JP3029855B2 - 光ファイバ通信媒体およびその製造方法 - Google Patents

光ファイバ通信媒体およびその製造方法

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JP3029855B2 JP2269682A JP26968290A JP3029855B2 JP 3029855 B2 JP3029855 B2 JP 3029855B2 JP 2269682 A JP2269682 A JP 2269682A JP 26968290 A JP26968290 A JP 26968290A JP 3029855 B2 JP3029855 B2 JP 3029855B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の背景) 本発明は被覆された光ファイバおよび光ケーブルに関
し、特にブローされる光ファイバに適用するのに特に好
適な新規な被覆を備えた被覆された光ファイバおよび光
ケーブルに関する。
光ファイバの設計および光通信技術において現在用い
られている「ブローする(blow)」「ブローされる(bl
own)」「ブロー可能な(blowable)」という用語は、
光ファイバおよび光ケーブルを粘性流体抵抗効果によっ
て既設のダクト内に設置することを意味する。光ファイ
バまたは光ケーブルは充分に細くまた軽量で、かつ上記
ダクトがそのサイズにおいて上記ファイバまたはケーブ
ルに対し寸法的に充分接近しているので、空気のような
ガスを上記ファイバまたはケーブルが引張られる方向に
上記ダクト内を通過させることによって、上記ファイバ
またはケーブルを上記ダクトを通って引張る方向にかな
りの力を発生させることが可能である。
米国特許第4796970号公報には、ブローされたファイ
バを利用した光ファイバ通信媒体およびそれを用いる方
法が記載されている。上記公報で指摘されているよう
に、ガラス光ファイバを含む光ファイバケーブルは、一
般に金属ケーブルの設置方法と類似な方法、すなわち引
張り用ケーブルとともにダクトに引張りこむことによっ
て設置する方法によって設置されてきた。
しかしながら、通常のワイヤケーブルと異なり、光ケ
ーブルは引張り応力によって容易に破壊される極めて細
いガラスファイバを収容しているので、これらファイバ
を保護するために、光ケーブルは、ケーブル設置に充分
な引張り強度を付与する以外に目的のないかさばった金
属または他の強度部材を備えている。
光ファイバケーブルを既設のダクト内に設置するのが
困難なために、しばしば実際に必要とするよりも多くの
ファイバまたはケーブルが設置される場合がある。これ
は明らかに不経済であり、しかもそのための投資が回収
される以前にファイバ技術が進歩してしまうために、余
分に設置されたファイバの能力は時代遅れになってしま
う危険もある。
前記特許公報に記載された光ファイバ設置のブローイ
ン方法においては、ファイバが、噴射された空気、窒素
または他の適当なガス流によって発生する粘性流体抵抗
によって、小さい導管を通して多チャンネルダクト内に
導入させられる。この技術は、ファイバの表面に対し、
その全長に亘って分散された力を加えることを意図し、
これによって応力が部分的に加わるのを回避し、かつ既
設のダクト内へのファイバの設置を著しく容易にするも
のである。
ブローによる設置に適するようにするために、上記公
報に記載されたファイバまたはファイバ群はポリエチレ
ンまたはポリプロピレンで形成された外被を備えてい
る。この外被の表面は、随時的にざらざらした手ざわり
とされて、すなわち粗面とされて(textured)粘性流体
抵抗を増大させている。
以下に記載される特許公報には、ブロー可能な光通信
媒体における、あるいは通信媒体の設置方法または設置
装置における改良が開示されている。例えば英国特許出
願第2156837号公報には、ファイバのブロー設置のため
に導管の壁部に付着性を軽減する種々の物質を用いるこ
とが開示されている。これらの物質は、光ファイバが導
管を通してうまく設置されうるその導管の長さを増大さ
せる。
ブロー可能特性の改良と、ブロー可能な外被内部の低
温ファイバ屈曲の低減とを意図した被覆の改造型がヨー
ロッパ特許出願EP0157610号公報に開示されている。こ
こでは、比較的高い密度と弾性係数を備えた(例えばポ
リプロピレン)内被と、低い密度と弾性係数を備えた外
被とよりなる二重被覆内に多数のファイバが収容されて
いる。上記外被は発泡ポリエチレンのような多孔性ポリ
マーによって形成されている。上記内側の高密度の被覆
は、低温における上記外被の収縮によって発生する長さ
方向の圧縮応力に抗するように考案され形づくられてい
る。
英国特許出願GB2206420号公報にはブロー可能な光フ
ァイバケーブルのための他の構成が開示されている。こ
のケーブルは、容易に分割可能なアレーに融合されて一
般に固いケーブル包被材を有しない多数の光ファイバよ
りなる。被覆されたファイバは個々にブロー可能であ
り、所望の分岐点または終端点で容易に分離されるよう
になっている。
ケーブルおよびファイバの望ましいブローイン特性
は、ファイバに施された発泡ポリエチレンのような低密
度発泡ポリマーよりなる最外被覆層によって与えられ
る。低密度層は、一般に通常の紫外線硬化アクリレート
