JP3028273B2 - トナー - Google Patents

トナー

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JP3028273B2
JP3028273B2 JP5354166A JP35416693A JP3028273B2 JP 3028273 B2 JP3028273 B2 JP 3028273B2 JP 5354166 A JP5354166 A JP 5354166A JP 35416693 A JP35416693 A JP 35416693A JP 3028273 B2 JP3028273 B2 JP 3028273B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電記録法
などに用いられるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報(米国特許第3,666,363号明細書)及び
特公昭43−24748号公報(米国特許第4,07
1,361号明細書)等に記載されている如く、多数の
方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用
し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、
次いで該潜像をトナーで現像を行なって可視像とし、必
要に応じて、紙等の転写材にトナー画像を転写した後、
加熱、圧力等により定着し、複写物を得るものである。
【0003】静電潜像をトナーを用いて可視像化する現
像方法も種々知られている。例えば米国特許第2,87
4,063号明細書に記載されている磁気ブラシ法、同
第2,618,552号明細書に記載されているカスケ
ード現像法及び同第2,221,776号明細書に記載
されているパウダークラウド法、ファーブラシ現像法、
液体現像法等、多数の現像法が知られている。
【0004】これらの現像法において、特にトナー及び
キャリヤを主体とする現像剤を用いる磁気ブラシ法、カ
スケード法、液体現像法などが広く実用化されている。
これらの方法は、いずれも比較的安定に良画像の得られ
る優れた方法であるが、反面キャリヤの劣化、トナーと
キャリヤの混合比の変動という2成分現像剤にまつわる
共通の欠点を有する。
【0005】かかる欠点を回避するため、トナーのみよ
りなる1成分現像剤を用いる現像方法が各種提案されて
いるが、中でも、磁性を有するトナー粒子より成る現像
剤を用いる方法に優れたものが多い。
【0006】また、上述の電子写真法の最終工程である
トナー像を紙などのシートに定着する工程に関して種々
の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方
法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
【0007】加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナー
に対し離型性を有する表面を形成した熱ローラーの表面
に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通
過せしめることにより定着を行うものである。
【0008】この方法は熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被
定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であ
り、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写
機において非常に有効である。
【0009】特に今後は複写機は、より高速化の方向に
進んでいるため、トナーは紙に対する定着性の向上、高
速現像における良好な画像濃度、高耐久などを満足しな
ければならなくなってきている。
【0010】このような熱ローラー定着方式において、
耐オフセット性を向上させるために従来の技術ではトナ
ー中にポリオレフィンワックスを添加させることが行わ
れている。
【0011】しかしながら、ポリオレフィンワックス
は、トナー結着樹脂との相溶性が悪いために、トナー製
造時にポリオレフィンワックスの分散不良が発生しやす
くなり、これが原因で粉砕時に遊離ポリオレフィンが発
生することがある。
【0012】トナー中でのポリオレフィンワックスの分
散不良は、複写機での耐久中、クリーニング不良の発生
や耐オフセット性の劣化につながるばかりではなく、ト
ナー帯電性のバラツキも多くなるため、耐久中の画像濃
度低下、などが発生する。
【0013】特に今後は、トナー粒径がさらに小さくな
る傾向にあるため、ワックス成分の分散性の更なる向上
が要請されている。
【0014】トナー粒径が小さくなることにより、特に
低湿環境下でトナーのチャージアップが問題化し、それ
にともなう画像濃度低下の問題は避けて通ることはでき
ない問題である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高速
複写機においても良好な定着性、耐オフセット性を提供
できるトナーを提供することにある。
【0016】さらに他の目的は、トナー粒子間、トナー
とスリーブの如きトナー担持体との間の摩擦帯電量が安
定で、使用する現像システムに適した帯電量にコントロ
ールできるトナーの提供にある。
【0017】さらに他の目的は、デジタルな潜像に忠実
な現像を行なわしめるドット間の濃度差を大きくするこ
とも可能であり、ドットの縁部がシャープに再現される
トナーを提供することにある。
【0018】さらに他の目的は、トナーを長期にわたり
連続使用した際にも初期の性能を維持するトナーを提供
することにある。
【0019】さらに他の目的は、ポスト帯電を含む画像
形成プロセスにおいてもカブリ、反転カブリの少ないト
ナーを提供することにある。
【0020】さらに他の目的は、温度、湿度の変化に影
響を受けない安定した画像を再現するトナーを提供する
ことにある。
【0021】さらに他の目的は、長期間の保存でも初期
の特性を維持する保存安定性の優れたトナーを提供する
ことにある。
【0022】さらに他の目的は、トナー粒径を小さくし
た際の弊害であるトナーのチャージアップを防止し、良
好な画像濃度を付与させるトナーを提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明において
は、 アルキルアルコール CH3(CH2nOH(n≧2
0) と分子中にエポキシ基を1個有する下記化合物
【0024】
【化2】
【0025】[R’はHあるいはC1〜C20の炭化水素
基あるいはR1−CH2−で示される基(R1:エーテル
基あるいはエステル基)] もしくはラクトン類を反応させたエーテル化合物又はエ
ステル化合物を含有するトナーであることを特徴とす
