JP3029699B2 - 葉菜類のシュウ酸含量の軽減剤および軽減方法 - Google Patents
葉菜類のシュウ酸含量の軽減剤および軽減方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、葉菜類に蓄積されるシ
ュウ酸含量の軽減に関するものであり、詳しくは、ビタ
ミンB6群および/またはその塩を有効成分とする葉菜
類のシュウ酸含量の軽減剤を提供するものである。
ュウ酸含量の軽減に関するものであり、詳しくは、ビタ
ミンB6群および/またはその塩を有効成分とする葉菜
類のシュウ酸含量の軽減剤を提供するものである。
【0002】
【背景技術】従来よりシュウ酸は硝酸塩とともに、植物
中に含まれる天然有害成分(食の科学,38,5,19
77)として良く知られているが、我が国においても、
多食するホウレンソウ中の存在は古くから著明である。
中に含まれる天然有害成分(食の科学,38,5,19
77)として良く知られているが、我が国においても、
多食するホウレンソウ中の存在は古くから著明である。
【0003】シュウ酸は植物体においては不溶性のカリ
ウム塩およびカルシウム塩として存在し、体内において
はカルシウム塩を形成し、尿道結石の一因と言われてい
る(生物学辞典,第2版,岩波書店,512,197
7)。こうしたヒトや動物における安全性の立場から、
これら植物体のシュウ酸含量を目安とした品質保全およ
び収量につき栽培条件の改善によって向上しようとする
研究(岐阜女子大学紀要,16,13,1987)、あ
るいは植物ホルモンのジベレリン処理による改善研究
(山口農試研報,41,32,1989)、更にはD−
パントテン酸カルシウムによる研究等がなされている
が、いずれも品質保全および収量の両者を同時に満足さ
せるに至っていない。特にジベレリンはその処理により
シュウ酸含量を低下させることが出来るがその効果も弱
く、又収量にもつながらず、更には非常に高価であるこ
とから未だ実用化に至ってない。
ウム塩およびカルシウム塩として存在し、体内において
はカルシウム塩を形成し、尿道結石の一因と言われてい
る(生物学辞典,第2版,岩波書店,512,197
7)。こうしたヒトや動物における安全性の立場から、
これら植物体のシュウ酸含量を目安とした品質保全およ
び収量につき栽培条件の改善によって向上しようとする
研究(岐阜女子大学紀要,16,13,1987)、あ
るいは植物ホルモンのジベレリン処理による改善研究
(山口農試研報,41,32,1989)、更にはD−
パントテン酸カルシウムによる研究等がなされている
が、いずれも品質保全および収量の両者を同時に満足さ
せるに至っていない。特にジベレリンはその処理により
シュウ酸含量を低下させることが出来るがその効果も弱
く、又収量にもつながらず、更には非常に高価であるこ
とから未だ実用化に至ってない。
【0004】
【発明の開示】本発明者らは、葉菜類に蓄積されるシュ
ウ酸含量の軽減方法につき、鋭意研究を行った結果、本
発明により優れた軽減剤を提供することに成功した。即
ち、本発明は、ビタミンB6群および/またはその塩を
有効成分とする軽減剤およびビタミンB6群および/ま
たはその塩を水に溶解せしめ、葉菜類に適用することに
より、葉菜類のシュウ酸の含量を軽減する方法を提供す
るものである。以下に本発明を詳細に説明する。
ウ酸含量の軽減方法につき、鋭意研究を行った結果、本
発明により優れた軽減剤を提供することに成功した。即
ち、本発明は、ビタミンB6群および/またはその塩を
有効成分とする軽減剤およびビタミンB6群および/ま
たはその塩を水に溶解せしめ、葉菜類に適用することに
より、葉菜類のシュウ酸の含量を軽減する方法を提供す
るものである。以下に本発明を詳細に説明する。
【0005】本発明者らは、適用植物としてホウレンソ
ウを選択し、土壌として第3紀層風化の丘陵未耕地の下
層土を使用し、ピリドキシン(以下V−B6と記す)を
用いて下記の要領により、実験を行った。 1.V−B6の使用濃度は、0.1〜0.2%溶液とし
て用いる。 2.使用量は、1m2当り150mlを散布する(10
a当り150 l)。 3.使用時期は、収穫前数日〜2週間前に1回散布す
る。
ウを選択し、土壌として第3紀層風化の丘陵未耕地の下
層土を使用し、ピリドキシン(以下V−B6と記す)を
用いて下記の要領により、実験を行った。 1.V−B6の使用濃度は、0.1〜0.2%溶液とし
て用いる。 2.使用量は、1m2当り150mlを散布する(10
a当り150 l)。 3.使用時期は、収穫前数日〜2週間前に1回散布す
