JP3028606B2 - 非水性ポリマー試薬組成物およびその用途 - Google Patents

非水性ポリマー試薬組成物およびその用途

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【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、分析化学の分野、特に乾式化学法によって
生物学的液体中の特定成分を測定する領域に関するもの
である。
発明の背景 尿や血液のような生物学的液体中の特定成分を測定す
る際の乾式化学法の使用は重要な位置を占めている。乾
式化学法、すなわち固相法は多くの利点を有するが、と
りわけ、技術訓練をさほど受けていない人による迅速な
分析を可能にし、試薬の調製を必要とせず、試薬とサン
プルの双方を節約できる。かくして、それらは、他の用
途もあるが、患者自身による検査に最も適している。固
相化学では、試薬類が乾燥形態で、多くは含浸マトリッ
クスとして存在する。さらに、試薬類は通常一つにまと
められ、つまり個々の検査用の試薬が単一物として使用
され、廃棄される。一般的で簡便な形態は、反応領域を
支持しかつ柄部分としても役立つ担体に試薬マトリック
スが固定された試験片の形である。対象のアナライトを
含む液体サンプル(通常は血液や尿)を試験領域に接触
させると、そこに存在する試薬が直ちに活性化されて、
1つ以上の反応を生起し、通常発色させる。この色は肉
眼で標準カラーチャートと比較したり、反射率光度計の
ような機器によって一層正確に測定することができる。
乾式化学試験器具を使って実施できるアッセイの典型
的な例は、糖尿病や低血糖症の患者をモニターするのに
特に重要な血中グルコースの測定試験である。例えば、
一般的な試験片はグルコースオキシダーゼおよびペルオ
キシダーゼの酵素と、“TMB"とも呼ばれる3,3′,5,5′
−テトラメチルベンジジンのような指示薬を含んでい
る。グルコースがサンプル中に存在すると、それがグル
コースオキシダーゼの存在下で酵素と反応してグルコン
酸と過酸化水素を形成する。続いて、この過酸化物がペ
ルオキシダーゼの存在下でTMBと反応してTMBを酸化す
る。還元型TMBは無色であるが、それが酸化されると、
形成された電荷伝達複合体に応じて、青や赤や紫にな
る。かくして、発色を観察することにより、グルコース
が存在するか否か、その量はどのくらいかを調べること
ができる。この反応系はアナライト特異的である。とい
うのは、過酸化水素がサンプルに含まれない成分であ
り、グルコース特異的酵素のグルコースオキシダーゼが
その基質に作用するときだけ過酸化水素を形成するから
である。
拡散反射法によってモニターされる乾式化学分析で用
いられるタイプの試験器具には、その最も単純な形とし
て、3つの機能的なゾーンまたは層から成るものがあ
る。第1の層は支持層または担体層であり、これはアッ
セイにおいて実際的な役割を果たさない。この層は不活
性で、液体不浸透性で、一般には熱可塑性フィルムのよ
うな硬質材料から作られる。反応を観察する面次第で、
それは透明であっても不透明であってもよい。第2の反
射層は、検出可能なシグナルが形成されたとき、その読
み取りを促進するために使用されるものであり、この層
は別個に規定された層であっても、担体材料、試薬層、
またはその両方と合併されていてもよい。これは反射光
線検知機を用いる系に特に役立つ。反射層は検出シグナ
ル発生器によって吸収されない光を反射する物質を含
み、一般的には反射するコーティング、フォーム、膜、
紙または金属ホイルの形状をとる。このために有用な物
質には二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛お
よび硫酸バリウムのような顔料が含まれる。
第3の機能層は、通常試薬層と呼ばれるものである
が、検出可能なシグナルを発生させる反応性の成分を含
んでいる。アナライトを検出するために実際に観察また
は測定される層はこの層である。種々の酵素、基質、レ
セプターおよび結合パートナーがこの層に組み込まれ、
標識抗体、指示薬分子、蛍光物質、キャッピングまたは
反応停止剤なども同様に組み込まれる。
分析用のサンプルは、普通、試薬層の上から滴下する
ことによって加えられるが、その際それは試薬層の上に
配置された塗布または計量層と接触する。全血サンプル
の場合は、塗布層が血漿から高度に色のついた赤血球を
分離するのに役立つ、さもないと赤血球が反応に干渉す
るだろう。血漿は試薬マトリックスに浸透または拡散し
て、そこで反応が起こる。大部分の浸透型器具では、残
留する血液サンプルや細胞を、発色の測定のために、試
験領域の表面から拭き取るか、または洗い流す必要があ
る。これとは別に、反応領域の底から発色を測定するこ
ともできるが、もちろんこの場合は反応マトリックスの
置かれる支持体が透明材料製であるという条件付きであ
る。2番目のタイプの分析器具は、垂直方向のサンプル
流ではなく、比較的水平方向の、つまり平行のサンプル
流によって機能し、サンプルは例えば毛管作用、重力ま
たは他の力によって反応領域の上面を横切って移動す
る。サンプルが赤血球や他の細胞成分を担持する反応領
域の表面上を移動するとき、血漿が試薬層に移動し、そ
こで反応が起こって検出可能な物質を形成する。
アッセイ用試薬を含むゾーンまたは層を作るために、
2つの異なる方法が採用された。第1の方法は、アッセ
イ用試薬を含む溶液を飽和させ、その後乾燥した紙(例
えばセルロース)または合成繊維マトリックスを使用す
るものである。第2の方法では、必要なアッセイ用成分
を全て含む多孔性フィルムを注型することにより、試薬
層を作製する。使用前に分離を必要とする成分の場合に
は、試薬層が実際に複数のフィルム層から構成されるよ
うに、試薬を複数のフィルム層に付着させて、各層が必
要なアッセイ用成分の一部を含むようにすることもでき
る。一般的には、血液から細胞成分を分離または捕捉す
る膜が使用される。分析中に利用できる試薬の量は注型
用媒体中のその濃度、注型フィルムの厚さおよびサンプ
ル溶媒に対するその溶解度によりコントロールされる。
これらのフィルムの主な利点は試薬層が高度に均一で
ある点にある。試薬フィルムと反射率測光法の使用によ
り、乾式化学法の場合にも湿式化学法と同じ精度および
正確度の測定結果を達成することが可能である。これら
の試験片の場合には、試薬類の溶液または懸濁液を調製
し、この混合物を試験片に塗布し、続いて液体を蒸発さ
せることが必要である。一般的には、水溶液、または高
分子結合剤を分散させた溶液が使用される。これらの水
溶液をベースにした系はいくつかの重要な理由のために
問題をかかえている。第一に、TMBや他の指示薬を含め
て、多くの重要な物質が水に溶けない。このことによ
り、試薬の加水分解安定性や試薬の相溶性の問題を考慮
すると、多くの物質が試験片器具での使用に適さないこ
とになる。また、酵素と基質を例えば溶液中で混合する
と、それらはアナライトの塗布前に反応し合って、この
系の機能低下をもたらすだろう。すでに指摘したよう
に、水のような液相はこれらの系から除かねばならず、
全ての水分を除くためには高温で行う必要がある。一般
に、蒸発に使用されるパラメーターは55℃またはそれ以
上で最低20−30分であるが、これらの条件はほとんどの
酵素系に害を与えるのに十分である。かくして、水を排
除した技術を開発することの差し迫った必要性が存在す
る。
従来技術 Araiらの米国特許第4,786,595号(1988年11月22日
付)(以後Araiと記す)には、乾式化学器具での試薬フ
ィルム層の使用に関する技術が示されており、そしてジ
