JP3029656U - 内燃機関の開閉弁装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的摩擦による２次騒音や振動を低減し、
回転速度や負荷に応じた最適なタイミングで排気を制御
して消音作用を向上させ、簡単な装置構成により製造低
コスト化をはかった内燃機関の開閉弁装置を提供する。 【解決手段】排気流速に対応し作動する開閉弁を内燃機
関の排気流路を形成する排気管に内設し、その排気管の
外周面に装着された開閉弁の駆動装置を、その開閉弁の
弁軸に連結するカムと、そのカムに取り付けられたコイ
ルスプリングとから構成し、開閉弁の先端部の、排気管
内壁との当たり面に、吸音材の金網を埋設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、排気流速によって作動する開閉弁を内燃機関の排気管内に設け、 排気流速が減衰したとき発生する騒音レベルを低減させる効果のある内燃機関の 開閉弁装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来技術として、機関の高速回転時および低速回転時のいづれの場合において も機関の出力、効率等の性能を高める目的で内燃機関の排気系の特定の位置に、 開閉弁と、その駆動装置を設け、回転数に応じ開閉弁の開閉時期を電気式又は機 械的に制御するような方法が考案されてきた。たとえば実開昭５９−７００１３ 号に開示されているように、電磁力による駆動装置により、燃焼室の内外を連通 する吸排気ポ−トを開閉する弁体の開閉タイミングを制御する電磁式による内燃 機関の開閉弁装置が提供されている。また、実開平３−３７２２１号に示された ように、排気ガスの圧力に応じて作動する弁駆動装置と連動する開閉弁の弁座を 消音器内の排気管開口部に設け、この開閉弁によって消音器内部の排気ガスの流 路を切り替え消音効果を向上させたエンジンの消音装置が提供されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述のような内燃機関の吸排気ポ−トに開閉弁の便座を設け、 電磁駆動式の開閉弁駆動装置を備えた消音装置は、機械的摩擦による２次騒音や 振動の問題を解消し、回転速度や負荷に応じた最適なタイミングで排気を制御す る効果を向上するが、装置構成が非常に複雑になり、当然コストアップを招くと いう問題がある。また開閉弁駆動装置を消音器外部に装着し、消音器内に弁座を 取りつけた開閉弁により消音器内の排気流路を切り替える内燃機関用弁装置は、 背圧を利用する開閉弁駆動装置の構成が複雑であり、消音器のコンパクト化がは ばまれるという問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案の内燃機関の開閉弁装置は、排気流速によって作動する開閉弁を内燃 機関の排気流路を形成する排気管に内設し、その排気管の外周面に装着された開 閉弁の駆動装置を、その開閉弁の弁軸に連結するカムと、そのカムに取り付けら れたコイルスプリングとから構成し、開閉弁の先端部の、排気管内壁との当たり 面に、金網を埋設したことを特徴としている。

【０００５】

【考案の実施の形態】

添付図面により、この考案による内燃機関の開閉弁装置を詳細に説明する。

【０００６】 図１は、この考案の内燃機関の開閉弁装置の一実施例を示す開閉弁全閉時の縦 断側面図、図２は、図１の開閉弁全閉時の断面図、図３は、図１の開閉弁全開時 の正面図であり、図４は従来の技術による一実施例を示す。

【０００７】 各図において、１は排気管、２は開閉弁、３は開閉弁の駆動室、４は開閉弁の 弁棒、５は開閉弁の弁軸、６はカム、７はコイルスプリング、８は排気管１の開 閉弁２との当たり面に埋設された金網である。

【０００８】 図１及び図３に示されたように、開閉弁２は、楕円形の断面と西洋なし形胴部 をもった形状に形成されており、その楕円形の短軸が排気管１に内接し、かつ開 閉弁２が完閉されたとき、その長軸が排気ガスの流れ方向へ斜傾した形で排気管 １の流路が閉鎖されるように、排気管１に内設されている。この場合、開閉弁２ は、排気の上流側の消音器に近い位置に配設される排気管１に内設されることが 好ましい。

【０００９】 開閉弁２の駆動装置は、排気管１の外周面に装着された駆動室３と、駆動室３ 内において、開閉弁２の弁棒４の端部に固着されている弁軸５と連結されている カム６と、カム６に連結されカム６を回転させるコイルスプリング７とから構成 されている。

