JP3028326B2 - 携帯端末による準備作業管理システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、グラビア印刷に用いる
版胴の準備作業のうち該版胴の所在を検索する作業を携
帯端末により行うようにした準備作業管理システムに関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、グラビア印刷は、版胴の版面に
形成されたセル内にインキを付着させるとともに、該版
胴とそれに圧着された圧胴との間に印刷すべき紙を圧接
させ、版胴の表面のインキを紙に転移させることにより
印刷を行うものである。

【０００３】ところで、このようなグラビア印刷に用い
る版胴（シリンダ）は、使用前には、札等を付けて印刷
工場内のシリンダ置き場や倉庫等に格納・保管し、使用
時には、物流作業者が保管場所を検索して所定箇所まで
運搬するようにする。そして、当該シリンダを用いた印
刷の終了後や、製版の完了した新版の保管時には、物流
作業者は該シリンダを所定の保管場所へ運搬して格納
し、また、落版指示があった時には、該当するシリンダ
を検索して所定箇所まで運搬するようにする。ここで、
シリンダの保管場所の番地管理は、通常、印刷建屋別や
シリンダサイズ別等によって行われ、また、シリンダの
検索作業は、作業者の記憶やメモ等に基づいて行われて
いる。

【０００４】また、一般の印刷工場においては、管理す
べきシリンダの本数は相当数（例えば１万数千本程度）
に達し、工場内の印刷建屋も複数棟に分離しているのが
普通であり、したがって、シリンダの保管場所も多数箇
所に分散せざるを得ないというのが実情である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】シリンダの保管場所の
番地管理を行う場合に、従来は、上記のように物流作業
者の記憶やメモ等に頼っているために、相当数のシリン
ダの中から必要とするシリンダの所在を検索する作業に
多くの時間を要し、印刷予定等に合わせたシリンダの準
備作業がスムーズに行えないことがあった。また、上記
検索作業は、作業者の熟練を要するために、作業者が交
替した場合等に業務に支障を来すこともあった。

【０００６】なお、このような問題に対処するために、
パーソナルコンピュータを用いてシリンダの番地管理を
行うことも考えられるが、シリンダの検索作業時もしく
は移動作業時に、物流作業者が一々パーソナルコンピュ
ータの設置位置まで来てシリンダの所在を検索したり、
新たな所在を入力したりするのでは、かえって作業が繁
雑となり、また、入力忘れ等が発生し易いために正確な
番地管理を行うのが困難であるという問題がある。

【０００７】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、グラビア印刷に用いる版胴の所在の検索作業
を効率的に行えるようにし、それによって版胴の準備作
業をスムーズに行うことができるようにすることを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、携帯端末を利
用することによって上記課題を達成したものである。す
なわち、本発明に係る携帯端末による準備作業管理シス
テムは、印刷に用いる版胴の準備作業を管理するシステ
ムであって、版胴の所在に係るデータを予めシステム管
理用コンピュータに記憶させるとともに、版胴の移動作
業時に該版胴の新たな所在に係るデータを携帯端末に記
憶させるようにし、かつ、定期的に携帯端末とシステム
管理用コンピュータとの間でデータの受け渡しを行うこ
とにより、携帯端末により版胴の所在に係るデータを検
索できるようにしたことを特徴としている。

【０００９】

【作用】本発明においては、版胴の所在に係るデータが
予めシステム管理用コンピュータに記憶され、該データ
が携帯端末に落とし込まれることで、携帯端末を用いて
版胴の所在を検索することが可能となる。また、版胴の
移動作業が行われた時には、作業者が携帯端末を操作し
て版胴の新たな所在を入力し、該携帯端末のデータを定
期的にシステム管理用コンピュータに送信するようにす
ることで、システム管理用コンピュータのデータ更新が
なされる。

【００１０】

【実施例】以下、実施例を図面に基づいて説明する。

【００１１】図１は本発明の一実施例に係るシリンダ管
理システムのシステム構成図、図２は同システムにおけ
る携帯端末の平面図である。

【００１２】この実施例は、グラビア印刷機に用いる版
胴（シリンダ）の準備作業のうち該シリンダの所在を検
索する作業を管理するシステムに適用したものである。
同システムは、ホストコンピュータに備えられたシリン
ダ管理データベース１と、該シリンダ管理データベース
１のデータをもとに当該システムを管理する管理用パー
ソナルコンピュータ（以下、単にパソコンという。）２
と、物流作業者がシリンダ移動作業時等に携帯して操作
する携帯端末（例えばぺんてる（株）製「ハンディター
ミナルＰＨＴ−６０」）３を備えている。

