JP3027907U

JP3027907U - 手袋

Info

Publication number: JP3027907U
Application number: JP1996001412U
Authority: JP
Inventors: 小市小久保
Original assignee: 株式会社丸保繊維
Priority date: 1996-02-13
Filing date: 1996-02-13
Publication date: 1996-08-20
Anticipated expiration: 2002-02-13

Abstract

(57)【要約】【課題】手袋内の発熱体を挿入しても、作業能率を低
下させず、着用感を悪くすることのない手袋を得る。【解決手段】表面に保護層を有する外層手袋と、その
内部に挿入した内層手袋とよりなる二層手袋において、
内層手袋の胛部の外側又は内側にポケットを設け、該ポ
ケット内に発熱粉を封入した偏平の袋体の中間部に袋体
の幅方向に延びる発熱粉が封入されていない屈折帯を１
以上設けた発熱体を、前記屈折帯が手袋の幅方向に向く
よう封入した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、寒冷地，冷蔵庫等で使用される作業用手袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

寒冷地或いは冷蔵庫内などの低温域で作業使用される作業用の手袋は、耐破断性，耐水性等を発揮させるための樹脂コーティングした厚手の外層手袋内に、保温性を有する柔軟な内層手袋を挿入した二重の構造となっている。しかし、それでも低温での作業では、冷気を感じ作業能率が低下する。そのために、これに対処して、袋体内の発熱粉を袋体ごと揉むことにより熱を発生させる発熱体を手袋内に挿入して作業を行うと、発熱体の袋の形状が手の動きに添わず、発熱体が手袋の着用感を悪くすることが考えられる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の点に鑑みて、手袋内に発熱体を挿入しても、作業能率を低下させず、着用感を悪くすることがなく、かつ、作業中発熱体の脱落のない手袋を得ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

表面に保護層を有する外層手袋と、その内部に挿入した内層手袋とよりなる二層手袋において、内層手袋の胛部の外側又は内側にポケットを設け、該ポケット内に発熱粉を封入した偏平の袋体の中間部に袋体の幅方向に延びる発熱粉が封入されていない屈折帯を１以上設けた発熱体を、前記屈折帯が手袋の幅方向に向くよう封入した。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案手袋１の実施の形態を図面と共に次に説明する。本考案手袋１は、外層手袋２と内層手袋３とからなる。

【０００６】外装手袋２は、手袋の形状に編成された編地、或いは織製された織地を手袋の形状に裁断，縫製してなる生地４の表面に、耐摩耗性，耐裂断性を有し、滑り止め効果，保温性等を有する合成樹脂等よりなる保護層５をコーティングしてなるものである。

【０００７】内層手袋３は、柔軟性を保持するため、主として自動手袋編機によるニット生地を用いるが、柔軟な織地を縫製したものであっても差し支えない。内層手袋３は、その図１のＡ，Ｂ又はＣに示すように胛部の外面又は内面にポケット６を構成している。手指部分を暖めるのに最も効果の上る胛部の指の付け根部分の関節部位に対応して位置させる。ポケット６は、方形の薄布７を胛部の外側或いは内側に重ね、手首部に近い一辺の一部を除き他の３辺を胛部に縫着８してなり、上記手首部に近い一辺の未縫着部分を後述する発熱体９の挿入口１０としている。

【０００８】上記ポケット６は、内層手袋と別体の生地を内層手袋に縫着したが、内層手袋の編成時に胛部の外面又は内面にポケット部の編地を内層手袋の編地と共に一体に編成して予め作ることも出来る。

【０００９】発熱体９は、ポケット６の内部形状にほぼ等しい平面形状を有する偏平な袋体内に、例えば揉むことにより発熱する酸化鉄粉を封入した所謂使い捨て懐炉を挿入する。この発熱体は上下２枚に折り畳んだシート１１の間に発熱粉１２を置き周囲をシールして発熱粉１２を封入し、かつ、作業中に指を屈伸したときに、その屈伸動作が発熱体９の袋により妨げられる事態が生ずるのを防ぐため、発熱体９の前記関節部位に対応する位置に、手袋の幅方向に延びる、即ち、並んだ各指の関節の方向に延びる屈折帯１３を設けている。屈折帯１３は、発熱体９の袋体を作るときに、２つ折りに折り畳んだシートの周縁をヒートシールすると同時に、その中間部位においても幅方向にヒートシールし、発熱粉体１２が存在しない折り曲げ易い部分を構成している。図示の例では屈折帯１３は１本であるが、これを適宜複数とし発熱体９を一層折り曲げ易いものとすることが出来る。