保護被覆である下層被覆材料の外被層として設けられ
る。発泡アクリレートは良好なブローイン特性を備えた
外被材料である。
英国特許出願第2206220号公報には、多数の光ファイ
バ(通常の被覆を伴った)が、柔軟でかつEP0157610号
公報の高密度被覆より低い弾性係数を備えた内側被覆内
に一緒に収容されたブロー可能な光ファイバケーブルが
開示されている。このケーブルはまた、低密度発泡ポリ
マーよりなる外被と、好ましくはファイバ保護のための
固い高密度材料よりなる中間層とを備えている。
従来のブロー設置用に設計された多くのケーブル構造
は本質的に剛性を備えるように意図されている。何故な
らば多ファイバケーブルを設置するための好ましい方法
は、最初にケーブルをダクト内に押しこむことよりな
り、粘性流体抵抗は完全な設置に対する補助として用い
られているに過ぎないからである。この方法では、単一
ファイバの設置または軽い可撓性あるケーブルの形態が
要求された場合には採用できないものである。
発泡されたポリオレフィン被覆を含む従来の構造の欠
点は、発泡被覆の形成に押出し成形法または溶剤吹込み
法を用いなければならないことである。押出成形法は、
粘性材料を用い、付加的な機器の投資と、被覆応力によ
るファイバの光学的減衰を避けるために注意深い工程管
理とが必要である。溶剤吹込み法は、ファイバ製造にお
いて、高価な汚染排除システムの使用をしばしば要求さ
れる。
結局、従来のブロー可能なファイバおよびケーブルの
構造では、低温における著しい信号減衰から光ファイバ
を適切に保護し得ない。ブローされるファイバに用いら
れる種類の発泡ポリマー被覆は本来非均質であり、被覆
は、それら自体密度が一定でない連続したポリマーマト
リクス内に閉じこめられたガス入り空間の集合体からな
る。発泡ポリマー被覆、特に厚い発泡被覆は、約−60℃
近傍の低温におけるファイバの動作中に生じるファイバ
のマイクロベンディング(microbending)による信号損
失を実質的に増大させる。
そこで本発明の主たる目的は、低温におけるマイクロ
ベンディング損失が極めて低いこととともに卓越したブ
ローイン特性を備えたブロー可能な光ファイバを提供す
ることにある。
本発明の他の目的は、特にブロー設置に適した単一光
ファイバおよび多ファイバ光ケーブルと、これらのため
の被覆構造を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、押出しによらずに液体延
伸による被覆を採用したブロー可能な光ファイバの製造
方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、溶剤吹込み法によらず、
したがって汚染排除システムを必要としないブロー可能
な被覆された光ファイバを作成する被覆方法を提供する
ことにある。
本発明のさらに他の目的は、施された低密度発泡ポリ
マー被覆に対する従来の方法よりも良好な寸法コントロ
ールを可能とするブロー可能な光ファイバおよびケーブ
ルの作成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、被覆システムと、難燃性を備え
た被覆を備えたブロー可能な光ファイバまたはケーブル
とを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、コーティングシステム
と、被覆中の着色剤の決定とによって、ファイバまたは
ケーブルのカラーコーティングを容易にする被覆を備え
たブロー可能な光ファイバまたは光ケーブルを提供する
ことにある。
(発明の概要) 本発明は、ブロー可能の、単一の被覆された光ファイ
バまたは1本ないし多数本の光ファイバを含む光ケーブ
ルのような光通信媒体を提供するものであり、この光通
信媒体は、改良された被覆構造により優れた設置特性お
よび動作特性を備えているものである。この通信媒体
は、発泡ポリマー被覆のようなざらざらした手ざわりの
外被と、この外被の内側に設けられた、きわめて低いガ
ラス転移温度を有するポリマー(低Tgポリマー)よりな
る少なくとも一層の柔い緩衝層とを備えている。低Tgポ
リマー層は、たとえ粗い表面を有する外被が極端に熱収
縮した場合でも、少なくとも被覆された光ファイバの有
害なマイクロベンディングを防止するのに充分な厚さを
有しており、これによって極低温におけるファイバ内の
許容できない信号損失が発生しないようにしている。
本発明による低Tg被覆層はさらに、正常の周囲温度に
おけるファイバのマイクロベンディングによる僅かな信
号損失をも防止するのは勿論のこと、取扱い中のファイ
バ破壊を防止するために低室温弾性係数を備えている。
シリコーンポリマーまたは低転移温度を有する特殊のア
クリレートポリマーが所望とする低室温弾性係数と低ガ
ラス転移温度との双方とを備えており、したがって本発
明のブロー可能な光ファイバおよび光ケーブルにおける
低Tg層を提供するのに適している。
通常の発泡ポリオレフィン(ポリエチレンまたはポリ
プロピレン)被覆のような他のざらざらした手ざわりの
ポリマー層も、低Tg層と組合せて本発明のブロー可能な
光ファイバに用いることが可能であるが、これらファイ
バのための好ましい粗い表面を有する外被は発泡ポリ塩
化ビニル(PVC)の層である。この発泡被覆は、ブロー
可能なファイバ構造に必要な粗い表面を提供し、かつ容