【００１３】上記シリンダ管理データベース１には、印
刷予定表データ４，落版等データ５およびその他の入力
データ６が取り込まれる。また、上記パソコン２にはプ
リンター７が付設され、作業指示予定表等の出力が可能
となっている。また、該パソコン２には光通信アダプタ
８が接続され、該光通信アダプタ８に上記携帯端末３を
接続することで、携帯端末３とパソコン２の間でのデー
タの受け渡しが可能とされている。

【００１４】上記携帯端末３は、ＣＰＵおよびＲＡＭ，
ＲＯＭからなるメモリを内蔵するとともに、図２に示す
ように、上面に入力部としてのタッチパネル９，テンキ
ー１０，電源スイッチ１１および各種のファンクション
キー等を備えている。ここで、タッチパネル９は６行の
画面表示がなされるよう構成されており、１行目が操作
中のモードを常に表示する操作モード表示エリア，２〜
５行目がデータの呼出しと入力とを行う対話エリア，６
行目がエラーメッセージやファンクションキー等を表示
するコメント表示エリアとされている。

【００１５】本実施例においては、携帯端末３に、デー
タ通信業務，出庫指示業務，入庫移動指示業務および問
い合わせ業務の４種類の業務がメインメニューとして用
意されており、電源スイッチ１１をオンすると、図３
（ａ）に示すように対話エリアにこれらの業務メニュー
が表示される。また、サブメニューとして、上記データ
通信業務には、パソコン２からのデータを携帯端末３で
受信するＰＣ→ＨＴ受信業務および携帯端末３のデータ
をパソコン２へ送信するＨＴ→ＰＣ送信業務がそれぞれ
用意され、上記入庫移動指示業務には、入庫指示業務お
よび移動指示業務がそれぞれ用意され、また、上記問い
合わせ業務には、注番問い合わせ業務，作業未了分問い
合わせ業務および作業完了分問い合わせ業務がそれぞれ
用意されている。これらの各サブメニューは、メインメ
ニューの表示画面においてタッチパネル９を押圧操作し
て所定の業務を選択することにより、対話エリアに表示
される。

【００１６】一方、上記パソコン２には、パソコン２の
データを携帯端末３へ送信するＰＣ→ＨＴデータ送信業
務，出庫指示業務，入庫指示業務，携帯端末３からのデ
ータをパソコン２で受信するＨＴ→ＰＣデータ受信業
務，予定データ受取業務等の各種の業務メニューが用意
されている。

【００１７】次に、本実施例のシリンダ管理システムの
作業フローについて図４によって説明する。なお、Ｓ１
〜Ｓ１２は各ステップを示す。

【００１８】まず、シリンダ管理データベース１には、
印刷予定ＦＤから取り込んだ印刷予定表データ４を登録
する（Ｓ１）とともに、製版完了分や落版指示分等のデ
ータ５の各種データを入力する（Ｓ２，Ｓ３）。そし
て、パソコン２で、これらのデータに基づいて作業指示
予定表をプリント出力する（Ｓ４）。

【００１９】次に、上記のように各種のデータが入力さ
れた状態において、定期的に（例えば１日に１回）光通
信アダプタ８に携帯端末３を接続することで、パソコン
２のデータの携帯端末３への転送を行う（Ｓ５）。その
際、パソコン２側でＰＣ→ＨＴデータ送信業務を選択す
るとともに、携帯端末３でメインメニューからデータ通
信業務およびサブメニューからＰＣ→ＨＴ受信業務を順
次選択するように操作する。そして、このようにしてパ
ソコン２から携帯端末３へのデータ転送が行われると、
携帯端末３はシリンダの移動作業を実行する物流作業者
に配布される（Ｓ６）。

【００２０】物流作業者は、携帯端末３と別途配布され
た作業指示予定表を所持してシリンダの移動作業を行う
（Ｓ７）。図３は出庫指示業務を行う際の携帯端末３の
表示画面を示すものである。シリンダの出庫作業に際し
て出庫指示の確認を行うには、携帯端末３のタッチパネ
ル９に表示された初期画面（図３（ａ））のうち出庫指
示業務を選択する。そうすると、タッチパネル９は図３
（ｂ）に示すように注番（受注番号）の入力画面とな
り、この状態で作業指示予定表を見ながら注番を入力す
ると、図３（ｃ）に示すように、タッチパネル９には３
行目に得意先名１２，４行目に品名１３がそれぞれ表示
され、また、５行目に上記品名の印刷に用いるシリンダ
の保管場所（棚番号）１４が示される。したがって、物
流作業者は、この表示された棚番号のところで所望のシ
リンダを得ることができる。

