JP3028448B2 - 制御システム - Google Patents

制御システム

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JP3028448B2
JP3028448B2 JP5129936A JP12993693A JP3028448B2 JP 3028448 B2 JP3028448 B2 JP 3028448B2 JP 5129936 A JP5129936 A JP 5129936A JP 12993693 A JP12993693 A JP 12993693A JP 3028448 B2 JP3028448 B2 JP 3028448B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィードバック制御を
行う制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば半導体デバイス製造におけるフ
ォトリソグラフィー工程やCVD工程等では、被処理体
である半導体ウエハを所定の温度に制御しながらプロセ
スを行うようにしている。一般に、この種の温度制御に
はフィードバック制御が用いられている。
【0003】従来、ウエハ温度制御用の代表的なフィー
ドバック制御法は、PIDコントローラであった。PI
Dコントローラは、比例動作(P)、積分動作(I)、
微分動作(D)を組み合わせたもので、ウエハ温度検出
値とウエハ温度設定値との差(偏差)eから操作量uを
次式から求める。 u=KP ・e+KI ∫e・dt+KD ・de/dt ……(1) ここで、係数KP 、KI 、KD はそれぞれ比例動作、積
分動作、微分動作の感度を表し、各制御系の特性に応じ
て設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】PIDコントローラで
は、上式(1)より求めた操作量uに基づいて、偏差e
を零にするように、つまり制御量を目標値に一致させる
ように、ウエハ加熱機構に対するエネルギ供給量を調整
する。
【0005】ところが、ウエハ温度制御の場合、ウエハ
温度検出値と実際に制御すべきウエハ温度とに時間的・
場所的な偏差がある。つまり、プロセス中のウエハの温
度を検出する場合、ウエハの処理面(表面)に熱電対等
の温度センサを取付するわけにはいかないので、ウエハ
裏面側の周縁部に温度センサを取付してウエハ温度検出
を行う。このため、温度センサより得られるウエハ温度
検出値は、ウエハ裏面側の周縁部の温度を表し、ウエハ
の処理面(表面)の温度を表すものではない。しかる
に、PIDコントローラの制御法は、そのようなウエハ
温度検出値だけをフィードバックしてそれを設定値に一
致させるような制御であるから、ウエハの処理面(表
面)の温度を目標値に一致させるのが難しかった。
【0006】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、制御量と検出値との間に偏差がある場合でも、
制御量を正確に目標値に一致させることができ、さらに
はシステムの立ち上がり時にも安定した制御動作を保証
するようにした制御システムを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の制御システムは、制御対象に与えられる制
御入力と前記制御対象の出力とに基づいて前記制御対象
の内乱および/または外乱を反映する状態量を推定する
第1のオブザーバと、前記制御入力のみに基づいて前記
制御対象の伝達関数によって規定される状態量を推定す
る第2のオブザーバと、前記第1のオブザーバまたは前
記第2のオブザーバを条件的に選択するオブザーバ切換
手段と、前記オブザーバ切換手段によって選択された前
記第1または第2のオブザーバからの推定状態量を前記
制御対象の入力側にフィードバックして前記制御入力を
調整するレギュレータ手段とを具備する構成とした。
【0008】また、安定な立ち上げを行うために、前記
オブザーバ切換手段は、システムの立ち上げ時は前記第
2のオブザーバを選択し、所定の時間遅れで前記第2の
オブザーバから前記第1のオブザーバに切り換える構成
とした。
【0009】
【作用】制御対象が制御入力に応じて動作する時、第1
のオブザーバは、制御入力と制御対象の出力とに基づい
て制御対象内の内乱や外乱等を反映した実際の状態を示
す状態量を推定する。一方、第2のオブザーバは、制御
入力のみに基づいて内乱や外乱等を考慮することなく制
