JP3029176B2 - 磁性現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

磁性現像剤及び画像形成方法

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JP3029176B2 JP06062960A JP6296094A JP3029176B2 JP 3029176 B2 JP3029176 B2 JP 3029176B2 JP 06062960 A JP06062960 A JP 06062960A JP 6296094 A JP6296094 A JP 6296094A JP 3029176 B2 JP3029176 B2 JP 3029176B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、磁気記録法などにおいて用いられる磁性現像剤及び
該磁性現像剤を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該
潜像を現像剤で現像を行なって可視像とし、必要に応じ
て紙などの転写材に現像剤像を転写した後、熱・圧力等
により転写材上に現像剤画像を定着して複写物を得るも
のである。
【0003】近年、電子写真法を用いた機器は、従来の
複写機以外にプリンターやファクシミリ等多数になって
きている。特にプリンターやファクシミリでは、複写装
置部分を小さくする必要がある為、一成分現像剤を用い
た現像装置が使用される事が多い。
【0004】一成分現像方式は二成分方式のようにガラ
スビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要な為、現像装置
自体を小型化・軽量化出来る。さらには、二成分現像方
式は現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要がある為、
現像剤濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必
要である。よって、ここでも現像装置が大きく重くな
る。一成分現像方式ではこのような装置は必要とならな
い為、やはり小さく軽く出来るため好ましい。
【0005】また、プリンター装置はLED、LBPプ
リンターが最近の市場の主流になっており、技術の方向
としてより高解像度即ち、従来240、300dpiで
あったものが400、600、800dpiとなって来
ている。従って現像方式もこれにともなってより高精細
が要求されてきている。また、複写機に於ても高機能化
が進んでおり、そのためデジタル化の方向に進みつつあ
る。この方向は、静電荷像をレーザーで形成する方法が
主である為、やはり高解像度の方向に進んでおり、ここ
でもプリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が要
求されてきており、特開平1−112253、特開平2
−284158などでは粒径の小さい現像剤が提案され
ている。
【0006】また、複写機においては、より高速、安定
下の方向が常に望まれている。特に中速機、高速機など
では2成分現像方式が主流である。これは、このように
ある程度大きな機械であると、現像装置の大きさや重さ
の問題より高速での長期使用に対しての安定性が重要点
になってくるからである。一般に、2成分現像剤のトナ
ーはカーボンブラックなどにより着色し、他はほとんど
ポリマーからなっている。そのためトナー粒子は軽くま
た静電気力以外にキャリア粒子に付着する力がないた
め、特に高速での現像ではトナーの飛散を招き、長期の
使用でレンズや原稿ガラス、搬送部などの汚れを生じ画
像の安定性を損なう事がある。そこでトナー中に磁性体
を含有させ現像剤を重くすると同時に磁性キャリア粒子
に静電気力以外に磁気力でも付着するようにし飛散を防
ぐようにした二成分現像剤が実用化されている。
【0007】以上のように、磁性体を含有する現像剤は
ますます重要性を増している。
【0008】ところで、一成分磁性現像方式は、現像時
に現像剤が鎖状(一般には「穂」と呼ばれている)とな
って現像される為、画像横方向の解像度が縦方向に比べ
て悪くなり易い。例えば、現像画像後半の非画像部に穂
のはみ出しによる尾引き現象が生じ易く、二成分現像方
式に比べてガサツキ画像が生じ易い傾向がある。そこで
画像再現性をより向上させる方法として、磁性現像剤の
穂をより短く、密にする事が考えられる。その手段とし
て現像剤中の磁性体量の減量や、現像剤層厚規制部剤を
現像剤坦持体に強く当接させる等の手段が考えられてい
る。しかし、例えば、磁性体量を減少させると一般的に
現像剤の電荷量が過大となり所謂チャージアップ現象が
生じ、画像濃度の低下・カブリの増加等の画像品位の低
下をもたらす。磁性現像剤の磁化の強さと穂の形状の関
係に関しても以下のように定性的に理解されている。即
ち、磁性現像剤の磁化の強さが大きいと、磁性現像剤粒
子間には磁界方向に沿った強い引力と、磁界に垂直な方
向に強い反発力が生じる。従って、磁化の強さが大きい
時には、磁性現像剤によって形成される穂は長く現像剤
坦持体上の穂の密度は粗となり個々の穂は細くなる。ま
た逆に、磁性現像剤の磁化の強さが小さいと、今度は穂
は短く現像剤坦持体上の穂の密度は密になるが磁性現像
剤粒子間の結合が解かれない為に個々の穂は太く短くな
り、凝集した状態となる。この場合では穂の内部に存在
する磁性現像剤粒子は現像剤坦持体表面と接触する機会
が少なくなり帯電不良となる。このような帯電不良の現
像剤粒子は画像上のカブリとなり画像品位を低下する。
また、現像剤が微粒子(一般に9μm以下)になると、
磁性体減量による現像剤のチャージアップ現象が発生し
やすくなり、チャージアップした現像剤や微粉現像剤が
鏡映力等の力により現像剤坦持体上に強固に付着し画像
濃度の低下を引き起こす。また、現像剤層厚規制部材を
現像剤坦持体に強く当接させた場合では現像剤層厚規制
部材の磨耗や駆動負荷の増大等の問題があり好ましくな
い。
【0009】また、磁性現像剤の穂をより短く、密にす
る手段として現像剤の飽和磁化σsを低下する方法が考
えられる。現像剤の飽和磁化σsを低下する方法として
は、特開平3−197697号公報、4−184354
号公報及び4−223487号公報等にマグネタイトの
2価鉄を亜鉛、銅等の2価の金属に置き換えて一部フェ
ライト化した磁性体を含有させる方法や針状磁性体を含
有させる方法が提案されている。しかし、フェライト化
の方法ではマグネタイトの2価鉄を減少させるため飽和
磁化を低下させるにしたがって、磁性体が赤みを帯び黒
色度が低下するという欠点があった。また針状磁性体を
用いる方法では、現像剤の帯電性を阻害し且つ保磁力が
高くなり過ぎて充分な画像濃度を得るのが困難であっ
た。また、一般的に磁性現像剤は結着樹脂中に磁性体の
微粉体を分散して用いられる為、高温高湿環境での長期
間の使用や保存による画像濃度低下等の問題が生じやす