る。
【0026】本発明のトナー構成とすることにより、プ
ロセススピード380mm/sec以上の高速複写機
(A4複写スピード毎分60枚機以上の高速複写機)に
おいても、低温環境下での良好な定着性および低湿環境
下での良好な画像濃度を提供することができる。
【0027】本発明において、アルキルアルコールCH
3(CH2nOH(n≧20)と分子中にエポキシ基を
1個有する下記化合物
【0028】
【化3】 とを反応させた物質(以下、物質αと称する)は、アル
キルアルコールCH3(CH2nOH(n≧20)のア
ルキル鎖長と分子中にエポキシ基を1個有する物質
【0029】
【化4】 の反応させる量によって、粘度,可塑性をコントロール
することができる。
【0030】上記物質αの構造は、次の様になる。
【0031】
【化5】
【0032】ここで、アルキルアルコールCH3(C
2nOHでのnの数が20未満である場合、分子中に
エポキシ基を1個有する物質と反応させても粘度コント
ロールが不十分となりやすく、上記作用を得ることがむ
ずかしくなる。
【0033】また、本発明において、上記アルキルアル
コールにラクトン類を反応させた物質(以下、物質βと
称する)は、アルキルアルコールのアルキル鎖長とラク
トン類の反応させる量によって、粘度,可塑性をコント
ロールすることができる。
【0034】上記物質βの構造は、次の様になる。
【0035】ラクトン類の一例をεカプロラクトンとし
た場合
【0036】
【化6】
【0037】従って、本発明において、上記作用が得ら
れる理由は明確ではないが、次の現象が発生するためで
はないかと推測している。物質α又は物質βを添加した
トナーが定着ローラーを通過し定着ローラーにより加熱
をうけたとき、より低い温度においても物質α又は物質
βがトナー表面にしみ出してくる。
【0038】このとき、 1)定着ローラーに対するトナーのすべり性が向上し、
未定着画像上のトナーは、定着ローラーではなく、紙へ
優先的に付着するようになる。
【0039】2)定着ローラーの加熱をうけ、物質α又
は物質βがトナー表面にしみ出したときに物質α又は物
質βが半溶融もしくは溶融の状態でトナー表面をおおう
ようになるため、結果として定着ローラーによるトナー
への熱伝達率が向上する。という現象が発生するため
に、定着性,耐オフセット性が向上するものと考えてい
る。
【0040】また本発明において、上記物質α又は物質
βを用いることにより、低湿環境下での良好な画像濃度
が得られる理由は明確ではないが、次の理由によるもの
と推測している。
【0041】
【化7】 物質βは、アルキルアルコールCH3(CH2nOH
(n≧20)のアルキル鎖長とラクトン類の反応させる
量によって粘度,可塑性をコントロールすることで、結
着樹脂中では物質α,物質βの分散性を向上でき、その
結果、トナーの帯電性、環境安定性が良好となり、低湿
環境下でのトナーのチャージアップが防止され、低湿環
境下でも良好な画像濃度が得られるものと考えている。
【0042】本発明において、上述した物質α,物質β
による効果を得るためには、結着樹脂100重量部に対
して、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部
使用することが望ましい。
【0043】本発明においては、上記アルキルアルコー
ルに上記分子中にエポキシ基を1個有する物質を反応さ
せる方法は、特に限定されるものではないが、一例とし
ては水酸化ナトリウム,ナトリウムエトオキシド,カリ
ウムt−ブトキシド,金属ナトリウム,金属カリウムな
どの塩基触媒を用いて、加圧下で、温度50〜300℃
で付加させる方法があげられる。
【0044】また、本発明においては、上記アルキルア
ルコールにラクトン類を反応させる方法としては、特に
限定されるものではないが、一例としてはAl(C
253やZn(C252等の触媒の存在下や加熱下で
反応させる方法があげられる。
【0045】本発明において上記アルキルアルコールと
しては、nの数が20以上のアルコールであれば特に限
定されるものではない。
【0046】また、上記分子中にエポキシ基を1個有す
る物質についても従来公知の物質が使用できる。
【0047】ここで、R’がHの物質は、
【0048】
【化8】 である。
【0049】R’がC1〜C20の炭化水素基である物質
の一例としては、次の物質があげられる。
【0050】
【化9】
【0051】R’がR1−CH2−で示される基(R1
エーテル基あるいはエステル基)である物質の一例とし
ては、次の物質があげられる。
【0052】
【化10】
【0053】ラクトン類としては、特に限定されるもの
ではなく、従来公知の物質が使用でき、例えば、
【0054】
【化11】 などがあげられる。
【0055】本発明においては、トナーの結着樹脂とし
ては、特に限定されるものではないが、ポリエステル樹
脂,スチレン−アクリル系樹脂が好ましい。
【0056】ポリエステル樹脂としては、特に限定され
るものはなく従来公知のポリエステル樹脂が使用でき
る。ポリエステル樹脂を構成する単量体としては、従来
公知の下記物質を使用することができるが、何らこれら
に限定されるものではない。
【0057】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ペンタエリスリトールジアリルエーテル、トリメチレン
グリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、
水素化ビスフェノールA、また次式で表わされるビスフ
ェノール誘導体;次式
【0058】
【化12】
【0059】(式中Rはエチレンまたはプロピレン基で
あり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+
yの平均値は2〜10である。)等のジオール類が挙げ
られる。
【0060】また、酸成分としてはフマル酸、マレイン
酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン
酸類、又はこれらの酸無水物、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸などのジカルボン酸類又はこ
れらの酸無水物、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族系
ジカルボン酸などが挙げられる。
【0061】また三価以上のアルコールとしてグリセリ
ン、ソルビット、ソルビタン等、三価以上の酸としては
トリメリット酸、ピロメリット酸等及びこれらの酸無水
物等が挙げられる。
【0062】また、本発明で用いるポリエステル樹脂の
製造法は、特に限定されることはなく、従来公知の製造
法が適用される。
【0063】スチレン−アクリル系樹脂としては、特に
限定されるものはなく、従来公知のスチレン−アクリル
系樹脂が使用できる。スチレン−アクリル系樹脂を構成