アゾニウム指示薬を高分子量ポリカルボン酸含有層に組
み込んだ場合の試験片の問題点が提起されている。Arai
によって教示された問題解決策は、ポリカルボン酸を非
イオン界面活性剤でエステル化することにより生成され
たポリカルボン酸誘導体の結合剤を使用することであ
る。好ましいポリカルボン酸はメチルビニルエーテル−
マレイン酸コポリマー(50/50)、スチレン−マレイン
酸コポリマー(50/50)、マレイン酸−ブチルアクリレ
ートコポリマー(50/50)である。非イオン界面活性剤
に対する制限は特にないが、それはもちろんヒドロキシ
ル基を含まねばならない。Araiはさらに、11欄の4行目
以後に、1種以上のポリマーを含む結合剤溶液に非拡散
性の無色のカップラー基質を溶解または分散することに
よって調製された(発色反応層の上に配置された)カッ
プラー基質層を開示している。種々の親水性結合剤が適
当と教示され、例えばゼラチン、アガロース、アルギン
酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースといった天
然ポリマーや、ポリアクリルアミド、ポリ(ビニルアル
コール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ナトリウ
ムアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)、アクリル酸コポリマー、マレイン酸コポリ
マーといった親水性合成ポリマーが挙げられている。コ
レステロール測定用の分析要素中のポリカルボン酸誘導
体結合剤と非エステル化結合剤は24欄の59行目以後に例
示されている。ペルオキシダーゼが水性発色反応層に組
み込まれ、コレステロールオキシダーゼとコレステロー
ルエステラーゼが既知の溶解技術を使って水性拡散防止
層に組み込まれる。
Koyamaらの米国特許第4,576,793号(1986年3月18日
付)(以後Koyamaと記す)には、支持体、試薬層および
多孔性塗布層からなる分析要素が開示され、ここで少な
くとも1つの層は(a)共重合可能なエチレン性不飽和
酸と(b)共重合可能なエチレン性不飽和モノマーによ
り形成されたポリマーを5重量%以上含んでいる。共重
合可能なエチレン性不飽和酸は当該ポリマーの5重量%
以上、好ましくは25%以上、最も好ましくは45%以上の
量で含まれるべきである。3層の68行目以後には、「5
重量%未満の含有量では、本発明の分析要素としての十
分な効果が何も得られない」と記載されている。当該ポ
リマーは酸として、さらに緩衝剤として作用すると教示
されている。実際、実施例にはビリルビンと尿のアッセ
イが示され、これらは両方とも高酸性反応条件を必要と
する。前記実施例は両方ともポリマー含有試薬層に色原
体物質を含むが、酵素は含まない。Koramaは10欄の26−
32行目で試薬層への酵素の組み込みを述べているが、特
定の例は示されておらず、教示されたような低いpHでは
酵素反応は一般に役に立たない。
Okaniwaらの米国特許第4,427,632号(1984年1月24日
付)(以後Okaniwaと記す)は、反応性の基を有する巨
大分子ポリマーと繊維材料を含む分散体で試薬層をコー
ティングすることにより形成された繊維質構造の疎水性
展開層の使用を開示している。液体サンプル中の成分の
存在を調べる際には、その成分が展開層を通って試薬層
の方へ浸透する。ポリマーは反応性の基(例えば、カル
ボキシル、アミノ、メトキシ、ヒドロキシ)を有するモ
ノマーと他のモノマー(例えば、スチレン、ニトリル、
架橋用モノマー)から形成される。6欄の15−65行目と
7欄の5−24行目に示されるポリマー化合物の例では、
ほとんど全てがポリスレンであることに注意されたい。
Okaniwaは、ゼラチンマトリックス中に酵素と指示薬を
含む試薬層が透明な支持体に付着され、そして90/10の
重量比のスチレンとグリシジルメタクリレートから成る
コポリマー層が試薬層の上に付着されたグルコースアッ
セイ器具を開示している。
日本特許公開第1983−209995号(Omotoら、以後Omoto
と言う)は体液検査用の試験片の製造法を開示してお
り、ここで試験ゾーンは非水性溶液中に分散混合された
酵素、指示薬、結合剤および添加剤から成るインク組成
物を使って印刷法により基体上に作製される。より詳細
には、Omotoは定性試験によって尿中のグルコースの存
在を検出するための印刷インク組成物を教示している。
当該インクはグルコースオキシダーゼとペルオキシダー
ゼの凍結乾燥酵素、o−トルイジン、界面活性剤、イソ
ブチレン/無水マレイン酸コポリマー、および多量のカ
オリン(組成物の乾燥重量の約50%)を含有する。結合
剤をn−ブタノール溶媒に溶解し、基体に印刷後インク
混合物を80℃で1時間乾燥する。このような極端な条件
に組成物をさらすと、その中に含まれる酵素が実質的な
有害作用を受けると予想される。カオリンや、シリカク
レー、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラス、
セルロースなどの他の微粒子は、ポリマー組成物が十分
には親水性でないという事実ゆえに、吸水性担体として
添加される。Omotoにより教示されたポリマーの範囲は
非常に広く、合成ポリマー、例えばポリアクリレート、
ポリフェニルアセタール、ポリメタクリレート、ポリア
クリルアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、マレイン酸と他の成分から成るポリマー、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドンなど;半合成ポリマー、例えばメチルセルロース、
エチルセルロース、プロピルセルロース、および他のセ
ルロース誘導体、並びにデンプンエーテルなど;天然ポ
リマー、例えばデンプン、カゼイン、多糖類などが含ま
れる。但し、好適なポリマーとして教示されたものは、
成分としてマレイン酸を含むマレイン酸型コポリマーで
あって、例えばイソブチレン−無水マレイン酸コポリマ
ー、スチレン−マレイン酸コポリマーなどである。従っ
て、かかる教示から、当該ポリマーおよび得られるイン
ク組成物は陰イオン反応媒体をもたらすことが示唆され
る。このような媒体は電荷を帯びた細胞成分を含む血液
サンプルを用いた場合に機能しないと思われ、また当該
混合物において有用であると教示された陽イオン界面活
性剤と一緒では確かに機能しないであろう。さらに、有
用なポリマーのこのように広い範囲からは、特定のポリ
マーによってインク混合物に付与される特性を深く考え
る必要はほとんどないことが示唆される。なぜなら、ポ
リマー結合剤は全溶液の20%(乾燥重量の約30%)を占
めるにすぎないからである。結合剤用の非水性溶媒とし
て、Omotoはアルコール、ケトン、芳香族化合物、種々
のエステル、炭化水素などを含む有機溶媒から自由に選
択できると教示している。
Pierceらの米国特許第4,258,001号(1981年3月24日
付)(以後Pierceと記す)は、高分子量の複雑な分子と
細胞を含む液体の輸送または分析のための粒状構造体を
開示している。この粒状構造体は分析下でその液体に不
浸透性、非膨潤性の有機ポリマー粒子から構成され、そ
してこれらの粒子は粒子のポリマーとは異なりかつ十分
な連続したボイドボリュームを含む密着した三次元格子
へと粒子を結合させる有機ポリマー接着剤で一緒に接合
される。アッセイ用の試薬は粒状構造体のマトリックス
中に存在し、粒子の表面に付着されるか、または粒子と
液体接触している当該要素の別のゾーンに配置される。