る。
【0006】上記の実験の結果、ビタミンB6群および
/またはその塩は、下記の如き優れた性質を有すること
が認められた。 (1)D−パントテン酸カルシウム(以下P-Caと記す)
を用いた場合に比べて、シュウ酸含量の軽減効果は著し
く優れている。 (2)作物の収量の減少を招くことなく使用できる。 (3)毒性も低く、安価である。 このようにビタミンB6群および/またはその塩は、葉
菜類のシュウ酸含量の軽減剤として実用化に供しうる効
果が認められた初めての物質である。
/またはその塩は、下記の如き優れた性質を有すること
が認められた。 (1)D−パントテン酸カルシウム(以下P-Caと記す)
を用いた場合に比べて、シュウ酸含量の軽減効果は著し
く優れている。 (2)作物の収量の減少を招くことなく使用できる。 (3)毒性も低く、安価である。 このようにビタミンB6群および/またはその塩は、葉
菜類のシュウ酸含量の軽減剤として実用化に供しうる効
果が認められた初めての物質である。
【0007】本発明に係るシュウ酸含量の軽減剤の有効
成分としては、ビタミンB6群のピリドキシン、ピリド
キサル、ピリドキサミンの他に塩酸塩、硝酸塩などの水
溶性塩が用いられる。また薬剤組成物としては、溶剤と
して、例えば、水もしくは水に適当なほかの補助剤を溶
解せしめたものを使用し、これに通常0.1%程度の濃
度をもって上記有効成分物質を溶解せしめたものを用い
るが、これは、使用直前に溶液を調製することができる
ような状態で保管しておいてもよい。
成分としては、ビタミンB6群のピリドキシン、ピリド
キサル、ピリドキサミンの他に塩酸塩、硝酸塩などの水
溶性塩が用いられる。また薬剤組成物としては、溶剤と
して、例えば、水もしくは水に適当なほかの補助剤を溶
解せしめたものを使用し、これに通常0.1%程度の濃
度をもって上記有効成分物質を溶解せしめたものを用い
るが、これは、使用直前に溶液を調製することができる
ような状態で保管しておいてもよい。
【0008】以下に、本発明の実施例および参考例を掲
げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施
例により限定されるものではない。
げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施
例により限定されるものではない。
【0009】
【実施例】材料と方法;ホウレンソウの供試品種として
は、グローリーホウレンソウ(秋作)を用いた。栽培
は、1/5000アールポットに播種し、生育と共に漸
次間引きし、均一な3個体を残し成育させた。なお、1
検体当り7ポット(n=7)を用いた。供試土壌は、第
3紀層風化の丘陵未耕地の下層土を用い、肥料は化成肥
料でポット当りN−P2O5−K2Oを各々1.5g
他、マグロポン6.0gをそれぞれ混合し施用した。ビ
タミンB6群の処理濃度としては0.1%および0.2
%の各水溶液を用いた。対照試験は水を用いて行い、薬
量はポット当り150mlを茎葉散布した。収穫は薬剤
処理後10日目に行った。
は、グローリーホウレンソウ(秋作)を用いた。栽培
は、1/5000アールポットに播種し、生育と共に漸
次間引きし、均一な3個体を残し成育させた。なお、1
検体当り7ポット(n=7)を用いた。供試土壌は、第
3紀層風化の丘陵未耕地の下層土を用い、肥料は化成肥
料でポット当りN−P2O5−K2Oを各々1.5g
他、マグロポン6.0gをそれぞれ混合し施用した。ビ
タミンB6群の処理濃度としては0.1%および0.2
%の各水溶液を用いた。対照試験は水を用いて行い、薬
量はポット当り150mlを茎葉散布した。収穫は薬剤
処理後10日目に行った。
【0010】分析試料の調製および全シュウ酸含量の定
量;新鮮な収穫物の10gを正確に秤量し、1N HC
lを20ml加え、ホモジナイズする。ホモジネート
は、遠心分離で上澄液と沈殿物とに分け、沈殿物はさら
に2回1N HClで洗浄する。上澄液と洗浄液とを合
わせ水で100mlとした。この抽出液を0.45mμ
ミリポアフィルターにより濾過した後、高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)により以下の条件でシュウ酸
の定量を行った。
量;新鮮な収穫物の10gを正確に秤量し、1N HC
lを20ml加え、ホモジナイズする。ホモジネート
は、遠心分離で上澄液と沈殿物とに分け、沈殿物はさら
に2回1N HClで洗浄する。上澄液と洗浄液とを合
わせ水で100mlとした。この抽出液を0.45mμ