する単量体としては、従来公知の下記物質を使用するこ
とができるが、何らこれらに限定されるものではない。
【0064】例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オク
チルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシ
ルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−
ニトロスチレン等のスチレン誘導体;メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸フェニルなどのα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアク
リル酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、マレイン酸及びそれらのメ
チル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル等のモノエ
ステル等のカルボキシル基含有ビニル系モノマーがあげ
られる。
【0065】本発明では、スチレン系モノマー、メタク
リルあるいは、アクリル系モノマーとカルボキシル基含
有モノマーの組み合せが好ましい。
【0066】トナーの結着樹脂としてはポリエステル樹
脂、スチレン−アクリル系樹脂のほかに、スチレン−ビ
ニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−インデン共重合体のスチレン
と他のビニル系モノマーとのスチレン系共重合体;ポリ
メチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニル
ブチラール、ポリアクリル酸、フェノール樹脂、脂肪族
又は脂環族炭化水素樹脂、石油樹脂、塩素化パラフィ
ン、等を使用することができる。
【0067】本発明においては、必要に応じて荷電制御
剤を使用することもでき、従来公知の負あるいは正の荷
電制御剤が用いられる。
【0068】今日、当該分野で知られている荷電制御剤
としては、以下のものがあげられる。
【0069】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0070】例えば、有機金属錯体、キレート化合物が
有効で、前述したようなモノアゾ金属錯体、アセチルア
セトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香
族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族
ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン
酸及びその金属塩、無水物、エステル類;ビスフェノー
ル等のフェノール誘導体類があげられる。
【0071】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0072】例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等に
よる変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒ
ドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルア
ンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニ
ウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等の
オニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタ
ン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、
りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングス
テンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子
酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級
脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチル
スズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなど
のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、
ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレー
トなどのジオルガノスズボレートがあげられ、これらを
単独であるいは2種類以上組み合わせて用いることがで
きる。これらのなかでも、ニグロシン系、四級アンモニ
ウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0073】本発明のトナーにおいては、帯電安定性,
現像性,流動性,耐久性向上のため、シリカ微粉末を添
加することが好ましい。
【0074】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g
以上(特に50〜400m2/g)の範囲内のものが良
好な結果を与える。トナー100重量部に対してシリカ
微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量
部使用するのが良い。
【0075】また、本発明に用いられるシリカ微粉末
は、必要に応じて、疎水化,帯電性コントロールなどの
目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、
シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン
カップリング剤、官能基を有するシランカップリング
剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤で併用して処
理されていることも好ましい。
【0076】他の添加剤としては、例えば、テフロン、
ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンなどの滑剤、
あるいは、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロ
ンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが
好ましい。あるいは例えば酸化チタン、酸化アルミニウ
ム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好まし