い傾向であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の問題点を解決した磁性現像剤及び画像形成
方法を提供する事にある。
【0011】すなわち、本発明の目的は、原稿に忠実、
信号に忠実、即ち潜像に忠実な実質的にカブリ、現像剤
尾引きの無い高解像・高精細再現性の磁性現像剤及び画
像形成方法を提供する事にある。
【0012】さらに、本発明の目的は良好な黒色度を有
し、高品位な画像が得られる磁性現像剤並及び画像形成
方法を提供する事にある。
【0013】さらに、本発明の目的は現像剤の消費量が
従来に比較してより少ない磁性現像剤及び画像形成方法
を提供する事にある。
【0014】さらに、本発明の目的は、環境安定性に優
れ、特に高湿度環境下での保存、及び使用に於ても良好
な画像が得られる磁性現像剤及び画像形成方法を提供す
る事にある。
【0015】
【課題を解決する為の手段及び作用】本発明は、以下の
構成により上記目的を達成する。
【0016】本発明は、少なくとも結着樹脂及び磁性体
を含有する磁性トナー粒子を有する磁性現像剤におい
て、該磁性体は、鉄以外の3価の金属を2質量%乃至2
0質量%含有し、かつ79.58kA/m(1kOe)
の磁場における飽和磁化σsが20乃至50Am2/k
g(emu/g)であり、かつ該磁性体は、疎水基を有
する有機化合物によって疎水化処理されていることを特
徴とする磁性現像剤に関する。
【0017】さらに本発明は、静電潜像坦持体と現像剤
坦持体とを現像部に於て一定の間隙を設けて配置し、磁
性現像剤を現像剤坦持体上に前記間隙よりもうすい厚さ
に規制して現像部に搬送し、現像部に於て交番電界を印
加して静電潜像坦持体上の潜像を現像する画像形成方法
において、前記磁性現像剤が少なくとも結着樹脂及び磁
性体を含有する磁性トナー粒子を有する磁性現像剤であ
って、該磁性体は、鉄以外の3価の金属を2質量%乃至
20質量%含有し、かつ79.58kA/m(1kO
e)の磁場における飽和磁化σsが20乃至50Am2
/kg(emu/g)であり、かつ該磁性体は、疎水化
処理されていることを特徴とする画像形成方法に関す
る。
【0018】本発明の上記の特定の磁性体を含有する磁
性トナー粒子を有する磁性現像剤の色度は、好ましくは
下記条件 −1.0≦a*≦0.8、−3.0≦b*≦0 を満たす事が良く、より好ましくは、下記条件 13≦L*≦23、−0.8≦a*≦0.6、−0.3≦
*≦0 を満たす事が良い。(式中、a*は(L***)均等知
覚色空間における赤−緑方向の色度を示し、b*は黄−
青方向の色度を示し、L*は明度を示す。)
【0019】a*或いはb*が上記の範囲にない場合は、
赤味或いは青味等を帯びた色となり、黒色現像剤として
好ましくない。また、L*が23よりも大きい場合には
現像剤の着色力が不足し、特にベタ部分に於いて充分な
画像濃度が得られなかったり、あるいは、充分な画像濃
度を得るためにより多くの現像剤が必要となる。逆にL
*が13よりも小さい場合は、現像剤の着色力が過剰
で、僅かな飛び散り・かぶりが目立つものとなってしま
う。
【0020】従来、磁性体の磁化量を小さくする手段と
してはZn、Mn等の2価金属をドープしたものが用い
られていた。しかしこの方法は、マグネタイトをフェラ
イト化する方法であり、必然的にマグネタイト中の2価
鉄を減じており、粒子が赤みを帯びた黒色となり、画像
の黒色度も充分でないという欠点があった。
【0021】本発明の磁性現像剤は、マグネタイト中の
3価の鉄の一部若しくは全部を3価の異金属で置換した
ものであり、FeOを減じないため黒色度を損なう事が
なく、高い黒色度の現像剤画像が得られる。
【0022】鉄以外の3価の金属を含有する磁性体を用
いた例として、特開昭58−91463号公報、特開平
4−190242号公報等のアルミニウムを含有する磁
性体が開示されているが、これらではアルミニウムは磁
性体の表面又は表面近傍に存在し、磁性体の飽和磁化量
σsは従来一般に用いられてきた磁性体と同じく79.
58kA/m(1kOe)の磁場において60〜65A
2/kg(emu/g)となり、本発明のごとき尾引
き改善の効果は得られない。
【0023】本発明の磁性現像剤に含有される磁性体の
79.58kA/m(1kOe)の磁場における飽和磁
化量σsは20〜50Am2/kg(emu/g)であ
り、好ましくは25〜45Am2/kg(emu/g)
であることが良い。
【0024】σsが20Am2/kg(emu/g)未
満の場合には、現像剤の磁気搬送性の不足から、現像剤
の供給不良による画像抜け等の欠陥を生じやすくなり、
これを防止するための手段にはコストアップを伴い、構
成の複雑化も避けられない。磁性体量を結着樹脂に対し
て増加させる事で磁気搬送性を補おうとすると、帯電性
・定着性の悪化を招く。逆に、50Am2/kg(em
u/g)を超えると現像剤消費量低減のためには磁性体
を結着樹脂に対して減ずる必要があり、帯電量が高くな
りすぎ濃度ダウンを生じやすい。
【0025】さらに、本発明で用いられる磁性体は、F
eO含有量が好ましくは、18質量%以上であり、より
好ましくは、19質量%以上である事が良い。
【0026】FeO含有量が18質量%未満である場合
には、前記低σs磁性体は、黒色度が充分でない。
【0027】更に、該磁性体に含まれる2価鉄元素(F
2+)の含有量は12質量%〜23質量%である事が好
ましく、2価鉄元素と3価鉄元素の含有量の比率(Fe
2+/Fe3+)は0.256〜0.543である事が好ま
しい。
【0028】また、該磁性体に含まれる鉄以外の3価の
金属である異金属の量は2質量%〜20質量%であり、
好ましくは3質量%〜15質量%である事が良い。該磁
性体に含まれる異金属(3価)は、磁性体表面或いはそ
の近傍に水酸化物或いは含水酸化物等の形態で存在して
もよいが、磁性体の結晶格子中には2質量%〜10質量
%異金属(3価)が含有されている事が好ましく、より
好ましくは3質量%〜6質量%である。
【0029】磁性体に含まれる鉄以外の3価の異金属の
量が、2質量%未満では黒色度とσsのバランスをとる
事が困難である。
【0030】本発明の磁性現像剤に含有される磁性体
は、マグネタイトの3価の鉄の一部若しくは全部を3価
の異金属に置き換えた従来にない低σs高黒色度磁性体
であり、3価の金属としては種々の金属が使用可能であ
るが、中でもアルミニウムが好ましい。また、加えて黒
色度を落とさない範囲で、2価の鉄をマンガン、亜鉛、
コバルト、銅などの2価の金属に置き換える事も磁気特
性をコントロールするうえで好ましい一形態である。ま
た、影響を与えない範囲で他の金属元素を含有していて
もよい。
【0031】磁性体の形状としては、8面体、6面体、
球形、針状、燐片状などがあるが、8面体、6面体、球
形等の異方性の少ないものが好ましい。磁性体の平均粒
径としては0.05〜1.0μmが好ましく、さらに好
ましくは0.1〜0.6μm、さらには、0.1〜0.