ミリポアフィルターにより濾過した後、高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)により以下の条件でシュウ酸
の定量を行った。
【0011】結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】薬剤は1回処理とし、処理後10日目で収
穫し分析した。
穫し分析した。
【0014】〔参考例〕材料および方法;ホウレンソウ
の供試品種としてはグローリーホウレンソウ(秋作)を
用いた。栽培は実施例1と全く同様の方法で行った。薬
剤散布はD−パントテン酸カルシウム(以下P−Caと
記す)の0.1%および0.2%各水溶液を用いた。対
照試験は水を用いて行った。ポット当り150mlの茎
葉散布し、収穫は薬剤処理後10日目に行った。
の供試品種としてはグローリーホウレンソウ(秋作)を
用いた。栽培は実施例1と全く同様の方法で行った。薬
剤散布はD−パントテン酸カルシウム(以下P−Caと
記す)の0.1%および0.2%各水溶液を用いた。対
照試験は水を用いて行った。ポット当り150mlの茎
葉散布し、収穫は薬剤処理後10日目に行った。
【0015】分析試料の調製および全シュウ酸含量の定
量; 実施例と全く同様の方法で行った。結果を表2に示す。
量; 実施例と全く同様の方法で行った。結果を表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】以上の結果から明らかなようにビタミンB
6群はホウレンソウにおいて0.1%濃度で著しいシュ
ウ酸含量の軽減効果が認められ、又その収量も増加傾向
を認めた。一方、P−Caはシュウ酸含量の軽減効果は
認めなかった。
6群はホウレンソウにおいて0.1%濃度で著しいシュ
ウ酸含量の軽減効果が認められ、又その収量も増加傾向
を認めた。一方、P−Caはシュウ酸含量の軽減効果は
認めなかった。
Claims (2)
- 【請求項1】 ビタミンB6群および/またはその塩を
有効成分とする葉菜類のシュウ酸含量の軽減剤。 - 【請求項2】 ビタミンB6群および/またはその塩の
溶液を、葉菜類に適用することを特徴とする葉菜類のシ
ュウ酸含量を軽減させる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3133709A JP3029699B2 (ja) | 1991-03-26 | 1991-03-26 | 葉菜類のシュウ酸含量の軽減剤および軽減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3133709A JP3029699B2 (ja) | 1991-03-26 | 1991-03-26 | 葉菜類のシュウ酸含量の軽減剤および軽減方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04297402A JPH04297402A (ja) | 1992-10-21 |
JP3029699B2 true JP3029699B2 (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=15111062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3133709A Expired - Lifetime JP3029699B2 (ja) | 1991-03-26 | 1991-03-26 | 葉菜類のシュウ酸含量の軽減剤および軽減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3029699B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5489572A (en) * | 1993-08-19 | 1996-02-06 | Cosmo Research Institue | Methods for reducing nitrate nitrogen and oxalic acids contents nin plants |
-
1991
- 1991-03-26 JP JP3133709A patent/JP3029699B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04297402A (ja) | 1992-10-21 |
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