを、射出成型におい て一挙に行い得ることになって、内ネジを立てる加工を省くことができ、大幅な コストダウンを図ることができた。
【0040】 成型時に内ネジを形成したことにより必要となった固定ネジコアからのスリ ットナットの離型を、スリットナットのスリットを形成するコアを可動として可 動スリットコアに構成し、これをスライドさせることでスリットナットを拡径し 、以て、スリットナットの半径方向の遊びを得ると同時にエジェクター作用時の 押圧力で拡径の作用が及ばないスリットと反対側部分の固定ネジコアと成形され たスリットナットのネジ山の傾斜面の滑りを利用して、スリットナットを半径方 向に変位させ、これによって全周に渡ってネジ山の係合を解除し、スリットナッ トをスムースに離型させることができるのである。
【0041】 こうしたスリットナットの拡径を、可動スリットコアのスライドと、このス ライド時に発揮されるカム作用という機械的動作によって得るので、その作動に 信頼性があり、常時呉動作乃至トラブル発生のない状態で製造できる。 このようにして製造されたスリットナットは、外観上において従来方式のス リットナットと実質的に変わるところはなく、そのスリットの両端面に凹部或い は突起が僅かに形成されるも体裁を損ねるものではなく、また、成型後において バリ取り等の爾後加工を必要とするものでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の内ネジ付きスリットナットの製造装置
の要部を示す縦断側面図である。
【図2】本考案の内ネジ付きスリットナットの製造装置
の要部の固定側型板が離型した状態を示す縦断側面図で
ある。
【図3】本考案の内ネジ付きスリットナットの製造装置
の要部を示す斜視図である。
【図4】本考案の内ネジ付きスリットナットの製造装置
の要部の一作動状態を示す平面図である。
【図5】本考案の内ネジ付きスリットナットの製造装置
の要部の一作動状態を示す平面図である。
【図6】本考案の内ネジ付きスリットナットの概略斜視
図である。
【図7】従来技術を示す内ネジ付きスリットナットの製
造装置の固定側型板が離型した状態の要部の縦断側面で
ある。
【符号の説明】
2 固定側型板 3 可動側型板 4 固定ネジコア 5 可動スリットコア 6 カム作用部 7 可動スリットコア駆動手段
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定側型板、可動側型板及びコアを用い、
    合成樹脂の射出成型によって製造する内ネジ付きスリッ
    トナットの製造装置であって、 前記コアを、スリットナットの内ネジを形成する固定ネ
    ジコアと、スリットナットのスリットを形成する可動ス
    リットコアとから構成し、 前記可動スリットコアを動作する可動スリットコア駆動
    手段を設け、 前記可動スリットコアの側部に、該可動スリットコアの
    引退作動時において、成形されたスリットナットのスリ
    ット端面に接当してカム作用を発揮するカム作用部を設
    けてある、内ネジ付きスリットナットの製造装置。
  2. 【請求項2】上記カム作用部が、可動スリットコアの側
    部に突出形成された突起状カムである、請求項1の内ネ
    ジ付きスリットナットの製造装置。
  3. 【請求項3】上記カム作用部が、可動スリットコアの側
    部に凹部形成された凹面状カムである、請求項1の内ネ
    ジ付きスリットナットの製造装置。
  4. 【請求項4】上記可動スリットコア駆動手段が、固定側
    型板に設けられたピンと、上記可動スリットコアに形成
    されて前記ピンに係合する係合孔とから構成され、前記
    固定側型板の離型動作の一部に連動して可動スリットコ
    アをスライド作動させ、該可動スリットコアの作動に伴
    うカム作用によって、成形されたスリットナットの拡径
    が行われるように構成されている、請求項1乃至請求項
    3の内ネジ付きスリットナットの製造装置。
  5. 【請求項5】上記可動スリットコア駆動手段が、上記可
    動スリットコアの中心方向に螺合するネジと、該ネジを
    回転駆動するサーボモーターとで構成され、該サーボモ
    ーターが前記エジェクターピン作動に先行して駆動さ
    れ、前記可動スリットコアを固定ネジコアから僅かに引
    退させ、該可動スリットコアの作動に伴うカム作用によ
    って、成形されたスリットナットの拡径が行われるよう
    に構成されている、請求項1乃至3の内ネジ付きスリッ
    トナットの製造装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5の装置によって製造
    された内ネジ付きスリットナット。
  7. 【請求項7】成形されたスリットナットのスリット端面
    に凹部が形成された請求項6の内ネジ付きスリットナッ
    ト。
  8. 【請求項8】成形されたスリットナットのスリット端面
    に凸部が形成された請求項6の内ネジ付きスリットナッ
    ト。
JP1996001135U 1996-02-01 1996-02-01 内ネジ付きスリットナットの製造装置及び内ネジ付きスリットナット Expired - Lifetime JP3030751U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05248390A (ja) * 1992-03-05 1993-09-24 Mitsubishi Electric Corp 送風機

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