【００１０】上記発熱体９はポケット６の挿入口１０から屈折帯１３が手袋の幅方向に向くように挿入する。挿入された発熱体９は、挿入口１０をポケット６の幅よりも狭めている入口縫着部分１４により作業中に脱落するのを防止されている。

【００１１】作業中手袋は、掌側への屈曲伸長を繰り返すことになり、胛側の関節は突出が繰り返されることになる。その都度ポケット６内の発熱体９は、くの字に折り返されることになるが、図２に示す如く発熱体９内の発熱粉１２が詰まっていない屈折帯１３の部分が突出する関節の位置に相対するように発熱体９がポケット６内に挿入されているので、関節の屈曲に対し発熱体９は容易に屈折帯１３の部位で屈折することになる。即ち、指の屈折に対して発熱体９も屈折することになるが、このとき発熱体９は必ず屈折帯１３の位置で屈折することになり、ポケット６内での発熱体９の位置は不動のものとなり、使用中の指の動きによって、発熱体９がポケット６外に脱落することはない。上記効果は、ポケット６を内層手袋３の外側に設けても内側に設けても全く同一である。

【００１２】

【考案の効果】

本考案手袋は、表面に保護層を有する外層手袋と、その内部に挿入した内層手袋とよりなる二層手袋において、内層手袋の胛部の外側又は内側にポケットを設け、該ポケット内に発熱粉を封入した偏平の袋体の中間部に袋体の幅方向に延びる発熱粉が封入されていない屈折帯を１以上設けた発熱体を、前記屈折帯が手袋の幅方向に向くよう封入したことにより、次の諸効果を得ることが出来る。

【００１３】内外二重とし外層手袋に保護層を設けてあるために、荒い危険性のある作業にも使用することが出来る。

【００１４】内層手袋にポケットを設けてあるために、該ポケットに発熱体を挿入しておけば手を暖めることが出来る。内層手袋の外側面にポケットを設けても、外層手袋により保護されるため、ポケット内の発熱体を損傷することはない。

【００１５】内層手袋のポケットに挿入する偏平の発熱体に、袋体の幅方向に延びる袋体がシールされてなる発熱粉の封入されていない屈折帯が設けられているので、作業中に手の指の屈折に対応して発熱体は必ず屈折帯部分で屈折することになり、上記屈折により発熱体がポケット内で係止され発熱体がポケット外に脱落するのを防止される。

【００１６】発熱体は必ず屈折帯部分で屈折し、かつ、該屈折帯部分は発熱体の折り屈げが容易であるため発熱体がポケットに入っていても作業中違和感がなく、着用感を悪くすることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案手袋を示すもので、Ａは内層手袋の外面
にポケットを設けた例における外層手袋及び内層手袋の
一部を切除した状態の平面図、ＢはＡの矢印方向切断面
図、Ｃは内層手袋の内面にポケットを設けた例の断面図
である。

【図２】手袋使用中に指を屈げた状態の断面図である。

【図３】内外層手袋の生地の断面図である。

【符号の説明】

１手袋２外層手袋３内層手袋４生地５保護層６ポケット９発熱体１２発熱粉１３屈折帯

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】表面に保護層を有する外層手袋と、その
内部に挿入した内層手袋とよりなる二層手袋において、
内層手袋の胛部の外側又は内側にポケットを設け、該ポ
ケット内に発熱粉を封入した偏平の袋体の中間部に袋体
の幅方向に延びる発熱粉が封入されていない屈折帯を１
以上設けた発熱体を、前記屈折帯が手袋の幅方向に向く
よう封入したことを特徴とする手袋。