い。ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付
与剤、または逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像
性向上剤として少量用いることもできる。
【0077】また、熱ロール定着時の耐オフセット性を
更に良くする目的で低分子量ポリエチレン、低分子量ポ
リプロピレン、等のワックス状物質をバインダー樹脂1
00重量部に対し0.5〜10重量部程度をトナーに加
えてもよい。
【0078】本発明のトナー中には、鉄、コバルト、ニ
ッケルのような金属あるいはこれらの金属のアルミニウ
ム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、ア
ンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシ
ウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナ
ジウムのような金属の合金及びその混合物等の磁性材料
を併用してもよい。
【0079】これらの強磁性体は平均粒子が0.1〜2
μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ま
しく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100
重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹
脂成分100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0080】また、10Kエルステッド印加での磁気特
性が抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜
200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのもの
が望ましい。
【0081】本発明のトナーに使用しうる着色剤として
は任意の適当な顔料または染料があげられる。トナー着
色剤は周知であって、例えば顔料としてカーボンブラッ
ク、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトー
ルイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリ
ザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、イン
ダンスレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃
度を維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100
重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは2〜10
重量部の添加量がよい。また、同様の目的で、さらに染
料が用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系
染料、キサンテン系染料、メチン系染料等があり樹脂1
00重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは
0.3〜3重量部の添加量が良い。
【0082】本発明に係るトナーを作製するには結着樹
脂、金属塩ないしは金属錯体、着色剤としての顔料また
は染料、磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添
加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機に
より充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクスト
ルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し
て樹脂類を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、
染料、磁性体を分散または溶解せしめ、冷却固化後粉砕
及び分級を行なって本発明に係るところのトナーを得る
ことができる。
【0083】さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェ
ルミキサー等の混合機により充分混合し本発明に係るト
ナーを得ることができる。
【0084】本発明において担持体上の単位面積当たり
のトナー層の電荷量はいわゆる吸引式ファラデーケージ
法を使用して求めた。この吸引式ファラデーケージ法
は、その外筒をトナー担持体に押しつけて担持体上の一
定面積上のすべてのトナーを吸引し、それと同時に外部
から静電的にシールドされた内筒に蓄積された電荷量を
測定することによって、トナー担持体上の単位面積当た
りの電荷量を求めることができる方法である。
【0085】本発明、特に次の実施例においては、定着
性、耐オフセット性の評価は、以下の手順で行った。
【0086】定着性は、低温低湿度環境(15℃,10
%)にて評価機を1晩放置し、評価機及びその内部の定
着器が完全に低温低湿度環境になじんだ状態から連続2
00枚の複写画像をとり、その複写画像の200枚目を
定着性の評価に用いた。定着性の評価は、画像をシルボ
ン紙で往復10回約100kg荷重でこすり、画像のは
がれを反射濃度の低下率(%)で評価した。したがっ
て、こすり後の反射濃度の低下率(画像濃度低下率)の
値が大きいほど、こすりによる画像のはがれる割合が多
く、トナーの定着性は悪いことになる。
【0087】耐オフセット性は、連続して複写を行った
際にクリーニングウェーブに一度とられたトナーが定着
上ローラーに転移し複写物を汚染するかどうかを評価基
準とした。評価方法としては、低温低湿度環境(15
℃,10%)にて、連続200枚の複写画像をとった後
に、30秒間隔で複写画像を1枚づつ3分迄とり、画像
汚染が発生するかを調べた。ここで、画像汚染が発生し
ない場合について、トナーの耐オフセット性を良好
(○)と評価した。
【0088】また、定着ローラーのクリーニングウェー
ブの汚れの状態を評価した。
【0089】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0090】まず、本発明に使用されるアルキルアルコ
ールと分子中にエポキシ基を1個有する物質とを反応さ
せた物質(物質α)の製造例を示す。
【0091】(製造例1) CH3(CH245OH 662重量部 プロピレンオキサイド 350重量部 をナトリウムエトキシドの存在下、圧力2.0×105
Pa,温度150℃の条件下で反応させた。反応時間3