4μmが好ましい。また、これら磁性粒子はモース硬度
が5〜7の磁性粉が好ましい。
【0032】磁性体量は結着樹脂100質量部に対し5
0〜200質量部、特には60〜150質量部が好まし
い。50質量部未満では搬送性が不充分で現像剤担持体
上の現像剤層にむらが生じ画像むらとなる傾向であり、
さらに現像剤トリボの上昇に起因する画像濃度の低下が
生じ易い傾向であった。
【0033】一方、200質量部を超えると定着性に問
題が生ずる傾向であった。
【0034】また、本発明の磁性トナー粒子を有する磁
性現像剤の重量平均粒径は、4〜10μmである事が良
好な画質を得る上で好ましい。重量平均粒径が4μm未
満であると現像剤の凝集が著しくなり、現像剤の生産性
(例えば充填工程)やハンドリングに問題が生じる。ま
た、10μmを超えると100μm以下のドット潜像ま
たは細線の再現が充分でない。
【0035】本発明の磁性現像剤の重量平均粒径をD
(μm)、磁性現像剤の79.58kA/m(1kO
e)の磁場における飽和磁化量をM(Am2/kg(e
mu/g))、磁性現像剤粒子の密度をγ(g/c
3)としたとき、それぞれの積(D×M×γ)の値S
が120〜340であることが好ましい。
【0036】Sの値が120未満であると、画像にカブ
リを生じやすく、また現像器中の磁気搬送力が不十分で
ベタ黒画像等の消費量の特に多い画像をプリントする
と、画像の一部が白く抜ける現象が起こる。340をこ
えると消費量の低減が十分ではない。
【0037】本発明者らは一般画像の大半を占めている
“ライン画像”に着目した。一般にライン画像部にはベ
タ画像部に比べてより多くの現像剤が現像されてしま
い、ベタ画像部の画像濃度を十分に保とうとすると、ラ
イン画像部に過剰の現像剤が現像されてしまい、現像剤
消費量低減の足枷となっている。ベタ画像部の画像濃度
を十分に保ちつつ、ライン画像部への過剰な現像剤の現
像を防止する検討をした結果、鉄以外の3価の金属を含
有することで79.58kA/m(1kOe)の磁場に
おける飽和磁化量σsが20〜50Am2/kg(em
u/g)である磁性体を用いた場合、磁性現像剤の重量
平均粒径と飽和磁化量と密度の積が上記範囲内にある場
合に、ライン画像部に現像される現像剤量が少なくな
り、現像剤消費量が低減できることを見いだした。ライ
ン画像部に現像される現像剤量が減少したのは、ライン
画像が従来の磁性現像剤に比べて細くなったためではな
く、従来現像剤ではライン画像部にラインが像を形成す
るのに最低限必要な量以上に現像剤がラインの鉛直上方
向に載っていたものが、本発明の現像剤ではそれが適正
な量になり、ラインの高さが低くなったためである。
【0038】Sの値は好ましくは140〜320、さら
には180〜300の範囲にあるのが好ましい。
【0039】一般にライン画像部にベタ画像部に比べて
より多くの現像剤が現像されてしまう理由としては以下
の様に考えられる。感光体上のライン画像部の静電潜像
には、ベタ画像部とは異なり、電気力線がライン潜像の
外側からライン潜像内に密に回り込んでいるため、ライ
ン画像部では現像剤を感光体潜像面に引き寄せ、押しつ
ける力が大きいために、より多くの現像剤がライン潜像
面に現像されやすい。
【0040】本発明の磁性現像剤が従来の現像剤に比べ
てライン画像部に載る現像剤量が少なく、現像剤消費量
が低減できる理由としては、以下のように考えている。
【0041】磁性現像剤を用いる一成分現像方式では現
像剤がある程度凝集した状態で感光体表面に現像され
る。本発明の磁性現像剤はSの値が従来の磁性現像剤に
比べて小さいところにあり、現像剤に含まれる磁性トナ
ー粒子間に働く磁気的な凝集力が従来の磁性現像剤の場
合よりも小さいと考えられる。そのために、感光体上ラ
イン画像部に一旦現像された現像剤粒子の中の必要以上
のものは、現像剤粒子間の凝集が小さいため、潜像電気
力線の回り込みによる力に抗して、スリーブ上に戻るこ
とができ、ライン画像部に適正な量の現像剤だけが残る
ものと考えている。
【0042】本発明で用いる磁性体の疎水化処理の具体
的方法としては、シラン系カップリング剤、チタン系カ
ップリング剤あるいは動物油、植物油、汎用界面活性
剤、石油系潤滑油、合成潤滑油等の疎水性液体をトルエ
ン、キシレン等の有機溶媒に溶解し、その中に磁性体を
徐々に加えつつ混合攪拌し次いで溶媒を濾過等により除
去する事で磁性体表面に疎水性の処理剤層を形成する方
法。あるいは、乾式でのミキサーによる混合によって磁
性体表面に処理剤を吸着させる方法等が挙げられる。中
でも、動物油、植物油、汎用界面活性剤、石油系潤滑
油、合成潤滑油等の疎水性液体を攪拌作用、圧縮作用、
せん断作用又はへらなで作用等により直接磁性体上に坦
持させる方法が好ましい方法として挙げられる。
【0043】疎水性液体を磁性体表面に坦持させる具体
的方法としては、ホイール型混練機又はらいかい機が用
いられる。ホイール型混練機又はらいかい機を用いた場
合には、圧縮作用によって磁性体粒子間に介在している
疎水性液体を磁性体粒子表面に押しつけるとともに、磁
性体粒子間隙を通して押し広げて磁性体粒子表面との密
着性を増し、せん断作用によって疎水性液体を引き延ば
しながら磁性体粒子群に対してはせん断力により位置を
変えてばらばらに凝集を解きほぐし、更に、へらなで作
用により磁性体粒子表面に存在する疎水性液体を均一に
広げると言う、上記3つの作用が繰り返される事によっ
て磁性体粒子間の凝集がときほぐされて粒子1個1個ば
らばらの状態で個々の磁性体粒子表面が均一かつ高度に
疎水化されるので特に好ましい。尚ホイール型混練機と
しては、シンプソンミックスマーラー、マルチマル、ス
トッツミル、アイリッヒミル、逆流混練機等が好ましく
使用できる。
【0044】疎水基を有するシラン系カップリング剤と
しては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン等が、また、チタン系カップリング剤としては、
イソプロプリトリイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イ
ソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタ
ネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシア
セテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェー
ト)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0045】また、動物油、植物油、汎用界面活性剤、
石油系潤滑油、合成潤滑油等の疎水性液体としては、現
像剤の環境安定性の面から合成潤滑油が好ましく用いら
れる。
【0046】合成潤滑油としては、ジメチルシリコー
ン、メチルフェニルシリコーン、各種変性シリコーン等
のシリコーン。ペンタエリトリトールエステル、トリメ
チロールプロパンエステル等のポリオールエステル。ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリα−オ
レフィン等のポリオレフィン。ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリグリコール。テ
トラデシルシリケート、テトラオクチルシリケート等の
ケイ酸エステル。ジ−2−エチルヘキシルセバケート、
ジ−2−エチルヘキシルアジペート等のジエステル。ト
リケレシルホスフェート、プロピルフェニルホスフェー
ト等の燐酸エステル。ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリフッ化エチレン等のフッ化炭化水素化合物、ポ
リフェニルエーテル、アルキルナフテン、アルキル芳香
族等が挙げられる。中でも熱安定性、酸化安定性の面か
らシリコーン、フッ化炭化水素が好ましい。またシリコ
ーンとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ
ル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプ
ト変性、フェノール変性、異種官能基変性等の反応性シ
リコーン、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、ア
ルキル変性、脂肪酸変性、アリコキシ変性、フッ素変性
等の非反応性シリコーン、ジメチルシリコーン、メチル
フェニルシリコン、メチルハイドロジェンシリコーン等
のストレートシリコーン等が用いられる。本発明に用い
られる疎水性液体は25℃に於ける粘度が10〜200
000cStである事が好ましく、より好ましくは20
〜100000cSt、特には50〜70000cSt
である事が良い。10cSt未満の場合では、低分子量
成分が多くなるため現像性、保存性に問題が生じやす
い。また、200000cStを超える場合では、疎水
化処理の均一性等において問題が生じやすくなる。
【0047】本発明に於ける疎水性液体の粘度測定は、
ビスコテスターVT500(ハーケ社製)を用いて行な
う。いくつかあるVT500用粘度センサーのひとつを
任意に選び、そのセンサー用のセルに測定資料を入れて
測定する。装置上に表示された粘度(pas)はcSt
に換算する。
【0048】本発明における疎水化処理剤の添加量は被
処理磁性粉末の粒子形状、粒子の大きさ、疎水化処理剤
の物性等により一義的に決定される物ではないが、被処
理磁性粉末100重量部に対し0.01〜20質量部、
好ましくは0.02〜10質量部、特には0.1〜5質
量部用いるのが良い。
【0049】本発明に使用される結着樹脂の種類として
は、例えば、ポリスチレン、ポリーpークロルスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体;スチレンーpークロルスチレン共重合体、ス
チレンービニルトルエン共重合体、スチレンービニルナ
フタリン共重合体、スチレンーアクリル酸エステル共重
合体、スチレンーメタクリル酸エステル共重合体、スチ
レンーαークロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ンーアクリロニトリル共重合体、スチレンービニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレンービニルエチルエーテル
共重合体、スチレンービニルメチルケトン共重合体、ス
チレンーブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共
重合体、スチレンーアクリロニトリルーインデン共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キ
シレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。ま
た、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂であ
る。
【0050】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
ー2ーエチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチル、等のような二重結合を有す
るジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、
酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル
類、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のよう
なエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;
例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテ
ル類;等のビニル単量体が単独もしくは組み合わせて用
いられる。
【0051】ここで架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1、3ーブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物、;及び3個以上のビニ
ル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用
できる。
【0052】塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を早めることで低分子量の重合体を得ることもで
きるが反応をコントロールしにくい問題点がある。溶液
重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用し
て、また開始剤量や反応温度を調節する事で低分子量重
合体を温和な条件で容易に得ることができ、本発明で用
いる樹脂組成物のなかで低分子量体を得るときには好ま
しい。
【0053】溶液重合で用いる溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピル
アルコール、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマ
ー混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好ま
しい。重合生成するポリマーによって適宜選択される。
【0054】また、圧力定着用に供せられる現像剤用の
結着樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリア
ミド樹脂、ポリエステル樹脂が上げられる。これらは単
独又は混合して用いる事が好ましい。
【0055】また、定着時の定着部材からの離型性の向
上、定着性の向上の点から次のようなワックス類を現像
剤中に含有させる事も好ましい。パラフィンワックス及
びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス、及びそ
の誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘
導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナ
バワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物
や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト
変性物を含む。
【0056】その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、
エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物
系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロ
ラクタム等も利用できる。
【0057】本発明の磁性現像剤には荷電制御剤を現像
剤粒子に配合(内添)、又は現像剤粒子と混合(外添)
して用いる事が出来好ましい。荷電制御剤によって、現
像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能と
なり、特に本発明では粒度分布と荷電量とのバランスを
更に安定したものとする事が可能である。現像剤を負荷
電性に制御するものとして、例えば、下記物質がある。
【0058】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボ
ン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシ
カルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金
属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノ
ール誘導体類等がある。また、正荷電性に制御するもの
として下記物質が例示される。
【0059】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及
びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩
及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及び
これらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、燐タング
ステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン
酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン
化物、フェロシアン化物等)高級脂肪酸の金属塩;ジブ
チルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシ
クロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサ
イド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレー
ト、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズ
ボレート類;これらを単独あるいは2種類以上組み合わ
せて用いる事ができる。
【0060】上述した荷電制御剤は微粒子状として用い
る事が好ましく、この場合これらの荷電制御剤の個数平
均粒径は4μm以下さらには3μm以下が特に好まし
い。
【0061】これらの荷電制御剤を現像剤に内添する場
合は結着樹脂100質量部に対して0.1ないし20質
量部、特に0.2ないし10質量部使用する事が好まし
い。
【0062】また、本発明の現像剤に更に添加出来る着
色材料としては、従来公知のカーボンブラック、銅−フ
タロシアニン等が使用できる。
【0063】また本発明の磁性現像剤は、環境安定性、
帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上の為、磁性ト
ナー粒子と共に有機処理せしめた無機微粉体をヘンシェ
ルミキサー等の混合器により攪拌、混合する事により本
発明の特徴とする磁性現像剤が得られる。
【0064】本発明に用いられる無機微粉体としては、
ケイ酸微粉体、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機
微粉体が好ましく、特にケイ酸微粉体が特に好ましい。
例えば、かかるケイ酸微粉体は硅素ハロゲン化物の蒸気
相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームド
シリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造
されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、
表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少な
く、またNa2O、SO3 2-等の製造残滓の少ない乾式シ
リカの方が好ましい。
【0065】また乾式シリカに於ては、製造工程におい
て例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン、等他の金属
ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いる事に
よって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得る事
も可能でありそれらも包含する。
【0066】本発明では、有機処理された無機微粉体を
用いることを特徴とする。このような有機処理方法とし
ては、前記無機微粉体と反応あるいは物理吸着するシラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属
化合物で処理する方法、もしくはシランカップリング剤
で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理す