御対象の本来の状態を示す状態量を推定する。
【0010】切換部は、条件的に第1のオブザーバまた
は第2のオブザーバを選択し、それぞれの状態量を選択
的にレギュレータ手段に与える。たとえば、システムの
立ち上げ開始直後は第2のオブザーバを選択し、所定の
時間遅れで次第に第1のオブザーバに移行させる。レギ
ュレータ手段は、切換部から送られてきた状態量または
その状態量に対応したフィードバック量と目標値との偏
差を生成し、その偏差を零にするように制御入力を調整
する。
【0011】このように、オブザーバで推定したベクト
ル的な状態量をフィードバックすることで、観測可能な
制御対象の出力が観測不可の制御量と異なるものであっ
ても制御量を正確に目標値に一致させることが可能であ
る。また、第1のオブザーバの推定値が安定するまでの
間は第2のオブザーバの推定値を暫定的に用いること
で、システム立ち上げ直後の過渡期間でも高精度なフィ
ードバック制御を行い、制御量を安定・高速に立ち上げ
ることができる。
【0012】
【実施例】以下、添付図を参照して本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例による制御システムの
構成を示すブロック図である。この制御システムにおい
て、制御対象100を制御するコントローラ10は、マ
イクロコンピュータによってソフトウェハ的に実現され
るものでよく、機能的には仮想部または制御対称モデル
30と切換部40とサーボ部60とを有する。
【0013】制御対称100は、サーボ部60からの制
御入力信号を受け、出力信号を発生する。サーボ部60
からの制御入力信号は制御対称モデル30にも入力され
る。この制御対称モデル30は、制御入力信号から制御
対称100の出力信号を推定し、推定出力信号を発生す
る。制御対称100の出力信号および制御対称モデル3
0の推定出力信号は切換部40に入力される。切換部4
0は、入力信号(制御対称100の出力信号)を徐々に
立ち上げる入出力特性を有する遅延処理部41と、入力
信号(制御対称モデル30の推定出力信号)を徐々に立
ち下げる入出力特性を有する遅延処理部46とを有す
る。これにより、初期の段階では、制御対称100から
の出力信号が遅延処理部41により抑制(ミュート)さ
れる一方、制御対称モデル30からの推定出力信号が遅
延処理部46を素通りして加算器52に入力される。し
たがって、装置の立ち上がり時には、制御対称モデル3
0からの推定出力信号が遅延処理部46および加算器5
2を通ってサーボ部60に入力される。そして、制御対
称100が安定した頃には、制御対称モデル30からの
推定出力信号が遅延処理部46により抑制(ミュート)
される一方、制御対称100の実際の出力信号が遅延処
理部41および加算器52を通ってサーボ部60に入力
される。このようにして、制御対称100の出力信号お
よび制御対称モデル30の推定出力信号が切換部40に
より切り換えられてサーボ部60に入力される。
【0014】図2は、本発明の別の実施例による制御シ
ステムの構成を示すブロック図である。この制御システ
ムでは、サーボ部60からの制御入力信号と制御対象1
00の出力信号とに基づいて制御対称100の状態量を
推定する第1推定部20が設けられ、この第1推定部2
0の出力信号つまり第1推定出力信号が切換部40の第
1遅延処理部41に入力される。また、制御対象モデル
または第2推定部30からの第2推定出力信号が切換部
40の第2遅延処理部46に入力される。
【0015】図3は、図2の制御システムの具体的構成
例を示すブロック図である。この制御システムにおい
て、制御対象100を除く部分が本制御システムのコン
トローラ(制御装置)10である。このコントローラ1
0は、第1推定部であるルーゲンバーガ・オブザーバ2
0と、第2推定部である仮想システム30と、切換部4
0と、サーボ部であるレギュレータ部60とからなる。
【0016】ルーゲンバーガ・オブザーバ20は、1つ
の積分器21と5つの係数器22〜26と2つの加算器
27,28とから構成される。このルーゲンバーガ・オ
ブザーバ20において、係数器22には制御対象100
に与えられる制御入力uが入力され、係数器25,26
には制御対象100の出力yが入力される。係数器22
は、ベクトルとしての制御入力uに所定の係数マトリク
ス[E]を乗算して出力する。係数器25はベクトルと
しての出力yに所定の係数マトリクス[G]を乗算して
出力する。加算器27は、それらの係数器22,25の
