JP3029894U - 刈払機用絡み二重ガード刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】刈払機用回転刃Ｐの主軸Ｑ周囲を囲み、回
転刃Ｐの板面上に開口端部を密着固定する筒状のガード
筒体１を設ける。ガード筒体１の開口上端に、主軸Ｑ付
近の草を跳ね返す円板状のガードリング２を回転歯Ｐと
平行に設ける。ガードリング２の外周に、回転刃Ｐの回
転方向と反対方向に向けて次第に広がる平面略円弧形状
を成した草避け羽部２Ａを放射状に設ける。 【効果】丈の長い草等が回転軸へ絡み付くのを確実に防
止する。僅かな間隙でも絡み付こうとする柔らかな草
や、草の繊維等の絡みも防止する。誰でも容易に取り扱
うことができ、連続して長時間の使用が可能になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、刈払機の回転刃の改良に係るもので、使用中において、特に回転刃 と主軸カバーとの間に柔らかい草や草の繊維が絡まったり、回転刃の主軸につる 状の草や丈の長い草などが絡まるのを防止する刈払機用絡み二重ガード刃に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、刈払機の回転刃に草等の絡みを防止する考案として、実開昭62-128720 号に記載の刈払機における巻付き防止体や、実開昭62-128722 号に記載の刈払機 用回転刃等の考案がある。

【０００３】 前者の巻付き防止体は、回転刃の上面に切断刃を垂直に立設すると共に、この 切断刃の周囲に風起こし羽を設けたものである。そして、回転刃の軸部に絡み付 こうとする草を、この風起こし羽の風圧でガードし、更に軸部にまとわり付く草 を切断刃が切断するように設けている。

【０００４】 また、後者の回転刃は、回転刃の上面に複数の風起こし羽を、バネ等を介して 起伏自在に設けたもので、回転刃の上面に接する草を、この風起こし羽にて回転 刃の上方に逃そうとするものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

回転刃に草が絡み付く場合には、柔らかい草や草の繊維が、回転刃と主軸カバ ー等との僅かな間隙に入り込む場合と、つる状の草や丈の長い草等が回転軸に直 接絡み付く場合とがある。一般の作業で多いのは、丈の長い草等が回転軸に直接 絡み付くケースである。そのため、熟練者は回転軸への絡みを防止するために、 回転刃を勢い良く左右に降りながら草を刈っている。ところが、多くの体力を消 耗する上に、このような刈り方でも、作業時間の経過と共に、柔らかい草や草の 繊維が僅かな間隙に入り込むのを防止することはできない。

【０００６】 また、作業に不慣れな者は、丈の長い草の中でも回転刃を入れるスピードが遅 れ易いので、たった一度の作業で回転軸に絡ませて回転刃を止めてしまうことが 多い。このため、作業効率が極めて悪く、エンジンやクラッチに負担がかかり、 燃費効率も悪くなる。しかも、作業に不慣れな者は、エンジンを止めずに回転軸 に絡み付いた草を除去することがあり、回転刃が突然回り出して思わぬ事故が発 生するおそれもある。

【０００７】 ところが、従来の考案はいずれも、回転刃の上面に備えた風起こし羽の風圧で ガードするものであるから、この風起こし羽自体が草に絡まれ易い突起になって いる。

【０００８】 すなわち、この風起こし羽が効果を発揮するには、回転刃の回転数を上げ、風 起こし羽による風圧を高める必要がある。しかしながら、回転刃の回転数を上げ て風圧を高められるのは、回転刃の外周部分に限られるもので、回転刃の軸部に は、このような風圧は発生しない。したがって、切断しようとする草を、回転刃 の外周部分の風圧で押し返すことができるとしても、回転刃の軸部付近では、草 を押し返すことはできない。この結果、丈の長い草やつる状の草などの先端が、 風起こし羽による風圧域を越えて直接回転刃の軸部に触れると、簡単に軸部に絡 みつくおそれがある。しかも、一旦、草が軸部に絡み付くと、回転刃の回転力が 落ちてしまうから、今度は、回転刃の上面に設けた風起こし羽がただの突起物に なり、草が絡み付く格好の対象になってしまう。

【０００９】 また、前者の巻付き防止体は、回転刃の上面に切断刃を垂直に立設しているが 、このような切断刃では、軸部に近付いてくる草を切断しても、その切断された 草類が軸部の回りに溜まり易い構成をなしているので、軸部の周囲に溜まった草 が切断刃の切断性能を著しく妨げてしまう。しかも、この切断刃も軸部付近の突 起物として、絡み付きやすい構造になっている。したがって、少しでも草が絡み 付きはじめると、この軸部に近い切断刃に多量の草が絡み付くおそれがあった。

【００１０】 一方、後者の回転刃は、バネ等を介して風起こし羽を起伏自在に設けているか ら、この風起こし羽に絡まった草は、バネ等にも絡み付くことになり、絡み付い た草の除去作業に多くの手間を要するものにならざるを得ない。

【００１１】 しかも、従来のいずれの考案においても、回転刃と風起こし羽との間に、多く の間隙が形成されているから、例え、丈の長い草等が回転軸に絡み付かなかった としても、柔らかな草や、草の繊維等が、作業の経過と共にこの間隙にまとわり 付くのは必至の構造になっている。