粒子製造に有用な多種多様なホモポリマーとコポリマー
が11欄の14行目以後に記載されている。重合可能な、ア
ミノ置換基を含まないスチレンモノマー、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、エチレン性不飽和カル
ボン酸、エチレン性不飽和ニトリル、アミン置換スチレ
ン、架橋性の基を含むモノマー、第三アミノアルキルア
クリレートまたはメタクリレートモノマー、N−複素環
式ビニルモノマー、アクリルアミドまたはメタクリルア
ミドモノマーが挙げられている。ヒドロキシ含有モノマ
ーは教示されていない。37欄の40行目から38欄の17行目
にかけて、Pierceは、被覆分析要素の製造に先立ってス
ラリー混合物を用いてグルコースオキシダーゼとペルオ
キシダーゼ酵素をビーズに固定することから成る、血中
グルコース定性要素におけるこれらのポリマービーズ構
造体の使用を教示している。
Levyらの米国特許第4,147,764号(1979年4月3日
付)(以後Levyと記す)は、粒状吸収剤を有する固体の
ヒドロゲルマトリックス、例えばその中に閉じ込められ
た活性炭を教示している。親水性ポリマー製造用の好ま
しいモノマーはヒドロキシアルキルアクリレートとヒド
ロキシアルキルメタクリレートであるが、全部または一
部がビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミドなどによって置換されてもよい。Levy
は、これらのモノマーが通常水溶性ポリマーを形成する
ので、最終生成物が水や有機溶媒に不溶となるためには
十分な架橋剤の存在が必要であると教示している。マト
リックスの製造のために上記モノマーと共に他のエチレ
ン性不飽和モノマー、例えばアクリロニトリル、アルケ
ニルアルカノエート、アルキル2−アルケノエートおよ
びアルコキシアルキル2−アルケノエートなどもコモノ
マーとして使用できる。実施に際して、生成物は固体錠
剤であり、血清サンプルと放射性標識トレーサーを含む
水性反応混合物中に落とされる。錠剤の機能はトレーサ
ーに結合した抗原を吸収することである。
Stecklerの米国特許第4,060,678号(1977年11月29日
付)は、分子構造中に塩基性基を含む陽イオンヒドロゲ
ルを教示している。これらのヒドロゲルは(a)ヒドロ
キシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、
(b)陽イオンモノマー、および(c)架橋剤の混合物
の同時重合および架橋により得られた三次元ポリマーネ
ットワークである。その他に(d)1種以上の他のモノ
マー、通常(a)、(b)および(c)と共重合可能な
アクリル系モノマーも存在しうる。これらの陽イオンヒ
ドロゲルは、酸性または陰イオン性の農薬、医薬、化粧
品、酵素、香料などの反対の電荷を有する物質と組み合
わせて(反応あるいは複合体形成による)、それらを含
む水を精製するために水性媒体から当該物質を回収し、
またはかかる物質を徐々にもしくは制御可能に放出させ
るためのヒドロゲルと当該物質との複合体または組合せ
を製造するのに有用であると教示されている。12欄の62
−64行目において、Stecklerは、「陽イオンヒドロゲル
との組合せまたは複合体を形成することが望まれる陰イ
オン物質の水性(原文通り)溶液または懸濁液中で、陽
イオンヒドロゲルを浸漬または洗浄する」ことによる、
ヒドロゲル複合体の製造に際してのこれらの物質の溶解
分散を教示している。
発明の要約 かくして、本発明の目的は、非水性コポリマー、指示
薬および少なくとも1種の酵素を含む、サンプル中のア
ナライトの測定に有用な安定した試薬フィルム組成物を
提供することにある。
他の目的は、上記の組成物を含む、アナライトの測定
に有用な分析試験器具を提供することにある。
本発明の更なる目的は、上記の組成物および器具を使
ってサンプル中のアナライトを測定する方法を提供する
ことにある。
更なる目的は、上記の組成物および器具の作製方法を
提供することにある。
本発明は、液体サンプル(例えば、血液のような生物
学的液体)中のアナライトを検出するための診断試験器
具として単独で、またはその一部として使用される、酵
素のような分析試薬を分散状態で含有する安定したコポ
リマーフィルムを包含する。アクリル系モノマーの特定
の組合せと非水性溶媒の特定の組合せを選択することに
よって、酵素のような試薬を活性低下なしに乾燥形態で
組み込むことができるポリマーフィルムが開発された。
一般に、試験片フィルムでは、酵素を溶解状態で導入し
て、その後乾燥することが必要である。しかし、このよ
うなプロセスはフィルムを乾燥させるのに高温を要し、
酵素試薬をある程度失活させる。酵素の水への溶解もい
くつかの問題を提起し、酵素の加水分解や更なる触媒低
下へ導く。一方、酵素の乾燥粉末を用いる場合は、試薬
が吸収されるのではなくフィルムに分散される。この差
異は、フィルムが非イオン性、すなわち中性電荷であり
得ることを意味している。酵素をポリマーに吸収させる
際には、荷電ポリマー(陽イオン性)と酵素の一部であ
る荷電アミノ酸(陰イオン性)との相互作用を介して行
われる。本発明に関する別の利点は、水に不溶または難
溶性の多くの指示薬を追加の手順工程なしで自由に使用
でき、さらに同一の試薬混合物中に一緒に含めたとき、
不適合、不安定または反応性であることが知られている
試薬類(例えば、酵素と指示薬)を同一の試薬層中に同
時に存在させ得るようになったことである。本発明はさ
らに、本発明フィルムの製造方法、および本発明のポリ
マーフィルムをコーティングした担体から成る分析試験
器具を包含する。
非水性フィルム組成物は少なくとも2つのモノマー: (a)一般式 〔式中、R1は水素、またはより好ましくはメチルであ
り、R2は1−5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキ
ル基である〕のヒドロキシル化アクリレートである第1
モノマー;および (b)一般式 〔式中、R1は水素、またはより好ましくはメチルであ
り、R3は1−8個の炭素原子を有する置換または非置換
アルキル基である〕の中性アクリレートである第2モノ
マー; の組合せにより形成されるコポリマーを含む。
好ましくは、一般式 〔式中、R1は水素、またはより好ましくはメチルであ
り、R4は水素、1−5個の炭素原子を有するアミノアル
キルまたはグリシジル基、もしくは10−30個の炭素原子
を有する界面活性剤ポリエチレングルコール基である〕
のアクリレートである第3モノマーも含む。
当該フィルムはさらに、その中に分散された少なくと
も1種の酵素と、場合により色原体指示薬を含む。
図面の簡単な説明 図1は、本発明のポリマー試薬フィルム組成物を組み
込んである分析試験器具の代表的な構造を示す上面図で
ある。
図2は、図1に示した具体例の平面2−2を通る断面
図である。これには試験器具を構成する担体、試薬フィ
ルム、接着剤およびカバー片が示される。
図3は、当該器具の縁を1滴の血液(例えば、指先か
ら得られるもの)と接触させることから成る、図1の器
具へのサンプル塗布方法を示す。
図4は、ポリマー12Dと広範囲のグルコース濃度(特
に171mg/dlから786mg/dl)を有するサンプルを用いて得
られた用量−反応曲線を示す。
図5は、ポリマー12DとAPACレンジング化合物を含む
フィルム組成物と、209mg/dlから788mg/dlの範囲のグル
コース濃度を有するサンプルを用いて得られた用量−反
応曲線を示す。
図6は、ポリマー12Dを含むがレンジング化合物を含
まない好適なフィルム組成物と、30mg/dlから231mg/dl