ると同時にシリコーンオイルの如き有機硅素化合物で処
理する方法が挙げられる。
【0067】有機処理に使用されるシランカップリング
剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチ
ルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキ
シシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロル
シラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニル
ジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロ
ムメチルジメチルクロルシラン、αークロルエチルトリ
クロルシラン、βークロルエチルトリクロルシラン、ク
ロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリル
メルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオ
ルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1.3ージビニルテトラメチルジシロキ
サン、1.3ージフェニルテトラメチルジシロキサン及
び1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末
端に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合し
た水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げら
れる。
【0068】また、窒素原子を有するアミノプロピルト
リメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルア
ミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルト
リメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキ
シシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、
ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチル
アミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリ
ル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル
−γ−プロピルベンジルアミン等のシランカップリング
剤も単独あるいは併用して使用される。好ましいシラン
カップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(H
MDS)が挙げられる。
【0069】また、有機硅素化合物としては、シリコー
ンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとし
ては、25℃に於ける粘度が50〜100センチストー
クスの物が用いられ、例えばジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル、αーメチルスチ
レン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーン
オイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好まし
い。
【0070】シリコーンオイル処理の方法としては、例
えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体と
シリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を
用いて直接混合してもよいし、ベースとなるシリカ微粉
体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。
あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは
分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去
する方法でもよい。
【0071】本発明に用いられる有機処理された無機微
粉体はBET法で測定した窒素吸着による比表面積が3
0m2/g以上特に50〜400m2/gの範囲のものが
良好な結果を与え、また本発明に用いられる疎水化処理
された無機微粉体は磁性トナー粒子100質量部に対し
て0.01〜8質量部使用されるのが良く、好ましくは
0.1〜5質量部、特に好ましくは0.2〜3質量部が
良い。0.01質量部未満では、磁性トナー凝集を改善
する効果が乏しくなり、8質量部を越える場合では、細
線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や磨耗
等の問題が生じやすい傾向である。
【0072】本発明の磁性現像剤には、実質的な悪影響
を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉
末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末
の如き滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化硅素
粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、ある
いは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末など
の流動性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例えばカ
ーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の
導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子、及び無機微
粒子を現像性向上剤として少量用いる事もできる。
【0073】本発明に於ける磁性現像剤の帯電量の絶対
値は、5〜40mC/kgの範囲であることが好まし
い。磁性現像剤の帯電量の絶対値が5mC/kg未満の
場合では、現像性が不充分であり、また磁性現像剤の帯
電量の絶対値が40mC/kgを超える場合では、現像
剤粒子の静電的凝集力および静電潜像坦持体表面への静
電的付着力が大きくなり、クリーニング不良あるいは現
像剤融着も発生しやすい傾向であった。
【0074】本発明における磁性トナー粒子を有する磁
性現像剤の帯電量の測定法を図3を参照して以下に示
す。
【0075】23℃、相対湿度60%環境下、キャリア
としてEFV200/300(パウダーテック社製)を
用い、キャリア9.5gに磁性現像剤0.5gを加えた
混合物を50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に
入れ50回手で震盪する。次いで、底に500メッシュ
のスクリーン3のある金属製の測定容器2に前記混合物
1.0〜1.2gを入れ、金属製のフタ4をする。この
時の測定容器2全体の質量を秤りW1gとする。次に吸
引機(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)に
於て、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調節して真空
計5の圧力を2451hPa(250mmAq)とす
る。この状態で一分間吸引を行ない現像剤を吸引除去す
る。この時の電位計9の電位をV(ボルト)とする。こ
こで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。
また吸引後の測定機全体の質量を秤りW(g)とする。
この現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)は、下式の如く
計算される。
【0076】 摩擦帯電量(mC/kg)=CV/W1−W2
【0077】本発明に係る磁性現像剤を作成するには、
公知の方法が用いられるが、例えば、結着樹脂、ワック
ス、金属塩ないしは金属錯体、着色剤としての顔料、又
は染料、磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添
加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器に
より充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクスト
ルーダーの如き熱混練機を用いて熔融混練して樹脂類を
お互いに相熔せしめた中に金属化合物、顔料、染料、磁
性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕分級を行
い、磁性トナー粒子を得、次いで、必要に応じて有機処
理された無機微粉体の如き添加物を混合分散して本発明
に係るところの磁性現像剤を得る事が出来る。
【0078】本発明における磁性トナー粒子を有する磁
性現像剤の重量平均粒径(D4)は種々の方法で測定可
能であるが、本発明にお いてはコールターマルチサイ
ザーII型(コールター社製)を用いて行なった。
【0079】電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%
NaCl水溶液を調整する。例えばISOTONーII
(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使
用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更
に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解
液は超音波分散器で約1〜3分分散処理を行ない前記測