易に施される。さらに、この発泡ポリマーは、従来のフ
ァイバ構造では良好なブローイン特性を保証するために
本質的に考慮されるべき厚い層を必要とせずあるいは所
望とせずに良好なブロー設置と低温動作とを可能にす
る。
本発明はさらに、最大の利点である上述した優れた低
温動作特性を示すブロー可能な光ファイバまたは光ケー
ブルの製造方法を含み、この製造方法は、発泡ポリ塩化
ビニル層よりなる粗い表面を有するポリマー層を予め被
覆された光ファイバまたは光ケーブルに施す工程を含ん
でいる。最良の低温動作を得るためには、予め被覆され
たファイバまたはケーブルが少なくとも1層の低Tgポリ
マーよりなる予め施された被覆層と、この低Tgポリマー
層に直接またはこの低Tgポリマーとざらざらした手ざわ
りのPVC被覆との間に介在される1層またはそれ以上の
カバー層に施される粗い表面を有する手ざわりの被覆と
を備えているのが好ましい。
本発明による他の好ましい方法では、発泡ポリ塩化ビ
ニル被覆が液体被覆法によって施される。化学的発泡剤
を含む液状ポリ塩化ビニル・プラスチゾルがはじめに予
め被覆された光ファイバ、光ケーブルまたはファイバ群
に施されてプラスチゾル層を形成する。次に液状プラス
チゾル層は発泡され、かつ熱硬化されて、良好なブロー
イン特性を示すのに適した手ざわりを備えた発泡ポリ塩
化ビニル外被がファイバ、ファイバ群またはケーブルに
施される。このポリ塩化ビニル発泡被覆の厚さは5ミク
ロン程度であるが、勿論所望であればこれよりも厚いも
のでもよい。良好な低温動作特性を得るためには、液状
PVCプラスチゾルが施される予め被覆されたファイバ、
ファイバ群またはケーブルが低Tgポリマーよりなる少な
くとも1層の外被層を備えていることが好ましい。
本発明のブロー可能な光ケーブルは、比較的単純なそ
れでいて効果的な構造を備えている。機械的な押圧また
は引張りを伴わない自由なブローによって適当なダクト
内に設置されうるように、これらケーブルは、ブロー可
能なファイバと同様に充分軽くかつフレキシブルであ
り、ダクト内に挿入されるのに際して部分的な応力がケ
ーブルに加わらないようにされている。
これらケーブルは、1本または多数本の光ファイバに
加えて、強度付与または保護のための部材または被覆を
備えているが、低Tgポリマー層の存在によって、ケーブ
ル内のすべてのファイバが低温マイクロベンディングか
ら保護されている。低Tg層は、少なくともファイバとざ
らざらした手ざわりの外被との間に設けられ、ケーブル
内の各ファイバを包囲しているのが好ましい。
粗い表面を有するケーブル外被は発泡ポリ塩化ビニル
がもっとも好ましい。束ねられたファイバケーブルおよ
び偏平またはリボンケーブル構造であってもよい。ビル
ディング内の通信リンク等のためには、12本から20本あ
るいはそれ以上のファイバを備えたケーブルが用いられ
るが、一般には屋内配線用として1本から8本のファイ
バを備えたケーブルが用いられる。
(発明の詳細) 本発明における低Tgポリマーとは、ガラス転移温度が
約−50℃を超えないポリマーを意味する。これら被覆に
おける低いガラス転移温度の重要性は下記のとおりであ
る。多くの通常の被覆用ポリマーは、ガラス転移温度よ
り低い温度では、被覆材料の弾性係数の負の温度係数が
著しく増大し、温度が下がるにつれて被覆の剛性が急激
に増大する。もし被覆のガラス転移温度が適当に低い
と、この著しい温度係数の変化による有害な影響を実質
的に避けることができる。
室温では低い弾性係数を有し、かつ標準的なケーブル
構造では良好な低温動作特性を有するものであっても、
従来の光ケーブルにおける光ファイバの物質的保護のた
めに用いられる通常の柔軟なポリマー被覆は、ブローさ
れるファイバ構造においては低温マイクロベンディング
に対して適切な保護能力を備えていないことが確認され
た。例えば、標準的なケーブルでは良好な低温ファイバ
動作を許容する従来の柔いアクリレート被覆は、それが
ざらざらした手ざわりの(例えば発泡された)接着性ポ
リマー被覆で覆われている場合、−10℃のような高い温
度で著しいマイクロベンディング損失を許容する。
上述の事実は、ブロー可能なファイバに用いられるよ
うな粗い表面を有する被覆は均質でないため、低温にお
いて短い範囲の非対称な応力を発生する傾向があること
に帰因すると考えられる。従来技術で提案されたような
平滑な高密度保護層によって発泡被覆とガラスとが分離
されている場合、マイクロベンディングからの保護特性
は改善されるが、被覆の複雑性と価格が著しく付加され
る。
本発明のブロー可能な光ファイバおよび光ケーブルで
は、−60℃より低い温度におけるマイクロベンディング
による信号損失がほとんどない。特にこれらファイバお
よびケーブルは、約0℃から約−60℃の範囲を超える温
度での動作時に、波長1300nmの波長でのマイクロベンデ
ィングにもとづく過剰信号損失は0.5dB/kmから0.3dB/km
である。
同一の粗い表面を有する発泡被覆を備えているが柔い
緩衝層が異なるブロー可能な光ファイバの低温動作特性
が第1図に示されている。第1図において、曲線1およ
び2は従来の光ファイバの特性を示し、これらはそれぞ
れ単一モードおよびマルチモード構造の125μmのファ
イバであり、厚さ約60ミクロンの柔いアクリレート緩衝
被覆を備えている。これらは、発泡ポリ塩化ビニルポリ
