JP3029760B2 - 細菌検査装置と検査方法 - Google Patents

細菌検査装置と検査方法

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JP3029760B2
JP3029760B2 JP5185716A JP18571693A JP3029760B2 JP 3029760 B2 JP3029760 B2 JP 3029760B2 JP 5185716 A JP5185716 A JP 5185716A JP 18571693 A JP18571693 A JP 18571693A JP 3029760 B2 JP3029760 B2 JP 3029760B2
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靖史 財津
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  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体中の微生物や体細胞
の数を計測する細菌検査装置と検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ここでは、細菌を微生物、体細胞なども
含めて、これらの総称として取り扱うが、これら細菌数
を計測することは、食品,醸造,臨床,上下水および半
導体などの各分野における品質管理や環境管理などを行
なう上で極めて重要である。例えば、微生物の菌数また
は微生物活性の計測には、従来、コロニー計数方法が一
般に用いられている。コロニー計数方法は、寒天培地に
試料液の一定量を散布または混合して培養し、生じたコ
ロニーを計数する方法であるが、培養時間に数十時間を
必要とし、操作も煩雑である。
【0003】その他、ATPをルシフェリン−ルシフェ
ラーゼ基質−酵素混合液で発光させ、その発光量から菌
数を推定するATP測定法、細菌を蛍光色素で染色して
観察する方法などがあるが、いずれも操作が煩雑で迅速
性に欠け、精度も悪い。このような従来の方法の欠点を
克服して、迅速で精度の高い方法が近年開発されつつあ
る。例えば、特開平2−51063号公報、雑誌J.C
lin.Chem.Clin.Biochem.,Vo
l.26,1988,pp147−148に記載されて
いるように、二次元的に散布された細菌に対して、抗原
−抗体反応を利用して発光酵素を標識し、基質を添加し
たときの発光基点を画像として撮像し計数する方法であ
る。
【0004】図8(a)〜(c)は、ルシフェリン−ル
シフェラーゼによるATP発光法により、生菌計数を行
なったときの過程を示す模式図である。図8(a)〜
(c)におけるE(□印)は酵素、即ちここではルシフ
ェラーゼ、S(○印)は基質、ここではルシフェリンを
表わしている。細菌Cが捕捉された膜1の表面1a上に
は、あらかじめルシフェリン−ルシフェラーゼ混合液を
浸潤させておくので、光ファイバープレート2の入力面
2aと膜表面1aとの間には、酵素−基質を含む液膜層
3が存在する。一方、ATP4(・印)は、細胞内部に
細胞膜5によって閉じ込められているために、発光反応
は起こらない[図8(a)]。
【0005】ここで膜裏面1bから、矢印で示したAT
P抽出液(通常は界面活性剤など細胞膜を溶解する試
薬)6を注入すると、膜表面1aに拡散し、付着してい
た細菌の細胞膜5が溶解して、内部のATP4は外部に
放出される[図8(b)]。放出されたATP4は、液
膜層3に存在していた発光酵素ルシフェラーゼEによ
り、基質ルシフェリンSと反応して発光(太い矢印7)
する[図8(c)]。
【0006】以上のように、幾つかの方法によって、膜
上に付着した細菌を発光させることができる。図9は、
細菌の発光点を検出する装置例として、測定部の要部構
成を示す模式図であり、例えばニトロセルロースなどの
膜1で濾過した付着細菌8(発光基点)の発光画像を、
カメラレンズ9によって高感度撮像手段10の入力面1
1に結像させ、画像信号をケーブル12により取り出す
ものである。この方法は、イメージインテンシファイア
ーなどの高感度撮像手段を用いることにより、測定の迅
速性と正確性において優れた特徴を有する。
【0007】さらに、これを改良した装置の測定部の要
部構成を図10の模式図に示し、図9と共通する部分を
同一符号で表わす。図10に示すように、高感度撮像手
段10の光入力部13を光ファイバープレートとし、こ
の光入力部13に、膜1の細菌付着面を押し板14と遮
光蓋15により押圧し、光入力部13と膜1の細菌付着
面を密着させて発光反応を生じさせ、光増幅された画像
出力をカメラレンズ16とCCDカメラ17によって画