定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャ
ーを用いて、現像剤の体積、個数を測定して体積分布と
個数分布とを算出した。それから、本発明に係るところ
の体積分布から求めた質量基準の重量平均粒径(D4:
各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)
を求めた。
【0080】本発明において、磁性トナー粒子を有する
磁性現像剤の磁気特性は、VSMP−1−10(東英工
業社製)を用いて、室温にて外部磁場79.58kA/
m(1kOe)で測定した結果より求めた。
【0081】本発明において、磁性トナー粒子を有する
磁性現像剤の比表面積はBET法に従って、比表面積測
定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用い
て試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用い
て比表面積を算出した。
【0082】また、本発明において、磁性体に含有され
る鉄以外の3価の金属の含有量は下記の方法によって測
定される。
【0083】ビーカーに磁性体0.2gを採取し、12
規定塩酸水溶液15mlを加え、加熱し攪拌しながらす
べてが溶解して透明になるまで反応を続ける。得られた
液に水を加えて100mlとし、このサンプル液を用い
てプラズマ発光分光(ICP)によって、鉄以外の3価
の金属元素の溶解量を測定する。磁性体質量に対する鉄
以外の3価の金属元素の存在率は、鉄以外の3価の金属
元素の標準液を同様にして測定した検量線を用いて計算
する。
【0084】また、磁性体の結晶格子中の鉄以外の3価
の金属元素の含有量を求めるには、pH10程度の水酸
化ナトリウム水溶液中で磁性体表面の付着物等を洗浄・
除去した後に、上記のようにプラズマ発光分光によって
鉄以外の3価の金属元素の含有量を測定すればよい。
【0085】なお、磁性現像剤に含有されている磁性体
を分析する場合には、磁性現像剤の樹脂成分を溶解する
キシレンのごとき有機溶剤と現像剤とを混合し、磁性現
像剤の樹脂成分を溶解した溶液を孔径0.1μmのメン
ブランフィルターで濾過し、フィルター上に残留する磁
性体を採取する。採取された磁性体を600℃の雰囲気
中で処理して有機成分を除去した後、得られた磁性体を
上述の方法で分析する事により、鉄以外の3価の金属元
素の存在率が測定される。
【0086】また、本発明において、磁性現像剤の黒色
度は下記の方法によって測定される。
【0087】磁性現像剤に磁性現像剤の樹脂成分を溶解
するキシレンのごとき有機溶剤を加えて、有機溶剤80
質量部に対して磁性現像剤の樹脂成分が20質量部とな
るように磁性現像剤を溶解した溶液を調整する。この磁
性現像剤の樹脂成分を溶解した溶液をバーコーターにて
PET製OHP上に膜厚が10μm程度となるように素
早くコーティングし、これを測定用試料片とする。OH
P試料片裏側に充分な枚数の白紙をおき、試料片上の塗
膜を高速カラーアナライザーCA−35(村上色彩研究
所製)を用いて測色し、HunterのLab空間によ
りL*値、a*値、b*値をそれぞれ測色し、国際照明委
員会(Commission Internation
ale de l’Eclairage,CIE)19
76(L*,a*,b*)均等知覚色空間に従って表示す
る。
【0088】本発明の磁性現像剤を担持する現像剤坦持
体は、導電性微粒子を含有する樹脂層で被覆されている
事が好ましい。
【0089】また、本発明に使用される現像剤坦持体の
表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜
3.5μmの範囲にある事が好ましい。
【0090】Raが0.2μm未満では現像剤担持体上
の帯電量が高くなり、現像性が不充分となる。Raが
3.5μmを超えると、現像剤担持体上の現像剤コート
層にむらが生じ、画像上で濃度むらとなる。
【0091】現像剤担持体表面を被覆する樹脂層に含有
される導電性微粒子としては、カーボンブラック、グラ
ファイト、導電性酸化亜鉛等の導電性金属酸化物及び金
属複酸化物、などが単独もしくは2つ以上好ましく用い
られる。また、該導電性微粒子が分散される樹脂として
は、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂など公知の樹脂が
用いられる。
【0092】特に熱硬化性もしくは、光硬化性の樹脂が
好ましい。
【0093】また本発明の磁性現像剤は、現像剤担持体
上の磁性現像剤を規制する部材が現像剤を介して現像剤
担持体に当接されている弾性部材によって規制される事
が磁性現像剤を均一帯電させる観点から特に好ましい。
【0094】
【実施例】以下、本発明を製造例及び実施例により具体
的に説明するが、これは本発明をなんら限定するもので
はない。尚、以下の配合における部数は全て質量部であ
る。
【0095】図1に於て、100は感光ドラムで、その
周囲に一次帯電ローラー、117、現像器140、転写
帯電ローラー114、クリーナ116、レジスタローラ
ー124等が設けられている。そして感光ドラム100
は一次帯電ローラー117によって−700Vに帯電さ
れる。(印加電圧は交流電圧−2.0kVpp、直流電
圧−700Vdc)そして、レーザー発生装置121に
よりレーザー光123を感光ドラム100に照射する事
によって露光される。感光ドラム100上の静電潜像は
現像器140によって一成分磁性現像剤で現像され、転
写ローラー114により転写材上へ転写される。現像剤
画像をのせた転写材は搬送ベルト125等により定着器
126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部静電
潜像坦持体上に残された現像剤はクリーニング手段11
6によりクリーニングされる。現像器140は図2に示
すように感光ドラム100に近接してアルミニウム、ス
テンレス等非磁性金属で作られた円筒状の現像剤坦持体
102(以下現像スリーブと称す)が配設され、感光ド
ラム100と現像スリーブ102との間隙は図示されな
いスリーブ/ドラム間隙保持部材等により約300μm
に維持されている。また現像器内には攪拌部材141が
配設され、現像スリーブ内にはマグネットローラー10
4が現像スリーブ102と同心的に固定、配設されてい
る。但し現像スリーブ102は回転可能である。マグネ
ットローラー104には図示の如く複数の磁極が具備さ
れており、S1は現像、N1は現像剤コート量規制、S
2は現像剤の取り込み/搬送、N2は現像剤の吹き出し
防止に影響している。現像スリーブ102に付着して搬
送される磁性現像剤量を規制する部材として、弾性ブレ
ード103が配設され弾性ブレード103の現像スリー
ブ102に対する当接圧により現像領域に搬送される現
像剤量が制御される。現像領域では、感光ドラム100
と現像スリーブ102との間に直流及び交流の現像バイ
アスが印加され、現像スリーブ上現像剤は静電潜像に応
じて感光ドラム100上に飛翔し可視像となる。
【0096】本発明に用いられる鉄以外の3価の金属を
2重量%〜15重量%含有し79.58kA/m(1k
Oe)の磁場における飽和磁化σsが20〜50Am2
/kg(emu/g)である疎水化処理された磁性体の
製造例を以下に示す。
【0097】〔磁性体製造例1〕4リットルの3つ口フ
ラスコ中で水酸化ナトリウム水溶液に0.35mol/
lの硫酸アルミニウム水溶液1リットルを混合し、これ
に0.8mol/lの硫酸第一鉄水溶液1リットルを加
え、pHを10〜12に保ちつつ酸素含有ガスを吹き込
みながら約80℃で酸化した。次いで反応液のpHを6
〜8に調整した後に、磁性粒子を濾過、水洗、乾燥、解
砕して被疎水化処理磁性粉を得た。
【0098】次いで、磁性粉100質量部に対し、ジメ
チルシリコーンオイル(1000cSt)1部をシンプ
ソンミックスマーラー(MPVU−2松本鋳造社製)に
投入し、室温にて30分間作動させた後、さらにハンマ
ーミルによりほぐし処理を加えて疎水化処理磁性体aを
得た。得られた疎水化処理磁性体aの物性値を表1に示
す。
【0099】〔磁性体製造例2〜7〕硫酸アルミニウム
及び水酸化ナトリウム水溶液の濃度を調整する事、及び
疎水化処理剤及び量を表1に示す様に変更する事以外
は、磁性体製造例1と同様にして疎水化処理磁性体b〜
gを得た。得られた疎水化処理磁性体b〜gの物性値を
表1に示す。
【0100】〔磁性体製造例8〕磁性体製造例1の被疎
水化処理磁性粉100質量部に対し、イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート1部をトルエン100質量
部に溶解した溶液を加え、3時間攪拌して疎水化処理を
行った後濾過、乾燥して磁性体hを得た。得られた磁性
体hの物性を表1に示す。
【0101】〔磁性体製造例9〜10〕磁性体製造例8
において、疎水化処理剤及び量を表1に示す様に変更す
る事以外は、磁性体製造例8と同様にして疎水化処理磁
性体i〜jを得た。得られた疎水化処理磁性体i〜jの
物性値を表1に示す。
【0102】〔磁性体比較製造例1〕4リットルの3つ
口フラスコ中で水酸化ナトリウム水溶液に0.8mol
/lの硫酸第一鉄水溶液1リットルを混合した系(pH
8〜10)に、蒸気と酸素を吹き込みながら約80℃で
酸化する。得られた黒色磁性粉を濾過、水洗、乾燥、解
砕した後、磁性体製造例1と同様に疎水化処理して磁性
体kを得た。得られた磁性体kの物性値を表1に示す。
【0103】〔磁性体比較製造例2〕4リットルの3つ
口フラスコ中で水酸化ナトリウム水溶液に0.8mol
/lの硫酸第一鉄水溶液1リットルを混合した系(pH
9〜11)に、蒸気と酸素を吹き込みながら約80℃で
酸化する。酸化が終了したところで0.04mol/l
の硫酸アルミニウム水溶液1リットルを系に加え、pH
を6〜8に調整した後に更に反応させる。得られた黒色
粉を濾過、水洗、乾燥、解砕した後、磁性体製造例1と
同様に疎水化処理して磁性体lを得た。得られた磁性体
lの物性値を表1に示す。
【0104】〔磁性体比較製造例3〕4リットルの3つ
口フラスコ中で水酸化ナトリウム水溶液に0.2mol
/lの硫酸亜鉛水溶液1リットルを混合し、これに0.