マーよりなる厚さ150ミクロンの外被を設けた場合、0
℃のような高い温度における1300nmでの過剰損失の急速
かつ急激な増大を示している。すなわち、曲線2のマル
チモードファイバは0℃において著しい過剰損失を示
し、曲線1の単一モードファイバは−20℃において同様
の損失レベルを示している。
このような性質は、第1図の曲線3および4にそれぞ
れ示されている低Tgポリマーよりなる中間緩衝層を備え
た単一モードおよびマルチモード光ファイバに対して著
しい対照をなしている。双方のファイバの過剰損失は、
−60℃を含むすべての温度範囲で0.3dB/km以下となって
おり、曲線3に示す単一モードファイバは−60℃の温度
でもほとんど過剰損失を示していない。
良好な低温動作のために必要な低Tgを有する低弾性係
数被覆材料は市販されている。適当な被覆材料は低Tgア
クリレート被覆、低Tg紫外線硬化性シリコーン被覆およ
び低Tg熱硬化性シリコーン被覆である。シリコーン被覆
は、低ガラス転移温度、低弾性係数および良好な難燃性
の見地から特に好ましい。またこれら被覆は、ファイバ
の製造時に光ファイバに液体を塗布することによって急
速かつ容易に得られるものであり、ファイバの線引き速
度および塗布速度がいかに速くてもファイバの線引き時
に効率的に硬化されうる。
本発明によって光ファイバまたは光ケーブルに施され
る低Tgエラストマーまたは他のポリマー緩衝被覆の厚さ
は、粗い表面を有する外被からの圧力によって起生され
る低温マイクロベンディング損失から単独のファイバま
たはケーブル内のファイバを少なくとも保護するのに充
分なものとなっている。一般に、各ファイバに、または
その後に施される粗い表面を有する外側のポリマー被覆
と各ファイバとの間に施される低Tg層の厚さが50ミクロ
ン以上あれば、少なくとも上述の目的のためには充分で
あることが明らかとなっている。
低Tg層の第1の機能は粗い表面を有する外被とファイ
バとを隔離することにあるので、前述したように、光フ
ァイバまたは光ケーブルの多層被覆内における低Tg層の
位置は厳密なものではない。すなわち、単一モード光フ
ァイバでは、低Tg層はファイバに直接施されるか、ある
いは、予めファイバに施された他の無機または有機被覆
材料よりなる1層またはそれ以上の1次緩衝層の上に施
される。同様に、光ケーブルにおいても、1本またはそ
れ以上のファイバが低Tgポリマー層を備え、あるいは1
本またはそれ以上のファイバが、この低Tgポリマーの外
側でかつ粗い表面を有する外被層の内側に設けられた他
の強度付与部材とともに低Tgポリマーマトリクス内に収
容され、あるいは、粗い表面を有する外被の直下に低Tg
層が設けられてもよい。
本発明における粗い表面を有する被覆とは、ファイバ
またはケーブルのブローイン設置のために充分な表面粗
さを有する外被を意味する。より粗い表面を有するもの
も用いることができ、通常ではその方が好ましいが、本
発明では、満足すべき粗い表面を有する被覆の表面粗さ
は少なくとも約1ミクロンである。
本発明のブロー可能な光ファイバまたは光ケーブルの
特に好ましい粗い表面を有する外被は、発泡ポリ塩化ビ
ニル被覆である。発泡ポリ塩化ビニル調合物は公知であ
り、連続気泡発泡構造または不連続気泡発泡構造を有す
るフレキシブルあるいはリジッドな発泡材料として現在
市販されている。これら発泡体は、布地、人工皮革、室
内装飾用品、構造材料等を含む種々の用途に広く用いら
れている。
ポリ塩化ビニル発泡体は、一般に、液体可塑材を主成
分とし、細かくされた固体状ポリ塩化ビニル樹脂が分散
されたポリ塩化ビニル・プラスチゾルから作成される。
かかるプラスチゾルに付加される成分は、安定剤、充填
材、顔料および界面活性剤となしうる。
ポリ塩化ビニル・プラスチゾルは機械的手段により、
あるいは化学的な発泡剤を含有させることによって発泡
されうるが、発泡は多少なりと硬化工程と伴って達成さ
れる。液状のプラスチゾルの密実な熱可塑物への硬化
は、加熱によりプラスチゾルをゲル化しかつ融合するこ
とによって達成される。加熱によりゾル内のポリ塩化ビ
ニル樹脂の粒子が可塑剤を吸収して膨潤し、膨潤した樹
脂粒子が合体してゲルになり、このゲルが融合されかつ
冷されて耐久力のある熱可塑性物質になる。もし適当な
化学的発泡剤がプラスチゾルに加えられると、硬化工程
中におけるガスの発生により発泡熱可塑性製品を形成さ
れる。
ポリ塩化ビニル発泡体の調合物および製造工程につい
ては種々の文献に記載されており、例えばCalvin J.Ben
ningのPLASTIC FOAMS:The Physics and Chemistry of P
roduct Performance and Process Technologg,Volume
1,Chapter 4,“Principles of Foam Formation:Polyvin
y1 Chroride Foams,"Pages345〜419,Wiley−Interscien
ce,NewYork(1969)参照すればよい。
本発明における光ファイバの発泡被覆の作成に適した
ポリ塩化ビニル・プラスチゾルは、市販のプラスチゾル
調合剤からあるいは市販のPVC樹脂と可塑剤との混合に
よって作られたプラスチゾルから調製可能である。市販
の調合物に用いられる可塑剤および購買者が調合するの
に適したPVCプラスチゾルは、アジピン酸塩、アゼライ