出力およびフィードバック係数器23の出力を加算して
出力する。積分器21は加算器27の出力を積分する。
積分器21の出力は係数器23,24に入力される。係
数器23は積分器21の出力に係数マトリクス[F]を
乗算して加算器27にフィードバックし、係数器24は
積分器21の出力に所定の係数マトリクス[H]を乗算
して加算器28に与える。係数器26は、制御対象10
0の出力yに所定の係数マトリクス[H]を乗算して加
算器28に与える。加算器28は、係数器24の出力と
係数器26の出力とを加算し、その加算値をルーゲンバ
ーガ・オブザーバ20の出力として切換部40に与え
る。
【0017】このルーゲンバーガ・オブザーバ20にお
いては、制御対象100の状態を表す状態量または状態
変数が推定される。たとえば制御対象100が2次の伝
達関数で表される場合は2つの状態量x0,x1 が推定さ
れ、4次の伝達関数で表される場合は、4つの状態量x
0,x1,x2,x3 が推定される。ルーゲンバーガ・オブザ
ーバ20では、制御対象100の出力yを取り込むた
め、制御対象100の状態が内乱や外乱によって変動し
ても、その状態を表す状態量の推定値が加算器28の出
力に得られる。
【0018】仮想システム30は、制御対象100を数
学的に近似したオブザーバであり、1つの積分器31と
2つの係数器32,33と1つの加算器34とから構成
される。この仮想システム30において、係数器32に
は制御対象100に与えられる制御入力uが入力され
る。係数器32は、ベクトルとしての制御入力uに所定
の係数マトリクス[BP ]を乗算して出力する。加算器
34は、係数器32の出力にフィードバック係数器33
の出力を加算して出力する。積分器31は加算器27の
出力を積分する。積分器21の出力は、係数器33に入
力されるとともに仮想システム30の出力として切換部
40に与えられる。係数器32,33の係数マトリクス
[BP ]、[AP ]は、所定の同定方法で制御対象10
0をシステム同定して求められる。
【0019】この仮想システム30においても、たとえ
ば制御対象100が4次の伝達関数で表される場合は4
つの状態量x0,x1,x2,x3 が推定される。ただし、仮
想システム30では、制御対象100に与えられる制御
入力uのみを取り込み、制御対象100の出力yを取り
込まないので、制御対象100内の内乱や外乱を観測す
ることはなく、制御対象100の伝達関数によって規定
される状態を表す状態量の推定値が得られる。
【0020】切換部40は、ルーゲンバーガ・オブザー
バ20と仮想システム30とを切り換えるためのもの
で、第1の遅延器(遅延処理部)41と、第2の遅延器
(遅延処理部)46と、加算器52とから構成される。
第1の遅延器41は、入力信号(ルーゲンバーガ・オブ
ザーバ20の出力)を1次遅れの重み(1−
−t/T)によって徐々に立ち上げる特性を有する。
第2の遅延器46は、入力信号(仮想システム30の出
力)を1次遅れの重みe−t/Tによって徐々に減衰さ
せる特性を有する。加算器52は、第1の遅延器41の
出力と第2の遅延器46の出力とを加算する。
【0021】この切換部40においては、システムの立
ち上げ時に、図8に示すように、第2の遅延器46の出
力がe-t/Tの時間特性で徐々に減衰すると同時に、第1
の遅延器41の出力が(1−e-t/T)の時間特性で徐々
に立ち上がる。これにより、立ち上げ開始直後は仮想シ
ステム30で推定された状態量が出力され、所定時間後
の安定期ではルーゲンバーガ・オブザーバ20で推定さ
れた状態量が出力される。そして、切換期間中は双方の
状態量にそれぞれe-t/T、(1−e-t/T)の重みを付け
て加え合わせたものが出力される。
【0022】レギュレータ部60は、切換部40の出力
(状態量)を入力側にフィードバックするための積分型
最適レギュレータで、1つの積分器61と、3つの係数
器62,63,64と、2つの加算器65,66とから
構成される。加算器65の一方の入力端子には制御対象
100に対する目標値u0 が与えられ、他方の入力端子
には切換部40の出力(状態量)に所定の係数マトリク
ス[C]を乗算した一次フィードバック量が第1のフィ
ードバック係数器63より与えられる。加算器65の出
力(偏差)は、所定の係数マトリクス[K2 ]を乗算す
る係数器62、および積分器61を介して加算器66の
一方の入力端子に与えられる。加算器66の他方の入力
端子には、切換部40の出力(状態量)に所定の係数マ
トリクス[K1 ]を乗算した二次フィードバック量が第