の範囲のグルコース濃度を有する血液サンプルを用いて
得られた用量−反応曲線を示す。
図7は、ポリマー12とBHTおよびPGレンジング化合物
を含む好適なフィルム組成物と、172mg/dlから557mg/dl
の範囲のグルコース濃度を有する血液サンプルを用いて
得られた用量−反応曲線を示す。
図8は、ポリマー12D、BHTおよびPGレンジング化合
物、および高パーセントの固体含量を含む好適なフィル
ム組成物と、196mg/dlから600mg/dlの範囲のグルコース
濃度を有する血液サンプルを用いて得られた用量−反応
曲線を示す。
図9は、ポリマー12D、BHTおよびPGレンジング化合
物、および高パーセントの固体含量を含む好適なフィル
ム組成物を用いて実際の全血グルコース濃度と理論上の
それとを比較して得られた一次回帰直線を示す。血液サ
ンプルのグルコース濃度は約5mg/dlと900mg/dlの範囲で
あった。
好ましい実施態様の詳細な説明 特に好ましい態様は、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(HEMA,モノマーi)、ブチルメタクリレート(BMA,
モノマーii)およびジメチルアミノエチルメタクリレー
ト(DMAEMA,モノマーiii)の混合物(それぞれ65、33お
よび2のパーセント比)から形成されたコポリマーを使
用するものである。モノマーi、iiおよびiiiはその中
に分散された1種以上の酵素の乾燥粉末、色原体指示
薬、および任意の追加成分(例えば、界面活性剤、レン
ジング化合物、染料、緩衝剤および粘度調整剤)と一緒
にする。非イオン性の透明なポリマー生成物をもたらす
溶媒と開始剤を含む特定の条件下でコポリマーを製造す
る。
モノマーは生成するポリマーフィルムに望ましい特性
を付与するように選択される。例えば、HEMAや他のヒド
ロキシ基含有アクリレート(モノマーi)を高割合で添
加すると、フィルムに高レベルの親水性が付与され、水
性サンプルと緊密に接触させることができる。さらに、
それは若干の酵素安定化作用も有する。中性のアクリル
系モノマー、例えばBMA(モノマーii)は硬性の柔軟性
のために添加され、一方アミノ含有モノマー、例えばDM
AEMA(モノマーiii)は製造されたコポリマーと酵素と
の相溶性を改善する。
HEMAの代わりにモノマーiとして使用される他の適当
なモノマーにはヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、およびヒドロキシプロピ
ルアクリレートが含まれる。前記モノマーの混合物も使
用できる。モノマーiの最適量はポリマー組成物の重量
基準で約50−70%であり、約65%が好ましいが、10−70
%の範囲であればよい。HEMAと共に不飽和ポリエステル
(エチレングリコール、他のグリコール、無水フタル
酸、無水マレイン酸に基づくもの)もヒドロキシル化ア
クリル系ポリマーの代わりに使用できよう。
BMAの代わりにモノマーiiとして使用される他の適当
なモノマーにはメチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イ
ソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、ヘ
キシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エ
トキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレー
ト、t−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレー
ト、イソボルニルメタクリレート、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルベルサテート、ビニルアセテート、
およびビニルプロピオネートが含まれる。前記モノマー
の混合物も使用できる。モノマーiiの最適量はポリマー
組成物の重量基準で約29−45%であり、約33%が好まし
いが、15−80%の範囲であればよい。
モノマーiiiに関して、DMAEMAの代わりに使用しうる
他の適当なモノマーにはt−ブチルアミノエチルメタク
リレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリ
ル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、ビニ
ルスルホン酸、2−アクリルアミドメチルプロパンスル
ホン酸、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチル
アミノエチルアクリレート、2−ビニルピリジンおよび
4−ビニルピリジンが含まれる。モノマーiiiの適量は
ポリマー組成物の重量基準で約1−5%であるが、0−
10%の範囲であればよい。
好ましい態様では、2種類の有機溶媒、すなわち極性
の1−メトキシ−2−プロパノールと無極性のキシレン
を、好ましくは等しい重量で、含有する溶媒組成物が用
いられる。その他の適当な溶媒も使用でき、メトキシプ
ロパノールの代替物としては酢酸ブチル、酢酸エチル、
エチレングリコールジアセテート、アニソール、1,4ジ
オキサン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラ
ンおよび酢酸ブチルが挙げられる。キシレンの代わりに
使用しうる溶媒としてはトルエン、VM&Pナフサ、およ
び高級脂肪族溶媒が挙げられる。
新規なコポリマーフィルム組成物が酵素を安定化させ
る特定の機構ははっきりしないが、高度にヒドロキシル
化されたポリマーコイルが酵素を包囲および圧縮して立
体的安定化をもたらすと考えられる。さらに、当該ポリ
マーの親水性は血清との緊密な接触を可能にし、グルコ
ースが存在する場合に速やかな反応を生起させる。かく
して、当該ポリマーは酵素のフラビンアデニンジヌクレ
オチド(FAD)触媒中心を保護しつつ、グルコース分子
への迅速な接近を可能にする。
実施例1 ポリマーの製造 以下の方法は好ましいポリマーの合成に用いられた一
般的なフリーラジカル重合法である。
開始剤をモノマーの混合物中に室温で溶解した。三つ
口フラスコ内で溶媒混合物を90゜±5℃に保った。この
溶媒混合物に開始剤を含むモノマー混合物を150−200g/
時の速度で滴下した。この温度を維持し、反応系を窒素
ガスでシールした。重合をモニターし、真空オーブンを
使って固体含量を測定するために定期的にサンプルを採
取した。モノマーがポリマーに完全に(100%)転化し
たとき(この場合、固体含量は40%に達する)、ポリマ
ー溶液を室温まで冷却し、使用に供した。本発明の教示
に従って製造した好ましいポリマーでは、極めて低いジ
アクリレート含量のヒドロキシエチルメタクリレートが
ポリマーの製造に用いられたので、架橋が起こらなかっ
た。
実施例2−12 以下のモノマー、重量比および開始剤を用いて、他の
好適なポリマーが上記の一般方法により製造された: 実施例2−12で用いた溶媒は等重量のキシレンと1−
M−2−Pであった。溶媒/モノマーの好ましい重量比
は60/40であった。
実施例13 酵素の分散体 コーティング素材の微細な均質分散と滑らかなフィル
ム表面を得るために、粒状成分をAttritorミル(Union
Process社,Akron,OH)で粉砕した。磨砕の間、隣接スラ
リーに対する衝撃作用(粉砕媒体のその不規則な移動に
よる一定の衝突)の剪断力(様々に回転する媒体のラン
ダムな旋回)の両方により粒径が実質的に減少した。有