像信号18に変換して、菌体の発光画像を計測する方式
もある。この方法は、カメラレンズによる膜面撮像方式
に比べて集光効率が向上し、しかも試薬類の自動注入を
容易にすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、高感度撮像手段であるイメージインテンシフ
ァイアーの光電面の感度むらや、カメラレンズの明るさ
のむら、さらに発光試薬類の膜上での背景光のむらなど
があり、視野全体に亘って微弱な発光点を自動的に計数
することが困難である。このような背景光のむらを除去
する方法として、あらかじめ背景画像のみを測定し、後
に測定画像から減算または割り算を行なうのが一般的で
あるが、発光試薬類の背景光のむらのように、背景画像
が測定の都度変化する場合には、この方法を適用するこ
とができない。また、膜上に捕捉された菌同士が近接し
て存在する場合には、複数の菌を1個として数えること
があり、これを分離して計数する方法として、本発明者
らが特開平4−30798号公報で開示したように、発
光輝点の構成画素数を菌体1個当たりの平均画素数で割
り算して計数する方法があるが、菌体による発光輝点の
重なり方を考慮していないため、誤差が大きいことがわ
かった。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、背景光を減少して、背
景に一定でないむらのある画像でも、確実に菌による発
光点を検出し、かつ、菌の重なりによる計数誤差を小さ
くし、正確な菌の計数を自動的に行なうことが可能な細
菌検査装置と検査方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の細菌検査装置は、結像面に光ファイバー
プレートを備えた高感度撮像手段の入力面に細菌付着面
が接するように載置した膜の裏面から、表面に艶消しの
黒色処理を施した押し板によりこの膜を押圧する手段を
有する測定部、およびおよび撮像して得られた菌に対応
する複数の点状の高輝度画素群を含む積算画像を所定の
サンプル数で移動平均化する平均化処理手段と、2種類
の画面の減算を行なう画面間演算処理手段と、画像の所
定の領域を所定のしきい値で2値化する画像2値化手段
と、2値化された画像の高輝度画素群を群毎に計数する
手段とを有する画像処理部を備え、この装置を用いた細
菌検査方法は、撮像により得られた菌に対応する複数の
点状の高輝度画素群を含む積算画像(A)を、高輝度画
素群より少ないサンプル数で移動平均化して画像(B)
を得てこれを記憶し、高輝度画素群より多いサンプル数
で移動平均化して画像(C)を得、画像(B)から画像
(C)を対応する各画素毎に減算して画像(D)を得、
画像(D)の所定の領域を所定のしきい値で2値化し、
2値化された画像の高輝度画素群を群毎に計数するもの
であり、計数方法は、高輝度画素群iに関する2値化前
の群の最高輝度値をImax ,2値化後の群の構成画素数
をSi,菌単体当たりの平均輝度値をIS ,菌単体当た
りの平均画素数をSS とし、関数fを小数点以下四捨五
入するものとし、画素群iについての重みWi を式
(1)で計算し、 Wi =f(Si /SS )+f(Imax /IS )−1 (1) 画像中高輝度群総数をnとして、式(2)から総菌数N
を計算する。
【0011】
【0012】
【作用】以上の装置構成により、撮像入力面に膜を密着
させる押し板を、艶消し黒色処理を施したために、膜上
に放射される背景光を吸収し、背景光反射光を小さく
し、従来の鏡面仕上げの押し板に比べて背景光を2/3
〜1/2にすることができ、また、上記のような計数を
行なうことにより、測定の都度異なる背景の中から、微
小かつ微弱な発光点を検出することができる。
【0013】さらに、上述の式(1),(2)を用い
て、発光基点の菌数の重みを計算することが可能であ
り、簡単な計算によって、細菌1個からの微弱な発光基
点を正確に検出することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。図
1は本発明の細菌検査装置の構成について、それぞれ点
線で囲った測定部19の構成を示す一部断面図と、測定
19からの画像信号を画像処理して菌数を計数するた
めの画像処理部20のブロック図を含む模式図であり、
図10と共通する部分に同一符号を用いている。
【0015】図1において、測定部19では、あらかじ
め一定量の試料を濾過して細菌を付着させ、所定の前処
理を施した膜1を細菌付着面を下にして、高感度撮像手
段10の光入力部13に設置する。膜1上面から発光開
始のための試薬を滴下し、膜1に付着する面(上面)
に、艶消し黒色処理面21を持つ押し板14aおよび遮
光蓋15を被せ、膜1を押圧する。高感度撮像手段10
