JP3030115U - 植栽用円形ポット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の植栽に使用される用具としてはペーパ
ーポット，ビニールポットがあるが、高木苗木を定植さ
せる場合、根切りをするため苗木そのものの勢力が弱く
なり、活着成績が悪く枯死率も多いなどの問題があっ
た。 【解決手段】 円筒部２と網底部３から構成され、円筒
部２は縦長木板２Ａが所定間隔２Ａ１をもって筒状に並
べられ、外周の上方部分と下方部分には鉄製帯板２Ｂが
添着固定して円筒体２Ｄが形成され、円筒体２Ｄには当
該円筒体２Ｄの内面径に合わせて円盤状に裁断された金
網３Ａが張設されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、従来の植栽手法と異なり、季節的に関係なく通年の植栽工事を機械 により効率よく省力的に施工できる植栽用円形ポットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のものにあっては、下記のようなものになっている。 ペーパーポット，ビニールポットがあるが、いずれも小径で容量が小さく、小 苗を対象としたものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。 Ａ．高木苗木を定植させる場合、根切りをするため苗木そのものの勢力が弱く なり、活着成績が悪く枯死率も多かった。 Ｂ．植栽作業は季節的に制約されるため、大規模の面積の植栽は困難であった 。 Ｃ．養成期間が短いため根の発達が悪く、定植時の活着率が低く生長も遅い。 本願は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、上述の問題を解決できるものを提供しようとするもので ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のものは下記のようになるものである。 すなわち本考案のものは、円筒部２と網底部３から構成され、円筒部２は、所 定寸法に構成された縦長木板２Ａが所定間隔２Ａ１をもって筒状に並べられ、外 周の上方部分と下方部分には、当該縦長木板の長手方向とは直交方向をもって所 定寸法に構成された鉄製帯板２Ｂが添着固定して円筒体２Ｄが形成され、円筒体 ２Ｄには当該円筒体２Ｄの内面径に合わせて円盤状に裁断された金網３Ａが張設 されている植栽用円形ポットである。 この場合、下記のように構成することができる。 Ａ．縦長木板２Ａが幅５０ｍｍ、厚さ１４ｍｍ、長さ５００ｍｍに構成され、 所定間隔２Ａ１が１２ｍｍに構成され、金網３Ａは線径２ｍｍの鉄線で構成され 目合い２０ｍｍである。 Ｂ．円筒部２や網底部３を年がたつと地中で腐食する合成樹脂で構成する。

【０００５】

【考案の実施の形態】

考案の実施の形態について図面を参照して説明する。 １は本考案の植栽用円形ポットで、円筒部２と網底部３から構成されている。 円筒部２は、所定寸法に構成された縦長木板２Ａが所定間隔２Ａ１をもって筒 状に並べられ、外周の上方部分と下方部分には、当該縦長木板の長手方向とは直 交方向をもって所定寸法に構成された鉄製帯板２Ｂが添着固定して円筒体２Ｄが 形成され、円筒体２Ｄには当該円筒体２Ｄの内面径に合わせて円盤状に裁断され た金網３Ａが張設されている。 以上は、円筒部２が木製で、網底部３が金網製である場合で説明したが、円筒 部２や網底部３を年がたつと地中で腐食する合成樹脂で構成することができる。 地中で腐食する合成樹脂としては、完全生分解性プラスチック（バイオポール 〜商標，マタービー〜商標〜日本合成化学工業株式会社）がある。