機溶媒の存在下でのサンプルの汚染を最小限に抑えるた
めに、粉砕タンクにはTefzel(E.I.DuPontdeNemours社
の登録商標)をコーティングし、攪拌機のシャフトとア
ームにはプラスチックをコーティングした。酸化ジルコ
ニウムの粉砕媒体(MgOで安定化したもの)を使用し
た。
粒状成分、すなわちグルコースオキシダーゼ(GO
D)、西洋ワサビペルオキシダーゼ(POD)およびドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS)をキシレンおよび1−M−2
−Pと混合し、Attritorミルで2−4時間分散させた。
粉砕タンクのジャケト中に水道水を循環させて分散体の
温度を低温に保った。分散体の均一性と粒径を顕微鏡で
調べた。本発明の手法を用いると、約1μmの分散体が
得られた。分散の完了後、媒体を生成物から取り除い
た。酵素−SDS分散体は使用するまで4℃に維持した。
代表的な酵素−SDS分散体の組成を以下に示す。
好ましい酵素−SDS分散体の組成: グルコースオキシダーゼ 1.876g 西洋ワサビペルオキシダーゼ 4.298g ドデシル硫酸ナトリウム 11.70 g キシレン 41.06 g 1−M−2−P 41.06 g 酵素分散体の好ましい別の調製法では、粉砕媒体とし
てセラミックビーズを含む実験用ボールミルを使用し
た。また、原料から痕跡量の水分を除くために使用前に
酵素、SDSまたはマーロン(Marlon)、およびTMBを凍結
乾燥すること、さらに溶媒(キシレンと1−M−2−
P)を水分フリーに保つための予防策を講じることが望
ましいと判明した。酵素分散体は例えばボールミル、シ
ョットミル、ペイントミルまたはサンドミルを使って調
製することもできよう。
実施例14−15 フィルムの製造 結合剤(ポリマー溶液)、酵素−SDS分散体およびTMB
から成るコーティング素材をガラス容器内でTMBが完全
に溶解するまで室温で混合した。実験用ボールミルでの
混合を促進するためにいくつかの粉砕媒体を使用した。
コーティング前に追加の液状界面活性剤と他の改質剤
(以下参照)を素材に加えた。素材は100μのブレード
ギャップを有するコーティングラインに固定されたハン
ドラッケルを使ってポリカーボネート上に2m/分でコー
ティングした。コーティングを50゜±2℃の強制空気オ
ーブン内で15分間乾かした。別法として、スプレー、ス
ピンコーティングおよびインクジェット法のような他の
公知のコーティング法も本発明のフィルム組成物に使用
できるだろう。
好ましいコーティングIの組成: ポリマー12D 42.0 g TMB 3.0 g 酵素−SDS分散体 55.0 g GOD 1.03g POD 2.36g SDS 6.43g キシレン 22.55g 1−M−2−P 22.55g イゲパル(Igepal)C−530 2.50g シラン(Silane)Z6040 0.82g クルセル(Klucel) 1.15g 1/ 1−M−2−P中の2%溶液 好ましいコーティングIIの組成: ポリマー30A 44.8 g TMB 3.2 g 酵素−SDS分散体 52.0g GOD 0.97g POD 2.23g SDS 6.08g キシレン 21.32g 1−M−2−P 21.32g イゲパルC−530 2.00g シランZ6040 0.66g クルセル 0.92g 1/ 1−M−2−P中の2%溶液 ここに記載の実施例で用いた改質剤は当分野で知られ
ている目的のために選択された。ドデシル硫酸ナトリウ
ムやマーロンAS3(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム)は界面活性剤であり、TMB荷電複合体に対するそ
れらの安定化作用のために、本発明に用いるとき特に好
ましいことがわかった。イゲパルC.O−530(GAF Chemic
als社)は発色を促進しかつ毛管型器具において赤血球
の除去に役立つ非イオン界面活性剤である。シランZ604
0はフィルム表面上の赤血球の残留を低減させるエポキ
シ基をもつシラン界面活性剤であり、そしてクルセルGF
(ヒドロキシプロピルセルロース)は血清の吸収を助け
かつ色の強度を高める水溶性ポリマーである。界面活性
剤の種類および量は所望する特定の作用により決定さ
れ、以下に記載するような重力流試験を用いて実験室で
スクリーニングし、その後ここに記載するタイプの毛管
流器具と血液サンプルを用いて有望な物質をさらに試験
することができる。
実施例16 グルコースの測定 更なる評価および研究のために好ましい混合物につい
てポリマーをスクリーニングする際に、1滴のグルコー
ス水溶液を垂直フィルム面上を流れさせる簡単な重力流
試験が便利であると判明した。選択のために採用した基
準には流れる速度、色の発生速度、および発生した色の
強度と質が含まれていた。
血液サンプル中のグルコースの定量検出は、血液をフ
ィルムの表面を横切って流れさせる、つまりフィルム面
に平行な面を、それと液体接触状態で流れさせるタイプ
の分析試験器具にフィルムを組み込むことにより達成さ
れた。フィルムを担体材料上にコーティングし、続いて
フィルムの縁に血液サンプルを塗布し、例えば毛管力や
他の力によって、表面を横切って流れさせ、その後グル
コースの存在を示す色の発生についてフィルムを観察し
た。
より詳細には、図1および図2に示した試験器具を作
製するために、40mm×10mmの長方形のポリカーボネート
担体3の一端に近い領域に、好適なコーティングIを塗
布し、これにより反応パッド5を形成させた。コーティ
ングによつて覆われた領域は5mm×10mmであった。コー
ティングした反応パッドの両側に、両面接着ストリップ
4(幅6mm×長さ10mm×厚さ0.2mm)をスペーサとして、
さらに透明なプラスチックカバー6の担体として役立つ
ように張りつけ、これにより血液や他のサンプルが例え
ば毛管作用により流れることのできる流路7を形成させ
た。本発明のポリマーフィルムの試験において、無数の
グルコース測定用の無数の分析試験器具を作製するため
の特に便利な手段は、幅が40mmで長さが希望する数の試
験片を作るのに十分なシート状のポリカーボネート担体
材料に好適なコーティングを施す方法である。このよう
な材料は多くの場合ロール状に巻かれて供給される。続
いてフィルムを乾燥し、接着ストリップと透明なカバー
材料を以下に詳述するように張りつけ、そして試験の便
宜のために幅10mmの試験片にアセンブリーを切断した。
図3に示すように、試験器具の柄端部8をつかみ、当
該器具の先端部の一方の縁を1滴の血液9に触れさせ
て、反応パッド5および流路7をサンプルに接触させ
た。適当な反応時間後(通常はほんの2,3秒)、サンプ
ルを塗布した縁と反応の縁を吸収材料(例えば、紙、1
枚の綿または合成の不織材料)に接触させて、過剰の血
液と細胞を当該器具から除去した。その後、Macbeth可
視分光光度計を使って反射率を測定した。本発明の試験
器具を用いると、広範なグルコース濃度(約30−600mg/
dl)にわたって優れた分解能で血中グルコースを検出す
ることができた。色の発生は、本発明のフィルムに特徴
的な迅速な終点(エンドポイント)を示して、フィルム
上の血液滞留時間に無関係であることがわかった。
実施例17−18 より高い範囲(約240−800mg/dl)のグルコース濃度
の測定において、分解能を高めるために、ある種の酸化
防止剤(ここでは以後レンジング(ranging)化合物と
言う)をアッセイに有害な作用を及ぼすことなくポリマ
ーコーティング混合物に添加し得ることが判明し、これ
は水性ポリマーフィルムを用いる他の方法とは著しく対
照的である。新たな添加成分は1つ以上のフィルム成分