2のフィードバック係数器64より与えられる。加算器
66の出力(偏差)は制御入力uとして制御対象100
に与えられる。なお、係数マトリクス[K1 ]は、最適
レギュレータ問題の解として求められるフィードバック
・マトリクスである。また、係数マトリクス[C]は、
制御対象100の出力がいずれかの状態量と等しい場合
には、省略可能なものである。
【0023】本実施例の制御システムにおいては、ルー
ゲンバーガ・オブザーバ20により制御対象100内の
内乱および外乱等を反映した実際の状態量が推定され、
仮想システム30により制御対象100固有のシュミレ
ーション的な状態量が推定される。そして、切換部40
を介してルーゲンバーガ・オブザーバ20または仮想シ
ステム30からの状態量がレギュレータ60に与えら
れ、レギュレータ60において状態量に応じた制御入力
uの調整が行われる。このように、ベクトル的な状態量
をフィードバックする方式によれば、制御対象の出力だ
けをフィードバックする方式と比較して、制御対象内の
状態・変化をより詳細に入力側にフイードバックできる
ため、制御対象100の出力yと制御量とが異なる場合
でも、高い精度で制御量を目標値に一致させることがで
きる。
【0024】さらに、本実施例の制御システムにおいて
は、定常的には制御対象100内の内乱および外乱等を
反映した実際の状態量を推定するルーゲンバーガ・オブ
ザーバ20を用いるが、システム立ち上げ開始直後の過
渡期には制御対象100の状態量をシュミレーション的
に推定する仮想システム30を優先的に用いる。つま
り、ルーゲンバーガ・オブザーバ20にあっては、制御
対象100の実際の状態よりも早く状態量を推定した場
合は、制御量の初期値やレギュレータの重みによって
は、推定値が不安定になり、立ち上げ時に制御量がオー
バーシュートしたりアンダーシュートするおそれがあ
る。一方、仮想システム30にあっては、制御対象10
0の出力yを観測しないため、制御対象100内の実際
の状態量を推定することはできないが、立ち上げ時は制
御対象100の本来の特性に応じた安定な推定値を与え
ることができる。したがって、ルーゲンバーガ・オブザ
ーバ20の推定値が安定するまでの間は仮想システム3
0の推定値を暫定的に用いることで、システム立ち上げ
直後の過渡期間でも安定・高精度なフィードバック制御
を行うことができる。
【0025】図4は、本実施例の制御システムにおける
制御対象100の具体例としてウエハ温度制御機構の構
成を示す。このウエハ温度制御機構は、たとえばCVD
装置に用いられる。図中、コントローラ10を除く部分
が制御対象100である。
【0026】この温度制御機構において、真空チャンバ
102内には、被処理体として半導体ウエハ104が所
定の支持部材(図示せず)によって所定位置に配置さ
れ、ウエハ104の下方のチャンバ底部にクォーツウィ
ンドウ106が配設される。チャンバ102の外部に加
熱ランプ108が配設され、加熱ランプ108からの光
はクォーツウィンドウ106を通ってウエハ104の裏
面に照射し、その光エネルギによってウエハ104が加
熱される。ウエハ104の表面(上面)は被処理面であ
り、この被処理面の温度が制御量である。ウエハの裏面
周縁部には温度センサとして熱電対110が取付され、
この熱電対110の出力電圧は制御対象100の出力y
としてケーブル112を介してコントローラ100に与
えられる。なお、図示しない遮蔽板により、熱電対11
0には光ランプ108からの光が照射しないようになっ
ている。
【0027】加熱ランプ108は、PWM増幅器114
からの電力をスリップリング116を介して受け取り、
モータ118および歯車120,122からなる回転駆
動機構によって回転軸124と一体に回転しながらウエ
ハ104側に光を放射するように構成されている。
【0028】PWM増幅器114は、コントローラ10
0からの温度制御電圧を制御入力uとして入力し、温度
制御電圧を電力増幅した上でPWM信号として加熱ラン
プ108に供給する。電力制御部124は立ち上げ時や
異常時にPWM増幅器114のオン・オフ制御を行う。
【0029】なお、真空チャンバ102において、ウエ
ハ104とクォーツウィンドウ106との間には、光フ
ァイバ126の一端が臨んでおり、この光ファイバ12
6の他端は光束モニタ128に接続されている。光束モ
ニタ128は、ウエハ104に供給される光の光束(強
度)を光ファイバ126を介して検出し、その光束検出
値をガラス破壊インターロック部130に与える。クォ