ン酸塩、安息香酸塩、塩素置換された炭化水素、エポキ
シ合成物、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸
塩、リン酸塩、ポリエステルおよびそれらの混合物を含
んでいる。
被覆の所望の発泡レベルを得るために、被膜形成およ
び硬化に先立って、選択されたPVCプラスチゾルに混合
される化学的発泡剤も市販されている。PVCプラスチゾ
ルの発泡に特に適した発泡剤は、炭酸塩、アゾジカーボ
ナミド、アゾビスイソブチロニトリルおよびそれらの混
合物である。選択された発泡レベルを得るために調合物
内に含まれる発泡剤の量は、プラスチゾルと選択された
発泡剤との組成によるが、基礎実験によって容易に決定
することができる。
前述のように、これらプラスチゾル調合物に着色剤を
加えることは、カラーコーティングあるいはファイバの
識別手段として、粗い表面を有する外被に永久的な着色
を施すための便利な方法である。この着色は、多数のフ
ァイバが単一の導管ないしケーブル内に設けられている
場合に特に利益がある。
これら材料からブロー可能な光ファイバを得るための
簡単な方法を下記に示す。まずノースカロライナ州シャ
ーロット所在のDexter Corporationのプラスチゾル部門
製のRDP−1267のような液状PVCプラスチゾルが選択さ
れ、これに市販の発泡剤が約1重量%に加えられ、混ぜ
合されて均質な混合物が得られる。選択された発泡剤は
コネチカット州ノーガタックのUniroyal Chemical Comp
any,Inc.製である。
柔いアクリレート保護被覆の施された市販の光ファイ
バがプラスチゾル混合物の入った開口容器内に通され
て、発泡被覆が施される。プラスチゾルで被覆されたフ
ァイバは次に直ちに約450℃の温度の炉内に通され、数
秒以内で発泡および硬化が生じる。被覆されたファイバ
は、耐久性があり、付着性で軽量な、かつファイバのブ
ローイン設置に適した粗い表面を備えている。
本発明は、標準的な市販の被覆された光ファイバに対
するオーバーコーティング工程によってブロー可能な光
ファイバを高速で製造するのに特に適している。この工
程は、ファイバのブローイン設置ならびに広い温度範囲
に亘るファイバの信頼性ある動作を許容する緩衝保護の
双方に敵している。オーバーコーティングされたファイ
バは、従来のファイバブロー方法および装置を用いて、
単独またはグループでダクト内にブローされて設置され
る。以下に本発明の実施例について説明する。
実施例 1 まず、ガラスコアとガラスクラッド層よりなるガラス
光ファイバとこのガラスファイバを覆う紫外線硬化アク
リレート保護被覆とからなる市販の被覆ガラス光ファイ
バが選択される。このファイバは、ニューヨーク州コー
ニング所在のCorning Incorporated製のCorguide Code
1521として入手できる。ガラスコアとガラスクラッド層
の外径は125ミクロン、保護被覆を含む全体の外径は約2
50ミクロンである。
次に上記被覆されたファイバに低Tg緩衝層を設けるた
めにシリコーンポリマーが選択される。このオーバーコ
ーティング工程のために選択されたシリコーンは、シリ
カ−水素化物−硬化されたアルケンからなる熱硬化性2
液性シリコーンエラストマーであり、ミシガン州ミッド
ランド所在のDow Corning Corporation社製のSylgardTM
184シリコーンエラストマーとして入手できる。このエ
ラストマーのガラス転移温度は約−50℃である。
シリコーンエラストマーの被覆をファイバに施すため
に、ファイバに張力が加えられた状態で乾燥炉内に通さ
れる。シリコーン被覆層が施されるのに先立った乾燥処
理によって、吸着されている水分および他の低分子量揮
発性物質がアクリレート保護層から除去される。
次に米国特許第4848869号公報に開示されているよう
な連続コーティング方法および装置を用いてシリコーン
層が施される。A、B2種類の液体混合物からなるエラス
トマーは、ファイバを上記炉から連続的に液体コーティ
ングダイスに通しながら、液温15℃において上記ダイス
から直接ファイバに施される。このダイスは、米国特許
第4531959号公報に開示されている形式の圧力コーティ
ングダイスである。ダイスのオリフィスおよびダイス内
の液体コーティングの圧力の調節により、厚さ約75ミク
ロンの液体被覆が被覆ファイバに施され、シリコーンで
オーバーコーティングされたファイバの外径は約400ミ
クロンとなる。
次に上記工程で設けられた液体被覆は、この液体で被
覆されたファイバを硬化炉に通すことによって硬化され
てシリコーンエラストマー被覆に変化する。硬化炉の温
度は約580℃に保たれ、かつ硬化中にヘリウムを流すこ
とによって被覆への熱の伝達を良好にする。このような
条件により、ファイバが炉から出る時点でのシリコーン
被覆層の完全な硬化が保証される エラストマーで被覆されたファイバは次に粗い表面を
有する発泡ポリ塩化ビニルポリマー被覆でオーバーコー
ティングされる。このポリマー被覆は、ノースカロライ
ナ州シャーロット所在のDexter Corporationのプラスチ
ゾル部門製のRDP−1519−4 PVCプラスチゾルとして入手
できる。このプラスチゾルは、約2重量%の市販の発泡
剤を含むように調合される。上記発泡剤は、コネチカッ