と強く相互作用することができる。このようなレンジン
グ化合物、例えば3−アミノ−9−(−アミノプロピ
ル)−カルボゾール二塩酸塩(APAC)、ブチル化ヒドロ
キシトルエン(BHT)、または没食子酸プロピル(PG)
を加えたポリマー溶液を調製した。これらの化合物は発
生する色のシグナルを部分的に消費するので、より高い
グルコースレベルでは反射率パーセントのより大きい変
化を与え、これによりサンプルを希釈しなくてもグルコ
ース測定が可能となる。ポリマー12Dを用いる場合、APA
Cは約1:20のAPAC:TMBモル比で添加することが好まし
く、ポリマー30Aの場合は、最適モル比が約1:15である
とわかった。ポリマー12Dを用いる場合は、レンジング
化合物BHTをBHT:TMBのモル比1:2.5で加えることが最も
好ましいとわかった。以下に記載する好適なコーティン
グIIIと、約200−800mg/dlの範囲のグルコースレベルを
有するサンプルを用いると、約30の反射率パーセントの
範囲が観測され、かくしてコーティングフィルムの動的
範囲が大きくなった。
より詳細に述べると、図4は171mg/dlから786mg/dlま
でのグルコース濃度の5つのサンプルに関する用量−反
応曲線を示す。用いたコーティング混合物はレンジング
化合物を含まないポリマー12Dから成っていた。660nmで
は、曲線a(171mg/dl)、曲線b(282mg/dl)、曲線c
(344mg/dl)、曲線d(507mg/dl)および曲線e(786m
g/dl)は約10の反射率(%R)の全変化を示し、従って
これらのレベルでのグルコースの正確な測定は妨げられ
る。一方、図5はポリマー12DとAPACの両方を含むコー
ティング混合物を用いた4つのグルコースレベルでの用
量−反応曲線を示す。660nmでは、曲線f(209mg/d
l)、曲線g(268mg/dl)、曲線h(450mg/dl)および
曲線i(788mg/dl)は約30単位の反射率の差、すなわち
3倍の改善を示す。
高範囲検出用の好適なコーティングIIIの組成: ポリマー12D 1.68 g 32.13% TMB 0.12 g 2.30 GOD 0.0589g 1.13 POD 0.1355g 2.59 SDS 0.276 g 5.28 溶媒 2.678 g 51.22 雲母 0.099 g 1.89 フロートン(Flowtone)4 0.148 g 2.83 APAC(14.3%) 0.033 g 0.63 高範囲検出用の好適なコーティングIVの組成: ポリマー12D 1.68 g 33.29% TMB 0.12 g 2.38 GOD 0.0589g 1.17 POD 0.1355g 2.68 マーロンAS3 0.1656g 3.28 溶媒 2.678 g 53.06 雲母 0.099 g 1.96 BHT 0.11 g 2.18 任意の粘度調整剤であるフロートン(Flowtone)4は
粘度、垂れおよび均展性のコントロール、顔料の懸濁、
色の均一性を改善すべく添加されたスルホン化ヒマシ油
である。3%と6%のレベルのフロートン4は、滑らか
な表面、良好な流動性、改善された色の均一性、それに
赤血球の低残留を示すフィルムをもたらした。
いくつかの配合物は中程度から高度の粘着性を示し、
これはコーティングした材料の巻き返しの際にフィルム
表面がポリカーボネート担体の裏面にくっつくことから
観察された。かくして、例えば好適なコーティングIII
では、粉砕した白雲母(微小雲母C−4000)を配合物の
6重量%までの量で添加し、コーティング前に十分混合
した。配合物中の2%雲母は、採用したコーティングお
よび乾燥条件下で、フィルムの粘着性を防止するのに効
果的であることがわかった。配合物の6重量%までの量
で雲母を添加してもコーティングには影響を与えず、赤
血球の残留や血液の流動性に対する有害作用も全く観察
されなかった。従って、配合物の固体含量を増加させる
ための不活性物質として雲母を使用して、コーティング
素材の混合、沈降、粒径分布および他の性質に影響を及
ぼすことができる。
実施例19−21 ポリマー12Dを用いて別の好適なコーティング組成物
を調製し、低範囲検出用(コーティングV)と高範囲検
出用(コーティングVI)にデザインされたこれらの配合
物を使って用量−反応曲線を作成した。コーティングVI
では、BHTとPGレンジング化合物の混合物を使用した。
また、コーティングVIには、非官能性染料のコールデン
イエローを化粧目的で添加した。
フィルムの流動性を改善するために、より高い固体含
量を有する好適なコーティングVIIが特別に調製され、
これは大量の試験器具を作製するのに好ましいことがわ
かった。詳しくは、コーティングVおよびVIが25.7%の
固体含量であるのに対して、コーティングVIIの固体含
量は42.3%であった。
図6は、30mg/dlから231mg/dlまでのグルコース濃度
の6つの試料に関する用量−反応曲線を示す。用いたコ
ーティング混合物はレンジング化合物を含まないポリマ
ー12Dから成っていた。660nmでは、曲線j(30mg/d
l)、曲線k(55mg/dl)、曲線l(84mg/dl)、曲線m
(127mg/dl)、曲線n(175mg/dl)および曲線o(231m
g/dl)は30以上の反射率(%R)の全変化を示し、かく
してこれらのレベルのグルコースの正確な測定が可能で
ある。
図7は、ポリマー12Dとレンジング化合物BHTおよびPG
の両方を含むコーティング混合物を用いた4つのグルコ
ースレベルでの用量−反応曲線を示す。660nmでは、曲
線p(172mg/dl)、曲線q(246mg/dl)、曲線r(450m
g/dl)および曲線s(557mg/dl)はおよそ30単位の反射
率の差を示し、この場合も試験した値の範囲にわたって
正確なグルコース測定が得られる。
図8は、ポリマー12Dとレンジング化合物BHTおよびPG
の両方を含み、かつ高固体含量となるように配合したコ
ーティング混合物を用いた4つのグルコースレベルでの
用量−反応曲線を示す。660nmでは、曲線t(196mg/d
l)、曲線u(280mg/dl)、曲線v(420mg/dl)および
曲線w(600mg/dl)はおよそ30単位の反射率の差を示
す。
低範囲検出用の好適なコーティングVの組成: ポリマー12D 1.68 g 33.29% TMB 0.12 g 2.38 GOD 0.0589g 1.17 POD 0.1355g 2.68 マーロンAS3 0.1656g 3.28 溶媒 2.678 g 53.06 雲母 0.099 g 1.96 高範囲検出用の好適なコーティングVIの組成: ポリマー12D 1.68 g 33.29% TMB 0.12 g 2.38 GOD 0.0589 g 1.17 POD 0.1355 g 2.68 マーロンAS3 0.1656 g 3.28 溶媒 2.678 g 53.06 雲母 0.099 g 1.96 BHT 12 mg PG 1.6 mg ゴールデンイエロー染料 25 mg 高範囲検出用の高固体含量の好適なコーティングVIIの
組成: ポリマー12D 1.68 g 33.29% TMB 0.12 g 2.38 GOD 0.0589 g 1.17 POD 0.1355 g 2.68 マーロンAS3 0.1656 g 3.28 溶媒 2.678 g 53.06 雲母 0.099 g 1.96 BHT 86.5 mg PG 15.6 mg 実施例22 本発明のフィルム組成物は、特殊な目的に必要とされ
る特別の条件を付与するために、例えば化学的干渉を低
減させるべくpHを調整するために、緩衝化することもで
きる。血液サンプル中の30mg/dlのレベルの尿酸は、180