【００２１】また、印刷終了後のシリンダの入庫作業時
には、携帯端末３によってメインメニューから入庫移動
指示業務およびサブメニューから入庫指示業務を順次選
択した後、上記と同様タッチパネル９によって注番を入
力し、次いで、シリンダの移動本数と移動先の棚番号
（置き場所）を入力する。このようにして、シリンダの
新たな保管場所が携帯端末３のメモリに記憶される。

【００２２】同様に、シリンダをある保管場所から他の
保管場所へ移動する場合には、メインメニューから入庫
移動指示業務およびサブメニューから移動指示業務を順
次選択した後、注番，移動元棚番号，移動本数および移
動先棚番号を順次入力することで、シリンダの新たな保
管場所を携帯端末３のメモリに記憶させることができ
る。

【００２３】また、上述のように、携帯端末３では、初
期画面で問い合わせ業務を選択することにより、注番問
い合わせ，作業未了分問い合わせおよび作業完了分問い
合わせの各問い合わせ業務を行うことが可能となってい
る。ここで、注番問い合わせ業務では、注番を入力する
ことにより、該注番に対応するシリンダの在庫場所，本
数，行き先および作業時間の各データを検索することが
できる。また、作業未了分問い合わせ業務では、作業指
示予定表に記載されている予定のうち、未出庫のシリン
ダの在庫場所，本数，行き先および作業時間の各データ
を検索することができる。したがって、上記作業指示予
定表が物流作業者の手元にない場合でも、この作業未了
分問い合わせ業務を選択して、順次画面送りすることに
より所望の注番の業務を検索することも可能である。ま
た、作業完了分問い合わせ業務では、その日に行った入
出庫作業の履歴を示すシリンダの在庫場所，本数，行き
先および作業時間の各データを検索することができる。

【００２４】また、物流作業者によるシリンダの移動作
業終了後の所定時には、定期的に（例えば１日に１回）
携帯端末３を回収する（Ｓ９）。そして、こうして回収
された携帯端末３を光通信アダプタ８に接続し、該携帯
端末３に蓄えられたデータをパソコン２へ吸い上げる
（Ｓ１０）。その際、パソコン２側ではＨＴ→ＰＣデー
タ受信業務を選択するとともに、携帯端末３ではメイン
メニューからデータ通信業務およびサブメニューからＨ
Ｔ→ＰＣ送信業務を順次選択するように操作する。ま
た、携帯端末３からパソコン２へのデータ転送後には、
パソコン２でエラーチェックリストを出力し（Ｓ１
１）、エラーチェックおよびデータ修正を行う（Ｓ１
２）。

【００２５】上記のフローを繰り返すことによって、パ
ソコン２および携帯端末３を用いてシリンダの所在を管
理することができる。

【００２６】以上のように、本実施例によれば、シリン
ダの移動作業時に物流作業者が現場で携帯端末３を操作
してシリンダの行き先等を入力することで、シリンダの
所在の検索作業を効率的に行うことができ、また、入力
忘れ等も防止することができる。

【００２７】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、版胴の所在を効率的に検索することができ、したが
って版胴の準備作業をスムーズに行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るシリンダ管理システム
のシステム構成図

【図２】上記実施例のシリンダ管理システムにおける携
帯端末の平面図

【図３】上記実施例のシリンダ管理システムにおける携
帯端末の表示画面の一例を示す図

【図４】上記実施例のシリンダ管理システムの作業フロ
ーを示す図

【符号の説明】

１ シリンダ管理データベース ２ パーソナルコンピュータ ３ 携帯端末 ８ 光通信アダプタ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷に用いる版胴の準備作業を管理する
   システムであって、版胴の所在に係るデータを予めシス
   テム管理用コンピュータに記憶させるとともに、版胴の
   移動作業時に該版胴の新たな所在に係るデータを携帯端
   末に記憶させるようにし、かつ、定期的に前記携帯端末
   と前記システム管理用コンピュータとの間でデータの受
   け渡しを行うことにより、前記携帯端末により版胴の所
   在に係るデータを検索できるようにしたことを特徴とす
   る携帯端末による準備作業管理システム。