ト州ノーガタック所在のUniroyal Chemcal Company,In
c.製のCelogon OT発泡剤と呼ばれるものである。
発泡被覆を施すために、上記市販のプラスチゾルは、
2液性材料を扱うための部材を必要としないこと以外は
シリコーン被覆を施すのに用いられるのと同じ方法およ
び装置を用いて、ファイバに対し液体オーバーコーティ
ングとして連続的に施される。あらかじめ混合されたプ
ラスチゾルは、先に施されたシリコーン被覆のための硬
化炉を出るときにシリコーンエラストマーオーバーコー
ティング層の上に施される。このプラスチゾルは、15℃
の温度と、被覆ファイバの表面上に厚さ約50ミクロンの
液状プラスチゾル被覆が形成されるのに充分な圧力にお
いて施される。
ファイバのシリコーン被覆上に液状プラスチゾル被覆
層が施されると、次にこのファイバは第2の硬化炉に通
されてポリ塩化ビニル被覆の硬化と発泡が行なわれる。
この硬化炉は約510℃の温度に保たれ、再びヘリウムが
流されて被覆に対する熱の伝達を良好にする。このよう
な条件により、ファイバが炉から出る時点に先立ってポ
リ塩化ビニル層の完全な硬化と発泡とが保証される。硬
化中の発泡作用の結果、オーバーコーティングされたブ
ロー可能なファイバの外径の呼び寸法は約700ミクロン
である。
上記硬化工程の終了時における発泡ポリ塩化ビニル外
被の温度が充分に高いので、その被覆は柔かく、他のフ
ァイバおよび貯蔵媒体との接触により表面が損傷するお
それがある。そこで、被覆されたファイバは硬化炉から
出た後、ファイバ引張り具および巻取りリールに接続す
る前に、被覆は細かい水滴のスプレーによって冷却され
る。あるいは従来の光ファイバ冷却用チューブを用いた
より効果ある冷却を行なってもよい。
上述のようにして得られたブロー可能な光ファイバは
良好なブローイン特性と優れた低温動作特性とを示す。
同様の被覆の施されたファイバと標準的ファイバダクト
材料との間の抵抗力の測定によって得られた試験データ
は、圧縮ガスの圧力が7kg/cm(100ポンド/平方イン
チ)以下であっても、500m以上の距離に亘ってブローに
よる設置が可能であることを示している。この形式のフ
ァイバを用いた実際の設置試験でもこの好ましい設置性
能が確認されている。
実施例1の被覆を備えたファイバの低温損失特性は従
来のブロー可能な被覆ファイバに対して著しく優れてい
る。前述した第1図は種々のファイバの温度に対する過
剰信号損失(ファイバのマイクロベンディングにもとづ
く)を示している。実施例1によって被覆された第1図
の曲線3および4に示すファイバの損失特性は、本発明
によって得られうる損失特性の典型であり、第1図の曲
線1、2に示す従来のファイバよりも優れていることは
明らかである。
ブロー設置に適した多層ポリマー被覆内に多数本の光
ファイバを収容した軽量な光ケーブル(ミニケーブル)
よりなるブロー可能な光ファイバ通信媒体は実施例1で
述べたのと同様な方法によって作成されうる。このよう
なケーブルを製造するための適当な方法が次の実施例に
よって説明されている。
実施例 2 実施例1で用いられたのと同じ構成を有するアクリレ
ートで被覆された市販の4本の光ファイバがケーブルを
構成するために選択される。これらのファイバの端部は
4つのオリフィスガイドダイス内に集められ平行にされ
る。
正方形アレー(約0.8×0.8mm)を構成する4本の互い
に平行されたファイバは実施例1のように乾燥炉に通さ
れる。この乾燥は、シリコーンエラストマーのオーバー
コーティングを施す前に、ファイバのアクリレート被覆
から揮発性物質を除去する作用がある。
上記ファイバアレーにシリコーンエラストマーのオー
バーコーティングを施すために、次にこのアレーは、オ
リフィスの入口および出口が多数本のファイバを受入れ
るために大きくされていることを除いては、実施例1で
用いられたのと同様の圧力コーティングダイスに通され
る。実施例1で用いられた市販の2液性シリコーンエラ
ストマーが再び施され、同じエラストマーのコーティン
グ条件と硬化条件が維持される。
上記シリコーンエラストマー被覆工程によって、外径
約1mmのほぼ円形の断面を有するシリコーン内に埋設さ
れたファイバアレーが得られる。被覆されたアレーは、
その被覆の内部および外部にすき間や不連続箇所がな
く、アレー内のファイバの外部に設けられているエラス
トマーの厚さは約50ミクロン以上である。
アレーに対しシリコーンエラストマー被覆を施した
後、発泡PVCポリマーのオーバーコーティングがシリコ
ーンエラストマーの上に施されるが、このプラスチゾル
のオーバーコーティング方法は実施例1に記載してあ
る。同じ市販のPVCプラスチゾル調合物が用いられ、厚
さ約50ミクロンの液体被覆が施される。次に、このプラ
スチゾル層は、実施例1と同様に硬化炉に通されること
によって発泡され硬化され、この被覆されたアレーは次
に冷却され、集められ、試験される。
上述した工程によって得られた製品は、エラストマー
で緩衝された4本の光ファイバを含むフレキシブルな光
ミニケーブルであり、発泡PVC被覆の外径は約1.2mmであ
る。このケーブルは優れたブローイン特性と低温光学特
性を示している。
実施例1および2によって作成されうるブロー可能な
光ファイバおよび光ケーブルの構成は第2図および第3
図に示されている。第2図は実施例1と類似の構成を有