ーツウィンドウ106が濁ってくると、そこで吸収され
る光が増大する分、ウエハ114に供給される光エネル
ギが減少するとともに、クォーツウィンドウ06が破壊
する危険性が高まる。そこで、光束モニタ値が所定値ま
で減少した時は、ガラス破壊インターロック部130よ
り加熱停止信号がPWM増幅器114に与えられ、加熱
ランプ108が消灯するようになっている。
【0030】かかる構成のウエハ温度制御機構におい
て、制御対象100の出力yはウエハ104の裏面の温
度を表すものであって、制御量であるウエハ104の表
面(被処理面)の温度を表すものではない。図5は、制
御量(ウエハ表面温度)の目標値を300゜Cに設定し
てこのウエハ温度制御機構を立ち上げた場合のウエハ1
04の表面温度と熱電対検出温度(ウエハ104の裏面
周縁部の温度)の時間特性の一例を示す。図5に示すよ
うに、ウエハ表面温度と熱電対検出温度との間には時間
遅れが存在する。なお、図5はオブザーバを用いない場
合の特性図であって、ウエハ表面温度の立ち上がり速度
が遅くなっている。
【0031】本実施例では、制御量(ウエハ表面温度)
は制御対象100内の1つの状態量としてモデル化され
てよい。また、加熱ランプ108の発光エネルギからウ
エハ104の裏面中心部の温度までの系を二次遅れの
系、ウエハ104の裏面中心部の温度からウエハ表面温
度を介してウエハ裏面周縁部の温度つまり熱電対110
の検出温度(y)までの系を二次遅れの系とし、それら
2つの二次遅れの系がカスケード接続されたものとし
て、この制御対象100を4次の系とモデル化してよ
く、その場合は4つの状態量x0,x1,x2,x3 が定義さ
れ、その中のたとえばx1 が制御量(ウエハ表面温度)
に対応し、たとえばx3 が出力yに対応したものとな
る。
【0032】本実施例のコントローラ10は、上記した
ように、ルーゲンバーガ・オブザーバ20と仮想システ
ム30とを併用することにより、制御量を目標値に一致
させるための温度制御をシステム立ち上げ開始直後から
安定・高精度に行うことができる。
【0033】図6は、本実施例の作用の一例を示す特性
図である。図5の場合(オブザーバ20,30を用いな
い場合)と比較して、ウエハ表面温度の立ち上げ速度が
格段に速くなっている。また、オーバシュートやアンダ
ーシュートが発生するおそれもない。図7は、仮想シス
テム30を用いないで、システム立ち上げ開始からルー
ゲンバーガ・オブザーバ20を動作させた場合の特性図
(参考図)である。この図7の例に示すように、ルーゲ
ンバーガ・オブザーバ20の場合、制御対象100の実
際の状態よりも早く状態量を推定してしまうと、制御量
の初期値やレギュレータの重みによっては、逆応答して
推定値が大幅に狂い、立ち上げ時に制御量がオーバーシ
ュートしたり、あるいはアンダーシュートするおそれが
ある。
【0034】以上、ウエハ温度制御機構について説明し
たが、他の温度制御機構や各種制御機構に本発明の制御
システムは適用可能である。また、上記実施例では、シ
ステム立ち上げ時に仮想システム30からルーゲンバー
ガ・オブザーバ20に切り換えるようにしたが、それ以
外の時でも必要に応じて条件的に仮想システム30から
ルーゲンバーガ・オブザーバ20へ、あるいはルーゲン
バーガ・オブザーバ20から仮想システム30へ切り換
えるようにしてもよい。さらに、上記実施例では1次遅
れ要素切換であったが、2次、3次等の多次遅れ要素切
換であっても可能であり、線形システムという必要条件
が満たされていればよい。
【0035】レギュレータ部60の構成も任意に変形す
ることが可能である。また、上記実施例では第1のオブ
ザーバをルーゲンバーガ・オブザーバ20で構成し、第
2のオブザーバを仮想システム30で構成したが、これ
らの構成に限定されるものではなく、他の型のオブザー
バで構成することも可能である。
【0036】また、図9に示すように、ルーゲンバーガ
・オブザーバ20において、係数器22,23に仮想シ
ステムの係数マトリクス[BP ],[AP ]をそれぞれ
設定して、それらの係数器22,23と積分器21とで
仮想システム30を兼用させるようにしてもよい。この
場合、制御対象100の出力yは、切換部の加算器70
および遅延器72を介してオブザーバ20,30に与え
られる。オブザーバ20,30の出力は、加算器70の
他方の入力端子に与えられるとともに、レギュレータ部
60に与えられる。
【0037】システム立ち上げ時、制御対象100の出