には、イメージインテンシファイアーを組み込んだ2次
元光子計数管を用い、また、艶消し黒色処理面21は、
押し板14aにアルミニウムを用い、黒色アルマイト処
理を施したものである。高感度撮像手段10の出力部2
2のフォトン画像を、カメラレンズ16を備えたCCD
カメラ17で撮像して、ビデオ信号23として出力す
る。
【0016】画像処理部20では、このビデオ信号23
が、コンピュータ24によりコントロールされた画像積
算手段25に入力され、デジタル化された後、あらかじ
め設定されたフレーム数が画像積算される。この積算画
像は、画像処理手段26,コンピュータ24および画像
記憶手段27により、移動平均化,画面間演算,2値
化,画像計算の各処理を行なう。CRT28は計算結果
の表示、ビデオモニター29は測定中の画像の監視、ビ
デオプリンター30は画像の記録を行なうものである。
【0017】ここで、移動平均とは、515×512の
画素と、各画素の16ピットの輝度データからなる画像
データについて、各画素を中心に、すべての画素につい
て要素1からなるm×m(但し、mは奇数)の正方マト
リックスを乗じ、総和をとり、マトリックス数即ちm2
で割り算し、中心画素の輝度データとすることを意味す
る。この操作は、一般にm×m単純平滑化と呼ばれるも
のであり、m×mより小さい輝度の振幅を減少させる効
果がある。
【0018】画面間演算とは、二つの画像同士の算術演
算を行なうことを意味し、本発明では特に減算を用い
る。2値化は、所定の値以上の各画素の輝度データを最
高輝度値(High)に変換し、それより小さい輝度デ
ータの各画素の輝度データを最小輝度値(Low)に変
換する操作である。本実施例では、最高輝度データはF
FFF(16進)即ち65535(10進)、最小輝度
データは0である。
【0019】画像計算とは、上述のような2値化された
画像データについて、各画素の属性(HighまたはL
ow)の隣接関係に着目して空間的に分類した後、それ
らの群についての幾何学的らパラメータを求め、または
それらを統計処理することを意味し、本発明では、後述
するように、各群の構成画素数と対応する2値化前の画
像の輝度データによる重み付け計数を行なう。
【0020】図2は、上述した構成の装置を用いて、細
菌の発光画像を処理する手順の流れ図を示したものであ
り、図1のコンピュータ24のプログラムとして実現す
ることができる。以下に図1を併用参照して説明する。
まず、図1のビデオ信号23は、画像積算手段25によ
ってデジタル化されて、所定のフレーム数が連続して積
算され、画像積算手段25の内部に設けられた図示して
ない画像記憶用フレームメモリーに記憶される。この画
像データAは、マトリックスサイズの異なる2種類の移
動平均化が施される。即ち、細菌による発光基点より小
さいマトリックスサイズで移動平均化を行ない、ノイズ
を除去した画像をBとし、細菌による発光基点より大き
いマトリックスサイズで移動平均化して、細菌による発
光基点を除去した背景画像をCとし、別々に画像記憶手
段27に記憶する。このとき、これら2種類のマトリッ
クスサイズは、図1に示した測定部の光学的な倍率や、
解像度によって異なる。したがって、あらかじめ細菌に
よる発光基点を同定し、画像上での大きさを画像解析す
る必要がある。
【0021】次に、これら二つの画像B,Cについて画
面間減算(B−C)を行なう。結果として得られる最終
処理画像Dは、あらかじめ設定された輝度しきい値によ
って2値化され、2値画像Eを得ることができる。図示
は省略したが、2値画像Eにおいて隣り合うHighレ
ベルの画素同士を、一つの群として登録する手順を施し
た後、上述のノイズ除去のための移動平均化で除去しき
れなかったノイズ、即ち、細菌による発光基点とは考え
られないような小さい画素数の群を、ノイズて無視また
は除去する。
【0022】残った群について、ラベルを与えた後、各
群の重み、即ち、各群に含まれる細菌数を後述する方法
によって見積もり、合計細菌数を計算する。図3(a)
〜(d)は、前述の移動平均処理によって背景光が除去
される過程を、画像の1次元輝度波形により示した線図
であり、それぞれ図3(a)は原画像の1次元輝度波
形、図3(b)はノイズ除去波形、図3(c)は背景む
ら波形、図3(d)は最終処理波形を表わしている。
【0023】図3(a)の曲線31は原画像の1次元輝
度波形を示し、前述の積算画像Aにおいて、二つ細菌
による発光基点の中心を通る直線上の輝度データをグラ
フ化したものである。波形31は、二つの発光基点によ
るピーク31a.31bと、発光試薬のむらによる比較
的大きなゆらぎと、細かいノイズを含んでおり、図1に
示した測定部19の光学系によって生ずる感度むら波形
32に従って、全体が湾曲した形状を呈している。した