【０００６】

【実施例】

Ａ．植栽用円形ポットの製造工程は下記の通りである。 第１工程〜幅５０ｍｍ、厚さ１４ｍｍ、長さ５００ｍｍに構成された縦長木板 ２Ａを１２ｍｍの所定間隔２Ａ１をもって任意の数量を成形器（図示略）に平行 に並べる。 第２工程〜第１工程で平行に並べられた縦長木板２Ａ，２Ａ．．の表面側にお ける上方部分と下方部分には、当該縦長木板の長手方向とは直交方向をもって幅 ９ｍｍ、厚さ０．６ｍｍの鉄製帯板２Ｂを位置せしめ、釘打ち機をもって釘２Ｃ を打込み固定して、縦長木板２Ａが平行に並べられた平板状体を形成する。 なお、上方部分の鉄製帯板２Ｂと下方部分の鉄製帯板２Ｂとの間隔は３０ｃｍ 程度である。 打込まれた釘の余長分は成形器の鉄板に突き当たって折れ曲がり製材に食い込 み固定する。 第３工程〜第２工程で得た平板状体を円筒状に形成し、鉄製帯板２Ｂの両端部 を重ね合わせ、止め具２Ｅをもって締付け連結して円筒体２Ｄを形成する。 円筒体２Ｄの直径は３６０ｍｍ程度である。 第４工程〜円筒体２Ｄの内面径に合わせて円盤状に裁断された線径２ｍｍの鉄 線で構成された目合いが２０ｍｍの金網３Ａの周囲に、線径３ｍｍの骨線３Ｂを 添着して円盤状の網蓋３Ｃを形成し、この網蓋３Ｃを円筒体２Ｄの底部に線径２ ｍｍの鉄線３Ｄをもって取付ける。 Ｂ．植栽用円形ポットの作業工程は下記の通りである。 第１工程〜図１のように、植栽用円形ポット内に土４と植栽木５を入れ苗畑に 埋め、定期間育成させる。 第２工程〜図５のように、育成が完了したら機械を利用して苗畑から吊上げ、 トラックなどで所望する箇所に運搬して、植栽を所望する箇所に機械式オーガー ６で植栽用円形ポットが入る程度の穴７を開設する。 そして、この穴７に植栽用円形ポットを入れ、土を埋め戻す。 この場合、図６，図９のように、吊上げ用具８で吊上げ吊下げ作業をすると便 利である。 なお、吊上げ用具８は、所定長さのロープ８Ａの両端にフック８Ｂが取付けら れている。

【０００７】

【考案の効果】

本考案は、上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。 Ａ．豊富な土量で養成するので、根の発達がよく、苗木に活力がある。（現場 での客土はほとんど必要ない。） Ｂ．植栽時期に制約されないので、通年施工が可能である。 Ｃ．大型苗木の養成が可能なので、添え木支柱等は不要である。 Ｄ．植栽用円形ポットのため機械式オーガー利用の植栽が可能で、作業効率が 抜群で省力化もできる。 しかも、専門的な造園技術者，特殊な植栽技術者を必要としない。 Ｅ．養成段階から苗木と植栽用円形ポットを一体化で養成するので、定植時に は根切りを一切行わず、土付きの状態で埋込む方式を採るため、苗木そのものに 損傷を与えず植栽できる。 一体化ポットであるので風力の作用による幹揺れによる根の緩みがなく、活着 率がよく生長が早い。 Ｆ．木材を素材とした植栽用円形ポットなので４年から６年程度で腐食し、自 然に還り土壌構造に変化がなく、樹木に対して無害であって、むしろ、栄養分と なり植物の生育を助長することができる。 この場合、円筒部２や網底部３を年がたつと地中で腐食する合成樹脂で構成し たものでも同様効果を期待することができる。 Ｇ．根に損傷を与えず定植するので活着もよく、植栽木の生長もよい。 Ｈ．植栽用円形ポット移動時の吊上げ用具として、柔軟なロープに特殊な金具 を取付け、ポット周面に巻付け、３点もしくは４点吊り方式で移動できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】１部を切欠いた使用状態の斜視図である。

【図２】斜視図である。

【図３】平面図である。

【図４】Ａ−Ａ線断面図である。

【図５】作業工程を説明する縦断面図である。

【図６】作業工程を説明する縦断面図である。

【図７】作業工程を説明する縦断面図である。

【図８】作業工程を説明する縦断面図である。

【図９】吊上げ用具の使用状態を説明する斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 植栽用円形ポット ２ 円筒部 ３ 網底部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒部（２）と網底部（３）から構成さ
   れ、円筒部（２）は、所定寸法に構成された縦長木板
   （２Ａ）が所定間隔（２Ａ１）をもって筒状に並べら
   れ、外周の上方部分と下方部分には、当該縦長木板の長
   手方向とは直交方向をもって所定寸法に構成された鉄製
   帯板（２Ｂ）が添着固定して円筒体（２Ｄ）が形成さ
   れ、円筒体（２Ｄ）には当該円筒体（２Ｄ）の内面径に
   合わせて円盤状に裁断された金網（３Ａ）が張設されて
   いることを特徴とする植栽用円形ポット。
2. 【請求項２】 縦長木板（２Ａ）が幅５０ｍｍ、厚さ１
   ４ｍｍ、長さ５００ｍｍに構成され、所定間隔（２Ａ
   １）が１２ｍｍに構成され、金網（３Ａ）は線径２ｍｍ
   の鉄線で構成され目合いが２０ｍｍである請求項１記載
   の植栽用円形ポット。
3. 【請求項３】 円筒部（２）や網底部（３）を年がたつ
   と地中で腐食する合成樹脂で構成した請求項１あるいは
   請求項２記載の植栽用円形ポット。