0分後にエーテル化合物である反応生成物を取り出し
た。これを物質Aとした。
【0092】(製造例2) CH3(CH255OH 802重量部 エチレンオキサイド 350重量部 をナトリウムエトキシドの存在下、圧力1.7×105
Pa,温度170℃の条件下で反応させた。反応時間1
5分後にエーテル化合物である反応生成物を取り出し
た。これを物質Bとした。
【0093】(製造例3) CH3(CH270OH 1012重量部 n−ブチルグリシジルエーテル 650重量部 を水酸化ナトリウムの存在下、圧力2.8×105
a,温度165℃の条件下で反応させた。反応時間60
分後にエーテル化合物である反応生成物を取り出した。
これを物質Cとした。
【0094】(製造例4) CH3(CH265OH 942重量部 フェニルグリシジルエーテル 480重量部 を水酸化ナトリウムの存在下、圧力1.7×105
a,温度140℃の条件下で反応させた。反応時間30
分後にエーテル化合物である反応生成物を取り出した。
これを物質Dとした。
【0095】(製造例5) CH3(CH250OH 800重量部 スチレンオキサイド 480重量部 を水酸化ナトリウムの存在下、圧力1.7×105
a,温度155℃の条件下で反応させた。反応時間30
分後にエーテル化合物である反応生成物を取り出した。
これを物質Eとした。
【0096】(比較製造例1) CH3(CH217OH 270重量部 n−ブチルグリシジルエーテル 195重量部 をナトリウムエトキシドの存在下、圧力2.0×105
Pa,温度160℃の条件下で反応させた。反応時間4
5分後にエーテル化合物である反応生成物を取り出し
た。これを物質Fとした。
【0097】次に、アルキルアルコールとラクトン類と
を反応させた物質(物質β)の製造例を以下に示す。
【0098】(製造例6) CH3(CH250OH 732重量部 εカプロラクトン 342重量部 をAl(C253の存在下で反応させ、エステル化合
物である物質Gを得た。
【0099】(製造例7) CH3(CH245OH 662重量部 εバレロラクトン 300重量部 をAl(C253の存在下で反応させ、エステル化合
物である物質Hを得た。
【0100】(製造例8) CH3(CH270OH 1012重量部 βプロピオラクトン 360重量部 をAl(C253の存在下で反応させ、エステル化合
物である物質Iを得た。
【0101】(比較製造例2) CH3(CH217OH 270重量部 εカプロラクトン 150重量部 をAl(C253の存在下で反応させ、エステル化合
物である物質Jを得た。
【0102】 実施例1 ポリエステル樹脂 100重量部 (ビスフェノールA−トリメリット酸−テレフタル酸 −エチレングリコールから成るポリエステル;Mw4万) 磁性酸化鉄 90重量部 負荷電性荷電制御剤 2重量部 物質A 3重量部
【0103】上記材料をブレンダーでよく混合した後、
110℃に設定した2軸混練押出機にて混練した。得ら
れた混練物を冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、
ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得ら
れた微粉砕粉を分級して体積平均粒径8.21μmの磁
性トナーを得た。得られた黒色微粉体の磁性トナー10
0重量部に負荷電性疎水性乾式コロイダルシリカ(BE
T比表面積300m2/g)0.6重量部を加え、ヘン
シェルミキサーで混合した。
【0104】この磁性トナーを市販の複写機キヤノン製
NP−9800に適用して、常温低湿(23.5℃,5
%)の環境条件にて、画出しを行なった。画出し試験結
果を表1に示す。表1から明らかなように、初期画像、
30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、良好な画
像であった。スリーブ上帯電量も初期、30000枚耐
久後も安定しており、画出し耐久中に、クリーニング不
良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着性,耐オ
フセット性共に良好であった。
【0105】実施例2 物質Aの代わりに物質Bを用いる以外は実施例1と同様
の材料を用い、同様の方法によって、体積平均粒径8.
05μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体の磁
性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイダル
シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重量部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、市販の複写
機キヤノン製NP−6060に適用して、実施例1と同
様な評価を行なった。
【0106】その結果は、表1から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0107】実施例3 物質Aの代わりに物質Cを用いる以外は実施例1と同様
の材料を用い、同様の方法によって、体積平均粒径6.
35μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体の磁
性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイダル
シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重量部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、市販の複写
機キヤノン製NP−9800に適用して、実施例1と同
様な評価を行なった。
【0108】その結果は、表1から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0109】 実施例4 スチレン−アクリル系樹脂 100重量部 (スチレン−ブチルアクリレート−マレイン酸モノブチル ジビニルベンゼン共重合体;Mw17.6万) 磁性酸化鉄 90重量部 負荷電性荷電制御剤 2重量部 物質D 3重量部
【0110】上記材料を用い実施例1と同様の方法によ
って、体積平均粒径8.05μmの磁性トナーを得た。
得られた黒色微粉体の磁性トナー100重量部に負荷電
性疎水性乾式コロイダルシリカ(BET比表面積300
2/g)0.6重量部を加え、ヘンシェルミキサーで
混合した後、市販の複写機キヤノン製NP−9800に
適用して、実施例1と同様な評価を行なった。
【0111】その結果は、表1から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0112】実施例5 物質Dの代わりに物質Eを用いる以外は実施例4と同様
の材料を用い、同様の方法によって、体積平均粒径6.
21μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体の磁
性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイダル
シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重量部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、市販の複写
機キヤノン製NP−9800に適用して、実施例1と同
様な評価を行なった。
【0113】その結果は、表1から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0114】実施例6 物質Dの代わりに物質Bを用いる以外は実施例4と同様
の材料を用い、同様の方法によって、体積平均粒径6.
15μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体の磁
性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイダル
シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重量部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、市販の複写
機キヤノン製NP−6060に適用して、実施例1と同
様な評価を行なった。
【0115】その結果は、表1から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0116】 比較例1 ポリエステル系樹脂 100重量部 (ビスフェノールA−トリメリット酸−テレフタル酸 −エチレングリコールから成るポリエステル;Mw4万) 磁性酸化鉄 90重量部 負荷電性荷電制御剤 2重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部
【0117】上記材料を用い実施例1と同様の方法によ
って、体積平均粒径6.37μmの磁性トナーを得た。
得られた黒色微粉体の磁性トナー100重量部に負荷電
性疎水性乾式コロイダルシリカ(BET比表面積300
2/g)0.6重量部を加え、ヘンシェルミキサーで
混合した後、実施例1と同様な評価を行なった。初期画
像は良好であったが、画出し耐久を進めるにつれて画像
濃度低下が発生し、3800枚時には画像濃度は1.1
3となったため、3800枚時に耐久を中止した。ま
た、耐久中3800枚時のスリーブ上トナー帯電量は、
−19.7μC/gであった。
【0118】また、画出し耐久中3700枚付近からク
リーニング不良が発生し、3750枚付近からドラム融
着が発生した。
【0119】また、定着性は、画像濃度低下率が22.
7%と悪いレベルであり、耐オフセット性はウエーブ汚
れによる画像汚染が発生した。
【0120】比較例2 比較例1において低分子量ポリプロピレンを物質Fとす
る以外は比較例1と同様の方法によって、体積平均粒径
6.32μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体
の磁性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイ
ダルシリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重
量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、実施例
1と同様な評価を行なった。初期画像は良好であった
が、画出し耐久を進めるにつれて画像濃度低下が発生
し、4300枚時には画像濃度は1.08となったた
め、4300枚時に耐久を中止した。耐久中4300枚
時のスリーブ上トナー帯電量は、−20.9μC/gで
あった。
【0121】また、画出し耐久中3900枚付近からク
リーニング不良が発生し、4100枚付近からドラム融
着が発生した。
【0122】また、定着性は、画像濃度低下率が23.
6%と悪いレベルであり、耐オフセット性はウエーブ汚
れによる画像汚染が発生した。
【0123】 比較例3 スチレン−アクリル系樹脂 100重量部 (スチレン−ブチルアクリレート−マレイン酸モノブチル ジビニルベンゼン共重合体;Mw17.6万) 磁性酸化鉄 90重量部 負荷電性荷電制御剤 2重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部
【0124】上記材料を用い実施例1と同様の方法によ
って、体積平均粒径6.42μmの磁性トナーを得た。
得られた黒色微粉体の磁性トナー100重量部に負荷電
性疎水性乾式コロイダルシリカ(BET比表面積300
2/g)0.6重量部を加え、ヘンシェルミキサーで
混合した後、実施例1と同様な評価を行なった。初期画
像は良好であり、画出し耐久を進めるにつれて画像濃度
低下が発生し、3000枚時には画像濃度は1.09と
なったため、3000枚時に耐久を中止した。また、耐
久中3000枚時のスリーブ上トナー帯電量は、−2
1.4μC/gであった。
【0125】また、画出し耐久中2900枚付近からク
リーニング不良が発生し、2700枚付近からドラム融
着が発生した。
【0126】また、定着性は、画像濃度低下率が22.
1%と悪いレベルであり、耐オフセット性はウエーブ汚
れによる画像汚染が発生した。
【0127】比較例4 比較例3において低分子量ポリプロピレンを物質Fとす
る以外は比較例3と同様の方法によって、体積平均粒径
6.31μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体
の磁性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイ
ダルシリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重
量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、実施例
1と同様な評価を行なった。初期画像は良好であった
が、画出し耐久を進めるにつれて画像濃度低下が発生
し、3500枚時には画像濃度は1.08となったた
め、3500枚時に耐久を中止した。また、耐久中35
00枚時のスリーブ上トナー帯電量は、−20.8μC
/gであった。
【0128】また、画出し耐久中3300枚付近からク
リーニング不良が発生し、3400枚付近からドラム融
着が発生した。
【0129】また、定着性は、画像濃度低下率が21.