mg/dl以下のグルコースレベルでは色の強度を有意に減
少させて、漂白作用をもたらすことが判明した。これよ
り高いグルコースレベルでの発色は尿酸の存在によって
影響されなかった。かくして、ポリマーフィルムの表面
pHを7.0から6以下に低下させることが望ましく、この
場合の尿酸作用は最小限に抑えられるか、または完全に
消失することが予測された。6mmol/g(コーティング素
材)の2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(ME
S)緩衝剤はフィルムpHを5.5に低下させ、最高30mg/dl
までの量で全血サンプルに加えた尿酸の干渉を完全に消
失させた。
詳細な説明および実施例は本発明を例示するものであ
って、それを限定するものではないことが理解されよ
う。当分野で習熟した者には、本発明の精神および範囲
に含まれる他の実施態様も自ずと明らかになろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウスマーニ,アーサー エム. アメリカ合衆国 46278 インディアナ 州 インディアナポリス,ノルマンディ ー ウェイ 7318 (72)発明者 バーク,アンソニー ビー. アメリカ合衆国 46218 インディアナ 州 インディアナポリス,エヌ.アーセ ナル アベニュー 3106 (72)発明者 スカーステット,マーク ティー. アメリカ合衆国 46064 インディアナ 州 ペンドルトン,ルート 1 ボック ス 165 (72)発明者 デュボワ,ジル アメリカ合衆国 46250 インディアナ 州 インディアナポリス,アイビーウッ ド サークル 7525 (56)参考文献 特開 昭62−90538(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/26,1/28 C12Q 1/00 G01N 33/52 C12N 9/96

Claims (42)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプル中のアナライトの測定に有用なタ
    イプの親水性試薬組成物であって: (a)(i) 一般式 〔式中、R1は水素またはメチルであり、そしてR2は1−
    5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である〕
    の第1モノマー、 (ii) 一般式 〔式中、R1は水素またはメチルであり、そしてR3は1−
    8個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキル基
    である〕の中性電荷を有する第2モノマー、 (iii) 有機溶媒、および (iv) モノマー類の重合を起こさせるのに十分な量の
    開始剤、を含む混合物から生成された非水性コポリマ
    ー; (b)当該試薬組成物中に均質に分散された粉末状の、
    アナライトと反応する酵素少なくとも1種;および (c)アナライトおよび酵素の存在下で検出可能なシグ
    ナルを発生するのに十分な量の指示薬; を含有する、上記の親水性試薬組成物。
  2. 【請求項2】前記コポリマー混合物が一般式 〔式中、R1は水素またはメチルであり、そしてR4は水
    素、1−5個の炭素原子を有するアミノアルキルまたは
    グリシジル基、もしくは10−30個の炭素原子を有する界
    面活性剤ポリエチレングリコール基である〕の第3モノ
    マーをさらに含み、その際第3モノマーはコポリマー組
    成物の約5重量%より少ない量で存在する、請求項1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】第1モノマーがコポリマー組成物の少なく
    とも約33重量%の量で存在する、請求項1または2記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】第1モノマーがコポリマー組成物の約50重
    量%より多い量で存在する、請求項1または2記載の組
    成物。
  5. 【請求項5】第1モノマーがヒドロキシエチルメタクリ
    レートまたはヒドロキシプロピルメタクリレートであ
    る、請求項1または2記載の組成物。
  6. 【請求項6】第2モノマーがブチルメタクリレートまた
    はメチルメタクリレートである、請求項1または2記載
    の組成物。
  7. 【請求項7】第3モノマーがジメチルアミノエチルメタ
    クリレートまたはt−ブチルアミノエチルメタクリレー
    トである、請求項2記載の組成物。
  8. 【請求項8】有機溶媒がキシレンと1−メトキシ−2−
    プロパノールの混合物から成る、請求項1または2記載
    の組成物。
  9. 【請求項9】前記コポリマーが非イオン性である、請求
    項1または2記載の組成物。
  10. 【請求項10】前記酵素がグルコースオキシダーゼまた
    はペルオキシダーゼである、請求項1または2記載の組
    成物。
  11. 【請求項11】前記指示薬が3,3′,5,5′−テトラメチ
    ルベンジジンまたはその誘導体もしくはその類似体であ
    る、請求項1または2記載の組成物。
  12. 【請求項12】3−アミノ−9−(−アミノプロピル)
    −カルボゾール二塩酸塩およびブチル化ヒドロキシトル
    エンより成る群から選ばれるレンジング化合物をさらに
    含み、当該レンジング化合物が指示薬によるシグナル発
    生を低減させるのに十分な量で存在し、これにより当該
    組成物が高レベルのアナライトの測定に有用なものとな
    る、請求項1または2記載の組成物。
  13. 【請求項13】ドデシル硫酸ナトリウムまたはドデシル
    ベンゼンスルホン酸ナトリウムから選ばれる界面活性剤
    をさらに含む、請求項1または2記載の組成物。
  14. 【請求項14】フィルムの粘着性を低下させるのに十分
    な量の粉砕した微小雲母をさらに含む、請求項1または
    2記載の組成物。
  15. 【請求項15】アナライトに対して不活性な担体とその
    上にコーティングされた親水性試薬組成物を含む、サン
    プル中のアナライトの測定に有用な器具であって、当該
    試薬組成物が: (a)(i) 一般式 〔式中、R1は水素またはメチルであり、そしてR2は1−
    5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である〕
    の第1モノマー、 (ii) 一般式 〔式中、R1は水素またはメチルであり、そしてR3は1−
    8個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキル基
    である〕の中性電荷を有する第2モノマー、 (iii) 有機溶媒、および (iv) モノマー類の重合を起こさせるのに十分な量の
    開始剤、を含む混合物から生成された非水性コポリマ
    ー; (b)当該試薬組成物中に均質に分散された粉末状の、
    アナライトと反応する酵素少なくとも1種;および (c)アナライトおよび酵素の存在下で検出可能なシグ
    ナルを発生するのに十分な量の指示薬; を含有する、上記の器具。
  16. 【請求項16】前記コポリマー混合物が一般式 〔式中、R1は水素またはメチルであり、そしてR4は水
    素、1−5個の炭素原子を有するアミノアルキルまたは
    グリシジル基、もしくは10−30個の炭素原子を有する界