8mol/lの硫酸第一鉄水溶液1リットルを加え、反
応液のpHを6〜8に保ちつつ酸素含有ガスを吹き込み
ながら約80℃で酸化する。得られた黒色粉を濾過、水
洗、乾燥、解砕した後、磁性体製造例1と同様に疎水化
処理して亜鉛元素を約10質量%含有する磁性体mを得
た。得られた磁性体mの物性値を表1に示す。
【0105】〔磁性体比較製造例4〕磁性体製造例1に
於いて、疎水化処理を行わない事の他は磁性体製造例1
と同様にして、磁性体nを得た。得られた磁性体nの物
性値を表1に示す。
【0106】〔磁性体比較製造例5〕磁性体比較製造例
1に於いて、疎水化処理を行わない事の他は磁性体比較
製造例1と同様にして、未処理磁性体oを得た。得られ
た未処理磁性体oの物性値を表1に示す。
【0107】〔磁性体比較製造例6〕磁性体比較製造例
2に於いて、疎水化処理を行わない事の他は磁性体比較
製造例2と同様にして、未処理磁性体pを得た。得られ
た未処理磁性体pの物性値を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】(現像剤製造例1) ・磁性体a 100部 ・スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合比8:2 Mw=26万) ・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2部 ・低分子量ポリオレフィン(離型剤) 2部
【0110】上記材料をブレンダーにて混合し、140
℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却
した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェ
トミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機にて
分級して黒色微粉体を得た。得られた黒色微粉体に対し
1.2重量%の疎水性シリカ微粉体(ヘキサメチルジシ
ラザン処理BET比表面積200m2/g)を添加し、
ヘンシェルミキサーにて攪拌・混合した後150メッシ
ュの篩で粗粒を除去し磁性現像剤Aを得た。得られた磁
性現像剤Aの重量平均粒径は6.7μmであった。
【0111】また、この磁性現像剤の黒色度を測定した
ところ、L*=20.68、a*=0.02、b*=−
2.11となり、良好な黒色性を示した。
【0112】上記磁性現像剤Aの物性を表2に示す。
【0113】(現像剤製造例2) ・磁性体製造例1の磁性体b 150部 ・スチレンー2エチルヘキシルアクリレート− マレイン酸nーブチルハーフエステル共重合体 100部 (共重合比7:2:1、Mw=22万) ・負荷電制御剤(モノアゾ染料系クロム錯体) 0.8部 ・エチレン−プロピレン共重合体(Mw=6000) 4部
【0114】上記成分を、製造例1と同様にして黒色微
粉体を得た。この黒色微粉体重100質量部に対して
2.0質量%の疎水性シリカ微粉体(製造例1と同じも
の)を加え、製造例1と同様にして磁性現像剤Bを得
た。この現像剤の重量平均粒径は5.2μmであった。
また、この磁性現像剤Bの黒色度を測定したところ、L
*=20.04、a*=0.13、b*=−0.58とな
り、良好な黒色性を示した。
【0115】上記磁性現像剤Bの物性を表2に示す。
【0116】(現像剤製造例3)磁性体として磁性体製
造例3で得られた磁性体cを60重量部とし、疎水性シ
リカ添加量を0.6質量%とする事以外は現像剤製造例
1と同様にして、重量平均粒径は9.9μmの磁性現像
剤Cを得た。得られた現像剤Cの物性を表2に示す。
【0117】(現像剤製造例4) ・磁性体d 120部 ・ポリエステル樹脂 100部 ・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2部 ・低分子量ポリオレフィン(離型剤) 2部
【0118】現像剤製造例1に於いて、疎水性シリカ
1.2重量%を疎水性酸化チタン微粉体(イソブチルシ
ラン処理BET比表面積50m2/g)0.9質量%と
し、上記材料を用いる以外は現像剤製造例1と同様にし
て重量平均粒径は6.0μmの磁性現像剤Dを得た。得
られた磁性現像剤Dの物性を表2に示す。
【0119】(現像剤製造例5)磁性体として磁性体製
造例5で得られた磁性体eを140質量部とし、疎水性
シリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理BET比表
面積380m2/g)を1.5質量%とする事以外は現
像剤製造例1と同様にして重量平均粒径は8.6μmの
磁性現像剤Eを得た。得られた磁性現像剤Eの物性を表
2に示す。
【0120】(現像剤製造例6)磁性体として磁性体製
造例6で得られた磁性体fを120質量部とし、疎水性
シリカ添加量を1.8質量%とする事以外は現像剤製造
例1と同様にして重量平均粒径は4.8μmの磁性現像
剤Fを得た。得られた磁性現像剤Fの物性を表2に示
す。
【0121】(現像剤製造例7)磁性体として磁性体製
造例7で得られた磁性体gを100質量部とし、疎水性
シリカ添加量を1.4質量%とする事以外は現像剤製造
例1と同様にして重量平均粒径は6.5μmの磁性現像
剤Gを得た。得られた磁性現像剤Gの物性を表2に示
す。
【0122】(現像剤製造例8〜10)磁性体として磁
性体製造例8〜10で得られた磁性体h〜jを100質
量部とし、疎水性シリカ添加量を1.4質量%とする事
以外は現像剤製造例1と同様にして重量平均粒径は6.
5μmの磁性現像剤H〜Jを得た。得られた磁性現像剤
H〜Jの物性を表2に示す。
【0123】(現像剤比較製造例1)磁性体として磁性
体比較製造例1で得られた磁性体kを100質量部用い
る以外は現像剤製造例1と同様にして質量平均粒径は
6.7μmの磁性現像剤Kを得た。得られた磁性現像剤
Kの物性を表2に示す。
【0124】(現像剤比較製造例2)磁性体として磁性
体比較製造例2で得られた磁性体lを100質量部用い
る以外は現像剤製造例1と同様にして重量平均粒径は
6.7μmの磁性現像剤Lを得た。得られた磁性現像剤
Lの物性を表2に示す。
【0125】(現像剤比較製造例3)磁性体として磁性
体比較製造例3で得られた磁性体mを100質量部用い
る以外は現像剤製造例1と同様にして重量平均粒径は
6.7μmの磁性現像剤Mを得た。また、この磁性現像
剤Mの黒色度を測定したところ、L*=20.96、a*
=0.87、b*=−0.48となり、赤味を有する黒
色を示した。得られた磁性現像剤Mの物性を表2に示
す。
【0126】(現像剤比較製造例4〜6)磁性体として
磁性体比較製造例4〜6で得られた磁性体n〜pを10
0質量部用いる以外は現像剤製造例1と同様にして重量
平均粒径は6.7μmの磁性現像剤N〜Pを得た。得ら
れた磁性現像剤N〜Pの物性を表2に示す。
【0127】
【表2】
【0128】(実施例1)一次帯電ローラーとしてナイ
ロン樹脂で被覆された導電性カーボンを分散したゴムロ
ーラー(直径12mm、当接圧50g/cm)を使用
し、静電潜像坦持体として直径30mmのOPCドラム
を用いレーザー露光により暗部電位VD=−700V、
明部電位VL=−150Vとした。現像剤担持体として
下記の構成の層厚約7μm、JIS中心線平均粗さ(R
a)2.0μmの樹脂層を、表面が鏡面である直径16
φのステンレス円筒上に形成した現像スリーブを作成し
た。 ・フェノール樹脂 100質量部 ・グラファイト(粒径約7μm) 90質量部 ・カーボンブラック 10質量部
【0129】次いで、感光ドラムと現像スリーブとの間
隙を300μmとし現像磁極850ガウス、現像剤規制
部材として厚み1.0mm、自由長10mmのウレタン
ゴム製ブレードを15g/cmの線圧で当接させた。現
像バイアスとして直流バイアス成分Vdc=−450
V、重畳する交流バイアス成分Vp−p=1400V、
f=2000Hzを用いた。
【0130】感光体クリーニングブレードとして厚み
2.0mm、自由長8mmのウレタンゴム製ブレードを
25g/cmの線圧で当接させた。
【0131】現像剤として現像剤製造例1の磁性現像剤
Aを使用し、30℃、85%RH環境下で24時間及び
10日間放置後画出しを行なった。その結果、表3に示
すように充分な画像濃度かつ高解像力の良好な画像が得