がって、この段階で、一定レベルのしきい値で2値化す
るのが困難であることは明らかである。そこで、まず、
細菌による発光基点のピーク幅sより小さいマトリック
スで移動平均化すると、図3(b)のノイズ除去波形3
3に示すように、細かいノイズが除去された滑らかな波
形が得られる。また、波形31より大きなマトリックス
で移動平均化すると、図3(c)に示す如く、細菌によ
る発光基点が消え、比較的大きなうねりが抽出された背
景むら波形34を得ることができる。これら二つの波形
33,34を減算したものが図3(d)に示す最終処理
波形35であり、先に述べた細かいノイズ成分、発光試
薬のむらによるゆらぎ、および感度むらが解消されて、
細菌による発光基点が一定レベルの信号として抽出され
ることがわかる。
【0024】このように、本発明の方法は、比較的一般
的な画像処理手順を組み合わせることにより、有効な背
景画像処理補正を行なうことができるという点に大きな
特徴を有する。このような要素となる画像処理手順は、
高速化されたハードウェアーやアルゴリズムが普及して
おり、これを利用することによって、全体の処理速度の
高速化が容易であるという利点を持っている。
【0025】以上、背景光の画像処理上の除去方法につ
いて説明したが、本来、背景光は、測定部において低減
した方がよいことは明らかである。以下では、光学的な
背景光の除去方法について、従来との比較において、図
4(a)〜(c)の模式断面図を参照して説明するが、
それぞれ図4(a)は押し板を用いない場合、図4
(b)は、図10に示した従来の押し板14を用いた場
合、図4(c)は、図1に示した本発明における艶消し
黒色処理面18を有する押し板14aを適用した場合の
膜内発光状態を表わす。また、各図とも光は矢印で示し
てある。
【0026】図4(a)は、付着細菌36の付着面37
を下にして発光させた膜1の模式断面図であり、付着細
菌36からの光は、膜内散乱光38と膜外散乱光39が
あり、膜外散乱光39が図1の高感度撮像手段10の光
入力部13に到達することになる。また、膜1内に含浸
した発光試薬の自家発光、即ち背景光40は、膜1の上
面、下面とも等しく放出され、その発光量は、膜1内の
発光試薬の含浸量に比例する。したがって、背景光40
を弱くし、付着細菌36からの発光量を相対的に大きく
する必要がある。そこで、従来は図4(b)に示すよう
に、押し板14を用いて膜1の上面から押圧することに
より、膜1内もしくは膜1と光入力部13の間の発光試
薬の液量を少なくし、背景光40を低減化していた。し
かし、このような方法では、押し板14の表面は従来鏡
面仕上げになっており、図4(b)に示すように、背景
光反射光41が膜1内部を透過して入力部13に到達
し、背景光40を増大させ、しかも発光試薬の膜1内の
含浸量のむらを大きく反映させている。
【0027】これに対して、本発明では図4(c)に示
すように、図1の艶消し黒色処理面18を有する押し板
14aを用いて、この黒色処理面18が膜1の上面と接
するようにし、膜1面上に放射される背景光40を吸収
することにより、背景光反射光41を小さくし、背景光
40のレベルを鏡面の押し板14に比べて、約2/3〜
1/2にすることができた。
【0028】以上述べてきた如く、本発明では、不均一
な背景光に含まれる細菌による発光点を画像的に抽出す
るために、新しい簡便な画像処理方法と光学的に有利な
測定部の構造を発明するに至ったものである。次に、確
実に検出されるようになった細菌による発光点を、画像
計算により正確に算出するには、菌の重なりを考慮し
て、一つの発光基点に含まれる細菌の数を推定しなけれ
ばならない。図5(a),(b)は、菌が重なって検出
された2値画像の例を示す模式図であり、図5(a)は
2値化画面の一部を示す模式図、図5(b)は2値化前
の輝度波形図である。図5(a)のように、発光基点4
2はその広がりからみれば、2個と考えられるが、直線
P上の2値化前の輝度波形43からは、図5(b)のよ
うに3個であることがわかる。このように、本来発光基
点に含まれる菌数は、基点に含まれる2値化前の輝度デ
ータを2次元的に積分し、菌1個当たりの輝度積分値で
除算すればよいことが容易に推測される。
【0029】しかし、この方法では、基点の全てに亘っ
て積分操作を要するために、処理に時間がかかる。そこ
で、本発明では、細菌1個の発光基点の輝度波形のピー
ク値がほぼ一定していること、この波形がほぼ完全に一
致して重ならない限り、ピーク値は2倍にならないこと
に着眼し、次のような方法により、1個の発光基点に含
まれる細菌数を計算することにした。即ち、高輝度画素
群iに関する2値化前の群の最高輝度値をImax ,2値
化後の群の構成画素数をSi ,菌単体当たりの最高輝度