    面活性剤ポリエチレングリコール基である〕の第3モノ
    マーをさらに含み、その際第3モノマーはコポリマー組
    成物の約5重量%より少ない量で存在する、請求項15記
    載の器具。
  17. 【請求項17】第1モノマーがコポリマー組成物の少な
    くとも約33重量%の量で存在する、請求項15または16記
    載の器具。
  18. 【請求項18】第1モノマーがコポリマー組成物の約50
    重量%より多い量で存在する、請求項15または16記載の
    器具。
  19. 【請求項19】第1モノマーがヒドロキシエチルメタク
    リレートまたはヒドロキシプロピルメタクリレートであ
    る、請求項15または16記載の器具。
  20. 【請求項20】第2モノマーがブチルメタクリレートま
    たはメチルメタクリレートである、請求項15または16記
    載の器具。
  21. 【請求項21】第3モノマーがジメチルアミノエチルメ
    タクリレートまたはt−ブチルアミノエチルメタクリレ
    ートである、請求項16記載の器具。
  22. 【請求項22】有機溶媒がキシレンと1−メトキシ−2
    −プロパノールの混合物から成る、請求項15または16記
    載の器具。
  23. 【請求項23】前記コポリマーが非イオン性である、請
    求項15または16記載の器具。
  24. 【請求項24】前記酵素がグルコースオキシダーゼまた
    はペルオキシダーゼである、請求項15または16記載の器
    具。
  25. 【請求項25】前記指示薬が3,3′,5,5′−テトラメチ
    ルベンジジンまたはその誘導体もしくはその類似体であ
    る、請求項15または16記載の器具。
  26. 【請求項26】前記試薬組成物が3−アミノ−9−(−
    アミノプロピル)−カルボゾール二塩酸塩およびブチル
    化ヒドロキシトルエンより成る群から選ばれるレンジン
    グ化合物をさらに含み、当該レンジング化合物が指示薬
    によるシグナル発生を低減させるのに十分な量で存在
    し、これにより当該組成物が高レベルのアナライトの測
    定に有用なものとなる、請求項15または16記載の器具。
  27. 【請求項27】前記試薬組成物がドデシル硫酸ナトリウ
    ムまたはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムから選
    ばれる界面活性剤をさらに含む、請求項15または16記載
    の器具。
  28. 【請求項28】前記試薬組成物がフィルムの粘着性を低
    下させるのに十分な量の粉砕した微小雲母をさらに含
    む、請求項15または16記載の器具。
  29. 【請求項29】サンプルを親水性試薬組成物と接触させ
    て反応混合物を形成させ、そして検出可能なシグナルの
    発生について当該反応混合物を観察することから成る、
    サンプル中のアナライトの測定方法であって、当該試薬
    組成物が: (a)(i) 一般式 〔式中、R1は水素またはメチルであり、そしてR2は1−
    5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基である〕
    の第1モノマー、 (ii) 一般式 〔式中、R1は水素またはメチルであり、そしてR3は1−
    8個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキル基
    である〕の中性電荷を有する第2モノマー、 (iii) 有機溶媒、および (iv) モノマー類の重合を起こさせるのに十分な量の
    開始剤、を含む混合物から生成された非水性コポリマ
    ー; (b)当該試薬組成物中に均質に分散された粉末状の、
    アナライトと反応する酵素少なくとも1種;および (c)アナライトおよび酵素の存在下で検出可能なシグ
    ナルを発生するのに十分な量の指示薬; を含有する、上記の方法。
  30. 【請求項30】前記コポリマー混合物が一般式 〔式中、R1は水素またはメチルであり、そしてR4は水
    素、1−5個の炭素原子を有するアミノアルキルまたは
    グリシジル基、もしくは10−30個の炭素原子を有する界
    面活性剤ポリエチレングリコール基である〕の第3モノ
    マーをさらに含み、その際第3モノマーはコポリマー組
    成物の約5重量%より少ない量で存在する、請求項29記
    載の方法。
  31. 【請求項31】第1モノマーがコポリマー組成物の少な
    くとも約33重量%の量で存在する、請求項29または30記
    載の方法。
  32. 【請求項32】第1モノマーがコポリマー組成物の約50
    重量%より多い量で存在する、請求項29または30記載の
    方法。
  33. 【請求項33】第1モノマーがヒドロキシエチルメタク
    リレートまたはヒドロキシプロピルメタクリレートであ
    る、請求項29または30記載の方法。
  34. 【請求項34】第2モノマーがブチルメタクリレートま
    たはメチルメタクリレートである、請求項29または30記
    載の方法。
  35. 【請求項35】第3モノマーがジメチルアミノエチルメ
    タクリレートまたはt−ブチルアミノエチルメタクリレ
    ートである、請求項30記載の方法。
  36. 【請求項36】有機溶媒がキシレンと1−メトキシ−2
    −プロパノールの混合物から成る、請求項29または30記
    載の方法。
  37. 【請求項37】前記コポリマーが非イオン性である、請
    求項29または30記載の方法。
  38. 【請求項38】前記酵素がグルコースオキシダーゼまた
    はペルオキシダーゼである、請求項29または30記載の方
    法。
  39. 【請求項39】前記指示薬が3,3′,5,5′−テトラメチ
    ルベンジジンまたはその誘導体もしくはその類似体であ
    る、請求項29または30記載の方法。
  40. 【請求項40】前記試薬組成物が3−アミノ−9−(−
    アミノプロピル)−カルボゾール二塩酸塩およびブチル
    化ヒドロキシトルエンより成る群から選ばれるレンジン
    グ化合物をさらに含み、当該レンジング化合物が指示薬
    によるシグナル発生を低減させるのに十分な量で存在
    し、これにより当該組成物が高レベルのアナライトの測
    定に有用なものとなる、請求項29または30記載の方法。
  41. 【請求項41】前記試薬組成物がドデシル硫酸ナトリウ
    ムまたはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムから選
    ばれる界面活性剤をさらに含む、請求項29または30記載
    の方法。
  42. 【請求項42】前記試薬組成物がフィルムの粘着性を低
    下させるのに十分な量の粉砕した微小雲母をさらに含
    む、請求項29または30記載の方法。
JP4-503774A 1991-01-03 1991-12-27 非水性ポリマー試薬組成物およびその用途 Expired - Lifetime JP3028606B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102287826B (zh) * 2011-07-15 2013-09-11 安徽科达洁能股份有限公司 燃烧喷嘴和煤气化炉

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