するブロー可能な光ファイバを示し、ガラス光ファイバ
1は低Tgポリマーよりなる緩衝層2を備えている。緩衝
層2の上には例えば発泡PVCよりなる粗い表面を有する
外被3が設けられている。しかしながら、第2図から明
らかなように、本発明による低Tg被覆を備えた光ファイ
バは、ガラス光ファイバと低Tg被覆との間に実施例1で
述べたようなアクリレートその他の有機材料の保護層を
必らずしも必要としない。すなわち、低Tg被覆それ自体
が保護作用と低温時の緩衝作用とを備えうるからであ
る。
同様に、第3図は実施例2で述べたのと類似のブロー
可能の4ファイバミニケーブルの構成を示し、光ファイ
バ1はシリコーンエラストマーのような低Tgポリマーマ
トリクスよりなる緩衝層2内に収容され発泡PVC被覆の
ような粗い表面を有する外被3で包まれている。
この形式のケーブル構成は1本ないし8本の光ファイ
バを備えることができ、このケーブル内のファイバは束
ねられてアレー状に配置されることに特徴がある。低Tg
ポリマーよりなる柔い緩衝層2はファイバの束の上に施
されうるが、第3図のように、互いに間隔をおいた束構
成においてガラス光ファイバが収容されかつ支持されて
いることが好ましい。
本発明は他のブロー可能な光ファイバ構成にも適用可
能である。例えば実施例2の方法は、ブロー可能な光フ
ァイバリボンケーブルよりなる光通信媒体の製造にも直
ちに適用できる。ブロー可能なリボンケーブルの製造に
適した方法が次の実施例によって説明されている。
実施例 3 従来の光ファイバリボンケーブルの構成は、柔いアク
リレートの保護被覆内に収容された4本の光ファイバよ
りなる偏平なアレーよりなる。これらリボンケーブルの
種々の構成が従来から知られており、個々に被覆された
ファイバの被覆を融合または接合することによって単に
リボンが形成されて偏平な多ファイバ接合体が構成され
ている。
本発明では、4本の被覆されていないファイバが偏平
アレーを構成し、このアレーに対し低Tgポリマーよりな
る封体が設けられることによって被覆されたリボンが構
成されている。上記封体は光ファイバのための物理的保
護層として、かつ必要な低温光学動作を備えた低Tg緩衝
層として作用するマトリクスを備えている。
もしリボンケーブルまたはリボンケーブル群が、従来
の柔いアクリレートその他の1次被覆層のみを備えたブ
ロー可能なリボンケーブルである場合、低Tgポリマーの
オーバーコーティングが実施例2の方法によって施され
る。目的がオーバーコーティングであってもあるいはリ
ボンにコーティングマトリクスを施すのであっても、実
施例1の2液性シリコーンエラストマーがリボン上に必
要な低Tg層を形成するための適当なポリマーとして提供
される。
次に、このリボンまたはリボン群に対して発泡PVCポ
リマーのような粗い表面を有するポリマーよりなる外被
層がエラストマーを覆って施される。この外被の被覆
は、液状PVCプラスチゾルを被覆されたリボンまたはリ
ボン群に施して液体コーティングを形成することによっ
て行なわれる。液体コーティングは次に熱硬化され発泡
されて粗い表面を有する発泡被覆が得られる。実施例1
のブロー可能な光ファイバを得るのに用いられた市販の
プラスチゾルがこの目的のために特に有用である。
外被を得る他の方法として、粗い表面を有する発泡PV
C被覆を押出し被覆によってリボンまたはリボン群に施
すようにしてもよい。その場合、粗い表面を有する発泡
ジャケットは緩く嵌合する発泡ポリマーチューブでも、
きつく嵌合するあるいは接着性の被覆でもよい。
上述の方法によって作成された光リボンケーブルの例
が第4図および第5図に示されている。実際の寸法比ま
たは倍率を示してはいないこれらの図においては、4本
のファイバよりなるアレー1の1つまたはそれ以上が、
ファイバに対する保護層とファイバアレーのためのリボ
ン構造を形成するコーティングマトリクスとの双方の機
能を有する低Tgエラストマー緩衝層2内に収容されてい
る。リボンまたはリボン群は次に低密度と適当な粗い表
面を有する発泡PVC外被3で覆われている。第5図のケ
ーブルは多重ファイバリボンを構成しており、さらにケ
ーブルの皮むきとリボンの分離に用いられる軽量な合成
樹脂製の引張りコード4を備えている。
第4図および第5図に示す本発明のリボンケーブル
は、緩衝とファイバ周囲のマトリクスとの双方の機能を
有する低Tgポリマー内に、多数の光ファイバが偏平に配
置されて形成された並列ファイバアレーが、各ケーブル
の芯要素をなしている点に特徴がある。ファイバアレー
を収容しかつ支持している偏平なリボン構造のマトリク
スは、同時に、各ファイバと粗い表面を有するポリマー
よりなるケーブル外被との間の中間緩衝層を形成してい
る。第3図に示す光ハンドルケーブルまたは第4図、第
5図に示す光リボンケーブルは、軽量で、良好なブロー
イン特性を有するとともに、低温マイクロベンディング
損失に対し優れた耐性を備えている。
以上の説明は本発明の僅かな実施例を述べたに過ぎ
ず、特許請求の範囲の記載の範囲内で種々の変形変更が
可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のブロー可能な光ファイバおよび本発明に
よる低Tg緩衝層を備えた光ファイバの温度に対する過剰
損失の変化を示すグラフ、第2図は本発明によって得ら
れるブロー可能な光ファイバの断面図、第3図は本発明