値をIS ,菌単体当たりの平均画素数をSS とし、関数
fを小数点以下四捨五入するものとし、画素群iについ
ての重みWi を式(1)で計算し、 Wi =f(Si /SS )+f(Imax /IS )−1 (1) 画像中高輝度群総数をnとして、式(2)から総菌数N
を計算することにより、 発光基点の輝度レベルと、構成画素数の二つの変数から
補正することにした。ここで、重み計算式(1)で、画
素数と輝度値の除算結果を四捨五入するのは、菌1個当
たりの構成画素数,最高輝度値のばらつきを考慮したか
らである。
【0030】これを具体的に幾つかの代表的な二つの菌
の重なり方について、図6,図7を参照して説明する。
図6(a)は、発光基点の重なり方が小さい場合を示す
模式図であり、図6(b)は、このときの輝度波形図で
ある。図7(a)は、発光基点の重なり方が大きい場合
を示す模式図であり、図7(b)は、このときの輝度波
形図である。図7(b)では各基点の波形を点線で、実
測波形を実線で表わしてある。
【0031】従来の構成画素数のみの判定は、図6では
式(1)の右辺第1項は、f(Si/SS )=2であ
り、図7では同様にして式(1)の右辺第1項は、f
(Si /SS )=1である。しかし、画素の大きさおよ
びこれらの変数の自由度を考慮した式(1)で計算され
る重みWi は、図6,図7のいずれの場合も2であり、
実際の菌数と一致する。例えば、仮に図6,図7の場合
に、さらに1個の菌が上記の二つの重なり方で重なった
としても、同様の結果が得られることは明らかである。
【0032】このように、本発明の方法によれば、発光
基点の2値化前の最高輝度値と、2値化後構成画素数か
ら、簡単な演算によって発光基点に含まれる菌数を正確
に計算することができる。
【0033】
【発明の効果】従来、微小でかつ微弱な発光基点をむら
のある背景画像から自動的に抽出するためには、一定の
背景画像を必要とするか、移動2値化など特殊用途向け
で一般には使用することができないアルゴリズムを用い
る必要があったが、本発明の装置と方法によれば、測定
の都度異なる背景の中から、微小でかつ微弱な発光基点
を検出することが、移動平均化(単純平滑化),画面間
減算,2値化など画像処理としては、汎用的な方法を組
み合わせて行なうことが可能であり、市販の汎用画像処
理システムで容易に実現することができ、しかも処理が
高速である。したがって、この画像処理方法は、細菌検
査装置だけでなく、広く種々の画像処理に利用すること
ができる。
【0034】また、撮像入力面に膜を密着させる細菌検
査装置で、その膜面の押し板を艶消し黒色処理を施すこ
とにより、背景光が従来の鏡面仕上げの押し板に比べ
て、2/3〜1/2と著しく低減される。さらに、従
来、菌が凝集し、または菌が膜上で画像分解能以下の近
接した位置に付着すると、実数値に比べ計数値が小さく
なるという欠点があったが、本発明の方法によれば、簡
単に発光基点の菌数の重みを計算することが可能であ
り、このように、画像処理的にかつ光学的に、背景光を
低減することができ、発光基点に含まれる菌数を、簡単
に計算することができるようになったため、細菌1個か
らの微弱な発光基点を正確に自動的に検出することが可
能となった。
【0035】これらのことから、本発明の装置と方法を
適用することにより、従来、細菌検査装置で一般的に用
いられているコロニー計数法に代わって、数分〜数十分
の時間で正確な検査が可能となり、細菌検出から製造ラ
インへのフィードバックが迅速となり、製品の歩留り
や、安全性の向上を格段に飛躍させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の細菌検査装置の構成を示す模式図
【図2】本発明の細菌検査装置を用いて細菌の発光画像
を処理する手順の流れ図
【図3】移動平均処理によって背景光が除去される過程
を示し、それぞれ(a)は原画像の1次元輝度波形図,
(b)はノイズ除去波形図,(c)は背景むら波形図,
(d)は最終処理波形図
【図4】光学的な背景光の除去方法を従来との比較にお
いて示し、(a)は膜のまま、(b)は従来の押し板を
用いた場合、(c)は、本発明における艶消し黒色処理
面を有する押し板を適用した場合のそれぞれ膜内発光状
態を表わす模式断面図
【図5】菌が重なって検出された場合を示し、(a)は
2値化画面の一部を示す模式図、(b)は2値化前の輝
度波形図
【図6】発光基点の重なり方を示し、(a)は重なり方
の小さい場合を示す模式図、(b)はそのときの輝度波
形図
【図7】発光基点の重なり方を示し、(a)は重なり方
の大きい場合を示す模式図、(b)はそのときの輝度波
形図
【図8】ATP発光法による生菌計数の過程を示し、