られた。また80μmの1ドット潜像の解像性も充分良
好なレベルであった。
【0132】また、23℃、相対湿度60%環境下にて
印字比率4%にて連続500枚(A4サイズ)プリント
をおこない現像剤消費量を算出したところ0.042g
/枚であった。
【0133】(実施例2〜10)実施例1に於いて、現
像剤として現像剤製造例2〜10の現像剤B〜Jを使用
する事の他は、実施例1と同様にして画出しを行った。
その結果、表3に示す様な良好な結果が得られた。
【0134】(実施例11)実施例1に於て、現像スリ
ーブのJIS中心線平均粗さ(Ra)0.8μmとする
ことの他は、実施例1と同様に行なったところ、表3に
示す様な良好な結果が得られた。
【0135】(比較例1及び2)現像剤として現像剤比
較製造例1,2の現像剤K及びLを使用し、実施例1と
同様の装置・条件で画出しを行った。その結果、表3に
示すように磁性現像剤K、L共に、画像上に尾引きがや
や目立つものであった。また80μmの1ドット潜像の
解像性もやや劣るものであった。
【0136】(比較例3)現像剤として現像剤比較製造
例4の現像剤Mを使用し、実施例1と同様の装置・条件
で画出しを行った。その結果、赤味の目立つ画像で先鋭
さに欠ける画像であった。
【0137】(比較例4)現像剤として現像剤比較製造
例4の現像剤Nを使用し、実施例1と同様の装置・条件
で画出しを行った。その結果、表3に示すように24時
間放置後は良好な画像が得られたが10日間放置後では
画像濃度が低下し不鮮明な画像であった。
【0138】(比較例5)現像剤として現像剤比較製造
例5の現像剤Oを使用し、実施例1と同様の装置・条件
で画出しを行った。その結果、表3に示すように24時
間放置後は良好な画像濃度が得られたが10日間放置後
では画像濃度が低下し不鮮明な画像であった。
【0139】(比較例6)現像剤として現像剤比較製造
例6の現像剤Pを使用し、実施例1と同様の装置・条件
で画出しを行った。その結果、表3に示すように24時
間放置後は良好な画像が得られたが10日間放置後では
画像濃度が低下し不鮮明な画像であった。
【0140】
【表3】
【0141】
【発明の効果】本発明の磁性現像剤及び該磁性現像剤を
用いた画像形成方法は、少なくとも結着樹脂及び磁性体
を含有する磁性トナー粒子を有する磁性現像剤に於て、
該磁性体は、鉄以外の3価の金属を2重量%乃至20重
量%含有し、79.58kA/m(1kOe)の磁場に
おける飽和磁化σsが20乃至50Am2/kg(em
u/g)であり、かつ該磁性体は、疎水基を有する有機
化合物によって疎水化処理されていることにより、現像
剤消費量が改善された、高温多湿環境下に於いても良好
な保存性を有し、かつ充分な画像濃度を維持し、カブ
リ、尾引きが無く、良好な黒色度を有する高解像、高精
細再現性の画像を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる画像形成装置の一例の説明
図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明の摩擦帯電量測定方法の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−281778(JP,A) 特開 平2−146059(JP,A) 特開 平4−190242(JP,A) 特開 平5−313405(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/083

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有す
    る磁性トナー粒子を有する磁性現像剤において、 該磁性体は、鉄以外の3価の金属を2質量%乃至20質
    量%含有し、かつ79.58kA/m(1kOe)の磁
    場における飽和磁化σsが20乃至50Am2/kg
    (emu/g)であり、かつ該磁性体は、疎水基を有す
    る有機化合物によって疎水化処理されていることを特徴
    とする磁性現像剤。
  2. 【請求項2】 該磁性現像剤は、該磁性トナー粒子及び
    有機処理された無機微粉体を有していることを特徴とす
    る請求項1記載の磁性現像剤。
  3. 【請求項3】 該磁性体は、FeO含有量が磁性体の質
    量を基準として18質量%以上であることを特徴とする
    請求項1及び2記載の磁性現像剤。
  4. 【請求項4】 該磁性現像剤の色度が下記式条件 −1.0≦a*≦0.8、−3.0≦b*≦0 (式中、a*は(L***)均等知覚色空間における赤
    −緑方向の色度を示し、b*は黄−青方向の色度を示
    す。)を満たすことを特徴とする請求項1乃至3記載の
    磁性現像剤。
  5. 【請求項5】 該磁性体が含有する3価の金属がアルミ
    ニウムであることを特徴とする請求項1乃至4記載の磁
    性現像剤。
  6. 【請求項6】 該磁性体の疎水化処理は、疎水性液体
    を、攪拌作用、圧縮作用、せん断作用又はへらなで作用
    により磁性体上に坦持させたものであることを特徴とす
    る請求項1乃至5記載の磁性現像剤。
  7. 【請求項7】 該疎水性液体の25℃に於ける粘度が1
    0〜200000cStであることを特徴とする請求項
    1乃至6記載の磁性現像剤。
  8. 【請求項8】 静電潜像坦持体と現像剤坦持体とを現像
    部に於て一定の間隙を設けて配置し、磁性現像剤を現像
    剤坦持体上に前記間隙よりもうすい厚さに規制して現像
    部に搬送し、現像部に於て交番電界を印加して静電潜像
    坦持体上の潜像を現像する画像形成方法において、 前記磁性現像剤が少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有
    する磁性トナー粒子を有する磁性現像剤であって、該磁
    性体は、鉄以外の3価の金属を2質量%乃至20質量%
    含有し、かつ79.58kA/m(1kOe)の磁場に
    おける飽和磁化σsが20乃至50Am2/kg(em
    u/g)であり、かつ該磁性体は、疎水化処理されてい
    ることを特徴とする画像形成方法。
  9. 【請求項9】 該磁性現像剤は、該磁性トナー粒子及び
    有機処理された無機微粉体を有していることを特徴とす
    る請求項8記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 該磁性体は、FeO含有量が磁性体の
    質量を基準として18質量%以上であることを特徴とす
    る請求項8及び9記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 該磁性現像剤の色度が下記式条件 −1.0≦a*≦0.8、−3.0≦b*≦0 (式中、a*は(L***)均等知覚色空間における赤
    −緑方向の色度を示し、b*は黄−青方向の色度を示
    す。)を満たすことを特徴とする請求項8乃至10記載
    の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 該磁性体が含有する3価の金属がアル
    ミニウムであることを特徴とする請求項8乃至11記載
    の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 該磁性体の疎水化処理は、疎水性液体
    を、攪拌作用、圧縮作用、せん断作用又はへらなで作用
    により磁性体上に坦持させたものであることを特徴とす
    る請求項8乃至12記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 該疎水性液体の25℃に於ける粘度が
    10〜200000cStであることを特徴とする請求
    項8乃至13記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 該現像剤坦持体が導電性微粒子を含有
    する樹脂層で被覆されていることを特徴とする請求項8
    乃至14記載の画像形成方法。
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