によって得られるブロー可能な4ファイバケーブルの断
面図、第4図は本発明によって得られるブロー可能な4
ファイバリボンケーブルの断面図、第5図は本発明によ
って得られる12ファイバケーブルの断面図である。 1……ガラス光ファイバ 2……緩衝層、3……外被
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レンガン カナビラン アメリカ合衆国ニューヨーク州ビッグ フラッツ、オーチャード ドライヴ 272 (72)発明者 ギティモイ カー アメリカ合衆国ニューヨーク州ペインテ ッド ポスト、オーバーブルック ロー ド 66 (72)発明者 エリック ヘクター ウルッティ アメリカ合衆国ニューヨーク州コーニン グ、イースト ファースト ストリート 86 (56)参考文献 実開 平1−181010(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/44

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層ポリマー被覆で覆われた1本またはそ
    れ以上の光ファイバを備えた光ファイバ通信媒体であっ
    て、前記多層ポリマー被覆は、粗い表面を有する外被層
    と、この外被層とガラス光ファイバとの間に設けられた
    少なくとも1層の柔軟な緩衝層とを含み、前記緩衝層が
    約−50℃を越えないガラス転位温度を有する低Tgポリマ
    ーよりなり、かつ0℃〜約−60℃の範囲の動作温度にお
    いて前記通信媒体内に熱的に誘導されるマイクロベンデ
    ィング損失を約0.05dB/kmより低く保つのに少なくとも
    充分な層厚さを備えていることを特徴とする光ファイバ
    通信媒体。
  2. 【請求項2】少なくとも1本のガラスファイバを含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ファイバ通信媒体。
  3. 【請求項3】前記粗い表面を有する外被層は低Tgポリマ
    ーよりなる緩衝層上に直接配置されていることを特徴と
    する請求項1及び2のうちの1つに記載された光ファイ
    バ通信媒体。
  4. 【請求項4】前記多層被覆が、光ファイバに施されたア
    クリレートの1次被覆と、この1次被覆を覆う低Tgポリ
    マーよりなる緩衝層と、このポリマー緩衝層を覆う粗面
    を有する外被層とよりなることを特徴とする請求項1及
    び2のうちの1つに記載された光ファイバ通信媒体。
  5. 【請求項5】前記低Tgポリマーは、シリコーン・エラス
    トマーおよび低いガラス転移温度を有するアクリレート
    ポリマーよりなるグループから選ばれたものであること
    を特徴とする請求項1及び2のうちの1つに記載された
    光ファイバ通信媒体。
  6. 【請求項6】前記粗い表面を有する外被層は、発泡ポリ
    塩化ビニル層であることを特徴とする請求項1〜5のう
    ちの1つに記載された光ファイバ通信媒体。
  7. 【請求項7】前記粗い表面を有する外被層は、難燃性層
    であることを特徴とする請求項1〜5のうちの1つに記
    載された光ファイバ通信媒体。
  8. 【請求項8】光ケーブルを形成しているアセンブリは、
    多層被覆内に配置された1本またはそれ以上のガラス光
    ファイバを含み、前記多層被覆は、粗い表面を有するポ
    リマーの外被層と、この外被層と各ガラス光ファイバと
    の間に設けられた少なくとも1つの柔軟な緩衝層とを含
    み、この緩衝層が低Tgポリマーよりなることを特徴とす
    る請求項1〜7のうちの1つに記載された光ファイバ通
    信媒体。
  9. 【請求項9】前記ケーブル内の芯要素として8本以上の
    ガラス光ファイバが並列ファイバ束アレーをなして配置
    され、前記ガラス光ファイバを包む低Tgポリマーマトリ
    クスによって前記柔軟な緩衝層が形成され、この緩衝層
    が各光ファイバと前記粗い表面を有するポリマー外被層
    との間に介在していることを特徴とする請求項8記載の
    光ファイバ通信媒体。
  10. 【請求項10】予め被覆の施された光ファイバまたはケ
    ーブルに外被層を施す工程を含むことを特徴とする請求
    項1〜9のうちの1つに記載された光ファイバ通信媒体
    を製造する方法。
  11. 【請求項11】予め被覆の施された光ファイバまたはケ
    ーブルに対して液状被覆として化学的ブロー剤を含むポ
    リ塩化ビニル・プラスチゾルを塗布する工程と、前記プ
    ラスチゾルを発泡させ、ゲル化し、かつ溶融させて完全
    な接着性発泡層を形成するのに充分な温度まで前記ポリ
    塩化ビニル・プラスチゾルを加熱する工程とによって、
    前記外被層を得ることを含むことを特徴とする請求項10
    記載の方法。
  12. 【請求項12】水スプレーをかけることによって、前記
    接着性発泡層を少なくとも固化するのに充分な時間だけ
    冷却する工程をさらに含むことを特徴とする請求項11記
    載の方法。
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