(a)は発光反応前の状態、(b)は試薬を注入した状
態、(c)は発光状態を説明するための各模式図
【図9】細菌の発光点を検出する装置の測定部の要部構
成を示す模式図
【図10】図9の装置を改良した測定部の要部構成を示
す模式図
【符号の説明】 1 膜 1a 膜表面 1b 膜裏面 2 光ファイバープレート 2a 入力面 3 液膜層 4 ATP 5 細胞膜 6 ATP抽出液 7 発光 8 付着細菌 9 カメラレンズ 10 高感度撮像手段 11 入力面 12 ケーブル 13 光入力部 14 押し板 14a 押し板 15 遮光蓋 16 カメラレンズ 17 CCDカメラ 18 画像信号19 測定部20 画像処理部 21 艶消し黒色処理面 22 出力部 23 ビデオ信号 24 コンピュータ 25 画像積算手段 26 画像処理手段 27 画像記憶手段 28 CRT波形曲線 29 ビデオモニター 30 ビデオプリンター 31 原画像の1次元輝度波形 31a ピーク 31b ピーク 32 感度むら波形 33 ノイズ除去波形 34 背景むら波形 35 最終処理波形 36 付着細菌 37 細菌付着面 38 膜内散乱光 39 膜外散乱光 40 背景光 41 背景光反射光 42 発光基点 43 2値化前の輝度波形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/569 G01N 33/569 B (72)発明者 豊島 英文 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 佐々木 正一 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オル ガノ株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平4−316478(JP,A) 特開 平4−30798(JP,A) 特開 平6−237792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 7/00 - 7/60 C12M 1/34 C12Q 1/06 - 1/08 G01N 15/14 G01N 21/00 - 21/91 G01N 33/53 - 33/577

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】あらかじめ一定量の試料を膜で濾過し捕捉
    した細菌を所定の試薬を用いて発光反応させ、その発光
    画像を高感度撮像手段により撮像して細菌数を測定する
    細菌検査装置であって、 結像面に光ファイバープレートを備えた高感度撮像手段
    の入力面に細菌付着面が接するように載置した膜の裏面
    から、表面に艶消しの黒色処理を施した押し板によりこ
    の膜を押圧する手段を有する測定部、および撮像して得
    られた菌に対応する複数の点状の高輝度画素群を含む積
    算画像を所定のサンプル数で移動平均化する平均化処理
    手段と、2種類の画面の減算を行なう画面間演算処理手
    段と、画像の所定の領域を所定のしきい値で2値化する
    画像2値化手段と、2値化された画像の高輝度画素群を
    群毎に計数する手段とを有する画像処理部を備えること
    を特徴とする細菌検査装置
  2. 【請求項2】請求項1記載の装置を用いて細菌検査を行
    なう方法において、撮像により得られた菌に対応する複
    数の点状の高輝度画素群を含む積算画像(A)を、高輝
    度画素群より少ないサンプル数で移動平均化して画像
    (B)を得てこれを記憶し、高輝度画素群より多いサン
    プル数で移動平均化して画像(C)を得、画像(B)か
    ら画像(C)を対応する各画素毎に減算して画像(D)
    を得、画像(D)の所定の領域を所定のしきい値で2値
    化し、2値化された画像の高輝度画素群を群毎に計数す
    ることを特徴とする細菌検査方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の計数方法は、高輝度画素群
    iに関する2値化前の群の最高輝度値をImax ,2値化
    後の群の構成画素数をSi ,菌単体当たりの平均輝度値
    をIS ,菌単体当たりの平均画素数をSS とし、関数f
    を小数点以下四捨五入するものとし、画素群iについて
    の重みWi を式(1)で計算し、 Wi =f(Si /SS )+f(Imax /IS )−1 (1) 画像中高輝度群総数をnとして、式(2)から総菌数N
    を計算することを特徴とする細菌検査方法。
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