【００１０】 コイルスプリング７は、その一端がカム６面の受け金に固定されてカム６と連 結され、連結された状態においてあらかじめ張力がはたらくように駆動室３内に 配設されている。開閉弁２は、このように張設されたコイルスプリング７の張力 作用によって、排気管１内における排気流速の弱い場合は常に排気ガスの流路を 閉じるように、また、排気流速の増大にともない、排気流路の上流から下流の方 向へ開くように排気管１内に装着されている。

【００１１】 上述のように排気流速の増大にともない、開閉弁２は、排気流路の上流から下 流の方向へ押し出されて開き始め全開するように作動するが、その作動にともな い、カム６は、コイルスプリング７を引っ張りながら、さらにコイルスプリング ７の張力が強くはたらく方向へ回転する。

【００１２】 開閉弁２の全開状態において増大したコイルスプリング７の張力は、排気流速 が減衰したときは、カム６を逆回転させて瞬時に開閉弁２が排気流路を閉鎖する ように作動する。上述のように、開閉弁２の胴部は、閉鎖時の排気抵抗が少ない ように西洋なし形に形成されており、開閉弁２の瞬時閉鎖作用を助長する。

【００１３】 上述のように排気流速が減衰したとき、コイルスプリング７の張力が開閉弁２ により瞬時に排気流路を閉鎖するように作動するが、このような弁体の瞬時の閉 鎖タイミングによって、アクセルを閉じ排気流速が減衰した場合排気脈動が増大 し、発生する騒音を効率よく減衰させることができる。

【００１４】 また、上述のように排気流速が減衰したとき、コイルスプリング７の張力が開 閉弁２を瞬時に排気流路を閉鎖するように作用し、そのように適正化された閉鎖 タイミングは、低回転時におけるエンジン出力を向上させる。

【００１５】 また、図１に示されているように、その閉鎖時において開閉弁２の先端部が排 気管１の内壁面と接触する当たり面に、金網８が埋設されている。

【００１６】 内燃機関を無負荷で低速運転（アイドリング）すると排気脈動は増大し、その 場合増大した排気脈動の波動を受けて開閉弁２の先端部が、排気管１との当たり 面において排気管１の内壁面をたたき２次騒音を発生する原因となる。上述のよ うに、開閉弁２の先端部が排気管１の内壁面と接触する当たり面に、金網８が埋 設されているので、開閉弁２と排気管１の内壁面との衝撃音が吸収されて、アイ ドリング時に発生する２次騒音が低減される。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したとおり、開閉弁の全開状態において増大したコイルスプリングの 張力は、排気流速が減衰したとき、開閉弁を閉鎖しようとする反動力となってカ ム軸に伝達され、開閉弁が排気流路を瞬時に閉鎖する、その閉鎖タイミングによ って、排気流速の減衰時に排気脈動が増大し発生する騒音を減衰させ、低回転時 におけるエンジン出力を向上させる効果がある。また開閉弁の閉鎖時に開閉弁の 先端部が排気管の内壁面と接触する当たり面に金網を埋設したので、アイドリン グの際増大する排気脈動の波動が、開閉弁の先端部に伝達され排気管との当たり 面に発生する２次騒音を、金網が吸収する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】は、この考案の内燃機関の開閉弁装置を示す縦
断側面図、

【図２】は、図１の開閉弁全閉時の断面図、

【図３】は、図１の開閉弁全開時の正面図、

【図４】は、従来の技術の１実施例を示す縦断側面図で
ある。

【符号の説明】

各図において、１は排気管、２は開閉弁、３は駆動室、
４は弁棒、５は弁軸、６はカム、７はコイルスプリン
グ、８は金網である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関の排気流路に設けた開閉弁と、
   その開閉弁を連動させる駆動装置とから構成される内燃
   機関の開閉弁装置において、排気流速によって作動する
   開閉弁を内燃機関の排気流路を形成する排気管に内設
   し、その排気管の外周面に装着された開閉弁の駆動装置
   を、その開閉弁の弁軸に連結するカムと、そのカムに取
   り付けられたコイルスプリングとから構成し、開閉弁の
   先端部の、排気管内壁との当たり面に、金網を埋設した
   ことを特徴とする内燃機関の開閉弁装置。