3%と悪いレベルであり、耐オフセット性はウエーブ汚
れによる画像汚染が発生した。
【0130】
【表1】
【0131】 実施例7 ポリエステル樹脂 100重量部 (ビスフェノールA−トリメリット酸−テレフタル酸 から成るポリエステル;Mw4万) 磁性酸化鉄 90重量部 負荷電性荷電制御剤 2重量部 物質G 3重量部
【0132】上記材料をブレンダーでよく混合した後、
110℃に設定した2軸混練押出機にて混練した。得ら
れた混練物を冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、
ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得ら
れた微粉砕粉を分級して体積平均粒径7.98μmの磁
性トナーを得た。得られた黒色微粉体の磁性トナー10
0重量部に負荷電性疎水性乾式コロイダルシリカ(BE
T比表面積300m2/g)0.6重量部を加え、ヘン
シェルミキサーで混合した。
【0133】この磁性トナーを市販の複写機キヤノン製
NP−9800に適用して、常温低湿(23.5℃,5
%)の環境条件にて、画出しを行なった。画出し試験結
果を表2に示す。表2から明らかなように、初期画像、
30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、良好な画
像であった。スリーブ上帯電量も初期、30000枚耐
久後も安定しており、画出し耐久中に、クリーニング不
良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着性,耐オ
フセット性共に良好であった。
【0134】実施例8 物質Gの代わりに物質Hを用いる以外は実施例7と同様
の材料を用い、同様の方法によって、体積平均粒径6.
03μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体の磁
性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイダル
シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重量部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、市販の複写
機キヤノン製NP−6060に適用して、実施例7と同
様な評価を行なった。
【0135】その結果は、表2から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0136】実施例9 物質Gの代わりに物質Iを用いる以外は実施例7と同様
の材料を用い、同様の方法によって、体積平均粒径6.
15μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体の磁
性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイダル
シリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重量部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、市販の複写
機キヤノン製NP−9800に適用して、実施例7と同
様な評価を行なった。
【0137】その結果は、表2から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0138】 実施例10 スチレン−アクリル系樹脂 100重量部 (スチレン−2エチルヘキシルアクリレート−マレイン酸モノブチル −ジビニルベンゼン共重合体;Mw18.2万) 磁性酸化鉄 90重量部 負荷電性荷電制御剤 2重量部 物質G 3重量部
【0139】上記材料を用い実施例7と同様の方法によ
って、体積平均粒径6.28μmの磁性トナーを得た。
得られた黒色微粉体の磁性トナー100重量部に負荷電
性疎水性乾式コロイダルシリカ(BET比表面積300
2/g)0.6重量部を加え、ヘンシェルミキサーで
混合した後、市販の複写機キヤノン製NP−9800に
適用して、実施例7と同様な評価を行なった。
【0140】その結果は、表2から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0141】実施例11 物質Gの代わりに物質Hを用いる以外は実施例10と同
様の材料を用い、同様の方法によって、体積平均粒径
8.17μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体
の磁性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイ
ダルシリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重
量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、市販の
複写機キヤノン製NP−6060に適用して、実施例7
と同様な評価を行なった。
【0142】その結果は、表2から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0143】実施例12 物質Gの代わりに物質Iを用いる以外は実施例10と同
様の材料を用い、同様の方法によって、体積平均粒径
6.06μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体
の磁性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイ
ダルシリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重
量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、市販の
複写機キヤノン製NP−9800に適用して、実施例7
と同様な評価を行なった。
【0144】その結果は、表2から明らかなように、初
期画像、30000枚耐久画像ともに画像濃度が高く、
良好な画像であった。スリーブ上帯電量も初期、300
00枚耐久後も安定しており、画出し耐久中に、クリー
ニング不良,ドラム融着の発生はなかった。また、定着
性,耐オフセット性共に良好であった。
【0145】 比較例5 ポリエステル系樹脂 100重量部 (ビスフェノールA−トリメリット酸−テレフタル酸 から成るポリエステル;Mw4万) 磁性酸化鉄 90重量部 負荷電性荷電制御剤 2重量部 低分子量ポリプロピレン 3重量部
【0146】上記材料を用い実施例7と同様の方法によ
って、体積平均粒径6.41μmの磁性トナーを得た。
得られた黒色微粉体の磁性トナー100重量部に負荷電
性疎水性乾式コロイダルシリカ(BET比表面積300
2/g)0.6重量部を加え、ヘンシェルミキサーで
混合した後、実施例7と同様な評価を行なった。初期画
像は良好であったが、画出し耐久を進めるにつれて画像
濃度低下が発生し、3500枚時には画像濃度は1.1
0となったため、3500枚時に耐久を中止した。ま
た、耐久中3500枚時のスリーブ上トナー帯電量は、
−20.1μC/gであった。
【0147】また、画出し耐久中3300枚付近からク
リーニング不良が発生し、3400枚付近からドラム融
着が発生した。
【0148】また、定着性は、画像濃度低下率が21.