力yは第1の遅延器41を経由することで(1−
-t/T)の時間遅れでルーゲンバーガ・オブザーバ20
に与えられることにより、ルーゲンバーガ・オブザーバ
20の出力は(1−e-t/T)の時間遅れで立ち上がる。
一方、仮想システム30の出力は、第2の遅延器46を
経由することでe-t/Tの時間遅れで減衰する。これによ
り、切換部40の加算器52より、立ち上げ開始直後は
仮想システム30で推定された状態量が出力され、所定
時間後の安定期ではルーゲンバーガ・オブザーバ20で
推定された状態量が出力され、切換期間中は双方の状態
量にそれぞれe-t/T、(1−e-t/T)の重みを付けて加
え合わせたものが出力される。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の制御シス
テムによれば、制御対象に与えられる制御入力と制御対
象の出力とに基づいて制御対象内の状態量を推定する第
1のオブザーバと、制御入力のみに基づいて制御対象内
の状態量を推定する第2のオブザーバとを併用し、両オ
ブザーバで推定された状態量を選択的にフィードバック
することで、安定・高精度な制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による制御システムの構成を
示すブロック図である。
【図2】本発明の別の実施例による制御システムの構成
を示すブロック図である。
【図3】図2の実施例による制御システムの具体的構成
例を示すブロック図である。
【図4】実施例の制御システムにおける制御対象の一例
としてのウエハ温度制御機構の構成を示すブロック図で
ある。
【図5】ウエハ表面温度と熱電対検出温度との偏差を示
す図である。
【図6】実施例の制御システムにおけるウエハ表面温度
の立ち上がり特性を示す図である。
【図7】実施例の制御システムにおいて仮想システムを
用いない場合のウエハ表面温度の立ち上がり特性を示す
図である。
【図8】実施例の制御システムにおける切換部の切換タ
イミングを示す図である。
【図9】実施例の制御システムの一変形例の構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
10 コントローラ 20 第1推定部(ルーゲンバーガ・オブザーバ) 30 第2推定部(仮想システム) 40 切換部 60 サーボ部(レギュレータ部) 100 制御対象 102 半導体ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−24701(JP,A) 特開 昭56−85101(JP,A) 特開 平3−235687(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 11/00 - 13/04 G05B 7/00 - 7/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象に与えられる制御入力と前記制
    御対象の出力とに基づいて前記制御対象の内乱および/
    または外乱を反映する状態量を推定する第1のオブザー
    バと、 前記制御入力のみに基づいて前記制御対象の伝達関数に
    よって規定される状態量を推定する第2のオブザーバ
    と、 前記第1のオブザーバまたは前記第2のオブザーバを
    件的に選択するオブザーバ切換手段と、 前記オブザーバ切換手段によって選択された前記第1ま
    たは第2のオブザーバからの推定状態量を前記制御対象
    の入力側にフィードバックして前記制御入力を調整する
    レギュレータ手段とを具備することを特徴とする制御シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 前記オブザーバ切換手段は、システムの
    立ち上げ時は前記第2のオブザーバを選択し、所定の時
    間遅れで前記第2のオブザーバから前記第1のオブザー
    バに切り換えることを特徴とする請求項1に記載の制御
    システム。
  3. 【請求項3】 前記オブザーバ切換手段は、前記第1の
    オブザーバからの推定状態量を第1の時間遅れで徐々に
    立ち上げる第1の遅延手段と、前記第2のオブザーバか
    らの推定状態量を第2の時間遅れで徐々に立ち下げる第
    2の遅延手段とを含むことを特徴とする請求項2に記載
    の制御システム。
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