【００１２】 そこで本考案は、上述の課題を解消すべく創出されたもので、丈の長い草等が 回転軸へ絡み付くのを確実に防止すると共に、僅かな間隙でも絡み付こうとする 柔らかな草や、草の繊維等の絡み防止も可能になり、誰でも容易に取り扱うこと ができ、連続して長時間の使用が可能な刈払機用絡み二重ガード刃の提供を目的 とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成すべくこの考案の第１の手段は、刈払機用回転刃Ｐの主軸Ｑ 周囲を囲み、回転刃Ｐの板面上に開口端部を密着固定する筒状のガード筒体１を 設け、このガード筒体１の開口上端に、主軸Ｑ付近の草を跳ね返す円板状のガー ドリング２を回転歯Ｐと平行に設けたことにある。

【００１４】 また、第２の手段は、回転するガードリング２に接触する草を跳ね返すように 、回転刃Ｐの回転方向と反対方向に向けて次第に広がる平面略円弧形状を成した 複数の草避け羽部２Ａをガードリング２の外周に放射状に設けたことを課題解消 のための手段とする。

【００１５】

【考案の実施の形態】 以下、図面を参照して、本考案の実施の形態を詳細に説明する。

【００１６】 本考案ガード刃は、ガード筒体１とガードリング２とによって、草の絡み付き を二重に防止するものである。

【００１７】 すなわち、ガード筒体１は、上下端部が開口する円筒形状を成し、刈払機用回 転刃Ｐの主軸Ｑ周囲を囲み、草が主軸Ｑに接触するのをガードしている。また、 ガード筒体１の開口端部を回転刃Ｐの板面上に密着固定することで、回転刃Ｐと 主軸カバーＱ１の隙間等を完全に塞ぐものになっている。

【００１８】 一方、ガードリング２は、円板状を成し、ガード筒体１の開口上端に配してあ る。このガードリング２は、回転歯Ｐと平行に設け、主軸Ｑに近寄った草に接触 し、この草を跳ね返すものである。特に、ガード筒体１の上部から開口上部内に 侵入しようとする丈の長い草等は、この草の側面がガードリング２に接触した途 端にガード筒体１の外側に跳ね返されるものになる。

【００１９】 このとき、ガードリング２の外周に草避け羽部２Ａを設けることで、極めて効 率よく草を跳ね返すことができる。この草避け羽部２Ａは、回転刃Ｐの回転方向 と反対方向に向けて次第に広がる平面略円弧形状を成している。そして、複数草 避け羽部２Ａをガードリング２の外周に放射状に設けている。草避け羽部２Ａが 回転刃Ｐの回転方向と反対方向に向けて次第に広がる平面略円弧形状を成してい ることで、草避け羽部２Ａに接触した草は、ガードリング２の外側に跳ね返され 、この草避け羽部２Ａ自体に絡み付こうとする草も、草避け羽部２Ａの外周に沿 って、次第にガードリング２の外側に押し出されることになる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は、上述の如く構成したことにより、当初の目的を達成する。

【００２１】 すなわち、請求項１により、丈の長い草等が回転軸へ絡み付くのを確実に防止 すると共に、僅かな間隙でも絡み付こうとする柔らかな草や、草の繊維等の絡み 防止も可能になった。

【００２２】 また、請求項２により、極めて効率よく草を跳ね返すことができるので、誰で も容易に取り扱うことができ、連続して長時間の使用が可能になった。この結果 、丈の長い草の中に、ゆっくりと回転刃Ｐを挿入しても、草の絡み付きが全く無 く、しかも、長時間の作業を続けても、僅かな隙間に柔らかな草や、草の繊維等 が侵入し、回転刃Ｐのスピードが次第に落ちるといった不都合も解消された。

【００２３】 このように本考案では、丈の長い草等が回転軸へ絡み付くのを確実に防止する と共に、僅かな間隙でも絡み付こうとする柔らかな草や、草の繊維等の絡みも防 止し、誰でも容易に取り扱うことができ、連続して長時間の使用が可能になるな どといった実用上有益な種々の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す斜視図。

【図２】この考案の一実施例を示す平面図。

【図３】この考案の一実施例を示す側面図。

【符号の説明】

Ｐ 回転刃 Ｑ 主軸 Ｑ１ 主軸カバー １ ガード筒体 ２ ガードリング ２Ａ 草避け羽部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 刈払機用回転刃の主軸周囲を囲み、回転
   刃の板面上に開口端部を密着固定する筒状のガード筒体
   を設け、このガード筒体の開口上端から水平に延長さ
   れ、主軸周囲の草を跳ね返す円板状のガードリングを回
   転歯と平行に設けたことを特徴とする刈払機用絡み二重
   ガード刃。
2. 【請求項２】 回転するガードリングに接触する草を跳
   ね返すように、回転刃の回転方向と反対方向に向けて次
   第に広がる平面略円弧形状を成した複数の草避け羽部を
   ガードリングの外周に放射状に設けた請求項１記載の刈
   払機用絡み二重ガード刃。