8%と悪いレベルであり、耐オフセット性はウエーブ汚
れによる画像汚染が発生した。
【0149】比較例6 比較例5において低分子量ポリエチレンを物質Jとする
以外は比較例5と同様の方法によって、体積平均粒径
6.17μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体
の磁性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイ
ダルシリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重
量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、実施例
1と同様な評価を行なった。初期画像は良好であった
が、画出し耐久を進めるにつれて画像濃度低下が発生
し、4000枚時には画像濃度は1.07となったた
め、4000枚時に耐久を中止した。また、耐久中40
00枚時のスリーブ上トナー帯電量は、−19.5μC
/gであった。
【0150】また、画出し耐久中3900枚付近からク
リーニング不良が発生し、3850枚付近からドラム融
着が発生した。
【0151】また、定着性は、画像濃度低下率が22.
4%と悪いレベルであり、耐オフセット性はウエーブ汚
れによる画像汚染が発生した。
【0152】 比較例7 スチレン−アクリル系樹脂 100重量部 (スチレン−2エチルヘキシルアクリレート−マレイン酸モノブチル ジビニルベンゼン共重合体;Mw18.2万) 磁性酸化鉄 90重量部 負荷電性荷電制御剤 2重量部 低分子量ポリエチレン 3重量部
【0153】上記材料を用い実施例7と同様の方法によ
って、体積平均粒径6.39μmの磁性トナーを得た。
得られた黒色微粉体の磁性トナー100重量部に負荷電
性疎水性乾式コロイダルシリカ(BET比表面積300
2/g)0.6重量部を加え、ヘンシェルミキサーで
混合した後、実施例7と同様な評価を行なった。初期画
像は良好であったが、画出し耐久を進めるにつれて画像
濃度低下が発生し、2800枚時には画像濃度は1.1
2となったため、2800枚時に耐久を中止した。ま
た、耐久中2800枚時のスリーブ上トナー帯電量は−
20.7μC/gであった。
【0154】また、画出し耐久中2700枚付近からク
リーニング不良が発生し、2650枚付近からドラム融
着が発生した。
【0155】また、定着性は、画像濃度低下率が20.
7%と悪いレベルであり、耐オフセット性はウエーブ汚
れによる画像汚染が発生した。
【0156】比較例8 比較例7において低分子量ポリエチレンを物質Jとする
以外は比較例7と同様の方法によって、体積平均粒径
6.27μmの磁性トナーを得た。得られた黒色微粉体
の磁性トナー100重量部に負荷電性疎水性乾式コロイ
ダルシリカ(BET比表面積300m2/g)0.6重
量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合した後、実施例
7と同様な評価を行なった。初期画像は良好であった
が、画出し耐久を進めるにつれて画像濃度低下が発生
し、3200枚時には画像濃度は1.09となったた
め、3200枚時に耐久を中止した。また、耐久中32
00枚時のスリーブ上トナー帯電量は、−21.6μC
/gであった。
【0157】また、画出し耐久中3150枚付近からク
リーニング不良が発生し、3100枚付近からドラム融
着が発生した。
【0158】また、定着性は画像濃度低下率が20.3
%と悪いレベルであり、耐オフセット性はウエーブ汚れ
による画像汚染が発生した。
【0159】
【表2】
【0160】
【発明の効果】本発明によれば、上記アルキルアルコー
ルと、上記分子中にエポキシ基を1個有する物質又はラ
クトンとを反応させた物質を含有するトナーであるた
め、定着性,耐オフセット性にすぐれ、低湿環境下にお
いても画像濃度の良好な画像を安定して提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−280763(JP,A) 特開 平2−287362(JP,A) 特開 昭63−113558(JP,A) 特開 平2−134648(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CH3(CH2nOH(n≧20)で示
    されるアルキルアルコールと、分子中にエポキシ基を1
    個有する下記化合物 【化1】 [R’はH,C1〜C20の炭化水素基,R1−CH2−で
    示される基(R1:エーテル基あるいはエステル基)を
    示す。]又はラクトン類とを反応させたエーテル化合物
    又はエステル化合物を含有することを特徴とするトナ
    ー。
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